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【発明の名称】 ガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法および分析装置
【発明者】 【氏名】ラルフ ブレーマー

【氏名】アンドレーアス ホッフマン

【要約】 【課題】水を含有する試料から信頼性あるガス・クロマトグラムを得ることが可能なガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法および分析装置を提供する。

【解決手段】調査される成分および水を含有する試料のガス・クロマトグラフィ分析に関する。熱脱離が行われた試料は、高沸点成分および水を保持して低沸点成分を通過させる第1の極性分離管(13)内にキャリア・ガスによって移送される。低沸点成分は、第2の極性または無極性分離管(18)に分岐の一方がつながっておりその分岐の他方が無極性分離管(17)につながっている分岐点を通過して、前記第2の分離管(18)へのアクセスができないように無極性分離管(17)に導かれ、その後、高沸点成分および水が、無極性分離管(17)へのアクセスができないように前記第2の分離管(18)に移送され、水は、クライオフォーカスによって前記第2の分離管(18)の上流で除去される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 分離される成分および水を含有する試料を、先行する熱脱離の後にガス・クロマトグラフィによって分析する方法であって、高沸点成分および水を保持して低沸点成分を通過させる第1の極性の分離管(13)内に、熱脱離が行われた試料をキャリア・ガスによって移送し、前記低沸点成分が、第2の極性または無極性分離管(18)に分岐の一方がつながっておりその分岐の他方が無極性分離管(17)につながっている分岐装置(16)を通過して、第2の極性または無極性分離管(18)へのアクセスができないように無極性分離管(17)に導かれ、その後、高沸点成分および水が、前記無極性分離管(17)へのアクセスができないように第2の極性または無極性分離管(18)に導かれ、前記水が、クライオフォーカスによって前記第2の極性または無極性分離管(18)の上流で除去されることを特徴とするガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法。
【請求項2】 気体試料、液体試料、または固体試料を分析することを特徴とする請求項1に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法。
【請求項3】 引き続き前記試料にクライオフォーカスを行って熱脱離させ、その後、前記試料を第1の極性の分離管(13)に移送することを特徴とする請求項1または2に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法。
【請求項4】 前記試料が交換可能なサンプリング管(2)内に位置付けられたときに、前記試料の熱脱離を行うことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法。
【請求項5】 前記サンプリング管(2)内の試料を、適切な媒質の流れに通すことによって、熱脱離装置(1)内に収集することを特徴とする請求項4に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法。
【請求項6】 前記無極性分離管(17)および前記第2の極性または無極性分離管(18)へのアクセスが、空気の作用によりできなくなることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法。
【請求項7】 前記アクセスが、前記無極性分離管(17)から前記第2の極性または無極性分離管(18)に、時間に応じて切り換えられることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法。
【請求項8】 前記アクセスが、水よりも短い保持時間を有する化合物の保持時間に合せて較正された信号に応じて、前記無極性分離管(17)から前記第2の極性または無極性分離管(18)に切り換えられることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法。
【請求項9】 前記信号が、トルエンの保持時間に合わせて較正されることを特徴とする請求項8に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法。
【請求項10】 前記アクセスが、前記第1の極性の分離管(13)で検出された水の漏出に基づいて、前記無極性分離管(17)から前記第2の極性または無極性分離管(18)に切り換えられることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法。
【請求項11】 前記無極性分離管(17)および前記第2の分離管(18)用の炉(28、29)が、互いに独立して動作することを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか一項に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法。
