| 【発明の名称】 |
容器搬送処理システム |
| 【発明者】 |
【氏名】田島 秀二
|
| 【要約】 |
【課題】使いやすく、効率的な運用が可能で、大量の容器に対する処理を高速かつ容易に行うことができる容器搬送処理システムを提供する。
【解決手段】プレート状容器11又はチップラックを所定個数載置し環状の経路に沿って正逆両方向に一斉に搬送可能なターンテーブルと、前記ターンテーブルに載置された前記容器もしくはその収容物に対し各種作業を行う複数台の対容器作業装置15と、前記経路によって囲まれた内側領域に設けられ、前記対容器作業装置の前記容器の載置箇所を含む領域内での任意位置間でその把持部を移動可能とするアームを有し容器を個別的に搬送するロボット14と、前記ターンテーブルの搬送、前記対容器作業装置の作業、および前記ロボットの制御を行う制御部とを有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定個数の収容部を有したプレート状容器または所定個数のピペットチップを収容するチップラックを、所定個数搭載して一定の経路に沿って一斉に搬送可能な斉一的搬送手段と、前記経路内の前記容器もしくはその収容物、または、その経路外の前記容器もしくはその収容物に対し各種作業を行う対容器作業装置と、前記斉一的搬送手段の前記経路および前記対容器作業装置の前記容器の載置箇所を含む領域内の任意位置間で、前記容器または前記チップラックを個別的に搬送可能な個別的搬送手段と、前記両搬送手段の搬送、および前記対容器作業装置の作業の制御を行う制御部と、を有していることを特徴とする容器搬送処理システム。 【請求項2】 前記斉一的搬送手段の前記経路は閉じており、その搬送方向は前記経路に沿って正逆両方向に可能であり、前記個別的搬送手段は、前記経路内に囲まれた内側領域に設けられ、前記容器または前記チップラックを把持することが可能な把持部、および前記領域内で、その把持部を移動可能とするアームを有するロボットであることを特徴とする請求項1に記載の容器搬送処理システム。 【請求項3】 前記対容器作業装置は、前記容器または前記チップラックの蓄積、容器への分注、容器へ分注するための試薬の供給、容器での混合または攪拌、容器の収容物の分割、容器の保温、容器の洗浄、容器の収容物に対する測定、または、容器に挿入した液通路の洗浄等の各種作業を行うものであることを特徴とする請求項1記載の容器搬送処理システム。 【請求項4】 前記対容器作業装置の1つは、分注装置であって、他の対容器作業装置は、磁性粒子処理集積装置、測定装置、冷却もしくは加熱用の恒温装置、前記容器もしくは前記チップラックの蓄積装置、試薬供給装置、分離装置、沈殿用装置または容器もしくは液通路洗浄装置の中から選択した1または2以上の装置を有していることを特徴とする請求項1記載の容器搬送処理システム。 【請求項5】 前記ロボットは、前記斉一的搬送手段の内側領域内で、その搬送手段の搬送面に垂直な方向に沿った回転軸および上下動軸をもつことを特徴とする請求項2記載の容器搬送処理システム。 【請求項6】 前記斉一的搬送手段の経路は円環状に形成され、前記ロボットの回転軸は、前記斉一的搬送手段の回転中心と同心に設けられたことを特徴とする請求項5に記載の容器搬送処理システム。 【請求項7】 前記ロボットは、前記斉一的搬送手段の内側領域内で、前記搬送手段の経路方向に沿って移動可能に設けられたことを特徴とする請求項2または請求項5のいずれかに記載の容器搬送処理システム。 【請求項8】 前記分注装置は、内部を流体が通過する複数連の液通路、その液通路に外部から磁場を及ぼしかつ除去する磁力部、およびその液通路内の圧力を制御して流体の吸引および吐出を行う圧力制御部を有している分注機と、その分注機または前記液通路と容器との間を相対的に移動させる移動部とを有していることを特徴とする請求項4記載の容器搬送処理システム。 【請求項9】 前記磁性粒子処理集積装置は、内部を流体が通過するマトリクス状に配列された複数の液通路、その液通路に外部から磁場を及ぼしかつ除去する磁力部、およびその液通路内の圧力を制御して流体の吸引および吐出を行う圧力制御部を有していることを特徴とする請求項4に記載の容器搬送処理システム。 【請求項10】 前記磁力部は、各液通路の外部近傍において静止状態のままで各ノズル内へ磁力を及ぼしかつ除去することが可能であることを特徴とする請求項9に記載の容器搬送処理システム。 【請求項11】 前記磁力部は、各液通路の外側面に接触もしくは近接して設置した液通路外部材を磁化および消磁可能とすることによって、各液通路外部近傍において静止状態のままで各液通路内へ磁力を及ぼしかつ除去することが可能であることを特徴とする請求項10に記載の容器搬送処理システム。 【請求項12】 前記磁力部は、各液通路が挿通する複数の挿通部を設けた磁性体で形成された磁性体部材を有し、前記液通路外部材は、その挿通部の壁部であることを特徴とする請求項11に記載の容器搬送処理システム。 【請求項13】 前記液通路外部材は分割された分割部分からなり、各分割部分は磁化によって相互に反対の極性をもつように離間させたことを特徴とする請求項11に記載の容器搬送処理システム。 【請求項14】 前記分注装置または前記磁性粒子処理集積装置において、前記分注装置または前記磁性粒子処理集積装置の全液通路の下端の下方の領域に対し、全液通路から漏れる液を受けるための受け板を挿抜可能に設けたことを特徴とする請求項4記載の容器搬送処理システム。 【請求項15】 前記容器または前記チップラックを蓄積する装置は、上下方向に積層して容器またはチップラックを収容するとともに、軸対称に配列された複数の収容部と、その対称軸線位置に設けられた回転軸と、その回転軸を中心にして回転させる回転機構と、その収容部に収容された容器またはチップラックの個数に基づいて前記収容部を上下方向に移動する移動機構とを有することを特徴とする請求項4に記載の容器搬送処理システム。 【請求項16】 前記容器を洗浄する装置は、容器の各収容部に挿入可能な複数の液通路と、その液通路を昇降させる昇降機構と、液体を吸引しかつ吐出する吸引吐出機構とを有しているとともに、その液通路は、内側液通路と外側液通路とを具備し、その外側通過路はその内側通過路を貫通し、下端においてその外側通過路よりもやや突出して設けられるとともに、前記吸引吐出機構は、その内側通過路から洗浄液を吐出または吸引させ、外側液通路から洗浄液を吸引または吐出するように制御されたことを特徴とする請求項4に記載の容器搬送処理システム。 【請求項17】 前記恒温装置は、容器を載置する熱伝導性材で形成された載置部と、その載置部の下方に設けられ、所定方向の電流によって駆動されるペルチェ素子と、そのペルチェ素子の下方に設けられたフィンと、そのフィンの下方に設けられたファンとを有するとともに、前記載置部、ペルチェ素子、およびフィンは、断熱性材で形成され上端および下端に開口部をもつ収容部に収容されるとともに、前記ファンは、その収容部の下端の開口部に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の容器搬送処理システム。 【請求項18】 前記試薬供給装置は、透光性または半透光性の材料で形成され試薬を収容する複数の試薬槽と、その試薬槽に試薬を供給するために、試薬源と連通し、先端がその試薬槽に着脱自在に挿入されたパイプ群と、試薬槽に設けられたフロートと、その試薬槽外に設けられ、その試薬槽に向けて光を照射する発光部と、その試薬槽外に設けられその試薬槽からの光を受光可能な受光部とを有していることを特徴とする請求項4に記載の容器搬送処理システム。 【請求項19】 分注装置において、前記分注装置の全液通路の下方の領域に対し、全液通路から漏れる液を受けるための受け板を挿抜可能に設けたことを特徴とする分注装置。 【請求項20】 磁性粒子処理集積装置において、前記磁性粒子処理集積装置の全液通路の下方の領域に対し、全液通路から漏れる液を受けるための受け板を挿抜可能に設けたことを特徴とする磁性粒子集積化装置。 【請求項21】 容器またはチップラックを蓄積する装置は、上下方向に積層して前記容器または前記チップラックを収容するとともに、軸対称に配列された複数の収容部と、その対称軸線位置に設けられた回転軸と、その回転軸を中心にして回転させる回転機構と、その収容部に収容された容器またはチップラックの個数に基づいて前記収容部を上下方向に移動する移動機構とを有することを特徴とする容器等蓄積装置。 【請求項22】 容器の各収容部に挿入可能な複数の液通路と、その液通路を昇降する昇降機構と、液体を吸引しかつ吐出する吸引吐出機構とを有しているとともに、その液通路は、内側液通路と外側液通路とを具備し、その外側通過路はその内側通過路を貫通し、下端においてその外側通過路よりもやや突出して設けられるとともに、前記吸引吐出機構は、その内側通過路から洗浄液を吐出させ、外側液通路から洗浄液を吸引するように制御されたことを特徴とする容器洗浄装置。 