| 【発明の名称】 |
管状部材の超音波検査装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】八島 実
【氏名】桑迫 憲治
【氏名】西田 紀之
|
| 【要約】 |
【課題】管の板厚測定作業に関し、作業の効率化を図ることのできる超音波検査装置を提供するものである。
【解決手段】管Pの軸方向へ走行可能な走行台車1と、走行台車1に取り付けられ、管Pの外周面に磁気吸着して走行台車1を駆動する磁気吸着式駆動輪2a,2bと、走行台車1に取り付けられ、管Pの外周面を挟持可能な前部及び後部挟持機構3,4と、前部及び後部挟持機構3,4に回動可能に取り付けられ、管Pの外周面に磁気吸着して走行台車1の管Pの軸方向への走行を案内する磁気吸着式案内輪5a,5b,5c,5dと、走行台車1に取り付けられ、管Pの外周面に沿って管Pの周方向にスライド可能なスライド機構6と、スライド機構6に取り付けられ、管Pの外周面を超音波走査する探触子7とから成る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検査物である管状部材を超音波走査する管状部材の超音波検査装置において、前記管状部材の外周面に沿って管状部材の軸方向へ走行可能な走行台車と、該走行台車に回動可能に取り付けられ、前記管状部材の外周面に磁気吸着して前記走行台車を管状部材の軸方向へ駆動する磁気吸着式駆動輪と、前記走行台車に取り付けられ、前記走行台車に対し管状部材の径方向両側から前記管状部材の外周面を挟持可能な挟持機構と、該挟持機構に回動可能に取り付けられ、前記走行台車に対し管状部材の径方向両側から前記管状部材の外周面に磁気吸着して前記走行台車を管状部材の軸方向へ案内する磁気吸着式案内輪と、前記走行台車に取り付けられ、前記管状部材の外周面に沿って管状部材の周方向にスライド可能なスライド機構と、該スライド機構に取り付けられ、前記管状部材の外周面を超音波走査する探触子とを備えることを特徴とする管状部材の超音波検査装置。 【請求項2】 前記挟持機構は、前記管状部材の外径に対応するよう管状部材の径方向に開閉可能なリンク機構を備えるとともに、前記スライド機構は、前記走行台車に着脱可能でかつ前記管状部材の外径に対応したスライド機構に変更可能である特徴とする請求項1記載の管状部材の超音波検査装置。 【請求項3】 前記走行台車に回動可能に取り付けられる前記磁気吸着式駆動輪を管状部材の軸方向で少なくとも2つ設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の管状部材の超音波検査装置。 【請求項4】 前記走行台車に取り付けられる前記挟持機構を管状部材の軸方向で少なくとも2つ設けたことを特徴とする請求項1乃至3記載の管状部材の超音波検査装置。 【請求項5】 前記挟持機構に回動可能に取り付けられる、前記走行台車に対し管状部材の径方向一側の磁気吸着式案内輪同士及び管状部材の径方向他側の磁気吸着式案内輪同士をそれぞれアームにより連結したことを特徴とする請求項4記載の管状部材の超音波検査装置。 【請求項6】 前記走行台車に取り付けられる前記磁気吸着式駆動輪と前記挟持機構に取り付けられる磁気吸着式案内輪とを管状部材の軸方向にオフセット配置したことを特徴とする請求項1乃至5記載の管状部材の超音波検査装置。 【請求項7】 前記挟持機構に取り付けられる、前記走行台車に対し管状部材の径方向一側の磁気吸着式案内輪と管状部材の径方向他側の磁気吸着式案内輪とを管状部材の軸方向にオフセット配置したことを特徴とする請求項1乃至6記載の管状部材の超音波検査装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、配管等の管状部材の外周面を超音波走査する超音波検査装置に関する。 【0002】 【従来の技術】既設配管の外周面を超音波走査する場合、超音波検査装置における探触子を、外周面に沿って管軸方向及び周方向に移動させる走査が必要となる。 