| 【発明の名称】 |
半導体基板の不純物抽出方法および不純物抽出装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】野崎 薫
【氏名】恩田 進三郎
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| 【要約】 |
【課題】半導体基板の表面および深さ方向に存在する不純物を高精度で抽出する方法と装置に関し、エッチング速度が速く、エッチング量を正確に制御できて、かつバックグラウンド不純物濃度の低い半導体基板の不純物抽出方法ないし不純物抽出装置を提供する。
【解決手段】エッチング液3、18を蒸気化させ、半導体基板6を加熱し、かつ反応生成ガスを排気しながら、エッチング蒸気で半導体基板6を所定の深さまでエッチングする。そして、不純物(アルカリ金属や重金属等)を半導体基板上に残す。その後、酸性試薬21を蒸気化させて、半導体基板を冷却することにより、不純物を液滴中に抽出する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】エッチング液を蒸気化させる工程と、半導体基板を加熱する工程と、前記エッチング液の蒸気で前記半導体基板をエッチングし、不活性ガスを供給して前記エッチング液の蒸気を排出することにより前記エッチングを終了させ、前記半導体基板中の不純物を前記半導体基板上に残す工程と、酸化性試薬を蒸気化させる工程と、前記酸化性蒸気を前記半導体基板に供給する工程と、前記半導体基板を冷却し、かつ前記酸化性蒸気を前記半導体基板上で液化させ、前記不純物を抽出する工程とを有することを特徴とする半導体基板の不純物抽出方法。 【請求項2】さらに、前記エッチング液の蒸気および前記酸化性蒸気に不活性ガスが混合されていることを特徴とする請求項1記載の半導体基板の不純物抽出方法。 【請求項3】さらに、前記エッチング液の蒸気で前記半導体基板をエッチングして、前記半導体基板中の不純物を前記半導体基板上に残す工程において、ガスを排出する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の不純物抽出方法。 【請求項4】さらに、前記エッチング液を蒸気化させる工程および前記酸性試薬を蒸気化させる工程の後に、生成した蒸気を疎水性多孔質膜を通して高純度な蒸気を得る純化工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の不純物抽出方法。 【請求項5】前記半導体基板はシリコン基板で、前記エッチング液は、弗化水素酸と硝酸であることを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の不純物抽出方法。 【請求項6】前記酸性試薬は塩酸、弗化水素酸、硝酸、酢酸のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の不純物抽出方法。 【請求項7】さらに、前記エッチング液の蒸気および前記酸化性蒸気を排ガス処理をする工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の不純物抽出方法。 【請求項8】エッチング液の容器を加熱するため第1の加熱手段と、酸性薬液の容器を加熱するための第2の加熱手段と、半導体基板が載置された反応容器と、前記エッチング液の蒸気を前記反応容器に供給するための第1の供給手段と、前記酸性試薬の蒸気を前記反応容器に供給するための第2の供給手段と、前記半導体基板の温度制御をするための温度制御手段と、を有することを特徴とする半導体基板の不純物抽出装置。 【請求項9】さらに、前記エッチング液の容器、前記酸性薬液の容器および前記反応容器に不活性ガスを導入させるためのガス導入手段を有することを特徴とする請求項8に記載されている半導体基板の不純物抽出装置。 【請求項10 】さらに、前記エッチング液の蒸気と前記酸性薬液の蒸気を純化させるため、前記エッチング液の容器および前記酸性試薬の容器の開口部に疎水性多孔質膜を有することを特徴とする請求項8に記載されている半導体基板の不純物抽出装置。 【請求項11】さらに、前記反応容器から反応生成ガスを排出するための排ガス手段を有することを特徴とする請求項8に記載されている半導体基板の不純物抽出装置。 