| 【発明の名称】 |
カラム洗浄液 |
| 【発明者】 |
【氏名】瀬戸口 雄二
【氏名】大石 和之
【氏名】川辺 俊樹
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| 【要約】 |
【課題】従来技術の諸欠点を解消し、カラムの洗浄能力が強く、カラムを充分に再生でき、カラムの耐久性を向上し得るカラム洗浄液を提供する。
【解決手段】、液体クロマトグラフィー用カラムの洗浄液において、カオトロピックイオンを含み、かつ、pHが2.0〜4.5、及び/又は、pHが7.0〜12.0で緩衝能を持つ緩衝剤を含むカラム洗浄液。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液体クロマトグラフィー用カラムの洗浄液において、カオトロピックイオンを含み、かつ、pHが2.0〜4.5、及び/又は、pHが7.0〜12.0で緩衝能を持つ緩衝剤を含むカラム洗浄液。 【請求項2】 液体クロマトグラフィー用カラムの洗浄液において、カオトロピックイオンを含み、かつ、pHが7.0〜12.0で緩衝能を持つ緩衝剤を含み、少なくともカチオン交換基を有する充填剤からなるカラムの洗浄に用いることを特徴とするカラム洗浄液。 【請求項3】 液体クロマトグラフィー用カラムの洗浄液において、カオトロピックイオンを含み、かつ、pHが2.0〜4.5で緩衝能を持つ緩衝剤を含み、少なくともアニオン交換基を有する充填剤からなるカラムの洗浄に用いることを特徴とするカラム洗浄液。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば生体成分を分析対象とする液体クロマトグラフ用カラムの洗浄液に関する。 【0002】 【従来の技術】最近、液体クロマトグラフ(LC)は、臨床検査分野で広く用いられており、特に、血液試料中に含まれている夾雑成分の中から測定対象成分を分離したり、性質の似た複数の成分を相互に分離分析したり、特定の成分を分取するために用いられている。 【0003】液体クロマトグラフ装置では、上記のように各種成分を分離するための分離カラムに、試料含有溶離液が供給され、分離カラム内の充填剤と試料中の各種成分との相互作用の差により、各種成分が分離される。 【0004】試料中に含まれている成分は、相互作用の弱い成分から順に分離カラムから溶出される。従って、溶出液を吸光光度計などの検出手段により測定することにより、クロマトグラフ情報が得られる。このクロマトグラフ情報を解析することにより、測定対象成分の定性分析や定量分析を行うことができる。 【0005】一方、血液試料の中でも、糖化ヘモグロビン、特にヘモグロビンA1c(以下、HbA1cという)は糖尿病診断の指標として広く利用されている。HbA1cとは血液中の糖が赤血球に入った後に、ヘモグロビンと不可逆的に結合して生成したものであり、過去1〜2カ月間の血液中の平均的な糖濃度を反映する。そして、このHbA1cの測定方法として、一般に上記、LC法や免疫法が用いられている。 【0006】液体クロマトグラフィー法によるHbA1cの測定は、主にカチオン交換液体クロマトグラフィー法により行われている(特公平8−7198号公報など)。溶血液試料をカチオン交換液体クロマトグラフィーにより分離すると、通常、ヘモグロビンA1a(以下、HbA1aという)及びヘモグロビンA1b(以下、HbA1bという)、ヘモグロビンF(以下、HbFという)、不安定型HbA1c、安定型HbA1c並びにヘモグロビンA0(以下、HbA0という)などのピークが出現する。なお、糖尿病の診断の指標として使用されているHbA1cは、最近では、上記のうちの安定型HbA1cであり、その割合は、全ヘモグロビンピークの面積に対する安定型HbA1cピークの面積の比率(%)として求められている。 【0007】しかしながら、上記血液試料中のHbA1c値の測定を多数行うと、LCの分離カラムが徐々に劣化する。そのため、ピークの保持時間(Rt)が速くなり、ピークの位置が移動したり、各ピークがブロード化し、クロマトグラムの形状が変化する。その結果、HbA1c値も変わり、HbA1c値のばらつきが大きくなるという問題があった。 【0008】さらに、血液試料中には、アルブミンなどの蛋白質、コレステロールなどの脂質などが多く含まれている。LCで血液試料中の分析対象物を分析定量する場合、分離カラム中の充填剤に分析対象物以外の蛋白質や脂質が非特異的に吸着し、分離カラム内の充填剤と血液試料中の分析対象物との相互作用に変化(一般的には相互作用が小さくなる)が生じ分離パターンが悪化し正確な測定値を得ることが出来なくなる(カラムの劣化)。また、最近、糖化アルブミン、糖化ヘモグロビン、コレステロールを短時間に分析定量できる専用分離カラムも販売されているが、非常に高価であり、これらの分離カラムにおいても上記のように分析対象物以外の蛋白質や脂質が非特異的に吸着し、分離カラムの耐久性が悪い問題がある。分離カラムの耐久性が向上すると測定に関わるコスト(ランニングコスト)も非常に安くなるメリットがある。 【0009】例えば、HbA1cの測定において分離カラムが劣化する場合は、主として、血液検体中の充填剤に強く保持される成分が徐々に充填剤に蓄積し、充填剤中の有効なイオン交換基が少なくなる場合である。