【請求項12】 前記第1の極性の分離管(13)にアクセスする上流では、前記試料の流量を増大させることを特徴とする請求項1乃至11のうちいずれか一項に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法。
【請求項13】 サンプリング管(2)を保持するための熱脱離装置(1)を有する、ガス・クロマトグラフィによって試料を分析する装置であって、熱脱離装置(1)の下流には第1の極性の分離管(13)が接続され、前記第1の極性の分離管(13)の下流には、無極性分離管(17)と第2の極性または無極性分離管(18)の間で切り換わることが可能な分岐装置(16)が接続され、水を除去するための装置(23)が、前記第2の極性または無極性分離管(18)の上流に接続されていることを特徴とするガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置。
【請求項14】 クライオフォーカス装置(6)が、前記熱脱離装置(1)と前記第1の極性の分離管(13)の間に配置されることを特徴とする請求項13に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置。
【請求項15】 前記水を除去するための装置(23)がクライオフォーカスを含むことを特徴とする請求項13または14に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置。
【請求項16】 前記水を除去するための装置(23)が、冷却装置および加熱装置を含むことを特徴とする請求項15に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置。
【請求項17】 前記水を除去するための装置(23)が、加熱巻線(32)で取り巻かれて内部に別のサンプリング管(2)が位置付けられている冷却可能な金属管(33)を収容し、前記金属管(33)と前記別のサンプリング管(2)との間には、熱伝導度検出器(26)が接続されている排気ライン(25)に接続する環状の隙間(34)が設けられていることを特徴とする請求項16に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置。
【請求項18】 前記熱脱離装置(1)および/またはクライオフィーカス装置(6)が冷却装置および加熱装置を含み、特に、加熱巻線(32)で取り巻かれて内部に別のサンプリング管(2)が位置付けられている冷却可能な金属管(33)が設けられていることを特徴とする請求項13乃至17のうちいずれか一項に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置。
【請求項19】 排気ライン(4または9)に接続する環状の隙間(34)が、熱脱離装置(1)および/またはクライオフォーカス装置(6)内で、前記金属管(33)とそれぞれの前記サンプリング管(2)の間に配置されることを特徴とする請求項18に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置。
【請求項20】 前記熱脱離装置(1)のサンプリング管(2)が交換可能であることを特徴とする請求項13乃至19のうちいずれか一項に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置。
【請求項21】 前記熱脱離装置(1)および、適切な場合には、前記クライオフォーカス装置(6)を、切換弁(11)によって前記第1の極性の分離管(13)から分離できることを特徴とする請求項13乃至20のうちいずれか一項に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置。
【請求項22】 前記熱脱離装置(1)または下流のクライオフォーカス装置(6)が、移送毛管(7または10a、10b)によって前記第1の極性の分離管(13)に接続されることを特徴とする請求項13乃至21のうちいずれか一項に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置。
【請求項23】 排気ライン(14)を含むカラム接続部材(12)が、前記第1の極性の分離管(13)の上流に接続されることを特徴とする請求項13乃至22のうちいずれか一項に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置。
【請求項24】 前記分岐装置(16)が、毛管アダプタによって相互接続される中央分岐部材(36)と2つの別の分岐部材(37)、(38)とを含むことを特徴とする請求項13乃至23のうちいずれか一項に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置。
【請求項25】 監視検出器(40)が、前記中央分岐部材(36)に接続されることを特徴とする請求項24に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置。
【請求項26】 加熱可能な移送毛管(7)及び別の加熱可能な移送毛管(10)が、2つの別個の炉(8)および炉(15)内に位置付けられることを特徴とする請求項13乃至25のうちいずれか一項に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置。
