| 【発明の名称】 |
湿度センサ |
| 【発明者】 |
【氏名】近江 俊彦
|
| 【要約】 |
【課題】半導体ICの表面を移動する過度的な電荷を検出する方式により、高感度で、通常のCMOSプロセスで製造可能な、安価、小型の湿度センサ提供すること。
【解決手段】一方の極板の電位がフロートである容量部と、前記容量部のフロート電位側の極板に接続してあり前記容量の電荷を基準値に戻すリセットスイッチと、前記容量部の近傍に配置されて前記容量部とは独立した電位をもつ電位部からなり、前記電位部を第1の電位から第2の電位に変化させたときに、前記電位部から前記容量部に過度的に移動する電荷を前記容量部に蓄積して出力する回路構成とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一方の極板の電位がフロートである容量部と、前記容量部のフロート電位側の極板に接続してあり前記容量の電荷を基準値に戻すリセットスイッチと、前記容量部の近傍に配置されて前記容量部とは独立した電位をもつ電位部からなり、前記電位部を第1の電位から第2の電位に変化させたときに、前記電位部から前記容量部に過度的に移動する電荷を前記容量部に蓄積して出力することを特徴とする湿度センサ。 【請求項2】 前記第1の電位が前記容量の電荷を基準値に戻すための基準電位と同じ電位であることを特徴とする請求項1記載の湿度センサ。 【請求項3】 前記電位部から前記容量部に過度的に移動する電荷を前記容量部に蓄積したときの電荷と、前記容量部を基準値にリセットしたときの電荷の差を出力することを特徴とする請求項1もしくは請求項2記載の湿度センサ。 【請求項4】 前記電位部を第1の電位から第2の電位に変化させた後、任意の時間だけ前記容量部に過度的に移動する電荷蓄積して出力し、その後、前記容量部を基準値にリセットした後、再び任意の時間だけ前記容量部に過度的に移動する電荷蓄積して出力する動作を繰返すことを特徴とする請求項1〜3の湿度センサ。 【請求項5】 前記容量部が前記容量部に蓄積した電荷を増幅するCMOS増幅器の入力容量とリセットスイッチまでの配線容量からなることを特徴とする請求項1〜4記載の湿度センサ。 【請求項6】 温度を検出する手段を有することを特徴とする請求項1〜5記載の湿度センサ。 【請求項7】 温度を検出する手段と演算機能を搭載して、相対湿度を演算して出力することを特徴とする請求項1〜6記載の湿度センサ。 【請求項8】 温度を検出する手段と演算機能とメモリ機能を搭載して、湿度と温度を演算して出力することに加えて、メモリに記録して、任意に記録を読み出すことのできる機能を有することを特徴とする請求項1〜7記載の湿度センサ。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、湿度センサに関するもので、エアコン、冷蔵庫などに応用される。 【0002】 【従来の技術】従来の湿度センサには、2枚の電極間に吸湿性誘電体をいれて、湿度による誘電率変化を容量で検出する方式、金属酸化物半導体のガス吸着による抵抗値変化により検出する方式、ヒータの放熱度合いの変化を測温抵抗で検出する方式、湿度により変化する定常的な表面電流を検出する方式などがある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術の方式の湿度センサは、いずれも半導体CMOSプロセスとのコンパチビリティが良くない。このため、半導体化が困難で、安価で、小型の湿度センサができない。また、CMOSプロセスで製造可能な、定常的な表面電流を検出する方式のセンサの場合、表面電流自体が非常に小さいため、感度が低い問題がある。 【0004】本発明は、半導体ICの表面を移動する過度的な電荷を検出する方式により、高感度で、通常のCMOSプロセスで製造可能な、安価、小型の湿度センサ提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明の湿度センサは、一方の極板の電位がフロートである容量部と、前記容量部のフロート電位側の極板に接続してあり前記容量の電荷を基準値に戻すリセットスイッチと、前記容量部の近傍に配置されて前記容量部とは独立した電位をもつ電位部からなり、前記電位部を第1の電位から第2の電位に変化させたときに、前記電位部から前記容量部に過度的に移動する電荷を前記容量部に蓄積して出力することを特徴とする。