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【発明の名称】 ガス成分検出方法および検出器
【発明者】 【氏名】宮井 優

【氏名】武田 賢二

【氏名】米重 芳一

【要約】 【課題】測定精度を向上し得るガス成分検出方法を提供する。

【解決手段】水素炎を形成するための燃料ガスおよび助燃ガスの各流量や試料ガスの流量と検出感度との相関性を予め求めて、これら相関性に基づいて各ガス流量を設定する。例えば、試料ガス中に燃料ガスと同一の水素ガスが含まれるときには、燃料ガス流量を感度曲線上のピーク領域に対応する流量に設定し、かつ、試料ガス流量を、この試料ガス中の水素ガス量と燃料ガス流量との和が上記ピーク領域内となるように設定した流量条件で測定する(▲)。これにより、試料ガス中の水素ガス濃度が変動しても、ピーク感度での検出状態が維持されて精度の良好な測定を行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 試料ガス中に含まれる被測定成分が水素炎中で燃焼するときの変化を検出するガス成分検出方法であって、水素炎を形成するための燃料ガスおよび助燃ガスと、試料ガスとの各流量と検出感度との相関性を予め求め、この相関性に基づいて各流量を設定することを特徴とするガス成分検出方法。
【請求項2】 燃料ガスおよび助燃ガスの各流量と試料ガスの流量とを、それぞれこれら流量を変化させたときにほぼ最高感度が得られる流量に設定することを特徴とする請求項1のガス成分検出方法。
【請求項3】 試料ガス中に燃料ガスと助燃ガスとの一方の構成成分と同一の共通ガス成分が含まれるときに、燃料ガスと助燃ガスとの上記一方の流量を、その流量を変化させたときの感度曲線上のピーク領域に対応する流量に設定すると共に、試料ガスの流量を、上記共通ガス成分の量を燃料ガスと助燃ガスとの上記一方の流量に加算した量が上記ピーク領域内となるように設定することを特徴とする請求項1のガス成分検出方法。
【請求項4】 燃料ガスと助燃ガスと試料ガスとの各供給配管が接続されて水素炎が形成される燃焼室を設けると共に、各供給配管を通して各々供給される各ガスの流量を検出感度との相関性に基づいて個別に設定するための流量制御手段を設けていることを特徴とするガス成分検出器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料ガス中の成分分析に用いられるガス成分検出方法および検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガスクロマトグラフでは、試料がキャリアガスによってカラム中を運ばれていく間に試料の各成分が分離されてカラム出口から溶出する。このカラム出口からの試料ガスを検出器に送り、この試料ガス中の各成分を検出器で検出してその検出値を縦軸に、時間を横軸にした溶出曲線(クロマトグラム)を描かせてガス分析が行われる。この場合の検出器として、ほぼ全ての炭化水素に対して検出可能な水素炎イオン化検出器が用いられている。また、例えば自動車排気ガス中の炭化水素の分析を行うとき等には、クロマトカラムを通さずに、この水素炎イオン化検出器に直接試料ガスを導入することにより炭化水素の連続測定が可能となることから、この水素炎イオン化検出器はかかる連続測定用検出器としても用いられている。
【0003】水素炎イオン化検出法は、試料ガスを水素炎中に導いてその燃焼熱でイオン化させ、生成する炭素イオンを捕集して生じるイオン電流を増幅し検出記録するもので、その装置は燃焼室を設けて構成される。この燃焼室に、燃料ガスとしての水素と、助燃ガスとしての空気とを供給して水素炎が形成される。そして、燃料ガス中に試料ガスを注入することで、この試料ガス中の炭化水素が水素炎中で燃焼してイオン化する。これが、水素炎形成領域の周囲に配設したコレクタ電極で捕捉されてイオン電流が生じ、これによって上記したガス分析が行われる。
【0004】このような水素炎イオン化検出器では、その測定精度を上げるために、従来、例えばコレクタ電極の形状や、燃料ガスと試料ガスとを燃焼室内に噴射させるためのノズル形状などに各種の改良を加えて、ノズル先端で形成される水素炎とコレクタ電極との相対位置関係を適正化する試み等が行われている。すなわち、水素炎の周囲で発生したイオンに対し、これを捕捉するコレクタ電極での捕捉効率を上げて、より高感度の検出を行い得るような改良等が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のような水素炎イオン化検出器に供給する燃料ガスと助燃ガスとの流量は、例えばこれらガスの消費量を極力抑える等の観点で設定され、このような前提をもとに水素炎を形成して、これに適正量の試料ガスを注入する操作が行われている。しかしながら、これら燃料ガスや助燃ガス・試料ガスの各流量について上記のような観点を前提にした測定状態では、必ずしも充分に良好な測定精度は得られない。
