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【発明の名称】 バイオセンサー装置
【発明者】 【氏名】ラフバー シン ブラー

【氏名】ジェフェリー ニール シェルトン

【氏名】ブライアン エス,ヒル

【要約】 【課題】液体サンプルを水平および垂直の両方向に比較的短時間に輸送する能力を製造者に提供するトップドースセンサー(top dose sensor)を提供する。

【解決手段】基板;基板上に置かれた電極;入口を含むカバー;電極とカバーの間に置かれた1枚以上のプレートであって、開口部および該開口部から間隔をおいて配置されたミクロ構造体を含む1枚以上のプレート;および該1枚以上のプレート上に存在する試薬;を含むことを特徴とするバイオセンサー装置を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板;基板上に置かれた電極;入口を含むカバー;電極とカバーの間に置かれた1枚以上のプレートであって、開口部および該開口部から間隔をおいて配置されたミクロ構造体を含む1枚以上のプレート;および該1枚以上のプレート上に存在する試薬;を含むことを特徴とするバイオセンサー装置。
【請求項2】 1枚以上のプレートが上面および上面から延びる壁により画定された上側窪みを含むように形成される、請求項1記載の装置。
【請求項3】 ミクロ構造体が上面から上側窪み中に延びている、請求項2記載の装置。
【請求項4】 ミクロ構造体が円錐形である、請求項3記載の装置。
【請求項5】 ミクロ構造体が溝付き面を含む、請求項4記載の装置。
【請求項6】 1枚以上のプレートが上面から延びておりかつ上側窪みを複数の領域に分割する仕切を含む、請求項2記載の装置。
【請求項7】 前記領域に置かれている分離した試薬を含む、請求項6記載の装置。
【請求項8】 センサーが折りたたまれた位置にあるときにカバーがプレートと係合するシールを含む、請求項6記載の装置。
【請求項9】 センサーが折りたたまれた位置にあるときに1枚以上のプレートが基板に面するシールを含む、請求項2記載の装置。
【請求項10】 2枚のプレートを含む、請求項1記載の装置。
【請求項11】 カバーにある入口が隣接するプレートのミクロ構造体とほぼ整合している、請求項10記載の装置。
【請求項12】 カバーと隣接するプレートとが協同して第1分配間隙を画定する、請求項11記載の装置。
【請求項13】 隣接するプレート同士が協同して第2分配間隙を画定する、請求項12記載の装置。
【請求項14】 3枚のプレートを含む、請求項1記載の装置。
【請求項15】 基板;基板上に置かれた電極;基板上に置かれたプレートであって、1つ以上の電極と連絡する開口部を含むように形成されたプレート;カバーを貫通して配置された入口であって、プレートと連絡しかつ開口部とオフセットしている入口を含むように形成されたカバー;およびプレートとカバーの間に置かれた1つ以上の試薬;を含むことを特徴とするバイオセンサー装置。
【請求項16】 プレートが上面と上面から延びる壁により画定された上側窪みを含むように形成されている、請求項15記載の装置。
【請求項17】 プレートが下面と下面から延びている壁により画定された下側窪みを含むように形成されている、請求項16記載の装置。
【請求項18】 開口部が上面および下面間を貫通している、請求項17記載の装置。
【請求項19】 プレートが上面から上側窪み中に延びているミクロ構造体を含む、請求項18記載の装置。
【請求項20】 ミクロ構造体がカバーの入口の中へ延びている、請求項19記載の装置。
【請求項21】 プレートが、上面から延びて上側窪みを複数の領域に分割する仕切を含む、請求項15記載の装置。
【請求項22】 カバーとプレートの間に延びるヒンジをさらに含む、請求項14記載の装置。
【請求項23】 基板とプレートの間に延びるヒンジをさらに含む、請求項14記載の装置。
【請求項24】 基板;基板上に置かれた電極;基板上に置かれた第1プレート;第1プレート上に置かれた第2プレート、ただし、第1および第2プレートがそれぞれ相互にオフセットの関係にある開口部を含むように形成されているもの;第2プレート上に置かれたカバーであって、第2プレートの開口部とオフセットの関係にある入口を含むように形成されているカバー;および第1および第2プレートの少なくとも1枚の上に置かれた試薬;を含むことを特徴とするバイオセンサー装置。
【請求項25】 第1プレートが第2プレートの開口部の中へ延びているミクロ構造体を含む、請求項24記載の装置。
【請求項26】 第2プレートがカバーの入口の中へ延びているミクロ構造体を含む、請求項25記載の装置。
【請求項27】 第1プレートが、ミクロ構造体間に延びておりかつ第2プレートと係合している少なくとも1つの仕切を含む、請求項25記載の装置。
【請求項28】 第2プレートが、ミクロ構造体間に延びておりかつカバーと係合している少なくとも1つの仕切を含む、請求項26記載の装置。
【請求項29】 液体サンプル中のアナライトを検出するためのバイオセンサー装置であって、基板;基板上に置かれた電極;電極から間隔をおいて配置されかつ液体サンプルを受け入れる大きさの入口を含むように形成されたカバー;試薬;およびカバーの入口から電極へ液体サンプルおよび試薬を分配するための手段であって、液体サンプルをカバーの入口から放射状に外側へ拡大させかつ液体サンプルがカバーにほぼ垂直な方向で電極に向って流れうるように形成された分配手段;を含むことを特徴とする装置。
【請求項30】 分配手段がカバーと基板との間に置かれた有孔プレートを含む、請求項29記載の装置。
【請求項31】 分配手段が2枚の有効プレートを含む、請求項30記載の装置。
【請求項32】 分配手段が3枚の有孔プレートを含む、請求項30記載の装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセンサー、さらに特定的にはトップドースセンサー(top dose sensor)に関する。
