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【発明の名称】 有機物測定装置及び有機物測定方法
【発明者】 【氏名】中野 俊典

【氏名】濱 正治

【要約】 【課題】被測定ガスの有機物の総量を相対的にリアルタイムに測定する。

【解決手段】被測定ガスでバブリング槽5においてバブリングされた超純水6は、反応管13において紫外光の照射を受ける。これにより超純水6に含有されている、被測定ガス中の有機物が分解され、二酸化炭素が得られる。かかる二酸化炭素を含有する超純水6は検体として、光音響測定部201において光音響測定を受ける。光音響測定部201における光音響測定によって、検体中の二酸化炭素量が見積もられ、これに基づいて被測定ガス中に含まれていた有機物の量をリアルタイムで検出できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被測定ガスを導入し、前記被測定ガス中の有機物の分解を行って得られる二酸化炭素を含む検体を得る有機物−炭酸ガス変換部と、前記有機物−炭酸ガス変換部から得られた前記検体に対して光を照射し、前記検体の熱膨張を測定して前記検体中の二酸化炭素量を測定する炭酸ガス測定部とを備える、有機物測定装置。
【請求項2】 前記炭酸ガス測定部は、前記検体の熱膨張を測定する圧力センサーを備える、請求項1記載の有機物測定装置。
【請求項3】 被測定ガスを導入し、前記被測定ガス中の有機物の分解を行って得られる二酸化炭素を含む検体を得る有機物−炭酸ガス変換部と、前記有機物−炭酸ガス変換部から得られた前記検体に対して光を照射し、前記検体にスペクトル分光分析を行って前記検体中の二酸化炭素量を測定する炭酸ガス測定部とを備える、有機物測定装置。
【請求項4】 被測定ガスを導入し、前記被測定ガス中の有機物の分解を行って得られる二酸化炭素を含む検体を得る有機物−炭酸ガス変換部と、前記有機物−炭酸ガス変換部から得られた前記検体の導電率を測定して前記検体中の二酸化炭素量を測定する炭酸ガス測定部とを備える、有機物測定装置。
【請求項5】 被測定ガスを導入し、前記被測定ガス中の有機物の分解を行って得られる二酸化炭素を含む検体を得る有機物−炭酸ガス変換部と、前記有機物−炭酸ガス変換部から得られた前記検体の水素イオン濃度を測定して前記検体中の二酸化炭素量を測定する炭酸ガス測定部とを備える、有機物測定装置。
【請求項6】 前記有機物−炭酸ガス変換部は、前記被測定ガスを溶媒中に捕集する捕集手段と、前記溶媒中の前記有機物の分解反応を行って前記検体を得る反応手段とを備える、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の有機物測定装置。
【請求項7】 前記有機物−炭酸ガス変換部は、前記捕集手段によって前記被測定ガスを捕集しつつも前記分解が行われない前記溶媒をも前記炭酸ガス測定部に与え、前記炭酸ガス測定部は、前記分解が行われない前記溶媒と、前記分解が行われた前記溶媒との双方に対してそれぞれ二酸化炭素の測定を行う、請求項6記載の有機物測定装置。
【請求項8】 前記捕集手段は、前記被測定ガスによって前記溶媒をバブリングする第1バブリング機構と、前記活性度の小さい他のガスによって前記溶媒をバブリングする第2バブリング機構とを有する、請求項6記載の有機物測定装置。
【請求項9】 前記有機物−炭酸ガス変換部は、前記被測定ガスに対して、有機物の分解を行って二酸化炭素を得る分解手段と、前記分解によって得られた二酸化炭素を溶媒中に捕集して前記検体を得る捕集手段とを有する、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の有機物測定装置。
【請求項10】 前記有機物−炭酸ガス変換部は、前記捕集手段と前記反応手段との間に設けられる分溜機構を更に備える、請求項6記載の有機物測定装置。
【請求項11】 前記有機物−炭酸ガス変換部は、前記被測定ガスから前記有機物を吸着し、前記有機物を放出可能な吸着/放出手段と、前記吸着/放出手段から前記有機物を得て、その分解反応を行って前記検体を得る反応手段とを備える、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の有機物測定装置。
【請求項12】 前記有機物の分解反応には硫酸、ペルオキソ一硫酸塩、ペルオキソ二硫酸塩の少なくともいずれか一つが採用される、請求項6記載の有機物測定装置。
【請求項13】 被測定ガスを溶媒中に捕集して検体を生成する有機物捕集手段と、前記検体に対して分光分析を行って、前記検体中の官能基の量を測定する分光分析手段とを備える、有機物測定装置。
【請求項14】 前記分光分析手段は、前記被測定ガスを捕集しない前記溶液に対しても官能基の量を測定する、請求項13記載の有機物測定装置。
【請求項15】 被測定ガスを導入し、前記被測定ガス中の有機物の分解を行って得られる二酸化炭素を含む検体を得る有機物−炭酸ガス変換工程と、前記有機物−炭酸ガス変換部から得られた前記検体に対して光を照射し、前記検体の熱膨張を測定して前記検体中の二酸化炭素量を測定する炭酸ガス測定工程とを備える、有機物測定方法。
【請求項16】 前記炭酸ガス測定工程では、前記検体の熱膨張が測定される、請求項15記載の有機物測定方法。
【請求項17】 被測定ガスを導入し、前記被測定ガス中の有機物の分解を行って得られる二酸化炭素を含む検体を得る有機物−炭酸ガス変換工程と、前記有機物−炭酸ガス変換部から得られた前記検体に対して光を照射し、前記検体にスペクトル分光分析を行って前記検体中の二酸化炭素量を測定する炭酸ガス測定工程とを備える、有機物測定方法。
【請求項18】 被測定ガスを導入し、前記被測定ガス中の有機物の分解を行って得られる二酸化炭素を含む検体を得る有機物−炭酸ガス変換工程と、前記有機物−炭酸ガス変換部から得られた前記検体の導電率を測定して前記検体中の二酸化炭素量を測定する炭酸ガス測定工程とを備える、有機物測定方法。