その結果、分離カラム内における各ヘモグロビン成分の保持挙動が変わることになるのである。 【0010】上記問題点を解決するために、従来行われているカラムの再生方法として、高速液体クロマトグラフ分析(改訂版)(日本分析化学会関東支部編,編者:社団法人,日本分析化学会関東支部,発行者:森田 勝久,昭和60年5月30日改訂版第2刷,p104,7.5カラムの寿命と再生)には以下の方法1及び2が記載されている。第1の方法では、非可逆吸着を起こし、充填剤の表面の性質が変わって、標準サンプルの溶離パターンが変化したような場合には、表面をコーティングしている物質を良く溶解するような溶媒を用いて洗浄するのみで回復する。また、第2の方法では、イオン交換樹脂は、1N塩酸および1N水酸化ナトリウムで洗浄後、1〜2Nの食塩水で平衡にしたのち超音波洗浄器を用いて洗う。通常はこの方法で良いが、蛋白質などが強く吸着されている場合には、1〜2Nの水酸化ナトリウムで処理するかプロテアーゼのような酵素を用いて分離溶出させる。もし以上のような処理を行っても回復しない場合には10%ぐらいの次亜塩素酸ソーダで処理するとほとんどの場合回復するが、交換容量が多少変わることがある。 【0011】また、上記以外にも以下に示すような方法でカラム耐久性を向上させる方法がある。 【0012】例えば、第3の方法として、HbA1cの定量に際し、分離カラムを洗浄するために、測定時とは送液方法を逆方向とし、0.5%SDS+0.5MのNaOHからなる洗浄液を通液する方法が知られている(ファルマシア社製、FPLC:アプリケーションファイルNo.13「HbA1cの定量」、1985年3月発行)。 【0013】特開平5−281222号公報には、第4の方法として、血液試料中のヘモグロビン類をクロマトグラフィーにより分析するに際し、S−カルボキシアルキル−L−システインを100mM以下の濃度で含むリン酸系緩衝液を、分析工程の途中において分離カラムを供給する方法が開示されている。この方法では、上記液体は、測定に際して溶離液として用いられてもよく、分離カラムを洗浄液として用いられてもよい旨が示されている。 【0014】第5の方法として、特開平6−9469号公報には、液体クロマトグラフ用分離カラムが、保存中または使用中に官能基の変化により劣化するのを防止するために、分離カラム中の充填剤の化学修飾基と同じ構造を分子中に有する成分を含む溶液を分離カラム洗浄液として用いる方法が開示されている。 【0015】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第1の方法では、洗浄した溶媒を完全に充填剤から取り除かないと分離パターンが変化してしまう。溶媒を取り除くためには、充填剤を乾燥しカラムに再充填する必要があるため作業が非常に煩雑である。上記第2の方法の塩酸、水酸化ナトリウムで処理するだけでは、カラム再生が不十分である。また、プロテアーゼのような酵素を用いた後、その酵素を除く方法は非常に煩雑で、また、プロテーアゼ処理だけでは、脂質などの除去が不十分である。10%ぐらいの次亜塩素酸ソーダで処理すると交換容量が多少変わることがある。上記第3の方法では、洗浄液に界面活性剤を含むので、カラム内に気泡が入りカラム劣化の原因となる。 【0016】第4及び第5の方法では、洗浄効果を目的として上記有機化合物を添加した場合に、ヘモグロビン類の分離を短時間にかつ高分離能で行うことを可能とするように溶離液を設計することが困難となることがある。 【0017】本発明の目的は、上述した従来技術の諸欠点を解消し、カラムの洗浄能力が強く、カラムを充分に再生でき、カラムの耐久性を向上し得るカラム洗浄液を提供することにある。 【0018】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明(以下、本発明1という)では、液体クロマトグラフィー用カラムの洗浄液において、カオトロピックイオンを含み、かつ、pHが2.0〜4.5、及び/又は、pHが7.0〜12.0で緩衝能を持つ緩衝剤を含むカラム洗浄液(以下、洗浄液と略記する場合がある)を提供する。また、請求項2記載の本発明(以下、本発明2という)では、液体クロマトグラフィー用カラムの洗浄液において、カオトロピックイオンを含み、かつ、pHが7.0〜12.0で緩衝能を持つ緩衝剤を含み、少なくともカチオン交換基を有する充填剤からなるカラムの洗浄に用いることを特徴とするカラム洗浄液を提供する。また、請求項3記載の本発明(以下、本発明3という)では、液体クロマトグラフィー用カラムの洗浄液において、カオトロピックイオンを含み、かつ、pHが2.0〜4.5で緩衝能を持つ緩衝剤を含み、少なくともアニオン交換基を有する充填剤からなるカラムの洗浄に用いることを特徴とするカラム洗浄液を提供する。以下、本発明を詳細に説明する。 【0019】[カラム洗浄液] (カオトロピックイオン)本発明におけるカオトロピックイオンとは、化合物が水溶液に溶解したときに解離により生じたイオンであり、水の構造を破壊し、疎水性物質と水が接触したときに起こる水のエントロピー減少を抑制するものである。 