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【発明の名称】 半導体集積回路及びその検査方法
【発明者】 【氏名】太田 光保

【氏名】細川 利典

【氏名】竹岡 貞巳

【氏名】市川 修

【要約】 【課題】半導体集積回路の検査方法において、検査信号発生点と検査信号観測点とを結ぶ信号伝播経路を効率よく検査し、より少ない検査回数でより多くの信号伝播経路の遅延故障を検査する。

【解決手段】検査回路100を搭載した半導体集積回路において、該検査回路を構成する論理回路100aにおける複数の信号伝播経路から、検査対象とする所定の信号伝播経路を選択し、検査タイミング生成部210から、選択した信号伝播経路に対応する設計上の遅延時間に応じた周期を有する検査クロックをレジスタ(検査信号発生点)201,レジスタ(検査信号観測点)202,203に出力し、各レジスタにて検査信号の発生と観測を行うようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 入力信号をタイミング信号に基づいて保持する複数のレジスタと、所定のレジスタとの間で信号の授受を行う、複数の信号伝播経路を含む論理回路とを搭載した半導体集積回路に対して、2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、上記検査処理の対象となる被検査信号伝播経路の起点側及び終点側のレジスタに、該被検査信号伝播経路に設定されている設計上の遅延時間に応じた間隔でタイミング信号を入力し、上記起点側レジスタで発生した検査信号が、上記設計上の遅延時間内に終点側レジスタに伝播したか否かを判定する遅延判定処理と、上記検査信号が設計上の遅延時間内に伝播したとき、上記被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路を全て故障なしと判定する故障判定処理と、上記故障なしと判定された部分経路のみから構成される未検査の信号伝播経路を、検査処理が不要な検査済信号伝播経路と判定する検査済判定処理とを含むことを特徴とする半導体集積回路の検査方法。
【請求項2】 入力信号をタイミング信号に基づいて保持する複数のレジスタと、所定のレジスタとの間で信号の授受を行う、複数の信号伝播経路を含む論理回路とを搭載した半導体集積回路に対して、2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、上記2つのレジスタ間に位置する、上記検査処理の対象となる予め定められた所定数の信号伝播経路のうちから、上記検査処理が施されていない未検査信号伝播経路を被検査信号伝播経路として選択する経路選択処理と、該被検査信号伝播経路の起点側及び終点側のレジスタに、該被検査信号伝播経路に設定されている設計上の遅延時間に応じた間隔でタイミング信号を入力し、上記被検査信号伝播経路の起点側レジスタで発生した検査信号が、上記設計上の遅延時間内に終点側レジスタに伝播したか否かを検出するとともに、該被検査信号伝播経路を検査済信号伝播経路と判定する遅延判定処理と、上記検査信号が設計上の遅延時間内に伝播しなかったとき、上記半導体集積回路を信号伝播経路の故障を有するものと判定して上記検査処理を終了し、上記検査信号が設計上の遅延時間内に伝播したとき、上記被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路を全て故障のないものと判定する故障判定処理と、上記検査対象となる複数の信号伝播経路のうちの、上記故障のないものと判定された部分経路のみから構成される未検査信号伝播経路を、検査処理が不要な検査済信号伝播経路と判定する検査済判定処理とを含み、上記検査処理の対象となる予め定められた所定数の信号伝播経路がすべて検査済信号伝播経路と判定されるまで、上記経路選択処理,遅延判定処理,故障判定処理,及び検査済判定処理を繰り返し行うことを特徴とする半導体集積回路の検査方法。
【請求項3】 入力信号をタイミング信号に基づいて保持する複数のレジスタと、所定のレジスタとの間で信号の授受を行う、複数の信号伝播経路を含む論理回路とを搭載した半導体集積回路に対して、2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、上記検査処理の対象となる被検査信号伝播経路の起点側レジスタで発生した検査信号が、上記半導体集積回路の設計上の性能に基づく許容遅延時間内にその終点側レジスタに伝播したか否かを検出する遅延判定処理と、上記検査信号が上記許容遅延時間内に伝播したとき、該被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路に対して、上記許容遅延時間と該各部分経路の設計上の遅延時間とに基づいて最大遅延時間を導出する最大遅延時間導出処理と、上記最大遅延時間が割り当てられた部分経路のみから構成され、かつ各部分経路の最大遅延時間の総和が上記許容遅延時間以下である未検査の信号伝播経路を、検査処理の不要な検査済信号伝播経路と判定する検査済判定処理とを含むことを特徴とする半導体集積回路の検査方法。
【請求項4】 入力信号をタイミング信号に基づいて保持する複数のレジスタと、所定のレジスタとの間で信号の授受を行う、複数の信号伝播経路を含む論理回路とを搭載した半導体集積回路に対して、2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、上記2つのレジスタ間に位置する、上記検査処理の対象となる予め定められた所定数の信号伝播経路のうちから、上記検査処理が施されていない未検査信号伝播経路を被検査信号伝播経路として選択する経路選択処理と、上記被検査信号伝播経路の起点側レジスタで発生した検査信号が、上記半導体集積回路の設計上の性能に基づく許容遅延時間内にその終点側レジスタに伝播したか否かを検出するとともに、該被検査信号伝播経路を検査済信号伝播経路と判定する遅延判定処理と、上記検査信号が上記許容遅延時間内に伝播しなかったとき、上記半導体集積回路を信号伝播経路の故障を有するものと判定して上記検査処理を終了し、上記検査信号が上記許容遅延時間内に伝播したとき、該被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路に対して、上記許容遅延時間と該各部分経路の設計上の遅延時間とに基づいて最大遅延時間を導出する最大遅延時間導出処理と、上記被検査信号伝播経路を構成する部分経路のうちで、上記導出された最大遅延時間が、既に割り当てられている最大遅延時間より小さい部分経路、あるいは最大遅延時間が割り当てられていない部分経路に対して、上記導出された最大遅延時間を割り当てる遅延時間割当処理と、上記検査対象となる複数の信号伝播経路のうちで、上記最大遅延時間が割り当てられた部分経路のみから構成され、かつ各部分経路の最大遅延時間の総和が上記許容遅延時間以下である未検査信号伝播経路を、検査処理の不要な検査済信号伝播経路と判定する検査済判定処理とを含み、上記検査処理の対象となる予め定められた所定数の信号伝播経路がすべて検査済信号伝播経路と判定されるまで、上記経路選択処理,遅延判定処理,最大遅延時間導出処理,遅延時間割当処理,及び検査済判定処理を繰り返し行うことを特徴とする半導体集積回路の検査方法。
【請求項5】 入力信号をタイミング信号に基づいて保持する複数のレジスタと、所定のレジスタとの間で信号の授受を行う、複数の信号伝播経路を含む論理回路とを搭載した半導体集積回路に対して、2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、上記タイミング信号として、周期が異なる複数のクロック信号から、上記検査処理の対象となる被検査信号伝播経路に設定されている設計上の遅延時間より短くない最小の周期を有するクロック信号を選択し、上記被検査信号伝播経路の起点側及び終点側のレジスタに上記タイミング信号を入力し、上記被検査信号伝播経路の起点側レジスタで発生した検査信号が、上記最小周期内にその終点側レジスタに伝播したか否かを検出する遅延判定処理と、上記検査信号が上記最小周期内に伝播したとき、該被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路に対して、上記最小周期と該各部分経路の設計上の遅延時間とに基づいて最大遅延時間を導出する最大遅延時間導出処理と、上記最大遅延時間が割り当てられた部分経路のみから構成され、かつ各部分経路の最大遅延時間の総和が上記半導体集積回路の設計上の性能に基づく許容遅延時間以下である未検査信号伝播経路を、検査処理の不要な検査済信号伝播経路と判定する検査済判定処理とを含むことを特徴とする半導体集積回路の検査方法。
【請求項6】 入力信号をタイミング信号に基づいて保持する複数のレジスタと、所定のレジスタとの間で信号の授受を行う、複数の信号伝播経路を含む論理回路とを搭載した半導体集積回路に対して、2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、上記2つのレジスタ間に位置する、上記検査処理の対象となる予め定められた所定数の信号伝播経路のうちから、上記検査処理が施されていない未検査信号伝播経路を被検査信号伝播経路として選択する経路選択処理と、上記タイミング信号として、周期が異なる複数のクロック信号から、上記被検査信号伝播経路に設定されている設計上の遅延時間より短くない最小の周期を有するクロック信号を選択し、上記被検査信号伝播経路の起点側及び終点側のレジスタに上記タイミング信号を入力し、上記被検査信号伝播経路の起点側レジスタで発生した検査信号が、上記最小周期内にその終点側レジスタに伝播したか否かを検出するとともに、該被検査信号伝播経路を検査済信号伝播経路とする遅延判定処理と、上記検査信号が上記最小周期内に伝播しなかったとき、上記半導体集積回路を信号伝播経路の故障を有するものと判定して上記検査処理を終了し、上記検査信号が上記最小周期内に伝播したとき、該被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路に対して、上記最小周期と該各部分経路の設計上の遅延時間とに基づいて最大遅延時間を導出する最大遅延時間導出処理と、上記被検査信号伝播経路を構成する部分経路のうちで、上記導出された最大遅延時間が、既に割り当てられている最大遅延時間より小さい部分経路、あるいは最大遅延時間が割り当てられていない部分経路に対して、上記導出された最大遅延時間を割り当てる遅延時間割当処理と、上記検査対象となる複数の信号伝播経路のうちで、上記最大遅延時間が割り当てられた部分経路のみから構成され、かつ各部分経路の最大遅延時間の総和が上記半導体集積回路の設計上の性能に基づく許容遅延時間以下である未検査信号伝播経路を、検査処理の不要な検査済信号伝播経路と判定する検査済判定処理とを含み、上記検査処理の対象となる予め定められた所定数の信号伝播経路がすべて検査済信号伝播経路と判定されるまで、上記経路選択処理,遅延判定処理,最大遅延時間導出処理,遅延時間割当処理,及び検査済判定処理を繰り返し行うことを特徴とする半導体集積回路の検査方法。
【請求項7】 入力信号をタイミング信号に基づいて保持する複数のレジスタと、所定のレジスタとの間で信号の授受を行う、複数の信号伝播経路を含む論理回路とを搭載した半導体集積回路であって、上記論理回路は、所定の2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路と、上記複数の信号伝播経路のうちの一部または全部の信号伝播経路が上記2つのレジスタ間にて収斂する再収斂点を形成する論理素子とを有し、上記所定の2つのレジスタの一方は、上記信号伝播経路の故障検査時に検査信号を発生する起点側レジスタであり、その他方は、上記信号伝播経路の故障検査時に上記起点側レジスタから出力される検査信号を上記信号伝播経路を介して受け取る終点側レジスタであり、上記論理素子には、上記信号伝播経路の故障検査時に検査信号を上記論理素子に出力する起点側付加レジスタ、及び上記信号伝播経路の故障検査時に上記論理素子から出力される検査信号を受け取る終点側付加レジスタの両方または一方が接続されていることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項8】 請求項7記載の半導体集積回路において、上記起点側レジスタあるいは起点側付加レジスタにて検査信号を発生するタイミング、及び終点側レジスタあるいは終点側付加レジスタにて検査信号を観測するタイミングを決定するためのタイミング信号として検査クロックを上記各レジスタに出力する検査タイミング生成部を備え、該検査タイミング生成部は、外部からのタイミング選択信号に基づいて、所定周期を有する検査クロックを発生することを特徴とする半導体集積回路。