【請求項12】さらに、前記第1の供給手段と前記第2の供給手段を加熱するための加熱手段を有することを特徴とする請求項8に記載されている半導体基板の不純物抽出装置。 【請求項13】さらに、前記排ガス手段に接続された排ガス処理手段を有することを特徴とする請求項11に記載されている半導体基板の不純物抽出装置。 【請求項14】さらに、前記温度制御手段上に前記半導体基板を保持するための保持手段を有することを特徴とする請求項8に記載されている半導体基板の不純物抽出装置。 【請求項15】さらに、前記保持手段は前記半導体基板の所定の面積のみを露出させる機構を有することを特徴とする請求項14に記載されている半導体基板の不純物抽出装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、微量物質の気相分解方法と気相分解装置に関し、特に、半導体基板の試料表面または深さ方向に存在する不純物をエッチングして抽出する方法と装置に関する。 【0002】 【従来の技術】半導体製造技術においては、デバイスの信頼性や製造歩留りを上げる事は重要であり、シリコン基板中の種々の欠陥等の制御が重要な役割を担ってくる。この欠陥の発生原因の一つとしてアルカリ金属や重金属の混入がある。単結晶シリコンは非常に高純度であり、この中に混入する不純物は結晶欠陥の発生核になったり、ゲート酸化膜の耐圧特性劣化、トランジスタのジャンクションリーク等の問題を引き起こし、集積回路の性能劣化、歩留り低下をもたらす。 【0003】半導体基板中の前述の極微量の不純物を抽出する手段として、従来、高純度な弗化水素酸と硝酸の混合液による溶解が行われていた。しかし、市販の精製試薬による抽出では、不純物濃度が高く十分な感度を得る事が困難になってきた。さらに、高い感度で不純物抽出を行う有効な方法として、精製試薬の蒸気を利用する方法が開示されている。 【0004】分析化学 vol.46,No.9,pp.743-747 で開示している方法では、弗化水素酸と硝酸の自然蒸発を利用し、Si基板と試薬蒸気を反応させる事によりSi基板をエッチングして不純物抽出を行っている。また、分析化学, vol.42(1993)で開示している方法は、加熱した試薬蒸気を利用した例である。シリコン試料を入れたテフロンカップに硫酸を加えて加圧分解容器内に入れ、カップ外側のテフロン容器に試薬(弗化水素酸+硝酸)を入れて密閉する。これをステンレス外筒容器内に保持し、加熱して弗化水素酸と硝酸の混合蒸気で試料を分解し、硫酸白煙が出るまで加熱してフルオロケイ酸および弗化水素酸を除去する。残った不純物を抽出して、たとえば、原子吸光法により不純物濃度を固定する事が出来る。この抽出方法は、密閉容器内で加熱して弗化水素酸と硝酸の蒸気を発生させる事と硫酸や純水を使う事が特徴となっており、シリコンを破片状態にして丸ごと測定する方法である。 【0005】また、以下は材料技術, No.5,(1991) で開示されている加熱した試薬蒸気を純水に吸着さる事を利用した例である。シリコン試料と純水をフッ素樹脂ビーカーに入れ、弗化水素酸、硝酸、および硫酸を入れたフッ素樹脂の密閉容器にセットする。そして密閉容器を加熱して発生した弗化水素酸、および硝酸蒸気がビーカー中の純水に吸収される事により試料を分解する方法である。試料分解後は硫酸を加え硫酸白煙処理する事により主成分のシリコンはフルオロケイ酸として除去し、たとえば原子吸光法分析を行う事により、不純物濃度を固定する事が出来る。この方法も密閉容器内で加熱して弗化水素酸と硝酸の蒸気を発生させる事と硫酸や純水を使う事が特徴となっており、Si基板を丸ごと測定する方法である。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した不純物抽出方法は以下の様な問題点がある。分析化学 vol.46,No.9,pp.743-747 で開示している例では、試薬の自然蒸発を利用しているのでエッチングレートが遅く、さらに、密閉された反応容器内で行われているので、反応で生成したガスが反応容器内に溜まり、反応が遅くなるか、もしくは逆反応が進行する。従って、試料を所定の深さまでエッチングする場合、エッチング量を制御するのが困難である。さらに、不純物抽出は、反応で生成した粉末を純水に溶解して酸で処理するため、純水や酸の純度が分析結果に影響してくるので高精度な分析が出来ない。