| 【発明の名称】 |
金属部品等の形状・組織変異判別方法および装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山本 繁夫
【氏名】竹下 司
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| 【要約】 |
【課題】変形や組織変異が被検査物の内・外周や前・後部に有っても、迅速かつ確実に全数を検査して良否を判別できる、金属部品等の形状・組織変異判別方法及び装置を提供する。
【解決手段】検出手段2として、励磁巻線6と検査巻線7からなる検出部5,5を一対用意し、それを間隔をあけて対向状に配置しておき、その間の磁界の通路に金属製の被検査物8を通過させて、変形や組織変異の有・無で変化する誘起電圧を、位相と振幅の変化として座標化し、予め設定してある良品枠と対比することで、該被検査物8の良否を判別するようにしたもの。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】励磁巻線6による交番磁界9中に検出巻線7を設けた一対の検出部5,5を、間隔sをおいて対向状に配置しておき、両検出部5,5間の磁界9の通路を横切る如くに被検査物8を通過させ、該被検査物8の通過方向の前部と後部のいずれもが、少なくとも一部分で磁界9中に有る際の電磁気的影響に比例した電気信号を取り出し、上記電気信号を位相と振幅からなる座標に変換し、上記検出した位相と振幅の最大値またはその近傍値を、座標上で予め設定してある良品枠10内に有るか否かを判定することにより、被検査物8の良否を判別するようにした、金属部品等の形状・組織変異判別方法。 【請求項2】被検査物8が、両励磁巻線6,6の巻線が等方向に巻かれた両検出部5,5間を通過する際の誘起電圧の変化に基づいて、良否を判別するようにした、請求項1に記載の金属部品等の形状・組織変異判別方法。 【請求項3】交番電流発生源1に接続した検出手段2と、検出された電気信号を位相と振幅の変化に座標化する位相・振幅弁別手段3と、その位相・振幅が座標上で予め設定した良品枠10内に有るか否かで良否を判別する座標判定兼良否判別手段4とを備えてなり、上記検出手段2が、励磁巻線6とその交番磁界9中の検出巻線7とからなる一対の検出部5,5を、間隔sをおいて対向状に配置したもので、かつ該両検出部5,5を、被検査物8の通過方向の前部と後部のいずれもが、少なくとも一部分で同時に磁界9中に入る大きさに形成したことを特徴とする、金属部品等の形状・組織変異判別装置。 【請求項4】両検出部5,5の両励磁巻線6,6の巻線が等方向に巻かれた検出手段1を有する、請求項3に記載の金属部品等の形状・組織変異判別装置。 【請求項5】両検出部5,5の間隔sを調節可能な間隔調節機構を備えた、請求項3または4に記載の金属部品等の形状・組織変異判別装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、金属部品等の形状・組織変異判別方法および装置に関するものであって、製造工程の途中で生じた変形や脱炭その他の組織変異を、目視によらずかつ非接触・非破壊で、自動的に検査して良否を判別する方法および装置に係るものである。 【0002】 【従来の技術】金属部品等の変形、脱炭その他の組織変異があると、製品の寿命に影響を及ぼすだけでなく、製品としての適否に係わってくる。従来は、上記形状・組織変異等を検査するため、例えば目視検査や、X線を応用した分析、硝酸蝕刻等による破壊検査が行われていたが、時間とコストがかかるだけでなく、全数を検査することが不可能であった。 【0003】そこで、金属部品等の電気伝導や透磁率の変化を利用して良否の判別をする手段が利用されている。この原理は、コイルに交流電流を流して交流磁界を発生させ、そこに金属を近づけると金属に渦電流が誘導されるが、金属部品に変形や組織変異等があると、磁界が変化して電気伝導や透磁率等が変化し、コイルのインピーダンスが変化するので、このインピーダンスの変化を見ることにより、金属部品等の形状や組織変異を検知するものである。 【0004】上記のものとして従来は、被検査物を巻線の中央を通過させるようにした貫通式巻線方式や、巻線を小形化した探触子方式のものがあった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記貫通式巻線方式のものは、形状や組織変異が被検査物の外周にある場合には、巻線の近くを通過するので有効であるが、被検査物の内周や、巻線通過方向の前・後部に有る場合は無理または有効ではなかった。そのため、被検査物のどの位置に変形や組織変異があるかにより、良否の判別に差が生じた。 