トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験




【発明の名称】 内部信号観測回路及び内部信号観測方法
【発明者】 【氏名】君島 達也

【氏名】鍋田 芳則

【氏名】橘田 光弘

【氏名】千葉 一雄

【氏名】山元 浩幸

【要約】 【課題】内部信号観測点指定入力端子数を減らして観測出力を選択する回路を得る。

【解決手段】信号観測対象の半導体内に搭載されて、観測対象の選択箇所を指定する外部からのシリアル入力を記憶するシフトレジスタと、シフトレジスタからの複数信号に基づき、必要によりデコードして観測対象の信号群から選択出力するセレクタとを備えた。また更に、シフトレジスタとして、半導体内に搭載されるTAPコントローラを使用するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 信号観測対象の半導体内に搭載されて、上記観測対象の選択箇所を指定する外部からのシリアル入力を記憶するシフトレジスタと、上記シフトレジスタからの複数信号に基づき、必要によりデコードして上記観測対象の信号群から選択出力するセレクタとを備えた、ことを特徴とする内部信号観測回路。
【請求項2】 シフトレジスタとして、上記半導体内に搭載されるTAPコントローラを使用することを特徴とする請求項1記載の内部信号観測回路。
【請求項3】 観測対象を指定する外部からのシリアル入力を記憶するシフトレジスタと、該シフトレジスタからの複数信号に基づき上記観測対象の信号群から選択出力するセレクタとを備えて、上記セレクタにより選択された観測対象に対して、選択された期間に、同一の時系列変化信号パターンを所定回繰り返すようにしたことを特徴とする内部信号観測方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、LSI等の複数要素搭載回路のテスト、検証、デバックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は、第1の従来例として、特開昭64−41257号公報に開示されている内部回路観測部の構成を示す図である。これは入力端子15と出力端子16を持つ論理回路の内部信号19を、選択回路20を使って選択し、選択信号18で指定した信号を選択回路の出力17から取り出して観測するものである。
【0003】同様に図12は、第2の従来例として、特開平2−310482号公報に開示されている内部回路観測部の構成を示す図である。これは観測したいLIS等の内部の信号をセレクタ回路21経由でセレクタ回路24へ入力し、これらの信号のうち観測したい信号を、デコード回路25へ入力されている選択信号23によって切替えセレクタ回路24から出力されるセレクタ回路出力22から取り出して観測するものである。
【0004】従来の内部信号の観測方法は上記のように構成されているので、観測対象を切替えるために切替え信号を入力する必要があり、この切替え信号に対してもLSIの端子を使ってしまい、限られた端子数内で任意の要素部分を観測するには制限があるという課題があった。
【0005】この発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、内部信号の観測のために必要とする信号の端子を減らして、かつ任意の要素部分を観測する方法を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る内部信号観測回路は、信号観測対象の半導体内に搭載されて、観測対象の選択箇所を指定する外部からのシリアル入力を記憶するシフトレジスタと、このシフトレジスタからの複数信号に基づき、必要によりデコードして観測対象の信号群から選択出力するセレクタとを備えた。
【0007】また更に、シフトレジスタとして、半導体内に搭載されるTAPコントローラを使用するようにした。
【0008】この発明に係る内部信号観測方法は、観測対象を指定する外部からのシリアル入力を記憶するシフトレジスタと、このシフトレジスタからの複数信号に基づき上記観測対象の信号群から選択出力するセレクタとを備えて、セレクタにより選択された観測対象に対して、選択された期間に、同一の時系列変化信号パターンを所定回繰り返すようにした。
【0009】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1における内部信号観測装置の構成図である。図において、1はこの発明で内部信号を観測しようとする対象のLSIである。2は新規な要素である選択信号をシリアルに入力するためのシフトレジスタである。3はパラレルに再現された観測信号選択コードを、実際の内部信号の1ビットづつに対応した選択信号に変換するためのデコード回路である。シフトレジスタ2から出力される信号が、すでに内部信号の1ビットごとに対応した選択信号になっている場合は、特にこの回路を必要としない。4は選択信号に対応して実際の内部信号を切替えるセレクタ回路であり、5は対象となるLSI本来の論理回路である。セレクタ回路4の入力は予め決めておいたこの論理回路5内部の配線に接続されている。26はセレクタ回路の出力で選択された観測信号を出力する。