【0006】つまり、水素炎とコレクタ電極との相対位置関係は水素炎自体の形状にも大きく依存し、この水素炎の形状は、燃料ガスと助燃ガスとの流量比によって変化する。したがって、このような流量比の調整によって検出感度も大きく変化するにもかかわらず、このような観点での流量設定が行われていないために、充分な測定精度が得られない。
【0007】特に、例えば燃料電池電気自動車の排ガス中の成分分析を行う場合には、排ガス中に水素ガスが含まれる。このような場合に、排ガス中の水素ガスが燃料ガスとしても作用し、この結果、トータル的な燃料ガスの量が変動する。このような流量変動によって、測定精度の低下が生じる場合がある。本発明は、上記した問題点に鑑みなされたもので、その目的は、測定精度を向上し得るガス成分検出方法および検出器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の請求項1のガス成分検出方法は、試料ガス中に含まれる被測定成分が水素炎中で燃焼するときの変化を検出するガス成分検出方法であって、水素炎を形成するための燃料ガスおよび助燃ガスと、試料ガスとの各流量と検出感度との相関性を予め求め、この相関性に基づいて各流量を設定することを特徴としている。
【0009】すなわち、例えば請求項2のように、燃料ガスおよび助燃ガスの各流量と試料ガスの流量とを、それぞれこれら流量を変化させたときにほぼ最高感度が得られる流量に設定すれば、これによってトータル感度をさらに上昇させたガス検出が行われることになって、より精度の良好な測定を行うことができる。
【0010】また、燃料ガス等についてその消費量を極力抑える等の制約がある場合でも、その制約の範囲内で、検出感度をより高くし得る流量を各々選定して設定することで、この場合でも、これらガス流量の設定によって感度を上昇させたガス検出を行うことができるので、より精度の良好な分析を行うことが可能となる。
【0011】請求項3のガス成分検出方法は、請求項1の方法において、試料ガス中に燃料ガスと助燃ガスとの一方の構成成分と同一の共通ガス成分が含まれるときに、燃料ガスと助燃ガスとの上記一方の流量を、その流量を変化させたときの感度曲線上のピーク領域に対応する流量に設定すると共に、試料ガスの流量を、上記共通ガス成分の量を燃料ガスと助燃ガスとの上記一方の流量に加算した量が上記ピーク領域内となるように設定することを特徴としている。
【0012】この方法によれば、試料ガス中に、例えば燃料ガスを構成する水素ガスが含まれる場合には、このときの燃料ガス流量が、その感度曲線上のピーク領域に対応する流量に設定される。すなわち、このような感度曲線は一般に上に凸の形状であり、また、そのピーク領域では、流量が変動してもほぼピーク感度が維持されるようなゆるやかな湾曲形状である。そこで、上記のように燃料ガス流量をピーク領域に設定し、かつ、試料ガスの流量を、これに含まれる水素ガス量を燃料ガス流量に加算した量が上記ピーク領域内となるように設定することによって、試料ガス中の水素ガス量が変動しても、上記のピーク感度でのガス成分の検出状態が維持されるので、測定精度が向上する。
【0013】なお、この場合に、試料ガス流量が小さく設定されることによってこの試料ガス流量に基づく感度自体が低下することになっても、上記のように燃料ガス流量に基づく感度がより高い状態で保持されるので、トータル的な感度は向上し、これによって、精度の良好なガス分析を行うことができる。一方、例えば試料ガス中に例えば助燃ガスを構成する酸素ガスが含まれる場合には、この助燃ガス流量と試料ガスとを上記同様に設定することによってトータル感度が良好なガス検出を行うことができ、測定精度を向上することができる。
【0014】請求項4のガス成分検出器は、燃料ガスと助燃ガスと試料ガスとの各供給配管が接続されて水素炎が形成される燃焼室が設けられると共に、各供給配管を通して各々供給される各ガスの流量を検出感度との相関性に基づいて個別に設定するための流量制御手段が設けられていることを特徴としている。