【0003】このような要望に応えるべく、例えば、特開平7−63740号公報に開示の配管用超音波探傷装置が知られている。この配管用超音波探傷装置は、管状部材の外周面に環状のガイドリングを取り付け、このガイドリングに沿って探触子を移動させて管状部材の外周面を走査している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、検査対象となる既設配管は高所にある場合や複数の配管が上下に緊密に並設されている場合があり、前記の技術では既設配管の延在域に探傷装置を取り付けるための仮足場を組む必要性や配管が狭隘な場所にある場合、仮足場又は探傷装置の組付けが困難となり検査作業に多大の労力と時間を費やしていた。また、配管寸法の変化に応じたガイドリング等の調整及び取り付けに多大の労力を費やしていた。 【0005】本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、超音波検査装置による検査作業の効率化を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1における管状部材の超音波検査装置は、被検査物である管状部材を超音波走査する管状部材の超音波検査装置において、前記管状部材の外周面に沿って管状部材の軸方向へ走行可能な走行台車と、該走行台車に回動可能に取り付けられ、前記管状部材の外周面に磁気吸着して前記走行台車を管状部材の軸方向へ駆動する磁気吸着式駆動輪と、前記走行台車に取り付けられ、前記走行台車に対し管状部材の径方向両側から前記管状部材の外周面を挟持可能な挟持機構と、該挟持機構に回動可能に取り付けられ、前記走行台車に対し管状部材の径方向両側から前記管状部材の外周面に磁気吸着して前記走行台車を管状部材の軸方向へ案内する磁気吸着式案内輪と、前記走行台車に取り付けられ、前記管状部材の外周面に沿って管状部材の周方向にスライド可能なスライド機構と、該スライド機構に取り付けられ、前記管状部材の外周面を超音波走査する探触子とを備えたことを特徴とする。 【0007】本発明に係る請求項2における管状部材の超音波検査装置は、前記挟持機構は、前記管状部材の外径に対応するよう管状部材の径方向に開閉可能なリンク機構を備えるとともに、前記スライド機構は、前記走行台車に着脱可能でかつ前記管状部材の外径に対応したスライド機構に変更可能であるを特徴とする。 【0008】本発明に係る請求項3における管状部材の超音波検査装置は、前記走行台車に回動可能に取り付けられる前記磁気吸着式駆動輪を管状部材の軸方向で少なくとも2つ設けたことを特徴とする。 【0009】本発明に係る請求項4における管状部材の超音波検査装置は、前記走行台車に取り付けられる前記挟持機構を管状部材の軸方向で少なくとも2つ設けたことを特徴とする。 【0010】本発明に係る請求項5における管状部材の超音波検査装置は、前記挟持機構に回動可能に取り付けられる、前記走行台車に対し管状部材の径方向一側の磁気吸着式案内輪同士及び管状部材の径方向他側の磁気吸着式案内輪同士をそれぞれアームにより連結したことを特徴とする。 【0011】本発明に係る請求項6における管状部材の超音波検査装置は、前記走行台車に取り付けられる前記磁気吸着式駆動輪と前記挟持機構に取り付けられる磁気吸着式案内輪とを管状部材の軸方向にオフセット配置したことを特徴とする。 【0012】本発明に係る請求項7における管状部材の超音波検査装置は、前記挟持機構に取り付けられる、前記走行台車に対し管状部材の径方向一側の磁気吸着式案内輪と管状部材の径方向他側の磁気吸着式案内輪とを管状部材の軸方向にオフセット配置したことを特徴とする。 【0013】 【発明の実施の形態】以下実施例を示す添付図面によって詳細に説明する。図1は、本発明に係る管状部材の超音波検査装置を示すその平面図(図面上では下方から見た図面を示す。)であり、図2はその側面図、図3はその正面図及び図4はその後面図である。図5は、その制御回路系を示すブロック図である。 