【請求項23】 容器を載置する熱伝導性材で形成された載置部と、その載置部の下方に設けられ、所定方向の電流によって駆動されるペルチェ素子と、そのペルチェ素子の下方に設けられたフィンと、そのフィンの下方に設けられたファンとを有するとともに、前記載置部、ペルチェ素子、およびフィンは、断熱性材で形成されるとともに、上端および下端に開口部をもつ収容部に収容されるとともに、前記ファンは、その収容部の下端の開口部に取り付けられていることを特徴とする恒温装置。 【請求項24】 透光性または半透光性の部材で形成された試薬を収容する複数の試薬槽と、その試薬槽に試薬を供給するために、試薬源と連通し、先端がその試薬槽に着脱自在に挿入されたパイプ群と、試薬槽に設けられたフロートと、その試薬槽外に設けられ、その試薬槽に向けて光を照射する発光部と、その試薬槽を介して前記発光部と対向し、その試薬槽外に設けられた受光部とを有していることを特徴とする試薬供給装置。 【請求項25】 マトリクス状に配列された所定個数の収容部を有したプレート状容器または所定個数のピペットチップを収容するチップラックを所定個数載置し環状の経路に沿って正逆両方向に一斉に搬送可能なターンテーブルと、前記ターンテーブルの前記経路の外側領域に経路方向に沿って配置され、前記ターンテーブルに載置された前記容器もしくはその収容物、または、そのターンテーブル外の所定位置に載置された容器もしくはその収容物に対し各種作業を行う複数台の対容器作業装置と、前記経路によって囲まれた内側領域に設けられ、前記容器または前記チップラックを把持することが可能な把持部、および、その把持部と連結するとともに、前記ターンテーブルおよび前記対容器作業装置の前記容器の載置箇所を含む領域内での任意位置間でその把持部を移動可能とするアームを有し容器を個別的に搬送するロボットと、前記ターンテーブルの搬送、前記対容器作業装置の作業、および前記ロボットの制御を行う制御部と、を有しているとともに、複数台の前記対容器作業装置は、分注装置、磁性粒子処理集積装置、冷却もしくは加熱用の恒温装置、前記容器もしくは前記チップラックの蓄積装置、試薬供給装置、容器洗浄装置、ノズル・チップ洗浄装置および前記容器内の収容物の測定装置であることを特徴とする容器搬送処理システム。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は容器搬送処理システムに関する。本発明は、種々の化学的な反応処理が要求される分野、例えば、工学分野、食品、農産、水産加工等の農学分野、薬学分野、衛生、保健、免疫、疾病、遺伝等の医学分野、化学もしくは生物学等の理学等の分野等のあらゆる分野に関係するものである。本発明は、特に、DNA、免疫、化学反応等の処理を効率的かつ高速に行うために、所定個数の収容部を有したプレート状容器を載置し、搬送することによって、高い処理能力(High-throughput)をもつ容器搬送処理システムに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、図12に示すように、多数の容器をライン状に沿ってロボットのみを用いて搬送しながら、その容器に対する処理を行う容器処理装置200があった。この装置200は、同図に示すように、プレート状容器11を載置するライン状載置部201と、その載置部201に沿って移動可能であって、その載置部201に載置された容器11を把持して、その載置部201の長手方向に沿ってその載置部201内に且つその長手方向に直交してその載置部201外に容器11を搬送可能なロボット202と、その載置部201の長手方向に沿って配置され、前記容器に対し、各種作業を行う複数台の各種作業装置203、204、205、206、207、208、209とを有している。 【0003】前記ロボット202は、前記載置部201の長手方向に沿って敷設されたレール210上を移動する移動部211と、極座標型のアーム212と、そのアーム212に連結した前記把持部213とを有している。符号204は、プレート状容器を蓄積するプレート・スタッカであり、符号205、206は、分注機であり、符号207はサーマル・サイクラーであり、符号208は分注機であり、符号209はプレート・リーダである。 【0004】また、従来、任意位置間の容器移送が可能なようなロボットを用いずに、多数の容器を載置して一斉にライン状に一方向に搬送する搬送手段と、その搬送手段の経路に沿って各種作業装置を配列した処理装置(図示せず)があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、以上説明した従来例に係る処理装置の内、前者の装置にあっては、1台のロボットは一度に1個の容器しか個別的に移送することしかできない。そのために、ロボットが、ある作業装置への容器の移送を行っている間は、他の容器の移送処理を行うことができないので、各種作業装置の処理能力がいくら高くても、装置全体としての処理能力または処理速度はロボットの移送能力によって規制されてしまい、全体として作業を高速にまたは効率的に行うことができないという問題点を有していた。 【0006】一方、ロボットを用いずに、ライン状に設けた搬送手段により容器を一斉に搬送し、その搬送手段に沿って各種作業装置を配列した装置にあっては、容器は一方向にのみ搬送されるものであるため、一旦、各種作業装置を通過してしまうと、戻ってこれない構造であるため、各種作業装置への移行処理が完了するまでは先に進まないような構成をとる必要があった。 【0007】また、各容器の搬送は一斉に行われるのに対し、各種作業に必要な時間は一般には様々である。したがって、一斉に搬送するやりかたでは、搬送は各作業に同期して行われる必要があり、最も時間がかかる作業に規制されてしまい、全体として作業を高速または効率的に行うことができないという問題点を有していた。特に、処理内に、他の作業に比べて、インキュベーション等の圧倒的に長い時間を必要とする作業がある場合には、その場所でラインが停滞し、無駄な待ち時間が増え処理能力に大きく影響する可能性があった。さらに、一旦、故障等の事故が生ずると、それ以降の処理が不可能となり全体の動作が停止し、信頼性に欠けるという問題点を有していた。 【0008】また、両者の装置とも、処理の状況によっては、作業時間が一定ではなく変化するので、処理計画の時間を確定することができず、自動化の制御がしにくいという問題点を有していた。さらに、両者の装置とも、全処理時間は各処理位置での処理時間が加算されたものとなり処理能力は処理量が増えるにつれて加速度的に低下するという問題点を有していた。 【0009】従って、両者の装置とも、連続一貫した工程を、対応不能が許されない完全な処理、およびラインからの出し入れタイミングを考慮した搬送管理が必要となり、非常に複雑なソフトおよびハードが要求されるという問題点を有していた。 【0010】そこで、本発明は以上の技術的課題を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、大量かつ定まった経路に沿った画一的、斉一的または定期的な搬送と、個別的、任意的または不定期的な搬送と、経路内または経路外での作業の自由な選択とをうまく組み合わせることによって、全体として構造および制御を簡単化し、製造や使用に手間やコストがかからず、使いやすく、効率的な運用が可能な容器搬送処理システムを提供することである。 【0011】第2の目的は、大量かつ定まった経路に沿った画一的、斉一的または定期的な搬送と、個別的、任意的または不定期的な搬送と、経路内または経路外での作業の自由な選択とをうまく組み合わせることによって、各作業が、他の作業の量や作業時間によって相互に受ける影響を小さくし、時間的に予測可能で制御し易く、扱い易い容器搬送処理システムを提供することである。 【0012】第3の目的は、大量かつ定まった経路に沿った画一的、斉一的または定期的な搬送と、個別的、任意的または不定期的な搬送と、経路内または経路外での作業の自由な選択とをうまく組み合わせることによって、万一、故障等の事故が発生した場合に、その影響を最小限に抑え、発生した事故に対して直ちに対処することができるとともに、作業を確実にこなすことができる信頼性の高い容器搬送処理システムを提供することである。 【0013】第4の目的は、大量かつ定まった経路に沿った画一的、斉一的または定期的な搬送と、個別的、任意的または不定期的な搬送と、経路内または経路外での作業の自由な選択とをうまく組み合わせることによって、基本的な構造上の変更を行うことなく、処理装置を容易に増加等の変更ができる、柔軟性、拡張性および汎用性のある容器搬送処理システムを提供することである。 【0014】第5の目的は、大量かつ定まった経路に沿った画一的、斉一的または定期的な搬送と、個別的、任意的または不定期的な搬送と、経路内または経路外での作業の自由な選択とをうまく組み合わせることによって、対象物について、種々のやり方で処理を行うことができ、かつ、種々の処理を可能とする多様性のある容器搬送処理システムを提供することである。 【0015】第6の目的は、大量かつ定まった経路に沿った画一的、斉一的または定期的な搬送と、個別的、任意的または不定期的な搬送と、経路内または経路外での作業の自由な選択とをうまく組み合わせることによって、大量の処理を高速かつ容易に行うことができる容器搬送処理システムを提供することである。 