【請求項19】 被測定ガスを導入し、前記被測定ガス中の有機物の分解を行って得られる二酸化炭素を含む検体を得る有機物−炭酸ガス変換工程と、前記有機物−炭酸ガス変換部から得られた前記検体の水素イオン濃度を測定して前記検体中の二酸化炭素量を測定する炭酸ガス測定工程とを備える、有機物測定方法。
【請求項20】 前記有機物−炭酸ガス変換工程は、前記被測定ガスを溶媒中に捕集する捕集工程と、前記溶媒中の前記有機物の分解反応を行って前記検体を得る反応工程とを有する、請求項15乃至18のいずれか一つに記載の有機物測定方法。
【請求項21】 前記捕集工程によって前記被測定ガスを捕集しつつも前記分解が行われない前記溶媒にも前記炭酸ガス測定工程が施される、請求項20記載の有機物測定方法。
【請求項22】 前記捕集工程は、前記被測定ガスによって前記溶媒をバブリングする第1バブリング工程と、前記活性度の小さい他のガスによって前記溶媒をバブリングする第2バブリング工程とを有する、請求項20記載の有機物測定方法。
【請求項23】 前記有機物−炭酸ガス変換工程は、前記被測定ガスに対して、有機物の分解を行って二酸化炭素を得る分解工程と、前記分解によって得られた二酸化炭素を溶媒中に捕集して前記検体を得る捕集工程とを有する、請求項15乃至18のいずれか一つに記載の有機物測定方法。
【請求項24】 前記有機物−炭酸ガス変換工程は、前記捕集工程と前記反応工程との間に実行される分溜工程を更に備える、請求項20記載の有機物測定方法。
【請求項25】 前記有機物−炭酸ガス変換工程は、前記被測定ガスから前記有機物を吸着物に吸着させる吸着工程と、前記吸着物から前記有機物を放出させる放出工程と、前記放出工程によって得られた前記有機物の分解反応を行って前記検体を得る反応工程とを備える、請求項15乃至18のいずれか一つに記載の有機物測定方法。
【請求項26】 前記有機物の分解反応には硫酸、ペルオキソ一硫酸塩、ペルオキソ二硫酸塩の少なくともいずれか一つが採用される、請求項20記載の有機物測定方法。
【請求項27】 被測定ガスを溶媒中に捕集して検体を生成する有機物捕集工程と、前記検体に対して分光分析を行って、前記検体中の官能基の量を測定する分光分析工程とを備える、有機物測定方法。
【請求項28】 前記分光分析工程は、前記被測定ガスを捕集しない前記溶液に対しても官能基の量を測定する、請求項27記載の有機物測定方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は有機物の量を測定する技術に関し、特に有機物の量をリアルタイムに測定するための技術に関する。この発明は例えばクリーンルーム内の不純物としての有機物の量を測定する際に採用することができる。
【0002】
【従来の技術】有機物は、クリーンルーム内の不純物の一つであり、その分析については様々な方法が考案されてきている。例えば活性炭を入れた吸着管にクリーンルーム内の空気を通し、有機不純物を一旦活性炭に捕集させる。あるいはウエハ上に有機物を一旦吸着させる。その後、パージアンドトラップ方などで有機物を脱離させ、ガスクロマトグラフ質量分析を行って、定性、定量分析する。
【0003】またその他にも、超純水を入れた管にクリーンルーム内の空気を通し、有機不純物を超純水に吸収させた後、イオンクロマトグラフで定性、定量分析する方法も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれらの方法では、有機物の定性定量分析には優れているものの、時間がかかりすぎ、クリーンルームの中の有機物のリアルタイムでの管理には適さない。
【0005】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、被測定ガス、例えばクリーンルーム内の有機物の総量を相対的に、リアルタイムに測定できる技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明のうち請求項1にかかるものは、有機物測定装置であって、被測定ガスを導入し、前記被測定ガス中の有機物の分解を行って得られる二酸化炭素を含む検体を得る有機物−炭酸ガス変換部と、前記有機物−炭酸ガス変換部から得られた前記検体に対して光を照射し、前記検体の熱膨張を測定して前記検体中の二酸化炭素量を測定する炭酸ガス測定部とを備える。
【0007】この発明のうち請求項2にかかるものは、請求項1記載の有機物測定装置であって、前記炭酸ガス測定部は、前記検体の熱膨張を測定する圧力センサーを備える。
【0008】この発明のうち請求項3にかかるものは、有機物測定装置であって、被測定ガスを導入し、前記被測定ガス中の有機物の分解を行って得られる二酸化炭素を含む検体を得る有機物−炭酸ガス変換部と、前記有機物−炭酸ガス変換部から得られた前記検体に対して光を照射し、前記検体にスペクトル分光分析を行って前記検体中の二酸化炭素量を測定する炭酸ガス測定部とを備える。
【0009】この発明のうち請求項4にかかるものは、有機物測定装置であって、被測定ガスを導入し、前記被測定ガス中の有機物の分解を行って得られる二酸化炭素を含む検体を得る有機物−炭酸ガス変換部と、前記有機物−炭酸ガス変換部から得られた前記検体の導電率を測定して前記検体中の二酸化炭素量を測定する炭酸ガス測定部とを備える。
【0010】この発明のうち請求項5にかかるものは、有機物測定装置であって、被測定ガスを導入し、前記被測定ガス中の有機物の分解を行って得られる二酸化炭素を含む検体を得る有機物−炭酸ガス変換部と、前記有機物−炭酸ガス変換部から得られた前記検体の水素イオン濃度を測定して前記検体中の二酸化炭素量を測定する炭酸ガス測定部とを備える。
【0011】この発明のうち請求項6にかかるものは、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の有機物測定装置であって、前記有機物−炭酸ガス変換部は、前記被測定ガスを溶媒中に捕集する捕集手段と、前記溶媒中の前記有機物の分解反応を行って前記検体を得る反応手段とを備える。
【0012】この発明のうち請求項7にかかるものは、請求項6記載の有機物測定装置であって、前記有機物−炭酸ガス変換部は、前記捕集手段によって前記被測定ガスを捕集しつつも前記分解が行われない前記溶媒をも前記炭酸ガス測定部に与え、前記炭酸ガス測定部は、前記分解が行われない前記溶媒と、前記分解が行われた前記溶媒との双方に対してそれぞれ二酸化炭素の測定を行う。