【0014】図1、図2、図3及び図4において、管状部材の超音波検査装置Sは、被検査物としての管状部材(以下、管と称す。)Pの腐食による減肉部を自動的に検出する装置であり、測定台車側Dと測定機器側Kとで構成される。 【0015】測定台車側Dは、その主要部が、図1、図2、図3及び図4に示すように、走行台車1、磁気吸着式駆動輪2a,2b、前部挟持機構3、後部挟持機構4、磁気吸着式案内輪5a,5b,5c,5d、スライド機構6、探触子7等によって構成され、測定機器側Kは、図5に示すように、表示装置8、操作パネル9、超音波探傷器10、中央処理装置11、記憶装置12、演算処理装置13によって構成される。測定台車側Dと測定機器側Kは、図示しない中継ケーブル等により電気的な接続がされており、測定機器側Kにより測定台車側Dの作動制御や探傷データ等の伝送、収集、記録等を行っている。 【0016】走行台車1は、その裏面に正転,逆転する磁気吸着式駆動輪2a,2bと走行台車1の両側面に磁気吸着式案内輪5a,5b,5c,5dとが取り付けられ、図2に示すよう管Pの外周面下方に磁気吸着している。この磁気吸着式駆動輪2a,2bは図1に示す走行台車1を平面視して管Pの軸心上で、かつ走行台車1の進行方向前後(つまり、管Pの軸方向)に2つ配置されている。磁気吸着式駆動輪2a,2bの内部には永久磁石が内蔵され、管Pの外周面に吸着するとともに管Pの外周面上での滑り及び空回りを抑止している。また、走行台車1の内部空間Iには、走行用モータMaが内蔵されており、この走行用モータMaの駆動力が走行台車1の側面に軸支された駆動プーリ14から駆動ベルト15を介して被駆動プーリ16a,16bに伝達されて磁気吸着式駆動輪2a,2bが駆動される。この磁気吸着式駆動輪2a,2bにより走行台車1が管Pの軸方向へ走行される。なお、走行台車1の進行方向は図1又は図2上で左右いずれにも設定可能であるが、実際には後述する探触子保持部32に給水される水が走行台車1の内部空間Iに浸入することを防止するため、左側が望ましい。 【0017】走行台車1の前後端面には、走行台車1に対し管Pの径方向両側(つまり、走行台車1の進行直交方向)に延び、管Pの径方向両側から管Pの外周面を挟持するプレート状の前部挟持機構3及び後部挟持機構4が固定されている。この前部挟持機構3及び後部挟持機構4の先端部に前記した磁気吸着式案内輪5a,5b,5c,5dが回転自在に軸支される。つまり、磁気吸着式案内輪5a,5b,5c,5dを介して管Pの外周面を挟持することになる。磁気吸着式案内輪5a,5b,5c,5dは、前記した磁気吸着式駆動輪2a,2bと同様、内部には永久磁石が内蔵され、管Pの外周面に吸着するとともに管Pの外周面上での滑り及び空回りが抑止され、走行台車1が管Pの周方向へずれることなく管Pの軸方向へ案内される。また、磁気吸着式案内輪5dには、走行台車1の管Pの軸方向への移動距離を計測する走行用エンコーダ38が取り付けられている。ここで、図1に示すように、磁気吸着式駆動輪2aと磁気吸着式案内輪5a,5b及び磁気吸着式駆動輪2bと磁気吸着式案内輪5c,5dは管Pの軸直交方向で一直線上に配置せず、管Pの軸方向にオフセット配置(一点鎖線を参照。)している。これにより、図1の仮想線で示す溶接ラインY上に2つ以上の車輪が同時に乗り上げることを防止し、管Pの外周面に対する走行台車1の吸着力低下を抑止している。 【0018】前記した前部挟持機構3及び後部挟持機構4は、より詳述すれば走行台車1の前後端面から走行台車1に対し管Pの径方向両側に延びる第1前部挟持部3a,3b及び第1後部挟持部4a,4bと、第1前部挟持部3a,3b及び第1後部挟持部4a,4bに対し管Pの径方向に開閉可能となるようリンク機構17により軸支された第2前部挟持部3c,3d及び第2後部挟持部4c,4dとから成る。この第2前部挟持部3c,3d及び第2後部挟持部4c,4dに磁気吸着式案内輪5a,5b,5c,5dが夫々回転自在に軸支される。また、第2前部挟持部3cと第2後部挟持部4c及び第2前部挟持部3dと第2後部挟持部4dは夫々アーム18により連結されている。