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【発明の名称】 赤血球沈降速度の迅速測定法とそのメカニズム
【発明者】 【氏名】宮島 八郎

【要約】 【課題】赤血球沈降速度の測定はすべてが自然沈降の原理をもちいた測定方法である。この方法では側定時間に短くて20分、長くて2時間を要し迅速検査の障害になっている。これを解決すべく測定時間を3分で行う迅速赤血球沈降速度計を製作した。

【解決手段】キヤピラリー赤沈管(1)にEDTA加血液を吸引して垂直に対し3°内側に傾けて立て、回転数を400r.p.m、遠心力を7〜8×g、遠心を3分間行う方法を定め、この間45秒ごとに4回反転させ、この時同時にキャピラリー赤沈管(1)をも180°半自転させるメカニズを用いて赤血球の沈降速度を促進させた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 赤血球沈降速度の測定サンプルにEDTA加血液を用いる方法。
【請求項2】 赤血球沈降速度を促進させるためキャピラリー赤沈管(1)を垂直に対し3°の傾斜で立て、回転数を400r.p.m、遠心力を7〜8×gで3分の遠心を行う方法。
【請求項3】 遠心回転させながらキャピラリー赤沈管(1)を180°半自転させる機構。
【請求項4】 血液サンプルを容易に採取するため、長さ100mm、内径2.5mmのキャピラリー赤沈管(1)に液面ストッパー(11)を封入したものを使用する方法。
【請求項5】 キャピラリー赤沈管(1)にウエスターグレン法の1時間値、2時間値を添えて印字して読取る方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本機具は長さ100mm、内径2.5mmのキャピラリー赤沈管に0.5mlのEDTA加血液を吸引した後、垂直に対し3°内側に傾斜してサンプルホルダー(2)に立て、回転数を400r.p.m、遠心力を7〜8×g、遠心時間を3分、この間45秒ごとに4回反回転させ、この時同時にキャピラリー赤沈管をも180°半自転させる機構をもった遠心器である。本機具の遠心機構により斜下方向の偶力を受けた赤血球はキャピラリー赤沈管(1)内をジグザグに転がりながら沈降速度を早め、垂直静置した自然沈降方式のウエスターグレン法の1時間値、2時間値をわずか3分で測定する物である。
【0002】
【従来の技術】ウエスターグレン法が赤血球沈降速度の測定のICSH国際標準法に定めらており、クエン酸1:血液4で希釈した血液サンプルを長さ200mm、内径2.5mmの赤沈管で吸引したのち垂直静置し、1時間後、2時間後の赤血球の自然沈降量をmm単位で読む方法で目測で読む器具と自動測定装置がある。
【0003】クエン酸1:血液4で希釈した血液サンプルを長さ200mm、内径2.5mmの赤沈管で吸引した後、傾斜静置し、赤血球の自然沈降量をmm単位で測る傾斜迅速測定法と器具がある。赤沈管を傾斜すると赤血球沈降速度が促進することは広く知られており、測定時間の短縮に利用されている。
【0004】二重シュウ酸1:血液4で希釈した血液サンプルを長さ100mm、内径2.8mmの赤沈管で吸引した後、垂直静置し、1時間後の赤血球の自然沈降量をmm又は%単位で測るウイントローブ法と器具がある。
【0005】採血時に血液をクエン酸1:血液4に希釈する長さ100mm、内径6mmの真空採血管を傾斜角度20°で静置し、20分後の赤血球の自然沈降量を%単位で自動測定し、ウエスターグレン法の1時間値と2時間値に換算して測る自動赤血球沈降速度測定装置がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の赤血球沈降速度計はすべて垂直静置方式の自然沈降現象を原理としており、1時間、2時間の測定時間を要する。傾斜静置方式でも20分から40分の測定時間を要する。いずれの方法も測定時間が長く迅速検査の障害となっている。
【0007】また血液サンプルはクエン酸1:血液4に希釈せねばならず、手数を要し、試薬消耗品のコスト高になっている。
【0008】本機具は迅速検査に対応すべく測定時間を3分にして、血液サンプルを一般検査のEDTA加血液を希釈せずそのまま使用することで省力化を図った。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために希釈することなく500μlのEDTA加血液を使用した。