【請求項27】 加熱可能な移送毛管(7)及び別の加熱可能な移送毛管(10)が、共通の炉内に位置付けられることを特徴とする請求項13乃至25のうちいずれか一項に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置。
【請求項28】 前記第1の極性の分離管(13)が、専用の炉(27)内に位置付けられることを特徴とする請求項13乃至27のうちいずれか一項に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置。
【請求項29】 前記第1の極性の分離管(13)が、炉(8)内に位置付けられることを特徴とする請求項13乃至27のうちいずれか一項に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置。
【請求項30】 前記第2の極性または無極性分離管(18)および前記無極性分離管(17)が、それぞれ炉(28)および(29)内にそれぞれ位置付けられることを特徴とする請求項13乃至29のうちいずれか一項に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置。
【請求項31】 前記第2の極性または無極性分離管(18)および前記無極性分離管(17)が、共通の炉内に位置付けられることを特徴とする請求項13乃至29のうちいずれか一項に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置。
【請求項32】 前記第1の極性の分離管(13)、前記第2の極性または無極性分離管(18)、および前記無極性分離管(17)が、共通の炉内に位置付けられることを特徴とする請求項13乃至27のうちいずれか一項に記載のガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法および分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】異物や汚染物質、不純物など、気体または液体中に存在する少量の成分を調査するためにガス・クロマトグラフィを使用するには、まず、後でこれらの成分を適切な供給システムを介してガス・クロマトグラフィに送り込むために、これらの気体または液体を濃縮することが知られている。しかし、例えば空気中に含有される汚染物質を濃縮する場合など、収集された試料が水分を含有するときには、その空気中に含有される水分も濃縮されるので問題が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、水はガス・クロマトグラフィ・システムに著しい害を及ぼし、その上、例えば質量分析計の感度に大幅な低下が生じたときには分析の妨げにもなる。分離管内に水が存在すると保持時間が変わり、具体的には量に応じてかつ種々の物質ごとに保持時間が変わり、したがって信頼性ある測定結果を得るためには、水をできる限り完全に除去する必要がある。
【0004】水分は、浸透によって除去することが知られている。しかしこの場合、プロセス中に極性成分も除去され、一方、無極性成分は本質的に影響を受けないままである、という欠点がある。しかし、水以外の極性成分が除去されると、クロマトグラフが誤った結果を出す。水に関して温度依存性の吸着力を示す充填毛管カラムも知られており、これを適切に設定することによって、高沸点成分および水を保持した状態で低沸点成分を通過させる。
【0005】本発明の目的は、水を含有する試料から信頼性あるガス・クロマトグラムを得ることが可能な、請求項1および13の前提部分に記載されている方法および装置を作り出すことである。この目的は、それぞれ請求項1および13の特徴部分に従って達成される。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法は、分離される成分および水を含有する試料を、先行する熱脱離の後にガス・クロマトグラフィによって分析する方法であって、高沸点成分および水を保持して低沸点成分を通過させる第1の極性の分離管(13)内に、熱脱離が行われた試料をキャリア・ガスによって移送し、前記低沸点成分が、第2の極性または無極性分離管(18)に分岐の一方がつながっておりその分岐の他方が無極性分離管(17)につながっている分岐装置(16)を通過して、第2の極性または無極性分離管(18)へのアクセスができないように無極性分離管(17)に導かれ、その後、高沸点成分および水が、前記無極性分離管(17)へのアクセスができないように第2の極性または無極性分離管(18)に導かれ、前記水が、クライオフォーカスによって前記第2の極性または無極性分離管(18)の上流で除去されることを特徴としている。
【0007】本発明のうち請求項2に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法は、請求項1記載の発明において、気体試料、液体試料、または固体試料を分析することを特徴としている。本発明のうち請求項3に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法は、請求項1または2記載の発明において、引き続き前記試料にクライオフォーカスを行って熱脱離させ、その後、前記試料を第1の極性の分離管(13)に移送することを特徴としている。