【0002】
【従来の技術】電気化学バイオセンサーは公知である。該バイオセンサーは、生物サンプル、特に血液からの様々なアナライト(被検体)の濃度を測定するために使われている。電気化学バイオセンサーは、米国特許第5,413,690号;第5,762,770号;および第5,798,031号、ならびに国際公開(International Publication)WO99/30152に記載されており、これらのいずれの開示も参照により本明細書に組み入れられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決する課題は、液体サンプルを水平および垂直の両方向に比較的短時間に輸送する能力を有するトップドースセンサー(top dose sensor)を提供することである。また、多重アッセイが可能な有孔プレートを有するバイオセンサーを提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によって、基板(base)、基板上に置かれた電極、入口(port)を含むカバー、電極とカバーとの間に置かれた1枚以上のプレート、および1枚以上のプレート上に位置する試薬から成るバイオセンサー装置が提供される。1枚以上のプレートには、開口部および該開口部と間隔をおいて配置されたミクロ構造体が含まれる。
【0005】さらに、本発明によって、基板、基板上に置かれた電極、基板上に置かれたプレート、カバー、およびプレートとカバーとの間に置かれた1つ以上の試薬から成るバイオセンサー装置が提供される。プレートは1つ以上の電極と連絡する開口部を含み、カバーはカバーを貫通して設けられた入口を含む。入口はプレートと連絡しており、開口部とオフセット(offset)している。
【0006】そしてさらに、本発明は、基板、基板上に置かれた電極、基板上に置かれた第1プレート、第1プレート上に置かれた第2プレート、第2プレート上に置かれたカバー、ならびに第1および第2プレートの少なくとも1つの上に置かれた試薬から成るバイオセンサー装置を提供する。第1および第2プレートは、それぞれお互いにオフセットの関係にある開口部を含み、カバーは第2プレートの開口部とオフセットの関係にある入口を含む。
【0007】さらに、本発明によって、液体サンプル中のアナライトを検出するためのバイオセンサー装置が提供される。該バイオセンサー装置は、基板、基板上に置かれた電極、電極から間隔をおいて配置されかつ液体サンプル試薬を受け入れる大きさの入口を含むように形成されたカバー、および液体サンプルをカバーの入口から電極へ分配する手段から成る。該分配手段は、液体サンプルをカバーの入口から放射状に外側へ拡大させかつ液体がカバーにほぼ垂直な方向で電極に向って流れうるように形成される。
【0008】本発明のさらなる特徴は、現在認識される本発明を実施する最良の方式を例示する以下の好ましい実施形態の詳細な説明を考慮すれば、当業者には明らかになるであろう。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、液体サンプルを水平および垂直の両方向に比較的短時間に輸送する能力を製造者に提供するトップドースセンサー(top dose sensor)に関する。本発明のセンサーは有孔プレートの1シリーズから成り、該プレートは、隣接するプレートがほぼ平行に重なる関係に配置され、隣接するプレート間に液体分配間隙(liquid distribution gap)を形成するように作られる。プレートの開口部(aperture)はお互いにオフセットしている。従って、液体は、開口部を通過する垂直流とプレート間の液体分配間隙を通過する水平流とを交替しながら、プレートのシリーズを通過する。
【0010】本発明の様々な様態を図1〜10に提示するが、これらの図は一定の縮尺で描かれておらず、複数図内の類似の構成要素には同じ番号が付されている。いま、特定的に図1〜3を参照すると、本発明のセンサー10は基板12、基板12に置かれた電極セット14、カバー16、プレートのシリーズ18、および基板12、カバー16、およびプレートのシリーズ18を一緒に接続するヒンジのシリーズ23を含む。サンプル24が電極セット14に移動する時に、カバー16とプレートのシリーズ18は協同して液体サンプル24を水平に分配する。以下に詳細に考察されるように、基板12、カバー16、プレートのシリーズ18およびヒンジ23は、成形した多樹脂材料(multi-resinous material)の単一片から形成される。
【0011】電極セット14およびプレートのシリーズ18はセンサー10の基板12上に支持される。基板12は、プレートのシリーズ18に面する頂表面26、底表面28、前端面30、後端面32、および側壁34、36を含む。頂表面26と前端面30によってへこみ38が形成されている。へこみ38は、中に電気絶縁体40を受け入れるサイズに作られている。基板12はほぼ矩形の形状で示されているが、基板12は、本発明の開示によれば、様々な形状およびサイズで作ることができる。
【0012】図1および3に示すように、絶縁体40はへこみ38内で基板12と結合されている。絶縁体40は、上側42、基板12とかみ合っている下側44、基板12の前端面30に隣接して置かれる前端面46、後端面48、および側面50、52を含む。図1に示されるように、電極セット14は絶縁体40の上側42を前端面46から後端面48へ向かって横切る。絶縁体40は電極セットの電極間に電気的接続が生じるのを防止するために作られる。適当な絶縁体の非限定的な例は、ガラス、セラミックおよびポリエステルまたはポリイミドのようなポリマーを含む。適当な材料の具体的な例としては、ガラス;TECHNI-MET(コネチカット州、米国)から金、パラジウムまたは白金でプレコートしたものが市販されている宇部興産株式会社(UBE INDUSTRIES,LTD、日本)のポリイミドUPILEX;または銅でプレコートしたものが市販されているGEのULTEM 1000(ポリエーテルイミド)が挙げられる。好ましくは、該絶縁体をガラスで構築し、電極セット14をガラス中に置く。さらに、絶縁体40は、基板12と接着剤によって結合される。しかし、絶縁体40は、本明細書の開示によれば、溶媒系接着剤、超音波溶接、またはダブテール(dovetail)、ピン、スナップ、リベット、ねじ、ステープルなどのような機械的締結具を使って、基板12と結合しうると考えられる。
