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【発明の名称】 ガス警報器及びガス警報方法
【発明者】 【氏名】高島 裕正

【氏名】大村 彰

【氏名】永田 敏

【氏名】中江 浩史

【氏名】本荘 妙子

【氏名】松本 晋一

【氏名】翁長 一夫

【要約】 【課題】限られた電池容量でガスセンサを駆動させたときに、ガスセンサの感度が劣化したことを事前に検出して報知することができるガス警報器及びガス警報方法を提供する。

【解決手段】電池5の電源電圧を受けてセンサ駆動回路13で生成されたパルス駆動信号によりガスセンサ1を所定周期で交互にオン/オフ駆動させ、ガスセンサ1のオフ駆動期間で一酸化炭素ガス濃度を検出し、検出された一酸化炭素ガス濃度が警報点以上となった際に一酸化炭素ガス濃度の異常を示す警報を報知するガス警報器において、センサ検出回路9は、所定周期毎にオン駆動期間においてセンサ素子3のセンサ抵抗値を検出し、センサ異常判定回路16は、検出された複数のセンサ抵抗値の変化に基づきガスセンサ1の異常を判定し、LED21は、ガスセンサ1が異常と判定されたときにガスセンサ1の異常を示す警報を報知する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電池の電源電圧により動作し、パルス駆動信号によりヒータ及びセンサ素子を有するガスセンサを所定周期で交互にオン/オフ駆動させ、ガスセンサのオフ駆動期間で一酸化炭素ガス濃度を検出し、検出された一酸化炭素ガス濃度が警報点以上となった際に一酸化炭素ガス濃度の異常を示す警報を報知するガス警報器において、前記所定周期毎に前記ガスセンサのオン駆動期間において前記センサ素子のセンサ抵抗値を検出する検出手段と、この検出手段で検出された複数のセンサ抵抗値の変化に基づき前記ガスセンサの異常を判定する異常判定手段と、この異常判定手段により前記ガスセンサが異常と判定されたときに前記ガスセンサの異常を示す警報を報知する報知手段と、を備えることを特徴とするガス警報器。
【請求項2】 前記異常判定手段は、1番目の前記オン駆動期間において検出された初期センサ抵抗値と2番目以降の前記オン駆動期間において検出された前記センサ抵抗値とのセンサ抵抗変化比が所定の判定値を超えた場合に前記ガスセンサの感度が劣化したと判定することを特徴とする請求項1記載のガス警報器。
【請求項3】 前記報知手段は、前記一酸化炭素ガス濃度の異常を示す警報と前記ガスセンサの異常を示す警報とを識別して報知すること特徴とする請求項1または請求項2記載のガス警報器。
【請求項4】 電池の電源電圧により動作し、パルス駆動信号によりヒータ及びセンサ素子を有するガスセンサを所定周期で交互にオン/オフ駆動させ、ガスセンサのオフ駆動期間で一酸化炭素ガス濃度を検出し、検出された一酸化炭素ガス濃度が警報点以上となった際に一酸化炭素ガス濃度の異常を示す警報を報知するガス警報方法において、前記所定周期毎に前記ガスセンサのオン駆動期間において前記センサ素子のセンサ抵抗値を検出する検出ステップと、検出された複数のセンサ抵抗値の変化に基づき前記ガスセンサの異常を判定する異常判定ステップと、前記ガスセンサが異常と判定されたときに前記ガスセンサの異常を示す警報を報知する報知ステップと、を備えることを特徴とするガス警報方法。
【請求項5】 前記異常判定ステップは、1番目の前記オン駆動期間において検出された初期センサ抵抗値と2番目以降の前記オン駆動期間において検出された前記センサ抵抗値とのセンサ抵抗変化比が所定の判定値を超えた場合に前記ガスセンサの感度が劣化したと判定することを特徴とする請求項4記載のガス警報方法。
【請求項6】 前記報知ステップは、前記一酸化炭素ガス濃度の異常を示す警報と前記ガスセンサの異常を示す警報とを識別して報知すること特徴とする請求項4または請求項5記載のガス警報方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不完全燃焼時の一酸化炭素(CO)ガスをガスセンサで検出し、ガス濃度が警報点以上となったときにガス濃度が異常である旨の警報を警報音、警報ランプ、外部出力等で報知する電池式のガス警報器及びガス警報方法に関し、特に、限られた電池容量でガスセンサを駆動させる電池式のガス警報器及びガス警報方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一酸化炭素ガス警報器用のガスセンサとしては、一般的に半導体式ガスセンサが用いられており、この半導体式ガスセンサにより一酸化炭素を選択的に検知するためには、センサ素子の温度を低温度、例えば100℃以下に保持する必要がある。