【0006】また探触子方式のものは、被検査物に触子が接触した点や、触子または被検査物を回転させた場合の円周線上にある変形や組織変異しか、判別することができなかった。 【0007】本発明は、上記従来の金属部品等の形状・組織の変異判別方法および装置がもつ問題点の解消を課題としたものである。即ち本発明の目的とするところは、被検査物を破壊することなく全数を検査できると共に、変形や組織変異が被検査物の内・外周や、検出部を通過方向の前部や後部に有っても、迅速かつ確実に検査し良否を判別できる、金属部品等の形状・組織変異判別方法および装置を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明に係る金属部品等の形状・組織変異判別方法および装置は、励磁巻線6(一次コイル)と検査巻線7(二次コイル)からなる検出部5,5を対向状に設け、その間に金属製の被検査物8を通過させた際に、被検査物8表面またはその近傍に発生する渦電流が変形や組織変の有無で変化し、これにより検査巻線7の誘起電圧も変化するので、その位相と振幅の変化を座標化して、予め設定してある良品と対比することで、被検査物8の良否を判別するようにしたものである。 【0009】即ち、本発明に係る金属部品等の形状・組織変異判別方法は、励磁巻線6による交番磁界9中に検出巻線7を設けた一対の検出部5,5を、間隔sをおいて対向状に配置しておき、両検出部5,5間の磁界9の通路を横切る如くに被検査物8を通過させ、該被検査物8の通過方向の前部と後部のいずれもが、少なくとも一部分で同時に磁界9中に有る際の電磁気的影響に比例した電気信号を取り出し、上記電気信号を位相と振幅からなる座標に変換し、上記検出した位相と振幅の最大値またはその近傍値を、座標上で予め設定してある良品枠10内に有るか否かを判定することにより、被検査物8の良否を判別するようにしたものである。 【0010】また、本発明に係る金属部品等の形状・組織変異判別装置は、交番電流発生源1に接続した検出手段2と、検出された電気信号を位相と振幅の変化に座標化する位相・振幅弁別手段3と、その位相・振幅が座標上で予め設定した良品枠10内に有るか否かで良否を判別する座標判定兼良否判別手段4とを備えてなり、上記検出手段2が、励磁巻線6とその交番磁界9中の検出巻線7とからなる一対の検出部5,5を、間隔sをおいて対向状に配置したもので、かつ該両検出部5,5を、被検査物8の通過方向の前部と後部のいずれもが、少なくとも一部分で同時に磁界9中に入る大きさに形成したものである。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明は上記で明らかな如く、検出部5,5間に金属製の被検査物8を通過させると、交番磁界9で被検査物8表面に渦電流が誘起されて2次磁界が派生し、検出巻線7,7には逆相でかつ渦電流遅れの位相をもつ誘起電圧が生じる。該誘起電圧は、被検査物8に形状・組織の変異が有るか否かによって異なるので、振幅・位相の相違を座標化して、予め設定してある良品枠10内に有るか否かで被検査物8の良否を判別するものである。 【0012】上記構成において、ここで検査する被検査物8は、例えば軸受の内輪や外輪の如き短円筒状物に限らず、円筒状物、円柱状物、円錐状物、角筒状物、角柱状物等の金属部品または金属製品であり、その外周・内周・両側面等の表面または表面近傍に、変形や組織変異等が有るか否かを検査して、良否を判別しようとするものである。 【0013】上記検出手段2は、交番電流発生源1から高周波の定電流で強力かつ均一な交番磁界9を発生させる励磁巻線6と、その磁界9内に設けた検出巻線7とからなる検出部5を一対(二組)揃え、それらを各検出巻線5,5で対向するように間隔sをおいて対称状に配置し、上記間隔sを被検査物8が通過可能としたものである。 【0014】上記検出部5,5間の間隔sは、検査しようとする被検査物8が通過可能な間隔に設定しておく。即ち、被検査物8が例えば短円筒状物ならその厚みに対応して間隔sを狭くし、中円筒状物ならその厚みに対応して間隔sを広くすることになる。この間隔sは変更可能としておくことが望ましいが、被検査物8の種類毎に検出手段2を作成しておき、その部分を取り替えるようにしてもよい。 【0015】上記各検出巻線7,7は、上記のとおり各励磁巻線6,6による交番磁界9内に配置されており、励磁巻線6,6に対応した大きさ・位置で設けておくことが望ましいが、少なくとも被検査物8の表面またはその近傍で変形や組織変異が有った際に有害と思われる部分に対応した位置には設けておく必要がある。 【0016】また上記両検出部5,5は、被検出物8の外径や肉厚等に対応して各巻線6,7の幅を設定してある。