【0010】次に、この装置の動作を説明する。外部からのシリアル入力端子7から、シフトレジスタ2のクロック6に同期して内部信号選択コードを1ビットづつ入力する。1ビットづつ入力された内部信号選択コードは、デコード回路3において、対象となるLSIに設定した内部信号1つ1つに対応した内部信号の選択信号にデコードされる。逆にいえば、所望の選択信号に順になるようにシリアル信号列を設定して入力していく。この信号はセレクタ回路4に入力され、この信号に従って、予めセレクタ回路に入力されている対象論理回路5の内部信号を選択して、選択された信号が観測信号出力26から出力される。
【0011】このように、図1に示す内部信号の選択信号をシリアル入力し、シフトレジスタでデコードするようにしたので、選択信号のための信号線を、シフトクロックと選択信号のシリアル入力の2つに減らすことができる。しかし、ここでいうクロック6は、LSI論理回路5の動作を進めるクロックとは異なり、セレクタ回路4の選択で切換が必要なときのみ入力をするものである。この切換クロック6の入力は、以降の実施の形態においても同様である。
【0012】実施の形態2.シフトレジスタとして特別の要素を用いて、選択信号として別のものを用意しないですむようにした場合を説明する。図2は、実施の形態1のシフトレジスタ2を、IEEE 1194.1 JTAG準処のTAPコントローラ11とセル10(レジスタ群)に置換えたものである。シフトレジスタ2にクロックに同期して1ビットづつ切替え信号を入力する代りに、JTAGの仕様にしたがってTAPコントローラ11を制御してセル10に選択信号をセットする。
【0013】まず、JTAGそのものの構成と動作について説明する。図3は、図2のTAPコントローラの動作を説明するための詳細構成図である。また図4は図3のTAPコントローラの状態遷移図である。図3において、TAPコントローラへの入出力の5信号は以下の通りである。
TCLK…クロック(ステートマシンの動作クロック、データのシフトクロックとなる)
TMS…ステートマシンのコントロールTDI…データの入力(シリアル)
TDO…データの出力(シリアル)
nTRST…リセット(オプション)
TAPコントローラ11とセル10は、詳細にはTAPコントローラ・コア111と、インストラクションレジスタ112と、各種のデータレジスタ113などで構成されており、TAPコントローラ・コア111のステートマシンを使い、インストラクションレジスタ112、各種データレジスタ113にデータをセットしたり読み出したりする。インストラクションレジスタ112はセットされる命令に従って、データレジスタ113の選択、および、動作をコントロールする。また、入力データを次に伝えるために、バイパスレジスタがある。
【0014】次に上述構成のTAPコントローラ11自体の動作を説明する。まず、リセットであるが、リセットはnTRST端子をLowにすることによってもできるが、nTRST端子はオプションのため、TMS=1でTCLKに5クロック以上のクロックを加える。そうすると、TEST_LOGIC_RESETの状態に移行する。即ち、図4の状態遷移図において、任意の状態からTMS=1の矢印をたどって5コマ移動すると、このTEST_LOGIC_RESET 131になる。TEST_LOGIC_RESET 131の状態になったら、実際にTMSをクロックごとにコントロールして任意の状態に移ることができる。状態遷移の経路としては大きく2つあり、図4のSELECT_DR_SCAN 132と、SELECT_IR_SCAN 133の左右の列である。右側がインストラクションレジスタへ命令をセットする動作で、左側がインストラクションレジスタの命令に従って、各データレジスタへデータをセットする動作である。ここではセットとしたが、レジスタに保持されているデータのセットと同時に実はシフト動作により出力される。
【0015】このデータの出し入れをする状態がそれぞれ図4のSHIFT_IRとSHIFT_DRで、それぞれインストラクションレジスタ、データレジスタのデータを1クロックごとにシフトする。シフトするデータはTDIから入力し、TDOから出力される。また、上記の各レジスタと接続される信号によるデータのやり取りは、CAPTURE_IR/DRフェーズ、UPDATE_IR/DRフェーズで行われ、その動作は図5のSAMPLE/PRELOADモード、または図6のEXTESTモードのキャプチャ・フェーズ(A)、シフト及びアップデータ・フェーズ(B)で示される。このように、インストラクションレジスタにセットされた命令、SAMPLE/PRELOAD、または、EXTESTの違いによって異なる。本実施の形態においてはJTAGで標準とされている目的のための実行を行うデータレジスタに対して、標準の目的以外の定義をする。従がって、このための命令も独自に定義する。図2のセル10は、このようにデータ・レジスタ113で詳細が示される。