【0016】 【課題を解決するための手段】以上の技術的課題を解決するために、第一の発明は、所定個数の収容部を有したプレート状容器または所定個数のピペットチップを収容するチップラックを、所定個数搭載して一定の経路に沿って一斉に搬送可能な斉一的搬送手段と、前記経路内の前記容器もしくはその収容物、または、その経路外の前記容器もしくはその収容物に対し各種作業を行う対容器作業装置と、前記斉一的搬送手段の経路および前記対容器作業装置の前記容器の載置箇所を含む領域内の任意位置間で、前記容器または前記チップラックを個別的に搬送可能な個別的搬送手段と、前記両搬送手段の搬送、および前記対容器作業装置の作業の制御を行う制御部と、を有している容器搬送処理システムである。 【0017】ここで、「所定個数の収容部を有しているプレート状容器」とは、例えば、48個、96個、384個等の収容部(ウェル)をもつ容器である。収容部がマトリクス状に配列されているものはマイクロプレートとよばれるものである。また、「所定個数のピペットチップを収容するチップラック」は、対容器作業装置が装着しまたは脱着して使用するピペットチップを収容するものであって、その個数および配列はその対容器作業装置のノズルの個数および配列に依存している。チップラックの搬送は、前記対容器作業装置として、着脱可能なピペットチップを用いる型の分注装置や磁性粒子処理集積装置が含まれる場合に必要となるものであり、分注装置や磁性粒子処理集積装置がノズル洗浄再利用型の場合には必要のないものである。「所定個数搭載して」は、容器やチップラックの大きさ、経路の長さ、処理可能な個数や、搬送速度等に応じて任意に定められる。 【0018】また、「対容器作業装置」は、容器搬送処理システムに行わせる処理の内容に応じて適当に選択されるものである。例えば、DNA抽出の場合には、8連、12連、96連の分注装置(サンプルや試薬の分注、攪拌、他容器への吸引移送吐出可能であって、ディスポチップ型または洗浄再利用型がある)、試薬槽、恒温装置(例えば、0°C〜96°Cの複数の条件で設定可能)、発光測定機(化学発光、収光度、蛍光等のプレートリーダ)等である。免疫測定の場合には、さらに、洗浄器等の追加が必要となる。 【0019】DNA機能解析等には多量の容器やピペットチップが必要となり、上記装置の他に、反応プレートやチップラック等の蓄積装置、多量の容器や分注チップを多量に自動供給するユニット、PCRサーマルサーキュラー装置、PCR産物精製装置、シーケンス産物生成装置が必要となる。また、磁性粒子を用いる場合には、磁性粒子処理集積装置を加えて、プレート状容器内の磁性粒子を一括して攪拌、洗浄、分離、移送することができる。「磁性粒子処理集積装置」は、前記容器の収容部と同様に、マトリクス状に配列された、液体の吸引および吐出を行うノズルとそのノズルに着脱可能に装着されるチップを有し、そのチップ内に磁場を及ぼしかつ除去することが可能な磁力部を有するものである。前記制御部による前記斉一的搬送手段および個別的搬送手段の「搬送」の制御には、停止、搬送速度、搬送および停止時間、搬送周期、搬送や停止のタイミング、搬送および停止の位置等の指示および制御をも含む。 【0020】本発明によれば、斉一的搬送手段を用いて、大量の容器を一斉に各種対容器作業装置間を移送することができることが可能であるのみならず、個別的搬送手段を用いて作業の内容や作業の状況に応じて、個別的に容器を任意の位置に搬送することができる。したがって、斉一的搬送手段によって設定されている多数の容器に関する定まった搬送順序や搬送時間の全体に影響を与えることなく、個々の容器についての作業内容に応じて、または発生した事故、故障または特殊事情等の種々の状況に応じて変更する必要がある場合等に個別的に臨機応変に対応して、きめ細かい、効率の良いかつ信頼性の高い確実な処理を行うことができる。 【0021】例えば、インキュベーション等の時間のかかる作業については、前記斉一的搬送手段による搬送経路上では行わずに、その搬送経路外で行うようにして、経路内の任意の位置にある容器と前記作業を行う対容器作業装置の載置位置との間での容器の搬送を前記個別的搬送手段によって行うようにする。これによって、他の作業が前記インキュベーション等の作業によって規制されることがないので、作業効率を高めることができる。 【0022】また、事故によって、作業が遅延するような容器については、経路外に搬送し、他の容器については、斉一的搬送手段により一斉に搬送させて他の作業を優先して行うようにして少数の容器の作業の遅延によって、大多数の容器の作業の妨げを防止して効率の良い処理を行うことができる。 【0023】また、本発明によれば、前記個別的搬送手段は、前記斉一的搬送手段の経路等を含む領域全体について任意の位置間での搬送を可能としているので、一定の位置間の搬送のみを行うような特殊な搬送手段を多数設ける必要がないので、構造の簡単化や作業空間の削減に寄与することができる。 【0024】第二の発明は、第一の発明において、前記斉一的搬送手段の経路は閉じており、前記搬送方向は前記経路に沿って正逆両方向に可能であり、前記個別的搬送手段は、前記経路内に囲まれた内側領域に設けられ、前記容器または前記チップラックを把持することが可能な把持部、および前記領域内で、その把持部を移動可能とするアームを有するロボットである。 【0025】ここで、「閉じた経路」としては、例えば、円環状またはドーナツ状に形成された経路である。経路が環状の斉一的搬送手段を特にターンテーブルという。また、前記ロボットのアームは、例えば、極座標型または1以上の関節を有している多関節型である。また、前記把持部は、例えば、略水平方向に取り付けられた板状部材と、その板状部材の下側に設けられ、前記容器を両側から挟んで把持する挟持要素とを有するように構成される。 【0026】第三の発明は、第一の発明において、前記対容器作業装置は、前記容器または前記チップラックの蓄積、容器への分注、容器へ分注するための試薬の供給、容器での混合または攪拌、容器の収容物の分割、容器の保温、容器の洗浄、容器の収容物に対する測定、または、容器に挿入した液通路の洗浄等の各種作業を行うものである。 【0027】第四の発明は、第一の発明において、前記対容器作業装置の1つは、分注装置であって、他の対容器作業装置は、磁性粒子処理集積装置、測定装置、冷却もしくは加熱用の恒温装置、前記容器もしくは前記チップラックの蓄積装置、試薬供給装置、分離装置、沈殿用装置または容器もしくは液通路洗浄装置の中から選択した1または2以上の装置を有しているものである。 【0028】第五の発明は、第二の発明において、前記ロボットは、前記斉一的搬送手段の内側領域内で、その搬送手段の搬送面に垂直な方向に沿った回転軸および上下動軸をもつものである。 【0029】第六の発明は、第五の発明において、前記斉一的搬送手段の経路は円環状に形成され、前記ロボットの回転軸は、前記斉一的搬送手段の回転中心と同心に設けられたものである。 【0030】第七の発明は、第二の発明または第五の発明のいずれかにおいて、前記ロボットは、前記斉一的搬送手段の内側領域内で、前記斉一的搬送手段の経路方向に沿って移動可能に設けられたものである。ここで、本発明は、第六の発明と異なり、斉一的搬送手段の経路がより長い場合であって、扱う容器の数が多い場合に適している。 【0031】第八の発明は、第四の発明において、前記分注装置は、内部を流体が通過する複数連の液通路、その液通路に外部から磁場を及ぼしかつ除去する磁力部、およびその液通路内の圧力を制御して流体の吸引および吐出を行う圧力制御部を有している分注機と、その分注機または前記液通路と容器との間を相対的に移動させる移動部とを有しているものである。 【0032】第九の発明は、第四の発明において、前記磁性粒子処理集積装置は、内部を流体が通過するマトリクス状に配列された複数の液通路、その液通路に外部から磁場を及ぼしかつ除去する磁力部、およびその液通路内の圧力を制御して流体の吸引および吐出を行う圧力制御部を有しているものである。 【0033】第十の発明は、第九の発明において、前記磁力部は、各液通路の外部近傍において静止状態のままで各ノズル内へ磁力を及ぼしかつ除去することが可能である。 【0034】第十一の発明は、第十の発明において、前記磁力部は、各液通路の外側面に接触もしくは近接して設置した液通路外部材を磁化および消磁可能とすることによって、各液通路外部近傍において静止状態のままで各液通路内へ磁力を及ぼしかつ除去することが可能であるものである。 【0035】第十二の発明は、第十一の発明において、前記磁力部は、各液通路が挿通する複数の挿通部を設けた磁性体で形成された磁性体部材を有し、前記液通路外部材は、その挿通部の壁部である。 【0036】第十三の発明は、第十一の発明において、前記液通路外部材は分割された分割部分からなり、各分割部分は磁化によって相互に反対の極性をもつように離間させたものである。 【0037】第十四の発明は、第四の発明において、前記分注装置または前記磁性粒子処理集積装置において、 前記分注装置または前記磁性粒子処理集積装置の全液通路の下端の下方の領域に対し、全液通路から漏れる液を受けるための受け板を挿抜可能に設けたものである。 