【0013】図1に示したように、電極セット14は、絶縁体40の上側42中に敷設された2つの電気伝導性トラック(track)54、56を含む。トラック54は作用電極(workingelectrode)とし、かつトラック56は対向電極(counter electrode)としうる。トラック54、トラック56は導電性材料で構築する。例としてはアルミニウム、炭素(グラファイトのような)、コバルト、銅、ガリウム、金、インジウム、イリジウム、鉄、鉛、マグネシウム、水銀(アマルガムとして)、ニッケル、ニオビウム、オスミウム、パラジウム、白金、レニウム、ロジウム、セレン、珪素(高度にドーピングした多結晶珪素のような)、銀、タンタル、スズ、チタン、タングステン、ウラン、バナジウム、亜鉛、ジルコニウム、それらの混合物、およびこれらの元素の合金または金属化合物を含む。好ましくは、該トラックは、金、白金、パラジウム、イリジウム、またはこれらの金属の合金を含む、何故なら、これらの貴金属およびそれらの合金は生物学的系において不活性であるからである。最も好ましくは、トラック54は金で作られた作用電極であり、トラック56は同じく金で作られた対向電極でありかつ実質的に作用電極と同じサイズである。
【0014】それぞれ作用電極および対向電極としての役割を担うトラック54、56は、センサー領域61と電気的に接続された接触パッド59を有する。図1〜3に図解した寸法の値は、1つの特定の実施形態に対するものであり、これらの値は特定の用途に対して必要に応じて選択することができる。例えば、電極セット14の長さは1.5〜250mm、巾は0.4〜40mm、接触パッド59の間の間隙は0.1μm〜5mm、そしてそれぞれの接触パッド59の幅は0.1〜20mmであってよい。図1に示す電極パターンは対称である;しかしこれは必要要件でなく、不規則または非対称のパターン(または電極形状)が可能である。また、電極セット14は、本発明の開示によれば、接着剤、ダブテール接続、フックおよびループ型締結具などのような多様な技術を使って、絶縁体40と結合しうると考えられる。電極は、本発明の開示によれば、スクリーン印刷、スパッタリング、レーザーアブレーション、フォトリソグラフィーなどのような市販の技術を使って、基板12上に配置しうると考えられる。
【0015】プレートのシリーズ18は基板12とカバー16との間に延び、サンプル24がカバー16から電極セット14へ移動するときにサンプル24を水平方向に分配させる。シリーズ18は、基板12上にある第1プレート22、第1プレート22の上にある第2プレート20、およびカバー16に隣接し第2プレート20の上にある第3プレート25を含む。図2を参照すること。シリーズ18は1もしくは2枚のプレートまたは3枚を超えるプレートを有しうると考えられる。プレートのシリーズ18は、図2に示すように、折りたたまれた位置のとき、プレート20、22、25が相互にほぼ平行な関係に置かれるように、一緒に結合される。
【0016】シリーズ18の各プレート20、22、25は内側面58および外側面60を含む。図2および3に示すように、プレート20、22、25は、基板12に対して、シリーズ18における下のプレートの外側面60はシリーズ18における隣接する上のプレートの内側面58をそれぞれ支持するように配置される。次に図3を参照すると、プレート20、22、25の外側面60は、上面70と上面70から延びる壁72により画定される上側窪み66を含む。同様に、プレート20、22、25の内側面58は、下面74と下面74から延びる壁76により画定される下側窪み68を含む。壁72、76は相互にほぼ整合してプレート20、22、25上のサンプル24の水平分配の量を制限する。各プレート20、22、25の上面70は好ましくは親水性であってサンプル24の分配を助ける。上面70および下面74はそれぞれほぼ円形(図1)であるが、面は、本発明の開示によれば、長方形、三角形、正方形、矩形、台形等の形状であってよいと考えられる。
【0017】センサー10が図2および3に示すように折りたたまれた位置であれば、プレート20、22、25は1つの上に他が積み重ねられる。カバー16の下側窪み68とプレート25の上側窪み66は協同して第1の水平分配間隙81を画定する。プレート25の下側窪みとプレート20の上側窪みは協同して第2の水平分配間隙83を画定する。同様に、プレート20の下側窪み68とプレート22の上側窪み66は協同して第3の水平分配間隙85を画定し、そしてプレート22の下側窪み68と絶縁体40は協同して第4の水平分配間隙87を画定する。分配間隙81、83、85、87はシリーズ18のプレートの開口部88に対してほぼ垂直である。さらに、プレート22は、プレート22の下側窪み68と端部62との間に延びる空気ベント102を含む。ベント102は、本発明の開示によれば、サンプル24が電極セット14へ向って移動するときに空気がセンサー10から抜かれる限りにおいて、様々なサイズと経路を有しかつプレート22、20、25の任意の1つ以上を通ってまたは上側窪み66から延びてもよいと考えられる。
