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【発明の名称】 ジッタ信号発生器
【発明者】 【氏名】佐藤 誠

【要約】 【課題】ジッタ量設定に用いるスイッチの機械的損傷や摩耗を低減でき、しかも利便性の向上したジッタ信号発生器を提供する。

【解決手段】ジッタ量の設定範囲内を移動するジッタ量設定つまみ25と、ジッタ信号出力端子50とを有し、ジッタ量設定つまみ25により設定範囲内でジッタ量を可変させたジッタ信号を出力端子50より出力するジッタ信号発生器において、固定ジッタ量を設定する設定手段と、選択スイッチ60とを設け、選択スイッチ60が付勢されると、ジッタ量設定つまみ25の動作を無効とし、設定手段で設定された固定ジッタ量を有するジッタ信号を出力端子50に供給する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ジッタ量の設定範囲内を移動するジッタ量設定つまみと、ジッタ信号出力端子とを有し、前記ジッタ量設定つまみにより前記設定範囲内でジッタ量を可変させたジッタ信号を前記出力端子より出力するジッタ信号発生器において、固定ジッタ量を設定する設定手段と、選択スイッチとを設け、前記選択スイッチが付勢されると、前記ジッタ量設定つまみの動作を無効とし前記設定手段で設定された前記固定ジッタ量を有するジッタ信号を前記出力端子に供給することを特徴とするジッタ信号発生器。
【請求項2】 請求項1に記載のジッタ信号発生器において、前記固定ジッタ量が0であることを特徴とするジッタ信号発生器。
【請求項3】 請求項1に記載のジッタ信号発生器において、前記選択スイッチが付勢されると、すべてのジッタ量設定つまみの動作を無効とすることを特徴とするジッタ信号発生器。
【請求項4】 請求項1乃至3に記載のジッタ信号発生器において、前記出力端子より出力される前記ジッタ信号がジッタ計測器の校正信号として使用されることを特徴とするジッタ信号発生器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はジッタ信号発生器に係り、特にジッタメータ等のジッタ計測器の校正に用いられる校正用ジッタ信号を発生するジッタ信号発生器に関する。
【0002】
【従来の技術】CDやDVD(デジタルバーサタイルディスク)装置の発光/受光器の位置調整やディスク及びディスクドライブ装置の検査を行うためにジッタメータが広く使用されている。これはCDやDVD装置からデータを読み取り,このデータのひずみ(ジッタ)を計測することにより発光器の位置調整やディスク及びディスクドライブ装置の検査を行うために用いられる。
【0003】図3はジッタを伴ったデータの読み取り信号を示したものである。CDやDVD装置の発光もしくは受光器の位置調整やディスク及びディスクドライブ装置の検査が適切に行われていると読み取られたデータは実線で示すようにパルスデューティ比が一定の方形波を示す。しかし位置調整やディスク及びディスクドライブ装置の検査が不適切であると方形波のデューティ比がパルスの立ち下がり時点で変化し、図中に点線で示すようにパルス幅変調された波形として現れる。これをジッタと称している。このジッタの大きさ(ジッタ量)はジッタメータにより測定することはできるが正確にジッタ量を測定するためにはこのジッタメータを校正する必要がある。
【0004】この校正用のジッタ信号を提供する装置としてジッタ信号発生器が知られている。ジッタ信号発生器はジッタ量を可変することができ、任意のジッタ量を設定することにより、この設定されたジッタ量を有するジッタ信号をジッタ信号出力端子に出力するように構成されている。このように、ジッタ信号発生器はジッタ量の設定範囲内を移動するジッタ量設定つまみを有しており、このジッタ量設定つまみを設定範囲内の所定のジッタ量に合わせることにより出力端子からジッタ信号を取り出すことができる。
【0005】図4は従来のジッタ信号計測器に用いられるジッタ量設定つまみの構成を示したものである。所定の設定範囲(この例の場合には0〜40ns)内を移動することのできるジッタ量設定つまみ1aを回転させ、所定位置に止めることによりこの止められた位置に示されたジッタ量を持ったジッタ信号が出力端子から供給される。
【0006】図5も従来のジッタ信号発生器に用いられるジッタ量設定つまみの構成を示したものである。この場合には円板状のつまみを有しており、設定範囲が0〜46nsに設定されており最大設定量(46ns)から最低設定量(0ns)につまみ1bを回転することにより即座に戻ることができる。
【0007】このように従来のジッタ信号発生器ではジッタ量設定つまみによりジッタ量を設定するポジションのひとつとして”0”のポジションを設けていた。また汎用性を持たせるためには設定ポジション数は図5に示すように多くする必要がある。またジッタメータの校正に際しては、しばしばジッタ量を0とするような校正信号を発生させる必要がある。この場合、ジッタ量をある値に設定し、ジッタメータの校正を行っている際に、同時にジッタ量を0にした信号を供給して確認を行うためには設定つまみ1aまたは1bを頻繁に操作する必要があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このようにジッタ量設定つまみを頻繁に操作するため設定つまみに使用するスイッチには耐久性のあるものを必要とした。また操作性の観点から考えると、多くのポジション数を有する切り替えスイッチとしてはロータリ式のスイッチが望ましいが、ひとつのポジションから離れた別のポジション(この場合は”0”のポジション)に設定するのに不必要なポジションの接点へも摺動子は接触して移動していくため摩擦により接点の摩耗が起こり、耐久性に影響を及ぼすという問題があった。本発明は上述した問題を解決するためになされたもので、所定のジッタ量を有するジッタ信号が出力されている場合でも、設定つまみを移動させることなく瞬時に固定ジッタ量をもつジッタ信号を供給することのできるジッタ信号発生器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ジッタ量の設定範囲内を移動するジッタ量設定つまみと、ジッタ信号出力端子とを有し、前記ジッタ量設定つまみにより前記設定範囲内でジッタ量を可変させたジッタ信号を前記出力端子より出力するジッタ信号発生器において、固定ジッタ量を設定する設定手段と、選択スイッチとを設け、前記選択スイッチが付勢されると、前記ジッタ量設定つまみの動作を無効とし前記設定手段で設定された前記固定ジッタ量を有するジッタ信号を前記出力端子に供給する。
