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【発明の名称】 超小型化学操作装置
【発明者】 【氏名】三原 孝士

【要約】 【課題】従来の化学分析装置は、全ての構成要素を1つの基板上に構築しようとしてが構造や製造方法の制約により実現が困難であった。特定機能を有する分析ユニットのみを着脱自在としたがシステム全体では小型化が実現できなかった。

【解決手段】本発明は、各種モジュールを用途に応じた最適な材料を用いて最適な構造及び製造方法で小型に形成し、それらの機能モジュールに標準化した共通仕様の試料コネクタと電気コネクタを設け、直接他の機能モジュールと連結する若しくは、その各コネクタに着脱自在に嵌合して他の機能モジュールと連結させるコネクタ部を用いて、化学分析用のシステムを構築した、小型軽量で汎用性を有する超小型化学操作装置である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液体、ガス、薬液及び試薬の合成及び/又は分析を行なう化学操作装置であって、1つ又は複数の流体を制御する素子をある機能を発現するために組み合せた機能モジュールを、複数の液体または気体用のコネクタと複数の電気的なコネクタを一体的に構成したコネクタ機能モジュールを用いて接続し、この機能モジュールとコネクタ機能モジュールを単一または複数組み合わせて共通のプラットフォーム上に構成したことを特徴とする超小型化学操作装置。
【請求項2】 上記機能モジュールの内の幾つかは積層されていることを特徴とする請求項1に記載の超小型化学操作装置。
【請求項3】 上記機能モジュールの内部、または外部に、操作部、表示装置、制御部、記憶装置を備えること特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の超小型化学操作装置。
【請求項4】 複数の液体または気体用の上記コネクタと複数の電気的な上記コネクタは、上記機能モジュールの側面に設けられた流路の末端に着脱自在に接続されることを特徴とする請求項1,2,3のいずれかに記載の超小型化学操作装置。
【請求項5】 複数の液体または気体用の上記コネクタと複数の電気的な上記コネクタは、上記機能モジュールの上面若しくは下面の何れかの主面に設けられた流路の末端に着脱自在に接続されることを特徴とする請求項1,2,3のいずれかに記載の超小型化学操作装置。
【請求項6】 複数の液体または気体用の上記コネクタと複数の電気的な上記コネクタは、上記機能モジュールの上面若しくは下面の何れかの主面に設けられた流路の末端に着脱自在に接続され、上記コネクタ部は、プラットフォーム内部に埋め込まれた、若しくはプラットフォームの上面に設けられていることを特徴とする請求項1,2,3のいずれかに記載の超小型化学操作装置。
【請求項7】 複数の液体または気体用の上記コネクタは、上記機能モジュールの上面若しくは下面の何れかの主面に設けられた流路の末端に設けられ、上記コネクタ部を通じて単一または複数のピペットによって、液体が注入、吸引されることを特徴とする請求項1,2,3いずれかに記載の超小型化学操作装置。
【請求項8】 複数の液体または気体用の上記コネクタは、通常は閉状態を維持し、上記ピペットが挿入された時に開口して注入及び、吸引が可能となる構造を要していることを特徴とする請求項6に記載の超小型化学操作装置。
【請求項9】 複数の液体または気体用の上記コネクタ及び電気的な上記コネクタ部は、上記機能モジュールの上面若しくは下面の何れかの主面に設けられた流路の末端に着脱自在に接続され、また上記コネクタ部は、プラットフォームに埋め込まれており、該プラットフォームも内部または表面に流路網及び電気的な配線が形成されていることを特徴とする請求項1,2,3のいずれかに記載の超小型化学操作装置。
【請求項10】 上記機能モジュールの材料は、シリコン、ガラス、セラミックス、樹脂またはその組み合わせによって構成されていることを特徴とした請求項1から9のいずれかに記載の超小型化学操作装置。