本発明の湿度センサの表面雰囲気湿度が変化すると、湿度センサ表面状態が変わり、前記電位部から前記容量部にセンサ表面を経由して過度的に移動する電荷の量、時定数が変化する。 【0006】このため、一定時間内に前記容量部に蓄積される電荷量が変わる。この電荷をCMOS増幅器で増幅して出力すれば、湿度センサ表面雰囲気の湿度に応じた出力が得られる。また、本発明のセンサは、前記容量部の近傍にある電位部からの過度的な移動電荷を検出する方式のため、従来の定常電流を検出する方式に比べて、極めて高い検出感度を得ることができる。 【0007】検出方法としては、前記電位部の電位を変化させた直後の突入電荷量を検出する方式でもよいが、過度的な移動電荷量の時定数を検出してもよい。時定数を検出する場合は、前記電位部を変化させた後、任意の時間だけ前記容量部に過度的に移動する電荷蓄積して出力し、その後、前記容量部を基準値にリセットした後、再び任意の時間だけ前記容量部に過度的に移動する電荷蓄積して出力する動作を繰返すことで得ることができる。 【0008】また、前記電位部を変化させた直後の一定時間に蓄積した電荷と、ある時間経過後の一定時間に蓄積した電荷を比較する方式でもよい。また、周囲温度の影響、電源電圧変動の影響を抑制するため、前記容量部を基準電荷にリセットした時の電荷と、前記電位部の電位変化による過度的な電荷との差を出力する方式にしてもよい。 【0009】本発明の湿度センサにおいて、前記容量部、前記電位部は、MOS容量、金属配線などで容易に形成できるため、通常のCMOSプロセスで製造することが可能である。また、前記容量部の容量値は小さいほど、検出感度が高くなる。このため、前記容量部は、前記容量部が前記容量部に蓄積した電荷を増幅するCMOS増幅器の入力容量とリセットスイッチまでの配線容量からなる寄生容量を使ってもよい。 【0010】本方式のセンサは、センサ表面を移動する電荷を捕らえるが、移動する電荷はセンサ表面の絶対湿度に依存して変化する。このため、本センサに温度検出手段を搭載することで、相対湿度を出力することができる。温度検出手段としては、PN接合を使う方式、測温抵抗を使う方式、サーモパイルを使う方式などがあるが、どれでもよい。このとき、センサに演算機能を搭載すれば、絶対湿度と温度から容易に相対湿度を得ることができる。温度検出手段を搭載した場合は、雰囲気情報として、湿度だけでなく温度も出力してよい。 【0011】また、メモリ機能を搭載して、湿度、温度出力を一定時間ごとに記録していけば、湿度、温度履歴を出力できるセンサにできる。また、メモリの一部をセンサのトリミングに使い、高精度なセンサとしてもよい。これまでは、過度的な電荷の変化を、容量部近傍の電位部の電位変化によるセンサとして説明してきたが、電位部の電位は一定にしておき、容量部の電位を第1の電位から第2の電位に変化させ、その後、容量部の電荷を一度リセットした後に、過度的な電荷を蓄積する方式でも、同様の効果が得られる。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明の実施例を以下に示す。図1に本発明のセンサのブロック図を示す。また、図3に配線3、4部の断面図を示す。電荷を蓄積する容量部1は、蓄積した電荷を増幅する増幅器13の入力容量と、増幅器1とリセットスイッチ 2の間の配線3の寄生容量からなる。配線3は、リセットスイッチ 2を介して基準電圧1につながっている。配線3の近傍には、配線4が設置してある。配線4はスイッチ 5、6を介して、基準電圧1、2につながっている。配線3、4はアルミで形成して、間隔は3μmで、長さ100umとした。アルミの上層には、保護膜として窒化シリコン膜を形成した。増幅器13の出力は、出力スイッチ7を介して増幅器14(出力アンプ)につながっている。 【0013】センサの動作は図4のタイミングチャートにそって説明する。通常スタンバイ時は、リセットスイッチ 2、スイッチ 5を閉じておき、配線3、配線4の電位を基準電位1としておく。センサを動作させるときは、スイッチ 5を開き、スイッチ 6を閉じて配線4の電位を基準電位2とする。このとき、配線3と配線4の電位差が零から瞬時に基準電位1と基準電位2の差に変化して、配線4から配線3に過度的な電荷の移動がはじまる。同時にリセットスイッチ 2を開き、容量部1をフロート状態にして、配線4から移動した電荷を蓄積する。