分析化学, vol.42(1993)で開示している方法は、密閉容器の中で行っているので前記と同じ問題が発生する。また、この方法は、半導体基板を丸ごと測定する方法であり、半導体基板の所定の深さまでの不純物分析ができない。材料技術、 No.5,(1991)に開示されている方法も同様の問題点がある。 さらに、この方法は試薬を常圧で加熱して蒸気にしているため、10μm 〜100μm 程度のミストが発生しやすく、試薬中のFe等の不純物がこのミストに包まれ、抽出物に混入するため、高精度な分析用の抽出物を抽出できない。 【0007】本発明は、このような問題を鑑みてなされたものであり、半導体基板の表面または所定の深さまで高速で、かつ正確にエッチングして、バックグラウンド不純物濃度の低い、半導体基板の不純物抽出方法ないし抽出装置を提供するものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記した課題は、第1の発明である、エッチング液を蒸気化させる工程と、半導体基板を加熱する工程と、前記エッチング液の蒸気で前記半導体基板をエッチングし、半導体基板中の不純物を含む反応生成物を前記半導体基板上に残す工程と、酸化性試薬を蒸気化させる工程と、前記酸化性蒸気を前記半導体基板に供給する工程と、前記半導体基板を冷却し、かつ前記酸化性蒸気を前記半導体上で液化させ、前記反応生成物中の不純物を抽出する工程とを有する半導体基板の不純物抽出方法によって解決される。 【0009】次に、第1の発明の作用について説明する。本発明では、半導体基板をエッチング液の蒸気で、半導体基板を加熱しながら例えば、所定の厚さだけエッチングする。エッチング後は、半導体基板中に含まれた不純物は、エッチング面に残された状態となる。その後、蒸気化した酸性試薬が冷却により液化されて、液中に不純物が抽出される。以上のように、エッチング工程では、これに最適なエッチング蒸気を使用し、かつ半導体基板を加熱しながらエッチングしているので、半導体基板との反応が促進され、かつ半導体基板の所定の深さまでのエッチングを高速で、かつ正確に行うことができる。さらに、不純物抽出工程では、これに最適な酸性蒸気を使用し、かつ半導体基板を冷却しているので、半導体基板の所定の深さまでの不純物を液滴として抽出することができる。 【0010】さらに、上記第1の発明の半導体基板の不純物の抽出方法においては、エッチング液の蒸気で半導体基板をエッチングし、半導体基板中の不純物を半導体基板上に残す工程において、ガスを排出する工程を含むことを特徴としている。これによれば、エッチング蒸気で半導体基板をエッチングする工程で発生する反応生成ガスを排出しながらエッチングしているので、エッチングが止まることなく、安定したエッチングが可能となる。従って、半導体基板の所定の深さまで正確にエッチングできる。 【0011】さらに、上記第1の発明の半導体基板の不純物の抽出方法においては、前記エッチング液を蒸気化させる工程および前記酸性試薬を蒸気化させる工程の後に、生成した蒸気を疎水性多孔質膜を通して高純度な蒸気を得る純化工程を含むことを特徴としている。これによれば、エッチング液の蒸気および酸性薬液の蒸気を、半導体基板に供給する前に疎水性多孔質膜を通過させているので、蒸気中の不純物を含んだミストが疎水性多孔質膜で捕獲される。このため、バックグラウンド不純物(エッチング蒸気、酸性蒸気に含まれている不純物)濃度を低く抑えることができる。 【0012】上記した課題は、第2の発明である、図1,図2に例示するような、エッチング液の容器を加熱するため第1の加熱手段5,22と、酸性薬液の容器を加熱するための第2の加熱手段23と、半導体基板が載置された反応容器29と、前記エッチング液の蒸気を前記反応容器に供給するための第1の供給手段2,27,8と、前記酸性試薬の蒸気を前記反応容器に供給するための第2の供給手段28,8と、前記半導体基板の温度制御をするための温度制御手段7とを有する半導体基板の不純物抽出装置によって解決される。 【0013】次に、第2の発明の作用について説明する。本発明によれば、エッチング液容器および酸性薬液容器とこれらの薬液を蒸気化するための加熱手段と反応容器内の半導体基板の温度制御可能な手段とを備えているため、第1の発明の作用での説明と同様に、従来困難であった半導体基板の表面および所定の深さまでの不純物抽出を、高速で、かつ正確に行うことができる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。 (半導体基板の不純物抽出方法および装置の基本構成)図1は、本発明の実施例による半導体基板の不純物抽出装置の基本構成を示す。本装置は、基本的にガス発生器2,27,28,反応室29,排ガス処理器10とによって構成される。試薬や試薬蒸気が接する面はテトラフルオロエチレン等の耐腐食素材で形成される。各ガス発生器2,27,28は同じ構成である。【0015】図1において、試薬の容器2,27,28の開口部の上に径が50μm 以下の小孔を多数有する多孔質テトラフルオロエチレンのような疎水性多孔質膜4,17,20が配置され、開口部を覆っている。容器2,27,28の下部には、加熱手段5,22,23が配置され、容器の内部を加熱することができる。加熱温度は、エッチングの深さやエッチャントの種類により室温〜120℃の範囲から選択される。試薬中の不純物は、加熱により数100μm の大きさの粒径のミストに包まれて蒸発するが、疎水性多孔質膜4,17,20で遮断されるので反応容器29内に到達する事はない。尚、疎水性多孔質膜4,17,20の代わりに疎水性多孔質膜を有するフィルター部材を形成して、この部材で覆ってもよい。 【0016】各ガス発生器2,27は、途中でガス供給系8に結合され、両ガスを混合して反応容器内ガス流入部に接続される。これらのガス供給系は、蒸気が液化しないように加熱しておくのが望ましい。反応容器29内においては、半導体基板6が温度制御装置である加熱槽もしくは冷却槽7に接して配置される。反応容器は、側面での液化を防止するため、側面を含め均一に加熱する事が望ましい。温度制御装置7は、温水を供給する事により室温以上の一定温度に保たれる。また、冷却する場合は、冷却水を供給する事により、室温以下の一定温度に保たれる。温度制御の手段は温水、冷却水を供給させるだけでなく、目的が達成されるのであれば、他の手段を用いてもよい。 【0017】反応容器29には、バルブV2, 配管12を備えた排気系が備えられており、半導体基板6との反応を終えた試薬蒸気は、配管12を通って排ガス処理装置10の中の排ガス処理液9中にバブリングされる。反応生成ガスが反応容器29に溜まることなく排出されるため、反応を促進することができる。また、試薬蒸気に不活性ガスを混ぜて反応容器29に導入することにより、ガスの排出をより速くする事が出来る。不活性ガスは窒素やアルゴン等である。 【0018】また、反応容器29においては、配管12の他に配管15がバルブV4を介して接続されている。配管15は不活性ガス等のガスを気相分解器内に供給して、反応容器内をパージして、エッチング工程を終了させるために用いられる。排ガス処理液9は、アルカリ性溶液または水を用いて、排ガスはバブリングによって無害なものとされ、配管13から外部に排出される。それぞれの試薬を収容する容器2,27,28側においても、配管11,24,25がバルブV1,V7,V8を介してそれぞれ排ガス処理器10と接続される。配管11,24,25は、排ガス処理装置10の排ガス処理液9中に導入される。尚、必要に応じてガス発生器2,27,28の疎水性多孔質膜4,17,20上部に液体ドレインを設け、液体が発生した時はドレインから排出する事が望ましい。また、ガス発生容器に接続されている配管14,16,19およびバルブV3,V5,V6は、 窒素等の不活性ガスを供給するための手段である 。【0019】不純物を抽出するために使う酸性試薬のガス発生器28は、ガス配管30に接続され、反応容器29内のガス流入部に接続される。尚、各ガス供給ラインは、液化を防ぐため過熱する事が望ましい。その後、半導体基板6を冷却して、酸性試薬ガスを反応容器29に導入することで、半導体基板6の表面に均一に酸性試薬液滴が形成され、不純物を抽出する事ができる。 【0020】(半導体基板としてSi基板を用いた場合の不純物抽出装置)図2は、本発明の実施例に係わる半導体基板としてSi基板を用いた場合の不純物抽出装置を示す。図1をさらに詳細に説明するための図である。抽出装置は、大きく分けて弗化水素酸精製ガス発生器40,硝酸精製ガス発生器80,酸性試薬精製ガス発生器90,気相分解器50,排ガス処理装置60から構成される。 それぞれの精製ガス発生器40,80,90は、支持台の上に市販等の試薬容器42,82,92が載置され、この蓋を取った後に容器41,81,91と結合されている。