| 【発明の名称】 |
回転速度検出装置付転がり軸受ユニット |
| 【発明者】 |
【氏名】中村 雄二
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| 【要約】 |
【課題】小型自動車用の径の小さな転がり軸受ユニットでも、回転速度検出を確実に行なえる構造を実現する。
【解決手段】内輪6の端部に外嵌したエンコーダ19bを構成する永久磁石21の内側面を、ハブ5aの内端部に形成したかしめ部34の内端面よりも軸方向内方に位置させる。この構成により、かしめ部34とセンサ23との干渉防止を考慮しても、このセンサ23の検知部と上記永久磁石21の内側面との距離を短くして、上記課題の解決を図れる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外端部外周面に車輪を取り付ける為の第一のフランジを、中間部外周面に第一の内輪軌道を、それぞれ設けたハブと、外周面に第二の内輪軌道を形成して、このハブの内端部に設けられた、上記第一の内輪軌道を設けた部分よりも外径寸法が小さくなった段部に外嵌した内輪と、内周面にこの第一の内輪軌道に対向する第一の外輪軌道及び上記第二の内輪軌道に対向する第二の外輪軌道を、外周面に懸架装置に支持する為の第二のフランジを、それぞれ形成した外輪と、上記第一、第二の内輪軌道と上記第一、第二の外輪軌道との間に、それぞれ複数個ずつ転動自在に設けられた転動体とを備え、上記ハブの内端部で少なくとも上記段部に外嵌した内輪よりも軸方向内方に突出した部分に形成した円筒部を直径方向外方にかしめ広げる事で形成したかしめ部により、上記段部に外嵌した内輪をこの段部の段差面に向け抑え付けて、この段部に外嵌した内輪を上記ハブに結合固定した車輪支持用転がり軸受ユニットと、内側面の円周方向に亙る磁気特性を交互に且つ等間隔に変化させた円輪状の被検知部を有し、上記内輪の外周面で上記第二の内輪軌道から外れた部分に、この内輪と同心に固定されたエンコーダと、検知部を有し、この検知部を上記被検知部の内側面に対向させた状態で上記外輪又は懸架装置に対し支持され、この被検知部の磁気特性の変化に対応して出力信号を変化させるセンサとを備えた回転速度検出装置とを組み合わせて成る回転速度検出装置付転がり軸受ユニットに於いて、上記被検知部の内側面が、上記かしめ部の内端面よりも軸方向内方に突出している事を特徴とする回転速度検出装置付転がり軸受ユニット。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明に係る回転速度検出装置付転がり軸受ユニットは、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する為に利用する。 【0002】 【従来の技術】自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するのに、転がり軸受ユニットを使用する。又、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)を制御する為には、上記車輪の回転速度を検出する必要がある。この為、上記転がり軸受ユニットに回転速度検出装置を組み込んだ回転速度検出装置付転がり軸受ユニットにより、上記車輪を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する事が、近年広く行なわれる様になっている。 【0003】この様な目的で使用される回転速度検出装置付転がり軸受ユニットとして、特開平11−23596号公報には、図5〜6に示す様な構造が記載されている。先ず、図5に示した、従来構造の第1例の回転速度検出装置付転がり軸受ユニット1は、転がり軸受ユニット2に回転速度検出装置3を組み込んで成る。このうちの転がり軸受ユニット2は、外輪4の内径側にハブ5及び内輪6を回転自在に支持して成る。このハブ5の外端部(車両への組み付け状態で幅方向外側となる端部を言い、各図の左端部。本明細書全体で同じ。)の外周面には車輪を取り付ける為の第一のフランジ7を、中間部外周面には第一の内輪軌道8を、それぞれ設けている。又、上記内輪6は、その外周面に第二の内輪軌道9を有し、上記ハブ5の内端寄り部分に形成され、上記第一の内輪軌道8を設けた部分よりも外径寸法が小さくなった、段部10に外嵌している。