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【発明の名称】 ガス濃度の測定方法
【発明者】 【氏名】三浦 則雄

【氏名】山添 ▲昇▼

【要約】 【課題】固体電解質型窒素酸化物ガスセンサを用いて被測定ガス中の窒素酸化物ガス濃度を測定するに際して、電流値の経時的な低下を抑制して、長期間安定的に測定することが可能な方法を開発すること。

【解決手段】固体電解質層の表面に、検知極層、並びにアルカリ金属硝酸塩及び/又はアルカリ金属亜硝酸塩とを含む対極層、必要に応じて参照極層が形成されてなる固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子を用い、100〜600℃に加熱下、上記検知極層と対極層との間に、検知極層が対極層よりも負電位になるように電圧を印加して、両電極層間に流れる電流値を計測して被測定ガス中の窒素酸化物ガス濃度を測定する方法において、一定期間測定する毎に、対極層が検知極層よりも負電位になるように電圧を印加する期間を設けることを特徴とする窒素酸化物ガス濃度の測定方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】固体電解質層の表面に、電子伝導物質を含む検知極層、並びに電子伝導物質とアルカリ金属硝酸塩及び/又はアルカリ金属亜硝酸塩とを含む対極層が形成されてなる固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子を用い、100〜600℃に加熱下、上記検知極層と対極層との間に、検知極層が対極層よりも負電位になるように電圧を印加して、両電極層間に流れる電流値を計測して被測定ガス中の窒素酸化物ガス濃度を測定する方法において、一定期間測定する毎に、対極層が検知極層よりも負電位になるように電圧を印加する期間を設けることを特徴とする窒素酸化物ガス濃度の測定方法。
【請求項2】固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子として、固体電解質層の表面に、電子伝導物質を含み被覆材により表面が被覆されてなる参照極層が形成されたものを用い、該参照極層に対して、検知極層又は対極層を負電位に印加することで、検知極層と対極層との間に電圧を印加することを特徴とする請求項1記載の窒素酸化物ガス濃度の測定方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子を用いた窒素酸化物ガス濃度の測定方法に関する。詳しくは、長期間使用しても電流値の低下が生じ難く、長期間安定的に測定することができる窒素酸化物ガス濃度の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題に対する関心が高まっており、大気中に放出される窒素酸化物ガス濃度を計測制御するためのガスセンサが注目されている。このようなガスセンサのなかで、電流値の変化を利用した固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子が、小型・簡便・安価であることから、その実用化が熱望されている。
【0003】現在、実用化が検討されている固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子としては、イオン伝導体である固体電解質層の表面に、電子伝導物質を含む検知極層、並びに電子伝導物質とアルカリ金属硝酸塩及び/又はアルカリ金属亜硝酸塩とを含む対極層が形成されてなり、これに、素子を加熱するためのヒータが設けられた構造のものが知られている。また、検知極層の電位を安定に保つために、上記素子において、固体電解質層に、さらに、電子伝導物質を含み被覆材により表面が被覆されてなる参照極層を設け、該参照極層に対して、検知極層を負電位に印加することで、検知極層を対極層よりも負電位に印加する構造のものも知られている。
【0004】こうしたガスセンサ素子では、100〜600℃の加熱下に、窒素酸化物ガスを含む被測定ガス中に放置され、上記検知極層と対極層のとの間に、検知極層が対極層よりも負電位になるように電圧がかけられる。そうすると、固体電解質中の可動イオンが検知極層に向かって移動する他、対極層に含まれるアルカリ金属硝酸塩及び/又はアルカリ金属亜硝酸塩が解離して、アルカリ金属イオンが同様に検知極層に向かって移動し、該検知極層において被測定ガス中の窒素酸化物ガスと反応してアルカリ金属硝酸塩及び/又はアルカリ金属亜硝酸塩を生成する。例えば、被測定ガスに含まれる窒素酸化物ガスが二酸化窒素ガスであり、対極層に亜硝酸ナトリウムが含まれている場合であれば、対極層ではNaNO2→Na++NO2+e-の反応が生じ、検知極層では、この逆の反応、即ち、Na++NO2+e-→NaNO2の反応が生じる。