つまり、このアーム18により磁気吸着式案内輪5aと磁気吸着式案内輪5c及び磁気吸着式案内輪5bと磁気吸着式案内輪5dが夫々互いに連結されることになり、走行台車1の進行方向への直進性が向上される。 【0019】第2後部挟持部4cと第2後部挟持部4dには夫々螺合部19を備え、この螺合部19に1本のネジ20が螺合している。このネジ20の中央部には円柱状の嵌合部材21が嵌合され、この嵌合部材21が走行台車1の後側面に固定された係止部22に対し、走行台車1の進行直交方向への移動を抑止するよう係止している。したがって、このネジ20を回すことで第2後部挟持部4cと第2後部挟持部4dとが管Pの径方向に開閉され、第2後部挟持部4c及び第2後部挟持部4dに夫々アーム18により連結された第2前部挟持部3c及び第2前部挟持部3dも同様に管Pの径方向に開閉されることになる。このネジ20により前部挟持機構3及び後部挟持機構4を管Pの外径寸法に応じた開閉角度に設定でき、管Pの外周面を挟持することが可能となる。例えば、図6に示すような小径の管Pの場合、前部挟持機構3及び後部挟持機構4の開閉角度を小さくすることで管Pの外周面を挟持することが可能となり、図7に示すような大径の管Pの場合、前部挟持機構3及び後部挟持機構4の開閉角度を大きくすることで管Pの外周面を挟持することが可能となる。 【0020】走行台車1の前端面には、管Pの外周面に沿って管Pの周方向へスライド可能なスライド機構6が取り付けられ、このスライド機構6に固定された探触子7が管Pの外周面に沿ってその周方向へ走査される。このスライド機構6について詳述すると、走行台車1の前端面にボルト24により締結されたプレート状のスライドベース25が取り付けられ、このスライドベース25上に回転自在に軸支されたガイドローラ26が取り付けられる。このガイドローラ26間には、管Pの外径寸法に対応した円弧形状のスライドレール27が管Pの外周面に沿ってその周方向へスライド可能に取り付けられ、ガイドローラ26によりそのスライド方向が案内される。スライドレール27の上端面には、横行用ベルト28が取り付けられ、この横行用ベルト28が走行台車1の前端面に軸支された横行用プーリ29に巻き回されている。横行用プーリ29は走行台車1の内部空間Iに内蔵されている探触子横行用モータMbにより回転駆動され、横行用ベルト28を介してスライドレール27がスライド駆動される。また、探触子横行用モータMbには探触子横行用エンコーダ30が連結されているとともに、スライドベース25には後述する横行原点検出器31が取り付けられている。ここで、スライド機構6は走行台車1の前端面に対しボルト24により着脱可能であり、予め用意された複数種の管Pの外径寸法に対応したスライド機構6の中から検査対象となる管Pの外径寸法に対応したスライド機構6を選択して取り付けられる。 【0021】探触子7は探触子保持部32に嵌合されて保持されており、探触子保持部32の下面を管Pの外周面に面接触させるためのジンバル機構33と、面接触状態を保持するための弾発力を作用させる押し付けスプリング機構34とを備える。したがって、探触子7は探触子保持部32、ジンバル機構33及び押し付けスプリング機構34を介してスライドレール27の側面に固定される。本実施例では探触子7を2つ設けたが、管Pの外径寸法が小さければ1つでもよく、管Pの外径寸法が大きればその走査領域の長さに応じて、管Pの周方向に等間隔に増やしていってもよい。 【0022】探触子保持部32は図8に示すように、筒状に形成された保持ベース32aの筒部32bに探触子7が嵌合されて保持される。保持ベース32aの上面は探触子7の上面から取り出される超音波ケーブル35用の開口をもつキャップ32cにより閉塞される。保持ベース32aの筒部32bの下方には、探触子7の外周を覆うよう筒状形状に形成され、筒部32b内に上下動可能に挿入された水漏れ抑止部材32dがスプリング32eにより下方に付勢されて取り付けられている。