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【発明の名称】 オートハンドラ、その制御方法、及び記憶媒体
【発明者】 【氏名】伊藤 金雄

【氏名】平尾 さち子

【要約】 【課題】デバイスの搬送機構の位置ずれの補正作業における負担を軽減し、位置ずれによるデバイスの搬送ミスを防ぐことができるオートハンドラ、その制御方法、及び記憶媒体を提供することである。

【解決手段】所定のタイミング毎に実行されるデバイスの搬送機構40の自動補正処理において、制御装置10のCPU11は、駆動モータ2のエンコーダ2Aから入力されたパルス数からオーバーラン距離B1を求め、オーバーラン距離B1をRAM16に記憶されているオーバーラン距離の初期値B0で除算してベルト伸縮率Dを求め、タイミングベルトの伸縮率Dを補正係数としてRAM16に更新記憶する。吸着ユニット5を移動させる際は、設定されている目的移動量C0に補正係数を乗じて目的移動量C1を求め、目的移動量C1だけ駆動モータ2を駆動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】タイミングベルト駆動により所定の搬送位置へデバイスを搬送する搬送手段を備えるオートハンドラであって、前記タイミングベルトの伸縮に応じた補正係数を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された補正係数に基づいて、前記搬送手段によるデバイスの搬送位置ずれを補正する補正手段と、を備えることを特徴とするオートハンドラ。
【請求項2】前記算出手段は、所定のタイミングで自動的に補正係数を算出することを特徴とする請求項1記載のオートハンドラ。
【請求項3】前記搬送手段の逸出移動距離の初期値を記憶する初期値記憶手段と、補正する時点での搬送手段の逸出移動距離を測定する測定手段と、を更に備え、前記算出手段は、測定手段により測定された逸出移動距離を前記初期値記憶手段に記憶された逸出移動距離の初期値で除算することにより前記タイミングベルトの伸縮率を算出して、当該タイミングベルトの伸縮率を補正係数とすることを特徴とする請求項1記載のオートハンドラ。
【請求項4】前記タイミングベルトの伸縮率を補正係数として記憶する補正係数記憶手段を更に備え、前記補正手段は、前記算出手段によって算出された補正係数により前記補正係数記憶手段の記憶内容を更新し、当該補正係数記憶手段に更新記憶された補正係数を予め設定されている搬送手段の目的移動量に乗算して、当該目的移動量を補正することによりデバイスの搬送位置ずれを補正することを特徴とする請求項1記載のオートハンドラ。
【請求項5】タイミングベルト駆動により所定の搬送位置へデバイスを搬送する搬送手段を備えるオートハンドラの制御方法であって、前記タイミングベルトの伸縮に応じた補正係数を算出する算出工程と、算出された補正係数に基づいて、前記搬送手段によるデバイスの搬送位置ずれを補正する補正工程と、を含むことを特徴とするオートハンドラの制御方法。
【請求項6】タイミングベルト駆動により所定の搬送位置へデバイスを搬送する搬送手段を備えるオートハンドラを制御するためのプログラムを格納した記憶媒体であって、前記タイミングベルトの伸縮に応じた補正係数を算出するためのプログラムコードと、算出された補正係数に基づいて、前記搬送手段によるデバイスの搬送位置ずれを補正するためのプログラムコードと、を含むプログラムを格納することを特徴とする記憶媒体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイミングベルト駆動により、供給トレーからキャリアにデバイスを搬送あるいはキャリアから収容トレーにデバイスを搬送するときに生ずる位置ずれの補正機能を備えたオートハンドラ、その制御方法、及び記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】IC(Integrated Circuit)等の半導体デバイスの電気的特性を測定するIC試験システムにおいて、測定対象となるデバイスを搬送するオートハンドラが利用されている。
