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【発明の名称】 信号時間差測定装置
【発明者】 【氏名】長澤 総

【要約】 【課題】位相差を持った検出信号から時間差情報を正確に出力するようにした信号時間差検出装置を提供する。

【解決手段】センサ11A,11Bの出力は、増幅器12A,12B、位相検出器13A,13Bを経て、時間差検出回路14に入力される。時間差検出回路14は位相検出器13A,13Bより出力されたパルス信号の入力時間差を逐次求め、制御部18からマイコン等によって制御されているプログラムに沿って、一定の範囲内の時間差情報を次の記憶部15に出力している。記憶部15に格納された所定時間内の時間差情報は、次の演算部16において制御部18からの指令に基づいてサンプル数が偶数となるように加算され、かつ、その加算値を次の除算回路17においてサンプルされた偶数個の情報数で除算することにより平均的な時間差情報が算出される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 時間差を持った信号を検出する第1及び第2のセンサーと、前記第1及び第2のセンサーから出力された第1及び第2の信号を比較する比較手段と、前記比較手段から出力された信号から信号源の状況を判断する演算手段を備えた信号時間差測定装置において、前記比較手段は前記第1の信号の特定レベルの位相と、該特定レベルの位相に対応した前記第2の信号の位相を比較する位相比較部と、前記位相比較部の出力を記憶する記憶部とを備え、前記演算手段は前記記憶部から読み出された位相差情報を偶数サンプル数だけ加算して平均化する平均化回路によって構成されていることを特徴とする信号時間差測定装置。
【請求項2】 上記第1及び第2の信号はほぼ同一波形とされ、その特定レベルは0クロス点に設定されることを特徴とする請求項1に記載の信号時間差測定装置。
【請求項3】 上記時間差を持った信号は路上を疾走する車体を信号源とし、上記センサーは車道面に所定の間隔で埋設されている磁気センサーとされていることを特徴とする請求項1に記載の信号時間差測定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二つの信号源から出力された相似の信号波形から、その時間差を検出する際に有用な信号時間差測定装置に関わるものであり、特に移動物体をセンサー等により検出した信号波形から、移動物体の移動速度等を検出する際に有用な信号時間差測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】相似の信号波形の時間差から時間情報を検知し移動体の状況を検出する技術は測定技術として、多くの産業分野で使用されている。その一例として移動物体の個数や、速度を検出する装置を図4を参照して説明する。
【0003】この図においてRは車道面であり、s1,s2はこの車道面Rに近接し、離間して埋設されている二つの磁気センサーを示す。Cを車道面Rの上を通過している各種の自動車とすると、車道面R上を1台の自動車が通過する毎に磁気センサーs1,s2が感応し、例えば同図(b)に示すように、自動車が通過する毎に各センサーs1,s2から複数のピーク点を有するバースト状の検出信号e1,e2が出力される。
【0004】この検出信号e1,e2はそれぞれ増幅器Amp1,およびAmp2によって増幅され、マイクロコンピュータ等で構成されている解析装置Scに供給され、車の速度や、種類、およびその台数等を信号波形から推測することができるようにしている。この検出信号e1,e2の波形は、車の種類によって変化するが、少なくとも同一の車を検出した際は、離間して配置されているセンサーs1、及びセンサーs2からはほぼ同一波形であって、一方の信号波形の時間が遅れている信号が出力される。
【0005】図4(b)において、検出信号e1,e2の時間差をtdとすると、この位相差はセンサーs1,s2の離間距離と、車Cの車速によって決定され、逆にこの時間差tdを測定することによって車道を疾走している車のスピードを検出することができる。また、その信号波形を解析することにより車の通過台数や車種等を推測することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記検出された信号e1,e2の時間差tdは、センサーs1とセンサーs2の離間距離をx(数10cm)とすると、車の車速vはv=x/tdによって検出することができるが、検出信号e1,e2間の時間差は、磁気センサーs1,s2の出力レベルの変動、アンプAmp1、Amp2のドリフト、オフセット値の変動等によって変化するため、これらの変動によって誤差が生じる。