【請求項11】 上記機能モジュールに内蔵された流体デバイスは、ポンプ、バルブ、流路、反応容器、拡散容器、攪拌容器、ヒータ、センサ、分析容器、冷却容器またはその組み合わせによって構成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の超小型化学操作装置。
【請求項12】 上記機能モジュールに内蔵された流体デバイスは、ホトリソグラフィー、液体エッチング、リアクティブイオンエッチング(RIE)、イオンエッチング、マイクロ加工、モールドまたはその組み合わせによって加工されていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の超小型化学操作装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型である機能を有するモジュールが複数個、一基板上に一体的に連結され、液体やガスの合成・分析を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、液体やガスの合成・分析を行う装置は、センサ技術やエレクトロニクス更にはコンピュータ技術の進展によって、大型で大量の試験検体や試薬を必要とした化学分析装置や化学合成装置から超小型化に出来る可能性が出てきた。
【0003】これらの研究開発努力として、特にヨーロッパからマイクロTAS(Total Analysis System)と呼ばれる技術が台頭してきた。これは、シリコンウェハやガラス基板上にマイクロポンプ、マイクロバルブやマイクロ反応器等をマイクロ加工技術を用いて平面上に作り、これらをマイクロ流路を用いて接続することで一体的な(モノリシックな)化学分析装置や化学合成装置を作成しようとするものである。
【0004】また、これとは別の方式として特開平7−83935号公報には、図13に示すような試料を含む分析機器や記憶部を一体化した基板上に収めて、流体のコネクタと電気的な信号のコネクタを配置したカートリッジとして機能する分析ユニットを製作し、これを分析装置本体に挿入して分析を行なう化学分析装置が開示されている。
【0005】この分析装置は、測定する分析内容に沿った着脱自在な分析ユニットを選択して、分析装置本体に装填する。この装填されると共に、分析ユニット側の流体用コネクタと電気信号用コネクタが分析装置本体側のそれぞれのコネクタに接続する。その後、分析装置本体において、ポンプ、バルブコントローラ及び信号処理部が動作して、分析ユニットの記憶部からサンプルの処理手順や分析方法及びデータ処理方法等を本体側に伝送し、以降の分析処理を実行する。
【0006】さらに本出願人により、特開平10−26625号公報には、図14に示すような血液等の目づまり防止を目的として、データ処理部と一体的にポンプやバルブが搭載されるハンドリング部が接続する。このハンドリング部と、センサや試料注入部や廃液リザーバを搭載する検出部とがそれぞれに電気信号用と流体用の接続部を設けて、着脱自在に接続されており、試料が試料注入部から注入されると、液体ハンドリング部によって、センサに搬送され、検査終了後には廃液リザーバまで搬送される。そして、検査終了後には検出部が外されて廃棄される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の分析装置においては、化学分析装置部分や化学合成装置部分を超小型にするために、全ての構成要素(デバイス)を1つの基板上に可能なかぎり構築して、低コスト化及び小型化を実現するという発想であった。
【0008】しかしながら、半導体積層回路とは異なり、マイクロポンプやマイクロバルブ、マイクロリアクタは、基板の種類、製造技術、大きさがそれぞれ異なることや、用途によっては構造に多様性が必要なことから、1つの基板上に全てのデバイスを載せることは最適ではない場合が多々発生した。
【0009】例えば、特開平7−83935号公報に開示されている技術においては、小型化されてはいない従来の大きさの分析装置本体に脱着可能な分析ユニットを分析の種類に応じて選択し、その分析ユニット上で試薬と反応させて、電気信号として取り出し分析ユニット側で分析するといったシステムであり、小型化等を目的としたものではない。