【0003】しかし、ガスセンサを低温度で長期間使用すると、大気中の温度変化等の影響により、センサ素子に水分が付着し、空気中のセンサ出力が変化する等の問題があり、一酸化炭素の濃度を精度良く検知することができない。このため、図6に示すように、ガスセンサを低温度(例えば100℃を15秒)と高温度(例えば400℃を5秒)とに周期的に交互に駆動し、ガスセンサを高温にしてガスセンサの表面をリフレッシュするヒートクリーニングを行う必要があった。
【0004】また、電池を電源として用い、この電池の電源電圧によりガスセンサを駆動する一酸化炭素ガス警報器が知られている。この電池式の一酸化炭素ガス警報器は、電池の電源電圧を受けてパルス駆動信号を生成し、このパルス駆動信号によりヒータ及びセンサ素子を有するガスセンサを所定周期で交互にオン/オフ駆動させ、ガスセンサのオフ駆動期間、すなわち、常温で一酸化炭素ガス濃度を検出している。従来のこの種のガス警報器としては、例えば、特開平10−38832号公報に記載されたガス検出方法及びその装置に開示されている。
【0005】この電池式の一酸化炭素ガス警報器では、通常限られた電池容量で且つ例えば3年間使用できる条件で、ガスセンサに対して定期的にヒートアップを行うことにより、ガスセンサをヒートクリーニングしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電池式の一酸化炭素ガス警報器にあっては、限られた電池容量で且つ例えば3年という長期間、電池をもたせるためには、定期的にヒートクリーニングに用いる電力は非常に限られる。
【0007】例えば、2200mAhrの容量のリチウム電池を2本並列に用いて、ガスセンサの素子を400℃に加温するための電力量が130mA必要であるとした場合、電池の使用安全率、警報器としての回路消費電力及び万一の警報時の消費電力を考慮すると、約10分間に1秒程度の加熱が限界となる。
【0008】また、前述した条件で且つ通常の雰囲気中においては、図7の電池式ガス警報器の経時特性に示すように、経時的に安定したセンサ出力を得ることができる。なお、図7に示す経時特性では、温度を20℃、湿度を65%とし、図9に示すように、0.9Vを0.8秒、0Vを200秒とするパルスをガスセンサに長期間印加(センサ駆動条件)したときの一酸化炭素の警報点の経時的な変化を示している。また、ガスセンサを10個とし、図7中の右上のMAXとMINは10個のガスセンサでの警報点のバラツキを表している。
【0009】しかしながら、ガスセンサを高温高湿(例えば温度が50℃で湿度が95%)中に連続放置し且つガスセンサを前記センサ駆動条件で駆動した加速試験を行った場合には、図8に示すように、加速日数が増加するに従って、CO警報濃度が上昇する。すなわち、高湿中でガスセンサの感度が劣化してしまう。なお、図8に示す例では、3つのガスセンサを試験対象とし、図8中の黒丸、黒三角、黒四角が3つのガスセンサに対応している。
【0010】ガスセンサの感度の劣化は、特に空気中のセンサ出力(以下、エアーベースと称する。)のドリフトによる影響が大きい。通常、一酸化炭素を検出する低温側のエアーベースは、非常に高抵抗となっており、ガスセンサの正常品と感度劣化品とを判別することが困難であった。
【0011】そこで、本発明は、限られた電池容量でガスセンサを駆動させたときに、ガスセンサの感度が劣化したことを事前に検出して報知することができるガス警報器及びガス警報方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は、以下の構成とした。請求項1の発明は、電池の電源電圧により動作し、パルス駆動信号によりヒータ及びセンサ素子を有するガスセンサを所定周期で交互にオン/オフ駆動させ、ガスセンサのオフ駆動期間で一酸化炭素ガス濃度を検出し、検出された一酸化炭素ガス濃度が警報点以上となった際に一酸化炭素ガス濃度の異常を示す警報を報知するガス警報器において、前記所定周期毎に前記ガスセンサのオン駆動期間において前記センサ素子のセンサ抵抗値を検出する検出手段と、この検出手段で検出された複数のセンサ抵抗値の変化に基づき前記ガスセンサの異常を判定する異常判定手段と、この異常判定手段により前記ガスセンサが異常と判定されたときに前記ガスセンサの異常を示す警報を報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