上記の巻線6,7の幅は被検査物8の被検査面の大きさに対応したものであり、両検出部5,5間で被検査物8の前部と後部のいずれもの少なくとも一部分が、同時に交番磁界9中に入り得る大きさに形成しておく。これは、被検査物8の全体が検出部5,5での磁界9の範囲内に入る場合に限らず、被検査物8の方が大きい場合でも通過方向の前部と後部の各一部分が同時に磁界9中に入るものも含む。 【0017】上記検出部5,5の各巻線6,7のコイルとしての外形は、被検査物8の被検査面が円形状のものなら環状に、角形状のものなら角形状に形成しておくのがよい。また各巻線6,7の巻数や交番磁界9の周波数は、被検査物8の大きさ、材質の違いによる渦電流の浸透深さ、予想される組織変異の深さ等を考慮して設定しておけばよい。 【0018】上記両励磁巻線6,6は、巻線が等方向に巻かれているものとし、かつ励磁巻線6と検出巻線7とからなる一対(2組)の検出部5,5は、上記の如く被検査物8の形状等に合わせて配置してある。そのため、ここでの両励磁巻線6,6で生じる交番磁界9は、被検査物8を介して合成された一つ磁界の如くになっており、両検出部5,5間の最大の磁界の通路を被検査物8が横切って通過するようにして、被検査物8に最大の磁気影響を与えるようにしてある。 【0019】上記位相・振幅弁別手段3は、被検査物8が上記検出部5,5間を通過時に、被検査物8毎に異なって生じる誘起電圧(派生電圧)を検出巻線7から電気信号として受け、それを位相と振幅とによる座標に変換するものである。 【0020】座標判定兼良否判別手段4は、座標化されたデータにより、被検査物8が良品か否かを判定するものであるが、上記位相・振幅弁別手段3で表された軌跡は、被検査物8と検出部5,5とが一定位置関係になった際の座標点を求めるようにしておくのがよい。例えば、誘起電圧の振幅・位相の差が、検出部5,5間に被検査物8が存在しない空芯時と比べて最大になった時点の座標で判別するようにすればよいが、必ずしも最大時点に限らない。 【0021】上記構成の金属部品等の形状・組織変異判別方法および装置によると、検出手段2として対向状に設けた検出部5,5間に、金属製の被検査物8が存在しない言わば空芯の場合(例えば図4のA参照)には、検出巻線7,7を交番磁界が横切っており、検出巻線7,7には空芯時の誘起電圧が生じている(例えば同図のB参照)。 【0022】検出部5,5間に、金属製の被検査物8が存在する場合(例えば図5のA・図6のA参照)には、交番磁界9で被検査物8表面またはその近傍に渦電流が誘起されて二次磁界が派生し、上記交番磁界9を打ち消す方向に作用するので、検出巻線7,7には逆相でかつ渦電流遅れの位相をもつ誘起電圧(派生電圧)が生じている(例えば図5のB・図6のBの実線参照、点線は上記空芯の場合の誘起電圧を示す)。 【0023】また上記検出部5,5間に金属製の被検査物8が存在する場合でも、被検査物8に変形や組織変異が有るか否かによって二次磁界が異なるので、誘起電圧も違いが生じている。即ち、変形や組織変異のない良品の被検査物8を検出部8,8間に置いた際に検出される誘起電圧はあまり大きな変化はないが(例えば上記図5のB参照)、偏肉その他の変形がある不良品の被検査物8を置いた際に検出される誘起電圧は、良品の場合と比較して振幅・位相の両方共に大きくズレている(例えば上記図6のB参照)。 【0024】上記の如く被検査物8毎に異なって生じる誘起電圧を、電気信号として受けた位相・振幅弁別手段3が、位相と振幅とによるX−Y平面座標に変換するが、被検査物8が検出手段2を通過時の誘起電圧の変化を、空芯時を0として、振幅差を放射方向に、位相差を回転方向に、その軌跡を座標化して示すようにするのがよい(例えば図7参照)。 【0025】上記座標化されたデータには、複数の良品の被検査物8を検査した際の座標範囲を良品枠10として予め含めておき、実際の被検査物8の座標が良品枠10の範囲内に有れば良品とし、範囲外になれば不良品として判別することになる(例えば図8参照)。 【0026】本発明に係る金属部品等の形状・組織変異判別方法および装置は、上記の如く検出手段1として、励磁巻線6とその磁界内に設けた検出巻線7とからなる検出部5,5を一対(二組)用意し、それを検出巻線7,7で対向するように間隔sをおいて対称状に配置し、該間隔s内に被検査物8を通過させて検査するものである。 【0027】そのため、被検査物8は両検出部5,5間の磁界の通路を横切って通過しており、言わば両励磁巻線6,6間で生じている最大の磁界9の中を横切って検査されるものであるから、その際に検出巻線7,7に生じる誘起電圧の変化も、単一の検出部をもつ検出手段の場合と比べて大幅に増大しており、言わば検出感度がアップしている。 