【0010】また、本発明のジッタ信号発生器においては、前記固定ジッタ量を0とすることが出来る。さらに、前記選択スイッチが付勢されると、すべてのジッタ量設定つまみの動作を無効とするように構成することも出来る。なお、前記出力端子より出力される前記ジッタ信号をジッタ計測器の校正信号として使用することが出来る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図6はジッタ信号発生器の一般的構成を示すブロック図である。図示しない所定のタイミング発生回路からのタイミングクロックに同期してジッタ発生回路10が正弦波を発生する。また鋸歯状波発生回路30が鋸歯状波を発生する。ジッタ発生回路10からの正弦波はジッタ量選択回路20においてその振幅が調整される。これにより所定設定範囲内でジッタ量を調整することが可能となる。ジッタ量選択回路20を経由した正弦波と鋸歯状波発生回路30からの鋸歯状波とは比較器40により比較され、出力端子50に所定のジッタ量を持つ方形波が出力される。
【0012】図1は本発明によるジッタ信号発生器の要部の構成を示したもので、図6に示すジッタ量選択回路20と比較器40との間に固定ジッタ量を設定するための設定手段とこれを選択する選択スイッチとを設けた構成となっている。ジッタ量選択回路20は複数の直列抵抗で構成され、抵抗間からタップが取り出されてこれが設定つまみ25によって切り替えられるように構成されている。設定つまみ25の共通端子は通常は閉塞状態にあるスイッチ61を介して比較器40の一方の端子に接続されている。また、比較器40の一方の端子は通常は開放状態にあるスイッチ62を介して接地されている。
【0013】このスイッチ61と62とにより本発明による選択スイッチ60が構成される。通常、スイッチ61は閉塞され、スイッチ62は開放されているためにジッタ量設定つまみ25を回転させることにより所定の振幅を有する正弦波が比較器40の一方の入力端子に入力され、これが鋸歯状波と比較されて所定のジッタ量をもったジッタ信号が出力端子50に出力される。ここで選択スイッチ60を付勢する、すなわちスイッチ62を閉塞させ、スイッチ61を開放するように連動して操作すると、比較器40の一方の入力端子は接地された状態となりジッタ量設定つまみ25のつまみの位置がどの位置にあってもジッタ発生回路10からの信号は比較器40には伝達されず、すなわちジッタ量設定つまみ25の動作は無効となり、接地レベルの信号のみが比較器40の一方の入力端子に入力されることになる。これにより固定ジッタ量、すなわちこの場合にはジッタ量0の信号が出力端子50から出力される。
【0014】図2は図1に示す回路を含むジッタ信号発生器のパネル面の構成を示したものである。ジッタ信号発生器のパネル面には円板状のジッタ量設定つまみ25とジッタ信号出力端子50とが設けられている。なお本実施の形態ではジッタ量の設定範囲がA、B、Cの3つの範囲に分けて設定されるように構成されており、この範囲A、B、Cの選定は範囲選択スイッチ15を切替えることにより行うことができる。ここで所定の範囲を範囲選択スイッチ15により選定し、所定のジッタ量を有するジッタ信号を出力端子50から出力している状態において、ジッタ量を0とする校正信号が必要となった場合には選択スイッチ60を押下することにより、図1で説明したような動作により出力端子50からはジッタ量0のジッタ信号が出力される。なお選択スイッチ60を押下した時出力されるジッタ信号は、ジッタ量が0に限定されるものではない。
【0015】図1に示す回路においてスイッチ62の接地側に接続された端子を、所定のタップに接続し直すことにより固定ジッタ量を有するジッタ信号を出力させることができる。また選択スイッチ60が付勢されると、ジッタの設定範囲がどの範囲であってもすべてジッタ量設定つまみ25の動作は無効となり所定の固定ジッタ量をもったジッタ信号が出力される。なお選択スイッチ60は操作の容易性からプッシュスイッチを用いるのが好ましい。
【0016】図2に示す例では範囲Aが選定され、ジッタ量が8.0nsのジッタ信号が供給されている状態においてプッシュ式選択スイッチ60を押下することにより設定つまみ25の設定位置にかかわらず出力端子50からジッタ量0nsのジッタ信号が供給される。このときプッシュ式選択スイッチ60の押下をやめれば、再び8.0nsのジッタ量を持つジッタ信号が出力される。なお図2に示す実施の形態では選択スイッチ60を1つだけ設けてこの押下により0nsのジッタ量を設定するようにしているが、選択スイッチはひとつだけに限定されるものではなく複数設けてそれぞれそれを押下することにより、所定の固定ジッタ量を有するジッタ信号を出力端子50に出力するように構成してもよい。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明ではジッタ量を0nsまたは特定の固定値に設定するための選択スイッチとその固定ジッタ量を設定する設定手段とを設けたので、利便性が向上したジッタ信号発生器を提供することができる。またジッタ量設定に用いる設定つまみやスイッチの機械的損傷や摩耗を低減することができるため、装置寿命を向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000003595
【氏名又は名称】株式会社ケンウッド
【識別番号】398008217
【氏名又は名称】株式会社ケンウッドティー・エム・アイ
【出願日】 平成11年6月28日(1999.6.28)
【代理人】 【識別番号】100086368
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 誠
【公開番号】 特開2001−13232(P2001−13232A)
【公開日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願番号】 特願平11−182546