【0015】このように、各ガス流量を検出感度との相関性に基づいて個別に設定するための流量制御手段を設けた装置構成とすることによって、前記請求項1〜3の方法に基づく感度の高い検出を行わせることができ、これによって、測定精度の良好な分析結果を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】図2に、本実施形態に係る水素炎イオン化検出器の概略図を示している。この水素炎イオン化検出器は、筒状の囲壁1aで囲われた燃焼室1を設けて形成されている。この燃焼室1内における底壁上に混合ガス供給ノズル2が立設されており、また、このノズル2の上端面よりやや上方の空間を囲うように、略円筒状のコレクタ電極3が配設されている。なお、混合ガス供給ノズル2には、これに所定の高圧直流電圧を印加するための高圧ケーブル4が接続されている。また、コレクタ電極3には、後述するイオン電流を外部に導くための信号ケーブル5が接続されている。
【0018】そして、上記燃焼室1内で水素炎を形成するために、まず、燃焼室1の底壁に水素ガス(以下、燃料ガスという)を供給するための燃料ガス供給配管6が接続されている。この燃料ガス供給配管6の中途位置に、図示しない例えばガスクロマトグラフのカラムから延びる試料ガス供給配管7が接続されている。これにより、燃料ガス供給配管6を通して供給される燃料ガスに、上記試料ガス供給配管7を通して供給される試料ガスが混合され、この混合ガスが前記混合ガス供給ノズル2を通してこのノズル2の上端から上方に噴出するように構成されている。
【0019】一方、燃焼室1における囲壁1aの底部外周に、空気(以下、助燃ガスという)を供給するための助燃ガス供給配管8が接続されている。この配管8を通して供給される助燃ガスが混合ガス供給ノズル2の底部側周囲に供給される。なお、燃焼室1の上壁面に排気口1bが形成されている。したがって、上記のように供給された助燃ガスは燃焼室1内を上方へと流れ、この助燃ガスと、混合ガス供給ノズル2を通して供給される混合ガスとが混じり合うノズル先端の領域に、図示しない点火装置を作動することによって水素炎9が形成される。
【0020】なお、各ガス供給配管6・7・8には、それぞれ、燃料ガスおよび試料ガス・助燃ガスの各流量を調整するために、それぞれ、圧力調節器6a・7a・8aと絞り6b・7b・8bとが介装され、これらによって、各ガスの流量を、後述するように検出感度との相関性に基づいて個別に設定するための流量制御手段が構成されている。
【0021】上記構成の水素炎イオン化検出器で、例えば炭化水素ガスの分析を行う場合、前記のように、試料ガスと燃料ガスとの混合ガスが混合ガス供給ノズル2を通して燃焼室1に供給され、これがノズル2の上方で燃焼して水素炎9を形成する。そして、試料ガスに含まれる炭化水素は、水素炎9の熱エネルギによりイオン化され、水素炎9を囲うコレクタ電極3に捕集される。このコレクタ電極3では、イオンの放電によって電子の授受が生じ、イオン電流が発生する。そして、このイオン化電流が信号ケーブル5を通して外部に導かれ、図示しない信号増幅器により増幅され、また電圧に変換されて記録計で記録され、炭化水素ガスの分析が行われる。
【0022】なお、上記のような水素炎イオン化検出器での測定精度は、燃料ガスや助燃ガス・試料ガスの流量比に大きく依存する。すなわち、これらの流量比に応じて水素炎9の形状が変化し、また、水素炎9の周囲で生じるイオン化率が変化する。この結果、コレクタ電極3からのイオン化電流が変化して検出感度が変化することになる。そこで本実施形態では、燃料ガスおよび助燃ガスと試料ガスとの各流量と検出感度との相関性を予め求め、この相関性に基づいて各流量を設定してガス分析が行われている。
【0023】図3〜図5に、各ガス流量と感度との相関性を示す感度曲線の一例を示している。図3は、助燃ガス流量が200ml/min、試料ガス流量が5〜20ml/minのときに、燃料ガス流量(Fuel流量)を変化させたときの感度曲線、図4は、燃料ガス流量が120ml/min、試料ガス流量が5〜20ml/minのときに、助燃ガス流量(Air流量)を変化させたときの感度曲線である。また図5は、燃料ガス流量が120ml/min、助燃ガス流量が200ml/minのときに、試料ガス流量(サンプル流量)を変化させたときの感度曲線である。なお、これら各感度曲線は、各々のピーク感度をそれぞれ“1”とし、これに対する感度比を縦軸としている。
【0024】このような感度曲線に基づき、各ガス流量の設定が行われている。例えば自動車排ガス中における炭化水素ガスの分析を行う場合において、各ガスの設定流量の一例を例示すれば、燃料ガス流量120ml/min、助燃ガス流量200ml/min、試料ガス流量5〜20ml/minである(以下、これら流量の組合せを通常流量条件という)。