【0028】これにより、それを座標化した際の良品と不良品との相違も際立って表示されることになり、被検査物8の変形や組織変異のある箇所が被検査物8の内・外周部を問わず、また通過方向の前・後部を問わず検出可能で、かつ確実に良否を判別できるようになっている。 【0029】なお図において、11は良品の場合に誘起電圧が描く軌跡、12は不良品の場合に誘起電圧が描く軌跡、13は良品の場合の座標、14は不良品の場合の座標を示す。 【0030】 【実施例】図1ないし図8は、本発明の金属部品等の形状・組織変異判別方法および装置の実施例を示すもので、図1で示す如く、交番電流発生源1に接続した検出手段2と、検出された電気信号を位相と振幅の変化に座標化する位相・振幅弁別手段3と、その位相・振幅が座標上で予め設定した良品枠10内に有るか否かで、被検査物8の良否を判別する座標判定兼良否判別手段4とを備えている。 【0031】。ここでは、軸受の内輪の如き短円筒状物を被検査物8とし、その外周面・内周面・両側面等の表面または表面近傍に、変形や組織変異等が有るか否かを検査する場合を示す。 【0032】上記検出手段2は、図2・図3で示す如く、交番磁界9を発生させる励磁巻線6とその磁界内に設けた検出巻線7とからなる検出部5,5が一対(二組)あり、検出巻線7,7同士が対向するように間隔sをおいて、ここでは上下対称状に配置してある。その間隔sは、上記短円筒状の被検査物8が、両側面を検出巻線7,7に対面させながら通過可能な幅に設定してあるが、この間隔sは非導電性・非磁性材で形成した間隔調節機構(図示略)で調節可能としてある。 【0033】上記検出部5,5の各励磁巻線6,6には、交番電流発生源1から高周波の定電流が流されて、強力で均一な交番磁界9が発生しており、対向した一方の検出部5の励磁巻線6と他方の検出部5の励磁巻線6との間に磁界の通路が形成されている。交番磁界9の周波数や各巻線6,7の巻数は、ここでの上記被検査物8の大きさ、材質の違いによる渦電流の浸透深さ、予想される組織変異の深さ等を考慮して設定している。 【0034】上記検出部5,5の各巻線6,7の幅は、ここでは検出部5,5間を被検査物8が通過時に、その被検査物8の全体が同時に検出部5,5内に存在できるような大きさに形成してある(上記図2参照)。また各巻線6,7のコイルとしての外形は、ここでは被検査物8が短円筒状物であることから、その断面形状が環状になるように形成してある。 【0035】上記両励磁巻線6,6は巻線を等方向に巻いておき、かつ励磁巻線6と検出巻線7とからなる一対(2組)の検出部5,5は、上記の如く被検査物8の形状等に合わせて配置しておく。これで、両励磁巻線6,6で生じる交番磁界9は、被検査物8を介して合成された一つ磁界の如くになり、両検出部5,5間での最大の磁界の通路を被検査物8が横切って通過することになるから、被検査物8に最大の磁気影響を与え、検出巻線7,7に生じる誘起電圧の変化の差も大きくなっている。 【0036】上記位相・振幅弁別手段3は、被検査物8が上記検出部5,5間を通過時に、被検査物8毎に異なって生じる誘起電圧を検出巻線7,7から電気信号として受け、それを位相と振幅による座標に変換する。ここでは、図7で示す如く、上記空芯時に検出された誘起電圧の振幅・位相と比較して、その差に当たる分をX−Y平面座標に変換し、被検査物8が検出手段2を通過時の誘起電圧の変化を、空芯時を0として、振幅差を放射方向に、位相差を回転方向にその軌跡を座標化して示すようにしてある。 【0037】上記座標判定兼良否判別手段4は、上記座標化されたデータにより、被検査物8が良品か否かを判定するものであり、上記位相・振幅弁別手段3で表された軌跡は、被検査物8と検出部5,5とが一定位置関係になった際の座標点を求めるように、ここでは誘起電圧の振幅・位相の差が空芯時と比べて最大になった時点の座標で判別するようにしてある。 【0038】そして、図8で示す如く、予め複数の良品の被検査物8を検査した際の座標範囲を良品枠10として設定してあり、被検査物8の座標が良品枠10の範囲内に有れば良品とし、範囲外となれば不良品として判別する。この良品枠10は、良品の複数個の被検査物8を上記検出手段2を通過させた際の電圧と位相の座標を表示させた場合に、複数の座標は一定の範囲に集まるので、統計学的に良品の枠10を描いたものである。 【0039】上記対向状に設けた検出部5,5間に金属製の被検査物8が存在しない場合には、図4のAで示す如く、検出巻線7,7を交番磁界9が横切っているだけであり、検出巻線7,7には同図のBで示す如く空芯時の誘起電圧が生じている。