| 【発明の名称】 |
球体接続器 |
| 【発明者】 |
【氏名】西本 育夫
【氏名】加納 史朗
【氏名】宮川 重雄
|
| 【要約】 |
【課題】従来のプリント板設計のように設計後の変更の難しさを解決し、他品種少量生産にも向いた回路設計を可能とする。
【解決手段】球体接続器20を基本とした球体回路を組み合わせて回路設計するもので、この球体接続器20は、コイル21によって電源を外部から受けると同時に、外部に設置されたリーダライタ50により接続位置を表す位置番号を書き込み、記憶することにより他の球体回路との接続状態を自由にプログラム出来る。また、この球体接続器20は能動的に接続状態を検査、変更できるので、正確な接続と変更の自由度を持たせることが出来る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 球面上にパッド部と電子回路とコイルを有し、前記パッド部はx個(x=1,2,3、、、)のパッド面を有し、前記パッド面は複数のパッドを有し、前記電子回路は、誘導磁界中にて前記コイルに誘導される交番電力を整流し内部電源を供給する電源部と、前記誘導磁界中より情報を解読する情報解読部と、スイッチ部と、不揮発性メモリ部と、送信部とを有し、前記スイッチ部は、前記情報解読部により解読された前記情報に基づき前記パッド間を接続し、前記不揮発性メモリは、前記パッド間接続作業を含む所定の処置の結果情報を保存し、前記送信部は、前記処置の結果情報を送信することを特徴とする球体接続器。 【請求項2】 請求項1において、前記電子回路は、位置番号格納部を有することを特徴とする球体接続器。 【請求項3】 請求項1〜2において、前記電子回路は、前記パッド面のパッドの電気的な状態を検査判別する検査判別回路を有することを特徴とする球体接続器。 【請求項4】 請求項1〜3において、前記電子回路は、位置番号を決定する位置番号決定手段を有することを特徴とする球体接続器。 【請求項5】 請求項1〜4において、前記電子回路は、前記コイルの両端に接続された短絡部を有することを特徴とする球体接続器。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、球状の半導体に電子回路や各種センサが形成された球体接続器に関するものであり、より詳しくは複数の球状半導体を電気的に接続する技術に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図17は従来のプリント基板の作成方法を示すものである。図17において、符号1はプリント基板、2はCPUや制御ロジック、メモリを搭載しているICチップ、3は受動素子、4は外部との信号入出力であるコネクタ、5はプリント基板の表面の配線パターン、6は裏面の配線パターンである。 【0003】従来のプリント基板の作成技術では、まず事前に回路図を作成して、使用するICチップ2や受動素子3、コネクタ4などを選定し、それらをプリント基板1上にどのように配置するかを決定する。プリント基板1上では高集積にしてプリント基板1を小さくすることが製品の小型化につながるため、できるだけ部品の空きエリアをなくし、かつ配線長を短くするように配置する。一方で近年ICチップ2の多機能化が進むにつれ、ICチップ2のピン数が多くなり、数百ピンをもつものも少なくない。その場合、それらピンを接続する配線パターンも多くなり、複数層の基板をもちいて配線パターンを作成して対応されている。図17の例ではプリント基板1の表面の配線パターン5と裏面の配線パターン6により、ICチップ2どうしや受動素子3との接続をおこなっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、使用する部品が違う場合や、同じICチップを使用する製品でも使用するピンや周辺の受動素子が違う場合には新規にプリント基板の配線パターンを設計する必要があり、プリント基板の種類が非常に多くなり、処理が煩雑になってしまうという問題があった。