【0013】請求項1の発明によれば、検出手段が、所定周期毎にオン駆動期間においてセンサ素子のセンサ抵抗値を検出すると、異常判定手段は、検出手段で検出された複数のセンサ抵抗値の変化に基づきガスセンサの異常を判定し、報知手段は、異常判定手段によりガスセンサが異常と判定されたときにガスセンサの異常を示す警報を報知するので、ガスセンサの感度が劣化したことが容易にわかる。
【0014】請求項2の発明は、請求項1記載のガス警報器において、前記異常判定手段は、1番目の前記オン駆動期間において検出された初期センサ抵抗値と2番目以降の前記オン駆動期間において検出された前記センサ抵抗値とのセンサ抵抗変化比が所定の判定値を超えた場合に前記ガスセンサの感度が劣化したと判定することを特徴とする。
【0015】請求項2の発明によれば、異常判定手段が、1番目のオン駆動期間において検出された初期センサ抵抗値と2番目以降のオン駆動期間において検出されたセンサ抵抗値とのセンサ抵抗変化比が所定の判定値を超えた場合にガスセンサの感度が劣化したと判定するので、ガスセンサの感度が劣化したことが容易にわかる。
【0016】請求項3の発明は、請求項1または請求項2記載のガス警報器において、前記報知手段は、前記一酸化炭素ガス濃度の異常を示す警報と前記ガスセンサの異常を示す警報とを識別して報知することを特徴とする。
【0017】請求項3の発明によれば、報知手段が、一酸化炭素ガス濃度の異常を示す警報とガスセンサの異常を示す警報とを識別して報知するので、一酸化炭素ガス濃度の異常かガスセンサの異常かを容易に識別することができる。
【0018】請求項4の発明は、電池の電源電圧により動作し、パルス駆動信号によりヒータ及びセンサ素子を有するガスセンサを所定周期で交互にオン/オフ駆動させ、ガスセンサのオフ駆動期間で一酸化炭素ガス濃度を検出し、検出された一酸化炭素ガス濃度が警報点以上となった際に一酸化炭素ガス濃度の異常を示す警報を報知するガス警報方法において、前記所定周期毎に前記ガスセンサのオン駆動期間において前記センサ素子のセンサ抵抗値を検出する検出ステップと、検出された複数のセンサ抵抗値の変化に基づき前記ガスセンサの異常を判定する異常判定ステップと、前記ガスセンサが異常と判定されたときに前記ガスセンサの異常を示す警報を報知する報知ステップとを備えることを特徴とする。
【0019】請求項5の発明は、請求項4記載のガス警報方法において、前記異常判定ステップは、1番目の前記オン駆動期間において検出された初期センサ抵抗値と2番目以降のオン駆動期間において検出された前記センサ抵抗値とのセンサ抵抗変化比が所定の判定値を超えた場合に前記ガスセンサの感度が劣化したと判定することを特徴とする。
【0020】請求項6の発明は、請求項4または請求項5記載のガス警報方法において、前記報知ステップは、前記一酸化炭素ガス濃度の異常を示す警報と前記ガスセンサの異常を示す警報とを識別して報知すること特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明のガス警報器及びガス警報方法の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は実施の形態の電池式のガス警報器の基本的な回路構成図である。図2は実施の形態の電池式のガス警報器の具体的な回路構成図である。図3は実施の形態の電池式のガス警報器におけるパルス駆動信号のタイミングチャートである。
【0022】図1に示すガス警報器は、電池を用いた一酸化炭素ガス警報器であり、ガスセンサ1、直流電圧(例えば5V)を有するリチウム電池等の電池5、中央処理装置(CPU)11、電池5の電源電圧をCPU11に供給する電源回路7を有して構成される。
【0023】ガスセンサ1は、例えば、半導体式ガスセンサからなり、ガスを検知するセンサ素子3とこのセンサ素子3を加熱するためのヒータ2を有する。CPU11は、電池電源検出回路12、センサ駆動回路13、警報判定回路14、メモリ15、センサ異常判定回路16を有して構成される。
