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【発明の名称】 化学分析装置
【発明者】 【氏名】神原 克宏

【氏名】内田 裕康

【要約】 【課題】反応容器の個体差や取付け誤差によるバラツキに極力影響されない正確な測光タイミングを取得し測光する化学分析装置を提供する。

【解決手段】被測定液の測光位置以前に反応容器自身を検知する反応容器検知手段を設け測光タイミングを取得する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】被測定液を収容する反応容器と、前記反応容器を保持し搬送する反応容器保持機構と、前記反応容器内の被測定液の物性を測定する測定手段とを備えた化学分析装置において、前記測定手段の近傍に設けられ前記反応容器自身を検知することにより前記測定手段の測定タイミングを取得する測定タイミング取得手段を有することを特徴とする化学分析装置。
【請求項2】請求項1記載の化学分析装置において、測定タイミング取得手段を光学的センサと信号処理手段により構成することを特徴とする化学分析装置。
【請求項3】請求項2記載の化学分析装置において、光学的センサを特定周波数を発するレーザー光源と、該レーザー光源の持つ特定周波数を感知する受光素子により構成し、選択的に特定の前記反応容器を検知し測定タイミングを得ることを特徴とする化学分析装置。
【請求項4】被測定液を収容する反応容器と、前記反応容器を保持し搬送する反応容器保持機構と、前記反応容器内の被測定液の物性を測定する測定手段とを備えた化学分析装置において、前記測定手段は光源と、該光源からの光の吸光度測定を行う光度計とから構成し、該光源を併用して前記反応容器の通過を光学センサで検知し、該検知によって取得した信号を処理することによって前記測定手段の測定タイミングを取得することを特徴とする化学分析装置。
【請求項5】請求項4において、前記光学センサは光ファイバおよび受光素子を含み、該光ファイバの受光位置を反応容器の底部としたことを特徴とする化学分析装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化学分析装置に係り、特に被測定液の測定における正確な測定タイミング取得手段に関する。
【0002】
【従来の技術】血清等の検体に所望の試薬を混合し反応させた反応液を被測定液とし、その吸光度を測定することで化学分析を行う化学分析装置が知られている。
【0003】特開平5−172827 号公報には、各々単1の検定用分析物を支持する複数の反応セルを搬送及び位置決めし、かつ、キャリア内の複数のセルの各々について複数の免疫学的検定のいずれか1つを選択的に行うのに用いる、複数の試薬パックを搬送及び位置決めする構成の分析物試料キャリア用円形台が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、分析装置の分野では被測定液の少量化や処理能力の向上が求められており、これに伴い反応容器の小形化及び装置動作の高速化が進められている。反応容器の小形化は、反応容器をはじめとする部品の製作誤差や反応ディスクなどの組立誤差、または個体差など各種誤差の位置決めに対する影響度を相対的に大きくしている。また、高速化は反応容器の小形化と合いまり被測定液の測光時間を極端に短くする。したがって、例えば反応ディスクに複数個の反応容器を配置し、各々の反応容器に対応する検知板を反応ディスクに設け反応ディスクの位置決めを行う場合や上述のように測光タイミングを取得する場合などは、各々の反応容器とそれらに対応する検知板との相対位置が全ての反応容器で常に同一とは限らないため、位置決め精度や測光タイミング取得の精度が低下する問題がある。また、精度低下を補うために部品精度管理や信号処理回路に負担が掛り高価な部品や回路を必要とするといった問題が生じる。
【0005】本発明は、以上のような問題に対処して成されたもので、化学分析装置において正確かつ高精度な位置決め精度の向上あるいは測定タイミングの取得を可能にすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、少なくとも被測定液を収容する反応容器を備えた化学分析装置において、前記測定手段の近傍に設けられ前記反応容器自身を検知することにより測定タイミングを正確に取得する測定タイミング取得手段を有することにより達成される。
【0007】本発明は、具体的には次に掲げる装置を提供する。