【0003】図5(A)は供給部と収容部に2系統のデバイス搬送機構を備えたオートハンドラを示す図であり、図5(B)は供給部側のキャリア300A、収容部側のキャリア300Bを示す図である。オートハンドラのデバイスの搬送機構100は供給側のデバイス搬送部である供給ハンド20と、収容側のデバイス搬送部である収容ハンド30を備えて構成される。ローダにセットされた供給トレーから被測定デバイスを供給キャリア300Aまで供給ハンド20によって搬送し、収容キャリア300Bから被測定デバイスを収容ハンド30によって収容トレーに搬送する。なお、キャリアはオートハンドラ内を循環するので、供給キャリア300Aと収容キャリア300Bは存在位置の違いを除けば同じものである。図5(A)に示すように、供給部及び収容部の各デバイス搬送機構100は、図面縦方向をY軸方向、横方向をX軸方向とすると、X軸駆動用及びY軸駆動用モータ2、タイミングベルト3、プーリ4、デバイスを吸着する吸着ユニット5、吸着ユニット5のXY方向の逸出移動(オーバーラン)を検出するリミットセンサ群6A〜6D、アーム7、軸8を備え、制御装置内のCPU(Central Processing Unit)の駆動制御処理によりX軸駆動のモータ2あるいはY軸駆動のモータ2を制御している。
【0004】そして各モータ2の駆動時はその各回転軸に連結された各カップリング9を介して接続される各プーリ4を回転させて、当該各プーリ4に巻掛される各タイミングベルト3を駆動する。各タイミングベルト3の他端側の各プーリ4を従動させ、この従動する各プーリ4の回転軸となる各軸8を、前記従動するプーリ4に連動して回転させる。すなわち、第1のモータが駆動すると、アーム7と共に吸着ユニット5がX軸方向に移動し、第2のモータが駆動すると吸着ユニット5をアーム7の長手方向すなわちY軸方向へ移動させる。吸着ユニット5のX方向の移動範囲はリミットセンサ6C,6Dにより制限され、Y方向の移動範囲はリミットセンサ6A,6Bにより制限される。吸着ユニット5が各移動範囲の各制限位置を超えると、各リミットセンサ6A〜6Dは位置検出信号を制御装置のCPUに出力して、CPUにおける各モータ2の駆動を停止させ、暴走を防ぐ。
【0005】制御装置内の記憶装置は、供給トレー上の各デバイス位置から供給キャリア300Aまでや、収容キャリア300Bから収容トレー上の各デバイス収容位置までの各目的移動量を予め設定したデバイス搬送位置マップを記憶している。デバイス搬送位置マップには、例えば、図5(B)に示すように、各キャリア300A,300Bのデバイスが載置される位置の原点座標や、その原点座標へ到達するまでの吸着ユニット5の目的移動量が設定されており、CPUはこのデバイス搬送位置マップに予め設定されている目的移動量に対応する移動量だけX軸駆動のモータ2、Y軸駆動駆動のモータ2を駆動させて、供給ハンド20と収容ハンド30の各駆動量を制御する。
【0006】上述のような従来のデバイス搬送機構100は、組立初期などに、予め設定されている目的移動量だけ各モータ2を駆動させた際に、実際のデバイス搬送位置にずれが生じることがある。このようなデバイスの搬送位置にずれが生じた場合は、従来は以下に説明するように操作者の位置あわせ作業により位置を補正していた。図6(A)は、従来のデバイス搬送機構100の位置補正に用いられる治具200を示す図であり、図6(B)は従来のデバイス搬送機構100の位置補正の際に表示される位置補正画面400を示す図である。