【0013】この発明のうち請求項8にかかるものは、請求項6記載の有機物測定装置であって、前記捕集手段は、前記被測定ガスによって前記溶媒をバブリングする第1バブリング機構と、前記活性度の小さい他のガスによって前記溶媒をバブリングする第2バブリング機構とを有する。
【0014】この発明のうち請求項9にかかるものは、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の有機物測定装置であって、前記有機物−炭酸ガス変換部は、前記被測定ガスに対して、有機物の分解を行って二酸化炭素を得る分解手段と、前記分解によって得られた二酸化炭素を溶媒中に捕集して前記検体を得る捕集手段とを有する。
【0015】この発明のうち請求項10にかかるものは、請求項6記載の有機物測定装置であって、前記有機物−炭酸ガス変換部は、前記捕集手段と前記反応手段との間に設けられる分溜機構を更に備える。
【0016】この発明のうち請求項11にかかるものは、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の有機物測定装置であって、前記有機物−炭酸ガス変換部は、前記被測定ガスから前記有機物を吸着し、前記有機物を放出可能な吸着/放出手段と、前記吸着/放出手段から前記有機物を得て、その分解反応を行って前記検体を得る反応手段とを備える。
【0017】この発明のうち請求項12にかかるものは、請求項6記載の有機物測定装置であって、前記有機物の分解反応には硫酸、ペルオキソ一硫酸塩、ペルオキソ二硫酸塩の少なくともいずれか一つが採用される。
【0018】この発明のうち請求項13にかかるものは、有機物測定装置であって、被測定ガスを溶媒中に捕集して検体を生成する有機物捕集手段と、前記検体に対して分光分析を行って、前記検体中の官能基の量を測定する分光分析手段とを備える。
【0019】この発明のうち請求項14にかかるものは、請求項13記載の有機物測定装置であって、前記分光分析手段は、前記被測定ガスを捕集しない前記溶液に対しても官能基の量を測定する。
【0020】この発明のうち請求項15にかかるものは、有機物測定方法であって、被測定ガスを導入し、前記被測定ガス中の有機物の分解を行って得られる二酸化炭素を含む検体を得る有機物−炭酸ガス変換工程と、前記有機物−炭酸ガス変換部から得られた前記検体に対して光を照射し、前記検体の熱膨張を測定して前記検体中の二酸化炭素量を測定する炭酸ガス測定工程とを備える。
【0021】この発明のうち請求項16にかかるものは、請求項15記載の有機物測定方法であって、前記炭酸ガス測定工程では、前記検体の熱膨張が測定される。
【0022】この発明のうち請求項17にかかるものは、有機物測定方法であって、被測定ガスを導入し、前記被測定ガス中の有機物の分解を行って得られる二酸化炭素を含む検体を得る有機物−炭酸ガス変換工程と、前記有機物−炭酸ガス変換部から得られた前記検体に対して光を照射し、前記検体にスペクトル分光分析を行って前記検体中の二酸化炭素量を測定する炭酸ガス測定工程とを備える。
【0023】この発明のうち請求項18にかかるものは、有機物測定方法であって、被測定ガスを導入し、前記被測定ガス中の有機物の分解を行って得られる二酸化炭素を含む検体を得る有機物−炭酸ガス変換工程と、前記有機物−炭酸ガス変換部から得られた前記検体の導電率を測定して前記検体中の二酸化炭素量を測定する炭酸ガス測定工程とを備える。
【0024】この発明のうち請求項19にかかるものは、有機物測定方法であって、被測定ガスを導入し、前記被測定ガス中の有機物の分解を行って得られる二酸化炭素を含む検体を得る有機物−炭酸ガス変換工程と、前記有機物−炭酸ガス変換部から得られた前記検体の水素イオン濃度を測定して前記検体中の二酸化炭素量を測定する炭酸ガス測定工程とを備える。
【0025】この発明のうち請求項20にかかるものは、請求項15乃至18のいずれか一つに記載の有機物測定方法であって、前記有機物−炭酸ガス変換工程は、前記被測定ガスを溶媒中に捕集する捕集工程と、前記溶媒中の前記有機物の分解反応を行って前記検体を得る反応工程とを有する。
【0026】この発明のうち請求項21にかかるものは、請求項20記載の有機物測定方法であって、前記捕集工程によって前記被測定ガスを捕集しつつも前記分解が行われない前記溶媒にも前記炭酸ガス測定工程が施される。
【0027】この発明のうち請求項22にかかるものは、請求項20記載の有機物測定方法であって、前記捕集工程は、前記被測定ガスによって前記溶媒をバブリングする第1バブリング工程と、前記活性度の小さい他のガスによって前記溶媒をバブリングする第2バブリング工程とを有する。
【0028】この発明のうち請求項23にかかるものは、請求項15乃至18のいずれか一つに記載の有機物測定方法であって、前記有機物−炭酸ガス変換工程は、前記被測定ガスに対して、有機物の分解を行って二酸化炭素を得る分解工程と、前記分解によって得られた二酸化炭素を溶媒中に捕集して前記検体を得る捕集工程とを有する。
【0029】この発明のうち請求項24にかかるものは、請求項20記載の有機物測定方法であって、前記有機物−炭酸ガス変換工程は、前記捕集工程と前記反応工程との間に実行される分溜工程を更に備える。
【0030】この発明のうち請求項25にかかるものは、請求項15乃至18のいずれか一つに記載の有機物測定方法であって、前記有機物−炭酸ガス変換工程は、前記被測定ガスから前記有機物を吸着物に吸着させる吸着工程と、前記吸着物から前記有機物を放出させる放出工程と、前記放出工程によって得られた前記有機物の分解反応を行って前記検体を得る反応工程とを備える。
【0031】この発明のうち請求項26にかかるものは、請求項20記載の有機物測定方法であって、前記有機物の分解反応には硫酸、ペルオキソ一硫酸塩、ペルオキソ二硫酸塩の少なくともいずれか一つが採用される。
【0032】この発明のうち請求項27にかかるものは、有機物測定方法であって、被測定ガスを溶媒中に捕集して検体を生成する有機物捕集工程と、前記検体に対して分光分析を行って、前記検体中の官能基の量を測定する分光分析工程とを備える。