又、上記外輪4の内周面に、上記第一の内輪軌道8に対向する第一の外輪軌道11及び上記第二の内輪軌道9に対向する第二の外輪軌道12を、外周面に上記外輪4を懸架装置に支持する為の第二のフランジ13を、それぞれ形成している。そして、上記第一、第二の内輪軌道8、9と上記第一、第二の外輪軌道11、12との間に、それぞれ複数個ずつの転動体14、14を設け、上記外輪4の内径側に上記ハブ5及び内輪6を回転自在に支持している。尚、上記内輪6を上記段部10に外嵌した状態で、上記ハブ5の内端部に形成した雄ねじ部にナット15を螺合して、上記内輪6を抑え付け、この内輪6と上記ハブ5との分離防止を図っている。 【0004】又、上記外輪4の内端(図1の右端)開口部は、カバー16により塞いでいる。このカバー16は、合成樹脂を射出成形して成る有底円筒状の本体17と、この本体17の開口部に結合した嵌合筒18とから成る。この嵌合筒18は、その基端部を上記本体17の射出成形時にモールドする事により、この本体17の開口部に結合している。この様に構成するカバー16は、上記嵌合筒18の先半部(図5の左半部)を上記外輪4の内端部に、締まり嵌めで外嵌固定する事により、この外輪4の内端開口部を塞いでいる。 【0005】一方、前記回転速度検出装置を構成する為、前記ハブ5の内端部に外嵌固定した内輪6の内端部外周面で前記第二の内輪軌道9から外れた部分に、エンコーダ19を外嵌固定している。このエンコーダ19は、支持環20と永久磁石21とから成る。このうちの支持環20は、SPCC等の磁性金属板を折り曲げる事により、断面L字形で全体を円環状に形成し、上記内輪6の内端部に締まり嵌めで外嵌固定している。又、上記永久磁石21は、例えばフェライト粉末を混入したゴムを上記支持環20を構成する円輪部の内側面に、焼き付け等により添着して成る。この永久磁石21は、例えば軸方向(図5の左右方向)に着磁すると共に、着磁方向を円周方向に亙り交互に且つ等間隔で変化させている。従って、被検知部である、上記エンコーダ19の内側面には、S極とN極とが円周方向に亙り交互に且つ等間隔で配置されている。 【0006】又、上記カバー16を構成する本体17の一部で上記エンコーダ19を構成する永久磁石21の内側面と対向する部分には、挿入孔22を、上記本体17を貫通させる状態で、上記外輪1の軸方向に亙り形成している。そして、この挿入孔22内に、センサ23(検出素子等を合成樹脂中に包埋して成るセンサユニットを含む。本明細書全体で同じ。)を挿入している。このセンサ23は、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて特性を変化させる磁気検出素子並びにこの磁気検出素子の出力波形を整える為の波形整形回路を組み込んだICと、上記永久磁石21から出る(或は上記永久磁石21に流れ込む)磁束を上記磁気検出素子に導く為の、磁性材製のポールピース等とを、合成樹脂中に包埋して成る。 【0007】この様なセンサ23は、先端(図5の左端)寄り部分に設けられ、上記挿入孔22をがたつきなく挿通自在な円柱状の挿入部24と、この挿入部24の基端部(図5の右端部)に形成した、外向フランジ状の鍔部25とを備える。上記挿入部24の中間部外周面には係止溝を形成すると共に、この係止溝にOリング26を係止している。 【0008】一方、上記カバー16の外面(このカバー16により塞ぐべき、転動体14、14を設置した空間27と反対側の側面で、図5の右側面)の一部で、上記挿入孔22の開口周囲部分には、係止筒28を設けている。上記センサ23は、上記挿入部24をこの係止筒28内に挿入し、上記鍔部25をこの係止筒28の先端面に突き当てた状態で、係止ばね29により、この係止筒28に結合支持する。尚、この様な係止ばね29による結合支持構造に就いては、前記特開平11−23596号公報に詳しく記載されており、又、本発明の要旨とも関係しないので、詳しい図示並びに説明は省略する。 【0009】上述の様な回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの使用時には、前記外輪4の外周面に固設した第二のフランジ13を懸架装置に対して、図示しないボルトにより結合固定すると共に、前記ハブ5の外周面に固設した第一のフランジ7に車輪を、この第一のフランジ7に設けたスタッド30により固定する事で、上記懸架装置に対して上記車輪を回転自在に支持する。