【0038】第十五の発明は、第四の発明において、前記容器または前記チップラックを蓄積する装置は、上下方向に積層して容器またはチップラックを収容するとともに、軸対称に配列された複数の収容部と、その対称軸線位置に設けられた回転軸と、その回転軸を中心にして回転させる回転機構と、その収容部に収容された容器またはチップラックの個数に基づいて前記収容部を上下方向に移動する移動機構とを有するものである。 【0039】第十六の発明は、第四の発明において、前記容器を洗浄する装置は、容器の各収容部に挿入可能な複数の液通路と、その液通路を昇降させる昇降機構と、液体を吸引しかつ吐出する吸引吐出機構とを有しているとともに、その液通路は、内側液通路と外側液通路とを具備し、その外側通過路はその内側通過路を貫通し、下端においてその外側通過路よりもやや突出して設けられるとともに、前記吸引吐出機構は、その内側通過路から洗浄液を吐出または吸引させ、外側液通路から洗浄液を吸引または吐出するように制御されたものである。 【0040】第十七の発明は、第四の発明において、前記恒温装置は、容器を載置する熱伝導性材で形成された載置部と、その載置部の下方に設けられ、所定方向の電流によって駆動されるペルチェ素子と、そのペルチェ素子の下方に設けられたフィンと、そのフィンの下方に設けられたファンとを有するとともに、前記載置部、ペルチェ素子、およびフィンは、断熱性材で形成され上端および下端に開口部をもつ収容部に収容されるとともに、前記ファンは、その収容部の下端の開口部に取り付けられているものである。 【0041】第十八の発明は、第四の発明において、前記試薬供給装置は、透光性または半透光性の材料で形成され試薬を収容する複数の試薬槽と、その試薬槽に試薬を供給するために、試薬源と連通し、先端がその試薬槽に着脱自在に挿入されたパイプ群と、試薬槽に設けられたフロートと、その試薬槽外に設けられ、その試薬槽に向けて光を照射する発光部と、その試薬槽外に設けられその試薬槽からの光を受光可能な受光部とを有しているものである。 【0042】第十九の発明は、分注装置の全液通路の下方の領域に対し、全液通路から漏れる液を受けるための受け板を挿抜可能に設けた分注装置である。 【0043】第二十の発明は、磁性粒子処理集積装置の全液通路の下方の領域に対し、全液通路から漏れる液を受けるための受け板を挿抜可能に設けた磁性粒子処理集積装置である。 【0044】第二十一の発明は、前記容器または前記チップラックを蓄積する装置は、上下方向に積層して容器またはチップラックを収容するとともに、軸対称に配列された複数の収容部と、その対称軸線位置に設けられた回転軸と、その回転軸を中心にして回転させる回転機構と、その収容部に収容された容器またはチップラックの個数に基づいて前記収容部を上下方向に移動する移動機構とを有する容器蓄積装置である。 【0045】第二十二の発明は、容器の各収容部に挿入可能な複数の液通路と、その液通路を昇降させる昇降機構と、液体を吸引しかつ吐出する吸引吐出機構とを有しているとともに、その液通路は、内側液通路と外側液通路とを具備し、その外側通過路はその内側通過路を貫通し、下端においてその外側通過路よりもやや突出して設けられるとともに、前記吸引吐出機構は、その内側通過路から洗浄液を吐出させ、外側液通路から洗浄液を吸引するように制御された容器洗浄装置である。 【0046】第二十三の発明は、容器を載置する熱伝導性材で形成された載置部と、その載置部の下方に設けられ、所定方向の電流によって駆動されるペルチェ素子と、そのペルチェ素子の下方に設けられたフィンと、そのフィンの下方に設けられたファンとを有するとともに、前記載置部、ペルチェ素子、およびフィンは、断熱性材で形成されるとともに、上端および下端に開口部をもつ収容部に収容されるとともに、前記ファンは、その収容部の下端の開口部に取り付けられている恒温装置である。 【0047】第二十四の発明は、透光性または半透光性の部材で形成された試薬を収容する複数の試薬槽と、その試薬槽に試薬を供給するために、試薬源と連通し、先端がその試薬槽に着脱自在に挿入されたパイプ群と、試薬槽に設けられたフロートと、その試薬槽外に設けられ、その試薬槽に向けて光を照射する発光部と、その試薬槽を介して前記発光部と対向し、その試薬槽外に設けられた受光部とを有している試薬供給装置である。 【0048】第二十五の発明は、マトリクス状に配列された所定個数の収容部を有したプレート状容器または所定個数のピペットチップを収容するチップラックを所定個数載置し環状の経路に沿って正逆両方向に一斉に搬送可能なターンテーブルと、前記ターンテーブルの前記経路の外側領域に経路方向に沿って配置され、前記ターンテーブルに載置された前記容器もしくはその収容物、または、そのターンテーブル外の所定位置に載置された容器もしくはその収容物に対し各種作業を行う複数台の対容器作業装置と、前記経路によって囲まれた内側領域に設けられ、前記容器または前記チップラックを把持することが可能な把持部、および、その把持部と連結するとともに、前記ターンテーブルおよび前記対容器作業装置の前記容器の載置箇所を含む領域内での任意位置間でその把持部を移動可能とするアームを有し容器を個別的に搬送するロボットと、前記ターンテーブルの搬送、前記対容器作業装置の作業、および前記ロボットの制御を行う制御部と、を有しているとともに、複数台の前記対容器作業装置は、分注装置、磁性粒子処理集積装置、冷却もしくは加熱用の恒温装置、前記容器もしくは前記チップラックの蓄積装置、試薬供給装置、容器洗浄装置、ノズル・チップ洗浄装置および前記容器内の収容物の測定装置である。ここで、「チップラック」には、前記磁性粒子処理集積装置に対応してマトリクス状にチップを配列するもの、または前記分注装置に対応して、そのノズル数に相当する個数のチップを配列するものがある。「容器内の収容物」には、例えば、DNA等の遺伝物質、蛋白質等の生体高分子、または細胞、細菌等の微生物、生物の生体組織等を含む。 【0049】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に係る容器搬送処理システムについて、図面に基づいて説明する。なお、この実施の形態は特に指定のない限り本発明を制限するものではない。 【0050】図1は、本実施の形態に係る容器搬送処理システム10の原理を示すものである。同図に示すように、その容器搬送処理システム10は、マトリクス状に配列された例えば96個(8×12)の収容部を有したプレート状容器11または同様に配列されたピペットチップを収容したチップラックを搬送するために、例えば、最大12個載置して閉じた円環状の閉じた経路に沿って正逆両方向に回転可能に設けられて、その容器を一斉に搬送する斉一的搬送手段としてのターンテーブル12を有している。例えば、前記容器11の収容部の内底は、丸底となるように形成して、チップが挿入された際に、チップが底に接触したままで吸引または吐出を可能とするように形成する。 【0051】そのターンテーブル12のその経路の外側領域には、ベーステーブル13が設けられ、そのターンテーブル12の内側領域内には、そのターンテーブル12の回転中心と同心に設けられた回転軸を具備し、少なくとも±360°回転可能に設けられるとともに、前記容器11または前記チップラックの1個ずつを個別に搬送するロボット14を有している。 【0052】なお、この容器搬送処理システム10には、使用者によって処理または作業内容を入力しまたは指示するためのキーボード、マウス、タッチパネル、フロッピーディスドライバ、通信装置等の入力部、および、CRT、液晶等の表示部、印刷手段または通信手段、フロッピーディスクドライバ等からなる出力部からなる操作装置(図示せず)と、指示内容等を解析して、前記ターンテーブル等に制御の指示を行うCPU等からなる制御部(図示せず)とが設けられている。 【0053】前記ベーステーブル13を含む前記ターンテーブル12の外側領域には、ターンテーブル12の外周に沿って各種作業を行う複数台の対容器作業装置151 〜158 が配置されている。 【0054】前記ロボット14は、前記ターンテーブル12および前記対容器作業装置151 〜158 の前記容器の載置箇所を含む領域内における任意の位置間で前記プレート状容器11またはチップラック37の搬送を可能とするものである。そのロボット14は、前記容器11またはチップラックを把持することが可能な把持部であるハンド部16と、そのハンド部16と連結するとともに、前記ターンテーブル12および前記対容器作業装置151 〜158 の前記容器11またはチップラックの載置箇所を含む領域内でそのハンド部16を移動可能とするアーム部24とを有している。 【0055】そのアーム部24は、そのハンド部16と連結部17を介して回転可能に連結する第1のアーム18と、その第1のアーム18と関節部20を介して回転可能に連結する第2のアーム19と、その第2のアーム19と関節部22を介して回転可能に連結する基部21とを有した多関節型ロボットである。そのロボット14の基部21は、前記ターンテーブル12の回転中心と同心の回転軸23を有している。なお、前記アーム部24は、前記各対容器作業装置151 〜158 との衝突が生じないように制御されるものとする。 【0056】図2は、前記容器搬送処理システム10の全体をより詳細に示したものである。