【0020】陰イオンのカオトロピックイオンとしては、トリブロモ酢酸イオン、トリクロロ酢酸イオン、チオシアン酸イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、ジクロロ酢酸イオン、硝酸イオン、臭化物イオン、塩化物イオン、酢酸イオン等が挙げられる。また、陽イオンのカオトロピックイオンとしては、バリウムイオン、カルシウムイオン、リチウムイオン、セシウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、グアニジンイオン等が挙げられる。 【0021】上記カオトロピックイオンの中でも、陰イオンとして、トリブロモ酢酸イオン、トリクロロ酢酸イオン、チオシアン酸イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、ジクロロ酢酸イオン、硝酸イオン、臭化物イオン等を、陽イオンとして、バリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、リチウムイオン、セシウムイオン、グアニジンイオン等を用いるのが好ましい。さらに、より好ましくは、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、硝酸イオン、グアニジンイオン等が用いられる。 【0022】上記洗浄液中のカオトロピックイオンの濃度が、1mMより低いとカラム洗浄効果が小さい、また、3000mMよりも高くてもカラム洗浄効果が期待できない。洗浄液中のカオトロピックイオンの濃度は1mM〜3000mMが好ましく、10mM〜1000mMがより好ましく、更に、50mM〜500mMが好ましい。また、上記カオトロピックイオンは複数種混合して用いても良い。本発明のカラム洗浄液のpHは、2.0〜4.5又は、7.0〜12.0であるのが好ましい。 【0023】(緩衝剤)本発明におけるpHが2.0〜4.5、または、pHが7.0〜12.0で緩衝能を持つ緩衝剤とは以下のものがある。 【0024】pH2.0〜4.5で緩衝能を有する物質として、無機酸、有機酸またはこれらの塩が含まれる。上記無機酸としては、例えば、リン酸等が挙げられる。上記有機酸としては、例えば、カルボン酸、ジカルボン酸、カルボン酸誘導体、ヒドロキシカルボン酸、アミノ酸、ピロリン酸等が挙げられる。 【0025】上記カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸等が挙げられる。上記ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等が挙げられる。上記カルボン酸誘導体としては、例えば、β、β−ジメチルグルタル酸、バルビツール酸、アミノ酪酸等が挙げられる。上記ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、クエン酸、酒石酸、乳酸等が挙げられる。上記アミノ酸としては、例えば、アスパラギン酸、アスパラギン等が挙げられる。 【0026】上記pH2.0〜4.5で緩衝能を有する物質とは、少なくとも一つのpKa(酸解離定数)が1.5〜5.2であるものが好ましく、より好ましくは1.8〜5.0のものが好ましい。 【0027】上記無機酸または有機酸の塩としては、公知のもので良く、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。 【0028】上記無機酸、有機酸またはこれらの塩は、複数種混合して用いても良く、無機酸と有機酸を混合して用いても良い。 【0029】pH7.0〜12.0で緩衝能を有する物質として、例えば、無機物としてリン酸、ホウ酸、炭酸等が挙げられ、有機物として、例えば、ジカルボン酸、カルボン酸誘導体、ヒドロキシカルボン酸、アミノ酸、アミン類、イミダゾール類、アルコール類等の有機物が挙げられる。また、エチレンジアミン四酢酸、ピロリン酸、カコジル酸、グリセロールリン酸、2,4,6−コリジン、N−エチルモルホリン、モルホリン、4−アミノピリジン、アンモニア、エフェドリン、ヒドロキシプロリン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、グリシルグリシン等が挙げられる。 【0030】上記ジカルボン酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、マレイン酸等が挙げられる。上記カルボン酸誘導体としては、例えば、β,β’−ジメチルグルタル酸、5,5−ジエチルバルビツール酸、γ−アミノ酪酸、ε−アミノカプロン酸等が挙げられる。上記ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、クエン酸等が挙げられる。上記アミノ酸としては、例えば、アスパラギン酸、アスパラギン、グリシン、α−アラニン、β−アラニン、ヒスチジン、セリン、ロイシン等が挙げられる。上記アミン類としては、例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジエタノールアミン等が挙げられる。