【0010】キャピラリー赤沈管の長さを100mm、内径2.5mmとし、垂直に対し3°内側に傾斜して立てた。
【0011】キャピラリー赤沈管に与える遠心は回転数400rpm、遠心力7〜8G、遠心時間を3分と定め、この間サンプルホルダーを45秒ごとに4回反転させ、この時同時にキャピラリー赤沈管を180°半自転させる機構を採用した。
【0012】3分間の遠心の後、本法のキャピラリー赤沈管の沈降量%単位(ZESRと称する)と工CSH国際標準法であるウエスターグレン法の赤沈管の沈降量mm単位(ESRと称する)の相関をもとめ、相対したウエスターグレン法の1時間値と2時間値をキャピラリー赤沈管に印字し、対照して読取れるようにした。尚、1時間値の相関回帰式はY=0.021X+0.600X−6.988相関係数r=0.918で、2時間値の相関回帰式はY=−0.004X+2.797X−21.863 相関係数r=0.938である。Y:ウエスターグレン法の値(mm)、X:本法の値(%)
【0013】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する図1においてEDTA加血液を長さ100mm、内径2.5mmのキャピラリー赤沈管(1)に吸引し、垂直に対し3°内側に傾斜してサンプルホルダー(2)にセットする。スタートさせると回転がはじまり、遠心による水平方向と自然沈降の垂直方向とで斜方向の偶力を受け赤血球はキャピラリー赤沈管(1)の内側壁から外側壁に転がり落ちる。サンプルホルダー(2)を45秒後に自動的に反転させ、この時同時にキャピラリー赤沈管(1)も180°半自転させる機構によりつぎは反対の斜下方向に転がり落ちる。この工程を4回繰返すことで、赤血球は血液中の蛋白質分子との相互作用によりセーター電位の大きさに比例した速度でジグザグに転がり落ちて沈降が促進される。
【0014】遠心の最適条件を回転数400r.p.m、遠心力7〜8×g、遠心時間を3分と定めてある。
【0015】図2はモーター軸(8)に取付けられたギアーの回転盤(3)であり、サンプルホルダー(2)を回転させるトルクピン(4)が取付けてある。
【0016】図3はサンプルホルダー(2)の底板(5)で6個の受け(6)と1個のホール(9)がある。
【0017】図4は回転盤(3)に載せたサンプルホルダー(2)の立面図で、受け(6)にキャピラリー赤沈管(1)を差込むと傾斜角度3°でセットされ、トルクピン(4)がサンプルホルダーのホール(9)に入り、サンプルホルダー(2)を回転させる。
【0018】図5は回転盤(3)にサンプルホルダー(2)を載せた平面図で回転盤(3)とキャピラリー赤沈管(1)を回転させるコマ(7)はギアーで噛み合わされる。キャピラリー赤沈管(1)が180°半自転するメカニズムは回転盤(3)が反転する時にトルクピン(4)がホール(9)でのあそび(10)の長さでコマ(7)を回す機構で、コマ(7)の半円周の長さとホール(9)のあそび(10)の長さが等しくしてある。
【0019】図6は本法の赤血球の沈降量%単位に相対したウエスターグレン法の1時間値と2時間値をキャピラリー赤沈管(1)に対照して印字している。
【0020】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成されていて以下に記載されるような効果を奏する。
【0021】赤血球沈降速度の測定をわずか3分で行える。
【0022】血液サンプルを一般のEDTA加血液で希釈することなく使用できる。
【0023】血液サンプル量を500μlの少量で測定できる【0024】キャピラリー赤沈管に血液の吸引量を自動的に止める液面ストッパーを封入して、血液サンプルの採取をワンタッチでできる。
【出願人】 【識別番号】500079610
【氏名又は名称】宮島医学機器有限会社
【出願日】 平成12年1月11日(2000.1.11)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−194367(P2001−194367A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−37229(P2000−37229)