【0008】本発明のうち請求項4に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法は、請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記試料が交換可能なサンプリング管(2)内に位置付けられたときに、前記試料の熱脱離を行うことを特徴としている。本発明のうち請求項5に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法は、請求項4記載の発明において、前記サンプリング管(2)内の試料を、適切な媒質の流れに通すことによって、熱脱離装置(1)内に収集することを特徴としている。
【0009】本発明のうち請求項6に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法は、請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の発明において、前記無極性分離管(17)および前記第2の極性または無極性分離管(18)へのアクセスが、空気の作用によりできなくなることを特徴としている。本発明のうち請求項7に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法は、請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の発明において、前記アクセスが、前記無極性分離管(17)から前記第2の極性または無極性分離管(18)に、時間に応じて切り換えられることを特徴としている。
【0010】本発明のうち請求項8に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法は、請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の発明において、前記アクセスが、水よりも短い保持時間を有する化合物の保持時間に合せて較正された信号に応じて、前記無極性分離管(17)から前記第2の極性または無極性分離管(18)に切り換えられることを特徴としている。
【0011】本発明のうち請求項9に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法は、請求項8記載の発明において、前記信号が、トルエンの保持時間に合わせて較正されることを特徴としている。本発明のうち請求項10に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法は、請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の発明において、前記アクセスが、前記第1の極性の分離管(13)で検出された水の漏出に基づいて、前記無極性分離管(17)から前記第2の極性または無極性分離管(18)に切り換えられることを特徴としている。
【0012】本発明のうち請求項11に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法は、請求項1乃至10のうちいずれか一項に記載の発明において、前記無極性分離管(17)および前記第2の分離管(18)用の炉(28、29)が、互いに独立して動作することを特徴としている。本発明のうち請求項12に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法は、請求項1乃至11のうちいずれか一項に記載の発明において、前記第1の極性の分離管(13)にアクセスする上流では、前記試料の流量を増大させることを特徴としている。
【0013】また、本発明のうち請求項13に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置は、サンプリング管(2)を保持するための熱脱離装置(1)を有する、ガス・クロマトグラフィによって試料を分析する装置であって、熱脱離装置(1)の下流には第1の極性の分離管(13)が接続され、前記第1の極性の分離管(13)の下流には、無極性分離管(17)と第2の極性または無極性分離管(18)の間で切り換わることが可能な分岐装置(16)が接続され、水を除去するための装置(23)が、前記第2の極性または無極性分離管(18)の上流に接続されていることを特徴としている。
【0014】本発明のうち請求項14に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置は、請求項13記載の発明において、クライオフォーカス装置(6)が、前記熱脱離装置(1)と前記第1の極性の分離管(13)の間に配置されることを特徴としている。本発明のうち請求項15に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置は、請求項13または14に記載の発明において、前記水を除去するための装置(23)がクライオフォーカスを含むことを特徴としている。