【0016】本実施の形態に対する適用は即ち以下の通りとなる。インストラクション・レジスタ112に、追加したセル10としてのデータ・レジスタの1つを指定するインストラクションを書き込み、このデータ・レジスタ(セル10)に選択信号を書き込む。すると、このセル10からの並列出力がデコード回路3に伝えられて、以後は実施の形態1と同様に動作する。なお、TDIから入力された選択信号は、SHIFT_DR動作において、TAPのJTAG 5信号の1つであるTCLKに同期して1ビットづつデータレジスタ(セル10)にセットされる。セットができたらUPDATE_DR動作において、セットされた信号がデータレジスタ(セル10)からデコード回路3へ与えられる。
【0017】TAPコントローラは、状態遷移をたどって移動するステートマシンになっているので、この状態をIEEE 1194.1 JATGの制御方法にしたがって制御することにより、セル10(データ・レジスタ113)に値を設定して、その値でコード回路3に内部信号選択コードを送ることができる。TAPコントローラを内部に埋め込むことでシリアル入力を別に準備する必要がなくなる。その他の部分は実施の形態1と同様にして、セレクタ回路4の出力26から内部信号を取出すことができる。この構成は実施の形態1の構成と比較して、選択信号を入力するための信号線が多く、また、設定手順も複雑であるが、対象となるLSIがバウンダリスキャンテストなどをサポートするために、もともとJTAG信号12を持っている場合には、TAPコントローラに選択信号を入力するための機能を付加するだけで、JTAG信号線12自体は共用して、実質的に選択信号入力のために新たなシリアル入力端子7を設ける必要がない。
【0018】上記の構成は、入力信号端子数を少なくするものである。一方、図1、図2のいずれの構成においても、出力端子はセレクタ回路4で選択された出力端子26の1本のみである。通常は、試験項目毎に内部の対象部分が異なり、対応して試験の時系列パターンが異なる。しかし、発想を変えて、内部対象部分のみを切換えて、時系列試験パターンを同一とし、かつ外部の観測装置で切換えた内部対象を縦軸に表示し、横軸に時系列パターンを表示すれば、同一時系列試験パターンに対する内部の内部対象部分の並列表示が出来ることになる。具体的には、図1または図2の構成で、時系列試験パターンを1回終える毎に、セレクタ回路4の選択する内部対象を順切り替え、同じ入力の時系列試験パターンを何度も実行する。当然セレクタ回路の選択毎にリセットを与え、内部状態をクリアする。
【0019】外部では、この出力結果を記憶しておいて、たとえば縦軸にそれぞれの出力を入力パターンが重なり合うように合成すれば、あたかも同時に内部信号を取出して観測したかのように表示できる。内部状態を記憶するフリップフロップの状態を一定の値に初期化できれば、論理回路の動作には再現性があるので、この同一時系列試験パターンの繰返し印加は有効である。一般的に、リセットにより内部状態を一定の値に初期化できるように設計されているのが普通だが、初期化の必要がなく初期化されない部分が有ったとしても、その部分の期待は特定する必要がないので、依然としてこの方法は有効である。
【0020】図7は、観測信号の出力端子の数よりも多くの内部信号を、あたかも同時に出力したかのように波形を、外部の記憶機能を持つ表示装置で表示した例を示す図である。これはリセット信号と、それに続く対象LSI 1への時系列変化信号パターンを同じにして、内部信号の選択を切換えながらその観測信号を記録し、さらに入力信号に対応づけて並列に並べて表示したものである。図7において、(A)の入力A、入力B(B)の出力A、出力Bは、一般的なLSIの動作入力信号である図1等における対象LSIの入出力信号9の例を示している。一方、図7(C)は観測対象となるLSIの論理回路5からセレクタ回路4に出力される信号であり、かつ図7の例ではセレクタ回路の出力26に得られる、リセットに同期して切り換えられる論理回路5の選択後の出力である。図7(C)では、リセットに同期して1回目と2回目の出力26を示している。従って本実施の形態では、リセットを同期信号として同一入力パターンを与えて外部観測を行えば、図7(C)の内部観測波形が得られて、論理回路5の内部における動作関係を知ることができる。
【0021】図8は、セレクタ回路4で選択した内部信号の出力をシフトレジスタ28で受け、このレジスタに一旦記憶した後、シフトクロックに同期して1ビットづつ出力するようにしたものである。出力する信号が複数ある場合にはシステムクロックを出力ビット数倍したシフトクロックを入力する。