上記イミダゾール類としては、例えば、イミダゾール、5(4)−ヒドロキシイミダゾール、5(4)−メチルイミダゾール、2,5(4)−ジメチルイミダゾール等が挙げられる。上記アルコール類としては、例えば、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。 【0031】また、上記緩衝剤としては、2−(N−モリホリノ)エタンスルホン酸(MES)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス−(ヒドロキシメチル)メタン(Bistris)、N−(2−アセトアミド)イミドジ酢酸(ADA)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、1,3−ビス(トリス(ヒドロキシメチル)−メチルアミノ)プロパン(Bistrispropane)、N−(アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、3−(N−モルフォリン)プロパンスルホン酸(MOPS)、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−エタンスルホン酸(HEPES)、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−プロパンスルホン酸(HEPPS)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(Tricine)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノエタン(Tris)、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、グリシルグリシン、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、グリシン、シクロヘキシルアミノプロパンスルホン酸(CAPS)等の一般にグッド(Good)の緩衝液といわれるものを組成する物質も使用できる。これらの物質のpKaを表1・2に示す(引用文献:堀尾武一・山下仁平 蛋白質・酵素の基礎実験法 南江堂 1985年)。 【0032】 【表1】
【0033】 【表2】
【0034】pH7.0〜12.0で緩衝能を有する物質とは、少なくとも一つのpKa(酸解離定数)が5.3〜11.5であるものが好ましく、より好ましくは5.5〜11.0のものが好ましい。 【0035】上記緩衝剤の洗浄液中の濃度、及びこれら緩衝剤を複数種用いる場合には、これら複数種の合計の濃度は、洗浄液のpHを2.0〜4.5、または、7.0〜12.0にする緩衝作用があれば良く、その濃度としては、1〜1000mMが好ましく、更には10〜500mMが好ましい。 【0036】また、上記洗浄液には、以下の物質を添加しても良い。 【0037】(1)無機塩類(塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸ナトリウム等)を添加しても良い。これらの塩類の濃度は、特に限定されないが、好ましくは1〜1500mMである。 【0038】(2)pH調節剤として、公知の酸、塩基を加えても良い。酸としては、例えば、塩酸、リン酸、硝酸、硫酸等が、塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。これらの酸、塩基の濃度は、特に限定されないが、好ましくは、0.001〜500mMである。 【0039】(3)メタノール、エタノール、アセトニトリル、アセトン等の水溶性有機溶媒を混合しても良い。これらの有機溶媒の濃度は、特に限定されないが、好ましくは0〜80%(v/v)であり、カオトロピックイオン、無機酸、有機酸、これらの塩等が析出しない程度であって、かつ、分離パターンに悪影響を与えない範囲で用いるのが好ましい。 【0040】(4)アジ化ナトリウム、チモール等の防腐剤を添加しても良い。上記のpH2.0〜4.5で緩衝能を持つ緩衝剤とpH7.0〜12.0で緩衝能を持つ緩衝剤を同一洗浄液中に添加して用いると同一洗浄液のpHを酸性側、または、アルカリ側に変えるだけで2種類の洗浄液を調製出来るメリットがある。また、本発明の洗浄液を1検体測定後のカラム洗浄液としても用いても良い。その場合、勾配溶出法、あるいは段階溶出法によって送液しても良い。 【0041】また、本発明におけるカラム洗浄液は、従来公知のカラム再生方法に用いるカラム洗浄液として用いて良い。 【0042】発明におけるカラム洗浄液は、液体クロマトグラフ装置の特定の局面で、少なくとも1種の溶離液としても用いて良い。 【0043】[充填剤]本発明において充填剤は、公知のものでよく特に制限はない。 このような、充填剤としては、例えば、シリカ、ジルコニアなどの無機系粒子;セルロース、ポリアミノ酸、キトサンなどの天然高分子粒子;ポリスチレン、ポリアクリル酸エステルなどの合成高分子粒子などが挙げられる。但し、上記シリカ等は、アルカリで溶解するので、上記カラム洗浄液のpHは、これらが溶解しない範囲で設定することが好ましい。 