【0025】なお、このときの燃料ガス流量と助燃ガス流量とは、それぞれ感度がピークになる領域(燃料ガス流量については100〜110ml/minの領域、助燃ガス流量については、350ml/min近傍の領域)からやや外れた流量となっている。これは、例えば助燃ガス(精製空気)の消費量を極力少なくする点等を考慮して設定されたものである。一方、試料ガス流量は、そのピーク領域よりも少ない流量に設定されている。これは、この試料ガスに含まれる被測定成分としての炭化水素ガス以外のガス成分、例えば一酸化炭素や二酸化炭素、酸素などのガス成分との干渉を抑えるために上記のような流量に設定されている。
【0026】このような設定によっても、各燃料ガス流量と助燃ガス流量とはそれぞれピーク感度に近い感度が得られる流量領域に設定されているので、このようなガス流量の設定によってトータル感度を上昇させたガス検出を行うことができ、これによって、より精度の良好な分析が行われる。なお、例えば上記したような助燃ガス流量を抑える等の制約、また、干渉等の制約のない成分分析を行う場合には、燃料ガスや助燃ガス・試料ガスの各流量を、それぞれこれら流量を変化させたときにほぼ最高感度が得られる流量に設定すれば、さらにトータル感度を上昇させたガス検出を行い得ることになり、これによって、さらに精度の良好な測定を行うことができる。
【0027】ところで、例えば燃料電池電気自動車において、その排ガスのガス分析を行う場合等には試料ガス中に水素ガスが含まれる。このため、燃料ガス(水素ガス)のガス流量を上記同様の流量に設定してガス分析を行う場合には、試料ガス中の水素ガスも燃料ガスとして作用するため、トータル的な燃料ガス流量が変動する。すなわち、図3に示す感度曲線において、燃料ガス流量を、そのピーク領域を越えて前記のように120ml/minに設定した流量条件では、これに試料ガス中の水素ガスが加わると、この燃料ガス流量に基づく感度の低下が生じ、この結果、前記した通常流量条件では測定精度が低下する。
【0028】そこで本実施形態では、上記のように水素ガスが試料ガス中に含まれる場合のガス分析では、燃料ガス(水素ガス)のガス流量を、これを変化させたときにほぼ最高の感度が得られるピーク領域に設定し、かつ、試料ガス流量については、その流量範囲を前記した通常流量条件よりも小さく設定している(以下、このような流量設定条件を、含有成分対応流量条件という)。次に、このような流量条件に設定した理由について、上記の図3を参照して説明する。
【0029】図のように、燃料ガス流量(Fuel流量)を変化させたときの感度曲線は上に凸の形状であり、そのピーク領域、すなわち、この場合には流量がほぼ100ml/minから110ml/minの領域では、流量が変動してもほぼピーク感度が維持されるようなゆるやかな湾曲形状である。そして、このピーク感度領域から流量が少なくなっても、また、増大しても各々感度の低下が生じるものとなっている。
【0030】したがって、試料ガス中に燃料ガスと同一成分の水素が含まれ、これが、燃料ガスとしてのトータル的な流量変化を生じさせる場合に、燃料ガス流量を上記のようなピーク領域に対応する領域、例えば100ml/minに設定しておくことで、試料ガス中に含まれる水素濃度が変動しても、燃料ガスとしてのトータル流量は上記したピーク領域の範囲から大きく逸脱しないようにすることができる。これによって、ほぼピーク感度での測定状態が維持される。
【0031】なお実際には、上記のように燃料ガス流量を変化させると、このときの助燃ガス流量に対する感度曲線は、図4に示したもの(燃料ガス流量が120ml/minのときの感度曲線)からのずれが生じる。したがって、上記のような燃料ガス流量の変更に合わせて、このときの助燃ガス流量に対する感度曲線から、この助燃ガス流量に基づく感度も上昇させた流量、例えば300ml/minに、この助燃ガス流量も併せて変更している。
【0032】一方、試料ガスについては、この試料ガス中の水素ガス量と燃料ガス流量との和が上記ピーク領域内となるように、例えば3〜10ml/minに設定している。この場合、前記した通常流量条件での流量範囲(5〜20ml/min)からみれば、より少ない流量に設定されることになる。したがって、この場合の試料ガス流量に基づく感度はより低くなる。しかしながら、上記のように燃料ガス流量をピーク感度領域に設定することにより、試料ガス流量に基づく感度が低くともトータル的な感度はより高い状態で維持され、かつ、試料ガス中の水素濃度変化に対しても影響は少なくなる。しかも、このように試料ガス流量をより少なくすることで、これに含まれる水素濃度の変動による影響度がさらに小さくなる。この結果、試料ガス流量を上記のように設定することによって、トータル感度がより高い状態が確実に維持される。