また耐ノイズ性やフィルタなどの定数をもつ回路に関しては、配線パターンの設計には熟練の経験と知識が必要であるので、専門におこなう人材が必要になり、かつそのような者が設計したプリント基板であっても、配線パターンを設計してプリント基板上に部品を配置した後に、実際に動作をさせながら受動素子の値を調整する必要があり、事前に選定した部品を採用することができない場合が多く、部品の変更が余儀なくされ配線パターンの再設計が必要となり、開発期間の遅延が発生してしまうという問題点があった。多品種少量の生産に置いてはこの問題は更に深刻であった。 【0005】この発明が解決しようとする課題は上述のように、従来では製品毎にプリント基板の配線パターンを設計する必要があり、プリント基板の種類が非常に多くなり、処理が煩雑になってしまうという問題があり、かつ部品の変更が生じた場合にも配線パターンを再設計しなくてはならず、開発期間の遅延が発生してしまうという問題点を解決することにある。この発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、情報により変調した誘導磁界により所望の配線パターンを自由にプログラムできる球体接続器を提供することを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】この発明の球体接続器は、球体接続器が球面上にパッド部と電子回路とコイルを有し、パッド部はx個(x=1,2,3、、、)のパッド面を有し、パッド面は複数のパッドを有し、電子回路は、誘導磁界中にて上記コイルに誘導される交番電力を整流し内部電源を供給する電源部と、誘導磁界中より情報を解読する情報解読部と、スイッチ部と、不揮発性メモリ部と、送信部とを有し、スイッチ部は情報解読部により解読された情報に基づきパッド間を接続し、不揮発性メモリはパッド間接続作業を含む所定の処置の結果情報を保存し、送信部は処置の結果情報を送信するようにしたものである。これにより球体接続器を所定の情報により変調した誘導磁界を通過させた後、所定の配列で球体接続器を接続すれば、所望の配線状態を有するプリント基板と同機能のものが得られる。 【0007】また、その中で、電子回路は位置番号格納部を有するようにしたものである。これにより球体接続器を位置番号の情報により変調した誘導磁界を通過させた後、所定の配列で球体接続器を接続することで球体接続器群とした後、位置番号と位置番号に応じた配線情報により変調された誘導磁界を通過させることにより、所望の配線状態を有するプリント基板と同機能のものが得られるとともに、かつ必要に応じてその配線パターンを自由に外部から再プログラムすることが可能となる。 【0008】また、電子回路はパッド面のパッドの電気的な状態を検査判別する検査判別回路を有するようにしたものである。これにより球体接続器を位置番号の情報により変調した誘導磁界を通過させた後、所定の配列で球体接続器を接続することで球体接続器群とした後、情報により変調した誘導磁界を通過させることで所望の配線状態を有するプリント基板と同機能のものが得られるとともに、検査判別回路により球体接続器間のパッドの位置ずれ整合情報が得られるので所定の配列で球体接続器を接続する作業時にパッド間の精密な整合無しに接続できそれだけ接続作業が簡単高速化できる。 【0009】また、電子回路は位置番号を決定する位置番号決定手段を有するようにしたものである。これにより所定の配列で球体接続器を接続することで球体接続器群とした後、情報により変調した誘導磁界を通過させることで、位置番号決定手段により各球体接続器の位置番号が自動的に決まるので、所望の配線状態を有するプリント基板と同機能のものが得られる。また、電子回路はコイルの両端に接続された短絡部を有するようにしたものである。これによりプリント基板と同機能のものが構成可能となる球体接続器であり、かつプログラム後の状態をノイズに対して誤動作し難い状態を維持する。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、図によってこの発明の実施の一形態を説明する。 実施の形態1.図1は球体接続器の外観図、図2は複数の球体接続器と球状半導体を接続した外観図、図3は各球状の半導体のパッド部分を示した図である。図1において球体接続器20は、球体接続器20や球状半導体10と接続する機能を搭載したものであり、球面表面に螺旋状に設けられたコイル21、および複数のパッド面を持つパッド部23、および電子回路(図示せず)で構成されている。