【請求項9】 請求項7記載の半導体集積回路において、上記論理回路は、上記再収斂点を形成する論理素子と、上記検査信号を該論理素子に出力する起点側付加レジスタとの間に接続され、遅延時間の異なる複数の遅延回路を含む起点側遅延回路を有しており、上記起点側付加レジスタから出力された検査信号は、上記起点側遅延回路における特定の遅延回路を介して上記論理素子へ出力されることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項10】 請求項7記載の半導体集積回路において、上記論理回路は、上記再収斂点を形成する論理素子と、該論理素子から出力される検査信号を受け取る終点側付加レジスタとの間に接続され、遅延時間の異なる複数の遅延回路を含む終点側遅延回路を有しており、上記論理素子から出力された検査信号は、上記終点側遅延回路における特定の遅延回路を介して上記終点側付加レジスタへ出力されることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項11】 請求項1ないし6のいずれかに記載の半導体集積回路の検査方法において、上記半導体集積回路は、上記論理回路として、所定の2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路と、上記複数の信号伝播経路のうちの一部または全部の信号伝播経路が上記2つのレジスタ間にて収斂する再収斂点を形成する論理素子とを有し、上記所定の2つのレジスタの一方が、上記信号伝播経路の故障検査時に検査信号を発生する起点側レジスタであり、その他方が、上記信号伝播経路の故障検査時に上記起点側レジスタから出力される検査信号を上記信号伝播経路を介して受け取る終点側レジスタであり、上記論理素子には、上記信号伝播経路の故障検査時に検査信号を上記論理素子に出力する起点側付加レジスタ、及び上記信号伝播経路の故障検査時に上記論理素子から出力される検査信号を受け取る終点側付加レジスタの両方または一方が接続されている論理回路を搭載したものであり、上記起点側レジスタ及び終点側レジスタ、並びに上記起点側付加レジスタ及び終点側付加レジスタの両方または一方を用いて、上記起点レジスタと終点レジスタの間に位置する一部または全部の信号伝播経路に対する検査処理が行われることを特徴とする半導体集積回路の検査方法。
【請求項12】 請求項9記載の半導体集積回路に対して、該回路における起点側レジスタ及び起点側付加レジスタと終点側レジスタとの間、並びに起点側レジスタと終点側レジスタ及び終点側付加レジスタとの間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、上記検査処理の対象となる被検査信号伝播経路の起点側レジスタあるいは起点側付加レジスタで検査信号をタイミング信号に基づいて発生し、該発生した検査信号が上記半導体集積回路の設計上の性能に基づく許容遅延時間内にその終点側レジスタあるいは終点側付加レジスタに伝播したか否かを上記タイミング信号に基づいて検出する遅延判定処理と、上記検査信号が上記許容遅延時間内に伝播したとき、該被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路に対して、上記許容遅延時間と該各部分経路の設計上の遅延時間とに基づいて最大遅延時間を導出する最大遅延時間導出処理と、上記最大遅延時間が割り当てられた部分経路のみから構成され、かつ各部分経路の最大遅延時間の総和が上記許容遅延時間以下である未検査信号伝播経路を、検査処理の不要な検査済信号伝播経路と判定する検査済判定処理とを含み、上記遅延判定処理では、上記起点側付加レジスタで検査信号を発生する際には、該起点側付加レジスタと終点側レジスタとの間での設計上の遅延時間が、上記タイミング信号により決まる計測時間を超えない範囲で、上記起点側遅延回路における最大の遅延時間を有する遅延回路が選択されることを特徴とする半導体集積回路の検査方法。
【請求項13】 請求項10記載の半導体集積回路に対して、該回路における起点側レジスタ及び起点側付加レジスタと終点側レジスタとの間、並びに起点側レジスタと終点側レジスタ及び終点側付加レジスタとの間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、上記検査処理の対象となる被検査信号伝播経路の起点側レジスタあるいは起点側付加レジスタで検査信号をタイミング信号に基づいて発生し、該発生した検査信号が上記半導体集積回路の設計上の性能に基づく許容遅延時間内にその終点側レジスタあるいは終点側付加レジスタに伝播したか否かを上記タイミング信号に基づいて検出する遅延判定処理と、上記検査信号が上記許容遅延時間内に伝播したとき、該被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路に対して、上記許容遅延時間と該各部分経路の設計上の遅延時間とに基づいて最大遅延時間を導出する最大遅延時間導出処理と、上記最大遅延時間が割り当てられた部分経路のみから構成され、かつ各部分経路の最大遅延時間の総和が上記許容遅延時間以下である未検査信号伝播経路を、検査処理の不要な検査済信号伝播経路と判定する検査済判定処理とを含み、上記遅延判定処理では、上記終点側付加レジスタで検査信号を観測する際には、該起点側レジスタと終点側付加レジスタとの間での設計上の遅延時間が、上記タイミング信号により決まる計測時間を超えない範囲で、上記終点側遅延回路における最大の遅延時間を有する遅延回路が選択されることを特徴とする半導体集積回路の検査方法。
【請求項14】 請求項9記載の半導体集積回路に対して、該回路における起点側レジスタ及び起点側付加レジスタと終点側レジスタとの間、並びに起点側レジスタと終点側レジスタ及び終点側付加レジスタとの間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、タイミング信号として、周期が異なる複数のクロック信号から、上記被検査信号伝播経路に設定されている設計上の遅延時間より短くない最小の周期を有するクロック信号を選択し、上記被検査信号伝播経路の起点側及び終点側のレジスタに上記タイミング信号を入力し、上記被検査信号伝播経路の起点側レジスタあるいは起点側付加レジスタで発生した検査信号が、上記最小周期内にその終点側レジスタあるいは終点側付加レジスタに伝播したか否かを検出する遅延判定処理と、上記検査信号が上記最小周期内に伝播したとき、該被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路に対して、上記最小周期と該各部分経路の設計上の遅延時間とに基づいて最大遅延時間を導出する最大遅延時間導出処理と、上記最大遅延時間が割り当てられた部分経路のみから構成され、かつ各部分経路の最大遅延時間の総和が上記半導体集積回路の設計上の性能に基づく許容遅延時間以下である未検査信号伝播経路を、検査処理の不要な検査済信号伝播経路と判定する検査済判定処理とを含み、上記遅延判定処理では、上記起点側付加レジスタで検査信号を発生する際には、該起点側付加レジスタと終点側レジスタとの間での設計上の遅延時間が、上記タイミング信号により決まる計測時間を超えない範囲で、上記起点側遅延回路における最大の遅延時間を有する遅延回路が選択されることを特徴とする半導体集積回路の検査方法。
【請求項15】 請求項10記載の半導体集積回路に対して、該回路における起点側レジスタ及び起点側付加レジスタと終点側レジスタとの間、並びに起点側レジスタと終点側レジスタ及び終点側付加レジスタとの間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、タイミング信号として、周期が異なる複数のクロック信号から、上記被検査信号伝播経路に設定されている設計上の遅延時間より短くない最小の周期を有するクロック信号を選択し、上記被検査信号伝播経路の起点側及び終点側のレジスタに上記タイミング信号を入力し、上記被検査信号伝播経路の起点側レジスタあるいは起点側付加レジスタで発生した検査信号が、上記最小周期内にその終点側レジスタあるいは終点側付加レジスタに伝播したか否かを検出する遅延判定処理と、上記検査信号が上記最小周期内に伝播したとき、該被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路に対して、上記最小周期と該各部分経路の設計上の遅延時間とに基づいて最大遅延時間を導出する最大遅延時間導出処理と、上記最大遅延時間が割り当てられた部分経路のみから構成され、かつ各部分経路の最大遅延時間の総和が上記半導体集積回路の設計上の性能に基づく許容遅延時間以下である未検査信号伝播経路を、検査処理の不要な検査済信号伝播経路と判定する検査済判定処理とを含み、上記遅延判定処理では、上記終点側付加レジスタで検査信号を観測する際には、該起点側レジスタと終点側付加レジスタとの間での設計上の遅延時間が、上記タイミング信号により決まる計測時間を超えない範囲で、上記終点側遅延回路における最大の遅延時間を有する遅延回路が選択されることを特徴とする半導体集積回路の検査方法。
【請求項16】 入力信号をタイミング信号に基づいて保持する複数のレジスタと、所定のレジスタとの間で信号の授受を行う、複数の信号伝播経路を含む論理回路とを搭載した半導体集積回路であって、上記論理回路として、所定の2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路と、上記複数の信号伝播経路のうちの一部または全部の信号伝播経路が上記2つのレジスタ間で収斂する再収斂点を形成する論理素子とを有し、上記所定の2つのレジスタの一方が、上記信号伝播経路の故障検査時に検査信号を発生する起点レジスタであり、その他方が、上記信号伝播経路の故障検査時に上記起点レジスタから出力される検査信号を上記信号伝播経路を介して受け取る終点レジスタである論理回路を備えるとともに、上記起点レジスタにて検査信号を発生するタイミング、及び終点レジスタにて検査信号を観測するタイミングを決定するための検査クロックを上記各レジスタに出力する検査タイミング生成部を備え、該検査タイミング生成部は、外部からのタイミング選択信号に基づいて、所定の周波数の検査クロックを発生することを特徴とする半導体集積回路。
【請求項17】 請求項16記載の半導体集積回路において、上記検査タイミング生成部は、一定の周波数を有する基準クロックを分周して分周クロックを生成する、分周率の異なる複数の分周器を有し、上記タイミング選択信号に基づいて、上記基準クロックあるいは所定の分周器で分周された分周クロックを上記検査クロックとして出力することを特徴とする半導体集積回路。
【請求項18】 請求項16記載の半導体集積回路において、上記検査タイミング生成部は、一定周波数を有する基準クロックを遅延して遅延クロックを生成する、遅延時間の異なる複数の遅延回路を有し、上記検査クロックとして出力する基準クロックあるいは遅延クロックを、上記タイミング選択信号により、基準クロックの立ち上がりあるいは立ち下がり後に他の遅延クロックに切り換えて、上記基準クロックの周期より短い周期を有する擬似的な検査クロックを生成することを特徴とする半導体集積回路。
【請求項19】 入力信号をタイミング信号に基づいて保持する複数のレジスタと、所定のレジスタとの間で信号の授受を行う、複数の信号伝播経路を含む論理回路とを搭載した半導体集積回路に対して、2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、上記半導体集積回路と同一構成を有する、コンピュータにより構成された擬似半導体集積回路に対して検査処理を行う予備検査処理と、上記予備検査処理の結果に基づいて、実際の半導体集積回路に対して検査処理を行う本検査処理とを含み、上記予備検査処理は、上記擬似半導体集積回路における2つのレジスタ間に位置する、上記検査処理の対象となる予め定められた所定数の信号伝播経路のうちから、上記検査処理が施されていない未検査信号伝播経路を被検査信号伝播経路として選択する経路選択処理と、該被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路を全て故障なしとし、上記故障なしとされた部分経路のみから構成される未検査の信号伝播経路を、検査処理が不要な検査済信号伝播経路と判定する検査不要判定処理とを含むものであり、上記本検査処理は、該予備検査処理に含まれる検査済判定処理にて検査不要と判定された擬似半導体集積回路における信号伝播経路以外の信号伝播経路に対応する、実際の半導体集積回路における信号伝播経路に対して、その起点側及び終点側のレジスタに、該信号伝播経路に設定されている設計上の遅延時間に応じた間隔でタイミング信号を入力し、上記起点側レジスタで発生した検査信号が、上記設計上の遅延時間内に終点側レジスタに伝播したか否かを判定する遅延判定処理を施すものであることを特徴とする半導体集積回路の検査方法。
【請求項20】 入力信号をタイミング信号に基づいて保持する複数のレジスタと、所定のレジスタとの間で信号の授受を行う、複数の信号伝播経路を含む論理回路とを搭載した半導体集積回路に対して、2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、上記半導体集積回路と同一構成を有する、コンピュータにより構成された擬似半導体集積回路に対して検査処理を行う予備検査処理と、上記予備検査処理の結果に基づいて、実際の半導体集積回路に対して検査処理を行う本検査処理とを含み、上記予備検査処理は、上記擬似半導体集積回路における2つのレジスタ間に位置する、上記検査処理の対象となる予め定められた所定数の信号伝播経路のうちから、上記検査処理が施されていない未検査信号伝播経路を被検査信号伝播経路として選択する経路選択処理と、該被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路に対して、上記半導体集積回路の設計上の性能に基づく許容遅延時間と該各部分経路の設計上の遅延時間とに基づいて最大遅延時間を導出する最大遅延時間導出処理と、上記最大遅延時間が割り当てられた部分経路のみから構成され、かつ各部分経路の最大遅延時間の総和が上記許容遅延時間以下である未検査の信号伝播経路を、検査処理の不要な検査済信号伝播経路と判定する検査不要判定処理とを含むものであり、上記本検査処理は、該予備検査処理に含まれる検査済判定処理にて検査不要と判定された擬似半導体集積回路における信号伝播経路以外の信号伝播経路に対応する、実際の半導体集積回路における信号伝播経路に対して、その起点側及び終点側のレジスタに、該信号伝播経路に設定されている設計上の性能に基づく許容遅延時間に応じた間隔でタイミング信号を入力し、上記起点側レジスタで発生した検査信号が、上記許容遅延時間内にその終点側レジスタに伝播したか否かを判定する遅延判定処理を施すものであることを特徴とする半導体集積回路の検査方法。