【0022】図の構成は、複数のセレクタ回路4の出力を出力用のシフトレジスタ28に一旦記憶し、さらに、シフトクロック端子13から入力されるシフトクロックに同期して1ビットづつ取出して、観測信号出力のための信号線を少なくするようにしたものである。この場合、システムクロックごとにすべてのセレクタ回路4の出力信号を観測するためにはシステムクロックよりも出力ビット数倍以上高いクロックを出力用シフトレジスタ28のシフトクロックとして与えなくてはならない。分周期14はこの作用を行うもので、シフトクロックをビット数以上で分周したクロックをシステムクロックとして対象となる論理回路に加えれば出力用シフトレジスタ28のシフトクロックのための信号線とシステムクロックの信号線を共有できるので、信号線の数を減らすことができる。
【0023】実施の形態3.実施の形態2で、さらに出力側のデータ制御も行わせる場合を説明する。図9(A)は、図8のシフトレジスタ28の代りに、IEEE 1194.1JTAG準拠のTAPコントローラ11によって制御されるセル14を設けた構成である。この場合は、観測する内部信号の選択出力が一旦セル14に記憶され、TAPコントローラを制御してJTAGの出力端子TDOから外部へ出力される。このように、観測信号出力用の端子の代りにJTAG信号の出力TDOを使うことができるので、さらに内部信号観測のために使用する端子の数を減らすことができる。この場合、やはりTAPコントローラに出力用のセル14を制御するための機能を追加する必要がある。
【0024】図9(B)はTAPコントローラの動作を説明するタイミングチャートである。なお、セル14は、図3で詳細構成を示したTAPコントローラ11のデータ・レジスタ113の一部として設定したセル10の代わりに、または同様に追加したデータ・レジスタである。図9(a)は、被測定対象である論理回路5のシステムクロックを表し、このシステムクロックの変化に同期して、論理回路5の内部信号は図9(b)または(c)に示されるように変化する。これらの信号はシステムクロックが変化するまでの間に図3に示されるTAPコントローラ11を制御して、セル14にキャプチャーする。即ちセル10へセットするのと逆の動作をする。また、これらTAPコントローラ11の制御は、既に述べたようにJTAGのTAP信号12を使って内部のステートマシンを動作させることによって行う。こうすれば、観測出力をJTAG信号を制御することでJTAG信号端子から出力することができるので、特別に内部信号の観測出力のための端子を新たに設ける必要がない。
【0025】同じく図10は、JTAGのクロック信号TCKをシステムクロックと同期させた場合の構成図である。図は、セレクタ回路4の観測出力が1ビットの場合を示している。複数のビットがある場合にはシステムクロックはJTAGのクロックをビット数倍以上に分周する。図10における観測信号出力用のセルは、特別なセルで、Shift/DRと同時に、観測信号入力をキャプチャーする。
【0026】図の構成は、さらにIEEE 1194.1 JTAGのクロックTCLKとシステムクロックを同期させて、早いクロックで動作させているときでもJTAGの信号を使って内部信号を出力できるようにしたものである。一般にLSIを構成する素子の最高のクロック動作周波数は共通である。従がって、このクロックで内部信号を観測するためにTAPコントローラ11を動作させると、内部対象部分の動作用に多くのクロックを使ってしまい、結果として論理回路の最高クロック周波数は、JTAGを使って内部信号を1回取出すのに必要なクロック数分の1になってしまう。この実施の形態では、このような不具合を解決するために、JTAGの使用を一部拡張して、Shift/DRを実行すると同時にデータをキャプチャーする特別なセルを使う。こうすれば、TAPコントローラ11のステートマシンをShift/DRのフェーズに保つことができ、あたかも図8で示した単純なシフトレジスタの状態となり、JTAGのクロック信号TCKに一つのクロックを加える毎に一つの観測出力信号を出力できる。こうして、観測信号出力をキャプチャーさせることにより、JTAGの操作に起因するシステムクロック周波数の低下を低減することができる。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明は、内部にシフトレジスタ相当とセレクタとを備えたので端子数を少なくして多くの内部動作を観察できる効果がある。
【0028】また更に、JTAGのTAPコントローラを内部観測用にも転用するようにしたので、観測のための端子数を更に減らせる効果がある。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成11年6月28日(1999.6.28)
【代理人】 【識別番号】100099461
【弁理士】
【氏名又は名称】溝井 章司 (外2名)
【公開番号】 特開2001−13214(P2001−13214A)
【公開日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願番号】 特願平11−180977