図2(a)に示すように、前記対容器作業装置151 〜158 は、例えば、前記搬送経路外で前記容器11やチップラック37を蓄積する蓄積装置151 、前記搬送経路外で前記容器11を加熱もしくは冷却する恒温装置152 〜155 、前記搬送経路外で前記容器11の各収容部を洗浄する容器洗浄装置156 、前記搬送経路内にある容器11に収容した磁性粒子を含む懸濁液について種々の処理を行いまたチップラック37からピペットチップを装着しまたは脱着する磁性粒子処理集積装置157 、前記搬送経路外で前記容器11に対して分注等を行う複数連の分注装置158 、および搬送経路外で前記容器11に対して各種の試薬を供給する試薬供給装置である。 【0057】その容器搬送処理システム10が処理しようとする前記各容器11は、各容器11毎に4個の留め具11aを、その容器11の各角に設けることによって前記ターンテーブル12上に位置がずれないように固定されている。 【0058】前記ロボット14の把持部16は、図2(b)に示すように、L字状部材16aと、そのL字状部材16aの下側に設けられた挟持部16bと、その挟持部16bを駆動するモータ16cとが連結部17を介して前記アーム部18に連結している。 【0059】前記ターンテーブル12は、モータ25によって、タイミングベルト26を介して回転駆動される。また、ターンテーブル12とベーステーブル13との間は、軸受27が設けられている。 【0060】そのターンテーブル12、ベーステーブル13、ロボット14、および、容器蓄積装置151 を除く対容器作業装置152 〜158 は、密閉された収納室30内に収納されている。これによって、処理物質への外部からの影響や、人体や環境に悪影響を与えるおそれがある物質の外気への拡散を防止することができる。また、その収納室30には、開閉自在のドア31を設けるとともに、その収納室30には、その容器搬送処理システム10の処理結果や、処理の様子、処理の設定等の表示を行う表示装置32が設けられている。また、収納室30には、その内部に溜まった気体を排気するためにフィルタ付きの排気孔(図示せず)を設けるようにしても良い。 【0061】図2(b)において、ターンテーブル12およびベーステーブル13の下方には、前記分注装置158 が分注する試薬を収容した試薬供給装置部33に供給する試薬を貯溜する試薬ボトル34と、前記洗浄装置156 に供給する洗浄液を貯溜したボトル35と、洗浄装置156 等に空気を供給するブロワー(送風機)36が設けられている。 【0062】前記容器蓄積装置151 は、プレート状容器11およびチップラック37を蓄積して軸対称に配列して各々収容する収容部38、39を有する。また、その対称軸線位置には、回転軸40と、その回転軸40を中心として前記各収容部60を回転させるモータ41と、各収容部38、39を上下方向に移動させるモータ42とが設けられている。符号43は軸受である。なお、外容器蓄積装置151および前記収容室30には、各々キャスタ43、45と脚部44、46を設けて移動可能としても良い。 【0063】続いて、本実施の形態に係る他の前記各対容器作業装置152 〜158 について図に基づいて説明する。最初に前記磁性粒子処理集積装置157 について、図3に基づいて説明する。 【0064】本磁性粒子処理集積装置157 は、マトリクス状に配列された8行×12列のピペットチップ50(12列分のみを図示)と、そのチップ50が着脱可能に挿着されるノズル51(8行×12列分あるが簡単のために1本分のみを図示)と、そのノズル51と連通したシリンダ52(8行×12列分あるが簡単のために1本分のみを図示)と、その各シリンダ52内に上下動可能に収容されたマトリクス状に配列されたピストン53(8行×12列分あるが簡単のために1本分のみを図示)とを具備している。このピストン53はその上方で移動体54に取り付けられている。移動体54はガイド部55を介して上下方向に敷設されたレール56に沿ってシリンジ基板57に対して摺動可能に設けられている。 【0065】その移動体54はボールねじ58の下端と回転可能に連結し、そのボールねじ58はナット部59と螺合している。そのナット部59は、モータ60によりタイミングベルト61を介して回転駆動される。前記モータ60、前記シリンダ52、ノズル51およびピペットチップ50は前記シリンジ基板57に固定されていることになる。 【0066】そのシリンジ基板57およびそれに固定されているノズル51、シリンダ52、ピペットチップ50は、上下動機構部62によって上下動される。上下動機構部62は、前記シリンジ基板57に固定して設けられたガイド部63を案内するためのレール64と、シリンジ基板57のガイド部63と連結したナット部65と、そのナット部65と螺合するボールねじ66と、そのボールねじ66をカップリング67を介して回転駆動して前記ナット部65を上下動させるモータ68とを有している。なお、ボールねじ66の下端は、回転可能に軸受64により軸支されている。 【0067】また、その上下動機構部62は、前記ターンテーブル12の半径方向に沿って設けられたレール台70によって、半径方向に対して移動可能に支持され、そのレール台70は、支持台71によって、前記ベーステーブル13に固定されている。 【0068】その上下動機構部62の下側には、前記ピペットチップ50から漏れた液を受けるための受け板72が、図上の前記チップ50の下方の領域に対し挿抜可能に設けられている。符号73は、その受け板72を挿抜するために移動させるモータである。その受け板72は可撓性材料で形成され、後退位置では図3(b)の曲面74に沿って屈曲する。 【0069】前記上下動機構部62の下端であって、前記受け板72の下方には、磁力部75が設けられている。磁力部75は、前記上下動機構部62の下端に対して、ガイド部76およびそのガイド部76を案内するレール77を介して図上、左右方向に位置調節可能となるようにして磁場源78およびその磁場源78と磁気的に接続するとともに、マトリクス状に配列された前記チップ50が挿通可能な多数の挿通部を有する磁性体79とを有している。 【0070】図3中、符号80はチップまたはノズルの洗浄装置であり、符号81は、チップを脱着して廃棄するための開口である。また、符号82は、前記上下動機構部62を含む部分を、ターンテーブル12の半径方向に移動させるためのモータであり、符号83は、上下動機構部62を含む部分をレール台70に摺動可能に支えるための支持部である。 【0071】続いて、図4に基づいて、前記分注装置158 について説明する。その分注装置158 は、複数連、例えば、8連のノズルを具えている。その分注装置158 は、容器11の各収容部に挿入可能な先端部をもつチップ85と、そのチップ85が着脱自在に挿着可能なノズル付シリンダ86と、そのシリンダ86内に摺動可能に収容されて上下動することによって吸引吐出を行うピストン87と、そのピストン87と連結したナット部88と、そのナット部88と螺合するボールねじ89と、そのボールねじ89を回転駆動するモータ90とを有している。 【0072】これらのピストン87、ナット部88、ボールねじ89およびモータ90は吸引吐出機構91を構成する。これらの吸引吐出機構91およびピペットチップ85、およびノズル付きシリンダ86の全体は、支持部材92に固定され、その支持部材92を介して、これらのピペットチップ85等は、上下動機構部93によって上下動可能に支持されている。 【0073】その上下動機構部93は、前記支持部材92に設けられたナット部(図示せず)と螺合するボールねじ94を有し、そのボールねじ94はタイミングベルト96を介してモータ95によって回転駆動される。 【0074】前記上下動機構部93の下端には、前記チップ85の先端からの液漏れを受けるために、そのチップ85の下方領域に対して挿抜可能に設けられた受け板97と、その受け板97の挿抜駆動を行うモータ98とが設けられている。 【0075】前記上下動機構部93および前記吸引吐出機構部91およびピペットチップ85等は、アーム99に設けたレール100に沿って前後方向にモータ101およびベルト101aによって移動可能に設けられている。そのアーム99を含めた前記機構全体は、基礎部102に支えられてベーステーブル13上に固定されている。 【0076】その分注装置158 のチップ85の前後方向の移動可能範囲内には、多数の収容部が設けられたプレート11と、試薬を供給する試薬供給部33と、前記ノズル付シリンダ86に装着すべきチップまたは脱着したチップを保持するチップラック103とが設けられている。なお、このチップラック103についても、前記ターンテーブル12によって搬送するようにしても良い。なお、チップラック37、103は、再利用のために、使用したチップを装填する際に、隣接するチップ間のクロスコンタミネーションを防止するためにチップラック103の下側に、各チップごとに仕切るためのカバーを設けるようにしても良い。このカバーは、例えば、発泡スチロールにチップが挿入可能な穴を設けたものである。 【0077】図5は、前記試薬供給部33を詳細に示すものである。その試薬供給部33は、前記分注装置158 のノズルの個数に相当する個数が並列して設けられた透光性または半透光性の材料で形成された試薬が収容される試薬槽110を有している。