【請求項21】 請求項19または20記載の半導体集積回路の検査方法において、上記擬似半導体集積回路及び実際の半導体集積回路は、上記論理回路として、所定の2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路と、上記複数の信号伝播経路のうちの一部または全部の信号伝播経路が上記2つのレジスタ間にて収斂する再収斂点を形成する論理素子とを有し、上記所定の2つのレジスタの一方は、上記信号伝播経路の故障検査時に検査信号を発生する起点側レジスタであり、その他方は、上記信号伝播経路の故障検査時に上記起点側レジスタから出力される検査信号を上記信号伝播経路を介して受け取る終点側レジスタであり、上記論理素子には、上記信号伝播経路の故障検査時に検査信号を上記論理素子に出力する起点側付加レジスタ、及び上記信号伝播経路の故障検査時に上記論理素子から出力される検査信号を受け取る終点側付加レジスタの両方または一方が接続されている論理回路を搭載したものであることを特徴とする半導体集積回路の検査方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路及びその検査方法に関し、特に信号伝播経路上の遅延が増大し所望の性能が発揮されない故障(遅延故障)の有無を検査する回路構成を備えた半導体集積回路、及び該半導体集積回路に対する検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路の高集積化にともなって、半導体集積回路を構成する素子及び配線が微細化及び高密度化してきている。また一方では、処理の高速化にともなって半導体集積回路に要求される動作周波数は高くなってきている。このため、半導体集積回路を構成するレジスタ間の信号伝播経路にて生ずる信号遅延に関するマージンが小さくなり、製造された半導体集積回路が所望の性能を発揮しているか否かを、信号伝播経路上での遅延故障の有無により検査することが重要となってきている。
【0003】そこで、従来は、特開平5-249186号公報に示されるように、半導体集積回路の信号伝播経路の起点と終点に、それぞれ検査信号発生点と検査信号観測点を設け、上記信号伝播経路における遅延故障の有無の検査を行っていた。
【0004】図10は、従来の信号伝播経路の検査方法を説明するための図であり、半導体集積回路における検査対象となる回路、及び上記検査を行うためのテスタを概略的に示している。
【0005】上記半導体集積回路は、複数の信号伝播経路を有する論理回路9003と、該信号伝播経路の遅延故障の有無を検査するための検査信号発生点を構成する論理回路9001と、上記信号伝播経路の遅延故障の有無を検査するための検査信号観測点を構成する論理回路9002とを有している。
【0006】ここで、上記論理回路9001は、それぞれマスタラッチL1とスレーブラッチL2により構成された第1,第2,第3のレジスタ(Level Sensitive ScanDesign(LSSD))91,92,93を有し、検査時にはこれらのレジスタ91〜93をシフトレジスタとして使用可能な構成となっている。また、ここでは、上記レジスタ91は、上記論理回路9003内の信号伝播経路上の遅延故障の有無を検査するための検査信号発生点となっており、またレジスタ92,93は、検査の対象となる被検査信号伝播経路を活性化するための信号の発生点となっており、該レジスタ92,93からの信号により活性化された被検査信号伝播経路に、上記レジスタ91で発生された検査信号が出力される。
【0007】また、上記論理回路9002も、上記論理回路9001と同様、マスタラッチL1とスレーブラッチL2により構成された第1,第2,第3のレジスタ(LSSD)94,95,96を有しており、これらのレジスタ94〜96は、上記論理回路9003内の信号伝播経路上の遅延故障の有無を検査するための検査信号観測点となっている。
【0008】ここで、SYSデータは通常動作時におけるデータであり、このSYSデータは、クロックAによってレジスタL1に取り込まれる。また、走査データ入力(検査信号)は、クロックC1によってレジスタL1に取り込まれる。さらに、レジスタL1のデータは、クロックC2によってレジスタL2に取り込まれる。
【0009】また、上記テスタ9100は、上記クロックC1,C2を所定のタイミングで出力するとともに、検査の合否判定を行う構成となっている。ここで、具体的な検査の合否判定は以下のようにして行われる。つまり、走査データ入力から走査動作により論理回路9001に設定した信号を変化させ、その変化の影響を論理回路9002で観測し、該論理回路9002で受け取った信号を走査データ出力bに走査動作により出力し、その出力値を、予め求めてあった正常回路で得られる出力値と比較する。
【0010】このような構成の従来の検査回路を用いた検査方法では、検査信号発生点であるレジスタ91〜93で発生させた検査信号の変化を、1システムクロックサイクル後に検査信号観測点でレジスタ94〜96にて捕捉し、観測点での検査信号の変化と発生点での検査信号の変化を比較することにより、上記信号伝播経路における、所望の性能が発揮されない故障(遅延故障)の有無を判定するようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の検査方法においては、論理回路9003内に含まれる信号伝播経路が多くなると、検査信号発生点を構成するレジスタと、検査信号観測点を構成するレジスタとを結ぶ、論理回路9003中の検査対象となる信号伝播経路の数が膨大となるという問題があった。
【0012】以下、図11に示す検査回路を用いて、検査対象となる信号伝播経路の数が大きくなることについて説明する。図11に示す検査回路900は、信号伝播経路の検査の対象となる論理回路900aと、論理回路900aに入力する検査信号を発生する検査信号発生点を構成するレジスタ9017と、論理回路900aから出力される検査信号を観測する検査信号観測点を構成するレジスタ9018とを有している。ここで、レジスタ9017は図10におけるレジスタ91に相当し、レジスタ9018は図10におけるレジスタ94に相当する。
【0013】また、上記論理回路900aは、上記検査信号が集まる再収斂点を構成する論理素子9016と、該論理素子9016と検査信号発生点9017との間に位置する部分経路9010,9011,9012と、該論理素子9016と検査信号観測点9018との間に位置する部分経路9013,9014,9015とを有している。
【0014】この検査回路900では、信号伝播経路は検査信号発生点としてのレジスタ9017から3つの部分経路9010,9011,9012に分岐し、これらの3つの部分経路は論理素子9016にて再収斂している。さらに上記信号伝播経路は、再収斂点としての論理素子9016から3つの部分経路9013,9014,9015に分岐し、検査信号観測点9018の直前にて再度再収斂している。なお、一般に、上記部分経路中、および再収斂点を構成する論理素子中には、信号を伝播させる信号線と組合せ素子が存在するが、説明を簡明にするために図11では省略している。
【0015】ところで、上記検査信号発生点と検査信号観測点の間に位置する部分経路は、僅かに上記部分経路9010〜9015の6経路であるが、検査信号発生点と検査信号観測点の間に形成される信号伝播経路は、上記検査信号発生点と論理素子との間の部分経路と、上記検査信号観測点と論理素子との間の部分経路の組み合わせの数だけ存在することとなる。具体的には、上記検査回路900では、上記信号伝播経路は第1〜第9の9経路ある。
【0016】つまり、第1の経路は、部分経路9010,論理素子9016,部分経路9013からなる。第2の経路は、部分経路9010,論理素子9016,部分経路9014からなる。第3の経路は、部分経路9010,論理素子9016,部分経路9015からなる。第4の経路は、部分経路9011,論理素子9016,部分経路9013からなる。第5の経路は、部分経路9011,論理素子9016,部分経路9014からなる。第6の経路6は、部分経路9011,論理素子9016,部分経路9015からなる。第7の経路は、部分経路9012,論理素子9016,部分経路9013からなる。第8の経路は、部分経路9012,論理素子9016,部分経路9014からなる。第9の経路は、部分経路9012,論理素子9016,部分経路9015からなる。
【0017】なお、図11では、説明の理解を容易にするため、検査回路900として、検査信号発生点と検査信号観測点とがそれぞれ一つ存在するのを示したが、上記検査信号発生点及び検査信号観測点がそれぞれ複数存在し、1つの検査信号発生点と1つの検査信号観測点の間の信号伝播経路と、他の検査信号発生点と他の検査信号観測点の間の信号伝播経路とが部分的に重なる場合には、更に信号伝播経路の数が増加することは言うまでもない。また、信号伝播経路数を増加させる原因は、分岐と再収斂にあることは明らかである。
【0018】このため、半導体集積回路に所望の性能が発揮されない故障(遅延故障)の有無についての従来の検査方法では、すべての信号検査経路を検査する多大な時間を要する検査処理か、または、半導体集積回路における信号伝播経路の極一部についてのみの不十分な検査処理が行われていた。
【0019】本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、検査信号発生点と検査信号観測点とを結ぶ信号伝播経路を効率よく検査し、より少ない検査回数でより多くの信号伝播経路の遅延故障を検査することが可能な半導体集積回路、及びその検査方法を得ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明(請求項1)に係る半導体集積回路の検査方法は、入力信号をタイミング信号に基づいて保持する複数のレジスタと、所定のレジスタとの間で信号の授受を行う、複数の信号伝播経路を含む論理回路とを搭載した半導体集積回路に対して、2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、上記検査処理の対象となる被検査信号伝播経路の起点側及び終点側のレジスタに、該被検査信号伝播経路に設定されている設計上の遅延時間に応じた間隔でタイミング信号を入力し、上記起点側レジスタで発生した検査信号が、上記設計上の遅延時間内に終点側レジスタに伝播したか否かを判定する遅延判定処理と、上記検査信号が設計上の遅延時間内に伝播したとき、上記被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路を全て故障なしと判定する故障判定処理と、上記故障なしと判定された部分経路のみから構成される未検査の信号伝播経路を、検査処理が不要な検査済信号伝播経路と判定する検査済判定処理とを含むものである。
【0021】この発明(請求項2)に係る半導体集積回路の検査方法は、入力信号をタイミング信号に基づいて保持する複数のレジスタと、所定のレジスタとの間で信号の授受を行う、複数の信号伝播経路を含む論理回路とを搭載した半導体集積回路に対して、2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、上記2つのレジスタ間に位置する、上記検査処理の対象となる予め定められた所定数の信号伝播経路のうちから、上記検査処理が施されていない未検査信号伝播経路を被検査信号伝播経路として選択する経路選択処理と、該被検査信号伝播経路の起点側及び終点側のレジスタに、該被検査信号伝播経路に設定されている設計上の遅延時間に応じた間隔でタイミング信号を入力し、上記被検査信号伝播経路の起点側レジスタで発生した検査信号が、上記設計上の遅延時間内に終点側レジスタに伝播したか否かを検出するとともに、該被検査信号伝播経路を検査済信号伝播経路と判定する遅延判定処理と、上記検査信号が設計上の遅延時間内に伝播しなかったとき、上記半導体集積回路を信号伝播経路の故障を有するものと判定して上記検査処理を終了し、上記検査信号が設計上の遅延時間内に伝播したとき、上記被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路を全て故障のないものと判定する故障判定処理と、上記検査対象となる複数の信号伝播経路のうちの、上記故障のないものと判定された部分経路のみから構成される未検査信号伝播経路を、検査処理が不要な検査済信号伝播経路と判定する検査済判定処理とを含み、上記検査処理の対象となる予め定められた所定数の信号伝播経路がすべて検査済信号伝播経路と判定されるまで、上記経路選択処理,遅延判定処理,故障判定処理,及び検査済判定処理を繰り返し行うものである。