【0010】また特開平10−26625号公報には記載される技術は、血液等の目づまり防止を実現するために、一度使用したセンサ部分や流路を取り替え自由に構成したものであって、装置全体を小型化するものではなかった。
【0011】以上のように、分析装置にマイクロ流体デバイスを用いて超小型化を実現することと、用途に応じて交換可能にして使いやすくすることは、お互いにトレイドオフの関係にあって、従来技術によるものとしては、これらを満たす技術はなかった。
【0012】また、本発明が超小型で且つ使用勝手が最適なマイクロ分析・合成装置を提案するにあって、以下の事項が必要な要件若しくは問題を解決することが必要とあるものと考えている。
(1)システムに汎用性があること、(2)用途に応じて仕様変更が柔軟に実現できること、(3)多品種、少量の分析や生産に対して無駄を発生せずに有効であること、(4)装置が少数生産でもコストの抑制が実現されること、(5)搭載した各機能は大型機器と同等の性能を有していること、(6)全体のシステムの大きさ及び重量は従来装置に比べて相当に小型軽量であること、以上の要件を実現することにより、超小型の分析・合成装置の構築が実現される。
【0013】そこで本発明は、それぞれの用途に好適するように最適な材料を用いて最適な構造及び製造方法で形成された小型の機能モジュールの接続部分を画一化して、標準化され着脱自在に接続するコンタクト部若しくはインターフェイス機能で接続して、任意な構成に構築でき且つ、低コストで汎用性を有するように構成された超小型化学操作装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するために、液体、ガス、薬液及び試薬の合成や分析を行なう化学操作装置であって、1つ若しくは複数の流体または気体を制御する素子をある機能を発現するために組み合せた機能モジュールを、複数の液体または気体用のコネクタと複数の電気的なコネクタを一体的に構成したコネクタ機能モジュールを用いて接続し、この機能モジュールとコネクタ機能モジュールを単一または複数組み合わせて共通のプラットフォーム上に構成した超小型化学操作装置を提供する。また、複数の液体または気体用の上記コネクタと複数の電気的な上記コネクタは、上記機能モジュールの側面若しくは上面若しくは下面に設けられた流路の末端に着脱自在に接続する。
【0015】以上のような構成の超小型化学操作装置は、各種の機能モジュールを用途に応じた最適な材料を用いて最適な構造及び製造方法で小型に形成し、それらの機能モジュールに標準化した共通仕様の試料コネクタと電気コネクタからなるコネクタ機能若しくはインターフェイス機能を設け、直接他の機能モジュールと連結する若しくは、その各コネクタに着脱自在に嵌合して他の機能モジュールと連結させるコネクタ部を用いて、化学分析用のシステムを構築する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0017】まず図1には、本発明による第1の実施形態に係る超小型化学操作装置の概念的な構成例を示し説明する。
【0018】図1(a)に示す超小型化学操作装置は、流体即ち、液体及び/又は気体の化学合成若しくは分析を行う機能モジュール1(1A,1B,1C,1D)を複数組み合わせて構築したものである。これらの機能モジュール1は、情報信号及び制御信号や、ガス及び気体を伝搬するコネクタ部2により互いに接続され、さらに試料や薬液等を注入若しくは注出するための液体用注入注出モジュール3がコネクタ部2を介して接続されている。この液体用注入注出モジュール3は、薬液の注入と出力用に専用に設けられているが、必ずしも必須では無く、何れかの機能モジュールに薬液注入・出力ポートを設けてもよい。
【0019】尚、以下の説明において、コネクタ部2は機能モジュール間を接続すると代表的に記載しているが、勿論、機能モジュール間だけではなく、この他にも化学操作装置を構成する他のモジュールやポート等の構成部位を接続するためにも用いられる。
【0020】それぞれの機能モジュール1は、その機能を実現・発現することが可能な単一または複数のマイクロ流体デバイスを用いて構成されており、複数及び複数種類が集まってある特定の気体や薬液の分離や合成を行なうことが可能となる。又、その形成材料としては、シリコン、ガラス、セラミックス、樹脂またはその組み合わせによって製造されている。