【0015】本発明のうち請求項16に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置は、請求項15記載の発明において、前記水を除去するための装置(23)が、冷却装置および加熱装置を含むことを特徴としている。本発明のうち請求項17に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置は、請求項16記載の発明において、前記水を除去するための装置(23)が、加熱巻線(32)で取り巻かれて内部に別のサンプリング管(2)が位置付けられている冷却可能な金属管(33)を収容し、前記金属管(33)と前記別のサンプリング管(2)との間には、熱伝導度検出器(26)が接続されている排気ライン(25)に接続する環状の隙間(34)が設けられていることを特徴としている。
【0016】本発明のうち請求項18に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置は、請求項13乃至17のうちいずれか一項に記載の発明において、前記熱脱離装置(1)および/またはクライオフィーカス装置(6)が冷却装置および加熱装置を含み、特に、加熱巻線(32)で取り巻かれて内部に別のサンプリング管(2)が位置付けられている冷却可能な金属管(33)が設けられていることを特徴としている。
【0017】本発明のうち請求項19に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置は、請求項18記載の発明において、排気ライン(4または9)に接続する環状の隙間(34)が、熱脱離装置(1)および/またはクライオフォーカス装置(6)内で、前記金属管(33)とそれぞれの前記サンプリング管(2)の間に配置されることを特徴としている。
【0018】本発明のうち請求項20に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置は、請求項13乃至19のうちいずれか一項に記載の発明において、前記熱脱離装置(1)のサンプリング管(2)が交換可能であることを特徴としている。本発明のうち請求項21に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置は、請求項13乃至20のうちいずれか一項に記載の発明において、前記熱脱離装置(1)および、適切な場合には、前記クライオフォーカス装置(6)を、切換弁(11)によって前記第1の極性の分離管(13)から分離できることを特徴としている。
【0019】本発明のうち請求項22に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置は、請求項13乃至21のうちいずれか一項に記載の発明において、前記熱脱離装置(1)または下流のクライオフォーカス装置(6)が、移送毛管(7または10a、10b)によって前記第1の極性の分離管(13)に接続されることを特徴としている。
【0020】本発明のうち請求項23に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置は、請求項13乃至22のうちいずれか一項に記載の発明において、排気ライン(14)を含むカラム接続部材(12)が、前記第1の極性の分離管(13)の上流に接続されることを特徴としている。本発明のうち請求項24に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置は、請求項13乃至23のうちいずれか一項に記載の発明において、前記分岐装置(16)が、毛管アダプタによって相互接続される中央分岐部材(36)と2つの別の分岐部材(37)、(38)とを含むことを特徴としている。
【0021】本発明のうち請求項25に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置は、請求項24記載の発明において、監視検出器(40)が、前記中央分岐部材(36)に接続されることを特徴としている。本発明のうち請求項26に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置は、請求項13乃至25のうちいずれか一項に記載の発明において、加熱可能な移送毛管(7)及び別の加熱可能な移送毛管(10)が、2つの別個の炉(8)および炉(15)内に位置付けられることを特徴としている。
【0022】本発明のうち請求項27に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置は、請求項13乃至25のうちいずれか一項に記載の発明において、加熱可能な移送毛管(7)及び別の加熱可能な移送毛管(10)が、共通の炉内に位置付けられることを特徴としている。本発明のうち請求項28に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置は、請求項13乃至27のうちいずれか一項に記載の発明において、前記第1の極性の分離管(13)が、専用の炉(27)内に位置付けられることを特徴としている。
【0023】本発明のうち請求項29に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置は、請求項13乃至27のうちいずれか一項に記載の発明において、前記第1の極性の分離管(13)が、炉(8)内に位置付けられることを特徴としている。本発明のうち請求項30に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置は、請求項13乃至29のうちいずれか一項に記載の発明において、前記第2の極性または無極性分離管(18)および前記無極性分離管(17)が、それぞれ炉(28)および(29)内にそれぞれ位置付けられることを特徴としている。