この状態で車輪が回転すると、上記センサ23の検知部の端面近傍を、前記永久磁石21の内側面に存在するN極とS極とが交互に通過する。この結果、上記センサ23内を流れる磁束の方向が変化し、このセンサ23の出力が変化する。この様にしてセンサ23の出力が変化する周波数は、上記車輪の回転数に比例する。従って、上記センサ23の出力を図示しない制御器に送れば、ABSやTCSを適切に制御できる。 【0010】又、図6に示す、前記特開平11−23596号公報に記載された従来構造の第2例の場合には、ハブ5aの内端部に円筒部31を形成し、この円筒部31の先端部で内輪6の内端面から突出した部分を直径方向外方にかしめ広げる事によりかしめ部34を形成し、このかしめ部34により上記内輪6を上記ハブ5aに対し結合固定している。この様な構造を採用すれば、前述の図5に示した従来構造の第1例の様に、ナット15により内輪6をハブ5に対し結合固定する構造に比べて、部品点数の減少と組立の手間の軽減とにより、コスト削減を図れる。尚、図6に示した従来構造の第2例の場合、カバー16の本体17に設けた係止筒28にセンサ23aを、係止ばね29aにより結合支持する部分の構造が、上述した第1例の場合と相違する。但し、この様な係止ばね29aによる結合支持構造も、前記特開平11−23596号公報に詳しく記載されており、又、本発明の要旨とも関係しないので、詳しい図示並びに説明は省略する。又、上記第2例の構造の場合には、エンコーダ19aも、上述した第1例の場合と相違している。即ち、本例のエンコーダ19aは、軟鋼板等の磁性金属板を折り曲げ形成する事により、断面形状を、円輪部32を有するL字形とすると共に、全体を円環状に形成している。そして、この円輪部32に複数の透孔33を放射状に形成して、この円輪部32の磁気特性を、円周方向に亙り、交互に且つ等間隔に変化させている。これに合わせて、上記センサ23aの内部構造も、前述した第1例の場合と異ならせている。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】図6に示した従来構造の第2例の場合、部品点数の減少と組立の手間の軽減とにより、コスト削減を図れるが、依然として、次の様な点を改良する事が望まれる。即ち、普通乗用車等、比較的大きな自動車用の転がり軸受ユニットで、エンコーダ19a(又は19)の設置スペースを十分に確保できれば、特に問題を生じる事はないが、軽自動車等、小型の自動車に組み付ける転がり軸受ユニットの場合には、上記設置スペースを確保する事が難しくなる。そして、ハブ5aの内端部に形成したかしめ部34とセンサ23a(又は23)とが干渉し易くなる。そして、干渉した場合には、このセンサ23a(又は23)の検知部と、上記エンコーダ19a(又は19)の被検知部とを近づける事ができなくなる。 【0012】回転速度検出の信頼性を確保する為には、上記センサ23a(又は23)の検知部と上記エンコーダ19a(又は19)の被検知部との距離を0.1〜2.0mm程度にする必要があり、上述の様に、かしめ部34とセンサ23a(又は23)との干渉により上記検知部と被検知部との距離を短くできなくなる事は好ましくない。本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットは、この様な事情に鑑みて発明したものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットは、前述した、従来から知られている回転速度検出装置付転がり軸受ユニットと同様に、転がり軸受ユニットと回転速度検出装置とを組み合わせて成る。このうちの転がり軸受ユニットは、ハブと、内輪と、外輪と、複数の転動体とを備える。そして、このうちのハブは、外端部外周面に車輪を取り付ける為の第一のフランジを、中間部外周面に第一の内輪軌道を、それぞれ設けている。又、上記内輪は、外周面に第二の内輪軌道を形成しており、上記ハブの内端部に設けられた、上記第一の内輪軌道を設けた部分よりも外径寸法が小さくなった段部に外嵌している。又、上記外輪は、内周面に上記第一の内輪軌道に対向する第一の外輪軌道及び上記第二の内輪軌道に対向する第二の外輪軌道を、外周面に懸架装置に支持する為の第二のフランジを、それぞれ形成している。又、上記転動体は、上記第一、第二の内輪軌道と上記第一、第二の外輪軌道との間に、それぞれ複数個ずつ転動自在に設けられている。