一方図2において、球状半導体10は所定の回路を搭載したものであり、アナログ回路、デジタル回路、メモリ、CPUなど、どのような機能でも良い。 【0011】球体接続器20は基板60の上に平面状に配列され、各々のパッド面はハンダにより接続されている。球状半導体10は球体接続器20上にパッド面を介して基板60と同様にハンダ接続されている。なお、複数の球体接続器を接続することにより、基板60などに接続する場合に接続可能なパッドを多数設けることができる。なお図3に示すように球体接続器20ならびに球状半導体10のパッド部分は球面であることを考慮して所定の突起を形成しておく。球状半導体10ならびに球体接続器20は電源、接地用のパッドVCC、GNDと、データ入出力として使用されるパッドPIN1からPIN8を有している。 【0012】なお各球状半導体において、VCC、GNDのピン配置は固定でも良いし、各々個別のピン配置にしても良く、またデータ入出力ピンの配置に関してもVCC、GNDを基準として同じ位置に配置しても良いし、別々にしても良い。また、データ入出力用のピンやVCC、GNDのピン数は用途により可変としても良い。なお、球体接続器20のパッド面の位置、数は球体の接続形態等に応じて自由に配置でき、ピン配置も球状半導体10と同様に自由に設定できる。 【0013】次に球体接続器どうしの接続例を示す。ICなどの半導体の製造工程においてはなるべく人の手を介さずにおこなうことが歩留まりの向上につながることから、一連の工程作業を密閉された空間でおこなうのが適当である。ここで球体接続器20が球面であるという特異性を利用し、チューブ内で球体接続器を搬送しながら回路の焼き付け等を行い単体の球体接続器20を生成し、その終盤の工程で球体接続器20を他の球体と接続する方法がある。図4は球体接続器の各ブロックをより詳細に示したものであり、図5には誘導磁界中で球体接続器と通信をおこなうリーダライタのブロック図、図6と図7には接続方法の例を示している。 【0014】図4において、球体接続器20は大きく分けてコイル21,電子回路22,パッド部23のブロックがあり、パッド部23はx個のパッド面を有し、パッド面は複数のパッド24を有している。電子回路22は前記パッド部23において他の球状半導体や球体接続器と電気的に整合のとれた接続を行うことに関する検査判別回路25、スイッチ部26、不揮発メモリ27、位置番号格納部28と、非接触で外部と通信することに関する情報解読部29、送信部30と、コイル21によって受けた交番電力を整流して内部電源を供給する電源部31を搭載している。 【0015】図6において、図4の構成が既に形成され、かつパッドには接続用のハンダの突起が付着されている球体接続器20が搬送されており、チューブ41上方から落下する。落下する過程でハンダまで付着した球体接続器20は、自動的に所定方向に向きをそろえる。なお、チューブ41内の温度はハンダの融点以上の高温とする。ここで球体接続器20は落下の途中で、球体接続器20と誘導磁界中で交信をおこなうリーダライタ50の通信コイル51がチューブ41周辺に配置されている工程を通過する。 【0016】リーダライタ50は図5に示すようにCPU52、発振部53、変調部54、復調部55、送信部56、受信部57を装備する。リーダライタ50は変調部54にてCPU52からのデータにあわせて発振部53の信号に変調をかける。発振部53からの信号は長中波や短波、マイクロ波などが考えられるが、長中波や短波を使用することにより変復調部の構成が簡単となる。 【0017】一方CPU52からは各球体接続器20に送信する固有の番号を符号化したものが出力され、球体接続器20が通過する毎にその番号を更新し、変更する。変調部54にて変調する方式に関してはASK(Amplitude ShiftKeying)やFSK(Frequency Shift Keying)など、いずれでも良い。変調された信号は送信部56に伝達され、通信エリアに誘導磁界として放出される。送信部56としてはLCR直列共振回路などが考えられる。 【0018】球体接続器20は変調された誘導磁界中のリーダライタ50からの高周波信号をコイル21にて受信すると、電源部31にて直流に変換して動作電源を作成し各ブロックに供給すると共に、情報解読部29にて高周波信号を復調して位置番号格納部28に伝達し、リーダライタ50が送信した固有の番号を認識する。