【0018】本発明のセンサー10は、サンプル24をカバー16から電極セット14へ向って引張る。サンプル24がカバー16から電極セット14に向って移動するとき、この運動は、重力および毛細管引張力増加の両方によって達成される。カバー16から絶縁体40に向うプレートのシリーズ18の毛細管作用強度は、分配間隙81、83、85、87の高さが減少すると増加する。水平分配間隙81、83、85、87は、高さが約5μm〜1000μm、好ましくは約10μm〜200μm、そして最も好ましくは約25μm〜100μmまでの範囲にある。例えば、第1分配間隙81は約100μmの高さを有し、第2分配間隙83は約75μmの高さを有し、第3分配間隙85は約50μmの高さを有し、そして第4分配間隙87は約25μmの高さを有する。分配間隙81、83、85、87の高さは実質的に等しいかまたは、毛細管作用により間隙81、83、85、87の高さが対応するプレート25、20、22または絶縁体40を横切ってサンプル24を引張るために十分である限りにおいて、異なっていてもよいと考えられる。
【0019】図3に示すように、各プレート20、22、25は、上面70から窪み66中に延びているミクロ構造体86ならびに上面70および下面74を貫通する開口部88を含む。次に図4を参照すると、ミクロ構造体86は円錐形であり、サンプル24にエッジを与え、サンプル24が各プレート20、22、25間を円滑に移行するために適した溝付き面(interrupted face)87を含むように形成されている。ミクロ構造体の溝付き面87は、4つのお互いに間隔をおいて配置されたV形の溝89により規定される。本発明の開示によれば、溝は数および溝付き面87表面まわりの位置において変化していてもよく、また、ミクロ構造体はなめらかな面で形成されうると考えられる。さらにミクロ構造体は溝付き面87から突き出たプラットホームを含むように形成されうると考えられる。
【0020】ミクロ構造体86はまた、図3に矢印90で示すように、サンプル24の移動を間隙81、83、85内でほぼ水平な方向に導く。ミクロ構造体86は、シリーズ18中の垂直方向上方のプレートの開口部88に整合している。ミクロ構造体86は、シリーズ18の隣接するプレートの開口部88の通路を通じるように延びる。ミクロ構造体86は、本発明の開示によれば、様々な高さおよび角度を有し、円筒、こぶ(bump)、三角形、ピラミッド、ブロック等として形成されうると考えられる。開口部88も様々な形状およびサイズでプレート20、22、および25を貫通しうると考えられる。さらに、本発明の開示によれば、プレート20、22、25は図解したものより多いまたは少ないミクロ構造体および開口部を含んでよく、かつプレート20、22、25は、様々なパターンでミクロ構造体および開口部を含むように形成されうる。
【0021】各図解プレート20、22、25は、対向端面82、84および対向端面82、84の間を各プレート20、22、25の長さを横切って延びる端部62、64を含む。図1に示すように、シリーズ18のプレート20、22、25は各対向端面82、84において一緒に結合し、製造時にシリーズ18を展開した位置に置くことができるようにする。ヒンジ23はそれぞれ、基板12とプレート22の第2端面84の間に、プレート20、22の第1端面82およびプレート20、25の第2端面84、それぞれの間に、そしてプレート25とカバー16の第1端面82の間に延びる。ヒンジ23を図解しているが、ストラップ、コード、接着剤、スナップ、ロッド、ピン、ステープル等を使って隣接するプレート20、22、25を一緒に結合しうると考えられる。
【0022】図3に示すように、センサー10のカバー16は、サンプル24の流れをプレートのシリーズ18に向けて導く。カバー16の上面70は、サンプル24を置くために使用者の指をその上に受けるように形成する。さらに、カバー16は上面70および下面74を貫通する入口92を含む。テーパー部分94とほぼ円筒形の部分96は各入口92を画定する。しかし、入口92は様々な形状およびサイズをとってカバー16を貫通しうると考えられる。入口92は第3プレート25のミクロ構造体86とほぼ整合し、開口部88から離れている。図2は円形パターンの入口をもつカバー16を図解するが、本発明の開示によれば、カバーは図解より多いかまたは少ない入口を含むことができ、入口は様々なパターンで配置されてカバー16を貫通することができ、そして入口は直径が変りうると考えられる。
【0023】試薬100は、特定のアナライトに対する電気化学的プローブを提供する。特定の試薬100の選択は、測定すべき特定のアナライトまたはアナライト群に依存し、当業者には公知である。本発明のセンサー10に使われる試薬の1例は、全血サンプルからグルコースを測定するための試薬である。ヒト血液サンプル中のグルコース測定に対する試薬の非限定的な例は、62.2mgポリエチレンオキサイド(平均分子量100〜900キロダルトン)、3.3mg NATROSOL 250M、41.5mg AVICEL RC-591 F、89.4mg一塩基性リン酸カリウム、157.9mg二塩基性リン酸カリウム、437.3mgフェリシアン化カリウム、46.0mgコハク酸ナトリウム、148.0mgトレハロース、2.6mg TRITON X-100界面活性剤、および試薬1グラム当り2,000〜9,000ユニットの酵素活性を含有する。酵素は、12.5mgの補酵素PQQおよび1.21百万(1.21 x 106)ユニットのキノタンパク質グルコースデヒドロゲナーゼのアポ酵素から酵素溶液として調製する。この試薬については、さらにWO99/30152に記載されており、この開示は本明細書に参照により組み入れられる。
【0024】ヘマトクリットを定量するときは、試薬は、可逆性電気活性化合物の酸化型および還元型(それぞれ、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム(「フェリシアン化物」)およびヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム(「フェロシアン化物」))、電解質(リン酸カリウムバッファー)、および微結晶性材料(FMC社から入手可能なAvicel RC-591F;88%微結晶性セルロースと12%カルボキシルメチル-セルロースナトリウムのブレンド)を含む。乾燥前の該試薬内成分の濃度は次の通りである:400ミリモル(mM)フェリシアン化物、55mMフェロシアン化物、400mMリン酸カリウムおよび2.0%(重量:容積)AVICEL。ヘマトクリットアッセイ用試薬のさらなる記載は米国特許第5,385,846号にあり、該特許の開示は本明細書に参照により組み入れられる。