【0033】図1に、試料ガス(サンプル)中における水素ガス濃度を変化させたときの前記した通常流量条件でのトータル感度変化の一例を●で、上記した含有成分対応流量条件でのトータル感度変化の一例を▲でそれぞれ示している。これらは、通常流量条件で、水素ガス濃度がゼロのときの感度を“1”とし、これに対する感度比を求めてプロットしたものである。通常流量条件では、水素ガス濃度の上昇に伴って感度の低下が生じている。
【0034】これに対し、含有成分対応流量条件、例えば燃料ガス流量を通常流量条件での120ml/minから前記のように100ml/min程度に低下させた流量条件での感度は、水素ガス濃度の上昇に伴う感度の低下が小さく抑えられている。
【0035】このように、本実施形態においては、試料ガスに燃料ガスと同一成分の水素が含まれる場合に、燃料ガス流量を、この燃料ガス流量を変化させたときにピーク感度が得られる流量に設定する。そして、試料ガス流量に含まれる水素ガスの量を燃料ガス流量に加算した量が、確実にピーク感度領域内となるようにしてガス分析が行われる。この結果、試料ガス中における水素濃度の変動に殆ど影響されることなく、燃料電池自動車の排ガスのガス分析も、より高精度で行うことが可能となっている。
【0036】以上に本発明の具体的な実施形態について説明したが、本発明は上記形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々変更することが可能である。例えば上記では、試料ガス中に燃料ガスと同一成分の水素ガスが含まれるときのガス分析を行う場合を例に挙げたが、試料ガス中に例えば酸素が含まれる場合には、助燃ガスの流量をそのピーク感度領域に対応する流量に設定することで、上記同様に、試料ガス中における酸素の濃度変動の影響を極力小さくして精度の良好なガス分析を行うことが可能となる。
【0037】また上記では、水素炎イオン化検出器(FID)を例に挙げて説明したが、例えば炎光光度検出器(FPD)やフレームサーモオーニック検出器(FTD)等のその他の検出器でガス成分を検出する場合にも本発明を適用することが可能である。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1のガス成分検出方法においては、水素炎を形成するための燃料ガスおよび助燃ガスの各流量や試料ガスの流量と検出感度との相関性を予め求め、これら相関性に基づいて、例えば請求項2のように、各ガス流量をほぼ最高感度が得られる流量に設定してガス成分の検出が行われる。したがって、このような流量設定に基づいてトータル感度がさらに上昇したガス検出が行われることになって、より精度の良好な測定を行うことができる。
【0039】請求項3のガス成分検出方法においては、試料ガス中に燃料ガスと助燃ガスとの一方の構成成分と同一の共通ガス成分が含まれるときに、上記一方のガス流量を感度曲線上のピーク領域に対応する流量に設定し、かつ、試料ガスの流量は、共通ガス成分の量を上記一方のガスの流量に加算した量が上記ピーク領域内となるように設定する。これにより、試料ガス中の共通ガス成分量が変動しても、上記のピーク感度での検出状態が維持されるので、精度の良好な測定を行うことができる。
【0040】請求項4のガス成分検出器は、燃料ガスと助燃ガスと試料ガスとの各供給配管を通して燃焼室に各々供給される各ガス流量を検出感度との相関性に基づいて個別に設定するための流量制御手段が設けられているので、上記請求項1〜3の方法に基づく感度の高いガス検出を行わせることができ、これによって、測定精度の良好な分析結果を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000155023
【氏名又は名称】株式会社堀場製作所
【出願日】 平成12年1月7日(2000.1.7)
【代理人】 【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
【公開番号】 特開2001−194356(P2001−194356A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−1542(P2000−1542)