各試薬槽110には、収容されている試薬の液面上に浮く球状のフロート111が試薬槽110内の一端112に、上下動可能に設けられている。 【0078】その各試薬槽110には、試薬を供給するための細い金属製のパイプ113の先端が各試薬槽110の開口部の上方から挿抜可能に挿入されている。その各パイプ113は、試薬供給部33の枠体114と蝶番115によって開閉可能に連結して設けられた保持部116に取り付けられている。 【0079】前記パイプ113は、試薬を貯溜するタンクと連通する可撓管117と接続している。その可撓管117は、パイプ安置部118の可撓管取付部119に取り付けられている。パイプ安置部118は、前記保持部116を開いて、前記パイプ113が前記試薬槽110から抜かれた場合に、そのパイプ113を安置するためのものであり、符号120はそのパイプ113が挿入されて安置されるための切れ込部である。 【0080】さらに、この試薬供給部33は、発光素子(受光素子)121および受光素子(発光素子)122をその光軸が透光性または半透光性の材料で形成された前記各試薬槽110の所定位置範囲を通るように設けられている。所定量の前記試薬が前記試薬槽110内に収容されている場合には、前記フロート111が前記所定位置範囲にあり、そのフロート111により発光素子121(122)の光が遮られて受光素子122(または121)が受ける光量が一定値以下になる。 【0081】一方、試薬が所定量以下に減った場合には、前記フロート111が前記所定位置範囲以下になり、受光素子122(121)が発光素子121(122)の光量の殆どを受ける場合には、試薬槽110内の試薬が不足していることが検知される。これによって、試薬槽110内に常に、一定量の試薬を供給するように制御することができる。符号123は、試薬の冷却用のアルミニウム・ブロックである。 【0082】図6は、加熱もしくは冷却用の前記恒温装置152 〜155 を示すものである。その恒温装置152 〜155 は、上部に容器11を載置する熱伝導性部材130と、流す電流の向きに応じて熱源または冷却源となるペルチェ素子131とを有する。加熱用として用いる場合には、ペルチェ素子131の上面に熱が発生し下面は冷却されるように電流を流し、冷却用として用いる場合には、逆に、上面が冷却され、下面が加熱されるように電流を流す。 【0083】そのペルチェ素子131の下方には、放熱用または放冷用のフィン132が設けられるとともに、そのフィン132の下方には、そのフィン132に外気を導入するファン133が設けられている。これらの熱伝導性部材130、ペルチェ素子131等は断熱性の材料で形成された箱体134に収納されている。 【0084】図7は、プレート状容器洗浄装置156 を示す。そのプレート状容器洗浄装置156 は、載置されたプレート状容器11を洗浄するための装置であって、そのプレート状容器11の各収容部に挿入されるマトリクス状に配列された二重パイプ140を有している。その二重パイプ140は外側管141と、その外側管141内を貫通する内側管142とからなる。 【0085】その内側管142は、洗浄液を各収容部に噴射または吐出するものであって、吐出前の洗浄液を一時貯溜する洗浄液貯溜部143を介して前記洗浄液用のボトル35と連通し、その外側管141は、各収容部に噴射または吐出された洗浄液を吸引するものであって、洗浄液排出部144と連通し、前記ブロワー36を用いて吸引および吐出が行われる。ここで、洗浄液には、例えば、蒸留水を含む。 【0086】これらの二重パイプ140、洗浄液貯溜部143および洗浄液排出部144は取付部145に取り付けられて固定されている。その取付部145はナット部146と連結し、そのナット部146は、ボールねじ147と螺合し、そのボールねじ147の回転によって、ナット部146および取付部145、したがって、二重パイプ140が上下動する。前記ボールねじ147は、タイミングベルト148を介してモータ149によって回転駆動される。これらの上下動機構は台部150によってベーステーブル13に固定して設けられている。 【0087】なお、前記取付部145にはガイド部152が設けられ、そのガイド部152は、レール153に案内されて上下動することによって、前記取付部145は安定的に上下動させる。本装置によれば、前記二重パイプ140を上下動させることによって、前記収容部内で吸引吐出動作を上下方向の種々の位置で行うことができるので、確実に洗浄を行うことができる。また、本装置によれば、洗浄液の注入量を可変に設定することができるようにして、種々の容量をもつ容器に対応することができる。 【0088】図8に基づいて、本実施の形態に係る容器搬送処理システム10の動作について説明する。操作者が前記操作装置を用いて処理内容を入力することによって、処理を指示すると制御部はその処理内容を認識する。すると、図8に示すように、ステップS1で、前記ロボット14は、前記蓄積装置151 から、各収容部に検体等のサンプルが収容されている容器11を取り出して、搬送し、前記ターンテーブル12上に載置する。 【0089】すると、ターンテーブル12は、ステップS2で、前記ターンテーブル12上で、前記分注装置158 の近くにまで容器11を搬送させ、ステップS4で前記ロボット14によって、分注機158 の作業領域にまで搬送され、ステップS5で前記分注機158 によって、その容器11の各収容部に対し、前記処理に必要な試薬、および磁性粒子懸濁液が必要な量だけ分注される。その磁性粒子には、目的物質を捕獲するために必要な捕獲用物質がコーティングされている。 【0090】その間に前記ロボット14は、ステップS3で、前記容器蓄積装置151 からチップ50が配列されたチップラック37を取り出して、搬送し、前記ターンテーブル12上に載置する。そのチップラック37は、前記ターンテーブル12によって、前記磁性粒子処理集積装置157 の近傍に搬送され、ステップS8で、その経路上において、その磁性粒子処理集積装置157 の各ノズル51がそのチップラック37上に下降することによって、そのノズル51に一括して装着される。 【0091】一方、ステップS7で、分注処理された容器11は前記ロボット14によって搬送されて前記ターンテーブル12上に載置され、ステップS9で、そのターンテーブル12によって、前記磁性粒子処理集積装置157 の近傍にまで搬送される。すると、ステップS10で、その磁性粒子処理集積装置157 のノズル51に装着された前記ピペットチップ50が前記容器11に挿入され、磁性粒子に対する処理が行われる。その処理には、吸引、吐出、攪拌、分離、目的物質の解離、再懸濁等の処理が含まれる。 【0092】処理が終了すると、ステップS11で、解離した目的物質が、必要な試薬とともに容器11内に収容され前記ターンテーブル12上に載置されて搬送される。また、使用済の前記容器11を再利用する場合には、ステップS13で、前記容器11は、前記ロボット14(ターンテーブル12をも用いても良い)によって、前記プレート状容器洗浄装置156 にまで搬送され、ステップS14で洗浄処理が行われる。 【0093】洗浄された前記容器11は、ステップS15で、ロボットによって搬送され、前記ターンテーブル12上に載置される。また、前記磁性粒子処理集積装置157 に装着されて使用されたピペットチップ50は、前記ステップS10の磁性粒子の処理において必要に応じて、図3(b)に示す洗浄装置80によってノズルに装着したまま洗浄する。ステップS12で不要になった使用済チップ50を脱着してチップラック37に収容してターンテーブル12上で前記蓄積装置151の近傍にまで搬送し、前記ロボット14によって、前記蓄積装置151 に収容するようにしても良い。 【0094】一方、ステップS11で、前記目的物質および必要な試薬が収容された前記容器11は、前記恒温装置152 〜155 のいずれかの近くにまで搬送される。すると、ステップS16で、前記ロボット14によって、恒温装置152 〜155 のいずれかの上に載置され、ステップS17でインキュベーションが行われる。比較的長時間にわたるインキュベーションが終了すると、ステップS18で、前記ロボット14は、前記恒温装置152 〜155 のいずれかから前記容器11を取り上げて、前記ターンテーブル12にまで前記容器11が搬送されて載置される。 【0095】ステップS19で前記磁性粒子処理集積装置157 は、ターンテーブル12に載置されているチップラック37に配列されている新しいピペットチップ50を前記ノズル51に装着し、ステップS21において、磁性粒子の処理を行う。ここでは、新たに前記容器11に磁性粒子の懸濁液を混合し、処理された目的物質を前記磁性粒子に捕獲させ、残液を除去した後、目的物質を解離し、新たな容器11に再懸濁して収用し、ステップS22でその処理された目的物質を収用した容器11をターンテーブル12により搬送し、ロボット14によって、蓄積装置151 に収容する。 