【0021】このマイクロ流体デバイスとは、超小型に製造された流体デバイスであり、通常は、半導体装置製造に用いられているホトリソグラフィ技術を用いて流路等のパターンを転写して作成し、化学エッチングや物理的なエッチングを用いて加工される。このデバイスには、液体やガスの輸送に使うマイクロポンプやマイクロバルブ、反応に使用するマイクロリアクタ、攪拌等に使われるマイクロミキサ、分析や解析に使うマイクロアナライザ等を含んでいる。
【0022】図1(b)は、機能モジュールの構成例を示す図である。この機能モジュール1は、その内部に例えば、2系統のマイクロ流体デバイス4,5を形成した例であり、側面にはコネクタ部2が接続される。機能モジュール1に形成されるマイクロ流体デバイス4,5は、勿論、単一であっても、複数であってもよい。また、マイクロ流体デバイス4,5は、表面に形成されてもよいし、内部に形成されてもよい。
【0023】この機能モジュールを複数用いて装置を構成する場合に、2種類の接続方式があり、第1に、複数の機能モジュールを一連に接続して、順次化学合成や分析を行っていくフロー方式と、第2に、機能モジュール群の末端に位置して、その機能モジュールで化学合成や分析を行って、使用後に廃棄や取り替え等を行うバッチ方式とがある。尚、以下の本発明は、液体や気体について化学合成や分析を行うことができるが、説明を理解しやすくするため、液体(若しくは薬液)を代表として説明する。
【0024】次に図2には第1の実施形態に係る超小型化学操作装置のコネクタ部分の概念的な構成例を示し説明する。
【0025】この実施形態では、機能モジュール1自体にコネクタ部を形成して、直接的に機能モジュール間を接続する。このコネクタは、シリコンゴム等の柔らかいもので作るのが望ましい。
【0026】図2(a)に示すように、機能モジュール1の両側面にコネクタ6とコネクタ7aを取り付ける。このコネクタ6とコネクタ7aは標準化されて共通仕様で嵌合する形状に形成され、使用する他の機能モジュールと直接的に接続する。
【0027】また、図2(b)は、前述したコネクタの変形例である。前述したコネクタ6,7aは両方とも凸型で嵌合する形状であったが、この変形例では、一方が凸型のコネクタ6であり、他方が機能モジュール内に入り込んだ凹型のコネクタ7bである。このような接続方式を用いれば、コネクタ部の幅が無くなり、機能モジュール間が隣接することとなり、小型化が実現できる。
【0028】従って、本実施形態によれば、各機能モジュールのコネクタ部分を標準化させることによって、どのような機能モジュールに対しても接続でき、組み替え自由で多種、多様な化学合成や分析に対応することができる。
【0029】次に第2の実施形態について説明する。前述した第1の実施形態における機能モジュールは、機能モジュール自体に直接的に設けられたコネクタ部であり、そのまま接続して一体化されるため、接続作業が難しくなる点がある。そこで、コネクタとして機能するモジュールを製作し、機能モジュール間に介在させて接続する。
【0030】図3(a)に示すコネクタ部2は、液体を何れかの方向若しくは相互方向に輸送する試料コネクタ8aと、センサ等で得られたデータ、予め記憶された情報及び制御信号等の伝搬を行うための多数の接点(ピン)により電気的接続を行なう電気コネクタ9aとが、端子数、大きさ及び形状、配置位置が全く統一され、少なくとも導入側と注出側の2系統が設けられている。これらのコネクタはアレイ状に配置されており、導入コネクタと注出コネクタを同一面上に混在させて設けてもよいし、それぞれに分けて、異なる面に試料コネクタ8b及び電気コネクタ9bとして設けてもよい。
【0031】このコネクタ部2と接続する各種機能モジュール1の側面(上面若しくは下面も含む)に形成する試料コネクタ10aとコネクタ部2の試料コネクタ8aは嵌合できるように形成されている。
