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【発明の名称】 車輪速検出装置
【発明者】 【氏名】川崎 裕章

【氏名】中尾 幸夫

【氏名】中村 明比古

【要約】 【課題】車輪速センサが搭載されていない車両の車輪回転数が表示ができ、さらに回転情報の変化から空気圧低下を検知することができる車輪速測定装置を提供する。

【解決手段】車輪7のディスク10に固定され、車輪7とともに回転するパルスリング1と、該パルスリング1の軸心上に回転自在な取付具2と、該取付具に取り付けられたホイールカバー3および回転パルス検出センサ4と、前記パルスリング1の回転に伴って回転パルス検出センサ4が検出する回転パルス信号を演算する演算手段と、送信および受信手段とを具備している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車輪のディスクに固定され、車輪とともに回転するパルスリングと、該パルスリングの軸心上に回転自在に配置される取付具と、該取付具に取り付けられたホイールカバーおよび回転パルス検出センサと、前記パルスリングの回転に伴って回転パルス検出センサが検出する回転パルス信号を演算する演算手段と、送信および受信手段とを具備してなる車輪速検出装置。
【請求項2】 軸端部が車輪のディスクに固定され、車輪とともに回転し、本体部が回転しないように配置されるロータリーエンコーダと、該エンコーダの本体部に取り付けられる取付具と、該取付具に取り付けられたホイールカバーと、前記ロータリーエンコーダの回転軸の回転に伴って該エンコーダが検出する回転パルス信号を演算する演算手段と、送信および受信手段とを具備してなる車輪速検出装置。
【請求項3】 前記送信および受信手段が、無線信号を送信する送信機と、車両に装備され、前記無線信号を受信する受信機とからなる請求項1または2記載の車輪速検出装置。
【請求項4】 前記演算手段により、回転中の4つの各車輪のうち、斜めに向かい合う車輪の1組から得られる各回転情報の第1の和から斜めに向かい合う他の車輪の1組から得られる各回転情報の第2の和を引き算した結果の値の前記第1の和と第2の和の平均値に対する比である判定値に基づいて、タイヤの内圧が低下したと判断した場合、運転手に空気圧低下を知らせる警報手段を備えてなる請求項1、2または3記載の車輪速検出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車輪速検出装置に関する。さらに詳しくは、車輪速センサが搭載されていない車両の車輪回転数が表示ができ、さらに車輪の回転速度や回転角速度などの回転情報の変化から空気圧低下を検知することができる車輪速検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に車輪速(タイヤの回転パルス)を知る手段としては、車輪または駆動輪とともに回転する歯車の歯を検出することによって、車輪の回転速度に比例した周波数の交流信号を発生する磁気式の車輪速センサが使用されている。
【0003】車輪速センサは、マグネット(永久磁石)、ポールピース(検出ヘッド)、およびコイルを主な構成要素として備えている。ロータにはセレーションが設けられており、センサは、一般的な交流発電機と同様な機能をもっている。つまり、マグネットによって生じる一定の強さの磁界の中でロータが回転すると、その回転数に比例した速さでポールピースとロータの歯とのあいだのギャップが増減するので、ポールピースとロータが構成する磁気回路の磁気抵抗が変化する。その結果、歯を通過するときに流れる磁束が周期的に増減し、磁束の増減速度に比例した誘導電圧がコイルの両端に発生するというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記タイヤの回転速情報は、車両速度の表示に必要とされているが、とくに近年では、ABS(アンチスキッドブレーキシステム)やTCS(トラクションコントロールシステム)などの制御には、タイヤの回転パルスは欠かすことのできない情報である。
【0005】さらに、タイヤの空気圧警報装置にも応用が可能であることが知られている。
【0006】これは従来より、タイヤの空気圧が低下すると、タイヤの動荷重半径が小さくなり、正常な空気圧のタイヤと比較して、回転速度が速くなることを応用したものである。たとえば特開平7−149119号公報では、斜めに向かい合うタイヤの回転速度の相対的な差を全回転速度で割った平均値(判定値)から内圧低下を検出する方法が提案されている。
【0007】一方、ABSやTCSは、タイヤの回転速情報を基に車輪速度、車両推定速度、加速度などを演算し、ブレーキ油圧や駆動力を電子制御している。