【0005】その結果、検知極層と対極層との間には、対極層から検知極層に向かって流れる、被測定ガス中の窒素酸化物ガス濃度に応じた電流値が発生する。そして、放置した被測定ガス中の窒素酸化物ガス濃度が変化すると、電流値に変化が生じる。この電流値を電流計で計測し、予め作成しておいた電流値と窒素酸化物ガス濃度との相関を示す検量線に対応させることにより、被測定ガス中の検窒素酸化物ガス濃度を知ることができる。
【0006】このような窒素酸化物ガスセンサの固体電解質層としては、一般にNASICON(Na1+AZr2SiA3-A12、但し0≦A≦3)、β−Al23などの陽イオン伝導体が用いられている。
【0007】上記の構成で作動する固体電解質型窒素酸化物ガスセンサは、被測定ガス中に含まれる窒素酸化物ガス濃度を正確に測定し、さらに、小型で安価に作製できる利点を有しているため、汎用性の高いセンサ素子として受け入れられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これまでに開発された固体電解質を利用した窒素酸化物ガスセンサは経時安定性に乏しく、ある一定の窒素酸化物ガス濃度の下で得られる電流値が、センサの作動時間が経過するに連れて低下していき、長期間使用できないという問題点を有していた。
【0009】この問題点は、固体電解質型窒素酸化物ガスセンサの実用化を妨げる要因ともなっていた。従って、このような固体電解質型窒素酸化物ガスセンサを用いて被測定ガス中の窒素酸化物ガス濃度を測定するに際して、電流値の経時的な低下が生じず、長期間安定的に測定することが可能な方法を開発することが望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる特性を有する固体電解質型窒素酸化物ガスセンサを開発すべく研究を重ねた結果、一定期間ガス濃度を測定する毎に、検知極層と対極層との間に、対極層が検知極層よりも負電位になるように電圧を印加する期間を設けることにより、前記の課題が解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は、固体電解質層の表面に、電子伝導物質を含む検知極層、並びに電子伝導物質とアルカリ金属硝酸塩及び/又はアルカリ金属亜硝酸塩とを含む対極層が形成されてなる固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子を用い、100〜600℃に加熱下、上記検知極層と対極層との間に、検知極層が対極層よりも負電位になるように電圧を印加して、両電極層間に流れる電流値を計測して被測定ガス中の窒素酸化物ガス濃度を測定する方法において、一定期間測定する毎に、対極層が検知極層よりも負電位になるように電圧を印加する期間を設けることを特徴とする窒素酸化物ガス濃度の検知方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子の測定対象ガスは窒素酸化物ガスである。かかる窒素酸化物ガスは公知のものが特に制限なく測定できるが、通常は、一酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、及びこれらの混合ガスが対象になる。
【0013】本発明において使用される窒素酸化物ガスセンサ素子は、固体電解質層の表面に、電子伝導物質を含む検知極層、並びに電子伝導物質とアルカリ金属硝酸塩及び/又はアルカリ金属亜硝酸塩(以下、単にアルカリ金属硝酸塩類とも称する)とを含む対極層が形成されてなる固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子である。また、これらのガスセンサ素子は、検知極層の電位を安定に保つために、固体電解質層の表面に、さらに、電子伝導物質を含み被覆材により表面が被覆されてなる参照極層が設けられた構造であっても良い。かかる参照極層が設けられたガスセンサ素子では、該参照極層に対して、検知極層又は対極層を負電位に印加することで、検知極層と対極層との間に以下説明する所定の電圧を印加することができる。
【0014】本発明では、上記構造の固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子を用いて、100〜600℃に加熱下、検知極層と対極層との間に、検知極層が対極層よりも負電位になるように電圧を印加して、両電極層間を流れる電流値を計測して被測定ガス中の窒素酸化物ガス濃度が測定される。