そこで、1台の車によって検出された検出信号e1,e2から出力される複数の時間差情報を検出して平均化することによって、誤差を少なくすることが考えられているが、解析装置部Scにおいて単純に複数の時間差情報を加重平均化しても必ずしも誤差がなくなるとはいえない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる問題点を解消するために例えば、時間差を持った信号を検出する第1及び第2のセンサーとを設けると共に、前記第1及び第2のセンサーから出力された第1及び第2の信号を比較する比較手段と、前記比較手段から出力された信号から前記移動物体の移動状況を判断する演算手段を備えた信号時間差測定装置において、前記比較手段は前記第1の信号の特定レベルの位相と、該特定レベルの位相に対応した前記第2の信号の位相を比較する位相比較部と、この位相比較部から算出された出力を記憶している記憶部を備え、前記演算部は前記記憶部から出力された時間差情報を偶数サンプル数だけ加算して平均化する平均化回路によって構成している。
【0008】請求項2の発明の場合は、上記第1,及び第2の検出信号の時間差情報を当該信号の0クロス点で定めるようにしており、また、請求項3では上記センサーを車道を疾走する車の検出を行う磁気センサーとして、車速の測定ができるようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の信号時間差測定装置の回路例を図1に示す。この図において11A、11Bは移動物体の動きに応じて信号を出力するセンサーであり、例えば磁気センサーや、光センサ等を使用することができる。12A、12Bはセンサー11(A,B)の出力を所定の利得で増幅する増幅器であり、磁気センサーと共同して直流成分を含む信号を増幅可能となるように構成すると共に、ノイズ成分を除去する特性を備えていることが好ましい。13A、13Bはセンサー11(A,B)から出力された検出信号の特徴点を求める位相検出器であり、本実施例の場合は交番信号とされた検出信号の零クロス点で反転する2値信号とするか、ゼロクロス点でパルス信号を発生する回路によって構成することができる。
【0010】14は前記位相検出器13(A,B)より出力された一連のパルス信号の入力時間差をデータに変換して、その入力差時間を逐次求めている時間差検出部であり、制御部18からマイコン等によって制御されているプログラムによって上記位相検出器13(A,B)の出力間隔をカウントし、一定の範囲内の時間差情報を識別符号を付加して次の記憶部15に出力している。記憶部15に格納された所定時間内の時間差情報は、次の演算部16において制御部18からの指令に基づいてサンプル数が偶数となるように加算され、かつ、その加算値を次の除算回路17においてサンプルされた偶数個の情報数で除算することにより平均的な時間差情報を演算する。
【0011】なお、説明上、信号時間差回路の内容を個別のブロック図によって表示しているが、時間差検出回路14、記憶部15、演算部16、除算回路17等は1個のCPUによって同様な信号処理を行わせることができる。また、このような時間差検出回路はアナログ回路によって構成するようにしてもよい。さらに、上記実施例は検出信号の時間差情報を求め、車速を推定する信号処理について述べたが、コンピュータによる信号処理プログラムにより、前記したセンサ11A、11Bの検出信号波形の特徴点を抽出し、車の種類や、その通過台数等を求め、これらを表示、またはプリントアウトすることも可能である。
【0012】本発明の実施の形態では上記したような装置を使用することによって、センサーから得られた検出信号から、以下に述べるように車の車速を正確に測定することができる。すなわち、離間して配置されている2つのセンサー11(A,B)上を車が通過すると、車体の金属の影響を受けてセンサー11A、および11Bから図2に示しようにほぼ同一の信号波形で時間がずれている検出信号ea、ebが発生し、この検出信号の例えば零クロス点を示す時間情報t1,t2,t3,t4、....が時間差検出回路14に入力される。
【0013】時間差検出回路14はこの時間情報から時間差情報(t1−t2)(t3−t4)...を計算し、制御部18はその時間差情報を逐次記憶部15に格納する。さらに、制御部18は上記時間差情報を得る際に、一連のバースト状の信号については、同一の識別符号を付加し、この同一の識別符号が付加されている時間差情報が偶数となる点で加算及び乗算処理を行う。