【0007】すなわち、従来のデバイス搬送機構100の位置補正は、供給キャリア300A、収容キャリア300B上に、図6(A)に示すような位置補正用の治具200をセットし、デバイス搬送機構100の吸着ユニット5を治具200に設けられた各位置補正用穴200Aの位置へ移動させるように、図6(B)に示すような位置補正画面400において「→」「←」「↑」「↓」等のカーソル移動キーを操作することにより、吸着ユニット5の吸着部を治具200の位置補正用穴200Aの中心部に入るようにX方向、Y方向の位置を調整し、基準点からこの調整後の位置までの移動量を補正後の目的移動量として装置設定のパラメータに追加記憶し、以降は、この追加記憶された目的移動量に基づいて、デバイス搬送機構100を駆動制御する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば、経年変化によりタイミングベルト3が伸びた場合は、従来のいわゆる原点位置補正をしても遠隔の位置には誤差が累積して正しい位置にデバイスを搬送できない【0009】本発明は、オートハンドラのデバイス搬送における搬送位置ずれを自動的に補正することによって、位置補正作業の負担を軽減し、位置ずれによるデバイス搬送ミスを防止できるオートハンドラ、その制御方法、及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目的を達成するために、次のような特徴を備えている。なお、次に示す手段の説明中、括弧書きにより実施の形態に対応する構成を1例として例示する。実施の形態と同一の単語を使用している場合には、符号のみ記す。
【0011】請求項1記載の発明は、タイミングベルト駆動により所定の搬送位置へデバイスを搬送する搬送手段(例えば、図1に示すデバイス搬送機構40)を備えるオートハンドラであって、前記タイミングベルトの伸縮に応じた補正係数を算出する算出手段(例えば、図1に示すCPU11)と、前記算出手段によって算出された補正係数に基づいて、前記搬送手段によるデバイスの搬送位置ずれを補正する補正手段(例えば、図1に示すCPU11)と、を備えることを特徴としている。
【0012】この請求項1記載の発明によれば、タイミングベルト駆動により所定の搬送位置へデバイスを搬送する搬送手段を備えるオートハンドラであって、算出手段によって前記タイミングベルトの伸縮に応じた補正係数を算出し、補正手段によって、算出された補正係数に基づいて、前記搬送手段のデバイスの搬送位置ずれを補正する。
【0013】請求項5記載の発明は、タイミングベルト駆動により所定の搬送位置へデバイスを搬送する搬送手段(例えば、図1に示すデバイス搬送機構40)を備えるオートハンドラの制御方法であって、前記タイミングベルトの伸縮に応じた補正係数を算出する算出工程(例えば、図1に示すCPU11)と、算出された補正係数に基づいて、前記搬送手段によるデバイスの搬送位置ずれを補正する補正工程(例えば、図1に示すCPU11)と、を含むことを特徴としている。
【0014】この請求項5記載の発明によれば、タイミングベルト駆動により所定の搬送位置へデバイスを搬送する搬送手段を備えるオートハンドラの制御方法であって、前記タイミングベルトの伸縮に応じた補正係数を算出する算出工程と、算出された補正係数に基づいて、前記搬送手段のデバイスの搬送位置ずれを補正する補正工程と、を含む。
【0015】請求項6記載の発明は、タイミングベルト駆動により所定の搬送位置へデバイスを搬送する搬送手段を備えるオートハンドラを制御するためのプログラムを格納した記憶媒体であって、前記タイミングベルトの伸縮に応じた補正係数を算出するためのプログラムコードと、算出された補正係数に基づいて、前記搬送手段によるデバイスの搬送位置ずれを補正するためのプログラムコードと、を含むプログラムを格納したことを特徴としている。
【0016】この請求項6記載の発明によれば、タイミングベルト駆動により所定の搬送位置へデバイスを搬送する搬送手段を備えるオートハンドラを制御するためのプログラムを格納した記憶媒体であって、前記タイミングベルトの伸縮に応じた補正係数を算出するためのプログラムコードと、算出された補正係数に基づいて、前記搬送手段の搬送位置ずれを補正するためのプログラムコードと、を含むプログラムを格納している。
【0017】したがって、デバイスの搬送位置ずれを補正する際に要する操作者の作業負担を軽減でき、また位置ずれの補正を容易とする。