【0024】本発明のうち請求項31に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置は、請求項13乃至29のうちいずれか一項に記載の発明において、前記第2の極性または無極性分離管(18)および前記無極性分離管(17)が、共通の炉内に位置付けられることを特徴としている。本発明のうち請求項32に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析装置は、請求項13乃至27のうちいずれか一項に記載の発明において、前記第1の極性の分離管(13)、前記第2の極性または無極性分離管(18)、および前記無極性分離管(17)が、共通の炉内に位置付けられることを特徴としている。
【0025】即ち、初めは水を予備的に2種の画分に分離する効果の無い、固定相を備える極性分離管の前置カラムとして使用が行われることによって、最初は低沸点成分を通過させながら高沸点成分および水を保持することができる。低沸点成分は、空気の作用によって閉じることが可能な分岐であって、その分岐の一方が気体用の無極性分離管につながっており他方がクライオフォーカス装置を介して別の極性のまたは無極性の分離管につながっている分岐を経て、無極性分離管上で分離するが、この分岐を空気の作用で切り換えた後に、高沸点成分を有する水をクライオフォーカス装置のその領域内から除去し、この高沸点成分を、クライオフォーカス装置の下流にある極性または無極性の分離管内で分離する。さらに、この場合、水を除去することとその後に行われる分離および試料の分析、ならびに別の分離管上での分離とその後に行われる別の試料の分析は、同時に実施することができる。
【0026】この場合、この装置を使用することによって、気状の試料だけではなく水を含有する液状の試料も自動的に利用することができる。以下の記述および従属項から、本発明の別の改善例が推測される。添付図面に概略的に示す例示的な実施形態の助けを借りて、本発明について以下により詳細に説明する。
【0027】
【発明の実施の形態】図1に示すガス・クロマトグラフィ装置は、サンプリング管2に入っている試料用の熱脱離装置1と、キャリア・ガス接続部材3と、排気ライン4とを備えている。材料をサンプリング管2からクライオフォーカス装置6に移送する際にその材料に損失が生じないようにするため、熱脱離装置1からクライオフォーカス装置6の供給ヘッド5装置につながる移送毛管7を移送炉8で加熱することができる。クライオフォーカス装置6は排気ライン9を備えている。クライオフォーカス装置6の下流にある移送毛管10a、10bは、適切な場合には切換弁11を介して、毛管前置カラムとしての役割をする極性分離管13のカラム接続部材12につながっており、このカラム接続部材12は排気ライン14を備えている。切換弁11は、フラッシング、較正、または自動サンプリング用の、いくつかの供給ラインまたは放出ライン11a〜11dも備えている。移送毛管10a、10bは移送炉15内に配置されており、この移送炉15は、適切な場合には移送炉8と共通の炉を形成するものである。
【0028】分岐装置16は極性分離管13の下流端部に配置されており、水の存在下での分離に関して安定な特性を示す。分離管17、18は互いに別々に分岐装置16に接続されており、この分岐装置16は、弁20または21および制御器22を介して気体を充填することが可能な気体用ライン19を介し、分離管17、18の一方へのアクセスがそれぞれの場合について空気の作用によりできなくなるようにしている。
【0029】分離管17は無極性分離管であり、これは特にミクロボア・カラムの原理に従って動作し、低沸点成分を分離するように働く。分離管17は、アナライザA1に接続されている。分離管18は、極性成分の分離に関して安定な特性を有する極性または無極性の分離管である。分離管18はアナライザA2に接続されている。分離管18の上流には、水を除去するための装置23が接続されており、この装置23は、キャリア・ガス接続部材24と、妨害水を除去するための排気ライン25とを備えている。この場合、排気ライン25に接続された熱伝導度検出器26は、水が完全に除去されたことを監視するために使用される。
【0030】極性分離管13は、適切な場合には移送炉8と単一の炉を形成することが可能な炉27内に配置することができる。毛管分離管17、18は、炉28および29内にそれぞれ配置することが好ましいが、適切な場合には極性分離管13と共に共通の炉内に配置することもできる。
【0031】図2に示す、水を除去するための装置23は冷却装置を備えており、この冷却装置は、ペルチェ要素、低温自動制御装置、または液体窒素などの液化した気体用の通路によって形成することができる。図示する例示的な実施形態では、ハウジング・ケース30に、冷却剤供給源に接続することが可能な冷却剤用ボア31が設けられており、このハウジング・ケース30は、加熱用巻線32で取り巻かれた金属管33であってその一部がサンプリング管2を収容している金属管33を収容している。排気ライン25に接続する環状の隙間34は、金属管33とサンプリング管2との間に位置付けられる。キャリア・ガス接続部材24は、供給ヘッド35の領域内で、サンプリング管2内へと開いている。分離管18は、この分離管18がサンプリング管2内に突出するように、水を除去するための装置23に差し込まれている。サンプリング管2の内径は分離管18の外径よりも大きいので、サンプリング管2の内部は環状の隙間34にも接続する。