【0032】また機能モジュール1の電気コネクタ10b若しくは、コネクタ部2の電気コネクタ9bは、いずれか一方が金属切片で、他方が接触時に後退可能なピンにより構成され、これらの接触により電気的に接続が成される。但し、このような接触によるものだけではなく、ソケット形状に形成され、オスピンとメスピンが嵌合するように構成してもよい。
【0033】つまり、端子数、大きさ、形状、配置位置及び、薬液のフラックス量等を標準化しておき、どの機能モジュールに対してもコネクタ部2により連結が可能であり、使用者の思惑により、これらの機能モジュールの種類や数、配列の組み合わせを変えることによって、用途に応じた分析が実施できるように構成することができる。
【0034】従って、第1の実施形態と同様に、機能モジュールのコネクタ部2と接続する部分を標準化させることによって、機能モジュール自体の大きさや形状には制限が無くなり、組み替え自由で多種、多様な化学合成や分析に対応する機器や装置が構築できる。
【0035】本実施形態によれば、従来のように全ての機能を1つの基板上に構築させようとして、ある機能モジュールが形成できなかったり、性能が悪かったりする問題が無くなり、各機能モジュールに好適な材料と製造方法を用いて、高性能な仕様で製造することができる。また、化学操作装置を構成する上で、ある機能モジュールが故障した場合や寿命になった場合には、その機能モジュールだけを交換するだけで、分析等を継続することができ、低コストのうえ作業効率が低下しない。また、ある種の分析等に対応する最新の機能モジュールが実現した場合においても、従来のように装置全体を作り替えたり改造したりする必要はなく、その部分だけコネクタ部を用いて、交換若しくは増設すれば対応できるためコスト的にメリットが大きい。
【0036】図3(b)には、コネクタ部2内にバルブ11を設けた例である。コネクタ部2に設けた流路がスルーであった場合には、マイクロ流路の端部が開口してしまう場合もあるため、電気信号により開閉可能なバルブ等により閉口させる。また、このバルブにより試料の伝搬タイミングを図ることもできる。
【0037】また、図3(c)に示すように末端の機能モジュールやコネクタ部で他に接続されない場合には、コネクタ部分に栓となるカバー12を取り付けてもよい。
【0038】次に図4には、第3の実施形態に係る超小型化学操作装置の概念的な構成例を示し説明する。本実施形態は、前述した実施形態が機能モジュールを平面的に構築したのに対して、機能モジュールを積層して立体的に構築した例である。
【0039】この装置の例では、機能モジュール1と機能モジュール13とをコネクタ部2により接続し、この機能モジュール13の上方にインターフェイス部14を介して、機能モジュール15を接続して積層させる。
【0040】この積層的な構成においては、例えば、機能モジュール13が分析用リアクタで機能モジュール15が分析用計測部に適用した装置等が考えられる。
【0041】図5には、インターフェイス部14により積層的に構成された超小型化学操作装置の構成例を示す。
【0042】図5(a)は、液体検出用のインターフェイス部14Aを用いた例である。この構成では、機能モジュール13Aの検出領域16上に液体を導入するためのスルーホール17が形成されたインターフェイス部14Aを積層させて、さらにスルーホール17の配置位置に合致するように導入部(well)18が設けられた機能モジュール15Aが積層される。
【0043】図5(b)は、マイクロレンズアレイからなるインターフェイス部14Bを光検出を行う装置に用いた例である。この構成では、機能モジュール13Bに配置された検査すべき光を照射する照射部(well)19上に光を集光するためのマイクロレンズが配置されたマイクロレンズアレイ20を積層させて、さらに集光されたそれぞれの光を検出するためのフォトダイオード等からなる光検出部21が配置された機能モジュール15Bが積層される。この場合、マイクロレンズアレイ20(インターフェイスとして)が、機能モジュール15Bとは別体であってもよいし、機能モジュール15B内に埋設、収容等して一体化させるように含ませてもよい。
【0044】このインターフェイス部14においても、前述したコネクタ部2と同様に、コネクタ部分の形状や配置位置を標準化しておき、各機能モジュールの接続部分をインターフェイス部14と合致するように作製する。