例えば図6において最初に落下した球体接続器20には000hという16進数の固有の番号が与えられたとする。この固有の番号は後の接続作業において位置番号となるので、位置番号格納部28にて保存する。 【0019】ただし、以降誘導磁界外に出ても残るように不揮発性メモリに格納するか、ヒューズタイプのメモリなどでハード的に保存する。なおリーダライタ50は球体接続器20が落下し、リーダライタ50の通信コイル51内に入ってくることを検知するために光学的な検知装置を工程前に設置してもよいし、球体接続器20にポーリング信号を常時送信し、球体接続器20からの返信信号が返ってくるかどうかを検知するようにしてもよい。リーダライタ50のCPU52は固有の番号を送信した後に、次に通過する球体接続器20に与える固有の番号として001hをセットする。 【0020】図6の接続の工程においては前述のリーダライタ50との固有番号に関する通信の後にチューブ41に一部径を狭くする部分42を設け、チューブ壁との空隙が狭くなることで流体抵抗の増加により球体接続器の落下する速度を緩めるようにする。一方、000hの固有の番号を与えられた球体接続器000hに続いて、同様の機能を搭載した球体接続器20が落下され、リーダライタ50との交信の工程で固有の番号001hを与えられる。球体接続器001hは球体接続器000hと同様に方向が固定されて落下する。やや狭くなっているチューブ41内を落下している球体接続器000hの速度に比べて球体接続器001hの速度が速いことから、やがて2つの球体接続器は接近し、接触する。 【0021】ここで前述したように、チューブ41内はハンダが溶ける程度の高温になっていることから、双方のパッド部のハンダは溶けている。この状態でパッド上のハンダどうしが接触すると、表面張力によりパッドどうしが正対するような相互位置補正力が生じ、相対する2つのパッドどうしが接着され、かつ一直線上に配列する。この作業を以降落下してくる球体接続器20にもおこない、その後チューブ41内の気体の温度を下げてハンダを冷やし凝着させる。これにより図7に示すような一連の球体接続器群40を作り出す。 【0022】更に図7に示すように一連の球体接続器群40をチューブ41内で搬送し、前述と同じように球体接続器群40どうしを接続させる。この方法の場合にはお互いに接続するピン間の相対位置を指定していないので、ピンどうしの接続の結果は工程ごとにばらばらであり、ピンどうしの整合はとれていないが、上記の方法によれば従来のような精密な位置合わせは必要と無くなり、接続にかける時間を短縮することが可能となる。なお、本発明では精密な位置あわせを必要としない方法で、とにかく相対するパッドどうしが接続できる方法であればどのような方法を用いてもよく、これによらない。 【0023】図8は一連に接続された球体接続器群80の外観図を示すものであり、各球体接続器20には既に固有の番号が与えられている。なお、球体接続器の接続数には制限は無く、また固有の番号の種類、符番方法に関してはこれによらず、自由に設定できる。図9には球体接続器上に球状半導体を接続した外観図を示しており、球体接続器群80により形成された面上に球状半導体群90や他の球体接続器群81、また更に球状半導体群91が配置、接続されている。なおこれら球状半導体と球体接続器はパッド面のパッドどうしがハンダにより接続されているが、電気的な整合はとられていない。 【0024】次に各球体接続器、および球状半導体の接続、配線方法について述べる。図10は配線工程を示す図、図11は配線に関わる球体接続器の作業順序を示す図である。図10において、図9のように球体接続器ならびに球状半導体が複数接続されたもの12がライン上、またはチューブ内に搬送される。搬送の速度はリーダライタ50との配線情報の交信ができる程度である。搬送ラインはリーダライタ50との交信後に分岐され、製品の種類により分別される。以下図11の手順に従い配線手順を述べる。 