検出部5,5間に、図5Aで示す如く金属製の被検査物8が存在しても、変形や組織変異がない良品の場合には、検出巻線7,7に生じる誘起電圧は同図のBで実線にて示す如く余り大きな変化はない(点線は上記空芯時の誘起電圧を示す)。 【0040】これに対して、検出部5,5間に偏肉その他の変形がある不良品の被検査物8が存在する場合には、図6のAで示すような磁界9となり、また同図のBで実線にて示す如き誘起電圧が生じる(点線は空芯時の誘起電圧を示す)。ここでは被検査物8が左右非対称なので、良品の場合と異なる二次磁界が派生して、空芯時の場合とは逆相でかつ大きく渦電流遅れをもつ位相で、不良品としての誘起電圧が生じている。これは良品の場合と比較しても、振幅・位相の両方共に大きくズレており、それを座標化すると図7で示す如く、良品の場合と比べて全く異なる軌跡を描いている。 【0041】したがって、順次に被検査物8を上記検出手段2の両検出部5,5間を通過させて、その際に特定位置を通過時、即ち誘起電圧の振幅・位相の差が空芯時と比べて最大になった時点の座標を、図8で示す如く表示させた場合に、上記良品枠10内に属するものは良品であり、枠外に属するものは不良品として判定することになる。後は上記判定に従って自動振り分け装置により、良品と不良品を別の収納箱へ振り分ければよい。 【0042】この金属部品等の形状・組織変異判別方法および装置を用いた場合の有効性を示す実例を挙げれば、作業者20名の熱間鍛造部門で、1カ月に10,000,000個の金属部品を製造しているが、従来の目視判別法では、目視作業者4人が1時間に最高で3,600個程度の処理になるから、上記の総数を判別するには2,778時間を要することになる。作業者4名の月間総作業時間は時間外労働を含んで800〜1000時間/月であるから、上記全数を目視判別するのは困難な面が有り、一部の重点判別または抜き取り判別にならざるを得なかった。これに対して、本発明に係る金属部品等の形状・組織変異判別方法および装置を用いた場合には、1時間に30,000個の自動判別ができ、1台で月に340時間の無人稼働により、上記の総数を全て判別することができるようになった。 【0043】 【発明の効果】以上で明らかな如く、本発明に係る金属部品等の形状・組織変異判別方法および装置によれば、被検査物を破壊することなく全数を検査できると共に、変形や組織変異が被検査物の内・外周や、検出部を通過方向の前部や後部に有っても、迅速かつ確実に検査でき、良否の判別ができる。 【0044】即ち、本発明の金属部品等の形状・組織変異判別方法および装置は、検出手段として励磁巻線とその磁界内に設けた検出巻線とからなる検出部を一対(二組)用意し、検出巻線が対向するように間隔をおいて対称状に配置し、その間隔内に被検査物を通過させて、形状・組織変異の有無で良否を判別するものである。 【0045】そのため、被検査物はその両検出部間での磁界の通路を横切って通過することになっており、励磁巻線間の最大の磁界の中を横切っているから、検出巻線に生じる誘起電圧の変化は、単一の検出部をもつ検出手段や、被検出物が磁界の通路を横切らないものと比べて格段に増大しており、言わば検出感度を大幅にアップできる。 【0046】したがって、その誘起電圧の変化を座標化した際に、良品と不良品との相違を座標上で際立って表示でき、被検査物の変形や組織変異のある位置が被検査物の内・外周部を問わず、また通過方向の前・後部を問わず、確実かつ迅速に検出・判別することができる。その結果、従来の破壊検査や目視検査と異なり全数の良否を判別できることは勿論のこと、歩留りを向上すると共に、生産性の増大と検査作業者の負担を解消することができるようになった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】594013435 【氏名又は名称】株式会社置田鉄工所 【識別番号】500018446 【氏名又は名称】ヨロズ精工株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月11日(2000.1.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077724 【弁理士】 【氏名又は名称】京口 清
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| 【公開番号】 |
特開2001−194339(P2001−194339A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−2097(P2000−2097) |
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