【0015】ここで、窒素酸化物ガス濃度を測定するに際して、検知極層の電位は、高い感度で安定的に測定を行うためには、対極層に対して−50〜−300mV、好適には−100〜−200mVになるように電圧を印加するのが望ましい。参照極層が設けられてなるガスセンサ素子の場合は、該参照極層に対して該対極層の電位が上記値になるように電圧を印加するのが望ましい。
【0016】そうして、本発明では、上記方法により一定期間、被測定ガス中の窒素酸化物ガス濃度を測定する毎に、対極層が検知極層よりも負電位になるように電圧を印加する期間を設ける。このように検知極層と対極層との間の電位が逆転する期間を設けることにより、窒素酸化物ガス濃度の測定に伴う電流値の低下が抑制される。また、窒素酸化物ガス濃度の測定により電流値の低下が生じていても、再び上昇する。
【0017】本発明において、このような検知極層と対極層との間において電位を逆転させる期間を設けることによりに、窒素ガス濃度の測定に伴う電流値の低下の問題が抑制できる原因は以下の理由によるものと推定される。即ち、固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子を用いた窒素酸化物ガス濃度の測定において、上記の如く電流値が徐々に低下する原因は、測定が長期化するにつれて対極層に含まれるアルカリ金属硝酸塩類が消耗され、他方、検知極層にアルカリ金属硝酸塩類が生成することに起因していると考えられる。
【0018】これに対して、一定期間測定後、通常とは逆に、検知極層が対極層よりも負電位になるように電圧を印加すると、両電極層では窒素酸化物ガスの測定時とは逆の反応、即ち、検知極層において、生成したアルカリ金属硝酸塩類が解離し、アルカリ金属イオンが対極層に向かって移動し、該対極層において雰囲気中の窒素酸化物ガスと反応してアルカリ金属硝酸塩類を生成する反応が生じる。その結果、検知極層では、窒素酸化物ガス濃度の測定に伴って生成したアルカリ金属硝酸塩類が減少し、他方、対極層では消耗した該アルカリ金属硝酸塩類が生成し、両電極層が測定開始時に近い状態に回復することによるものと推定される。ここで、対極層の電位は、本発明の効果を良好に発揮させるためには窒素酸化物ガス濃度の測定時と同様に、検知極層に対して、−50〜−300mV、好適には−100〜−200mVになるように電圧を印加するのが望ましい。参照極層が設けられたガスセンサ素子の場合は、該参照極層に対して対極層の電位が上記値になるようなるように電圧を印加するのが望ましい。
【0019】また、検知極層を負電位に印加する時期は、計測される窒素酸化物ガス濃度に対する電流値が許容できない値に低下するまでに適宜行えば良い。測定開始時の電流値の90%以下、93%以下には低下しないように、上記電位の切り替えを行うのが好ましい。通常は、窒素酸化物ガス濃度の測定を、30〜600分、好適には60〜300分実施してから切り替えるのが好ましい。
【0020】また、検知極層を負電位にする期間の長さは、要求される窒素酸化物ガス濃度の測定精度やガスセンサ素子が放置される雰囲気にも左右され一概には決定できないが、通常は、窒素酸化物ガス濃度を測定した時間の40%以上は設けるのが望ましい。好適には、窒素酸化物ガス濃度を測定した時間の50〜100%の時間で実施するのが効果的である。
【0021】かかる検知極層を負電位に印加する期間において、ガスセンサ素子は、そのまま被測定ガス中に継続して放置するのが一般的であるが、他の窒素を含有する雰囲気に放置しても良い。こうした放置する雰囲気は、窒素酸化物ガス濃度が高い方が好ましく、好適にはその濃度が50ppb以上であるのが好ましい。
【0022】なお、かかる検知極層を負電位に印加する期間においても、ガスセンサ素子は、窒素酸化物ガスの測定時と同様に100〜600℃の加熱下に放置される。
【0023】次に、本発明に使用する固体電解質型ガスセンサ素子において、検知極層に含まれる電子伝導物質は、センサ素子の電流検知や電圧を印加するために必要な物質であり、公知の材料が制限なく使用される。例えば、白金、金、パラジウム、銀などの貴金属元素およびこれらの合金、もしくは上記の貴金属元素の2種類以上を混合したものが採用されるが、特に、白金、金およびこれらの混合物や合金が耐腐食性に優れていることから好適である。
【0024】上記の検知極層の形成方法としては、公知の方法が特に制限なく使用される。例えば、上記の電子伝導物質を溶媒およびバインダーと混練してペースト化し、該ペーストをスクリーン印刷法などによって固体電解質表面に焼き付ける方法、電子伝導物質をスパッタリングや蒸着などの薄膜形成技術によって形成する方法が好適に採用される。
【0025】検知極層の厚みは特に制限されないが、一般には0.001〜0.03mmの範囲から採用される。