【0018】また、請求項2記載の発明のように、請求項1記載の発明のオートハンドラにおいて、前記算出手段は、所定のタイミングで自動的に補正係数を算出することが有効である。
【0019】請求項2記載の発明のオートハンドラによれば、前記算出手段によって、所定のタイミングの到来によって、自動的に補正係数を算出し、前記補正手段は、この算出された補正係数に基づいてデバイスの搬送位置ずれを補正するので、デバイス搬送位置ずれによるデバイス搬送ミスを防ぐことができ、更に操作者は、デバイス搬送位置ずれを補正するタイミングを特別に意識する必要がない。
【0020】更に請求項3記載の発明のように、請求項1記載の発明のオートハンドラにおいて、前記搬送手段の逸出移動距離の初期値(B0)を記憶する初期値記憶手段(例えば、図1に示すRAM16)と、補正する時点での搬送手段の逸出移動距離(B1)を測定する測定手段(例えば、図1に示すエンコーダ2A、CPU11)と、を更に備え、前記算出手段は、前記測定手段により測定された逸出移動距離を前記初期値記憶手段に記憶された逸出移動距離の初期値で除算することにより前記タイミングベルトの伸縮率を算出して、当該ベルトの伸縮率を補正係数とすることが有効である。
【0021】この請求項3記載のオートハンドラによれば、初期値記憶手段によって搬送手段の逸出移動距離の初期値を記憶しておき、測定手段によって、補正する時点での搬送手段の逸出移動距離を測定し、算出手段によって、この測定された逸出移動距離を前記初期値記憶手段に記憶された逸出移動距離の初期値で除算することによりタイミングベルトの伸縮率を算出して、当該タイミングベルトの伸縮率を補正係数とする。
【0022】したがって、測定された逸出移動距離と、予め記憶されている逸出移動距離の初期値との除算によって補正係数を求めることができるので、操作者による搬送手段の位置調整等の操作を必要とせずに、補正係数を容易に算出してデバイス搬送位置ずれを補正できる。
【0023】更に請求項4記載の発明のように、請求項1記載の発明のオートハンドラにおいて、前記タイミングベルトの伸縮率を補正係数として記憶する補正係数記憶手段(例えば、図1に示すRAM16)を更に備え、前記補正手段は、前記算出手段によって算出された補正係数により前記補正係数記憶手段の記憶内容を更新し、当該補正係数記憶手段に更新記憶された補正係数を予め設定されている搬送手段の目的移動量(C0)に乗算して、当該目的移動量を補正することによりデバイスの搬送位置ずれを補正することが有効である。
【0024】請求項4記載のオートハンドラによれば、補正係数記憶手段によってタイミングベルトの伸縮率を補正係数として記憶しておき、補正手段によって、算出手段によって算出された補正係数により前記補正係数記憶手段の記憶内容を更新し、当該補正係数記憶手段に更新記憶された補正係数を予め設定されている搬送手段の目的移動量に乗算して、当該目的移動量を補正することによりデバイスの搬送位置ずれを補正する。
【0025】したがって、補正係数は位置補正する都度、新たに更新され、この補正係数によって補正後の目的移動量が算出されるので、操作者による補正係数の決定や入力作業、目的移動量の再設定等の操作を行う必要がなくなり、位置補正時の作業負担は軽減される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1〜図4は、本発明を適用したオートハンドラの一実施の形態を示す図である。
【0027】まず、構成を説明する。図1は、本実施の形態におけるオートハンドラのデバイス搬送機構40の制御系の要部構成を示すブロック図である。デバイス搬送機構40の構成は、図5(A)に示すデバイス搬送機構100の構成と同一であるので、その構成の説明及び動作の説明を省略し、図5(A)に示すデバイス搬送機構100と同一の各部は同一の符号を用いることとする。図1において、デバイス搬送機構40に設けられる制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、駆動制御部12、入力部13、表示部14、ROM(Read Only Memory)15、RAM(Random Access Memory)16、記憶装置17、及びI/F(InterFace)部18により構成されており、この制御装置10によってデバイス搬送機構40のモータ2、エンコーダ2A、リミットセンサ群6を制御する。