【0008】そのために、ABSやTCSは車両製造段階から装備していなければならない。またABSなどに用いている車輪速センサを完成している車に後から装着する場合は、スペース的に非常に困難である。
【0009】またタイヤ空気圧警報装置の場合、タイヤの回転数情報を検出し、演算することができれば、前述したように、前記判定値から空気圧異常を検知し警報を出すことができる。
【0010】しかしながら、車輪速センサが装着されていない車両は、タイヤの回転数情報を得ることができないため、前記方法による空気圧警報装置は装着することができない。
【0011】本発明は、叙上の事情に鑑み、車輪速センサが搭載されていない車両の車輪回転数が表示ができ、さらに車輪の回転情報の変化から空気圧低下を検知することができる車輪速測定装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の車輪速検出装置は、車輪のディスクに固定され、車輪とともに回転するパルスリングと、該パルスリングの軸心上に回転自在に配置される取付具と、該取付具に取り付けられたホイールカバーおよび回転パルス検出センサと、前記パルスリングの回転に伴って回転パルス検出センサが検出する回転パルス信号を演算する演算手段と、送信および受信手段とを具備してなることを特徴とする。
【0013】また本発明の車輪速検出装置は、軸端部が車輪のディスクに固定され、車輪とともに回転し、本体部が回転しないように配置されるロータリーエンコーダと、該エンコーダの本体部に取り付けられる取付具と、該取付具に取り付けられたホイールカバーと、前記ロータリーエンコーダの回転軸の回転に伴って該エンコーダが検出する回転パルス信号を演算する演算手段と、送信および受信手段とを具備してなることを特徴とする。
【0014】また前記送信および受信手段が、無線信号を送信する送信機と、車両に装備され、前記無線信号を受信する受信機とからなるのが好ましい。
【0015】さらに、前記演算手段により、回転中の4つの各車輪のうち、斜めに向かい合う車輪の1組から得られる各回転情報の第1の和から斜めに向かい合う他の車輪の1組から得られる各回転情報の第2の和を引き算した結果の値の前記第1の和と第2の和の平均値に対する比である判定値に基づいて、タイヤの内圧が低下したと判断した場合、運転手に空気圧低下を知らせる警報手段を備えているのが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明の車輪速検出装置を説明する。
【0017】図1は本発明の車輪速検出装置の一実施の形態を示す部分切欠側面図、図2は図1における車輪速検出装置の要部拡大図、図3は図1における車輪速検出装置の斜視図、図4は図1におけるX−X線断面図、図5は本実施の形態にかかわるナットを示す説明図、図6は本発明の車輪速検出装置の他の実施の形態にかかわるロータリーエンコーダを示す斜視図である。
【0018】図1〜3に示されるように、本発明の一実施の形態にかかわる車輪速検出装置は、パルスリング1と、取付具2と、該取付具2に取り付けられたホイールカバー3および回転パルス検出センサ4と、演算手段と、送信および受信手段と、警報手段とから構成されている。なお、本発明においては、警報手段を省くこともできる。
【0019】前記パルスリング1は、外周に等間隔に複数のスリット5が形成された歯付円板6と、車輪(ホイール)7に固定される脚部8と、前記歯付円板6の中心にかしめ、ろう付または溶接などにより固着された回転軸9とからなり、前記脚部8が、歯付円板6の回転中心と車輪7の回転中心とが一致するように、前記車輪7におけるディスク10に固定され、パルスリング1を車輪7とともに回転できるようにされている。この脚部8のディスク10への固定としては、たとえばホイールボルト11に締め付けられているナット12を取り外したのち、図5に示されるように両端部に雌ねじ13a、13bが形成された車輪固定用のナット13の雌ねじ13aを、図1〜2および図4に示されるようにホイールボルト11に締め付け、ついで他方の雌ねじ13bに歯付円板固定用のボルト14を脚部8の孔8aから通して締め付けるようにしている。
【0020】本実施の形態では、脚部8を2つ形成しているので、パルスリング1を2箇所で固定するようにしているが、これに限定されるものではなく、2からホイールボルトの数の範囲内で脚部の数を適宜選定して固定することもできる。またパルスリング1の歯6aの数は、たとえば車輪1回転につき48または96などのパルス数を発生する数であれば、とくに限定されるものではなく、歯6aの形状についても、前記回転パルス検出センサ4にシャープなパルス波形の出力を発生させることができれば、とくに限定されるものでもない。