【0026】本発明において、対極層に含まれるアルカリ金属硝酸塩としては、硝酸ナトリウム、硝酸リチウム、硝酸カリウム、硝酸ルビジウム等が挙げられ、アルカリ金属亜硝酸塩としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸リチウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸ルビジウム等が挙げられる。大きな感度が得られることから、特に硝酸ナトリウムや亜硝酸ナトリウムを用いることが好ましい。
【0027】対極層に対するアルカリ金属硝酸塩類の含有量は特に制限されないが、全重量100重量%中に占める割合で5〜80重量%であることが好ましく、特に10〜60重量%であることが連続使用時におけるセンサ素子の電流値のふらつきを少なくすることから好ましい。
【0028】なお、対極層に含まれる電子伝導物質は、検知極層に含まれるものと同様のものが使用できる。
【0029】本発明において、固体電解質層には、公知の固体電解質が制限なく使用される。例えば、前述のNASICON、β―Al23、Li4SiO4などが挙げられる。
【0030】固体電解質層の形成方法は、公知の方法が特に制限なく採用される。代表的な形成方法としては、固体電解質の合成原料を焼成し、成形した後加熱する方法、固体電解質の合成原料を成型した後、焼結する方法、及び、固体電解質の合成原料を溶媒およびバインダーと混練してペースト化し、該ペーストをスクリーン印刷法などによってセラミックスやガラスの基板上に印刷して焼き付ける方法などが挙げられる。
【0031】固体電解質層の厚みは特に制限されないが、一般には0.02mm〜2.0mmの範囲から採用される。
【0032】固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子は、通常50℃〜600℃、好適には100〜400℃の一定温度に加熱して使用される。上記センサ素子を加熱する方法としては、センサ素子の外部の熱源からの加熱によっても良いし、ヒータが形成されたセラミックスやガラス基板をセンサ素子に接合し、該ヒータに直流または交流電圧を印加して加熱してもよい。センサ素子に接合するヒータの装着位置は、センサ素子の作動を阻害しない位置であれば特に制限されない。
【0033】本発明において、検知極層と対極層の他に参照極層を設ける場合の参照極層に含まれる電子伝導物質は、検知極層に含まれるものと同様のものが使用できる。形成方法や厚みに対しても制限はなく、たとえば検知極層と同様の方法や厚みが採用される。
【0034】参照極層を被覆する被覆材は、参照極層の電位を一定に保つために電極層を外気から遮断するために必要な物質であり、絶縁性を有する公知の材料が制限なく採用される。たとえば、ガラス、無機およびポリマー系接着剤などが採用されるが、耐熱性に優れていることからガラスや無機接着剤が好適である。形成方法や厚みに対しても制限はなく、たとえば検知極層と同様の方法や厚みが採用される。
【0035】なお、検知極層、対極層、さらに必要に応じて設ける参照極層の配置は、それぞれが固体電解質層に接触していれば、特に制限されない。固体電解質層の一方の面に検知極層を設け、他方の面に一定の距離をおいて対極層及び参照極層を設けるのが一般的であるが、全ての電極層を固体電解質層の同一面上に一定の距離をおいて設けても良い。
【0036】
【発明の効果】本発明の方法によれば、固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子を用いて窒素酸化物ガス濃度を測定した際に生じる、電流値の低下の問題が良好に抑制できる。従って、本発明は、窒素酸化物ガスを長期間にわたって信頼性良く測定することが可能になった点において技術的な意義は大きい。
【0037】
【実施例】本発明を具体的に説明するために以下の実施例を挙げて説明するが、本発明は、これら実施例に制限されるものではない。
実施例1〜3固体電解質型窒素酸化物ガスセンサとして、図1に示されるような断面構造を有する素子を作製した。この固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子は、固体電解質層2の片面に検知極層1が、反対面に対極層3形成されている。
【0038】固体電解質層2を形成するための固体電解質粉末は、ケイ酸ジルコニウムとリン酸ナトリウムをNa3Zr2SiPO12の組成になるように混合し、1100℃の大気雰囲気で6時間、焼成することによって得た。
【0039】固体電解質層2は、上記固体電解質粉末を一軸成形後、1200℃の大気雰囲気で10時間焼結して、直径が4.0mmであり、厚みが0.5mmである円盤状のペレットとした。
【0040】検知極層1は、電子伝導物質としての金粉末と、5重量%エチルセルロースを溶解したテルピネオールとを混練してペーストとし、これを上記固体電解質層2の片面にスクリーン印刷、乾燥、200℃の大気中で20分焼成して形成した。このようにして、膜厚が0.015mmの検知極層1を得た。