【0028】CPU11は、ROM15あるいは記憶装置17内に格納されているシステムプログラム及び当該システムに対応する各種アプリケーションプログラムの中から指定されたアプリケーションプログラムをRAM16内の図示しないプログラム格納領域に展開し、入力部13から入力される各種指示あるいはデータをRAM16内に一時的に格納し、この入力指示及び入力データに応じてROM15あるいは記憶装置17内に格納されたアプリケーションプログラムに従って各種処理を実行し、その処理結果をRAM16内に格納するとともに、表示部14に表示する。そして、RAM16に格納した処理結果を入力部13から入力指示される記憶装置17内の保存先に保存する。
【0029】また、CPU11は、ロットスタート毎や所定時間経過毎等の所定のタイミングの到来を監視しており、この所定のタイミングが到来するとROM15または記憶装置17に記憶されている自動補正処理プログラムにしたがって、後述する自動補正処理(図4参照)を実行し、デバイス搬送機構40を位置補正する。自動補正処理において、CPU11は、デバイス搬送機構40の基準点からオーバーランまでの距離であるオーバーラン距離B1を測定し、また、RAM16に記憶されているオーバーラン距離の初期値B0を読み出して、前記オーバーラン距離B1を前記オーバーラン距離の初期値B0で除算することにより、タイミングベルト3の伸縮率であるベルト伸縮率Dを算出する。そして、この算出したベルト伸縮率Dの値を新しい補正係数として、RAM16の補正係数メモリエリアに更新記憶し、所定の目的移動量C0に現在の補正係数を乗算することにより、補正後の目的移動量C1を算出する。
【0030】駆動制御部12は、CPU11から入力される各種指示信号に応じて、オートハンドラの搬送機構40における各モータ2を駆動制御する駆動制御信号を生成して、この各モータ2を駆動制御する。
【0031】入力部13は、カーソル移動キー、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボード及びマウス、及びタッチパネルを含み、押下されたキーの押下信号やマウスの位置信号をCPU11に出力する。
【0032】表示部14は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU11から入力される表示データを表示する。
【0033】ROM15には、オートハンドラの制御装置10に対応する基本プログラムや、デバイス搬送位置マップ、位置補正するタイミングなどのオートハンドラに対応する各種パラメータが予め記憶されている。デバイス搬送位置マップには、基準点からトレー上或いはキャリア上の各デバイスの搬送位置までの移動量である目的移動量C0が設定されている。位置補正するタイミングは、ロットスタート毎あるいは所定の時間経過毎等として予め設定されているか、または、操作者によりその設定が可能である。
【0034】RAM16は、CPU11が上記各種アプリケーションプログラムを実行する際に各種データを展開するプログラム格納領域を形成するとともに、CPU11が上記自動補正処理を実行する際に、デバイス搬送位置マップ、補正係数、オーバーラン距離の初期値B0等、位置補正に必要な各種パラメータ等を記憶するための各種メモリ領域を形成する。前記補正係数はCPU11によって実行される自動更新処理において、新たな補正係数(ベルト伸縮率D)が算出されると、この算出された補正係数を更新記憶する。
【0035】記憶装置17は、プログラムやデータ等が予め記憶されており、磁気的、光学的記録媒体、若しくは半導体メモリで構成されている。記憶装置17は、制御装置10に固定的に設けたもの、若しくは着脱自在に装着するものであり、この記憶装置17には上記システムプログラム、各種アプリケーションプログラム、及び各処理プログラムで処理されたデータ等を記憶する。