【0044】また、LCの分離は、充填剤の表面官能基と測定対象試料との相互作用により決まるため、充填剤表面の官能基種は、適用するLCの分離モードによって、以下のように選択され、これらの官能基を持つ充填剤が使用される。 【0045】(イオン交換クロマトグラフィー用充填剤)上記充填剤には、イオン交換基として、カチオン交換基又は、アニオン交換基を含有するものを用いるのが好ましい。 【0046】上記カチオン交換基は、公知のものでよく特に制限はない。例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などのカチオン交換基等が挙げられる。また、このカチオン交換基は、複数種導入しても良い。 【0047】上記アニオン交換基は、公知のものでよく特に制限はない。例えば、3級アミノ基や4級アミノ基などのアニオン交換基等が挙げられる。また、このアニオン交換基は、複数種導入しても良い。 【0048】(ゲル浸透クロマトグラフィー用充填剤)上記充填剤には、水酸基、エポキシ基等の非イオン性親水基を含有するものを用いるのが好ましい。 【0049】(逆相クロマトグラフィー用充填剤)上記充填剤には、オクチル基やオクタデシル基などのアルキル基、あるいはフェニル基等の疎水性基を含有するものを用いるのが好ましい。 【0050】上記充填剤は、単独に、あるいは複数種の充填剤を組み合わせたものに、本カラム洗浄液は用いることができる。 【0051】上記粒子の直径は、好ましくは0.5〜20μm、より好ましくは1〜10μmである。また、粒度分布は、変動係数値(CV値)(粒径の標準偏差÷平均直径×100(%))として、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下である。 【0052】[カラム]上記充填剤はカラムに充填されて液体クロマトグラフィー測定に用いられる。カラムのサイズは、内径0.1〜50mm、長さ1〜300mmのものが好ましく、より好ましくは、内径0.2〜30mm、長さ5〜200mmである。 【0053】上記カラムの素材としては、特に限定されず、公知のステンレス製等の金属、ガラス製、PEEK等の樹脂製などが用いられる。また、カラムの充填剤とカラム本体が接する部位を、不活性な素材で被覆してもよく、その素材としては、例えばPEEK、ポリエチレン、テフロン、チタン化合物、珪素化合物、シリコン膜等が挙げられる。 【0054】[装置]本発明に使用されるLC装置は、公知のもので良く、例えば、送液ポンプ、試料注入装置(サンプラ)、カラム、検出器等から構成される。また、他の付属装置(カラム恒温槽や溶離液の脱気装置等)が適宜付加されても良い。 【0055】また、本発明の測定方法における溶出方法は、公知の方法でよく、段階溶出法、勾配溶出、ステップアップグラディエント溶出を行ってもよい。 【0056】上記測定方法における、他の測定条件としては、公知の条件でよく、溶離液の流速は、好ましくは0.05〜5ml/分、より好ましくは0.2〜3ml/分である。ヘモグロビン類の検出は、415nmの可視光が好ましいが、特にこれのみに限定されるわけではない。測定試料は、通常、界面活性剤など溶血活性を有する物質を含む溶液により溶血された溶血液を希釈したものを用いる。液体クロマトグラフへの試料注入量は、希釈倍率により異なるが、好ましくは0.1〜100μl程度である。 【0057】[溶離液]本発明の溶離液は、液体クロマトグラフ装置において測定対象成分に応じて用いられている適宜の溶離液により構成されていることが好ましい。 【0058】(ヘモグロビン類の分析の場合)特にヘモグロビン類の分析の場合、HbA0の溶出に際し、すなわち、HbA1cより強く充填剤に保持されたHbA等から成る「HbA0成分」を溶出するためには、カラムに流入する際のpHをヘモグロビンの等電点よりアルカリ側になるように設定した溶離液を用いるのが好ましい。この条件を実現するには、pHがヘモグロビンの等電点よりアルカリ側であるひとつの溶離液を送液する方法や、pHの異なる2種以上の溶離液を用いる方法がある。 【0059】ヘモグロビンはpHが等電点より酸性側からアルカリ側になると、総荷電がプラスからマイナスに変わるため、充填剤の陽イオン交換基との「電気的反発力によってHbA0成分を溶出」させることができる。 【0060】なお、理化学辞典(第4版、1987年9月、岩波書店、久保亮五ら編集)、1178頁に記載されているように、ヘモグロビンの等電点はpH6.8〜7.0である。そのため、HbA0成分を溶出するために、カラムに流入する際の溶離液のpHを6.8以上にすることがより好ましい。 【0061】この条件を満たすため、測定に用いる溶離液の内、少なくともひとつの溶離液のpHが6.8以上であることが必要である。本溶離液のpHは望ましくは7.0〜12.0であり、7.5〜11.0がより好ましく、更には8.0〜9.5が好ましい。溶離液のpHが6.8未満になるとHbA0成分の溶出が不十分となる。溶離液のpHは、用いる充填剤の分解が起こらない範囲に設定すれば良い。 【0062】HbA0成分の溶出に好適に用いられる、pHが6.8以上で緩衝能をもつ溶離液としては、例えば、リン酸、ホウ酸、炭酸等の無機酸または、その塩;クエン酸等のヒドロキシカルボン酸、β、β−ジメチルグルタル酸等のカルボン酸誘導体、マレイン酸等のジカルボン酸、カコジル酸、等の有機酸または、その塩からなる緩衝液が挙げられる。