【0033】この発明のうち請求項28にかかるものは、請求項27記載の有機物測定方法であって、前記分光分析工程は、前記被測定ガスを捕集しない前記溶液に対しても官能基の量を測定する。
【0034】
【発明の実施の形態】実施の形態1:図1は本発明の実施の形態1にかかる有機物測定装置の構成を示す概念図である。この有機物測定装置は、有機物−炭酸ガス変換部101と、光音響測定部201とに大きく分けられる。以下の全図において矢印は、本発明を実行する際に、気体あるいは液体が流れる方向を示す。
【0035】有機物−炭酸ガス変換部101において、バブリング槽5に収納された溶媒、例えば超純水6へと、サンプル吸引管4によって被測定ガス、例えばクリーンルーム内の空気が導入される。測定対象となる雰囲気中の不純物をバブリングによって捕集する技術自体は、例えば特開平9−61315号公報に紹介されている。
【0036】本発明においては、具体的には、過去の測定に供せられた超純水6が、排水管10を介して排出される。その後、排水管10はバルブ9によって閉じられる。バルブ11も閉じた状態で、注水管8によって超純水6がバブリング槽5に注入される。但し、バブリング槽5の上方には空気溜まり5aを残しておく。所定量の超純水6がバブリング槽5に注水されれば、バルブ7によってバブリング槽5と注水管8との間が閉ざされる。その後、バブリング槽5の空気溜まり5aの内の圧力を、排気管2を介して吸引ポンプ1によって減圧することにより、サンプル吸引管4からクリーンルーム内の空気を超純水6へと導入させ、バブリングを生じさせる。所定の期間バブリングが行われた後に、排気管2とバブリング槽5との間をバルブ3によって閉じる。
【0037】バブリングによってクリーンルーム内の空気中の不純物が溶解した超純水6は、バルブ11を開くことにより、導入管12を介して反応管13へと導入される。反応管13中の超純水6にはUV光源14によって光、例えば紫外光が照射される。紫外光の照射により、超純水6中に溶解していた不純物、中でも有機物は水(H2O)と二酸化炭素(CO2)とに分解され、これらが超純水6中に溶解する。有機物を光触媒反応で分解する技術自体は例えば特開平11−243140号公報、特開平11−67618号公報に紹介されている。
【0038】有機物−炭酸ガス変換部101によって、クリーンルーム内の空気中の有機物から分解された水と二酸化炭素(以下、後者を「分解炭酸ガス」という)とが溶解する超純水6は、光音響測定部201に検体として与えられ、光音響測定によってその含有する二酸化炭素量が分析される。光音響測定による二酸化炭素を測定する技術自体は、例えば特表平9−512629号公報において紹介されている。
【0039】本発明においては、具体的には、バルブ15が閉じた状態でバルブ21が開いて、導入管22を介して反応管13から試料測定管23へと超純水6が導入される。試料測定管23には光源27によって二酸化炭素分子が振動する波長の光、例えば4.24μmの波長のレーザーが、周波数調整盤29を介して断続的に照射される。
【0040】図2は周波数調整盤29の構成を示す平面図である。光源27から発せられる光を試料測定管23に対して遮蔽する一対の翼28bが、軸28aの回りで回転する。そして一対の翼28b同士の間隙28cを介して、光源27から発せられる光が試料測定管23に照射される。周波数調整盤29の回転により、光源27から発せられるレーザーは試料測定管23中に導入された超純水6に断続的に照射される。
【0041】上述のレーザーが照射されることにより、超純水6中の二酸化炭素分子が振動し、温度が上昇し、熱膨張が生じる。しかし、レーザーの照射が断続的であるので、熱膨張も断続的となって、超純水6中を弾性波が伝達する。従って熱膨張の発生はマイクロフォン24が検出する音を以て測定できる。この音は、周波数調整盤29の回転と同期した断続音であり、その強弱は超純水6中の二酸化炭素量と相関を有している。
【0042】予め既知の濃度の二酸化炭素を有する超純水6を測定して検量線を得ておくことにより、二酸化炭素が超純水6に溶解した未知の濃度を上記断続音を測定して定量することができる。
【0043】なお、試料測定管23内の超純水6には、分解炭酸ガスのみならず、クリーンルーム内の空気中にもともと存在する二酸化炭素(以下「元来炭酸ガス」と仮称する)も存在する。従って、超純水6に溶解した二酸化炭素から有機物を見積もるためには、光音響測定の結果に対し、元来炭酸ガスの量を考慮する必要がある。
【0044】そこで、参照のための測定として、有機物−炭酸ガス変換部101においてバブリングによってクリーンルーム内の空気中の不純物が溶解した超純水6を、これに紫外光を照射することなく、導入管12、バルブ11、反応管13を介して光音響測定部201に与える。そしてバルブ21が閉じた状態でバルブ15を開いて、導入管16を介して反応管13からリファレンス測定槽17へと超純水6が導入される。リファレンス測定槽17にも光源27によって、例えば4.24μmの波長のレーザーが、周波数調整盤28を介して断続的に照射される。周波数調整盤28の構成は、周波数調整盤29の構成と同一である。
【0045】リファレンス測定槽17においても、断続的な熱膨張の発生を音としてマイクロフォン18を用いて測定でき、その結果は元来炭酸ガスの量を反映している。従って、リファレンス測定槽17において測定された二酸化炭素の量を、試料測定管23において測定された二酸化炭素の量から差し引くことにより、分解炭酸ガスの量が得られ、相対的な有機物の量を求めることができる。
【0046】光音響測定が終了した後は、試料測定管23及びリファレンス測定槽17、超純水6がそれぞれバルブ25,19を介して排水管26,20によって排出され、次の測定に備えられる。
【0047】以上のようにして本実施の形態によれば、有機物を二酸化炭素へと変換し、これを光音響測定で測定するので、被測定ガス中の有機物をリアルタイムで測定することができる。しかも溶媒を用いたバブリングにより、固形不純物を容易に除去できる。