【0025】本発明のセンサー10において特定のアナライトを測定するのに使用しうる酵素および媒介物質(mediator)の他の非限定的な例を以下の表1に掲げる。
【0026】
【表1】

【0027】表1に示したいくつかの例では、1つ以上の追加の酵素を反応触媒として使用する。また、表1に示したいくつかの例は、媒介物質酸化型への電子移動を容易にする追加の媒介物質を利用することができる。追加の媒介物質は、媒介物質酸化型より少ない量で試薬に与えることができる。上記のアッセイに関らず、本発明の開示によれば、センサー10を用いて、電流、電荷、インピーダンス、コンダクタンス、電位、または他の電気化学的に示されるサンプル24の物性を、サンプル24中のアナライト濃度に正確に相関させることができると考えられる。
【0028】センサー10は多樹脂射出成形(multi-resin injection molding)により製作される。このような成形プロセスはヴァイドマン社(H.Weidmann AG, Neue Jonastrasse 60, CH-8640 Rapperswil,スイス)から市販されている。多樹脂射出成形には、基板12、プレート20、22、25、ヒンジ23、およびカバー16に所望の特性を与えるために適当な多樹脂性材料を選択する必要がある。多樹脂性材料は、基板12、プレート20、22、25、ヒンジ23、およびカバー16にそれぞれ個別化した剛性(stiffness)を持たせることができる。センサー10は、多樹脂射出成形を使って製作されるのが好ましいが、本発明の開示の範囲を超えることなくカバー16、プレートのシリーズ18、および基板12を別々に作って一緒に結合しうると考えられる。
【0029】センサー10は、熱可塑性ポリマー材料、例えばアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アセタール、アクリル、ポリカーボネート(PC)、ポリエステル、ポリエチレン、フッ素樹脂、ポリイミド、ナイロン、ポリフェニレンオキサイド、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、またはそれらの混合物もしくはコポリマーにより構築される。さらに好ましくは、基板12、プレート18、およびカバー16は、コンパクトディスクを作るのに使われるようなポリカーボネートから形成され、ヒンジ23は熱可塑性ゴム(TPR)で構築される。ポリカーボネートの具体的な例としては、バイエル社(Bayer AG of Leverkusen、ドイツ)からのMAKROLONTM 2400;および三菱エンジニアリングプラスチック社(日本、東京)からのNOVAREXTM 7020 HFが挙げられる。TPRの非限定的な例は、ポリプロピレンまたはポリエチレンのようなポリオレフィンを含む。具体的には、TPRは、シェル化学(Shell Chemical)から市販されているCawitonである。基板12、プレートのシリーズ18、ヒンジ23、およびカバー16を形成するために射出成形される材料は、熱可塑性ポリマー材料、またはモノマーもしくはポリマー前駆体のように反応して熱可塑性ポリマー材料を形成する成分のいずれかである。
【0030】出発試薬は、試薬100の反応物または成分であり、しばしば液状に一緒に混ぜ合わせて、その後、センサーが展開した位置にあるときに各プレート20、22、25の上面70に塗布する。次に、図3を参照すると、その後、該液体を蒸発させ、試薬100を固体として残して上側窪み66中の上面70およびミクロ構造体86をコートする。単一試薬100を各プレート20、22、25の上面70にコートしてもよいが、本発明の開示によれば、試薬100を異なる成分に分離しうると考えられる。例えば、第1酵素を第1プレート25上に置き、第2酵素を第2プレート20上に置き、そして媒介物質を第3プレート22上に置くことができる。
【0031】化学接着剤をプレート202225およびカバー16の内側面58に塗布する。その後、カバー16およびプレート202225を1つの上に他を折りたたんで、センサー10を図2の折りたたまれた位置にする。あるいは、センサー10を、拡散接合もしくはアノード接合(diffusion or anodic bonding)、超音波溶接、レーザー溶接、溶媒系接着剤により一緒に結合すること、または締結具、ダブテール(dovetail)、ピン、スナップ、リベット、ねじ、ステープル等を用いて機械的に折りたたまれた位置に保持しうると考えられる。機械的接続を利用するとき、プレート202225のそれぞれの間にガスケットのようなシールを置いてセンサー10からのサンプルと試薬の流出を遮断するのが有効である。
【0032】使用時には、液体サンプル24をカバー16の上側窪み66に置く。サンプル24は、図3の矢印98により示すように入口92中に流入する。サンプル24は、入口92を通って移動する間に、試薬をコートしたミクロ構造体86に出会い、該ミクロ構造体86はサンプル24の流れを第1分配間隙81中に水平方向に導く。サンプル24は、矢印90により示すように、毛細管作用によりミクロ構造体86を横切りプレート25の上面70に沿って流れる間に試薬100を溶解する。サンプル24は毛細管作用により引張られてプレート25を横切り、そしてサンプル24はプレート25の開口部88に出会う。その後、サンプル24は、開口部88を垂直に流れて第2プレート20の対応する試薬がコートされたミクロ構造体86と交わる。
【0033】第2分配間隙83は第1分配間隙81より強い毛細管引張力を生じて、プレート25の開口部88からプレート20を横切りサンプル24を引張る。