試薬容器42,82,92はラバーヒーター45,85,95が巻かれ、これは温度調整器46,86,96に接続されており、試薬種類や条件に合わせて所定の温度に加熱することができる。 【0021】それぞれの試薬容器41,81,91はガス配管47,49,87,89,97,99およびドレイン48,88,98を有する。ガス配管47,49,87、89,97,99およびドレイン48,88,98はバルブV49,V89,V99およびバルブV48,V88,V98が接続されている。ガス配管47,87,97には、バルブを有する不活性ガス源が接続されている。 【0022】このような構成により、それぞれの試薬容器42,82,92内の試薬を所定の温度に加熱し、発生した試薬蒸気を精製した後、ガス配管49,89,99からバルブ49,89,99を介してガス配管70,73または71にそれぞれ供給する。気相分解装置50には、不純物を抽出すべきSi基板53を載置した容器51があり、容器51には、ガス配管55,56,57,59が接続され、さらにドレイン58を有する。ガス配管55,57,59およびドレイン58にはそれぞれバルブV55,V57,V59,V58が接続されている。ガス配管56には、バルブを有する不活性ガス源が接続されている。 【0023】それぞれの試薬容器41,81,91および反応室容器51もしくは少なくともその内面はテトラフルオロエチレン等の試薬に侵されない材料で形成される。また、ガス配管70は、変形自由なテトラフルオロエチレン等のフリーチューブで形成されている。排ガス処理装置60は、ガス入口63,64およびガス出口65を有する容器61を含む。ガス入口63および64は、それぞれテトラフルオロエチレン等のフリーチューブ71,72を介してバルブV49,V89,V99,およびV55に接続される。 【0024】Si基板53との反応を開始する前や終了した後には、各ガス発生器40,80,90の蒸気は、V49,V89,V99をガス配管71側に切替えて排ガス処理装置60に排出されて無害なものになる。また、気相分解器50では、Si基板53の分解が終了した後、バルブV57およびV59を閉じてバルブV55を開けたままガス配管56から不活性ガスを供給して気相分解器50の容器内をパージする。気相分解器50の中には、Si基板53を加熱または冷却するための温水または冷却水の入口67, 出口68が設けられており、容器51内に設けられた加熱槽もしくは冷却槽に供給される。ドレイン48,88,98,58は液体が溜まった場合に排出するためのものである。 【0025】図3は、弗化水素酸ガス精製器40の構成例を示す。試薬容器42は、市販の試薬容器等で上部にはネジが切られている。試薬容器42にはラバーヒーターが巻かれ、その全体を均一な温度に加熱出来る。容器の下部材41bは、ネジ部と結合されており、上部材41a は、下部材41b と結合されてほぼ密閉な構造となっている。下部材41b にはテトラフルオロエチレン等で形成された疎水性多孔質膜44が結合されミストを除去する。疎水性多孔質44を囲む様に配置された上部材41a には、ガス配管47,49およびドレインが48が形成されている。ドレイン48は、試薬容器42から疎水性多孔質膜44を通って外部に通過した試薬蒸気が液化した場合に、その液状試薬をV48を開けて取り出すためのものである。ガス配管47は不活性ガスを導入するための配管であり、ガス配管49は、発生した試薬蒸気を不活性ガスとともに外部に供給するための配管である。ガス配管49には、3方コック形式のバルブV49が接続されている。 【0026】図4は、弗化水素酸ガス発生器の他の形態を示す。ガス配管47が試薬容器42内部に深く挿入されるようになっている。ガス配管47から供給される窒素ガス等の不活性ガスは、試薬容器42内の試薬をバブリングし、試薬蒸気を含んだ形態で疎水性多孔質膜44を通過してガス配管49から外部に供給される。他の点は図3に示す弗化水素酸ガス発生器と同様である。 【0027】図5は気相分解器50の構成を示す。容器51は、その内部に形成された温水槽52もしくは冷却水槽52を有する。温水槽52もしくは冷却水槽52の上板となるテトラフルオロエチレンシート上には、Si基板53が置かれ、試料押さえ54が配置されSi基板53の所定の面積を露出させる。この露出面においてのみ蒸気と反応する。