その他、2−(N−モリホリノ)エタンスルホン酸(MES)、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−エタンスルホン酸(HEPES)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス−(ヒドロキシメチル)メタン(Bistris)、Tris、ADA、PIPES、Bistrispropane、ACES、MOPS、BES、TES、HEPES、HEPPS、Tricine、Bicine、グリシルグリシン、TAPS、CAPS等の一般にグッド(Good)の緩衝液といわれるものも使用できる。また、BrittonとRobinsonの緩衝液;GTA緩衝液も使用できる。また、イミダゾール等のイミダゾール類;エチレンジアミン、メチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類;グリシン、β−アラニン、アスパラギン酸、アスパラギン等のアミノ酸類;等の有機物も使用できる。 【0063】また、無機酸;有機酸;無機酸または有機酸の塩;有機物は、複数混合して用いても良く、また、有機酸、無機酸及び有機物を混合しても良い。 【0064】(作用)本発明1のカラム洗浄液は、カオトロピックイオンを含み、かつ、pHが2.0〜4.5及び/又は、pHが7.0〜12.0で緩衝能を持つ緩衝剤からなるため、カラム中の充填剤に非特異的に吸着した蛋白質・脂質を十分に洗浄する効果があるので、カラム再生及び洗浄において容易に用いることができるばかりでなく、幅広いカラムに使用できる汎用性の高いものである。 【0065】 【実施例】次に、実施例、比較例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。 【0066】(実施例1)カチオン交換クロマトグラフィーにより、ヒト血液中のHb類の測定を行った。 (充填剤の調製)テトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学製)400g、メタクリル酸(和光純薬)150gの混合物に過酸化ベンゾイル(和光純薬製)1.5gを溶解した。これを4重量%のポリビニルアルコール(日本合成化学製)水溶液2500mLに分散させ、撹拌しながら窒素雰囲気下で75℃に昇温し、8時間重合した。重合後、洗浄し乾燥した後、分級して平均粒径6μm の粒子を得た(充填剤1)。 (カラムの充填)得られた充填剤1を以下の方法でカラムに充填した。粒子0.7gを、50mMリン酸緩衝液(pH5.8)30mLに分散し、5分間超音波処理した後、よく撹拌した。全量をステンレス製空カラム(内径4.6×35mm)を接続したパッカー(梅谷精機製)に注入した。パッカーに送液ポンプ(サヌキ工業製)を接続し、圧力300kg/cm2 で定圧充填した。 【0067】 (測定条件) ・システム :送液ポンプ :LC−9A(島津製作所社製) オートサンプラ:ASU−420(積水化学工業社製) 検出器 :紫外可視検出器SPD−6AV(島津製作所社製) ・溶 離 液:溶離液A:専用溶離液50A(積水化学工業社製) 溶離液B:専用溶離液50B(積水化学工業社製) ・カラム洗浄液:300mMの過塩素酸を含有する 50mMリン酸緩衝液(pH12.0) 測定開始より0〜4分の間は溶離液Aを流し、4〜4.1分の間は溶 離液Bを流し、4.1〜5分の間は溶離液Aを流した。 ・流 速:2.0mL/分 ・検出波長 :415nm ・試料注入量:10μL【0068】(測定試料の調整)健常人血をフッ化ナトリウム採血した全血検体を溶血希釈液X(0.1重量%トリトンX−100のリン酸緩衝液溶液(pH7.0))で溶血し、150倍に希釈して測定試料とした。 (測定結果)上記測定条件により、試料を測定して得られたクロマトグラムを図1に示した。ピーク1はHbA1aおよびHbA1b、ピーク2はHbF、ピーク3は不安定型HbA1c、ピーク4は安定型HbA1c、ピーク5はHbA0を示す。図から解るように、いずれのピークも良好に分離された。 (カラム耐久性の評価)測定試料を200検体測定する毎に、本発明のカラム洗浄液を1分間流し、溶離液A(専用溶離液50A)を2分間流し、測定試料を4000検体測定した。上記測定試料を1000検体、2000検体、3000検体、4000検体測定したときのヘモグロビンA1c値の変動を図2に示した。これより実施例1は、測定試料を4000検体測定してもHbA1c値の変動は、初期に比べて測定値の3%以内と測定値の変化がなく良好な耐久性を有する。 【0069】(比較例1)カラム洗浄液として50mMリン酸緩衝液(pH12.0)を用いた以外は、実施例1と同様にしてカラム耐久性を評価した。 (カラム耐久性評価結果)結果を図2に示した。比較例1では、HbA1cの保持時間が早くなり、HbA1c値の変動が次第に大きくなりカラム耐久性が悪い。 【0070】(実施例2)ゲル浸透クロマトグラフィーによりリポ蛋白の測定を行った。 (カラム) リポ蛋白専用カラム(LIPOPROPK, 内径7.5mm長さ30cm:東ソー社製) (測定条件) 上記カラムを用いて、以下の測定を行った。 ・システム :送液ポンプ :LC−9A(島津製作所社製) オートサンプラ:ASU−420(積水化学工業社製) 検出器 :紫外可視検出器SPD−6AV(島津製作所社製) ・溶離液:専用溶離液(TSK eluent LP−1:東ソー社製) ・酵素液:(デタミナーL TC:協和メデックス) ・カラム洗浄液:300mMの過塩素酸を含有する50mMリン酸緩衝液(pH12.0) 測定開始より0〜30分の間、専用溶離液を流した。 ・流 速:0.6mL/分 ・検出波長 :550nm ・試料注入量:5μL上記システムにより、血清5μLを注入し、カラムからの溶出液に酵素液を送り込み45℃で反応(テフロンチューブ内径0.4mm、長さ7.5mm)させた後、吸光度550nmで検出した。 【0071】(測定試料)健常人血の血清を用いた。 (カラム耐久性の評価)測定試料を50検体測定する毎に、本発明のカラム洗浄液を1分間流し、専用溶離液を2分間流し、測定試料を1000検体測定した。結果を図3に示した。上記測定試料を300検体、600検体、1000検体測定したときのリポタンパク値(HDL値)の変動の度合で評価した。これより実施例2は、測定試料を1000検体測定してもHDL値の変動は、初期に比べて測定値の3%以内と測定値の変化がなく良好な耐久性を有する。 【0072】(比較例2)カラム洗浄液として50mMリン酸緩衝液(pH12.0)を用いた以外は、実施例2と同様にしてカラム耐久性を評価した。 (カラム耐久性評価結果)結果を図3に示した。比較例2では、HDL値の変動が次第に大きくなりカラム耐久性が悪い。 【0073】(実施例3)陰イオン交換クロマトグラフィーにより蛋白アルブミンの測定を行った。 (カラム) Shodex IEC DEAD−420N, 内径4.6mm長さ35cm:昭和電工社製) (測定条件) 得られたカラムを用いて、以下の測定を行った。 ・システム :送液ポンプ :LC−9A(島津製作所社製) オートサンプラ:ASU−420(積水化学工業社製) 検出器 :紫外可視検出器SPD−6AV(島津製作所社製) ・溶離液:溶離液A:25mM Piperazine−HCl(pH6.0 ) 溶離液B:25mM Piperazine−HCl−0.5M NaCl(pH6.0) リニアグラディエント法により20分かけて、溶離液A100%から 溶離液B100%へ変化させた。 ・カラム洗浄液:300mMの過塩素酸を含有する50mMリン酸緩衝液(pH2.0) ・流 速:1.5mL/分 ・検出波長 :280nm ・試料注入量:10μL【0074】(測定試料)卵白アルブンミン水溶液(10mg/mL) (カラム耐久性の評価)測定試料を50検体測定する毎に、本発明のカラム洗浄液を1分間流し、溶離液Aを2分間流し、測定試料を1000検体測定した。結果を図4に示した。上記測定試料を300検体、600検体、1000検体測定したときのアルブミン値の変動で評価した。これより実施例3は、測定試料を1000検体測定してもアルブミン値の変動は、初期に比べて測定値の3%以内と測定値の変化がなく良好な耐久性を有する。 【0075】(比較例3)カラム洗浄液として50mMリン酸緩衝液(pH2.0)を用いた以外は、実施例3と同様にしてカラム耐久性を評価した。 (カラム耐久性評価結果)結果を図4に示した。比較例3では、アルブミン値の変動は、次第に大きくなりカラム耐久性が悪かった。 【0076】(実施例4)逆相クロマトグラフィーにより、リボヌクレアーゼの測定を行った。 (カラム) TSKgel ODS−80Ts,内径6.0mm長さ150mm:昭和電工社製) (測定条件) 得られたカラムを用いて、以下の測定を行った。 ・システム :送液ポンプ :LC−9A(島津製作所社製) オートサンプラ:ASU−420(積水化学工業社製) 検出器 :紫外可視検出器SPD−6AV(島津製作所社製) ・溶離液:溶離液A:0.05%TFA(テトラフルオロ酢酸)/アセトニト リル=(90/10) 溶離液B:0.05%TFA(テトラフルオロ酢酸)/アセトニト リル=(40/60) リニアグラディエント法により40分かけて、溶離液A100%から 溶離液B100%へ変化させた。 ・カラム洗浄液:500mMの過塩素酸を含有する50mMリン酸緩衝液(pH2.0) ・流 速:1.5mL/分 ・検出波長 :280nm ・試料注入量:10μL【0077】(測定試料)リボヌクレアーゼ水溶液(10mg/mL) (カラム耐久性の評価)測定試料を50検体測定する毎に、本発明のカラム洗浄液を1分間流し、溶離液Aを2分間流し、測定試料を1000検体測定した。結果を図5に示した。上記測定試料を300検体、600検体、1000検体測定したときのリボヌクレアーゼの値の変動で評価した。これより実施例4は、測定試料を1000検体測定してもリボヌクレアーゼ値の変動は、測定値の3%以内と測定値の変化がなく良好な耐久性を有する。 【0078】(比較例4)カラム洗浄液として50mMリン酸緩衝液(pH2.0)を用いた以外は、実施例4と同様にしてカラム耐久性を評価した。 (カラム耐久性評価結果)結果を図5に示した。比較例4では、リボヌクレアーゼ値の変動は、次第に大きくなりカラム耐久性が悪かった。 【0079】(実施例5)液体クロマトグラフ装置の自動洗浄を行い測定を行った。 (装置類)高速液体クロマトグラフ装置(京都第一科学社製、自動グリコヘモグロビン測定装置HA−8131)を改良し、図6に示した液体クロマトグラフ装置を構成した。分離カラム13としては、上記液体クロマトグラフ装置専用のカラム(積水化学工業社製、カラムユニット−HSIII )を用いた。ここでは、検体の測定回数が、予め決められた基準回数になった場合に、カラムの洗浄操作を行うように改良したクロマトグラフ装置を用いた。 【0080】図6に示した液体クロマトグラフ装置の動作説明に従って複数の検体を測定した。この場合、段階溶出法を用い、溶離液1を108秒、溶離液2を12秒、溶離液1を60秒送液することにより1回の測定に際しての送液を行った。 【0081】(溶離液)溶離液1,2としては、上記液体クロマトグラフ装置専用溶離液である積水化学工業社製溶離液1(50mMの過塩素酸を含有するリン酸緩衝液、pH=5.3)及び溶離液2(300mMの過塩素酸を含有するリン酸緩衝液、pH=8.5)を用いた。なお、洗浄液としては、上記溶離液1,溶離液2を下記の方法で用いた。 (洗浄液)すなわち、洗浄液の代わりに溶離液1,2を以下のように送液した。すなわち、洗浄液として溶離液1,2を用い、溶離液2を108秒送液し、次に溶離液1を72秒送液することにより洗浄操作を行った。 【0082】血液試料を調製するのに、赤血球を溶血し希釈するため溶血洗浄液(上記液体クロマトグラフ装置専用溶血洗浄液)を用いた。測定及び洗浄に際しての測定流路を流れる溶離液1,2の流速はいずれも2ml/分とした。 【0083】(測定試料)検体としては、抗凝固剤としてEDTA−2Kが収容された採血管(積水化学工業社製、商品名:インセパック−E)で採血した全血を検体とした。本液体クロマトグラフ装置では、採血管から全血が採取され、この全血が上記溶血洗浄液により溶血されて自動的に溶血希釈試料が調製される。 【0084】(カラム耐久性評価結果)洗浄操作を行う基準回数を300とし、1500回の測定を行った。この場合、分離カラム13の初期状態のHbA1cの保持時間を100とし、各測定回数ごとに測定されたHbA1cの保持時間を記録した。結果を図7に実線Aで示す。実線Aから明らかなように、1500回測定した場合であっても、HbA1cの保持時間はほとんど変動しなかった。なお、洗浄に際しての分離カラム流入部の溶離液pHを測定したところ、8.2であった。 【0085】(比較例5)洗浄操作を行わなかったことを除いては、実施例5と同様にして測定を行った。結果を図7に破線で示す。図7から明らかなように、洗浄操作を行わなかった場合には、HbA1cの保持時間は、測定回数が増加するにつれて早くなることがわかる。 【0086】(実施例6)測定カウンタを使用しないこと及びHbA1cの保持時間が、定められた範囲からはずれている場合に、カラムの洗浄操作を行うように改良したことを除いては、実施例5と同じ装置を用い、実施例5と同様にして溶離液1,2を送液した。すなわち、分離カラム13の初期状態のHbA1cの保持時間を100とし、該保持時間が95以上を設定範囲とした。従って、保持時間が95未満になった場合に、洗浄操作を開始することとした。 【0087】また、洗浄に際しては、段階溶出法に従って、溶離液2を108秒送液し、次に溶離液1を72秒送液した。すなわち洗浄液は用いなかった。実施例5と同様にして実施例5で用いたのと同じ試料を2500回測定した。結果を図8に示す。図8から明らかなように、約450回測定した後、保持時間が速くなり、約800回測定したところで基準値を下回ったので自動洗浄が開始された。自動洗浄後には保持時間はもとにレベルに復帰した。従って、最終的に2500回測定したところ、自動洗浄が3回行われ、2500回の測定まで、高精度にHbA1cを測定し得ることが確かめられた。 【0088】 【発明の効果】本発明のカラム洗浄液は、カオトロピックイオンを含み、かつ、pHが2.0〜4.5、及び/又は、pHが7.0〜12.0で緩衝能を持つ緩衝剤からなるので、カラム中の充填剤に非特異的に吸着した蛋白質・脂質を十分に洗浄する効果があり、カラム再生及び洗浄において容易に用いることができるばかりでなく、幅広いカラムに使用できる汎用性の高いものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002174 【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月17日(2000.1.17) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−194355(P2001−194355A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−7896(P2000−7896) |
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