【0034】プレート20のミクロ構造体86はプレート25の開口部88中に延び、サンプル24の流れをほぼ水平方向に導く。図3を参照すること。サンプル24はプレート20に沿って引張られるにつれて、ミクロ構造体86およびプレート20の表面70をコートする試薬100は溶解される。サンプル24はプレート20を横切る移動を続けた後、サンプル24はプレート20の開口部88に出会う。その後、サンプルは開口部88を通って垂直に流れて第1プレート22の対応する試薬がコートされたミクロ構造体86と交わる。
【0035】第3分配間隙85は、第2分配間隙83より強い毛細管引張力を生じて、プレート22を横切ってサンプル24を引張る。プレート22のミクロ構造体86はプレート20の開口部88中に延び、サンプル24の流れをほぼ水平方向に導く。図3を参照すること。サンプルはプレート22に沿って引張られるにつれて、ミクロ構造体86およびプレート22の表面70をコートする試薬100は溶解される。サンプル24はプレート22を横切る移動を続けた後、サンプル24はプレート22の開口部88に出会う。再び、第4分配間隙87は、第3分配間隙85より強い毛細管引張力を生じてプレート22の開口部88から電極セット14を横切ってサンプル24を引張る。
【0036】アナライトを含有するサンプル24がプレート202225上の試薬100を溶解すると、アナライトは酸化され、媒介物質酸化型は還元される。アナライトと試薬100との間の反応を完了させる。(完了とは、アナライト濃度と作用電極表面の媒介物質還元型の酸化により発生する拡散制限電流(diffusion limited current)とを相関させるために十分なアナライト、酵素、および媒介物質(酸化型)に関わる反応として定義される。)反応が完了した後、電源(例えば、バッテリー)は電極間に電位差をかける。電位差がかけられたとき、対向電極の媒介物質酸化型の量と電位差は、作用電極表面の媒介物質還元型の拡散制限電気酸化(diffusion limited electrooxidation)を起すのに十分でなければならない。電流計(図示してない)は作用電極表面の媒介物質還元型の酸化により発生する拡散制限電流を測定する。測定電流は、次の要件が満たされたときに、サンプル24内のアナライト濃度と正確に相関させることができる。
1. 媒介物質還元型の酸化速度が媒介物質還元型の作用電極表面への拡散速度により支配される。
2. 生じる電流は作用電極表面の媒介物質還元型の酸化により制限される。
【0037】本発明のセンサー10は、易可逆性媒介物質を含む試薬100を使用することによりかつ拡散制限電気酸化中に生じる電流が作用電極表面の媒介物質還元型の酸化により制限されることを保証するために十分な量の媒介物質酸化型を有する試薬を供給することにより上記の要件を満たす。電気酸化中に生じる電流が作用電極表面の媒介物質還元型の酸化により制限されるためには、対向電極表面の媒介物質酸化型の量は常に作用電極の表面の媒介物質還元型の量を超えなければならない。センサー10は、次のものと一緒に使用する。
1. 作用電極および対向電極と電気的接続がなされ、かつ作用電極表面で媒介物質還元型の拡散制限電気酸化を起すために十分な作用電極と対向電極との間の電位差を供給する能力をもつ電源;および2. 作用電極および対向電極と電気的接続がなされ、かつ上記電位差がかけられたときに媒介物質還元型の酸化により生じる拡散制限電流を測定する能力のある計器。
【0038】該計器は、通常、それによりアナライト濃度が与えられかつ可視的に表示される電流測定のアルゴリズムを利用するように適用される。このような電源、計器、およびバイオセンサーシステムの改良は共同出願された、1990年10月16日付けの米国特許第4,963,814号;1991年3月12日付けの米国特許第4,999,632号;1991年3月12日付けの米国特許第4,999,582号;1993年9月7日付けの米国特許第5,243,516号;1994年10月4日付けの米国特許第5,352,351号;1994年11月22日付けの米国特許第5,366,609号;1995年4月11日付けのWhiteら,米国特許第5,405,511号;1995年8月1日付けのWhiteら,米国特許第5,438,271号;の主題であり、これらの開示は本明細書に参照により組み入れられる。
【0039】本発明のセンサー10を使って、以下の工程を実施することにより、液体サンプルのアナライト濃度を定量することができる:a. 液体サンプルをカバー16の上面70上に置き;
b. 本明細書に記載したように、サンプルをプレートのシリーズ18を通して移動させ、それによりサンプルは試薬100と接触し、そしてアナライトと媒介物質酸化型との間の反応を完了にまで至らせ;
c. その後、作用電極表面の媒介物質還元型の拡散制限電気酸化を起すために十分な直流電位差を電極間にかけ;
d. その後、生じた拡散制限電流を測定し;そしてe. 電流測定値をサンプル中のアナライト濃度と相関させること。
【0040】多くの液体サンプルを分析することができる。例えば、全血、血清、尿、および脳脊髄液のようなヒト体液を測定することができる。また、潜在的に環境汚染物を含有する食物、発酵製品および環境物質を測定することができる。
【0041】次に図5を参照すると、本発明により、液体サンプルを水平方向および垂直方向の両方に比較的短時間に移動させる能力を製造者に与えるセンサー110が提供される。センサー110はまた、サンプルを区切られた室内に分離して様々な試薬および別個の電極セットに接触させることにより、使用者に単一サンプルを用いて多重アッセイを行うことも可能にする。例えば、グルコースおよびヘマトクリット濃度を測定するためおよびブランク電流を測定するために、センサー110を使うことができる。センサー110の基板12は、電極116、118、120の3セットおよび電極セット118に対応する参照電極122を支持する絶縁体114を支える。各電極セット116、118、120は、作用電極および対向電極にそれぞれ対応する2つの導電性トラック54、56を含む。