容器51には、ガス配管55,56,57,59およびドレイン58が接続されている。カス配管55,57,59には2方コックで形成されたバルブV55,V57,V59が接続され、ドレイン58にはバルブV58が接続されている。 【0028】(Si基板中の不純物を抽出する方法の例)以上、本発明の基本構成、抽出装置の具体例を示した。次に、この装置を用いて、Si基板53中の不純物を抽出する例を示す。反応容器51にSi基板53を試料押さえ54で押さえて、温度制御層52上に載置する。温度制御槽52には、80℃の温水を流し、Si基板53を80℃に加熱する。配管56から窒素ガスを反応容器51に供給する。 【0029】弗化水素酸ガス発生器40と硝酸ガス発生器80の上部配管70を80℃に加熱する。この時、弗化水素酸ガス発生器40のバルブV49ならびに硝酸ガス発生器80のバルブV89を、排ガス処理器側60に切替える。次に、弗化水素酸ガス発生器40と硝酸ガス発生器80にガス配管47,87から2.0l/min の窒素ガスを導入し、弗化水素酸と硝酸をバブリングさせる。同時に、弗化水素酸試薬容42および硝酸試薬容器82をヒーター45,85を用いて80℃に加熱する。一定時間この処理を続けて蒸気を安定させる。この蒸気は、弗化水素ガス発生器40と硝酸ガス発生器80の開口部に取り付けられた疎水性多孔質膜44を通過しているので、薬液中の不純物を含んだミストが捕獲されている。従って、超高純度なエッチング蒸気となっている。 【0030】その後、弗化水素酸ガス発生器40と硝酸ガス発生器80のそれぞれのバルブV49,V89を気相分解器50側に切替え、ガス配管70から容器51に弗化水素酸と硝酸の蒸気を供給する。この時、気相分解器50の窒素バルブ(図示なし)を閉じて、弗化水素酸と硝酸の蒸気が供給されるようにバルブV57を開ける。同時に、エッチング工程で発生する反応生成ガスを排出するため、V55を開けて反応生成ガスを排出できるようにする。このようにして、弗化水素酸と硝酸の蒸気を反応容器51に供給し、Si基板を例えば1時間エッチングする。エッチング時には、Si基板が加熱され、かつ反応生成物が排気されているので、エッチング反応が安定して所定の深さまでエッチングされる。エッチング後には、 Si基板53中の不純物が、Si基板53上に残った状態になっている。 【0031】その後、各ガス発生器のバルブV49およびV89を排ガス側に切替えて、各蒸気を排ガス処理器60に排出する。同時に気相分解装置50の容器51に窒素ガスを供給して、バルブV57を閉めて試薬蒸気を遮断しバルブV55開けて排ガス処理器60に窒素ガスと試薬蒸気を排出させる。この時、窒素ガスもあらかじめ80℃にしておく。容器内51を30分間窒素ガスでパージして、残留ガスを排出した後、窒素ガスの加熱は停止させ、温度制御槽52に−5℃の冷却水を流すことによりSi基板53を冷却する。 【0032】次に、酸性試薬として、塩酸を用い酸性試薬ガス生成器90の上部とガス供給部73を60℃に加熱する。酸性試薬ガス発生器90のバルブV99を排ガス側に切替える。次に酸性試薬ガス発生器に2.0l/min の窒素ガスを導入し塩酸をバブリングさせる。同時に塩酸をヒーター95を用いて60℃に加熱し、酸性蒸気を発生させて、酸性蒸気が安定するまで一定時間この処理を続ける。酸性試薬の蒸気も疎水性多孔質膜20を通過しているので、超高純度な酸性蒸気となっている。尚、酸性試薬は塩酸の代わりに、弗化水素酸、硝酸、酢酸などの酸性試薬を用いてもよい。 【0033】蒸気の供給が安定した後、酸性試薬ガス発生器のバルブV99を反応容器51側に切替え、ガス配管73を通して、気相分解器50の容器51に酸性蒸気を供給できるようにする。この時、反応容器51への窒素供給を止め、バルブV59を開けて反応器51に酸性蒸気を1時間供給する。この時、Si基板53は冷却されているので、Si基板53上に液滴が形成される。この液滴中には、Si基板53内に含まれていた分析の対象となる不純物が取り込まれている。その後、酸性試薬ガス発生器90のバルブV99を排ガス側に切替えて、酸性蒸気を排ガ処理機60に排出する。同時に、容器51に窒素を供給し、酸性ガス供給用のバルブV59を閉じる。その後、容器51を開放して、上記のSi基板53の表面に形成されている液滴を、マイクロピペットで回収し、黒鉛炉偏光ゼーマン原子吸光法により定量分析する。