【0096】また、使用済のチップ50は、前記洗浄装置80によって洗浄した後、ステップS23で脱着し、やがては前記蓄積装置151 にまで戻し、使用した容器11については、ステップS24でロボット14(ターンテーブル12をも用いても良い)によって前記プレート状容器洗浄装置156 にまで搬送し、ステップS25で洗浄した後、再びステップS26でロボット14で再び前記ターンテーブル12にまで搬送し、やがてロボット14を用いて前記蓄積装置151 にまで搬送して収容する。 【0097】本実施の形態によれば、ロボット14による搬送は、前記ターンテーブル12によって容器11が各対容器作業装置に近づいた際に、搬送を行うようにしているので、ロボット14の負担を軽減し、結果的に全体的な処理速度や効率を高めることになる。 【0098】以上の工程は、説明を簡単にするために1つの目的物質を用いた処理にのみ注目した場合の処理の流れの例を示したが、他の処理を連続して、または、図8のステップS17やステップS10やステップS21の処理の間に併行して処理を行うことによって、効率的にかつ迅速に行うことができる。 【0099】図9に基づいて、ダイターミネーター・クリーンアップ処理(dye terminator-clean up 処理) に適用した例を示す。 【0100】操作者が前記操作装置を用いて処理内容を入力することによって、処理を指示すると、制御部はその処理内容を認識する。すると、ステップS101で、前記ロボット14は、前記蓄積装置151 から、5枚の96個の収容部を有したプレート状容器11を取り出してターンテーブル12上に順次搬送して載置する。 【0101】ステップS102で、前記分注装置158 の近くにまで容器11を搬送させ、ステップS104で、前記ロボット14によって、分注機158 の作業領域にまで順次搬送する。 【0102】ステップS105でその分注機158 によって、順次、第1の容器にはサンプルを分注し、第2の容器には磁性粒子の懸濁液を分注し、第3の容器には、バインディング・バッファ液を分注し、第4の容器には、70%エタノール液を分注し、第5の容器には、ローディング・バッファ液を分注する。その磁性粒子には、必要な捕獲用物質がコーティングされている。 【0103】その間に前記ロボット14は、ステップS103で、前記蓄積装置151 から96個のチップ50がマトリクス状に配列されたチップラック37を取り出して、搬送し、前記ターンテーブル12上に載置する。そのチップラック37は、前記ターンテーブル12によって、前記磁性粒子処理集積装置157 にまで搬送される。ステップS108で、その経路上において、その磁性粒子処理集積装置157 の各ノズル51がそのチップラック37に下降して、ピペットチップ50を一括して装着する。 【0104】一方、ステップS107で、分注処理された5枚の容器11は、前記ロボット14によって順次搬送されて前記ターンテーブル12上に載置され、ステップS109で、そのターンテーブル12によって、前記磁性粒子処理集積装置157にまで搬送される。ステップS110では、前記磁性粒子処理集積装置157 のノズル51に装着された96個のマトリクス状に配列された前記ピペットチップ50が最初に前記第1の容器の各収容部に挿入されてサンプルを吸引する。 【0105】サンプルを吸引したピペットチップ50は一旦上昇し、第2の容器がそのピペットチップ50の直下に搬送されると、第2の容器の各収容部に挿入されて前記サンプルを磁性粒子の懸濁液中に吐出し、その混合液を吸引する。混合液を吸引したピペットチップ50は再び上昇し、第3の容器がそのピペットチップ50の直下に搬送されると、その混合液をバインディング・バッファ(binding buffer)液中に吐出する。 【0106】ステップS111で、第3の容器は、前記ターンテーブル12で15°Cの温度を供給する前記恒温装置152 〜155のいずれかの近くにまで搬送し、ステップS112で、前記ロボット14によって、その第3の容器を前記恒温装置152 〜155 のいずれかに載置し、ステップS113で、例えば、5分間静置する。 【0107】5分経過後、ステップS114で、前記ロボット14によって再び前記ターンテーブル12上に載置する。ステップS115で、その第3の容器が前記磁性粒子処理集積装置157 の作業領域にくるまで搬送し、ステップS116で、前記ピペットチップ50をその第3の容器の各収容部に挿入した後、ピペットチップ50内に磁場を及ぼした状態で、混合液を吸引して磁性粒子をそのピペットチップ50の内壁に吸着させて分離した状態で上昇させる。 【0108】すると、第3の容器は残液を収容したまま、前記ターンテーブル12およびロボット14によって前記蓄積装置151 にまで搬送されて除去されることになる。前記ターンテーブル12によって、前記磁性粒子処理集積装置157 の作業領域に第4の容器が搬送されると、前記磁性粒子をその内壁に吸着したピペットチップ50が各収容部に挿入され、70%エタノール液50μl中で磁場を除去した状態で吸引吐出を繰り返すことによって再懸濁する。 【0109】ステップS117で、その第4の容器を、前記ターンテーブル12によって、前記恒温装置152 〜155 のいずれかの近くにくると、ステップS118で、前記ロボット14によって、80°C〜90°Cの前記恒温装置152 〜155のいずれかに搬送し2分間放置する。 【0110】ステップS119で、2分経過後に、ステップS120で、前記ロボット14によって、前記第4の容器を前記ターンテーブル12上に載置し、ステップS121で、その第4の容器が前記磁性粒子処理集積装置157 の作業領域にまで搬送されると、ステップS122で、前記ピペットチップ50を第4の容器の各収容部に挿入して磁場を及ぼした状態で吸引することによって、磁性粒子を内壁に吸着することによって分離した状態で上昇させる。 【0111】すると、第4の容器は、エタノールの残液を収容したまま搬送されて除去されることになる。次に、第5の容器が前記磁性粒子処理集積装置157 の作業領域に搬送されると、前記磁性粒子をその内壁に吸着したピペットチップ50が各収容部に挿入され、前記ローディング・バッファ(loading buffer) 液2 〜5 μl中で磁場を除去した状態で吸引吐出を繰り返すことによって再懸濁する。その後、前記磁場を及ぼした状態でその懸濁液を吸引し、磁性粒子をピペットチップ50の内壁に吸着して分離して除去することによって、第5の容器内にクリーンアップ生成物が生成されることになる。 【0112】ステップS123で、その第5の容器は、ターンテーブル12によって前記蓄積装置151 の近傍にまで搬送されると、ステップS124で、前記ロボット14によって、蓄積装置151 に蓄積され、次工程に使用されることになる。 【0113】以上説明したように、本処理は、96個のサンプルに対して、96本のチップと、5枚のプレート状容器を用いることにより、完全にクロスコンタミネーションを防止することができる。この場合、前記ターンテーブル12上は、チップラックを含め6か所の容器等載置位置を用いている。このターンテーブル12には、12か所の容器等載置位置をもっているので、本実施の形態例では、インキュベーション時間を調整することによって、2つの処理を同時併行して実施することができる。 【0114】以上の例では、ノズルに脱着可能なピペットチップを用いた処理であるが、その処理に代えて、分注チップを洗浄したり、容器を洗浄する工程を含めることによって、ターンテーブル12上の使用載置位置を削減し、さらに、同時併行する処理の数を増加させることができる。 【0115】図10には、他の実施の形態に係る容器搬送処理システムを示す。その容器搬送処理システムは、多関節型の前記ロボット14の代わりに、極座標型のロボット160を用いたものである。 【0116】そのロボット160は、ターンテーブル12の内側領域内に設けられるとともに、ターンテーブルの回転中心と同心に設けられた回転軸を具備している。そのロボット160は、径方向に沿って、回転中心からターンテーブル12の上方に設けられたアーム161と、そのアーム161の下側に設けられ、プレート状容器を前記アーム161の長手方向と直交する方向にその側面から把持するハンド部162とを有している。 【0117】前記アーム161にはナット部163が取り付けられ、そのナット部163は、上下方向に沿って設けられたボールねじ164に螺合している。ボールねじ164は、モータ165によって、タイミングベルト166を介して回転駆動されることによって、前記アーム161を上下方向に移動させる。 【0118】前記ハンド部162は、前記アーム161に設けられたボールねじ164に螺合するナット部と連結し、モータ168の回転駆動により、ハンド部162がターンテーブル12の半径方向に進退可能に設けられている。なお、前記ハンド部162は、エアシリンダ169によって前記アーム171の長手方向に直交する方向に移動可能に設けられ、対象物を把持することができる。本実施の形態に係るロボット160を用いた容器搬送処理システムは、前述した多関節ロボット14を用いた場合に比較して、規模の小さい場合に適している。 【0119】図11は、他の実施の形態に係る容器搬送処理システム180を示す。その容器搬送処理システム180は、前述した実施の形態に係る容器搬送処理システムに比較して、搬送する容器数がより一層多い場合に適した装置である。 