【0042】図5に示したプレートのシリーズ18は、基板12から延びる第1プレート150および第1プレート150とカバー16との間に延びる第2プレート152を含む。本発明の開示によれば、プレートのシリーズは、1枚のプレートを有しうるし、または2枚以上のプレートを有しうると考えられる。プレート150、152は、図7に示したように、センサー110が折りたたまれた位置のとき、相互にほぼ平行な関係に積む。
【0043】次に図5および図6を参照すると、プレート150、152は、プレート20、22と同様に形成されるが、プレート150、152の上面70は、窪み66、68を壁72と協同して3つの区切られた領域136、140、142に分離する仕切132、134を含む点が異なる。仕切132、134は、上面70から窪み66、68を通ってシリーズ18の垂直方向上方のプレートの下面74と交わるのに十分な高さまで延びる。従って、センサー110が折りたたまれた位置であるとき(図7)、プレート150の仕切132、134はプレート152と交わりかつプレート152の仕切132、134はカバー16と交わって、プレート150、152上のサンプルの水平分配の量を制限する。図6において領域136、140、142はある特定のパターンで図解されているが、これは必要要件でなく、本発明の開示によれば、対称、不規則、または非対称パターンが可能である。さらに、3つより大きいまたは少ない領域を各プレート150、152上に形成しうると考えられる。
【0044】領域136、140、142は、電極セット118、116、および120とそれぞれ協同して、使用者が多重アッセイを実施しうるようにする。例えば、グルコースアッセイは、サンプル24の一部を領域136中に分配して電極セット118および参照電極122に接触させて実施する。ヘマトクリットアッセイは、サンプル24の一部を領域140中に分配して電極セット116と接触させて実施する。さらに、ブランク電流は、サンプル24の一部を領域142中に分配して電極セット120と接触させて測定する。表1に記載したものを含む様々なアッセイを本発明のセンサー110を用いて使いうると考えられる。さらに、センサー110は、サンプル24の一部をサーミスター(図示されてない)に接触させるための領域に分配することによりサンプルの温度を測定するために使うことができる。
【0045】センサー110は、センサー10と同様な方式で、多樹脂射出成形を使って構築する。センサー110はまた、センサー10に関して先に考察した熱可塑性ポリマー材料からも構築する。好ましくは、基板12、プレート150、152およびカバー16はポリカーボネートにより形成し、ヒンジ23は熱可塑性ゴムで構築し、そして仕切はTPRにより形成する。グルコース、ヘマトクリット、およびブランク電流を測定するときは、フェリシアン化物のような共通の媒介物質160を、液状でプレート152の各領域136、140、142に塗布する。個々の酵素を液状でプレート150の領域136、140に塗布する。その後、液体を蒸発させて、試薬を上面70およびミクロ構造体86をコートする固体として残す。具体的な試薬の選択は、測定すべき特定のアナライトに依存し、当業者には公知である。
【0046】使用時に、液体サンプル24をカバー16の上側窪み66に置く。サンプル24は、図7に示すように入口92中に流入する。サンプル24は入口92を通って移動すると、試薬をコートしたミクロ構造体86に交わり、該ミクロ構造体86はサンプル24の流れを領域136、140、142の第1分配間隙81中を水平に導く。サンプル24は、矢印90により示すように、毛細管作用によりミクロ構造体86を通りかつプレート152の上面70に沿って流れる間に、媒介物質160を溶解する。仕切132、134は、プレート152を横切るサンプル24の水平流の量を制限する。サンプル24は毛細管作用により領域136、140、142中プレート152を横切って引張られ、そしてサンプル24はプレート152の開口部88に出会う。その後、サンプル24は開口部88を垂直に流れ、そしてプレート150の対応領域136、140、142の試薬コートされたミクロ構造体86と出会う。
【0047】第2分配間隙85は、第1分配間隙81より強い毛細管引張力を生じてサンプル24をプレート150を横切るように引張る。プレート150のミクロ構造体86はプレート152の開口部88中に延び、サンプル24の流れをほぼ水平方向に導く。図7を参照すること。サンプル24はプレート150に沿って引張られる間に、ミクロ構造体86とプレート150の上面70の領域136,140をコートする酵素162、164を溶解する。サンプル24はプレート150を横切る移動を続けた後、サンプル24は仕切132、134と交わるかプレート150の開口部88に出会う。サンプル24が開口部88と出会うと、サンプル24は開口部88を垂直に流れて、そこからサンプルが流れ出る領域136、140、142に対応する電極セット116、118、120に向って流れる。
【0048】アナライトを含有するサンプル24がプレート152、150上の試薬を溶解すると、アナライトは酸化され、媒介物質酸化型は還元される。電流測定については、アナライトと試薬100との間の反応を完了に至るまで進ませ、そして電源(例えば、バッテリー)は電極セット116、118の電極間に電位差をかける。電流計(図示してない)は作用電極表面の媒介物質還元型の酸化により発生する拡散制限電流を測定する。電位差はまた、電極セット120の電極間にもかけられ、酵素の不在の場合の作用電極表面の媒介物質還元型の酸化により発生する拡散制限電流、すなわちブランク電流を測定する。従って、該システムのブランク電流の影響を考慮し、センサー10に関して上に考察したように、グルコースおよびヘマトクリットアッセイの測定電流を使ってサンプル内のアナライト濃度と正確に相関させることができる。