保持ベース32aの側壁には筒部32b内と外部とを貫通する水導入孔32fが形成され、この水導入孔32fから導入された水が探触子7の下面と保持ベース32aの下面との間に形成される筒部32b内の空間に充填される。この充填された水が前記水漏れ抑止部材32dにより外部に漏れることを抑止している。また、保持ベース32aの下面には、筒部32bを取り囲むようにベアリング32gが4点設置され、探触子保持部32が管Pの外周面をスムーズにスライドすることが可能になる。 【0023】次に、管Pの超音波検査装置Sの制御回路系について、図5のブロック図を参照して説明する。この制御回路系は、管Pの板厚を測定する手段としての超音波探傷装置CT、横行原点検出器31、駆動装置MO、制御装置SE、表示装置8及び操作パネル9から構成されている。同図において、超音波探傷装置CTは管Pの外周面に対し超音波を発受信する2個の探触子7及び探触子7からの信号より管Pの板厚を算出する超音波探傷器10を備える。 【0024】駆動装置MOは磁気吸着式駆動輪2a,2bを回転させる走行用モータMa及び探触子7を横行方向(管Pの周方向)へ移動させる探触子横行用モータMbと、探触子保持部32への水の供給を制御する水供給用制御弁36とを備えている。制御装置SEは、中央処理装置11と演算処理のための制御プログラム、走査パターンが書き込まれた記憶装置12等が内蔵されている。制御装置SEの構成ブロックを示すと、制御装置SEは、中央処理装置11、制御プログラムや走査パターンが書き込まれた記憶装置12、演算処理装置13、駆動装置MOを駆動するための制御信号を発生するシーケンサ37、移動距離を計測するための走行用エンコーダ38及び走査距離を計測するための探触子横行用エンコーダ30から構成されている。 【0025】ここで、実際の板厚測定動作とともに制御装置SEの動作について説明する。図9に示すように、検査員はまずステップS10にて、検査対象となる管Pの外径寸法に対応したスライド機構6を装着する。ステップS11にて検査員は測定台車側Dと測定機器側Kとの結線を行うとともに、探触子保持部32へ水を供給する給水準備を行う。ステップS12にて超音波探傷装置CTの校正を行い、ステップS13にて管Pの検査部位となる測定開始位置に走行台車1を装着する。この時、走行台車1のネジ20により前部挟持機構3及び後部挟持機構4を管Pの外径寸法に応じた開閉角度に設定し、磁気吸着式案内輪5a,5b,5c,5dを管Pの外周面に吸着させ挟持するとともに、磁気吸着式駆動輪2a,2bも管Pの外周面に当接させ吸着させる。本実施例では走行台車1を管Pの下面側に装着しているが、管Pの検査部位に応じた位置に装着する。また、図2の仮想線で示すように走行台車1の一側面から他側面にかけて管Pの外周面に取り回される保持プレートHを取り付けてもよい。ステップS14にて測定台車側Dと測定機器側Kに電源を投入し、検査対象物の名称等のデータファイル名を入力し、記憶装置12に記憶させる。ステップS15にて測定開始点の座標、測定ピッチ、設計板厚及び有効データ範囲等の初期条件の入力を操作パネル9により行い、記憶装置12に記憶させる。ここで、測定ピッチとは各探触子7が横行方向に走査する走査距離、走行台車1の進行方向への1回の移動距離及び総移動距離である。設計板厚とは、管Pの初期つまり腐食のない状態での板厚データである。有効データ範囲とは、前記設計板厚よりも大きな板厚データを測定した場合や装置自体の測定可能な最小板厚を下回った板厚データを測定した場合には、これらの測定データを無効にするデータ範囲である。ステップS16では、検査員が操作パネル9の任意のキーを押下することにより測定台車側Dに測定開始の指令が下される。 【0026】次にステップS17にて中央処理装置11は、横行原点検出器31により探触子7が横行原点に位置していることを検出し、これよりシーケンサ37に対し測定開始の信号を送り、シーケンサ37から制御信号が送られ水供給用制御弁36が開作動されるとともに探触子横行用モータMbが正転駆動される。