【0048】なお、有機物を光触媒反応で分解するのみならず、例えば特開平11−219927号公報に示されるようにオゾンを採用しても有機物から分解炭酸ガスを得ることができる。従って、UV光源14の代わりにオゾンを発生する装置を設け、反応管13内において超純水6にオゾンを与えてもよい。
【0049】また、超純水6に溶解が困難な有機物に対応するため、バブリング槽5が収納する溶媒として、例えば特開平9−61315号公報に示されるような酸性溶液、あるいは他に塩基性溶液、有機溶剤を採用してもよい。
【0050】実施の形態2:図3は本発明の実施の形態2にかかる有機物測定装置の構成を示す概念図である。この有機物測定装置は、有機物−炭酸ガス変換部102と、光音響測定部202とに大きく分けられる。
【0051】有機物−炭酸ガス変換部102は、有機物−炭酸ガス変換部101に対して、バブリング槽5に挿入されたガス注入管30a及びその途中に設けられたバルブ30bを追加した構成を有している。サンプル吸引管4から被測定ガスたるクリーンルーム内の空気が導入される際にはバルブ30bが閉じており、ガス注入管30aは超純水6中へなにも注入しない。
【0052】所定のバブリングが行われた後に、排気管2とバブリング槽5との間がバルブ3によって閉じられ、バルブ30bが開く。これにより、ガス注入管30aは超純水6中へ活性の低いガス、例えば窒素を導入し、超純水6に対するバブリングが行われる。この窒素を用いたバブリングにより、元来炭酸ガスは、超純水6中に溶解していた他のガスと同様に除去される。
【0053】このようにしてクリーンルーム内の空気を用いて第1のバブリングを、活性の低いガスを用いて第2のバブリングを、この順に行うことにより、元来炭酸ガスが除去されるが有機物は溶解している超純水6が得られる。この後、実施の形態1と同様にして、超純水6が導入管12、バルブ11を介して反応管13へと導入される。反応管13中の超純水6にはUV光源14によって紫外光が照射され、超純水6中に溶解していた有機物は水と二酸化炭素とに分解される。その後も実施の形態1と同様にして、試料測定管23において光音響測定によって二酸化炭素の量が測定される。
【0054】上述のように、試料測定管23に導入される前に、超純水6は予め元来炭酸ガスが除去されるので、試料測定管23において測定される二酸化炭素の量は分解炭酸ガスのみを反映している。従って、本実施の形態の光音響測定においては実施の形態1のようなリファレンス測定槽17は不要である。従って、実施の形態2において用いられる光音響測定部202は、実施の形態1に示された光音響測定部201から、バルブ15,19、導入管16、リファレンス測定槽17、マイクロフォン18、排水管20、周波数調整盤28を除去した構成を有している。
【0055】以上のようにして本実施の形態によれば、元来炭酸ガスを予め除去した溶媒に対して有機物の分解を行うので、元来炭酸ガスの量を差し引くための構成を簡単にすることができる。ガス注入管30aが超純水6へと注入する、活性の低いガスとしては、窒素の他にもアルゴン等の不活性ガスを採用してもよい。
【0056】実施の形態3:図4は本発明の実施の形態3にかかる有機物測定装置の構成を示す概念図である。この有機物測定装置は、有機物−炭酸ガス変換部103と、光音響測定部201とに大きく分けられる。
【0057】有機物−炭酸ガス変換部103は、有機物−炭酸ガス変換部101に対して、バブリング槽5と反応管13との順序を入れ替えた構成を有している。具体的には、サンプル吸引管4a,4bはそれぞれバルブ11,3cを介して反応管13の入力側及び出力側に接続されている。サンプル吸引管4bは実施の形態1のサンプル吸引管4に相当する。また有機物−炭酸ガス変換部103においては、有機物−炭酸ガス変換部101の吸引ポンプ1、排気管2、バルブ3に相当する機構として、吸引ポンプ1a、排気管2a、バルブ3aがそれぞれ設けられている。
【0058】一方、反応管13には別途に、バルブ3bを介して吸引ポンプ1b、排気管2bが接続されており、これらによって反応管13からの排気が行われる。バルブ3cを閉じ、バルブ11,3bを開けることにより、反応管13にはサンプル吸引管4aから被測定ガス、例えばクリーンルーム内の空気が導入される。反応管13が被測定ガスで満たされた後、反応管13中の超純水6にUV光源14によって光、例えば紫外光を照射する。これにより、クリーンルーム内の空気に存在していた有機物は水と二酸化炭素とに分解される。
【0059】その後、バルブ11,3bを閉じ、バルブ3a,3cを開けることによって、分解炭酸ガスを含む空気はバブリング槽5中の超純水6へと導入され、バブリングが生じる。そしてバブリングの後、超純水6は光音響測定部201において光音響測定に供せられる。
【0060】以上のようにして本実施の形態によれば、有機物から予め分解炭酸ガスを得た後に、これを用いて超純水でのバブリングを行うので、超純水6に溶解しにくい有機物であっても、被測定ガス中の有機物をリアルタイムで測定することができる。
【0061】実施の形態4:図5は本発明の実施の形態4にかかる有機物測定装置の構成を示す概念図である。この有機物測定装置は、有機物−炭酸ガス変換部104と、光音響測定部201とに大きく分けられる。
【0062】有機物−炭酸ガス変換部104は、有機物−炭酸ガス変換部101に対して、分溜機構300をバルブ11の直前に追加した構成を有している。分溜機構300は、バルブ33を介して導入管12に接続された蒸発管34と、蒸発管34を加熱する加熱ヒーター35と、蒸発管34を排気する排気管37とを備えている。排気管37には、蒸発管34に近い方から順にバルブ36a、有機物除去フィルタ36bが設けられている。
【0063】実施の形態1とは異なり、バブリング槽5には超純水6の代わりに有機溶剤32が収納される。従って、注水管8、排水管10はそれぞれ水ではなく、有機溶剤32の注入、排出を行うことになる。
【0064】バルブ7,9,33を閉じた状態で、実施の形態1と同様にしてサンプル吸引管4によって被測定ガス、例えばクリーンルーム内の空気が有機溶剤32へ導入され、バブリングが行われる。そしてバルブ2を閉じ、バルブ33を開いて、有機溶剤32が蒸発管34へと導入される。この導入段階ではバルブ11は閉じられている。