【0025】まずリーダライタ50の通信コイル51上に球体接続器ならびに球状半導体が接続されたもの12が搬送されると、リーダライタ50からの誘導磁界により各球体接続器20のコイル21に交番磁界が誘起され、各球体接続器20は電源部31により整流して動作電源を作成し、動作状態となる(S101)。その後球体接続器は他の球体接続器のVCCとGNDを検査判別回路25およびスイッチ部26等を用いて検索する。各球体接続器は前工程において固有の番号が確定しており、それを位置番号判定部に格納していることから、動作電源が供給された時点でその固有の位置番号を読み出す。まず位置番号が000hである球体接続器000hが隣接されている球体接続器001h、および100hのVCC、GNDの検索をおこなう。なお他の球体接続器は000hではないことを認識し、VDD/GND探索コマンドがくるまで検索をせず、待機状態となる(S102)。 【0026】球体接続器000hは検査判別回路25に図12に示すようなサーチ回路32を所有し、隣接する球体接続器のVDDとGNDを検索する(S103)。なお、サーチ回路32は検査判別回路25の一機能を満たすものである。検索の方法として、球体接続器001hのピンに電圧を印加し、そのインピーダンス変化を検出することなどが考えられる。サーチ回路32の電圧調節器33にはインピーダンス変化検知機能が内蔵され、電圧を印加することにより発生するインピーダンスの変化を検知するとともに、検索時に球体接続器001hの各ピンへ印加する電圧を制御する。 【0027】例えば、球体接続器001hに印加する電圧を0.5v以下にして球体接続器000hから球体接続器001hのサブストレートに大電流が流れることを防ぎつつ微量のインピーダンスの変化を捕捉する方法や、逆に1v以上の電圧を印加してAC的な大きなインピーダンス変化を瞬時に捕捉する方法などが考えられるが、それぞれ適した方法を用いればよい。サーチ回路32ではスイッチ34にてVCC、GNDピンと球体接続器001hの各ピンを順に接続していくが、スイッチングの順番は自由である。 【0028】球体接続器000hは球体接続器001hのVCCとGNDを検索した後、球体接続器100hに対しても同様の検索をおこなう。全ての隣接した球体接続器のVCC、GNDが検索された後(S104)、隣接する各球体接続器に対してVCC/GND検索コマンドを送信する(S105)。コマンドは既に接続されたVCCの電源ラインを使用したり、データ用の入出力ピンを使用して伝達しても良いし、リーダライタ50にVCC/GNDが検索できた旨を送信部30より送信し、リーダライタ50は次に検索させる球体接続器を選定し、位置番号を指定してVCC/GNDコマンドを送信し、それを各球体接続器は情報解読部29で復調して、位置番号格納部28の位置番号と比較して同じ場合に検索作業を開始するようにしても良い。その場合にはリーダライタ50により自由に球体接続器を指定できるので、全ての球体接続器が検索を終了するまでの最短の方法を計算させると有効である。これらの方法により全ての球体接続器のVCC、GNDの整合をとることができる。 【0029】リーダライタ50は全ての球体接続器がVCC、GNDの整合がとれた時点で、各球体接続器20に対して配線の情報を送信する。整合がとれたかは、例えば球体接続器205hに対してその旨を確認するためのコマンドを送信することなども考えられるが、整合をとるために必要な時間を見計らって配線の情報を送信しても良い。その送信フレームパターンを図13に示す。リーダライタ50は送信のはじめを知らせるスタート信号STXを送信し、これにより各球体接続器20はフレームの開始を知る。次にリーダライタ50は固有の位置番号を送信する。 【0030】固有の位置番号は各球体接続器20の情報解読部29で復調、解読され位置番号格納部28に伝送される。位置番号格納部28ではその復調結果と格納している各自の位置番号を比較し、一致した場合には以降のデータを復調し解析するが、不一致の場合には以降のデータは無視する。位置番号が一致した球体接続器のみが以降の配線情報を復調、解析し、その結果をスイッチ部26に伝達する(S106)。 【0031】スイッチ部26には図14のようなセレクタ回路35が内蔵され、配線情報に基づき各パッドの接続をおこなう。セレクタ回路35はイネーブル信号により入出力バッファ36を入力もしくは出力に切り替え、かつ配線情報に基づいたピンの選択をおこなう。