各探触子7はスライド機構6により横行方向に走査され、ステップS18にて超音波探傷器10は、探触子横行用エンコーダ30により計測される走査距離に基づいて、前記ステップS15にて設定した設定ピッチ毎の板厚測定指令を受け、各探触子7により板厚測定を行う。この板厚測定データは、走行台車1の進行方向の位置データ、及び探触子7の横行方向の位置データに関連付けて、随時記憶装置12に送信され保存されていくとともに、表示装置8に表示されていく。ステップS19にて探触子横行用エンコーダ30により計測される走査距離に基づいて、探触子7がステップS15にて設定された横行方向への走査距離に達したことを検知して、シーケンサ37により探触子横行用モータMbの駆動が停止される。 【0027】次にステップS20にて中央処理装置11は、シーケンサ37に対し走行指令の信号を送り、シーケンサ37から制御信号が送られ走行用モータMaが正転駆動される。ステップS21にて走行用エンコーダ38により計測される走行台車1の進行方向への移動距離に基づいて、走行台車1がステップS15にて設定された進行方向への1回の移動距離を達したことを検知し、シーケンサ37により走行用モータMaの駆動が停止される。 【0028】ステップS22にて中央処理装置11は、シーケンサ37に対し測定指令の信号を送り、シーケンサ37から制御信号が送られ探触子横行用モータMbが逆転駆動される。各探触子7はスライド機構6により横行方向に走査され、ステップS23にて超音波探傷器10は探触子横行用エンコーダ30により計測される走査距離に基づいて、前記ステップS15にて設定した設定ピッチ毎の板厚測定指令を受け、各探触子7により板厚測定が行われる。この板厚測定データは、走行台車1の進行方向の位置データ、及び探触子7の横行方向の位置データに関連付けて、随時記憶装置12に送信され保存されていくとともに、表示装置8に表示されていく。ステップS24にて探触子横行用エンコーダ30により計測される走査距離に基づいて、探触子7がステップS15にて設定された横行方向への走査距離に達したことを検知して、シーケンサ37により探触子横行用モータMbの駆動が停止される。 【0029】ステップS25にて走行台車1が前記ステップS15にて設定した進行方向への総移動距離を達したか否かを判断する。走行台車1が設定された進行方向への総移動距離を達していない場合は、ステップS26にて中央処理装置11は、シーケンサ37に対し走行指令の信号を送り、シーケンサ37から制御信号が送られ走行用モータMaが駆動される。ステップS27にて走行用エンコーダ38により計測される走行台車1の進行方向への移動距離に基づいて、走行台車1がステップS15にて設定された進行方向への1回の移動距離に達したことを検知し、シーケンサ37により走行用モータMaの駆動が停止される。その後、ステップS17以降の動作が繰り返される。 【0030】また、ステップS25にて走行台車1が設定された進行方向への総移動距離に達した場合、シーケンサ37により制御信号が送られ水供給用制御弁36が閉作動される。次にステップS28にて前記記憶装置12に記憶された板厚測定データをフロッピー等に保存して、管Pの板厚測定を終了する。測定終了後は、検査員は操作パネル9により走行用モータMaを逆転駆動させることで任意により走行台車1を測定開始位置に復帰させることができる。 【0031】なお、演算処理装置13は、前記記憶装置12に記憶された走行台車1の進行方向の位置データ、及び探触子7の横行方向の位置データに関連付けた板厚測定データに基づき、管Pの検査領域を平面化した測定結果図面として表示装置8に表示させることもできる。また、この表示装置8に表示された測定結果図面上に、管Pの減肉度合を識別する表示色を表示させることもできる。 【0032】以上のように構成された管Pの超音波検査装置Sによれば、走行台車1は管Pの外周面に対し磁気吸着式駆動輪2a,2b及び磁気吸着式案内輪5a,5b,5c,5dによって磁気吸着されるため、走行台車1の管Pの軸直交方向へのズレ防止、磁気吸着式駆動輪2a,2bの空回り防止及び直進性の向上を図ることができる。 