【0008】本発明は、被測定液を収容する反応容器と、前記反応容器を保持し搬送する反応容器保持機構と、前記反応容器内の被測定液の物性を測定する測定手段とを備えた化学分析装置において、前記測定手段の近傍に設けられ前記反応容器自身を検知することにより前記測定手段の測定タイミングを取得する測定タイミング取得手段を有する化学分析装置を提供する。
【0009】本発明は、更に測定タイミング取得手段を光学的センサと信号処理手段により構成する化学分析装置を提供する。
【0010】本発明は、更に光学的センサを特定周波数を発するレーザー光源と、該レーザー光源の持つ特定周波数を感知する受光素子により構成し、選択的に特定の前記反応容器を検知し測定タイミングを得る化学分析装置を提供する。
【0011】本発明は、前記測定手段を光源と、該光源からの光の吸光度測定を行う光度計とから構成し、該光源を併用して前記反応容器の通過を光学センサで検知し、該検知によって取得した信号を処理することによって前記測定手段の測定タイミングを取得する化学分析装置を提供する。
【0012】本発明は、更に前記光学センサは光ファイバおよび受光素子を含み、該光ファイバの受光位置を反応容器の底部とした化学分析装置を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図1から図2を用いて説明する。図1は本発明を適用した化学分析装置の概略図である。図2は図1の測光部周辺の断面図である。この装置は、主として、サンプルディスク1,試薬ディスク2,反応ディスク3,反応槽4,サンプリング機構5,ピペッティング機構6,攪拌機構7,測光系8,反応容器検知手段24,洗浄機構10,制御部11から構成される。すなわち、被測定液を収容した複数の反応容器13を反応容器ホルダ14を介して円形テーブル15上に配置し一定温度の例えば温水を満たした反応槽4内を回転と停止を一定サイクルで繰返し間欠移送する反応ディスク3と、反応容器13内の被測定液の吸光度測定を行う光度計16と光源17とレンズ26及び測光信号処理部12からなる測光系8と、検体を採取した試料容器19を複数個保持し回動するサンプルディスク1と、試料容器19から検体を反応容器13に分取するサンプリング機構5と、検体と混合させる試薬の入った試薬ボトル20を一定温度に保令させた恒温槽内21に複数個保持し回動する試薬ディスク2と、試薬を反応容器13に分取するピペッティング機構6と、反応ディスク3周辺に配置された検体と試薬を混合する攪拌機構7や反応容器13の洗浄を行う洗浄機構10および装置を制御する制御部11から構成される。サンプルディスク1には採取した検体を入れた複数個の試料容器19が円形ディスク18上に並べられており、図示はされないが駆動機構により位置決め可能に回転制御される。試薬ディスク2には、検体と混合し反応させる試薬の入った試薬ボトル20が円形ディスク28上に複数個並べられており、その周囲は温度制御された保冷庫21になっている。また、図示されないが駆動機構により円形ディスク28は、位置決め可能に回転制御される。反応ディスク3は、被測定液である検体と試薬の混合溶液を入れる反応容器13を複数個保持した反応容器ホルダ14が複数個取付けられており、駆動機構29により回転と停止を一定サイクルで繰返し反応容器を間欠移送する。反応槽4は、反応容器13の移動軌跡に沿って設置され、例えば温度制御された温水により反応容器13内の溶液を一定温度に制御する恒温槽である。サンプリング機構5は、一端にプローブ30を持ち他端は支承軸31に取付けられるアーム32と、支承軸31を回転中心にサンプルディスク1と反応ディスク3間を往復可能にする駆動機構により構成され、サンプルディスク1の検体を反応容器13に分取する。同様にピペッティング機構6は、一端にプローブ33を持ち他端は支承軸34に取付けられるアーム35と、支承軸34を回転中心に試薬ディスク2と反応ディスク3間を往復可能にする駆動機構により構成され、試薬ボトル20の試薬を反応容器13に分取する。攪拌機構7は、反応容器13に分取された検体と試薬を混合するヘラ36を一端に持ち他端は回転支点となる支承軸37に取付けられるアーム38と、図示されないがヘラ36の洗浄を行う洗浄槽と反応ディスク3間を往復可能にする駆動機構39から構成される。測光系8は、光源17と光度計16とレンズ26及び測光信号処理部12から構成され、光源17から発せられ反応容器13を透過した光を反応槽4の窓52から光度計16で受け、光度計16内部で分光後受光部で電気信号に変換し、その信号を測光信号処理部12で処理することで被測定液の吸光度を測定する。