【0045】尚、このインターフェイス部14は、機能モジュールに直接設けておいて一体的に扱い、他の機能モジュールと接続してもよく、コネクタ部2のように汎用的に用いなくてもよい。
【0046】次に図6には、複数の機能モジュール1により構築された超小型化学操作装置の一構成例を示し説明する。この化学操作装置は、薬液庫31、モジュールとして専用に設けられた注入ポート32、機能モジュール1A〜1C、注出ポート33、廃棄ポート34とがそれぞれコネクタ部2若しくはインターフェイス部14を介して接続される。また、注入ポート33には、サンプルポート35が接続されている。
【0047】この構成において、液体の流れは、薬液庫31の薬液と試薬ポート35からの試薬は、注入ポート32を通じて各機能モジュール1A〜1Cに伝搬され、分析等の完了後に廃棄ポート34まで運ばれ、廃棄される。
【0048】また図7には、この化学操作装置をプラットフォーム30上に構築した場合の構成例を示す。前述した注入・注出ポートや各機能モジュール等をプラットフォーム30上でコネクタ部2を介して接続する。このプラットフォーム30には、操作パネル(操作ボタン)37と、表示部38とが設けられ、さらに、外部表示部39やキーボード40やマウス41等が接続されている。勿論、これらの構成部位は一体的に構成していてもよい。
【0049】図8には、このような化学操作装置の電気的なブロック構成を示す。
【0050】この装置は、例えば、パーソナルコンピュータ等からなり全体の構成部位の制御を司る中央制御装置(CPU)42と、各機能モジュール1A〜1C…と、電源スイッチを含み主たる動作を指示するための操作パネル37と、CRT若しくは液晶ディスプレイからなる表示部38及び外部表示部39と、ブザー音や音声等により警告やガイド指示や結果等を知らせるためのスピーカ43と、制御指示やデータ入力をするためのキーボード40及びマウス41と、光磁気ディスクのような着脱自在なメモリ44と、予め分析等の処理プログラムや得られた分析結果等を記憶するためのメモリ部46と、演算処理に際してデータや処理演算等を記憶するハードディスク47とで構成される。
【0051】以上のように、本実施形態によれば、通常の机程度以下の広さを持つプラットフォーム上に所望する機能モジュールや注入・注出ポート等を配置して構築でき、非常に小型で汎用性がある化学操作装置が実現できる。
【0052】次に図9には、第4の実施形態に係る超小型化学操作装置の概念的な構成例を示し説明する。
【0053】この装置は、機能モジュール50のコネクタアレイ部51を上面の端側に設けて、上面から嵌合するコネクタ部52(試料コネクタ52a及び電気コネクタ52b)で機能モジュール間を接続するものである。
【0054】図9(a)は、コネクタ部51を機能モジュールに装着した外観構成を示し、同図(b)は、具体的な構成例を示す図である。機能モジュール50のコネクタアレイ部51の試料コネクタ(液体コネクタ)の孔にコネクタ部52の試料コネクタ52aが嵌合して接続される。この場合、機能モジュールのマイクロ流路は、内部を水平に形成された流路がその端側で立ち上がり、上面に開口する。この開口した孔にパイプ形状の試料コネクタ52aが嵌合する。尚、機能モジュールの接続状態がずれないようにコネクタ部51にガイド53を設けてもよい。また、コネクタ部52aにおいて、コネクタとパイプを樹脂を用いて一体化して製造してもよい。
【0055】この実施形態によれば、横方向だけでなく上方向から機能モジュールの接続ができるため接続作業が容易になり、また隙間無く機能モジュールを配置できるため小型化が実現できる。
【0056】また、ある機能を集積した個々の機能モジュールで、最適の材料、プロセス、方式を用いることが可能となるため、最適な性能を低コストで実現し、かつこれらの機能モジュールのコネクタ部やインターフェース部を標準化して共通仕様とすることにより、必要なシステムに最適な構成で汎用的に構成することができる。
【0057】次に、図10には、第5の実施形態に係る超小型化学操作装置の概念的な構成例を示し説明する。