【0022】この発明(請求項3)に係る半導体集積回路の検査方法は、入力信号をタイミング信号に基づいて保持する複数のレジスタと、所定のレジスタとの間で信号の授受を行う、複数の信号伝播経路を含む論理回路とを搭載した半導体集積回路に対して、2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、上記検査処理の対象となる被検査信号伝播経路の起点側レジスタで発生した検査信号が、上記半導体集積回路の設計上の性能に基づく許容遅延時間内にその終点側レジスタに伝播したか否かを検出する遅延判定処理と、上記検査信号が上記許容遅延時間内に伝播したとき、該被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路に対して、上記許容遅延時間と該各部分経路の設計上の遅延時間とに基づいて最大遅延時間を導出する最大遅延時間導出処理と、上記最大遅延時間が割り当てられた部分経路のみから構成され、かつ各部分経路の最大遅延時間の総和が上記許容遅延時間以下である未検査の信号伝播経路を、検査処理の不要な検査済信号伝播経路と判定する検査済判定処理とを含むものである。
【0023】この発明(請求項4)に係る半導体集積回路の検査方法は、入力信号をタイミング信号に基づいて保持する複数のレジスタと、所定のレジスタとの間で信号の授受を行う、複数の信号伝播経路を含む論理回路とを搭載した半導体集積回路に対して、2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、上記2つのレジスタ間に位置する、上記検査処理の対象となる予め定められた所定数の信号伝播経路のうちから、上記検査処理が施されていない未検査信号伝播経路を被検査信号伝播経路として選択する経路選択処理と、上記被検査信号伝播経路の起点側レジスタで発生した検査信号が、上記半導体集積回路の設計上の性能に基づく許容遅延時間内にその終点側レジスタに伝播したか否かを検出するとともに、該被検査信号伝播経路を検査済信号伝播経路と判定する遅延判定処理と、上記検査信号が上記許容遅延時間内に伝播しなかったとき、上記半導体集積回路を信号伝播経路の故障を有するものと判定して上記検査処理を終了し、上記検査信号が上記許容遅延時間内に伝播したとき、該被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路に対して、上記許容遅延時間と該各部分経路の設計上の遅延時間とに基づいて最大遅延時間を導出する最大遅延時間導出処理と、上記被検査信号伝播経路を構成する部分経路のうちで、上記導出された最大遅延時間が、既に割り当てられている最大遅延時間より小さい部分経路、あるいは最大遅延時間が割り当てられていない部分経路に対して、上記導出された最大遅延時間を割り当てる遅延時間割当処理と、上記検査対象となる複数の信号伝播経路のうちで、上記最大遅延時間が割り当てられた部分経路のみから構成され、かつ各部分経路の最大遅延時間の総和が上記許容遅延時間以下である未検査信号伝播経路を、検査処理の不要な検査済信号伝播経路と判定する検査済判定処理とを含み、上記検査処理の対象となる予め定められた所定数の信号伝播経路がすべて検査済信号伝播経路と判定されるまで、上記経路選択処理,遅延判定処理,最大遅延時間導出処理,遅延時間割当処理,及び検査済判定処理を繰り返し行うものである。
【0024】この発明(請求項5)に係る半導体集積回路の検査方法は、入力信号をタイミング信号に基づいて保持する複数のレジスタと、所定のレジスタとの間で信号の授受を行う、複数の信号伝播経路を含む論理回路とを搭載した半導体集積回路に対して、2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、上記タイミング信号として、周期が異なる複数のクロック信号から、上記検査処理の対象となる被検査信号伝播経路に設定されている設計上の遅延時間より短くない最小の周期を有するクロック信号を選択し、上記被検査信号伝播経路の起点側及び終点側のレジスタに上記タイミング信号を入力し、上記被検査信号伝播経路の起点側レジスタで発生した検査信号が、上記最小周期内にその終点側レジスタに伝播したか否かを検出する遅延判定処理と、上記検査信号が上記最小周期内に伝播したとき、該被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路に対して、上記最小周期と該各部分経路の設計上の遅延時間とに基づいて最大遅延時間を導出する最大遅延時間導出処理と、上記最大遅延時間が割り当てられた部分経路のみから構成され、かつ各部分経路の最大遅延時間の総和が上記半導体集積回路の設計上の性能に基づく許容遅延時間以下である未検査信号伝播経路を、検査処理の不要な検査済信号伝播経路と判定する検査済判定処理とを含むものである。
【0025】この発明(請求項6)に係る半導体集積回路の検査方法は、入力信号をタイミング信号に基づいて保持する複数のレジスタと、所定のレジスタとの間で信号の授受を行う、複数の信号伝播経路を含む論理回路とを搭載した半導体集積回路に対して、2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、上記2つのレジスタ間に位置する、上記検査処理の対象となる予め定められた所定数の信号伝播経路のうちから、上記検査処理が施されていない未検査信号伝播経路を被検査信号伝播経路として選択する経路選択処理と、上記タイミング信号として、周期が異なる複数のクロック信号から、上記被検査信号伝播経路に設定されている設計上の遅延時間より短くない最小の周期を有するクロック信号を選択し、上記被検査信号伝播経路の起点側及び終点側のレジスタに上記タイミング信号を入力し、上記被検査信号伝播経路の起点側レジスタで発生した検査信号が、上記最小周期内にその終点側レジスタに伝播したか否かを検出するとともに、該被検査信号伝播経路を検査済信号伝播経路とする遅延判定処理と、上記検査信号が上記最小周期内に伝播しなかったとき、上記半導体集積回路を信号伝播経路の故障を有するものと判定して上記検査処理を終了し、上記検査信号が上記最小周期内に伝播したとき、該被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路に対して、上記最小周期と該各部分経路の設計上の遅延時間とに基づいて最大遅延時間を導出する最大遅延時間導出処理と、上記被検査信号伝播経路を構成する部分経路のうちで、上記導出された最大遅延時間が、既に割り当てられている最大遅延時間より小さい部分経路、あるいは最大遅延時間が割り当てられていない部分経路に対して、上記導出された最大遅延時間を割り当てる遅延時間割当処理と、上記検査対象となる複数の信号伝播経路のうちで、上記最大遅延時間が割り当てられた部分経路のみから構成され、かつ各部分経路の最大遅延時間の総和が上記半導体集積回路の設計上の性能に基づく許容遅延時間以下である未検査信号伝播経路を、検査処理の不要な検査済信号伝播経路と判定する検査済判定処理とを含み、上記検査処理の対象となる予め定められた所定数の信号伝播経路がすべて検査済信号伝播経路と判定されるまで、上記経路選択処理,遅延判定処理,最大遅延時間導出処理,遅延時間割当処理,及び検査済判定処理を繰り返し行うものである。
【0026】この発明(請求項7)に係る半導体集積回路は、入力信号をタイミング信号に基づいて保持する複数のレジスタと、所定のレジスタとの間で信号の授受を行う、複数の信号伝播経路を含む論理回路とを搭載した半導体集積回路であって、上記論理回路を、所定の2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路と、上記複数の信号伝播経路のうちの一部または全部の信号伝播経路が上記2つのレジスタ間にて収斂する再収斂点を形成する論理素子とを有する構成とし、上記所定の2つのレジスタの一方を、上記信号伝播経路の故障検査時に検査信号を発生する起点側レジスタとし、その他方を、上記信号伝播経路の故障検査時に上記起点側レジスタから出力される検査信号を上記信号伝播経路を介して受け取る終点側レジスタとし、上記論理素子には、上記信号伝播経路の故障検査時に検査信号を上記論理素子に出力する起点側付加レジスタ、及び上記信号伝播経路の故障検査時に上記論理素子から出力される検査信号を受け取る終点側付加レジスタの両方または一方を接続したものである。
【0027】この発明(請求項8)は、請求項7記載の半導体集積回路において、上記起点側レジスタあるいは起点側付加レジスタにて検査信号を発生するタイミング、及び終点側レジスタあるいは終点側付加レジスタにて検査信号を観測するタイミングを決定するためのタイミング信号として検査クロックを上記各レジスタに出力する検査タイミング生成部を備え、該検査タイミング生成部は、外部からのタイミング選択信号に基づいて、所定周期を有する検査クロックを発生するものである。
【0028】この発明(請求項9)は、請求項7記載の半導体集積回路において、上記論理回路を、上記再収斂点を形成する論理素子と、上記検査信号を該論理素子に出力する起点側付加レジスタとの間に接続され、遅延時間の異なる複数の遅延回路を含む起点側遅延回路を有する構成とし、上記起点側付加レジスタから出力された検査信号を、上記起点側遅延回路における特定の遅延回路を介して上記論理素子へ出力するようにしたものである。
【0029】この発明(請求項10)は、請求項7記載の半導体集積回路において、上記論理回路を、上記再収斂点を形成する論理素子と、該論理素子から出力される検査信号を受け取る終点側付加レジスタとの間に接続され、遅延時間の異なる複数の遅延回路を含む終点側遅延回路を有する構成とし、上記論理素子から出力された検査信号を、上記終点側遅延回路における特定の遅延回路を介して上記終点側付加レジスタへ出力するようにしたものである。
【0030】この発明(請求項11)は、請求項1ないし6のいずれかに記載の半導体集積回路の検査方法において、上記半導体集積回路を、上記論理回路として、所定の2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路と、上記複数の信号伝播経路のうちの一部または全部の信号伝播経路が上記2つのレジスタ間にて収斂する再収斂点を形成する論理素子とを有し、上記所定の2つのレジスタの一方が、上記信号伝播経路の故障検査時に検査信号を発生する起点側レジスタであり、その他方が、上記信号伝播経路の故障検査時に上記起点側レジスタから出力される検査信号を上記信号伝播経路を介して受け取る終点側レジスタであり、上記論理素子には、上記信号伝播経路の故障検査時に検査信号を上記論理素子に出力する起点側付加レジスタ、及び上記信号伝播経路の故障検査時に上記論理素子から出力される検査信号を受け取る終点側付加レジスタの両方または一方が接続されている論理回路を搭載した構成とし、上記起点側レジスタ及び終点側レジスタ、並びに上記起点側付加レジスタ及び終点側付加レジスタの両方または一方を用いて、上記起点レジスタと終点レジスタの間に位置する一部または全部の信号伝播経路に対する検査処理を行うものである。
【0031】この発明(請求項12)は、請求項9記載の半導体集積回路に対して、該回路における起点側レジスタ及び起点側付加レジスタと終点側レジスタとの間、並びに起点側レジスタと終点側レジスタ及び終点側付加レジスタとの間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、上記検査処理の対象となる被検査信号伝播経路の起点側レジスタあるいは起点側付加レジスタで検査信号をタイミング信号に基づいて発生し、該発生した検査信号が上記半導体集積回路の設計上の性能に基づく許容遅延時間内にその終点側レジスタあるいは終点側付加レジスタに伝播したか否かを上記タイミング信号に基づいて検出する遅延判定処理と、上記検査信号が上記許容遅延時間内に伝播したとき、該被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路に対して、上記許容遅延時間と該各部分経路の設計上の遅延時間とに基づいて最大遅延時間を導出する最大遅延時間導出処理と、上記最大遅延時間が割り当てられた部分経路のみから構成され、かつ各部分経路の最大遅延時間の総和が上記許容遅延時間以下である未検査信号伝播経路を、検査処理の不要な検査済信号伝播経路と判定する検査済判定処理とを含み、上記遅延判定処理では、上記起点側付加レジスタで検査信号を発生する際には、該起点側付加レジスタと終点側レジスタとの間での設計上の遅延時間が、上記タイミング信号により決まる計測時間を超えない範囲で、上記起点側遅延回路における最大の遅延時間を有する遅延回路を選択するものである。
【0032】この発明(請求項13)は、請求項10記載の半導体集積回路に対して、該回路における起点側レジスタ及び起点側付加レジスタと終点側レジスタとの間、並びに起点側レジスタと終点側レジスタ及び終点側付加レジスタとの間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、上記検査処理の対象となる被検査信号伝播経路の起点側レジスタあるいは起点側付加レジスタで検査信号をタイミング信号に基づいて発生し、該発生した検査信号が上記半導体集積回路の設計上の性能に基づく許容遅延時間内にその終点側レジスタあるいは終点側付加レジスタに伝播したか否かを上記タイミング信号に基づいて検出する遅延判定処理と、上記検査信号が上記許容遅延時間内に伝播したとき、該被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路に対して、上記許容遅延時間と該各部分経路の設計上の遅延時間とに基づいて最大遅延時間を導出する最大遅延時間導出処理と、上記最大遅延時間が割り当てられた部分経路のみから構成され、かつ各部分経路の最大遅延時間の総和が上記許容遅延時間以下である未検査信号伝播経路を、検査処理の不要な検査済信号伝播経路と判定する検査済判定処理とを含み、上記遅延判定処理では、上記終点側付加レジスタで検査信号を観測する際には、該起点側レジスタと終点側付加レジスタとの間での設計上の遅延時間が、上記タイミング信号により決まる計測時間を超えない範囲で、上記終点側遅延回路における最大の遅延時間を有する遅延回路を選択するものである。