【0036】I/F18は、オートハンドラの各駆動部に設けられたリミットセンサ群6から入力されるオートハンドラの吸着ユニット5の制限位置検出信号をCPU11に伝達し、また、各モータ2に備えられたエンコーダ2Aから入力されるモータ回転量に対応したパルス数をCPU11に伝達する。
【0037】図2は、オートハンドラの吸着ユニット5の搬送機構50の一部構成を模式的に示す図である。吸着ユニット5の搬送機構50は、例えば供給ハンドや収容ハンドと呼ばれ、所定の位置にデバイスを供給あるいは収容するため、デバイスを搬送するユニットである。吸着ユニット5の搬送機構50はX軸方向、及びY軸方向の各方向にデバイスを搬送するように設けられており、モータ2、タイミングベルト3、プーリ4、吸着パッド5から構成される。
【0038】モータ2は、例えば、吸着ユニット5の搬送機構50を駆動するための駆動用モータ等であり、制御装置10の駆動制御部12によってモータ2の駆動が制御される。またモータ2は、モータ2の回転量からパルス数を生成するエンコーダ2Aを備え、生成したパルス数がI/F部18を介してCPU11に入力されて、吸着ユニット5の搬送機構50における吸着パッド5の移動量(距離)が計算される。
【0039】タイミングベルト3は、モータ2の回転に連動するプーリ4Aと従動するプーリ4Bとに巻掛され、モータ2の回転運動を直線運動に変換し、すべりのない確実な伝動を確保する。タイミングベルト3には、アーム(図示略)あるいは、吸着ユニット5が直結されており、タイミングベルト3の伝動により吸着ユニット5の位置が移動する。図2に示す例では、タイミングベルト3に吸着ユニット5が直結した例を示している。
【0040】吸着ユニット5は、上述したようにタイミングベルト3に直結されるか、或いはタイミングベルト3で移動するアームに配置されており、デバイスを吸引する吸着パッド5Aを先端に備えている。デバイスが載置された位置上に吸着ユニット5を移動させて、前記吸着パッド5Aの中心部から空気を吸引することによりデバイスを吸着し、吸引を停止すると、デバイスを離脱できる。
【0041】リミットセンサ群6は、オートハンドラのデバイス搬送機構40の所定位置に固定的に設けられた各種センサであり、例えば、供給トレーからデバイスを吸着して供給キャリア上に搬送する供給ハンドの各移動制限範囲を検出する制限位置検出センサ、収容キャリア上のデバイスを吸着して収容トレーに搬送する収容ハンドの各移動制限範囲を検出する制限位置検出センサ、吸着ユニット5の基準位置となる基準点の位置を検出する基準点センサ等である。制限位置検出センサとしては、図5の手前リミットセンサ6A、奥リミットセンサ6B、左リミットセンサ6C、右リミットセンサ6D等がある。吸着ユニット5が上記各センサに到達したことを検出すると、位置検出信号をI/F部18を介してCPU11に出力する。
【0042】次に、吸着ユニット5の搬送機構50の動作、及び位置補正時の動作を説明する。図3は、吸着ユニット5の搬送機構50の位置補正動作を模式的に示す図であり、図4は、自動補正処理の流れを示すフローチャートである。まず、図3を参照して、吸着ユニット5の搬送機構50の動作及び本発明に係る位置補正の概念を説明する。
【0043】まず、通常のデバイス搬送動作時において、制御装置10のCPU11は、ROM15或いは記憶装置17に記憶されているデバイス搬送位置マップを読み出し、基準点から所定のデバイス搬送位置までの距離である目的移動量C0を読み出すとともに、RAM16に記憶されている補正係数を読み出して、目的移動量C0に補正係数を乗算して、補正後の目的移動量C1を算出する。その後、CPU11は、駆動制御部12に対して目的移動量C1だけ吸着ユニット5の搬送機構50を駆動するため目的移動量データ、及び駆動制御信号を出力し、駆動制御部12は受け取った目的移動量データに対応する回転数だけモータ2を回転させる。プーリ4A,4B間に張られたタイミングベルト3は、モータ2の回転に応じて目的移動量C1だけ移動され、タイミングベルト3に結合した吸着ユニット5の位置も目的移動量C1だけ移動する。