【0024】電池電源検出回路12は、電源回路7からの電池電源の電圧を検出し、検出された電池電圧が一定値以下になった場合には、電池異常信号を例えば警報回路18に出力する。
【0025】センサ駆動回路13は、電源回路7からの電池電源の電圧を受けて、パルス駆動信号を生成し、このパルス駆動信号によりヒータ2を所定周期で交互にオン/オフ駆動する。このパルス駆動信号は、図3に示すように、電圧0.9Vのオン駆動期間(例えば0.8秒)と電圧0.Vのオフ駆動期間(例えば200秒)とが周期的に交互に繰り返される信号である。このため、ガスセンサ1の温度が常温(例えば20℃)と高温400℃とに周期的に交互に変化するようになっている。また、センサ駆動回路13は負荷抵抗RLを介してセンサ素子3に接続されている。
【0026】センサ検出回路9は、所定周期毎にガスセンサ1のオフ駆動期間中の検知ポイント(図3中の黒丸印Q1,Q2・・・)において、センサ素子3からのガスセンサ入力により、一酸化炭素のガス濃度を検出する。また、センサ検出回路9は、前記所定周期毎にガスセンサ1のオン駆動期間における予め定められたポイントP1,P2・・・においてセンサ素子3のセンサ抵抗値を検出する。メモリ15は、1番目のポイントP1において検出された初期センサ抵抗値を記憶する。
【0027】センサ異常判定回路16は、メモリ15から読み出した初期センサ抵抗値と2番目以降のポイントP2,P3・・において検出されたセンサ抵抗値とのセンサ抵抗変化比を算出し、算出されたセンサ抵抗変化比が所定の判定値としてのセンサ異常判定値を超えたかどうかを判定し、センサ抵抗変化比がセンサ異常判定値を超えた場合にガスセンサ1の感度が劣化したと判定する。
【0028】警報回路18は、センサ異常判定回路16によりガスセンサ1が異常と判定されたときに発光ダイオード(LED)21、ブザー19を駆動する。ブザー19は、ガスセンサ1の異常を示す警報を報知する。LED21は、点滅によりガスセンサ1の異常を示す警報を報知する。
【0029】警報判定回路14は、一酸化炭素ガス濃度が予め定められたCO警報点以上になったかどうかを判定し、一酸化炭素ガス濃度が予め定められたCO警報点以上になった場合には、警報信号を警報回路18に出力する。LED21は、点灯により一酸化炭素ガスのガス濃度の異常を示す警報を報知する。ブザー19は、一酸化炭素ガスのガス濃度の異常を示す警報を報知する。
【0030】図2に示す具体的なガス警報器において、基準クロック発生部33は、基準クロックを発生する水晶発振器32を有し、発生した基準クロックをCPU11に出力する。センサ駆動回路13は、基準クロックに基づいて図3に示すパルス駆動信号を生成し、このパルス駆動信号を出力ポートO3及び抵抗R9を介してトランジスタTr5に出力してトランジスタTr5をオン/オフ動作させて、ヒータ2をパルス駆動する。
【0031】センサ素子3には検出抵抗R2,検出抵抗R3,検出抵抗R20が接続され、この検出抵抗R20とコンデンサC12とでセンサ検出回路9を構成する。また、CPU11は、検出抵抗駆動信号を出力ポートO1からトランジスタTr1に出力し、検出抵抗駆動信号を出力ポートO2からトランジスタTr2に出力し、トランジスタTr1,Tr2をそれぞれオン/オフさせる。
【0032】トランジスタTr1及びトランジスタTr2が共にオフのときには、ガスセンサ1に接続される検出抵抗は、R20のみであり、トランジスタTr1及びトランジスタTr2が共にオンのときには、ガスセンサ1に接続される検出抵抗は、R20とR2とR3との並列抵抗となる。
【0033】また、抵抗R3の一端と大地との間には直列に接続された抵抗R10及びガスセンサ温度補正用のサーミスタTHが設けられ、CPU11は、サーミスタTHから入力ポートI1を介してサーミスタ入力を取り込み、このサーミスタ入力によりガスセンサ1の温度補正を行う。
【0034】また、抵抗R3の一端と大地との間には直列に接続された抵抗R11,ボリュームVR1及び抵抗R12が設けられ、ボリュームVR1から入力ポートI2を介して警報判定回路14に前記CO警報点が入力される。