【0033】この発明(請求項14)は、請求項9記載の半導体集積回路に対して、該回路における起点側レジスタ及び起点側付加レジスタと終点側レジスタとの間、並びに起点側レジスタと終点側レジスタ及び終点側付加レジスタとの間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、タイミング信号として、周期が異なる複数のクロック信号から、上記被検査信号伝播経路に設定されている設計上の遅延時間より短くない最小の周期を有するクロック信号を選択し、上記被検査信号伝播経路の起点側及び終点側のレジスタに上記タイミング信号を入力し、上記被検査信号伝播経路の起点側レジスタあるいは起点側付加レジスタで発生した検査信号が、上記最小周期内にその終点側レジスタあるいは終点側付加レジスタに伝播したか否かを検出する遅延判定処理と、上記検査信号が上記最小周期内に伝播したとき、該被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路に対して、上記最小周期と該各部分経路の設計上の遅延時間とに基づいて最大遅延時間を導出する最大遅延時間導出処理と、上記最大遅延時間が割り当てられた部分経路のみから構成され、かつ各部分経路の最大遅延時間の総和が上記半導体集積回路の設計上の性能に基づく許容遅延時間以下である未検査信号伝播経路を、検査処理の不要な検査済信号伝播経路と判定する検査済判定処理とを含み、上記遅延判定処理では、上記起点側付加レジスタで検査信号を発生する際には、該起点側付加レジスタと終点側レジスタとの間での設計上の遅延時間が、上記タイミング信号により決まる計測時間を超えない範囲で、上記起点側遅延回路における最大の遅延時間を有する遅延回路を選択するものである。
【0034】この発明(請求項15)は、請求項10記載の半導体集積回路に対して、該回路における起点側レジスタ及び起点側付加レジスタと終点側レジスタとの間、並びに起点側レジスタと終点側レジスタ及び終点側付加レジスタとの間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、タイミング信号として、周期が異なる複数のクロック信号から、上記被検査信号伝播経路に設定されている設計上の遅延時間より短くない最小の周期を有するクロック信号を選択し、上記被検査信号伝播経路の起点側及び終点側のレジスタに上記タイミング信号を入力し、上記被検査信号伝播経路の起点側レジスタあるいは起点側付加レジスタで発生した検査信号が、上記最小周期内にその終点側レジスタあるいは終点側付加レジスタに伝播したか否かを検出する遅延判定処理と、上記検査信号が上記最小周期内に伝播したとき、該被検査信号伝播経路をする、該経路上の論理素子により分離される部分経路に対して、上記最小周期と該各部分経路の設計上の遅延時間とに基づいて最大遅延時間を導出する最大遅延時間導出処理と、上記最大遅延時間が割り当てられた部分経路のみから構成され、かつ各部分経路の最大遅延時間の総和が上記半導体集積回路の設計上の性能に基づく許容遅延時間以下である未検査信号伝播経路を、検査処理の不要な検査済信号伝播経路と判定する検査済判定処理とを含み、上記遅延判定処理では、上記終点側付加レジスタで検査信号を観測する際には、該起点側レジスタと終点側付加レジスタとの間での設計上の遅延時間が、上記タイミング信号により決まる計測時間を超えない範囲で、上記終点側遅延回路における最大の遅延時間を有する遅延回路を選択するものである。
【0035】この発明(請求項16)に係る半導体集積回路は、入力信号をタイミング信号に基づいて保持する複数のレジスタと、所定のレジスタとの間で信号の授受を行う、複数の信号伝播経路を含む論理回路とを搭載した半導体集積回路であって、上記論理回路として、所定の2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路と、上記複数の信号伝播経路のうちの一部または全部の信号伝播経路が上記2つのレジスタ間で収斂する再収斂点を形成する論理素子とを有し、上記所定の2つのレジスタの一方が、上記信号伝播経路の故障検査時に検査信号を発生する起点レジスタであり、その他方が、上記信号伝播経路の故障検査時に上記起点レジスタから出力される検査信号を上記信号伝播経路を介して受け取る終点レジスタである論理回路を備えるとともに、上記起点レジスタにて検査信号を発生するタイミング、及び終点レジスタにて検査信号を観測するタイミングを決定するための検査クロックを上記各レジスタに出力する検査タイミング生成部を備え、該検査タイミング生成部は、外部からのタイミング選択信号に基づいて、所定の周波数の検査クロックを発生するものである。
【0036】この発明(請求項17)は、請求項16記載の半導体集積回路において、上記検査タイミング生成部を、一定の周波数を有する基準クロックを分周して分周クロックを生成する、分周率の異なる複数の分周器を有し、上記タイミング選択信号に基づいて、上記基準クロックあるいは所定の分周器で分周された分周クロックを上記検査クロックとして出力するものである。
【0037】この発明(請求項18)は、請求項16記載の半導体集積回路において、上記検査タイミング生成部は、一定周波数を有する基準クロックを遅延して遅延クロックを生成する、遅延時間の異なる複数の遅延回路を有し、上記検査クロックとして出力する基準クロックあるいは遅延クロックを、上記タイミング選択信号により、基準クロックの立ち上がりあるいは立ち下がり後に他の遅延クロックに切り換えて、上記基準クロックの周期より短い周期を有する擬似的な検査クロックを生成するものである。
【0038】この発明(請求項19)に係る半導体集積回路の検査方法は、入力信号をタイミング信号に基づいて保持する複数のレジスタと、所定のレジスタとの間で信号の授受を行う、複数の信号伝播経路を含む論理回路とを搭載した半導体集積回路に対して、2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、上記半導体集積回路と同一構成を有する、コンピュータにより構成された擬似半導体集積回路に対して検査処理を行う予備検査処理と、上記予備検査処理の結果に基づいて、実際の半導体集積回路に対して検査処理を行う本検査処理とを含み、上記予備検査処理を、上記擬似半導体集積回路における2つのレジスタ間に位置する、上記検査処理の対象となる予め定められた所定数の信号伝播経路のうちから、上記検査処理が施されていない未検査信号伝播経路を被検査信号伝播経路として選択する経路選択処理と、該被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路を全て故障なしとし、上記故障なしとされた部分経路のみから構成される未検査の信号伝播経路を、検査処理が不要な検査済信号伝播経路と判定する検査不要判定処理とを含むものとし、上記本検査処理を、該予備検査処理に含まれる検査済判定処理にて検査不要と判定された擬似半導体集積回路における信号伝播経路以外の信号伝播経路に対応する、実際の半導体集積回路における信号伝播経路に対して、その起点側及び終点側のレジスタに、該信号伝播経路に設定されている設計上の遅延時間に応じた間隔でタイミング信号を入力し、上記起点側レジスタで発生した検査信号が、上記設計上の遅延時間内に終点側レジスタに伝播したか否かを判定する遅延判定処理を施すものとしたものである。
【0039】この発明(請求項20)に係る半導体集積回路の検査方法は、入力信号をタイミング信号に基づいて保持する複数のレジスタと、所定のレジスタとの間で信号の授受を行う、複数の信号伝播経路を含む論理回路とを搭載した半導体集積回路に対して、2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路の故障を検出するための検査処理を施す方法であって、上記半導体集積回路と同一構成を有する、コンピュータにより構成された擬似半導体集積回路に対して検査処理を行う予備検査処理と、上記予備検査処理の結果に基づいて、実際の半導体集積回路に対して検査処理を行う本検査処理とを含み、上記予備検査処理を、上記擬似半導体集積回路における2つのレジスタ間に位置する、上記検査処理の対象となる予め定められた所定数の信号伝播経路のうちから、上記検査処理が施されていない未検査信号伝播経路を被検査信号伝播経路として選択する経路選択処理と、該被検査信号伝播経路を構成する、該経路上の論理素子により分離される部分経路に対して、上記半導体集積回路の設計上の性能に基づく許容遅延時間と該各部分経路の設計上の遅延時間とに基づいて最大遅延時間を導出する最大遅延時間導出処理と、上記最大遅延時間が割り当てられた部分経路のみから構成され、かつ各部分経路の最大遅延時間の総和が上記許容遅延時間以下である未検査の信号伝播経路を、検査処理の不要な検査済信号伝播経路と判定する検査不要判定処理とを含むものとし、上記本検査処理を、該予備検査処理に含まれる検査済判定処理にて検査不要と判定された擬似半導体集積回路における信号伝播経路以外の信号伝播経路に対応する、実際の半導体集積回路における信号伝播経路に対して、その起点側及び終点側のレジスタに、該信号伝播経路に設定されている設計上の性能に基づく許容遅延時間に応じた間隔でタイミング信号を入力し、上記起点側レジスタで発生した検査信号が、上記許容遅延時間内にその終点側レジスタに伝播したか否かを判定する遅延判定処理を施すものとしたものである。
【0040】この発明(請求項21)は、請求項19または20記載の半導体集積回路の検査方法において、上記擬似半導体集積回路及び実際の半導体集積回路は、上記論理回路として、所定の2つのレジスタ間に位置する複数の信号伝達経路と、上記複数の信号伝播経路のうちの一部または全部の信号伝播経路が上記2つのレジスタ間にて収斂する再収斂点を形成する論理素子とを有し、記所定の2つのレジスタの一方は、上記信号伝播経路の故障検査時に検査信号を発生する起点側レジスタであり、その他方は、上記信号伝播経路の故障検査時に上記起点側レジスタから出力される検査信号を上記信号伝播経路を介して受け取る終点側レジスタであり、上記論理素子には、上記信号伝播経路の故障検査時に検査信号を上記論理素子に出力する起点側付加レジスタ、及び上記信号伝播経路の故障検査時に上記論理素子から出力される検査信号を受け取る終点側付加レジスタの両方または一方が接続されている論理回路を搭載したものである。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)図1及び図2は、本発明の実施の形態1による半導体集積回路及びその検査方法について説明するための図であり、図1は上記半導体集積回路における検査回路を示し、図2は検査のフローを示している。図1において、100は本実施の形態1の半導体集積回路における、信号伝播経路での遅延時間の検査が行われる検査回路である。
【0042】この検査回路100は、信号伝播経路の検査の対象となる論理回路100aと、論理回路100aに入力する検査信号を発生する検査信号発生点を構成するレジスタ201と、論理回路100aから出力される検査信号を観測する検査信号観測点を構成するレジスタ202及び203と、上記検査信号発生点及び検査信号観測点に動作タイミング(つまり検査信号の発生タイミング及び検査信号の観測タイミング)を指定するための検査クロックを生成する検査タイミング生成部210とを有している。
【0043】また、上記論理回路100aは、上記検査信号の再収斂点を構成する論理素子209と、該論理素子209と検査信号発生点201との間に位置する部分経路204,205と、該論理素子209と検査信号観測点202との間に位置する部分経路206,207と、該論理素子209と検査信号観測点203との間に位置する部分経路208とを有している。
【0044】そして、上記検査回路100では、信号伝播経路は、検査信号発生点201から2つの部分経路204,205に分岐し、これらの部分経路204、205は再収斂点209で再収斂している。そしてさらに、上記信号伝播経路は、再収斂点209から3つの部分経路206,207,208に分岐し、部分経路206,207は検査信号観測点202の直前で再度再収斂し、部分経路208は検査信号観測点203に達している。
【0045】また、ここでは、上記部分経路204,205,206,207,208を信号が伝播するのに要する時間,つまり各部分線路の設計上の遅延時間は、それぞれ4n秒、2n秒、4n秒、2n秒、4n秒となっている。なお、一般に、部分経路は、図3に示すように、信号伝播経路の起点および終点、再収斂点の論理素子1001、または再収斂点の出力側の分岐点の論理素子1002、またはそれらの間にある論理素子1003を起点または終点とすることが望ましい。また、一般に、上記部分経路中および部分経路の起点、終点には、信号を伝播させる信号線と論理素子が存在し、また信号が所定の部分経路を伝播するよう部分経路を活性化するための活性化信号を供給するための制御信号線も存在するが、説明の簡明にするために省略している。