以上のエッチング工程と抽出工程が終了したSi基板53のエッチング量を段差計で測定した結果、約15μmエッチングされていた。 【0034】上記方法により、Si基板53の不純物分析を行ったところ、デバイス特性が正常なSi基板では、Fe が1.5 ×1015atom/cm3検出され、また、デバイス特性に異常があり不純物で汚染されと推測されるSi基板では、Fe が1.4 ×1016atom/cm3検出された。デバイス特性が異常なSi基板は正常なSi基板に比べ、Fe が一桁多く検出されており、Si基板がFe で汚染されたことがデバイス特性の異常の一因であることがわかった。 【0035】上記実施例では、弗化水素酸蒸気と硝酸蒸気を途中の配管で混合してから反応器に供給しているが、片方だけを交互に一定時間流すようにしてもよい。たとえば、始めに、硝酸蒸気を3分間、次に弗化水素酸蒸気を3分間、次に硝酸蒸気を3分間というように交互にSi基板に供給することにより、混合した時よりもエッチングのばらつきを抑制することができる。また、あらかじめ弗化水素酸と硝酸を一つのガス発生器で混合して蒸気を発生させてもよい。これにより、ガス発生器を弗化水素酸と硝酸の混合液用と酸性試薬用の2台になり、不純物抽出装置をより簡易にすることができる。 【0036】また、上記実施例では、酸性蒸気を気相分解器50に供給する前にSi基板53を冷却しているが、酸性蒸気を供給した後で冷却してもよい。さらに、精製ガスの生成方法として、前記実施例では図4のように試薬の中に配管47を入れて窒素ガスをバブリングしていたが、図3のように疎水性多孔質膜44を通過した蒸気に配管47から窒素ガスを混合してもよい。 【0037】さらに、前記実施例では、酸性試薬として塩酸を使用していたが、弗化水素酸も使用することができる。この場合も、ガス発生器が2台となり、抽出装置が簡易になる。以上より、本発明は、Si基板の表面または所定の深さまで高速で、かつ正確にエッチングして、バックグラウンド不純物濃度の低い、Si基板の不純物抽出を行うことができる。 【0038】以上、実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。種々の変更、改良、組み合わせ等が可能な事は当業者には自明であろう。 【0039】 【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、半導体基板を加熱しながらエッチング蒸気でエッチングした後、半導体基板を冷却しながら酸性蒸気で不純物を液滴として抽出しているので、従来困難であった半導体基板の表面または所定の深さまでの不純物の抽出が高速でかつ正確に行うことができる。 【0040】さらに、エッチング蒸気および酸性蒸気を疎水性多孔質膜を通過させているので、ミストに包まれた薬液内の不純物が捕獲され、バックグランド不純物濃度が低い高精度な不純物抽出が可能になる。さらに、半導体基板をエッチング蒸気でエッチングする工程で、反応生成ガスを排気することにより、半導体基板とエッチング蒸気とのエッチング反応が安定するので、より正確な半導体基板の所定の深さまでの不純物抽出が可能になる。 【0041】さらに、エッチング工程を終了させる際には、不活性ガスを供給してエッチング蒸気を排出するので、任意の深さでエッチング反応を止めることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】391051588 【氏名又は名称】富士フイルムマイクロデバイス株式会社 【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月11日(2000.1.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091672 【弁理士】 【氏名又は名称】岡本 啓三
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| 【公開番号】 |
特開2001−194362(P2001−194362A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−3020(P2000−3020) |
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