【0041】対極層3は、5重量%エチルセルロースを溶解したテルピネオールに、電子伝導物質としての金粉末と、亜硝酸ナトリウムを対極層の全重量100重量%中に占める割合で25重量%混練してペーストとし、これを上記固体電解質層2の検知極層1を形成した面とは反対の表面にスクリーン印刷、乾燥、200℃の大気中で20分焼成して形成した。このようにして、膜厚が0.015mmの対極層3を得た。
【0042】以上の方法によって作製した固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子を、二酸化窒素濃度が200ppbに保たれた電気炉に入れて150℃で加熱し、検知極層1電位を対極層3に対して−150mVになるように電圧計4で制御した。この時、検知極層1と対極層3との間に流れる電流を電流計5で計測した。
【0043】実施例1〜3においては、対極層に対して検知極層電位を一定に保ってから表1に示した時間が経過した後、対極層電位を検知極層に対して−150mVになるように印加の方向を切り替えた。切り替えて表1に示した時間が経過したら、再び検知極層電位を対極層に対して−150mVになるように電圧計で制御して、検知極層と対極層の間に流れる電流を電流計で計測した。
【0044】以後、上記の電位の切り替えを繰り返し、センサ素子作動開始時と1ヶ月および3ヶ月経過後とで得られる電流値にどの程度の変動が現れるのかを観察した。結果を表1に示した。
実施例4〜7固体電解質型窒素酸化物ガスセンサとして、図2に示されるような断面構造を有する素子を作製した。この固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子は、固体電解質層2の片面に検知極層1が、反対面に対極層3および参照極層6が形成され、参照極層6はガラス7によって被覆されている。
【0045】固体電解質層2、検知極層1及び対極層3は、実施例1〜3と同様の方法により作成した。
【0046】また、参照極層6は、上記固体電解質層2の対極層3を形成した面と同じ表面に、検知極層1と同様の方法で作製した。参照極層6の表面を市販のガラスペーストによって覆い、これを200℃の大気中で20分焼成してガラス化させて外気との接触を遮断した。以上の方法によって作製した固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子を、二酸化窒素濃度が200ppbに保たれた電気炉に入れて150℃で加熱し、検知極層1電位を参照極層6に対して−150mVになるようにポテンシオスタット11で制御した。この時、検知極層1と対極層3の間に流れる電流をポテンシオスタットで計測した。
【0047】実施例4〜7においては、参照極層対して検知極層電位を一定に保ってから表1に示した時間が経過した後、対極層電位を参照極層に対して−150mVになるように印加の方向を切り替えた。切り替えて表1に示した時間が経過したら、再び検知極層電位を参照極層に対して−150mVになるようにポテンシオスタットで制御して、検知極層と対極層の間に流れる電流を計測した。
【0048】以後、上記の電位の切り替えを繰り返し、センサ素子作動開始時と1ヶ月および3ヶ月経過後とで得られる電流値にどの程度の変動が現れるのかを観察した。結果を表1に示した。
【0049】比較例1比較例の固体電解質型窒素酸化物ガスセンサは、実施例1〜5と同様の方法で作製した。センサ素子の作動は、対極層電位を検知極層に対して負電位に印加する期間を設けない以外は実施例1〜3と同様の方法で行い、電流値も実施例と同じ時期に計測した。結果を表1に示した。
比較例2比較例の固体電解質型窒素酸化物ガスセンサは、実施例4〜7と同様の方法で作製した。センサ素子の作動は、対極層電位を参照極層に対して負電位に印加する期間を設けない以外は実施例4〜7と同様の方法で行い、電流値も実施例と同じ時期に計測した。結果を表1に示した。
【0050】
【表1】

【0051】
【出願人】 【識別番号】000003182
【氏名又は名称】株式会社トクヤマ
【識別番号】595113314
【氏名又は名称】三浦 則雄
【識別番号】598037570
【氏名又は名称】山添 ▲昇▼
【識別番号】598037581
【氏名又は名称】グリーンブルー株式会社
【出願日】 平成12年1月7日(2000.1.7)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−194337(P2001−194337A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−1364(P2000−1364)