【0032】熱脱離装置1およびクライオフォーカス装置6は、水を除去するための装置23に相当するように設計することができ、したがってこれらの装置に関するそれぞれの場合については図2を参照されたい。この設計は、例えば独国特許第4419596号(DE4419596C1)と一致するように選択することができるが、本発明では、例えば独国特許出願公開第19817017号(DE19817017A1)に記載されている加熱カートリッジに関してそれぞれ考慮しながら、ペルチェ要素または低温自動制御装置によって冷却をもたらすことも可能である。しかし、適切な場合には、分割モード動作が望ましくないときの熱脱離装置1およびクライオフォーカス装置6の場合、適切な場合には、環状の隙間34および排気ライン4または9を用いずに済ませることができる。熱脱離装置1は、例えば独国特許第19520715号(DE19520715C1)に記載されているように、サンプリング管2を使用する場合と同様に設計することができる。
【0033】図3の分岐装置16の実施形態では、中央分岐部材36が、毛管アダプタ39を介して2つの別の分岐部材37、38に接続されており、分岐部材37、38の一部は弁20または21および制御器22を介して気体用ライン19または分離管17または18に接続されており、適切な場合には、この中央分岐部材36を監視検出器40、特に熱伝導度検出器に接続することが可能である。
【0034】熱脱離装置1内では、加熱巻線32を用いてサンプリング管2の加熱を制御することによって、サンプリング管2に入っている試料の熱脱離を行う。存在する水も含めた脱離物質を移送するため、熱脱離中に、キャリア・ガス接続部材3を介してキャリア・ガスをサンプリング管2に送り込むとともに加熱された移送毛管7を介してクライオフォーカス装置6に導く。この場合、キャリア・ガスの均一な供給は、制御器を有する流れセンサを介しての各方法ステップで一定に維持される。熱脱離は流れを分割せずに行われるので排気ライン4は閉じたままであり、これにより環状の隙間34へのアクセスは空気の作用によって閉じられる。
【0035】初めにクライオフォーカス装置6は、適切な場合には切換弁11を用いることによってその終わりでカラム接続部材12から遮断し、その排気ライン9を例えば弁(図示せず)を介して開き、そのサンプリング管2を、例えば液体窒素を用いて適切に冷却することによってマイナス150℃に冷却し、それによって、含有される水も含めて調査が行われる試料の成分全てをサンプリング管2に収集して濃縮するようにする。その後、監視を行いながら、加熱巻線32を用いてサンプリング管2を例えば350℃の温度まで加熱しながら排気ライン9を閉じ、濃縮された成分全てがクライオフォーカス装置6のサンプリング管2から離れ、次いでこれらの成分を、切換弁11を開いてキャリア・ガスを使用することにより、カラム接続部材12を介して分離管13内に導く。
【0036】分離管13で予備的に2種の画分に分離する際、初めは存在する水の影響を受けず、高沸点成分および水は、異なる強さの相互作用の力によって、低沸点の本質的に無極性の成分よりも長い時間、その分離管13に保たれる。炉27が周囲温度の極性分離管13による分離の第1の相では、低沸点無極性成分、すなわち炭素原子を1個からおよそ4個またはそれ以上有する成分が、分離の効果をほとんど示さずに極性分離管13内を流れ、その後、分岐装置16内を流れる。この場合、弁20は開いており、したがって分岐装置16は、空気の作用により極性または無極性分離管18に対して閉じており、したがって低沸点無極性成分は、制御されたキャリア・ガスの流れによって、無極性分離管17へと流れることが可能になる。これらの成分は、無極性分離管17内で分離し、アナライザA1で分析される。
【0037】極性分離管13による分離の第2の相では、弁20を閉じて弁21を開き、その結果、分岐装置16は空気の作用によって無極性分離管17から遮断されるようになる。弁20、21は、原則として時間に応じて切り換えられ、この切換えは、無極性分離管17において、水に比べて沸点が低い特定の化合物の保持時間に合わせて較正され、例えばトルエンの保持時間に合わせて較正される。しかし適切な場合、入って来る水に基づいて水に反応を示す監視検出器40が信号を出力するときにはより早く行うことも可能であり、これは、水を除去するための装置33を介して極性分離管18に向かう、全体的な気体の流れのこのときの逆向きの方向に基づく高沸点成分および水によるアクセスを可能にする効果があり、次いで全ての高沸点成分および/または水を放出するために、炉27によって極性分離管13をさらに加熱する。