【0049】次に、図8〜10を参照すると、本発明により、液体サンプルを水平および垂直の両方に比較的短時間に移動させる能力を製造者に与えるセンサー210が提供される。センサー210はまた、サンプルを区切られた室中に分離して異なる試薬および別個の電極セットに接触させることにより使用者に単一サンプルを用いて多重アッセイを実施することも可能にする。例えば、センサー210を使ってグルコース、ヘマトクリット、およびブランク電流を測定することができる。
【0050】センサー210は、絶縁体140を支持する基板216を含む。基板216は側壁34、36から延びるサイドパネル218を含む。各パネル218は、カバー212およびプレートのシリーズ18をしっかりと基板216上に保持するように形成されたつまみ220を含む。図8および9に示したプレートのシリーズ18は、基板216から延びる第1プレート250および第1プレート250とカバー212の間に延びる第2プレート252を含む。本発明の開示によれば、プレートのシリーズは、1枚のプレートまたは2枚以上のプレートを有しうると考えられる。プレート250、252は、センサー210が図10に示されるように折りたたまれた位置にあるとき、相互にほぼ平行な関係で積まれるように置かれる。
【0051】次に、図8を参照すると、カバー212はカバー16と同様であるが、カバー212は下面74の周縁部に広がるシール254を含む点が異なる。シール254はまた、下面74を横切って2つの区切られた領域256、258を形成する内側部分255も含む。センサー210が図10の折りたたまれた位置にあるとき、シール254はプレート252の外側面60と交わってカバー212とプレート252との間のシール結合を形成する。シール254は好ましくは先に考察したTPRで構築される。
【0052】図8に示したように、プレート250、252はカバー16およびプレート20、22と同様に形成されるが、プレート252の上面70がシール254の内側部分255とほぼ整合している仕切260を含む点が異なる。仕切260は上面を領域256、258に分割する。さらに、プレート250、252は下面74の周縁部に広がるシール262を含む。シール262も、下面74を横切って3つの区切られた領域256、268、270を形成する第1および第2の内側部分264、266を含む。シール262は好ましくは、先に考察したTPRで構築される。
【0053】センサー210が図10の折りたたまれた位置にあるとき、カバー212のシール254とプレート252のシール262は、それぞれプレート252、250の外側面60と交わる。従って、カバー212とプレート252との間およびプレート252と250との間にシール係合(sealing engagement)が形成される。同様に、プレート250のシール262は絶縁体140の上側42と結合してプレート250と絶縁体140との間の密封関係を形成する。領域256、258、268、270を図8では特定のパターンで図解したが、これは必要要件ではなく、本発明の開示によれば、対称、不規則または非対称のパターンが可能である。さらに、2つより大きいまたは少ない領域をカバー212上に形成しうることおよび3つより大きいまたは少ない領域をプレート252、250の下面74上に形成しうると考えられる。
【0054】領域256、268、270は電極セット118、116および120とそれぞれ協同して使用者が多重アッセイを実施することができるようにする。例えば、グルコースアッセイは、サンプル24の一部を領域268中に分配して電極セット118、および参照電極122と接触させることにより実施する。ヘマトクリットアッセイは、サンプル24の一部を領域256中に分配して電極セット116と接触させて実施する。さらに、ブランク電流は、サンプル24の一部を領域270中に分配して電極セット120と接触させて測定する。表1に記載したアッセイを含む様々なアッセイに本発明のセンサー210を使いうると考えられる。
【0055】センサー210は、センサー10と同様に、多樹脂射出成形を使い構築される。センサー210はまた、上にセンサー10に関して考察した熱可塑性ポリマー材料により構築する。好ましくは、基板216、プレート250、252およびカバー212はポリカーボネートにより形成し、ヒンジ23、仕切260、およびシール254、262はTPRで形成する。
【0056】グルコース、ヘマトクリット、およびブランク電流を測定するときは、フェリシアン化物のような共通の媒介物質を、プレート252の領域256、258に液状で塗布する。個々の酵素を液状でプレート250の領域256、268に塗布する。その後、液体を蒸発させて、プレート250、252の上面70およびミクロ構造体86をコートする固体として試薬を残す。具体的な試薬の選択は、測定すべき特定のアナライトに依存し、当業者には公知である。
【0057】使用時に、センサー210はセンサー110と同様に機能するが、シール254、262が仕切255、264、266と協同して、液体サンプル24の流れを領域256、268、270中に導く点が異なる。グルコース、ヘマトクリット、およびブランク測定は、センサー110に関して考察したように実施される。
【0058】本発明は、好ましい実施形態を参照して詳細に記載したが、以下の請求の範囲に記載かつ規定した本発明の範囲および精神内で変更および改変が存在する。
【出願人】 【識別番号】591186073
【氏名又は名称】ロシュ ダイアグノスティックス コーポレーション
【出願日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【代理人】 【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔 (外1名)
【公開番号】 特開2001−194335(P2001−194335A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−382857(P2000−382857)