【0046】また、上記検査タイミング生成部210は、検査信号発生点201で検査信号を発生するタイミングを指定する検査クロックと、検査信号観測点202で信号伝播経路の状態を観測するタイミングを指定する検査クロックを発生する構成となっている。なお、本実施の形態1では、検査回路として、検査タイミング生成部210を半導体集積回路中に構成したものを示したが、上記検査タイミング生成部としては、外部のテスタ内に構成されたもの、または検査用のボード上に構成されたものを用いてもよい。なお、図1では、テスタは省略している。
【0047】次に作用効果について説明する。このような構成の検査回路を搭載した半導体集積回路の検査について説明する。図2は、本実施の形態1の半導体集積回路の検査のフローを示す図である。以下検査の手順をフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下に示される検査の手順は、半導体集積回路をテストする装置(テスタ)のコマンドおよびテストプログラムにより実現され、テスタにより実際の検査が実施される。
【0048】まず、半導体集積回路における複数の信号伝播経路の内から、検査の対象とする信号伝播経路が選択され、さらに、選択された信号伝播経路における、外部入力,外部出力または再収斂点にて分割された部分経路が決定される(ステップS100)。
【0049】本実施の形態1では、検査対象となる信号伝播経路として、以下の第1〜第6の6つの信号伝播経路が選択される。第1の信号伝播経路は、部分経路204,論理素子209,部分経路206からなる。第2の信号伝播経路は、部分経路204,論理素子209,部分経路207からなる。第3の信号伝播経路は、部分経路205,論理素子209,部分経路206からなる。第4の信号伝播経路は、部分経路205,論理素子209,部分経路207からなる。第5の信号伝播経路は、部分経路204,論理素子209,部分経路208からなる。第6の信号伝播経路は、部分経路205,論理素子209,部分経路208からなる。従って、ここでは、検査対象となる信号伝播経路を構成する部分経路は、部分経路204〜208の5つ存在することとなる。
【0050】次に、検査対象の信号伝播経路のうちから、検査済みでない信号伝播経路が一つ選択される。ここでは、第1の信号伝播経路が選択されるものとする(ステップS101)。
【0051】そして、上記選択された第1の信号伝播経路について、その検査信号発生点201にて発生した検査信号が設計上の遅延時間だけ遅れて検査信号観測点202に伝播したか否かの検査が行われる(ステップS102)。
【0052】具体的には、検査信号が、テスタの制御により発生される検査タイミング生成部210からのクロック信号のタイミングに基づいて検査信号発生点201にセットされ、テスタの制御により発生される検査タイミング生成部210からのクロック信号のタイミングに基づいて検査信号発生点201にて検査信号が出力される。そしてテスタの制御により発生される検査タイミング生成部210からのクロック信号のタイミングに基づいて、検査信号観測点202にて上記検査信号が観測される。
【0053】その観測結果は、直ちに、または半導体集積回路中に一旦記憶された後に上記検査信号観測点から外部に出力され、外部のテスタにて、検査信号発生点201から出力した検査信号と、検査信号観測点にて観測された検査信号とが比較される。これにより上記信号伝播経路の検査が行われる。ただし、以下では、説明の簡略化のため、検査信号の検査は、検査信号観測点にて行われるものとする。この場合、具体的には、検査信号発生点201からの検査信号が、第1の信号伝播経路に対する設計上の遅延時間8n秒(4n秒+4n秒)だけ遅れて伝播したか否かが検査信号観測点202にて検査される。
【0054】上記ステップS102での検査の結果、検査に不合格であった場合には、半導体集積回路を不良として検査を終了し、一方、検査に合格した場合には、ステップS101で選択された信号伝播経路を構成する部分経路(この場合、部分経路204および部分経路206)が故障無しと判定される(ステップS103)。
【0055】続いて、故障無しとされた部分経路からなる、検査済みでない未検査信号伝播経路が検査済みとされる(ステップS104)。この場合、部分経路204及び206から構成される第1の信号伝播経路(被検査信号伝播経路)が検査済みとされる。
【0056】さらに、全ての信号伝播経路について検査済みとなったか否かが判定され(ステップS105)、信号伝播経路が全て検査済みである場合には、半導体集積回路を、本検査項目(遅延故障)について合格・良品判定が行われる。一方、未検査の信号伝播経路が存在する場合には、ステップS101〜S105の処理が繰り返し行われる。この場合は、未検査の信号伝播経路が存在するので、検査処理はステップS101の処理に戻る。
【0057】次に、ステップS101にて第4の信号伝播経路が選択されたものとすると、同様にステップS102にて、検査信号がこの信号伝播経路を4n秒(2n秒+2n秒)だけ遅れて伝播するか否かの検査が行われ、上記遅延時間通り遅れて検査信号が伝播しておれば、ステップS103にて部分経路205および207が故障無しとされる。続いて、ステップS104では、新たに部分経路205及び207が故障無しと判定されたことによって、第2,第3,第4の信号伝播経路が検査済みとされる。そしてステップS105にて、全ての信号伝播経路について検査済みとなったかが判定され、全ての信号伝播経路が検査済みでない場合は、再度ステップS101の処理が行われる。
【0058】次にステップS101にて、第5の信号伝播経路が選択されたものとすると、同様にステップS102で検査信号が8n秒(4n秒+4n秒)だけ遅れて上記第5の信号伝播経路を伝播するか否かの検査が行われ、時間内に検査信号が伝播しているときは、ステップS103にて、部分経路204及び208が故障無しとされる。
【0059】ステップS104では、新たに部分経路208が故障無しと判定されたことから、第5,第6の信号伝播経路が検査済みとなる。これにより全ての信号伝播経路が検査済みとなるので、ステップS105では、本検査項目について合格判定がなされ検査処理が終了する。
【0060】このように本実施の形態1によれば、半導体集積回路における複数の信号伝播経路から検査対象とする複数の信号伝播経路を選択し、選択した信号伝播経路に対応する設計上の遅延時間に応じたタイミングで、検査信号発生点からの検査信号の出力と、検査信号観測点での検査信号の観測を行うようにしたので、検査信号発生点と検査信号観測点の間に位置する信号伝播経路が、検査信号がその経路の設計上の遅延時間だけ遅れて伝播したか否かを検査することが可能となる。これにより、検査信号が信号伝播経路をその設計上の遅延時間だけ要して伝播したことを検出することで、上記信号伝播経路を構成する全ての部分経路を故障なしと判定することができる。この結果、全ての信号伝播経路を検査対象とする従来の検査方法に比べて、検査対象とする信号伝播経路の数を削減することが可能となる。
【0061】なお、本実施の形態1では、全ての信号伝播経路が検査済みとなった場合に本検査項目について合格・良品と判定していたが、当然、予め決めておいた信号伝播経路数が検査済みとなった場合に合格判定が可能であることは言うまでもない。また、本実施の形態1では終了判定基準に信号伝播経路の数を用いたが、部分経路数を用いても本質的な違いはない。
【0062】また、予め決めておいた信号伝播経路数に基づいて検査を終了する場合には、検査を行った信号伝播経路だけでなく、検査済み相当の信号伝播経路を確認することが可能となっていることから、正確に検査の質(全信号伝播経路中のどれだけの信号伝播経路の信号伝播を確認したか)を把握することが可能となる効果が得られる。
【0063】(実施の形態2)図4は、本発明の実施の形態2による半導体集積回路の検査方法を説明するための図であり、検査処理のフローを示している。この実施の形態2では、半導体集積回路の構成は、上記実施の形態1のものと同一の構成となっている。ただし、この実施の形態2では、半導体集積回路は、100MHzのクロックによる動作が可能な設計上(実用上)の性能を有するものとする。言い換えると、論理回路では、レジスタ間のデータの授受が1クロックの期間で行われるよう設計されるため、レジスタ間での信号伝播に要する許容時間は10n秒となる。
【0064】また、検査タイミング生成部210は、検査信号発生点と検査信号観測点に検査のタイミングを指定する検査クロックとして、200MHz(周期5n秒)のクロックと100MHz(周期10n秒)のクロックを発生可能な構成となっている。
【0065】図5は、この実施の形態2の半導体集積回路に搭載されている検査タイミング生成部210aを説明するためのブロック図である。この検査タイミング生成部210aは、200MHzの基本クロック401を分周して、100MHzの分周クロック405を発生する分周器403と、外部のテスタなどからの周波数選択信号402により、上記基本クロック401と分周クロック405の一方を選択して検査クロック406として出力する選択回路404とから構成されている。ここでは、上記検査タイミング生成部210aは半導体集積回路の内部に構成されているが、上記のような構成の検査タイミング生成部210aは、検査用ボード上に構成することも可能である。
【0066】次に検査処理について説明する。まず、半導体集積回路における複数の信号伝播経路の内から、検査の対象とする信号伝播経路が選択され、さらに、選択された信号伝播経路は、外部入力,外部出力または再収斂点にて分割されて部分経路が決定される(ステップS300)。
【0067】本実施の形態2では、実施の形態1と同様、検査対象となる信号伝播経路として、上記第1〜第6の6つの信号伝播経路が選択される。従って、検査対象となる信号伝播経路を構成する部分経路は、上記実施の形態1と同様、部分経路204〜208の5つ存在することとなる。
【0068】次に、検査対象の信号伝播経路のうちから、検査済みでない信号伝播経路が一つ選択される。ここでは、第1の信号伝播経路が選択されるものとする(ステップS301)。
【0069】次に、ステップS302では、検査信号発生点(レジスタ201)にて検査信号を発生するタイミング、及び検査信号観測点(レジスタ202)にて検査信号を観測するタイミングとして、上記第1の信号伝播経路での設計上の遅延時間以上であって、検査タイミング生成部210aにて発生可能な最少の周期の検査クロックを選択し、選択された検査クロックを上記検査信号発生点及び検査信号観測点に出力する。そして、この検査クロックの1周期に相当する遅延時間の範囲内で、検査クロックが上記検査信号発生点から検査信号観測点まで伝播したか否かの検査が行われる。また、この検査後には、検査対象となった信号伝播経路が検査済みとされる。
【0070】例えば、上記第1の信号伝播経路の設計上の遅延時間は、実施の形態1で示したように、8n秒(4n秒+4n秒)であることから、上記検査タイミング生成部210aでは、100MHzの検査クロックが選択され、検査信号発生点201からの検査信号が10n秒以内に検査信号観測点202に伝播したか否かが検査信号観測点202にて検査される。
【0071】ステップS303では、ステップS302の検査にて不合格と判定された場合には、半導体集積回路を不良として検査を終了する。一方、合格と判定された場合には、検査した第1の信号伝播経路を構成する各部分経路204及び206毎に、製造上の原因のために遅延時間が増加している可能性を考慮して最大遅延時間を求める。そして、この最大遅延時間が既に検査対象の信号伝播経路を構成する部分経路に割り付けられている最大遅延より小さい場合、あるいは、まだ検査対象の信号伝播経路における部分経路に最大遅延時間がまだ割り付けられていない場合には、今回の検査により求められた最大遅延時間がその部分経路に割り付けされる。
【0072】具体的には、上記検査では、検査クロックの周期が10n秒であり、部分経路206の設計上の遅延時間が4n秒であることから、部分経路204には、6n秒(10n秒―4n秒)が割り付けられる。同様に部分経路206にも6n秒が割り付けられる。
【0073】続いて、ステップS304では、部分経路に割り付けられた最大遅延の総和が設計上の性能を損なわない遅延量(本実施の形態では10n秒)以下となる、検査が施されていない未検査の信号伝播経路が検査済みの信号伝播経路とされる。上記第1の信号伝播経路の検査が終了した時点では、検査済みと見なされる未検査の信号伝播経路はない。
【0074】次にステップS305では、検査対象となる全ての信号伝播経路が検査済みの信号伝播経路となったか否かが判定される。この結果、全て検査済みである場合には、半導体集積回路に対して本検査項目についての合格・良品判定が行われる。一方、未検査の信号伝播経路が存在する場合には、上記ステップS301〜S305の処理が繰り返し行われる。この場合は、未検査の信号伝播経路が存在するのでステップ301に戻る。次に上記ステップS301にて第4の信号伝播経路が選択されたものとする。
【0075】続くステップS302では、第4の信号伝播経路に対する設計上の遅延時間が4n秒(2n秒+2n秒)であることから、検査クロックとしては200MHzの検査クロックが選択され、上記検査クロックが検査信号発生点201から5n秒以内に検査信号観測点202へ伝播したか否かが検査信号観測点202で判定され、該第4の信号伝播経路は検査済みとされる。
【0076】次にステップS303では、ステップS302で第4の信号伝播経路が検査に合格したものであった場合には、検査クロックの周期が5n秒であり、第4の信号伝播経路における部分経路207に対する設計上の遅延時間が2n秒であることから、該第4の信号伝播経路における部分経路205には、最大遅延時間として3n秒(5n秒―2n秒)が割付けられる。同様に上記部分経路207にも最大遅延時間として3n秒が割り付けられる。