【0038】水を除去するための装置23によれば、高沸点成分を3つの相で水から分離することが可能になる。第1の相において、クライオフォーカス装置6で濃縮する場合と同様に高沸点成分および水を収集して濃縮する。第2の相では、水を除去するための装置23のサンプリング管2を、その加熱巻線32を使用して加熱し、開いた排気ライン25を介して水を除去する。この加熱は、水の凝固点よりも高く、水の沸点よりも低い温度になるまで行われ、例えば10〜20℃などの比較的低い温度が好ましい。この温度は、この場合にできる限り成分の損失が無いように、しかし十分な水蒸気分圧が存在するように選択される。この場合、試料中の水の含有量の監視は、水の存在に反応を示し、かつ排気ライン25に接続されている熱伝導度検出器26を用いて行う。水が完全に除去されたら、熱伝導度検出器26によって出力された信号に基づいて排気ライン25を閉じ、第3の相では、水を除去するための装置23のサンプリング管2を、加熱巻線32を使用してプログラムされたやり方でさらに加熱し、個々の成分を再び次々と放出させ、次いで極性または無極性分離管18へと導いて、それらの成分を次々に分離し、アナライザA2で分析する。
【0039】水を除去するための装置23では、そのサンプリング管2を加熱巻線32で加熱することによって、また、排気ライン25を開いた状態で、水を含有する供給された試料を流れていくキャリア・ガスが、水を除去するための装置23のサンプリング管2の最後で供給ヘッド35からそれて極性または無極性分離管18に流れ、環状の隙間34を通って排気ライン25に戻ることによって、水を除去する。個々の成分を除去するこの形は分割モード動作とも呼ばれ、ここで開いている排気ライン9を用いてクライオフォーカス装置6で行うこともでき、ここで開いている排気ライン4を用いて熱脱離装置1でも行うことができる。排気ライン4、9、および25のそれぞれは、分割動作中に圧力制御することによって、好ましくは空気の作用によって開く弁を有している。
【0040】このように、分離が鮮明に定められた、明確なピーク端(ピーク・テイリングを避ける)を実現するため、増大する流速によって連続的に開く排気ライン14により引き起こされる動作に基づいて、試料をカラム接続部材12に素早く導入することが好都合である。これから得た試料の薄さは一般に許容される。試料は、交換可能なサンプリング管2を用いて熱脱離装置1に導入することができる。しかしこの代わりに、排気ライン9を開いた状態での分割モード動作中、吸入された周囲雰囲気によって試料を熱脱離装置1のサンプリング管2に収集することもでき、またこの気体は、環状の隙間34および排気ライン9を介して除去される。適切な場合には、移送毛管7の領域内で、クライオフォーカス装置6の上流に切換弁11を配置することもできる。
【0041】試料の通過後に切換弁11を調整するが、この調整方法は、まず、現在接続されている供給ライン11aおよび11bの助けを借りて、試料注入口から出口までフラッシュし、次に、同様に接続された移送毛管10a、供給ライン11aおよび11bの助けを借りて、またキャリア・ガス接続部材3に接続された供給ラインの助けも借りて、熱脱離装置1およびクライオフォーカス装置6をフラッシュし、このとき、排気ライン14を閉じた状態で、試料を極性分離管13を介してカラム・インターフェース12へとさらに導く。したがって、上記の循環経路に基づけば、この試料を分析すると同時に新たな試料を得ることが可能であり、または熱脱離装置1およびクライオフォーカス装置6の較正を実施することが可能である。
【0042】好ましい実施形態では、分離管13、17、および18は個々の炉27、28、および29内に同様に配置され、それぞれの試料が通過した後に、これらの分離管13、17、18を個別に冷却して後続の試料に向けた準備が行われるようにする。温度間隔は、それぞれただ1つの分離管13、17、18に割り当てられた炉27、28、29によってより小さくなるように、かつより素早く冷却が行われるように選択される。
【0043】水を除去するための装置23を介した極性または無極性分離管18、または無極性分離管17からの空気の作用による排除は、弁20、21の切換えに基づいて、また制御器22に基づいて実現され、これによって、排気ライン19からの気体は、極性分離管13内を流れるキャリア・ガス流によって規定されるよりも速い流速で設定される。この場合、直径が例えば50μmから100μmである毛管アダプタ39は、長さおよび直径に関し、かつ使用する気体の圧力に応じて寸法決めされるが、これは、中央分岐部材36から、それぞれ使用されていない分離管17、18につながる分岐部材37、38の一方にまで拡散が生じないように決められる。
【0044】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係るガス・クロマトグラフィによる試料の分析方法及び装置によれば、水を含有する試料から信頼性あるガス・クロマトグラムを得ることができる。
【出願人】 【識別番号】500132199
【氏名又は名称】ゲルステル システムテクニク ゲーエムベーハー ウント コンパニ カーゲー
【氏名又は名称原語表記】GERSTEL Systemtechnik GmbH & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Aktienstrasse 232−234,D−45473 Muelheim ,Germany
【出願日】 平成12年12月12日(2000.12.12)
【代理人】 【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也 (外2名)
【公開番号】 特開2001−194354(P2001−194354A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−377704(P2000−377704)