そして、上記ハブの内端部で少なくとも上記段部に外嵌した内輪よりも軸方向内方に突出した部分に形成した円筒部を直径方向外方にかしめ広げる事で形成したかしめ部により、上記段部に外嵌した内輪をこの段部の段差面に向け抑え付けて、この段部に外嵌した内輪を上記ハブに結合固定している。一方、上記回転速度検出装置は、エンコーダと、センサとを備える。このうちのエンコーダは、内側面の円周方向に亙る磁気特性を交互に且つ等間隔に変化させた円輪状の被検知部を有し、上記内輪の外周面で上記第二の内輪軌道から外れた部分に、この内輪と同心に固定されている。更に、上記センサは、検知部を有し、この検知部を上記被検知部の内側面に対向させた状態で上記外輪又は懸架装置に対し支持され、上記被検知部の磁気特性の変化に対応して出力信号を変化させる。特に、本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットに於いては、上記被検知部の内側面が、上記かしめ部の内端面よりも軸方向内方に突出している。 【0014】 【作用】上述の様に構成する本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットにより、懸架装置に対し車輪を回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する作用は、前述した従来構造の場合と同様である。特に、本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの場合には、エンコーダに設けた円輪状の被検知部の内側面がかしめ部よりも内方に突出している為、この被検知部とセンサの検知部とを近接させても、このセンサとかしめ部とが干渉する事がない。従って、上記センサの検知部と、被検知部である上記エンコーダの内側面との距離を短くして、回転速度検出の信頼性を確保する事ができる。 【0015】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、軽自動車用等、比較的小径の転がり軸受ユニットに回転速度検出装置を組み込む場合でも、この回転速度検出装置を構成するエンコーダの被検知部とセンサの検知部との距離を十分に短くできる様にすると共に、このセンサの出力を十分に確保する為の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図6に示した従来構造の第2例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略し、以下、本発明の特徴部分、並びに、上記従来構造の第2例と異なる部分を中心に説明する。 【0016】内輪6は、ハブ5aの内端寄り部分に形成した段部10に外嵌し、このハブ5aの内端部に形成したかしめ部34によりその内端面を抑え付けて、このハブ5aに対し結合固定している。そして、上記内輪6の内端部で第二の内輪軌道9から外れた部分である、この内輪6の肩部35に、エンコーダ19bを支持している。本例の場合、このエンコーダ19bは、断面T字形で全体を円環状とした支持環20aと、この支持環20aを構成する円輪部32aの内側面(図1の右側面)に全周に亙って添設した、円輪状の永久磁石21とから成る。 【0017】上記支持環20aは、SPCCの如き軟鋼板等の磁性金属板を折り曲げ形成して成るもので、円筒部31aと、この円筒部31aの内端部から直径方向外方に向け90度折れ曲がった連結用円輪部36と、この連結用円輪部36の外周縁から径方向内方に180度密に折れ曲がった、上記円輪部32aとから成る。上記支持環20aの径方向に関して、この円輪部32aの幅W32a は、上記連結用円輪部36の幅W36よりも十分に大きい(W32a ≫W36)。従って、上記円輪部32aの先端縁(内周縁)は、上記円筒部31aの内周面よりも内径側に存在する。上記永久磁石21は、この様な支持環20aを構成する円輪部32aの内側面に、この円輪部32aのほぼ全幅に亙り、全周に亙って添設している。 【0018】上述の様な支持環20aと上記永久磁石21とから成る、上記エンコーダ19bは、上記円筒部31aの基端部(外端部)を上記内輪6の肩部35に、締り嵌めで外嵌する事により、この内輪6の内端部に支持固定している。図示の場合、上記円輪部32a及び上記永久磁石21の内径R32a を、前記かしめ部34の外径D34よりも小さく(R32a <D34)している。