【0065】バルブ36aを開け、有機溶剤32をその沸点近傍にまで蒸発管34において加熱ヒーター35によって加熱する。これにより、蒸発管34においては有機溶剤32及びこれよりも沸点の低い有機物が排気管37から排出される一方、有機溶剤32よりも沸点の高い有機物が残留し、分溜が行われる。有機物除去フィルタ36bは、当該測定装置がその周囲に有機物を排出して汚染することを防ぐ。
【0066】分溜機構300によって残留したガスは、バルブ11を介して反応管13へと導入され、実施の形態1と同様にして紫外光が照射され、あるいはオゾンが付与される。これによって分解炭酸ガスを得ることができる。
【0067】上記実施の形態1乃至3では光音響測定の対象となる検体は、分解炭酸ガスを含む溶媒であったが、本実施の形態では検体は気体である。もちろん、蒸発管34から得られたガスを用いて、更に実施の形態1に示されるように超純水6をバブリングしてから、その超純水6を反応管13へ導入してもよい。
【0068】有機溶剤32としては、イソプロピルアルコールやエタノールを用いることができるが、検出対象となる有機物に依って選択することが望ましい。もちろん、有機溶剤32の沸点よりも高い温度まで加熱することにより、有機溶剤32の沸点よりも高い沸点を有する複数の有機物の内、所望のものに対して光音響測定を施すことができる。また、蒸発管34を加熱する代わりに減圧しても分溜することができる。
【0069】以上のようにして本実施の形態によれば、分溜を行うことによって残留した有機物から分解炭酸ガスを得るので、所望の沸点以上の有機物についての検出をリアルタイムで行うことができる。
【0070】実施の形態5:図6は本発明の実施の形態5にかかる有機物測定装置の構成を示す概念図である。この有機物測定装置は、有機物−炭酸ガス変換部105と、光音響測定部201とに大きく分けられる。
【0071】有機物−炭酸ガス変換部105は、吸着管38に収納された吸着材、例えばシリカゲルや活性炭39へとサンプル吸引管4によって、被測定ガス、例えばクリーンルーム内の空気が導入される。測定対象となる雰囲気中の不純物を、吸着、放出させる技術自体は、例えば特開平7−263172号公報に紹介されている。
【0072】本発明においては、具体的には、過去の分析履歴として活性炭39に吸着されていた有機物が、バルブ41を介して排気管40から排出される。その後、排気管40はバルブ41によって閉じられる。サンプル吸引管4は活性炭39に連結しており、気溜まり38aがサンプル吸引管4とは活性炭39に関して反対側に位置している。よって気溜まり38aを、バルブ11も閉じられた状態でバルブ3及び排気管2を介して接続された吸引ポンプ1によって吸気することにより、被測定ガスが活性炭39を通って排気管2へと移動する。この際、クリーンルーム内の空気中の不純物、特に有機物が活性炭39に吸着する。
【0073】所定期間の吸着の後、バルブ3を閉じ、バルブ11を開く。気溜まり38aには導入管12が連通しており、これはバルブ11を介して反応管13の入力側に接続されている。反応管13の出力側には排気管44がバルブ43を介して接続されており、吸引ポンプ45によって気溜まり38aから反応管13へとガスを引き抜く。この際、ヒーター38bによって活性炭39が加熱され、活性炭39が吸着していた有機物が放出されて反応管13へと導入される。例えば活性炭39は250〜450℃に加熱される。
【0074】以上のようにして本実施の形態によれば、実施の形態1とは異なり、検体は溶媒ではなく気体であるが、クリーンルーム内の空気から有機物から分解炭酸ガスを得るので、その検出をリアルタイムで行うことができる。
【0075】実施の形態6:図7は本発明の実施の形態6にかかる有機物測定装置の構成を示す概念図である。この有機物測定装置は、有機物−炭酸ガス変換部106と、光音響測定部201とに大きく分けられる。
【0076】有機物−炭酸ガス変換部106は、有機物−炭酸ガス変換部101のUV光源14及び反応管13を、酸化処理機構400で置換した構成を有している。
【0077】酸化処理機構400は、バルブ11を介して導入管12に接続された酸化槽46、酸化槽46へ供給する硫酸を貯蔵する硫酸タンク47、硫酸タンク47から酸化槽46へ硫酸を導入するための注入ポンプ48a及び注入管48bを備えている。更に、注入ポンプ48aと酸化槽46との間にはバルブ48cが設けられている。
【0078】実施の形態1と同様にして、クリーンルーム内の有機物を溶解した超純水6が導入管12を通ってバルブ11に達する。バルブ11を開くことにより当該超純水6が酸化槽46に導入され、その後バルブ11を閉じる。
【0079】次にバルブ48cを開き、注入ポンプ48aによって注入管48bを介して硫酸タンク47から硫酸を酸化槽46へ供給する。酸化槽46においては硫酸による酸化反応が生じ、超純水6中の有機物から分解炭酸ガスが得られる。その後、分解炭酸ガスを含んだ超純水6と硫酸の混合物が光音響測定部201に与えられ、実施の形態1と同様にして光音響測定に供せられる。
【0080】以上のようにして本実施の形態においては硫酸によって有機物の酸化が行われるので、実施の形態1と同様、クリーンルーム内の空気から有機物から分解炭酸ガスを得て、その検出をリアルタイムで行うことができる。
【0081】なお、硫酸の代わりに他の酸化剤、例えばペルオキソ一硫酸塩、ペルオキソ二硫酸塩を採用してもよいし、これらの混合物を用いてもよい。
【0082】実施の形態7:図8は本発明の実施の形態7にかかる有機物測定装置の構成を示す概念図である。この有機物測定装置は、有機物−炭酸ガス変換部101と、圧力測定部203とに大きく分けられる。圧力測定部203は、光音響測定部201から周波数調整盤28,29を省略し、マイクロフォン18,24の代わりにそれぞれ圧力センサー50,51を設けた構成を有している。