【0058】前述した各実施形態のコネクタ部は、側面の接続、若しくは上面の接続について説明したが、本実施形態は図10(a)に示すように、下面からの接続構成である。
【0059】機能モジュール60の下面の端側に標準化(共通化)されたコネクタアレイ部61を形成する。マイクロ流路は、機能モジュール内を水平に進み端側で下方に開口して孔が形成する。そして図10(b)に示すように、このコネクタアレイ部61に嵌合するパイプ形状の複数のコネクタ部62(試料コネクタ62a及び電気コネクタ62b)を設けたコネクタベース部63を作製する。
【0060】図10(c)は、コネクタ部62をプラットフォーム30内に形成した例である。このような構成により、図7に示したようなプラットフォームに機能モジュールを填め込むだけで、所望する化学操作装置を構築することができる。
【0061】以上のことから本実施形態にすれば、各種の機能モジュールを最適な材料、最適なプロセスを用いて、自由な構造に形成できるため、高性能を低コストで実現し、且つこれらの機能モジュールのコネクタ部やインターフェース部を標準化して共通仕様とすることで必要なシステムを最適な構成で汎用的に構成することができる。また、液体と電気的な接続機構をプラットフォームに組み込み、下部から取ることで、モジュールの製造や組立てが容易になり、また最小のサイズが実現可能となる。
【0062】次に、図11には、第6の実施形態に係る超小型化学操作装置の概念的な構成例を示し説明する。
【0063】本実施形態における機能モジュールは、マイクロ流路が図9(b)に示すように、内部を水平に形成された流路が端側で立ち上がり、開口した孔(コネクタ)65が形成される。
【0064】この実施形態では、前述したようなコネクタ部2のような流路及び電気的な接続のためのコネクタ部で接続していない。従って、この孔65への液体の注入と吸引は、ピペット66やそのアレイ67を用いて行われる。
【0065】また、図11(b)は、機能モジュールの孔にピペット66等で液体を注入した際に、注入された液体が安易に溢れ出ないように孔65から立ち上がったパイプ形状のガイド68を形成する。図11(c)に示すガイド68は、真っ直ぐに立ち上がった形状をしており、開口したままであるため、使用しない場合は栓69等でカバーをしておく方が望ましい。また、図11(d)に示すガイド70は、比較的柔らかいシリコンゴムの様な弾性を有する部材を用いて形成して、通常は図示するように開口していないように閉じており、その中にピペット66が挿入すると、閉じている隙間がねじ空けられ、内部へ薬液を注入したり、吸引することができる。
【0066】本実施形態は、前述した各実施形態の作用、効果に加えて、液体の注入と吸引をピペットを用いて行なうことで、装置の製造や組立てが簡素化されると同時に、その機能モジュールを使い捨てにでき、汚染等の問題が無くなる。
【0067】更に、ガイドは、通常は閉じており、ピペットが挿入された時に開口して注入及び、吸引が出来る構造を要していることで、加熱時の液の蒸発等が防ぐことが可能となる。
【0068】更に液体の注入と吸引をピペットを用いて行なうことで、モジュールの製造や組立てが楽になると同時に、そのモジュールを使い捨てにできる。また汚染等の問題が無くなる。
【0069】図12には、第7の実施形態に係る超小型化学操作装置の概念的な構成例を示し説明する。
【0070】前述した第5の実施形態のコネクタベース部63は、マイクロ流路が一条のU字(一層)に形成されていたが、本実施形態では、コネクタベース部にマイクロ流路自体が階層的で分岐も有している流路に形成された例である。
【0071】つまり、コネクタベース部71は、多層に流路72a,72bが流路網として形成され、隣接する次段の機能モジュールをスルーして、離れた機能モジュールに液体を伝搬したり、交換することができる。また、電気信号においても同様に配線が張り巡らされて離れたモジュールへの信号の伝達や交信を行うことができる。また、このような流路や配線の一部は内部だけでなく表面に形成してもよい。図12(b)は、このようなコネクタベース部71に機能モジュール1を取り付けた状態を示している。