図14では球体接続器002hのセレクタ回路の例を示しているが、球体接続器002hは球体接続器001h、003h、102h、および球状半導体に接続されており、配線情報の接続の論理により、各バッファの入出力の選択、およびピン同士の配線をおこなう(S107)。 【0032】なお、球体接続器001hは球体接続器002hの前にピンのセレクトが完了しているとすると、球体接続器002hが配線情報により配線した時点で球体接続器001hとは整合のとれた接続が完了したことになる。なお、図13のCRC(Cyclic Redanduncy Check)は無線による交信フレームをチェックするものであり、ノイズ等により交信フレームに異常が生じ、CRCの計算結果に異常が見られた場合には球体接続器002hはその旨をリーダライタ50に返信して再度配線情報を送信してもらう、などが考えられる。なお、CRCは無線通信の信頼性をあげるものであり他の誤り符合でも良く、また交信時間を短くするために省いても良い。 【0033】電気的な接続が完了した球体接続器002hはリーダライタ50に対して図13のような接続の結果を送信部30を介して返信する(S108)。返信フレームはSTX、配線結果、CRCで構成される。配線結果は配線した情報をそのまま送信しても良いし、配線が終了したか否かのみを送信しても良い。返信フレームを送信した球体接続器002hは接続情報を不揮発性メモリ27に書きこむ(S109)。これにより以降球体接続器002hが誘導磁界から外れてもその配線情報が維持される。 【0034】なお、配線情報を書きこむメモリ27は再度修正を行わない用途にはヒューズタイプのようなハード的に情報が維持されるものが有効である。返信フレームを受信したリーダライタ50は次に球体接続器003hへの配線情報送信をおこなう。なおリーダライタ50からの送信、および球体接続器20からの送信の変調方式、送信方式に関しては自由である。 【0035】リーダライタ50は以上の交信を全ての球体接続器20に対しておこない、それが完了した時点で全ての球体接続器20ならびに球状半導体10が配線されたことになる。以上の工程により複数の球体接続器20と球状半導体10は配線が完了し、従来のプリント基板と同様になり、これらは図10に示すように以降の工程で振り分け器13等で製品毎に搬送ラインを振り分けられる。 【0036】なお前述の不揮発性メモリ27の書きこみはリーダライタ50が全ての球体接続器20からの返信信号を解析し、それが正しいと判断した時点で書きこみのコマンドを送信することでおこなっても良い。また不揮発性メモリ27を書き換え可能なものにすることにより、以降部品の変更などにより配線パターンの変更を余儀なくされる場合でも前述の方法により球体接続器群は同一にしてリーダライタ50から送信する配線情報を変更するだけで、簡単に配線パターンを変更することが可能となる。 【0037】また製品として使用される場合において、誘導ノイズなどにより配線パターンが変更されるのを避けるために、図4に示すように球体接続器20のコイル21の両端に短絡部37を設けることなども考えられる。配線が終了されるまでは短絡部37は開放されているのでコイル21のQ値が高く、誘導磁界中にて効率良く交番電力が誘起され、動作電源を生成でき、各種情報も受信できる。 【0038】一方配線が終了した時点で短絡部37を動作させてコイル21の両端をショートさせることでコイル21のQ値は下がり、動作電源を確保できず、各種情報も受信できなくなるため、球体接続器20はノイズなどによる誤動作ができなくなる。なお短絡部37を動作させてからは球体接続器20は誘導磁界からは電源を生成できないので、短絡部37は不揮発性で、構成が簡単なヒューズタイプのものが有効である。 【0039】前述で球体接続器の位置番号の決定は、接続される前に各々にリーダライタ50から固有の番号が送信され、それを復調して解析することでおこなわれ、その固有の番号を位置番号として位置番号格納部28に格納していたが、接続された後に球体接続器20自身が判断する方法でもよい。その例を図15、図16を用いて示す。図15は球体接続器が接続されている外観図、図16は位置番号決定に関する手順を示した図である。