【0083】実施の形態1で説明されたように、二酸化炭素分子が振動する波長の光、例えば4.24μmの波長のレーザーが照射されることにより、超純水6(例えば図1参照)中の二酸化炭素分子は振動し、温度が上昇し、熱膨張が生じる。そこで本実施の形態では、熱膨張による圧力変動をリファレンス測定槽17及び試料測定管23のそれぞれにおいて圧力センサー50,51で検出する。
【0084】これにより、実施の形態1と同様にして、分解炭酸ガスを元来炭酸ガスから区別して測定することができる。本実施の形態では圧力センサー50,51によって熱膨張による圧力変動を検出するのであり、実施の形態1のように音を検出するのではないので、熱膨張を断続的に生じさせるための周波数調整盤28,29は不要である。従って、これらはもとより、これらを回転させるための機構(図示されない)をも必要とせず、簡易な構成で、実施の形態1で述べた効果を得ることができる。
【0085】もちろん、実施の形態2で述べたように、有機物−炭酸ガス変換部101の代わりに有機物−炭酸ガス変換部102を採用すれば、圧力測定部203からバルブ15,19、導入管16、リファレンス測定槽17、圧力センサー50、排水管20を除去した構成を採ることができる。
【0086】また当然、実施の形態3乃至実施の形態6で示された有機物−炭酸ガス変換部103〜106と圧力測定部203とを組み合わせて使用し得る。
【0087】実施の形態8:図9は本発明の実施の形態8にかかる有機物測定装置の構成を示す概念図である。この有機物測定装置は、有機物−炭酸ガス変換部101と、分光分析部204とに大きく分けられる。分光分析部204は、光音響測定部201から周波数調整盤28,29を削除し、マイクロフォン18,24の代わりにそれぞれ赤外線センサー52,53を設け、光源27の代わりに赤外線照射器54,55を設けた構成を有している。
【0088】赤外線照射器54,55は、二酸化炭素分子が吸収する波長の赤外光、例えば29.4μmの波長のレーザーをそれぞれリファレンス測定槽17及び試料測定管23中の超純水6(例えば図1参照)に照射する。超純水6中の二酸化炭素分子は上記の赤外光を吸収するので、その吸収量は超純水6中に存在する二酸化炭素の量に依存する。よって予め既知の濃度の二酸化炭素を有する超純水6を測定して赤外光吸収についての検量線を得ておくことにより、二酸化炭素が超純水6に溶解した未知の濃度を上記吸収量を測定して定量することができる。
【0089】従って、赤外線センサー52,53によって赤外光の吸収量を検知することにより、それぞれ元来炭酸ガスの量、元来炭酸ガスと分解炭酸ガスの量の和が検出できる。両者の差として分解炭酸ガスの量が求められ、引いては被測定ガス中の有機物の量を求めることができる。つまり有機物を二酸化炭素へと変換し、これが吸収する光の量を測定するので、被測定ガス中の有機物をリアルタイムで測定することができる。
【0090】本実施の形態においても実施の形態7と同様に、赤外光を断続的に照射する機構は不要であり、実施の形態2乃至実施の形態6と組み合わせて、それぞれの特有の効果を享受することができる。
【0091】赤外線照射器54,55及び赤外線センサー52,53は、それぞれ紫外線照射器、紫外線センサーに置換してもよい。例えば紫外線照射器は0.147μmの波長の紫外光を照射する。
【0092】また、赤外線照射器54,55をそれぞれリファレンス測定槽17及び試料測定管23に対して別個に設けるのではなく、実施の形態1で示された光源27のように、リファレンス測定槽17及び試料測定管23に対して同一のものを採用することができる。また分光分析部204が光の吸収量以外に他のスペクトル分光分析を実行してもよい。
【0093】実施の形態9:図10は本発明の実施の形態9にかかる有機物測定装置の構成を示す概念図である。この有機物測定装置は、有機物−炭酸ガス変換部101と、導電率測定部205とに大きく分けられる。導電率測定部205は、光音響測定部201から光源27、周波数調整盤28,29を除去し、マイクロフォン18,24の代わりにそれぞれ導電率計57,56を設けた構成を有している。
【0094】超純水6(例えば図1参照)の導電率はその中に存在する二酸化炭素の量に依存する。よって予め既知の濃度の二酸化炭素を有する超純水6を測定して導電率についての検量線を得ておくことにより、二酸化炭素が超純水6に溶解した未知の濃度を上記導電率を測定して定量することができる。
【0095】導電率計57,56は、それぞれリファレンス測定槽17及び試料測定管23に導入された超純水6の導電率を測定するので、それぞれ元来炭酸ガスの量、元来炭酸ガスと分解炭酸ガスの量の和が検出できる。両者の差として分解炭酸ガスの量が求められ、引いては被測定ガス中の有機物の量を求めることができる。つまり有機物を二酸化炭素へと変換し、これを含む検体たる超純水6の導電率を測定するので、被測定ガス中の有機物をリアルタイムで測定することができる。
【0096】本実施の形態においても実施の形態7及び実施の形態8と同様に、赤外光を断続的に照射する機構は不要であり、実施の形態2乃至実施の形態6と組み合わせて、それぞれの特有の効果を享受することができる。
【0097】導電率計56,57はpH(水素イオン濃度)センサーに置換して、導電率測定部205を水素イオン濃度測定部としてもよい。超純水6の導電率は、その中に存在する二酸化炭素の量に依存するからである。
【0098】実施の形態10:図11は本発明の実施の形態10にかかる有機物測定装置の構成を示す概念図である。この有機物測定装置は、有機物捕集部107と、分光分析部204とに大きく分けられる。
【0099】有機物捕集部107は、有機物−炭酸ガス変換部101から反応管13及びUV光源14を除去した構成を有しており、バブリング槽5から導入管12を介して分光分析部204に超純水6が導入される。またサンプル吸引管4の途中には炭酸ガス除去フィルタ58が設けられ、被測定ガスから二酸化炭素が除去されて、バブリング槽5へと導入される。
【0100】本実施の形態では実施の形態1乃至実施の形態9とは異なり、分解炭酸ガスを測定することにより間接的に有機物の量を求めるのではなく、カルボニル基(-CO-)を有する有機物を分解することなく、分光分析部204における分光分析に供する。従って、元来炭酸ガスをも除去する必要上、炭酸ガス除去フィルタ58が設けられている。