【0044】ロットスタート毎や所定時間経過毎等の所定タイミング到来時に行われる吸着ユニット5の搬送機構50の位置補正動作では、まず、CPU11は駆動制御部12に対して位置補正動作するための制御信号を出力し、駆動制御部12はモータ2を駆動して吸着ユニット5を基準点からオーバーランの位置まで移動させる。オーバーランの各位置には、手前、奥、左、右の各リミットセンサ6A,6B,6C,6Dが備えられており、吸着ユニット5が到達するとその位置で位置検出信号をCPU11に対して出力する。オーバーラン位置まで移動させた際、モータ2に備えられたエンコーダ2Aはモータ2の回転量をパルス数に変換して、そのパルス数を制御装置10のCPU11へI/F部18を介して出力する。制御装置10のCPU11は、入力されたパルス数からオーバーラン距離B1を求め、当該オーバーラン距離B1をRAM16に記憶されているオーバーラン距離の初期値B0で除算して、ベルト伸縮率Dを算出する。
【0045】図3において、A0は、プーリから基準点までの距離(初期値)
0は、基準点からオーバーランまでの距離(オーバーラン距離の初期値)
0は、基準点から任意のデバイス搬送位置までの距離(目的移動量の初期値)
1は、プーリから基準点までの距離(ベルト伸縮後)
1は、基準点からオーバーランまでの距離(ベルト伸縮後のオーバーラン距離)
1は、基準点から任意のデバイス搬送位置までの距離(補正後の目的移動量)
0は、基準点の座標X1は、任意のデバイス搬送位置の座標を示している。
【0046】ベルト伸縮率Dは以下の式(1)で求められる。
D=B1/B0・・・(1)
このベルト伸縮率Dはタイミングベルト3が伸びた場合は、1より小さい値をとり、タイミングベルト3が縮んだ場合は、1より大きい値をとる。
【0047】また、基準点の座標X0は、X0=A0×D・・・(2)
で求められ、任意のデバイス搬送位置の座標X1は、X1=X0+C0×D・・・(3)
として求めることができる。
【0048】更に、基準点の座標X0が十分に小さければ、X0≒0・・・(4)
と考えることができるので、式(3)は、X1=C0×D・・・(5)
となる。
【0049】すなわち、任意のデバイス搬送位置の座標X1は、要求する移動量(目的移動量の初期値B0)にベルト伸縮率Dを補正係数として乗じた値となる。
【0050】次に、図4のフローチャートを参照して、CPU11によって実行されるデバイス搬送機構40の位置補正動作の流れを説明する。まず、オートハンドラの制御装置10は、その起動時にROM15または記憶装置17から自動補正処理プログラムを読み出して、RAM16に自動補正処理に関する各種メモリ領域を形成する。RAM16には、位置補正を行うタイミングの設定、補正処理に必要な各種データとして、オーバーラン距離の初期値B0、及び補正係数(ベルト伸縮率D)が記憶されている。
【0051】CPU11は、設定されている位置補正を行うタイミングの到来、或いは、制御装置10の入力部13から入力される位置補正を行う指示が入力されると(ステップS1;Yes)、まずモータ2を駆動して、吸着ユニット5を基準点からオーバーラン位置まで移動させ、エンコーダ2Aによって生成されるこの移動量におけるモータ2の回転数に対応するパルス数を受け取る。CPU11は、パルス数からオーバーラン距離B1を求める(ステップS2)。そして、求めたオーバーラン距離B1を、RAM16に記憶されているオーバーラン距離の初期値B0で除算し(ステップS3)、除算によって求められた値をベルト伸縮率Dとする。そして、ベルト伸縮率Dを現在の補正係数として、RAM16に記憶されている補正係数に代えて更新記憶する(ステップS4)。
【0052】その後、CPU11は、デバイス搬送位置マップに設定されている各デバイス搬送位置までの目的移動量C0だけ吸着ユニット5を移動する際は、この予め設定されている目的移動量C0に常に現在の補正係数を乗算し、補正後の目的移動量C1を算出して、この目的移動量C1だけ吸着ユニット5を移動させるようにモータ2を駆動する(ステップS5)。