【0072】尚、本実施形態では、コネクタベース部を別途作製したが、プラットフォームに、このような多層の流路網や配線網を形成することにより、同等な化学操作装置を構築することができる。また、本発明で扱う流体が化学物質からなる粉体或いは微粒子を含んでもよい。
【0073】以上の実施形態について説明したが、本明細書には以下のような発明も含まれている。
【0074】(1) 液体、ガス、薬液及び試薬に関する合成や分析を行なう超小型化学操作装置システムにおいて、流体若しくは気体の何れかに対して、合成や分析における所定の処理を行う機能を有する機能モジュールを具備し、上記機能モジュールには、少なくとも一側面に、流体若しくは気体を注入・注出するための試料用コネクタと、上記所定の処理に関する電気信号を伝搬するための信号用コネクタとからなり、形状及び配置が他の機能モジュールと連結可能に画一化されたコネクタ部が設けられ、上記コネクタ部により複数連結された上記機能モジュール群により、所望の合成や分析を行なうことを特徴とする超小型化学操作装置。
【0075】(2) 液体、ガス、薬液及び試薬に関する合成や分析を行なう超小型化学操作装置システムにおいて、流体若しくは気体の何れかに対して、合成や分析における所定の処理を行う機能を有し、流体若しくは気体を注入・注出するための試料用コンタクト部と上記所定の処理に関する電気信号を伝搬するための信号用コンタクト部とからなり、形状及び配置が画一化されたコネクタ部が設けられた機能モジュールと、上記機能モジュールのコネクタ部に嵌合して、複数の機能モジュールを連結するコネクタ手段と、を具備し、上記コネクタ手段により所望の合成や分析を行なうように連結したモジュール群を構築することを特徴とする超小型化学操作装置。
【0076】(3) 上記機能モジュール群は、1つのプラットホーム上に構築されることを特徴とする上記(1)項及び上記(2)項に記載の超小型化学操作装置。
【0077】(4) 上記コネクタ手段は、外部信号により開閉制御可能なバルブを具備することを特徴とする上記(2)項に記載の超小型化学操作装置。
【0078】(5) 液体、ガス、薬液及び試薬に関する合成や分析を行なう超小型化学操作装置システムにおいて、流体若しくは気体の何れかに対して、合成や分析における所定の処理を行う機能を有し、上面若しくは下面に、流体若しくは気体を注入・注出するための試料用コンタクト部と上記所定の処理に関する電気信号を伝搬するための信号用コンタクト部とからなり、形状及び配置が画一化されたコネクタ部が設けられた機能モジュールと、上記機能モジュールのコネクタ部に嵌合して他の機能モジュールを積層方向に連結し、上記所定の処理における仲介処理を行う機能を有するインターフェース手段と、を具備し、上記インターフェース手段により所望の合成や分析を行なうように機能モジュールを連結することを特徴とする超小型化学操作装置。
【0079】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、それぞれの用途に好適するように最適な材料を用いて最適な構造及び製造方法で形成された小型の機能モジュールを、標準化され着脱自在に接続するコンタクト部若しくはインターフェイス機能で接続して、任意な構成に構築で且つ、低コストで汎用性を有するように構成された超小型化学操作装置を提供することができる。
【0080】このような超小型化学操作装置により、システムに汎用性を有し、用途に応じて仕様変更が柔軟に実現でき、多品種、少量の分析や生産に対して無駄を発生せずに有効である。さらに、装置が少数生産でもコストの抑制が実現され、搭載した各機能は大型機器と同等の性能を有し、全体のシステムの大きさ及び重量は、従来装置に比べて相当に小型軽量で構築することができる。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【出願日】 平成12年1月6日(2000.1.6)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【公開番号】 特開2001−194373(P2001−194373A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−1031(P2000−1031)