【0101】実施の形態1と同様にしてバブリングが行われた超純水6は、有機物の分解が行われることなく、実施の形態8と同様にして、例えば29.4μmの赤外光が照射される。そしてこの赤外光の吸収量を測定することにより、特定の官能基、例えばカルボニル基を有する有機物、例えばカルボン酸やフタル酸エステルなどが含むカルボニル基量を測定することができる。
【0102】なお、実施の形態1において元来炭酸ガスを分解炭酸ガスと区別したように、本実施の形態においても、超純水6に元々含まれている官能基(以下「元来官能基」という)、例えばカルボニル基を有する有機物の量を差し引いた測定を行うことが望ましい。そのため、バブリングが行われない超純水6についての赤外光の吸収量を測定し、元来官能基の量を求めることが望ましい。つまり有機物を捕集しない溶液に対しても分光分析を行うことによって、被測定ガスに含まれる官能基の量を正確に求めることができる。バブリングしない超純水6を分光分析部204のリファレンス測定槽17(図9参照)に導入することは、バルブ3,7,9,11,15,21を適宜に操作することで容易に実現できる。
【0103】以上のように本実施の形態によれば、被測定ガスを用いたバブリングを行って、被測定ガス中の有機物を含んだ検体たる超純水6に対して分光を行うので、特定の官能基を有する有機物の量をリアルタイムで測定することができる。
【0104】なお、赤外線照射器54,55(図9参照)が照射する光の波長は、二酸化炭素の吸光する波長に限られない。有機アミン基、有機エステル基を評価するために、適切な波長を選ぶことができる。また赤外領域以外の光を照射し、その光の吸収を測定してもよい。その場合、二酸化炭素と区別した同定が可能ならば、炭酸ガス除去フィルタ58を必ずしも用いることもない。
【0105】変形:上記実施の形態1乃至10では有機物測定装置について説明したが、これらにおいて例示された構成以外でも、各実施の形態で説明された内容で有機物を測定する方法も本発明の範疇にある。
【0106】
【発明の効果】この発明のうち請求項1にかかる有機物測定装置及び請求項15にかかる有機物測定方法によれば、有機物を二酸化炭素へと変換し、これを含む検体に対して、例えば光音響測定を行うので、被測定ガス中の有機物量をリアルタイムで測定することができる。
【0107】この発明のうち請求項2にかかる有機物測定装置及び請求項16にかかる有機物測定方法によれば、光音響測定ではなく、検体の熱膨張による圧力を検知するので、光を断続的に照射するための機構が不要となる。
【0108】この発明のうち請求項3にかかる有機物測定装置及び請求項17にかかる有機物測定方法によれば、有機物を二酸化炭素へと変換し、これを含む検体が吸収する光の量を測定するので、被測定ガス中の有機物をリアルタイムで測定することができる。
【0109】この発明のうち請求項4にかかる有機物測定装置及び請求項18にかかる有機物測定方法によれば、有機物を二酸化炭素へと変換し、これを含む検体の導電率を測定するので、被測定ガス中の有機物量をリアルタイムで測定することができる。
【0110】この発明のうち請求項5にかかる有機物測定装置及び請求項19かかる有機物測定方法によれば、有機物を二酸化炭素へと変換し、これを含む検体の水素イオン濃度を測定するので、被測定ガス中の有機物量をリアルタイムで測定することができる。
【0111】この発明のうち請求項6にかかる有機物測定装置及び請求項20にかかる有機物測定方法によれば、溶媒を用いたバブリングにより、固形不純物を容易に除去できる。
【0112】この発明のうち請求項7にかかる有機物測定装置及び請求項21にかかる有機物測定方法によれば、被測定ガス中にもともと存在する二酸化炭素の量も測定されるので、これを差し引いた二酸化炭素の量に基づいて有機物を測定することができる。
【0113】この発明のうち請求項8にかかる有機物測定装置及び請求項22にかかる有機物測定方法によれば、容易な構成で、被測定ガス中にもともと存在する二酸化炭素の量を差し引いた二酸化炭素の量に基づいて、有機物を測定することができる。
【0114】この発明のうち請求項9にかかる有機物測定装置及び請求項23にかかる有機物測定方法によれば、溶媒に溶解しにくい有機物であっても、予め二酸化炭素に変換されるので、請求項1乃至5の効果を得ることができる。
【0115】この発明のうち請求項10にかかる有機物測定装置及び請求項24にかかる有機物測定方法によれば、分溜を行うことによって残留した有機物から二酸化炭素を得るので、所望の沸点以上の有機物についての検出をリアルタイムで行うことができる。
【0116】この発明のうち請求項11にかかる有機物測定装置及び請求項25にかかる有機物測定方法によれば、吸着/放出手段によって被測定ガスから有機物を得るので、固形不純物を容易に除去できる。
【0117】この発明のうち請求項12にかかる有機物測定装置及び請求項26にかかる有機物測定方法によれば、有機物を酸化させて、二酸化炭素を得ることができる。
【0118】この発明のうち請求項13にかかる有機物測定装置及び請求項27にかかる有機物測定方法によれば、有機物を含む検体に対して、分光分析によって官能基を測定するので、被測定ガス中で特定の官能基を有する有機物の量をリアルタイムで測定することができる。
【0119】この発明のうち請求項14にかかる有機物測定装置及び請求項28にかかる有機物測定方法によれば、有機物を捕集しない溶液に対する分光分析によって、被測定ガスに含まれる官能基の量を正確に求めることができる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成12年1月7日(2000.1.7)
【代理人】 【識別番号】100089233
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 茂明 (外2名)
【公開番号】 特開2001−194359(P2001−194359A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−1454(P2000−1454)