【0021】この回転パルス検出センサ4は、前記回転軸9にボールベアリングなどの軸受15を介して回転自在にされた取付具2のフランジ16に固定されており、前記歯付円板6の歯先とのあいだに所定の隙間を有している。この回転パルス検出センサ4としては、たとえば磁界を利用した高周波発振形タイプや差動コイルタイプ、磁気形タイプ、また電界を利用した静電容量形タイプなどを用いることができる。なお、回転検出センサ4の取付け方法としては、車両のフェンダーの内側(タイヤハウス)などの固定されたところに取り付けることが可能であるが、歯の検出を考えれば位置的に非常に困難であるため、本実施の形態における取付けが好ましい。
【0022】前記演算手段としては、前記パルスリング1の回転に伴って回転パルス検出センサ4が検出する回転パルス信号を送信および受信手段により、送信と受信を行なった結果、演算できるものであれば、とくに限定されるものではなく、一般のCPUを用いた演算器などを用いることができる。
【0023】また、前記演算手段は、回転中の4つの各車輪のうち、斜めに向かい合う車輪の1組から得られる各回転情報の第1の和から斜めに向かい合う他の車輪の1組から得られる各回転情報の第2の和を引き算した結果の値の前記第1の和と第2の和の平均値に対する比である判定値を演算する。
【0024】そして予めあるしきい値を設定しておき、演算結果がそのしきい値をこえた場合に、タイヤの内圧が低下したと判断し、警報手段が運転手に空気圧低下を知らせる。
【0025】この警報手段としては、たとえば運転席の表示部のLEDを点灯させる、もしくは警報音を発することでタイヤ空気圧異常を運転手に知らせることができるものであれば、とくに限定されるものではなく、液晶表示素子、プラズマ表示素子、CRTなどの表示装置、またはこれらに警報音を組み合わせたものを用いることができる。
【0026】また前記送信および受信手段としては、たとえば取付具2のフランジ16に固定され、回転パルス検出センサ4と接続された無線信号(電磁波信号)を送信する送信機17と、車両に装備され、該送信機17から送信される無信信号を受信する受信機(図示せず)とからなるものを用いることができる。本実施の形態では前記送信機17は、フランジ16に貼付けられたコンパクトな薄型(コイン型)の電源(電池)18を備えているが、バッテリー内蔵していてもよい。検出した回転パルス信号は、送信機17から近傍の車両側に取り付けた受信機に送り、そこから演算手段に送ってもよいし、演算機能装置をフランジに取り付けて演算結果を送信機から送信してもよい。
【0027】なお、本実施の形態では、車輪が回転しても、パルス検出センサが常時定位置、たとえばパルスセンサ1の垂直下方位置に定まるように、取付具2のフランジ16の下部に錘19を吊り下げておくのが好ましい。
【0028】したがって、車両が走行した場合、パルスリング1がタイヤとともに回転するのに対し、錘19と取付具2に取り付けられたパルス検出センサ4およびパルス信号の送信機17、ホイールカバー3は、車輪7の軸心部上に取り付けられた回転軸9の軸受15によって回転を阻止される。ここで、錘19は、絶えず回転パルス検出センサ4が一定位置にくるための役目も果している。
【0029】また、本実施の形態におけるパルスリングおよび回転パルス検出センサに代えて、図6に示されるようなロータリーエンコーダ20を用いて車輪回転数を求めることもできる。このロータリーエンコーダ20を用いる場合の車輪速検出装置は、軸端部21aが車輪のディスクに固定され、車輪とともに回転し、本体部が回転しないように配置されるロータリーエンコーダ20と、該エンコーダ20の本体部22に取り付けられる取付具と、該取付具に取り付けられたホイールカバーと、前記ロータリーエンコーダ20の回転軸21の回転に伴って該エンコーダ20が検出する回転パルス信号を演算する演算手段と、送信および受信手段とから構成することができる。かかるロータリーエンコーダ20を用いることにより、前記実施の形態よりも部品点数(パルスリング)を削減することができる。なお、前記ロータリーエンコーダ20の軸端部20aの固定に際し、回転軸21に曲げなどの負荷が掛からないように、たとえば本体部22を軸受とアングルなどを介して前記脚部8に取り付けるようにするのが好ましい。
【0030】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、車輪速センサが搭載されていない車両に容易に取り付けることができるため、該車両の車輪回転数が表示ができ、さらに回転情報の変化から空気圧低下を検知することができる。
【出願人】 【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
【出願日】 平成11年7月27日(1999.7.27)
【代理人】 【識別番号】100065226
【弁理士】
【氏名又は名称】朝日奈 宗太 (外1名)
【公開番号】 特開2001−41966(P2001−41966A)
【公開日】 平成13年2月16日(2001.2.16)
【出願番号】 特願平11−212130