【0035】抵抗R3の一端と大地との間には直列に接続された抵抗R13,ボリュームVR2及び抵抗R14が設けられ、ボリュームVR2から入力ポートI3を介してセンサ異常判定回路16aにセンサ異常判定電圧値が入力される。
【0036】センサ異常判定回路16aは、センサ検出回路9で検出されたセンサ抵抗値に基づくセンサ電圧値がセンサ異常判定電圧値を超えたかどうかを判定し、センサ電圧値がセンサ異常判定電圧値を超えた場合には、ガスセンサ1の異常と判定する。
【0037】警報回路18は、LED21、ブザーBZ、集積回路(IC4)を有し、ブザーBZはIC4により駆動する。CPU駆動回路31は、IC1を有し、CPU11を一定周期で駆動するための駆動信号を生成し、この駆動信号をCPU11に出力している。
【0038】図4は実施の形態の電池式のガス警報器におけるガスセンサに対して高温高湿中で定期的にヒートアップを行った高温高湿加速試験後のセンサ抵抗変化比とCO警報濃度との関係を示す図である。そのときの加速条件としては、温度が50℃で湿度が95%でガスセンサ1を連続放置し、センサ駆動条件としては、図3に示すようなタイミングでガスセンサ1を駆動する。
【0039】図4において、横軸は、センサ抵抗変化比を示し、縦軸は46日の加速試験後のCO警報濃度を示している。ここで、センサ抵抗変化比とは、前述したように、ヒートアップ時のセンサ抵抗値と初期センサ抵抗値との比である。
【0040】図4中の複数の黒丸印は試験対象となる複数のガスセンサを示し、良品と感度劣化品とではかなりのバラツキがある。図4からもわかるように、センサ抵抗変化比の上昇に伴ってCO警報濃度も上昇している。また、図4からもわかるように、CO警報濃度が劣化したガスセンサは、ヒートアップを行ったときのセンサ抵抗(エアー中の抵抗)が大きく、両者の間に正の相関関係があることがわかる。
【0041】このため、実施の形態のガス警報器では、ガスセンサ1を定期的にヒートクリーニングし、ヒートアップ時(ガスセンサのオン駆動期間)におけるセンサ抵抗値を検出し、センサ抵抗値が初期センサ抵抗値の3〜5倍に変化した場合にガスセンサ1の感度が劣化したと判定している。図4に示す例では、センサ異常判定値を‘5’とし、このセンサ異常判定値での最低濃度は4400ppmであり、最高濃度は6300ppmである。
【0042】次に、このように構成された実施の形態のガス警報器の動作、すなわちガス警報方法を図1に示す回路構成図及び図5に示すフローチャートを参照して説明する。ここでは、浴室等の高温高湿中においてガス濃度の検出及びガスセンサのセンサ抵抗値の検出を行うものとする。
【0043】まず、電池5の電源電圧を受けて、センサ駆動回路13が図3に示すようなパルス駆動信号を生成し、このパルス駆動信号により、ガスセンサ1を所定周期で交互にオン/オフ駆動して、ガスセンサ1のヒートクリーニングを開始する(ステップS11)。
【0044】次に、センサ検出回路9は、所定周期毎に、すなわち、ヒートクリーニング毎に、ヒートアップ時のセンサ素子3のセンサ抵抗値をオン駆動期間のポイント(図3中のP1、P2・・・)において検出する(ステップS13)。
【0045】そして、センサ異常判定回路16は、センサ検出回路9で検出された初期(1番目)クリーニング時のポイントP1における初期センサ抵抗値をメモリ15に記憶させる(ステップS15)。
【0046】さらに、センサ異常判定回路16は、センサ検出回路9で検出された2番目のクリーニング時のポイントP2におけるセンサ抵抗値とメモリ15から読み出した初期センサ抵抗値とのセンサ抵抗変化比を算出する(ステップS17)。
【0047】そして、センサ異常判定回路16は、センサ抵抗変化比がセンサ異常判定値を超えたかどうかを判定する(ステップS19)。センサ抵抗変化比がセンサ異常判定値を超えていない場合には、ステップS17の処理に戻り、ステップS17において、センサ異常判定回路16は、センサ検出回路9で検出された3番目のクリーニング時のポイントP3におけるセンサ抵抗値と初期センサ抵抗値とのセンサ抵抗変化比を算出した後、ステップS19の処理が行われる。
【0048】すなわち、センサ抵抗変化比がセンサ異常判定値(例えばセンサ異常判定値が‘5’)を超えるまで、ステップS17及びステップS19の処理が繰り返し行われる。
【0049】そして、センサ抵抗変化比がセンサ異常判定値を超えた場合には、センサ異常判定回路16は、センサ感度が劣化したとしてガスセンサ1が異常と判定する(ステップS21)。