【0120】その容器搬送処理システム180は、前述した容器搬送処理システム10と異なり、斉一的搬送手段であるターンテーブル181には、容器11が2列にわたり同心円状に、各列あたり30個、計60個の容器が載置されている。また、そのターンテーブル181上には、容器11の他に、チップラック182も載置可能である。 【0121】また、ターンテーブル181の搬送経路内部には、ロボット(図示せず)が、円周状に敷設された閉じたレール183に沿って移動可能に設けられている。さらに、そのターンテーブル181の外部領域には、その経路に沿って前記対容器作業装置としての種々の装置が配列されている。 【0122】その対容器作業装置には、前記プレート状容器11を蓄積する回転型マイクロストッカー184、その容器11の96個の収容部に対して一括して分注可能な集積化処理装置185、8連のノズルを有する分注機186、低温状態でマイクロプレート11を積層部188に20段積層可能なプレートスタッカー187、そのマイクロプレート11に表示された情報の読取りを行うプレートリーダ189、そのマイクロプレートを高温状態に保つための恒温装置1901 、1902、1903 、1904 、分注機191、および、駆動制御パソコン192とを有している。なお、符号193は、容器11をターンテーブル181上に供給するための搬送ライン供給部193である。 【0123】これらの実施の形態の内容は、本発明をより良く理解させるために具体的に説明したものであって、例示であり限定と解釈すべきではない。したがって、発明の主旨を変更しない範囲で変更可能である。例えば、以上の説明では、斉一的搬送手段としてはターンテーブルの場合についてのみ説明したが、この場合に限られることなく、例えば、ライン状経路のもの、または、楕円状経路、多角形状経路をもつものであっても良い。 【0124】また、以上の説明では、ロボットは搬送経路の内側に1台のみある場合について説明したが2台以上設ける場合であっても良い。また、各プレート状容器は、96穴の収容部をもつ場合について説明したがこの場合に限られるものではない。 【0125】また、以上の説明では、各対容器作業装置は8台であり、前記経路内で行う処理は、磁性粒子処理集積装置に関する処理のみであった。しかし、対容器作業装置の台数はこの場合に限られるものではなく、この台数より少ない場合であっても、他種類の対容器作業装置を追加しても良い。このような装置としては、例えば、PCRサーマルサーキュラー、化学発光(蛍光、吸光度)プレートリーダーがある。 【0126】また、前記経路内で行う処理についても磁性粒子処理集積装置の場合のみならず、他の処理を経路内で行うようにしても良い。このような装置として、容器を振盪させて容器の収容物を攪拌する攪拌装置がある。また、ロボットアームの移動障害をうまく克服することによって、前記磁性粒子処理集積装置等のみならず、分注装置や洗浄装置についても経路上に作業領域を設けるこができるので、ロボットによる移動時間を削減してより迅速化を図ることができる。さらに、各対容器作業装置は、固定して設ける場合のみならず、前記ロボットとの衝突や接触を避けるために必要な程度に移動可能となるようにしても良い。 【0127】また、以上の説明では、1種類の容器についてのみ説明したが、複数種類の形状をもつ容器をその処理内容に応じて使い分けるようにしても良い。例えば、通常の処理では各収容部は丸底の容器を用いるが、PCRが含まれる処理にあっては、より細径の収容部をもつ容器を用いるようにしても良い。 【0128】 【発明の効果】第一の発明および第二十五の発明によれば、多数のプレート状容器を一斉に搬送可能な斉一的搬送手段と、容器載置可能な任意位置間で、個別的に容器を搬送可能な個別的搬送手段とを組み合わせて用いたものである。 【0129】したがって、大量で画一的で定期的な搬送処理に適しているが個別的で多様な搬送処理ができない斉一的搬送手段と、大量の搬送処理には適さないが個別的で多様でまたは非定期的で小回りのきく搬送処理が可能な個別的搬送手段を組み合わせることによって、各々の欠点を埋め、大量かつ多様で木目の細かい処理を効率よくかつ高速に行うことができる。 【0130】多数の特定位置間での搬送手段を多数設けることなく、任意の位置間での搬送を可能とする個別的搬送手段を1つまたは少数(前記対容器作業装置の台数よりも充分に)設ければ済むので、構造の簡単化を図ることができる。個別的搬送手段を設けることによって斉一的搬送手段の搬送経路について別経路の搬送を可能とすることによって、搬送の安全性および確実性を高めることができる。 【0131】また、本発明によれば、個別的搬送手段を用いることによって、前記対容器作業装置の前記斉一的搬送手段の搬送経路に沿った位置または順序にとらわれることなく、任意の順序で容器に対して作業を行わせることができるので、作業の状況に応じて、作業が可能な装置から順次作業を行わせることができるので効率が良くかつ処理を高速に行うことができる。 【0132】第二の発明によれば、斉一的搬送手段の経路を閉じている。したがって、処理の完了した容器を自動的に元の位置に戻すことができる。したがって、前記個別的搬送手段や人間が容器を元の位置に戻す必要はないので処理手順が容易化されることになる。また、本発明によれば、個別的搬送手段として市販のロボットを利用することができるので安価に製造することができる。 【0133】第三の発明および第四の発明によれば、対容器作業装置は、容器の蓄積等を行うものである。これによれば、容器に対して多様な処理を行うことができる。 【0134】第五の発明によれば、ロボットは、搬送手段の搬送面に垂直な方向に沿った回転軸をもつように軸支されているので、搬送経路のすべてについて、ロボットの回転により容易に搬送することができる。 【0135】第六の発明は、斉一的搬送手段の経路を円環状に形成し、斉一的搬送手段の回転中心に前記ロボットの回転軸を一致させているので、製造が容易でかつ位置決め等の制御が回転角度にのみ依存するので容易である。 【0136】第七の発明は、前記ロボットが、前記斉一的搬送手段の内側領域内で、前記搬送手段の経路方向に沿って移動可能に設けられている。したがって、斉一的搬送手段の搬送経路が大きい場合でも、1台のロボットで対応することができるので、構造の簡単化および製造費用の削減に寄与する。 【0137】第八の発明は、前記対容器作業装置の1つに、液通路内に磁力を及ぼすことが可能な分注装置を設けている。したがって、磁性粒子を用いた処理についても行うことができるので多様な処理を効率よく行うことができる。 【0138】第九の発明は、前記対容器作業装置の1つに、磁性粒子処理集積装置を設けている。したがって、プレート状容器の各収容部に収容されている磁性粒子懸濁液について、高速かつ効率的な処理を行うことができるので、磁性粒子について多様で高速で効率の良い処理を行うことができる。 【0139】第十、第十一、第十二および第十三の発明は、前記磁性粒子処理集積装置にあっては、各液通路の外部近傍において静止状態のままで、各ノズル内へ磁力を及ぼしかつ除去することが可能であるために、コンパクトな磁性粒子処理集積装置を製造することができる。 【0140】第十四の発明、第十九の発明および第二十の発明においては、液通路の下端の下方に液漏れ防止の受け板を設けているので、クロスコンタミネーションのない信頼性のある処理を行うことができる。 【0141】第十五の発明および第二十一の発明は、容器またはチップラックを積層してコンパクトに蓄積することができるので、作業空間を削減して、作業効率を高めることができる。 【0142】第十六の発明および第二十二の発明は、多数の収容部からなる容器に対して、洗浄液を吸引および吐出することによって、載置した容器に対して、確実、効率的にかつ高速に洗浄することができる。 【0143】第十七の発明および第二十三の発明によれば、容器を載置するだけで、容器を加熱しまたは冷却することができるので、装置規模を拡大することなく、また、容易に行うことができる。 【0144】第十八の発明および第二十四の発明によれば、試薬供給装置は、その液面レベルが常に検知されるとともに、その試薬槽に収容されている試薬が不足する場合には、試薬を供給することによって、常に試薬を一定量に収容することが可能である。また、試薬槽に試薬を供給するパイプが着脱自在に設けられている。したがって、試薬槽の着脱が容易であって、試薬槽の洗浄や置換えを容易に行うことができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】591081697 【氏名又は名称】プレシジョン・システム・サイエンス株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年1月17日(2000.1.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075199 【弁理士】 【氏名又は名称】土橋 皓
|
| 【公開番号】 |
特開2001−194372(P2001−194372A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−7279(P2000−7279) |
|