【0077】さらにステップS304では、第2の信号伝播経路の最大遅延時間の総和が9n秒(6n秒(部分経路204の最大遅延時間)+3n秒(部分経路207の最大遅延時間))となる。また第3の信号伝播経路の最大遅延時間の総和が9n秒(6n秒(部分経路205の最大遅延時間)+3n秒(部分経路206の最大遅延時間))となり、半導体集積回路の設計上の性能を損なわない遅延時間(10n秒)以下となることから、上記第2,第3の信号伝播経路2、3が検査済みされる。
【0078】次にステップS305で、全ての信号伝播経路について検査済みとなったか否かが判定される。この場合、第5,第6の信号伝播経路が未検査であるため、再度ステップS301〜S305の処理が行われる。
【0079】さらに、ステップS301にて第5の信号伝播経路が選択されたものとすると、同様にステップS302では、100MHz(周期10n秒)の検査クロックを用いて、該検査クロックが10n秒以内に検査信号発生点から第5の信号伝播経路を介して検査信号観測点へ伝播するか否かの検査が行われ、第5の信号伝播経路が検査済みとされる。
【0080】ステップS303では、検査信号の周期が10n秒であり、部分経路204及び208の設計上の遅延が双方ともに4n秒であることから、双方共に最大遅延時間として6n秒が割りつけられる。このとき、最大遅延時間の割付は部分経路208のみに対して行われ、部分経路204に対しては、今回割りつけられた最大遅延時間(6n秒)が、上記部分経路204に対して既に割り付けられている最大遅延時間(6n秒)より小さくないので、この部分経路204に対しては、新たな割付は行われない。
【0081】ステップS304では、第6の信号伝播経路の最大遅延時間の総和が9n秒(3n秒(部分経路205の最大遅延時間)+6n秒(部分経路208の最大遅延時間))となり、上記第6の信号伝播経路は、半導体集積回路の設計上の性能を損なわない遅延量(10n秒)以下となることから、この第6の信号伝播経路が検査済みとされる。
【0082】そして、ステップS305では、全ての信号伝播経路が検査済みとなったので、本検査項目について合格判定がなされ、検査処理が終了する。
【0083】このように本実施の形態2によれば、検査を行った信号伝播経路を構成する部分経路毎に最大遅延時間を求め、最大遅延時間の総和が半導体集積回路に対する設計上の性能を損なわない信号伝播経路を検査済みとするようにしたので、全ての信号伝播経路が検査の対象とする従来の検査方法に対して、検査する信号伝播経路の数を削減することが可能となる。
【0084】また、この実施の形態2では、実施の形態1の検査方法と比較して、検査用のクロックの種別が少なくてすみ、検査用テスタとして安価なものを使用することが可能となる。
【0085】なお、本実施の形態2では、全ての信号伝播経路が検査済みとなった場合に本検査項目について合格・良品と判定していたが、当然、予め決めておいた信号伝播経路数が検査済みとなったときに合格判定を行うことが可能であることは言うまでもない。また、本実施の形態2において、部分経路に対する設計上の遅延時間は、製造上変動しうる(変動の可能性の高い)遅延時間の最小値でもよい。
【0086】また、予め決めておいた信号伝播経路数に基づいて検査を終了する場合には、検査を行った信号伝播経路だけでなく、検査済み相当の信号伝播経路を確認することが可能となっていることから、正確に検査の質(全信号伝播経路中のどれだけの信号伝播経路の信号伝播を確認したか)を把握することが可能となる効果が得られる。また、本実施の形態2では、複数のタイミングの検査クロックを用いたが単一のクロックの場合にも適用できることは言うまでもない。また上記実施の形態2の検査処理は、半導体集積回路のテスタのコマンドおよびテストプログラムにより実現され、実際の検査が実施される。
【0087】さらに、上記実施の形態2では、検査タイミング生成部として、200MHzの検査クロックを分周する分周器を有し、100MHzの検査クロックと200MHzの検査クロックを選択して出力する構成のものを示したが、検査タイミング生成部の構成はこれに限るものではない。
【0088】例えば、上記検査タイミング生成部は、上記分周器の代わりに遅延素子を備え、周期の異なる3種類以上の検査クロックを発生可能な構成としてもよい。
【0089】図6(a)はこのような遅延素子を用いた検査タイミング生成部の構成を示している。この検査タイミング生成部210bは、基本クロック501を遅延させずに出力するとともに、該基本クロック501に基づいて、遅延時間の異なる第1,第2,第3の遅延クロック503a,503b,503cを発生する遅延クロック生成部503と、該遅延クロック生成部503から出力される基本クロック501及び第1〜第3の遅延クロック503a〜503cのうちの1つを周波数選択信号502に基づいて選択して検査クロック505として出力する選択回路504とから構成されている。
【0090】上記遅延クロック生成部503は、第1,第2,第3の3つの遅延回路10,20,30を有しており、第1の遅延回路10は、1つの遅延素子D11からなり、第2の遅延回路20は、直列接続の2つの遅延素子D21,D22からなり、第3の遅延回路30は、直列接続の4つの遅延素子D31,D32,D33,D34からなる。ここで、上記各遅延素子での信号の遅延時間は同一である。従って、上記第2の遅延回路20の遅延時間では、第1の遅延回路10の遅延時間の2倍であり、さらに上記第3の遅延回路30の遅延時間は、第2の遅延回路20の遅延時間の2倍となっている。なお、上記遅延回路の種類(遅延時間の異なるもの)は、3つに限らず、さらに多くてもよい。
【0091】このような構成の遅延クロック生成部503では、周期Toの基本クロック501の所定の立ち上がりタイミングから該基本クロックの半周期に相当する時間が経過した後(立ち下がり後)の所定のタイミングにて、周波数選択信号502により選択回路504で選択されるクロックを、基本クロック501から第3の遅延クロック503cに切り換えることにより、基本クロックとは周期が異なる疑似検査クロック505が、上記選択回路504から出力される(図6(b)参照)。この疑似検査クロック505では、その周期Tgは、基本クロックの立ち上がりタイミングから第3の遅延クロック503cの立ち上がりタイミングまでの時間となっている。なお、疑似検査クロックの周期は、上記選択回路504にて選択する遅延クロックを変更することにより、変更することができる。
【0092】このような構成の検査タイミング生成部210bでは、図5に示した検査タイミング生成部210aに比べて検査クロックの周期をより詳細に設定可能であることから、各部分経路の最大遅延時間としてより正確な(小さい)ものを得ることができるようになる。これにより信号伝播経路の最大遅延時間の総和が小さくなり、1つの信号伝播経路に対する検査により、検査済みとなる信号伝播経路が増大することとなり、この結果、実際に検査する信号伝播経路の数を削減することが可能となる。
【0093】一方、図5に示した検査タイミング生成部210aでは、周期が大きく異なる検査クロックが生成されるため、大きく遅延の異なる信号伝播経路については設計上の遅延時間に近い周期の検査クロックを容易に生成することが可能となるという利点がある。なお、これら、二つの検査タイミング生成部の構成を組合せて得られる検査タイミング生成部では、双方の利点を得られることは明らかである。
【0094】(実施の形態3)図7及び図8は、本発明の実施の形態3による半導体集積回路及びその検査方法について説明するための図であり、図7は上記半導体集積回路における検査回路を示し、図8は検査のフローを示している。本実施の形態3の半導体集積回路では、設計上(実用上)の性能は、100MHz(周期10n秒)のクロックによる動作が可能なものとなっている。
【0095】この上記半導体集積回路における検査回路300は、実施の形態1の検査回路100の構成に加えて、検査タイミング生成部210からの検査クロックを受け、検査信号を発生する第2の検査信号発生点(起点側付加レジスタ)601と、該検査信号発生点601からの検査信号を所定時間だけ遅延し、該遅延した検査信号を再収斂点209に出力する遅延素子部603と、再収斂点209から出力される検査信号を所定時間だけ遅延する第2の遅延素子部604と、該第2の遅延素子部604から出力される検査信号を観測する第2の検査信号観測点(終点側付加レジスタ)602とを備えたものである。
【0096】上記遅延素子部603は、上記第2の検査信号発生点601からの検査信号を所定時間(6n秒)遅延する1つの遅延素子Daからなる遅延回路603aと、上記第2の検査信号発生点601からの検査信号を所定時間(7n秒)遅延する直列接続の2つの遅延素子Db1,Db2からなる遅延回路603bと、該両遅延回路603a及び603bの出力の一方を、外部のテスタなどからの遅延時間選択信号633に基づいて選択して出力する選択回路603cとから構成されている。
【0097】また、上記第2の遅延素子部604は、上記再収斂点としての論理素子209からの検査信号を所定時間(5n秒)遅延する1つの遅延素子Dcからなる遅延回路604aと、上記再収斂点としての論理素子209からの検査信号を所定時間(8n秒)遅延する直列接続の2つの遅延素子Dd1,Dd2からなる遅延回路604bと、上記各遅延回路604a及び604bの出力の一方を、外部のテスタなどからの遅延時間選択信号644に基づいて選択して出力する選択回路604cとから構成されている。
【0098】次に作用効果について説明する。この実施の形態3の検査回路300は、実施の形態1の検査回路100の構成に加えて、第2の検査信号発生点601および第2の検査信号観測点602を備えているので、上記検査回路には、11個の信号伝播経路が形成されることとなる。
【0099】第1の信号伝播経路は、部分経路204,論理素子209,及び部分経路206からなり、第2の信号伝播経路は、部分経路204,論理素子209,及び部分経路207からなり、第3の信号伝播経路は、部分経路205,論理素子209,及び部分経路206からなる。また、第4の信号伝播経路は、部分経路205,論理素子209,及び部分経路207からなり、第5の信号伝播経路は、部分経路204,論理素子209,及び部分経路208からなり、第6の信号伝播経路は、部分経路205,論理素子209,及び部分経路208からなる。さらに、第7の信号伝播経路は、部分経路204,論理素子209,及び遅延回路604からなり、第8の信号伝播経路は、部分経路205,論理素子209,及び遅延回路604からなり、第9の信号伝播経路は、遅延回路603,論理素子209,及び部分経路206からなる。また、第10の信号伝播経路は、遅延回路603,論理素子209,及び部分経路207からなり、第11の信号伝播経路は、遅延回路603,論理素子209,及び部分経路208からなる。但し、ここでは、第7,第8,第9,第10,第11の信号伝播経路は、半導体集積回路の機能上不要であるために、遅延故障無しの保証は必ずしも必要ではない。
【0100】まず、本半導体集積回路の検査回路に対して、実施の形態1の検査処理と同様な検査処理を施す場合について説明する。この検査回路300では、再収斂点209に検査信号を供給する検査信号発生点601と、該再収斂点からの検査信号を観測する検査信号観測点602とを備えているので、部分経路204及び205に対しては上記再収斂点209が検査信号観測点となり、部分経路206,207及び208に対しては、上記再収斂点209が検査信号発生点となる。
【0101】従って、この実施の形態3では、実施の形態1の信号伝播経路を構成する個々の部分経路に対して直接検査を施すことが可能となり、再収斂点の前段側の所定の部分経路と、その後段側の所定の部分経路とを組み合わせて得られる信号伝播経路に対して検査を施す場合と比べて、検査回数を大幅に削減することができる。
【0102】ここでは、実質的に検査が必要な経路は、部分経路204,205,206,207,208の合計5つであり、従って、上記第7〜第11の信号伝播経路について実施の形態1と同様の検査処理を行うことにより、上記第1〜第6のすべての信号伝播経路については検査を不要とできる。この結果、上記実施の形態1に比べると実際に検査を施す経路の数が5つにまで削減される。なお、この場合には、上記遅延素子部では、適当な遅延時間の遅延回路が選択されることとなる。
【0103】次に、実施の形態2と同様な検査処理を、上記検査回路300に対して遅延素子部603及び604を利用して施す場合について説明する。図8は上記遅延素子部を利用した検査処理のフローを示している。このフローに基づく検査処理は、半導体集積回路のテスタのコマンドおよびテストプログラムにより実現され、実際の検査が実施される。また、検査信号発生点と検査信号観測点に検査のタイミングを指定する検査クロックとして、100MHz(周期10n秒)の検査クロックを用いるものとする。
【0104】まず、半導体集積回路における複数の信号伝播経路の内から、検査の対象とする信号伝播経路が選択され、さらに、選択された信号伝播経路は、外部入力,外部出力または再収斂点にて分割されて部分経路が決定される(ステップS700)。