すなわち図15において複数の球体接続器はハンダにより接続され、図10のリーダライタ50の配線情報の書きこみの工程に入ってきたものとする。 【0040】この工程ではリーダライタ50により誘導磁界が作られているので、各球体接続器20は電源部31により動作電源が供給され、動作可能状態となる(S201)。まず各球体接続器はパッド面に他の球体接続器が接続されているかを検索する(S202)。検索はパッド面のパッドがオープンになっているか否かをおこなえば良い。ここで図15においてAおよびB方向に球体接続器が接続されている球体接続器は待機モードとなり(S204)、他の球体接続器よりWAKEUP信号がくるまでは以降の動作を停止させる。 【0041】一方AおよびB方向に球体接続器が接続されていない球体接続器は自分の位置番号を、例えば000hと認識して位置番号格納部28に位置番号を格納する(S205)。その後他の接続されている球体接続器のVCC、GNDを前述の方法で検索し(S206)、CとDの方向に接続されている球体接続器に符番をする(S207)。例えば球体接続器000hはC方向の球体接続器には001h、D方向の球体接続器には100hとし、自分の位置番号をカウントアップさせた番号を符番する。符番をした後にその番号を各球体接続器の位置番号とし、各番号を含んだWAKE UP信号を001hと100hに送信する(S208)。 【0042】送信には検索した電源ピンを用いても良いし、他のデータ用ピンを代用しても良い。WAKE UP信号を受信した球体接続器001h、100hは待機モードからはずれ(S204)、VCC、GND検索のルーチンに戻る。このときWAKE UP信号には自分の位置番号が含まれているので、その番号を位置番号格納部28に格納する(S205)。 【0043】以上の動作を繰り返すことにより、各球体接続器20は自らの位置を把握し、その後の配線情報を入手できる状態となる。なお、この方法を採用することにより、リーダライタ50が各球体接続器20に位置番号を送信する工程をなくすことができ、かつ球体接続器20が自分の配置されている位置を自ら把握することが可能となる。またリーダライタ50からのコマンドは球体接続器20の情報解読部29が解読できるものであればどのような種類のものでも良く、自由に設定できる。 【0044】以上のように、従来のプリント基板のように部品を選定して製品種毎に個別に製作するのではなく、リーダライタにより搬送される球体接続器群ごとに非接触で配線情報を書きこむことができるので、配線情報は個別に自由に設定でき、多品種少量の製品への対応が可能となる。また以降の配線変更も非接触で新たな配線情報を送信すれば良いので、従来のように新たにプリント基板を設計変更して製作するのに比べて開発期間を短縮できる。なお上記ではIC(Integrated Circuit)を搭載した球状半導体の例を示したが、マイクロマシニング技術により各種センサを球状の半導体に形成し、球状半導体としても用いても良い。 【0045】なお、球体接続器を機械的に接続した後、パッド間の接続関係を電気的に検査して所望の配線状態を持つ機能を搭載した場合を述べたが、精密に位置制御して球体接続器どうしのパッドの整合を計る接続方法を採る場合は、パッド面のパッドの電気的な状態を検査判別する検査判別回路が無くても上記と同等の効果が得られることは明らかであろう。 【0046】また、精密に位置制御して球体接続器どうしのパッドの整合を計る接続方法を採り、かつ電気的な配線状態が決定された後に配線状態の変更がない場合は、パッド面のパッドの電気的な状態を検査判別する検査判別回路並びに位置番号格納部が無くても上記と同等の効果が得られることは明らかであろう。即ち、図6に示すように、球体接続器にリーダライタより配線情報を送ることにより、球体接続器は所望の電気的接続状態を有することが可能であり、これを所定の順序で配列することで、プリント基板と同機能のものを実現できる。 