そして、上記円輪部32a及び上記永久磁石21を、上記かしめ部34よりも軸方向内方(図の右方)に位置させると共に、上記円輪部32aと上記かしめ部34とを離隔させている。従って、この状態で上記円輪部32a及び永久磁石21の内周縁は、上記かしめ部34の外周縁よりも直径方向内方に位置する。この様に、上記円輪部32aと上記かしめ部34とを離隔させると共に、上記永久磁石21の内周縁を上記かしめ部34の外周縁よりも直径方向内方に位置させる理由は、後述するセンサ23の出力を確保(大きく)する為である。 【0019】又、上述の様にエンコーダ19bを内輪6の肩部35に外嵌固定した状態で、上記永久磁石21の内側面を、上記かしめ部34の内端面よりも、設計的に定める所定量δ1 分だけ、軸方向内方に位置させている。この為に図示の例では、上記永久磁石21の内側面を前記外輪4の内端面よりも、δ2 分だけ、軸方向内方に位置させている。即ち、上記円筒部31aの基端部を上記肩部35に外嵌すべく、図示しない圧入治具により上記エンコーダ19bを上記内輪6に向け押し付ける際に、上記外輪4の内端面を、上記永久磁石21の内側面の位置決めを図る為の基準面としている。従って、図示の例の様に、上記円輪部32aと上記かしめ部34とを離隔させた場合でも、被検知部である上記永久磁石21の内側面の軸方向に関する位置決めを図れる。 【0020】上述の様なエンコーダ19bの永久磁石21の内側面には、センサ23の先端面(図1の左端面)に設けた検知部を、微小隙間37を介して対向させている。この微小隙間37の厚さは、前述した通り0.1〜2.0mm(一般的には0.5〜1.0mm)程度である。尚、上記センサ23は、カバー16を介して上記外輪4の内端開口部に支持しているが、この支持構造に就いては、前述の図5に示した従来構造の第1例と同様である。 【0021】上述の様に本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの場合には、上記エンコーダ19bを構成する円輪状の被検知部である、上記永久磁石21の内側面が、前記かしめ部34よりも軸方向内方に突出している。この為、この永久磁石21の内側面と上記センサ23の検知部とを近接させても、このセンサ23と上記かしめ部34とが干渉する事がない。従って、このセンサ23の検知部と、上記永久磁石21の内側面との距離を短くして、回転速度検出の信頼性を確保する事ができる。 【0022】更に、図示の例では、上記エンコーダ19bを構成する支持環20aの円輪部32aと上記かしめ部34とを離隔させると共に、上記永久磁石21の内周縁を上記かしめ部34の外周縁よりも直径方向内方に位置させている為、上記センサ23の出力を確保(大きく)できる。この点に就いて、図2を参照しつつ説明する。 【0023】上記永久磁石21の周囲に存在する磁束密度を高くする為には、上記支持環20aを磁性材により造る事が好ましい。一方、前記ハブ5aは、磁性材である炭素鋼により造る事が一般的である。従って、図2(B)に示す様に、上記円輪部32aと上記かしめ部34とを当接させると、上記永久磁石21の内側面から出た磁束がこのかしめ部34に強く引かれる結果、図2(B)に矢印で示す様に、上記センサ23による検出の為に必要な最低限の磁束密度(以下、検出可能磁束とする。)の到達距離が短くなる。言い換えれば、上記永久磁石21の内側面からの上記検出可能磁束の到達距離L1 が短くなる。これに対して、本例の構造の様に、上記円輪部32aと上記かしめ部34とを離隔させると、上記永久磁石21の内側面から出た磁束が上記かしめ部34にあまり流れなくなり、図2(A)に矢印で示す様に、検出可能磁束の到達距離が長くなる。言い換えれば、上記永久磁石21の内側面からのこの検出可能磁束の到達距離L2 が長くなる。この結果、上記永久磁石21の内側面と前記センサ23の検知部との距離が大きくなっても、このセンサ23の出力を十分に確保できる様になる。この様に、上記円輪部32aと上記かしめ部34とを離隔させる事で上記永久磁石21の内側面と上記センサ23の検知部との距離を大きくできる事は、本発明者の行なった実験により確認された。 【0024】又、本例の場合には、上記永久磁石21の内周縁を上記かしめ部34の外周縁よりも直径方向内方に位置させる事によっても、上記センサ23の出力を確保している。即ち、この様な構成を採用する事により、上記永久磁石21の直径方向に関する幅W21を大きくし、この永久磁石21の内側面からの上記検出可能磁束の到達距離を大きくしている。