【0050】警報回路18は、警報判定回路14からの異常判定信号により、ブザー19及びLED21を駆動して、ブザー19及びLED21で警報を報知する(ステップS23)。このとき、LED21は、一定周期で点滅表示される。
【0051】一方、警報判定回路14は、ガスセンサ1からのガスセンサ入力に基づく一酸化炭素のガス濃度が予め定められたCO警報点を超えているかどうかを判定し、一酸化炭素のガス濃度がCO警報点を超えた場合には、警報判定回路14は、警報信号を警報回路18に出力するため、警報回路18は、ブザー19及びLED21により警報を行う。
【0052】このように、実施の形態のガス警報器及びガス警報方法によれば、ガスセンサ1のクリーニング時のセンサ抵抗値を検出し、センサ抵抗値が初期センサ抵抗値の3〜5倍程度に劣化した場合には、ガスセンサ1の感度が劣化したことを事前に報知するので、ガスセンサ1が劣化したことが容易にわかる。
【0053】また、1個のLED21でガスセンサ1の異常表示と一酸化炭素の濃度異常表示を行うことができるので、LEDが少なくて済み、これによって、ガス警報器をより安価とすることができる。
【0054】また、図2に示すようなセンサ異常判定回路16aにより、センサ検出回路9で検出されたセンサ抵抗値に基づくセンサ電圧値がセンサ異常判定電圧値を超えたかどうかを判定し、センサ電圧値がセンサ異常判定電圧値を超えた場合には、ガスセンサ1の異常と判定することにより、ガスセンサ1が劣化したことが容易にわかる。
【0055】なお、本発明は、前述した実施の形態のガス警報器に限定されるものではない。実施の形態では、LED21を点滅表示させてガスセンサ1の異常を警報し、LED21を点灯表示させて一酸化炭素の濃度の異常を警報したが、例えば、LED21の点滅表示周期を変えることで、ガスセンサ1の異常と一酸化炭素の濃度の異常とを識別してもよい。
【0056】また、実施の形態では、オン駆動期間を0.8秒とし、オフ駆動期間を200秒としたが、この時間に限定されることなく、電池が例えば3年間持つように、オン駆動期間に対してオフ駆動期間を十分に長く設定すればよい。このほか、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能であるのは勿論である。
【0057】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、検出手段が、所定周期毎にガスセンサのオン駆動期間においてセンサ素子のセンサ抵抗値を検出すると、異常判定手段は、検出手段で検出された複数のセンサ抵抗値の変化に基づきガスセンサの異常を判定し、報知手段は、異常判定手段によりガスセンサが異常と判定されたときにガスセンサの異常を示す警報を報知するので、ガスセンサの感度が劣化したことが容易にわかる。
【0058】請求項2の発明によれば、異常判定手段が、1番目のオン駆動期間において検出された初期センサ抵抗値と2番目以降のオン駆動期間において検出されたセンサ抵抗値とのセンサ抵抗変化比が所定の判定値を超えた場合にガスセンサの感度が劣化したと判定するので、ガスセンサの感度が劣化したことが容易にわかる。
【0059】請求項3の発明によれば、報知手段が、一酸化炭素ガス濃度の異常を示す警報とガスセンサの異常を示す警報とを識別して報知するので、一酸化炭素ガス濃度の異常かガスセンサの異常かを容易に識別することができる。
【0060】請求項4の発明によれば、請求項1の発明の効果と同様な効果が得られ、請求項5の発明によれば、請求項2の発明の効果と同様な効果が得られ、請求項6の発明によれば、請求項3の発明の効果と同様な効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
【識別番号】593210961
【氏名又は名称】エフアイエス株式会社
【出願日】 平成12年1月13日(2000.1.13)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
【公開番号】 特開2001−194330(P2001−194330A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−4894(P2000−4894)