この間に、配線4から配線3に移動した電荷量Qと容量部1の容量Cに応じて増幅器13の出力はQ/Cだけ増加する。また、蓄積をしている間は出力スイッチ7は開いておく。 【0014】一定の蓄積時間(数msec〜数十msec)で電荷蓄積した後、スイッチ7を閉じて増幅器14で増幅した出力を得る。 この後、リセットスイッチ 2を閉じて、容量部1を基準電位にリセットする。時定数を検出するときには、再度、 スイッチ2、7を開き、容量部1の蓄積動作に入り、前述同様の動作で信号を出力を繰り返す。 【0015】図5に本発明のセンサの出力を示す。この場合は、基準電位1を500mV、基準電位2を3Vとして、蓄積時間20msecとして、時定数を検出した場合の出力である。図2には、図1の系においてのリセット時の増幅器13の出力電圧との差を出力することで、ノイズ等の影響をキャンセルできる回路構成の一例を示す。動作は、おおむね図1の場合と同じである。以下に説明を示す。 【0016】電荷を蓄積する容量部1は、蓄積した電荷を増幅する増幅器13の入力容量と、増幅器1とリセットスイッチ 2の間の配線3の寄生容量からなる。配線3は、リセットスイッチ 2を介して基準電圧1につながっている。配線3の近傍には、配線4が設置してある。配線4はスイッチ 5、6を介して、基準電圧1、2につながっている。配線3、4はアルミで形成して、間隔は3μmで、長さ100umとした。アルミの上層には、保護膜として窒化シリコン膜を形成した。増幅器13の出力は、スイッチ 7、8を介して容量9、10につながり、さらにスイッチ 11、12を介して差動増幅器14の入力につながっている。 【0017】通常スタンバイ時は、リセットスイッチ 2、スイッチ 5を閉じておき、配線3、配線4の電位を基準電位1としておく。また、スイッチ7、8、11、12も閉じておき、容量9、10もリセットしておく。このとき、容量10には基準電位1に応じた基準出力が入る。センサを動作させるときは、スイッチ 5を開き、スイッチ 6を閉じて配線4の電位を基準電位2とする。このとき、配線3と配線4の電位差が零から瞬時に基準電位1と基準電位2の差に変化して、配線4から配線3に過度的な電荷の移動がはじまる。同時に、スイッチ 7、8、11、12およびリセットスイッチ 2を開き、容量部1をフロート状態にして、配線4から移動した電荷を蓄積する。 【0018】一定の蓄積時間(数msec〜数十msec)で電荷蓄積した後、スイッチ7を閉じて、容量部1に蓄積した電荷を増幅器13で増幅した信号出力を容量9に入れ、再びスイッチ7を開く。次に、スイッチ11、12を閉じて、容量9、10に入っていた信号出力と基準出力を差動増幅器14で10倍に増幅して出力として取出す。この後、リセットスイッチ 2、スイッチ 7、8、11、12を閉じて、容量部1及び 容量9、10を基準電位にリセットする。時定数を検出するときには、再度、 スイッチ 7、8、11、12およびリセットスイッチ 2を開き、容量部1の蓄積動作にはいり、前述同様の動作で信号を出力を繰り返すことでできる。 【0019】また、上記2つの実施例では、配線4をアルミで形成したが、シリコンの拡散で形成してもよい。センサICのパッケージは、図6のような通気穴をもつものであれば良い。IC保護は、通気性のある樹脂を塗布しても良いが、図6のように感湿度部に穴加工したガラスでカバーしても良い。 【0020】 【発明の効果】本発明の構成とすることで、高感度で、通常のCMOSプロセスで製造可能な、安価、小型の湿度センサ提供することが可能となる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002325 【氏名又は名称】セイコーインスツルメンツ株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年1月7日(2000.1.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096286 【弁理士】 【氏名又は名称】林 敬之助
|
| 【公開番号】 |
特開2001−194332(P2001−194332A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−5941(P2000−5941) |
|