【0047】 【発明の効果】以上説明したように、この発明では、球体接続器が球面上にパッド部と電子回路とコイルを有し、パッド部はx個(x=1,2,3、、、)のパッド面を有し、パッド面は複数のパッドを有し、電子回路は、誘導磁界中にて上記コイルに誘導される交番電力を整流し内部電源を供給する電源部と、誘導磁界中より情報を解読する情報解読部と、スイッチ部と、不揮発性メモリ部と、送信部とを有し、スイッチ部は情報解読部により解読された情報に基づきパッド間を接続し、不揮発性メモリはパッド間接続作業を含む所定の処置の結果情報を保存し、送信部は処置の結果情報を送信するようにしたものであるので、球体接続器を所定の情報により変調した誘導磁界を通過させた後、所定の配列で球体接続器を接続することで球体接続器群とすれば、所望の配線状態を有するプリント基板と同機能のものを得ることが可能である。この結果、この発明によれば、情報により変調した誘導磁界により所望の配線パターンを自由にプログラムできる球体接続器を提供することができるようになる。 【0048】また、そのなかで、電子回路は位置番号格納部を有するようにしたものであるので、球体接続器を位置番号の情報により変調した誘導磁界を通過させた後、所定の配列で球体接続器を接続することで球体接続器群とした後、位置番号と位置番号に応じた配線情報により変調された誘導磁界を通過させることにより、所望の配線状態を有するプリント基板と同機能のものが得られるとともに、必要に応じてその配線パターンを自由に外部から再プログラムすることが可能となる。この結果、この発明によれば、情報により変調した誘導磁界により所望の配線パターンを自由にプログラムでき、かつ必要に応じてその配線パターンを自由に外部から再プログラムすることが可能な球体接続器を提供することができるようになる。 【0049】また、電子回路はパッド面のパッドの電気的な状態を検査判別する検査判別回路を有するようにしたものであるので、球体接続器を位置番号の情報により変調した誘導磁界を通過させた後、所定の配列で球体接続器を接続することで球体接続器群とした後、情報により変調した誘導磁界を通過させることで、所望の配線状態を有するプリント基板と同機能のものが得られるとともに、検査判別回路により球体接続器間のパッドの位置ずれ整合情報が得られるので所定の配列で球体接続器を接続する作業時にパッド間の精密な整合無しに接続できそれだけ接続作業が簡単高速化できる。この結果、この発明によれば、情報により変調した誘導磁界により所望の配線パターンを自由にプログラムできる球体接続器を提供し、かつ上記球体接続器の接続工程を簡単且つ高速にすることができるようになる。 【0050】また、電子回路は位置番号を決定する位置番号決定手段を有するようにしたものであるので、球体接続器を位置番号の情報により変調した誘導磁界を通過させる過程を踏まなくとも、所定の配列で球体接続器を接続することで球体接続器群とした後、情報により変調した誘導磁界を通過させることで、位置番号決定手段により各球体接続器の位置番号が自動的に決まるので、所望の配線状態を有するプリント基板と同機能のものが得られるとともに、所定の配列で球体接続器を接続する作業を簡単高速化することが可能となる。この結果、この発明によれば、情報により変調した誘導磁界により所望の配線パターンを自由にプログラムできる球体接続器を提供し、かつ上記球体接続器の接続工程を簡単且つ高速にすることができるようになる。 【0051】また、電子回路にコイルの両端に接続された短絡部を有するようにしたものであるので、プリント基板と同機能のものが構成可能となる球体接続器であり、かつプログラム後の状態をノイズに対して誤動作し難い状態を維持することが可能となる。この結果、この発明によれば、情報により変調した誘導磁界により所望の配線パターンを自由にプログラムできる球体接続器を提供できるようになる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006666 【氏名又は名称】株式会社山武
|
| 【出願日】 |
平成11年7月2日(1999.7.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064621 【弁理士】 【氏名又は名称】山川 政樹
|
| 【公開番号】 |
特開2001−13206(P2001−13206A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月19日(2001.1.19) |
| 【出願番号】 |
特願平11−188877 |
|