【0033】また、管Pの外径寸法に応じて前部挟持機構3及び後部挟持機構4が開閉可能であり、かつスライド機構6を変更可能であるため、管Pの外径寸法の変化に対し融通性を得ることができる。 【0034】さらに、磁気吸着式駆動輪2aと磁気吸着式案内輪5a,5b及び磁気吸着式駆動輪2bと磁気吸着式案内輪5c,5dがそれぞれ管Pの軸方向にオフセット配置されているため、例えば管Pの溶接ライン上に2つ以上の車輪が同時に乗り上げることを回避でき、管Pの外周面に対する走行台車1の吸着力の低下を抑止して走行台車1の管P軸直交方向へのズレを防止できる。 【0035】管Pの測定終了時には、管Pの軸方向へ移動した走行台車1は走行用モータMaを逆転駆動することで測定開始位置に復帰させることができるため、例えば検査対象となる管Pが高所に延設されている場合、測定開始位置のみに仮足場等を組めばよいため検査作業性を大幅に改善することができる。 【0036】 【発明の効果】本発明による請求項1の管状部材の超音波検査装置は、走行台車が磁気吸着式駆動輪と磁気吸着式案内輪とにより管状部材に磁気吸着され、かつ管状部材の軸方向へ移動されるため、走行台車を一度管状部材に取り付ければ管状部材の延設方向全域が検査でき、検査作業の効率化を図ることができる。 【0037】本発明による請求項2の管状部材の超音波検査装置は、挟持機構及びスライド機構を被検査物となる管状部材の外径に容易に対応させることができ、管状部材の外径変化に対する融通性を得つつ、超音波検査装置の取り付け作業性及び取り付け精度の向上を図ることができる。 【0038】本発明による請求項3の管状部材の超音波検査装置は、磁気吸着式駆動輪を管状部材の軸方向で少なくとも2つ設けたことで、1つの磁気吸着式駆動輪が管状部材の溶接部に乗り上げたとしても、他の磁気吸着式駆動輪により走行台車の管状部材に対する位置ズレを防止でき、検査精度を向上することができる。 【0039】本発明による請求項4の管状部材の超音波検査装置は、挟持機構を管状部材の軸方向で少なくとも2つ設けたことで、走行台車の直進安定性の向上及び走行台車の管状部材に対する位置ズレを防止でき、検査精度を向上することができる。 【0040】本発明による請求項5の管状部材の超音波検査装置は、走行台車に対し管状部材の径方向一側の磁気吸着式案内輪同士及び管状部材の径方向他側の磁気吸着式案内輪同士をそれぞれアームで連結することで、走行台車の直進安定性を向上でき検査精度を向上することができる。 【0041】本発明による請求項6の管状部材の超音波検査装置は、磁気吸着式駆動輪と磁気吸着式案内輪とを管状部材の軸方向にオフセット配置することで、磁気吸着式駆動輪及び磁気吸着式案内輪のいずれか一方が管状部材の溶接部に乗り上げたとしても、他方の車輪により走行台車の管状部材に対する位置ズレを防止でき、検査精度を向上することができる。 【0042】本発明による請求項7の管状部材の超音波検査装置は、走行台車に対し管状部材の径方向一側の磁気吸着式案内輪と管状部材の径方向他側の磁気吸着式案内輪とを管状部材の軸方向にオフセット配置することで、一側の磁気吸着式案内輪及び他側の磁気吸着式案内輪のいずれか一方が管状部材の溶接部に乗り上げたとしても、他方の車輪により走行台車の管状部材に対する位置ズレを防止でき、検査精度を向上することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】399029905 【氏名又は名称】関西エックス線株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年1月5日(2000.1.5) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2001−194352(P2001−194352A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−5231(P2000−5231) |
|