反応容器検知手段24は、光源17とその光源17から発せられた光を受ける受光素子40から成る光学センサによって構成し、光度計16近傍で測光以前に反応容器13が順次通過して光源17と受光素子40間の光束を横切る位置に配置される。本実施例では、反応槽4内部での受光を可能にするためと反応容器検知手段の空間分解能を向上させるために光を反応槽4の窓52を利用して設けた受光部53で受け、光ファイバ25を介して受光素子40に光を導くようにして光学センサを構成している。受光素子40からの信号は検知信号処理部27に出力される。また、光源17は測光系の光源17を併用している。洗浄機構10は、複数のノズル41とその上下駆動機構42から構成され、反応容器13の洗浄を行う。本実施例の化学分析装置は、上記記載の他シリンジやポンプなどを構成品として持ち、それらも含めすべて制御部11により制御される。
【0014】上記のように構成された分析装置は概ね次の様な動作手順により分析を行う。まず、洗浄機構10により洗浄された反応容器13が反応ディスク3の駆動により試料分注位置に移送されるとサンプルディスク1が回転し、検体をサンプリング位置に移送する。試薬ディスク2も同様に所望の試薬ボトル20をピペッティング位置へ移送する。続いてサンプリング機構5が動作し、プローブ30を用いて試料容器19から反応容器13へ検体を分取する。検体を収容した反応容器13は試薬分注位置へ移送され試薬ピペッティング機構6の動作により試薬ディスク2上の試薬ピペッティング位置から反応容器13へ試薬を分取する。その後、反応容器13は攪拌位置に移送され攪拌機構7により検体と試薬の混合が行われる。攪拌が完了した被測定液である反応液は後述するように位置決め、あるいは測光タイミングが正確に測られて、反応容器13が光源17と光度計16間を通過する際に測光される。測光は数サイクル間行われ、測光が終了した反応容器13は洗浄機構10により洗浄される。このような一連の動きは各反応容器13に対し実行され分析が行われる。
【0015】ここで、前述の測光の際に測光のタイミングについて説明すると、本実施例では、前記反応容器検知手段24により測光する手前で反応容器13自身を検知することにより測光タイミングを各々の反応容器13に対して取得することとしている。図2と図3を用いて測光タイミングに関して説明する。反応容器13が光源17と光ファイバ25の受光部53の間を横切ると受光素子40の出力は図3のように変化するので、検知信号処理部27はあるしきい値9をもとに出力信号の変化を捕らえ制御部11へ渡す。制御部11では検知信号処理部27から得たタイミングに検知された反応容器13が測光位置へ移動する時間を加味し測光タイミングとし測光信号処理部12へ渡すことにより測光が行われる。本実施例では光ファイバ25による受光位置を線54で示すように反応容器13の底部としているが、これは受光素子40による検知信号変化が反応容器13に収容されている被測定液の影響を受けないようにするためである。しかし、これは一例であり反応容器13に検知部を設け、その検知部を検知することも可能である。例えば、反応容器の底面に検知のための突起を設けたりするなどである。また、本実施例では、測光系8の光源17と反応容器検知手段24の光源17を同一に構成しているが、それぞれ別の光源とすることも可能である。また、反応容器検知手段24の光源17は、ランプばかりでなくLEDやレーザー光源を含む。例えば、光源17を単波長のレーザー光源とし、また反応容器13の側壁や底面の厚み分に光源とするレーザー光の波長を吸光するように着色することでよりノイズに強い構成にしたり、反応容器13の着色を意図的にレーザーの波長に合わせ変える事で特定反応容器の選択的な測光が可能となる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、反応容器自身を測光前に検知し測光タイミングを取得するので、反応容器の個体差や取付け誤差によるバラツキに極力影響されない正確な位置決めあるいは測光タイミングに依存して測光する化学分析装置を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成12年1月7日(2000.1.7)
【代理人】 【識別番号】100074631
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 幸彦 (外1名)
【公開番号】 特開2001−194371(P2001−194371A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−5911(P2000−5911)