【0014】ところで、センサー11A,11B及び増幅器12(A,B)を介して検出された上記検出信号e1,e2は、ある時間経過すると、通常は相互に異なるオフセットが生じ、例えば図2のように検出信号eaに対して検出信号ebの零レベルにオフセット(LaーLb)が発生すると、同一の検出波形であるにもかかわらず第1回目の時間差情報ed=(t1−t2)に対して第2回目の時間差情報ed=(t3−t4)は異なったものになる。しかも、この時間差情報edの誤差は波形の立ち上がり側で負となるときは、波形の立ち下がりで正となるように形成される。
【0015】そこで、本発明ではこのような時間差情報の変動を少なくするために、逐次出力されている時間差情報の加算平均値を求めるが、このときに時間差情報の偶数個のみのサンプル数について加算平均を行うようにしている。つまり、このようにオフセットによる信号波形で時間差情報が変動する傾向は、第1回目がマイナス方向であるときは、第2回目はプラス方向にふれるので、オフセットが生じたときの時間差情報の変動はプラス方向、及びマイナス方向で一組となるようにサンプルし、加算平均することによって誤差が最小となるようにすることができるなお、ちなみにサンプル数が奇数となると、最終的にマイナス方向にふれた時間差情報か、又はプラス方向にふれた時間差情報のいずれか一方が多くなり、加算平均によって必ずしも誤差が低減しない。
【0016】上記したように、ほぼ同一波形の時間差を求める場合は、サンプリングされた時間差情報を偶数個に設定すると、オフセットの変動と共に、検出レベルの変動がある場合でも加算平均を行うと誤差を低減することが可能になる。
【0017】図3は制御部18で時間差情報を演算するときのフローを示したものである。制御部はまず通過物体の検出信号の有無を検出しており、信号が検出されたときはその信号がいずれのセンサーから出力されたかによって識別符号(a,b)を付加し、その信号の0レベルをクロスしたときの時間データDan、又はDbnを順番にn=0から取り込む(n=0.1.2.3.・・・・)。
【0018】時間データDan、またはDbnの入力間隔Tが所定の時間内となっているときは「DanーDbn」を計算し、この時間差情報をDdi(i=0.1.2.3.・・・・)として逐次記録する。そして、所定数の時間差情報Ddiが得られ時にそのサンプル数で加算平均「ΣDdi/i」を実行する。ただし、iは2、又は2以上として、時間差情報のサンプル個数が偶数個でない場合は、i=iー1個のサンプル数にして加算平均を行い、その信号を出力する。出力された信号は速度情報として表示、又はプリントアウトされるが、次に到来する車のデータを収集するために、サンプル個数番号nを0にリセットする。
【0019】以上の実施例は磁気センサーを使用して車速を求める場合に適応したが、一般的に二つのセンサーから時間的に異なる同一物体の動きを検出する場合に、本発明を適応することができる。又、検出信号はセンサーに限らず例えばエコーを伴った音響波による解析や、電磁波の位相差による測定技術に対して適応することができるものである。
【0020】また、上記したように1回の検出によって複数個の時間差情報が得られるときは、最初の2〜4組の加算平均、次の2〜4組の加算平均というように偶数個づつ時間的に分けて演算することにより、速度の時間的な変化を測定することもできる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明の信号時間差測定装置は、検出された信号波形の特徴点を比較して時間差情報等を求める際に、その時間差情報を偶数個だけ抽出して加重平均するようにしているので、その演算結果によって誤差の少ない測定値を求めることができるという効果がある。又、このような信号時間差検出方式をとることによって、増幅回路のオフセットの変動が激しい高利得の信号系の場合も、正しい検出信号を得ることができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000201814
【氏名又は名称】双葉電子工業株式会社
【出願日】 平成11年8月3日(1999.8.3)
【代理人】 【識別番号】100086841
【弁理士】
【氏名又は名称】脇 篤夫 (外2名)
【公開番号】 特開2001−41968(P2001−41968A)
【公開日】 平成13年2月16日(2001.2.16)
【出願番号】 特願平11−220421