【0053】ステップS1の判断において、位置補正を行うタイミングが到来しない場合には(ステップS1;No)、位置補正動作を行わず、現在RAM16に記憶されている補正係数を目的移動量C0に乗じて、補正後の目的移動量C1を求め、当該目的移動量C1だけモータ2を駆動して吸着ユニット5を移動させる。
【0054】以上説明したように、本発明に係るオートハンドラによれば、制御装置10のCPU11によって、所定のタイミングが到来すると、自動補正処理を実行することにより、デバイス搬送機構40の位置を補正する。すなわち、自動補正処理では、CPU11は基準点からオーバーランまでの距離であるオーバーラン距離B1をモータ2に備えられたエンコーダ2Aから入力されたパルス数に基づいて測定し、このオーバーラン距離B1をRAM16に記憶されているオーバーラン距離の初期値B0で除算して、ベルト伸縮率Dを求める。そして、ベルト伸縮率Dを補正係数として、RAM16に更新記憶し、目的移動量C0だけ吸着ユニット5の位置を移動させる際は、この目的移動量C0に補正係数(ベルト伸縮率D)を乗じて、補正後の目的移動量C1を算出し、この目的移動量C1だけモータ2を駆動する。
【0055】したがって、自動的に位置補正が行われるので、位置補正に要する作業負担を低減させることができ、また位置ずれの補正が容易となる。また、ロットスタート毎や所定時間経過毎などの所定タイミングでデバイス搬送機構40の位置ずれを自動補正するので、位置ずれによるデバイスの搬送ミスを防ぐことができ、更に操作者は、位置ずれを補正するタイミングを特別に意識する必要もなくなる。
【0056】なお、本実施の形態の自動補正処理において、位置補正しない際も、位置補正した場合と同様に、デバイス搬送機構40の駆動時に、補正係数(ベルト伸縮率D)を目的移動量C0に乗算して、補正係数を反映した目的移動量C1を算出するデバイスの搬送動作の例を説明したが、この例に限ることなく、位置補正した際に、各目的移動量C0に補正係数を乗算した目的移動量1を算出して、新たな目的移動量C1を設定したデバイス搬送位置マップをRAM16等に更新記憶し、次に位置補正するまでのデバイス搬送動作時は、このデバイス搬送位置マップに設定された目的移動量C1だけ、デバイス搬送機構40を駆動するようにしてもよい。
【0057】
【発明の効果】請求項1、5、及び6記載の発明によれば、デバイスの搬送位置ずれを補正する際に要する操作者の作業負担を軽減でき、また位置ずれの補正を容易とする。
【0058】請求項2記載の発明によれば、デバイス搬送機構の位置ずれによるデバイス搬送ミスを防ぐことができ、更に操作者は、デバイス搬送機構の位置ずれを補正するタイミングを特別に意識する必要がない。
【0059】請求項3記載の発明によれば、測定された逸出移動(オーバーラン)距離と、予め記憶されている逸出移動(オーバーラン)距離の初期値との除算によって補正係数を求めることができるので、操作者による搬送手段の位置調整等の操作を必要とせずに、補正係数を容易に算出してデバイス搬送位置ずれを補正できる。
【0060】請求項4記載の発明によれば、補正係数は位置補正する都度、新たに更新され、この補正係数によって補正後の目的移動量が算出されるので、操作者による補正係数の決定や入力作業、目的移動量の再設定等の操作を行う必要がなくなり、デバイス搬送位置ずれの補正時の作業負担は軽減される。
【出願人】 【識別番号】000117744
【氏名又は名称】安藤電気株式会社
【出願日】 平成11年6月28日(1999.6.28)
【代理人】 【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司 (外1名)
【公開番号】 特開2001−13212(P2001−13212A)
【公開日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願番号】 特願平11−181981