同時に、磁束密度も高くして、上記センサ23の出力の確保を図っている。 【0025】次に、図3は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合にはセンサ23bを、懸架装置を構成するナックル38に対し支持固定している。そして、このセンサ23bの先端部外側面に設けた検知部を、エンコーダ19bを構成する永久磁石21の内側面に、微小隙間37aを介して対向させている。本例の場合も、この永久磁石21の内側面を、ハブ5aの内端部に形成したかしめ部34の内端よりも軸方向内方に位置させている。従って、上記エンコーダ19bの内周縁が上記かしめ部34の外周縁よりも内径側に存在するにも拘らず、このかしめ部34と上記センサ23bとが干渉する事はない。又、本例の場合には、エンコーダ19bを構成する支持環20aと、外輪4の内端部に内嵌支持したシールリング39とにより、組み合わせシールリングを構成している。即ち、本例の場合には、上記支持環20aに、スリンガとしての機能も合わせ持たせている。その他の構成及び作用は、上述した第1例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。 【0026】次に、図4は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、外輪4の内端開口部を金属板製のカバー16aにより塞ぎ、このカバー16aの一部でエンコーダ19bを構成する永久磁石21の内側面に対向する部分に形成した通孔40部分に、センサ23cを支持固定している。即ち、このセンサ20cを構成すべく、ホールIC等を包埋支持する合成樹脂を、上記カバー16aのうちの通孔40部分にモールド成形している。そして、上記センサ23cに、信号伝達用のハーネスの端部に設けたプラグを接続する為のコネクタ41を設けている。本例の場合も、上記エンコーダ19bの被検知部である、上記永久磁石21の内側面を、ハブ5aの内端部に形成したかしめ部34の内端面よりも軸方向内方に突出させたので、このかしめ部34と上記センサ23cとが干渉する事はない。その他の構成及び作用は、前述した第1例の場合と同様である。 【0027】尚、図示の各例は、エンコーダ19bとして、支持環20aの円輪部32aに円輪状の永久磁石21を添設したものを使用している。但し、本発明を実施する場合に、この様な永久磁石21を具えたエンコーダ19bに限らず、前述の図6に示した従来構造の第2例の場合の様に、永久磁石を持たないエンコーダを使用する事もできる。又、図示の各例では、センサの検知部での磁束密度を高くする為に、エンコーダを構成する永久磁石の内周縁を、ハブの内端部に形成したかしめ部の外周縁よりも直径方向内方に位置させて、上記永久磁石の直径方向に関する幅を大きくした場合に就いて示したが、センサの検出能力に余裕があれば、永久磁石の内周縁をかしめ部の外周縁よりも直径方向外方に位置させる事も可能である。 【0028】 【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作用するので、比較的小径の転がり軸受ユニットにも、優れた検出性能を有する回転速度検出装置を組み付ける事ができる。この為、軽自動車等の小型の自動車に組み込む、小型でしかも優れた取り扱い性を有する回転速度検出装置付転がり軸受ユニットを実現できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004204 【氏名又は名称】日本精工株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月12日(2000.1.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087457 【弁理士】 【氏名又は名称】小山 武男 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−194376(P2001−194376A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−3821(P2000−3821) |
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