【0105】次に、ステップS701において、検査済みでない信号伝播経路を一つ選択する。この場合、上記第7の信号伝播経路が選択されるものとする。そして、ステップS702において、設計上の遅延時間が検査クロックの周期(10n秒)より長くならない最大の遅延素子として、上記遅延素子部604から遅延時間が5n秒の遅延回路604aが選択される。これにより部分経路204の遅延時間と合せて、上記第7の信号伝播経路の設計上の遅延時間が9n秒となる。さらに、検査信号発生点201からの検査信号が検査クロックの周期(10n秒)以内に伝播したか否かの検査が検査信号観測点602にて行われる。
【0106】ステップS703では、ステップS702の検査処理において不合格であった場合には、半導体集積回路を不良として検査が終了する。一方、合格であった場合には、検査した信号伝播経路の部分経路204に、製造上の原因のために遅延が増加している可能性を考慮して最大遅延時間が求められる。この最大遅延時間が、既に割り付けられている最大遅延時間より小さいか、まだ最大遅延時間の割り付けが行われていない場合には、その部分経路に求めた最大遅延時間が割り付けられる。
【0107】この場合、検査タイミングを決める検査クロックの周期が10n秒であり、遅延素子部604における第2の遅延回路604aの設計上の遅延時間が5n秒であることから、部分経路204には、5n秒(10n秒―5n秒)が割り付けられる。なお、ここでは、再収斂点209から検査信号観測点602への経路における遅延故障は検査経路であるので論議しない。
【0108】ステップS704では、部分経路に割り付けられた最大遅延時間の総和が設計上の性能を損なわない遅延量(本実施の形態では10n秒)以下である検査済みでない信号伝播経路が検査済みの信号伝播経路とされる。上記第7の信号伝播経路の検査が終了した時点では、検査済と見なされる未検査の信号伝播経路はない。
【0109】次にステップS705では、全ての信号伝播経路について検査済みとなったか否かが判定され、全て信号伝播経路が検査済みである場合には、半導体集積回路に対して本検査項目について合格・良品判定が行われ、未検査の信号伝播経路が存在する場合には、ステップS701〜S705の処理が繰り返し行われる。この場合は、未検査の信号伝播経路が存在するので、検査処理はステップS701の処理に戻る。
【0110】次にステップS701で第8の信号伝播経路が選択されたものとする。ステップS702では、設計上の遅延時間が検査クロックの周期(10n秒)より長くならない最大の遅延素子として遅延素子部604から、遅延時間が8n秒である遅延回路604bが選択される。そして、検査信号発生点201で発生された検査信号が10n秒以内に検査信号観測点602に伝播したか否かが検査信号観測点602で検査され、この第8の信号伝播経路は検査済みとされる。
【0111】ステップS703では、検査タイミングを示す検査クロックの周期が10n秒であり、遅延素子部604における第2の遅延回路の設計上の遅延時間が8n秒であることから、ステップS702での検査の結果合格であった場合には、部分経路205には、2n秒(10n秒―8n秒)が割り付けられる。
【0112】しかし、ステップS704で検査済みとされる、部分経路に割り付けられた最大遅延時間の総和が設計上の性能を損なわない遅延量(本実施例では10n秒)以下である信号伝播経路は、まだない。
【0113】以下、ステップS705での判定の結果、検査処理は再度ステップS701の処理に戻り、ステップS701からステップS705までのループ処理が、上記第9,10,11の信号伝播経路に対して同様に順次適用され、それぞれ遅延素子部603における、6n、7n、6nの遅延が選択され検査される。これにより、各部分経路206、207、208に割り付けられる最大遅延が、4n、3n、4nとなる。
【0114】そして、最後にステップS704にて、第1〜第6の信号伝播経路におけるいずれの部分経路に割り付けられた最大遅延時間の総和も設計上の性能を損なわない遅延量(本実施例では10n秒)以下となり、全ての信号伝播経路が検査済みとなり、ステップS705の判定を経て処理が終了する。
【0115】このように本実施の形態3によれば、半導体集積回路における検査回路を構成する、信号伝播経路の再収斂点に検査信号を供給する検査信号発生点601と、再収斂点209からの検査信号を観測する検査信号観測点602とを備え、検査信号発生点601で発生した検査クロックを所定の遅延時間を有する遅延回路を介して再収斂点に供給し、再収斂点からの検査信号を所定の遅延時間を有する遅延回路を介して上記検査信号観測点へ出力するようにしたので、少ない種別の検査クロックを用いて、各部分経路の最大遅延時間を正確な(小さい)ものとすることができる。これにより信号伝播経路の最大遅延時間の総和が小さくなり、検査済みとなる信号伝播経路の割合が増え、その結果、実際に検査する信号伝播経路数を削減することが可能となる。
【0116】一般に遅延素子の種類を増やし、検査経路の設計上の遅延時間を検査クロックの周期に近くなるよう調整することにより、少ない種類の検査クロックを用いて信号伝播経路の検査を行うことが可能となる。
【0117】なお、上記実施の形態3では、論理回路として、起点側レジスタと終点側レジスタとの間のすべての信号伝播経路が再収斂点で収斂しているものを挙げたが、上記論理回路は、起点側レジスタと終点側レジスタとの間の複数の信号伝播経路のうちの一部の所定数の信号伝播経路が再収斂点で収斂しているものでもよく、さらに、再収斂点は上記起点側レジスタと終点側レジスタの1つだけ存在する場合に限らず、複数存在してもよい。この場合、起点側付加レジスタ及び終点側付加レジスタは、すべての再収斂点に対して設ける必要はなく、すくなくとも1つの再収斂点に対して起点側付加レジスタ及び終点側付加レジスタが設ければよい。
【0118】また、本実施の形態3では、単一の検査クロック100MHzを用いたが、実施の形態2で示したように、複数の検査クロックを用いてもよく、この場合、信号伝播経路の削減に効果があることは言うまでもない。
【0119】また、各実施の形態では、説明を簡明にするために検査信号のライズ(立ち上がり)とフォール(立ち下がり)では、信号変化の遅延時間が異なる場合については説明していないが、上記検査信号のライズ(立ち上がり)とフォール(立ち下がり)で、遅延時間が異なる場合には、それぞれ個別に検査することができることはいうまでもない。
【0120】(実施の形態4)図9は、本発明の実施の形態4による半導体集積回路の検査方法について説明するための図である。上述した本発明の各実施の形態では、半導体集積回路の検査方法として、実際の半導体集積回路に対して信号伝播経路の故障検査を直接行うものを示したが、実施の形態4では、図9に示すように、コンピュータ2001内に実際の半導体集積回路と同一構成を有する擬似的な半導体集積回路を構成し、この擬似的な半導体集積回路に対して実施の形態1と同様の方法で擬似的な検査を行い、この擬似的な検査結果に基づいて、実際の半導体集積回路2003に対する検査を行うこととする。
【0121】具体的には、コンピュータ2001内に構成した擬似的な半導体集積回路に対して、実施の形態1の検査方法を用いて、例えば信号伝播経路A,B,C,D,E,Fの遅延時間の検査を行う。なお、コンピュータ2001内に構成された擬似的な半導体集積回路に対する検査を行うテスタの擬似プログラムとしては、検査対象となる信号伝播経路のすべてが検査されるよう、擬似半導体集積回路における故障はないものと仮定して作成したものを用いる。言い換えると、擬似的な半導体集積回路における検査対象となる被検査信号伝播経路については、これを構成する部分経路はすべて故障ないものであるため、上記被検査信号伝播経路の起点側及び終点側のレジスタに、該被検査信号伝播経路に設定されている設計上の遅延時間に応じてタイミング信号を入力し、上記起点側レジスタで発生した検査信号が、上記設計上の遅延時間に応じた測定時間内に終点側レジスタに伝播したか否かを判定する遅延判定処理は行われない。
【0122】上記擬似半導体集積回路に対する検査の結果、信号伝播経路A,Bの遅延時間の検査により、信号伝播経路Cが検査不要と判定され、さらに信号伝播経路D,Eの遅延時間の検査により信号伝播経路Fの検査が不要と判定されたとする。
【0123】この場合は、実際の検査が行われた信号伝播経路は信号伝播経路A,B,D,Eであり、検査が行われなかった信号伝播経路は、信号伝播経路C,Fであるので、実際の半導体集積回路2003の検査を行うテスタ2002のプログラムとしては、上記信号伝播経路A,B,D,Eのみの遅延時間を検査するためのプログラムを作成し、このプログラムを用いて、実際の半導体集積回路2003における信号伝播経路A,B,D,Eの検査を行う。この場合には、実際の半導体集積回路2003における信号伝播経路C,Fを検査不要と判定する処理は行われない。
【0124】また、実際の半導体集積回路には信号伝播経路の遅延故障がある場合があり、その場合は、上記検査処理では、半導体集積回路の不良判定がなされることとなる。
【0125】このように本実施の形態4によれば、コンピュータ内に構成した実際の半導体集積回路と同一構成を有する擬似的な半導体集積回路に対して実施の形態1の検査方法を用いて、擬似的な検査を行い、この擬似的な検査結果に基づいて、実際の半導体集積回路に対する検査を行うことにより、実際の半導体集積回路の量産時における検査を効率よく行うことができる。
【0126】(実施の形態5)次に、本発明の実施の形態5による半導体集積回路の検査方法について説明する。図9に示すように、この実施の形態5では、コンピュータ2001内に実際の半導体集積回路と同一構成を有する擬似的な半導体集積回路を構成し、この擬似的な半導体集積回路に対して実施の形態2と同様の方法で擬似的な検査を行い、この擬似的な検査結果に基づいて、実際の半導体集積回路2003に対する検査を行うこととする。
【0127】このように実施の形態5によれば、コンピュータ内に構成した実際の半導体集積回路と同一構成を有する擬似的な半導体集積回路に対して実施の形態2の検査方法を用いて、上記実施の形態4と同様に、擬似的な検査を行い、この擬似的な検査結果に基づいて、実際の半導体集積回路の検査を行うことにより、実際の半導体集積回路の量産時における検査を効率よく行うことができる。
【0128】(実施の形態6)次に、本発明の実施の形態6による半導体集積回路の検査方法について説明する。図9に示すように、この実施の形態6では、コンピュータ2001内に実際の半導体集積回路と同一構成を有する擬似的な半導体集積回路を構成し、この擬似的な半導体回路に対して実施の形態3と同様の方法で擬似的な検査を行い、この擬似的な検査結果に基づいて、実際の半導体集積回路2003に対する検査を行うこととする。
【0129】このように実施の形態6によれば、コンピュータ内に構成した実際の半導体集積回路と同一構成を有する擬似的な半導体集積回路に対して実施の形態3の検査方法を用いて、上記実施の形態4と同様に、擬似的な検査を行い、この擬似的な検査結果に基づいて、実際の半導体集積回路の検査を行うことにより、実際の半導体集積回路の量産時における検査を効率よく行うことができる。
【0130】なお、コンピュータ2001内に構成した擬似的な半導体集積回路に対して、実施の形態3の検査方法を用いて、信号伝播経路の遅延時間の検査を行う方法では、上記擬似的な半導体集積回路は、実施の形態3における実際の半導体集積回路と同様、再収斂点に接続された起点側付加レジスタ及び終点側付加レジスタを有する構成となっている。
【0131】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、半導体集積回路における信号伝播経路について、これを構成する部分経路毎に故障無しを確認するので、全ての信号伝播経路が検査の対象であった従来の検査方法に対して検査する信号伝播経路数を削減することが可能となり、検査の時間を短縮することが可能となる。
【0132】また、信号伝播経路における再収斂点に検査信号発生点(起点側付加レジスタ)と検査信号観測点(終点側付加レジスタ)を付加しているので、見かけ上の信号伝播経路数を削減することができ、検査の時間を短縮することに効果がある。
【0133】さらに、部分経路毎に最大遅延を求め、最大遅延の総和が半導体集積回路の設計上の性能を損なわない信号伝播経路を検査済みとするので、単一周期の検査クロックを用いる場合、あるいは周期の異なる限られた数の検査クロックを用いる場合においても、検査の時間を短縮することが可能となる。
【0134】またさらに、再収斂点と、再収斂点に付加された検査信号発生点及び検査信号観測点との間に接続され、遅延時間の異なる複数の遅延回路を含む遅延素子部を備えたので、検査時に上記遅延回路を選択することにより、少ない種別の検査クロックでも、検査する信号伝播経路の数を削減でき、発生できるクロック種別に制限のある安価なテスタの選択が可能となる。
【0135】さらに、コンピュータ内に実際の半導体集積回路と同一構成を有する擬似的な半導体集積回路を構成し、この擬似的な半導体集積回路における信号伝播経路に対して予備検査処理を行い、この予備検査処理の結果に基づいて、実際の半導体集積回路における信号伝播経路に対する本検査処理を行うので、実際の半導体集積回路に対する信号伝播経路の検査を効率よく行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成12年4月26日(2000.4.26)
【代理人】 【識別番号】100081813
【弁理士】
【氏名又は名称】早瀬 憲一
【公開番号】 特開2001−13220(P2001−13220A)
【公開日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願番号】 特願2000−126511(P2000−126511)