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【発明の名称】 損傷検出装置及び方法
【発明者】 【氏名】岩崎 到

【氏名】八木 武人

【氏名】谷田 宏次

【氏名】岡村 尚昭

【氏名】保坂 治幸

【氏名】田村 健次

【氏名】伊藤 功

【氏名】山下 一郎

【要約】 【課題】太陽光等の外乱光の影響が少なく、孔,亀裂等の貫通損傷と汚れ、へこみ、錆等とを確実に識別でき、移動中のコンテナを停止させることなく検出ができ、かつ小さい損傷も精度よく検出でき、更に消費電力が少ない損傷検出装置及び方法を提供する。

【解決手段】短いパルス光11を発するパルス光源12と、パルス光を伝送して被検査面13を周辺よりも強い照度で照射する光伝送装置14と、パルス光源と同期して被検査面を撮像するCCDカメラ16と、撮像された画像内の暗部の照度を所定のしきい値と比較しこれより低い場合に損傷検知信号を発する損傷検出装置18とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 短いパルス光(11)を発するパルス光源(12)と、該パルス光を伝送して被検査面(13)を周辺よりも強い照度で照射する光伝送装置(14)と、パルス光源と同期して被検査面を撮像するCCDカメラ(16)と、撮像された画像内の暗部の照度を所定のしきい値と比較しこれより低い場合に損傷検知信号を発する損傷検出装置(18)とを備えた、ことを特徴とする損傷検出装置。
【請求項2】 CCDカメラ(16)は、検出する最小暗部による光学的ブラックの1/2以下のCCDセル幅を有し、前記所定のしきい値は、タール部又は錆部の最低照度よりも低く設定する、ことを特徴とする請求項1に記載の損傷検出装置。
【請求項3】 前記パルス光源(12)はパルスレーザ光源であり、前記CCDカメラ(14)は高速電子シャッターを備える、ことを特徴とする請求項1に記載の損傷検出装置。
【請求項4】 前記パルス光源(12)は波長532nmのNd:YAGレーザ装置であり、前記光伝送装置(14)は、パルス光を伝送する光ファイバーを備える、ことを特徴とする請求項3に記載の損傷検出装置。
【請求項5】 前記パルス光源(12)は波長355nmのNd:YAGレーザ装置であり、前記光伝送装置(14)は、パルス光を伝送する光学ミラー系を備える、ことを特徴とする請求項3に記載の損傷検出装置。
【請求項6】 前記パルス光源(12)はフラッシュランプであり、前記光伝送装置(14)は、パルス光を伝送する光学ミラー系を備える、ことを特徴とする請求項3に記載の損傷検出装置。
【請求項7】 短いパルス光(11)を発光させ、該パルス光を伝送して移動する被検査面(13)を周辺よりも強い照度で照射し、パルス光と同期して被検査面をCCDカメラ(16)で撮像し、被検出面を撮像した画像内の暗部の照度を所定のしきい値と比較しこれより低い場合に損傷検知信号を発する、ことを特徴とする損傷検出方法。
【請求項8】 移動する被検出面(13)を検出する位置検出センサ(20)を備え、被検出面を検出して短いパルス光(11)を繰り返し発光させ、該パルス光を伝送して被検査面(13)を周辺よりも強い照度で繰り返し照射し、前記パルス光と同期して被検査面を複数のCCDカメラ(16)で繰り返し撮像し、被検出面の全面を撮像した複数の画像内の暗部の照度を所定のしきい値と比較しこれより低い場合に損傷検知信号を発する、ことを特徴とする損傷検出方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輸送用コンテナ等の損傷検出装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】船舶等に輸送用のコンテナを積み込む場合、コンテナヤードの入口に設けられたコンテナターミナルゲートにおいて、コンテナに孔や亀裂などの貫通損傷をチェックし、水などの侵入による荷物の損傷を未然に防ぐ必要がある。
【0003】このため、コンテナターミナルゲートでは、検査員の目視によりコンテナの損傷チェックを従来から実施していた。しかし、このような目視による検査は、(1)多数の検査要因を必要しコスト高の一要因となっている、(2)検出精度が検査員の熟練度や天候等に左右されやすく、チェック漏れが生じやすい、(3)コンテナを静止させる時間がかなり必要となり、コンテナ物流のネックポイントとなっている、等の問題点があった。(4)また、特にコンテナの天井面(上面外装)は、検査員がゲートの上部に待機して上から目視検査するため、作業性が悪く、離れた位置からの目視であるため、小さい損傷部の見落としが生じやすい問題点があった。
【0004】この問題点を解決するため、コンテナの上面外装を損傷モニタカメラで撮像し、これをCRT等に表示して検査する手段も、一部で提案され実施されている。しかし、この手段では、大まかな検査はできるものの、孔,亀裂等の検出すべき貫通損傷と、付着タール等の汚れ、或いはへこみ、錆等との画像上での識別は、熟練検査員であっても困難であった。
【0005】上述した種々の問題点を解決するために、本願発明の発明者等は、先に「損傷検出方法及び装置」(特願平7−25447号)を創案し出願した。この手段は、図9に模式的に示すように、被検査部1(損傷部)を照らす光源2(LED)と、被検査部からの反射光3を検出する照度検知器4(CCDカメラ)と、検出した反射光の照度を設置したしきい値と比較して照度がしきい値よりも低い場合に損傷検知信号を発生する演算制御装置(図示せず)とを備えた損傷検出装置であり、被検査部1を光源2で照らすと共に、被検出物からの反射光3を照度検知器4で検出し、検出した反射光の照度がしきい値よりも低い場合に被検出物に損傷があると判断するものである。この手段により、目視検査をなくし、短時間で損傷検査を自動化で実施できるようになった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した先行出願の手段には、以下の問題点があった。
(1)周辺の他の光源や太陽光等の強い外乱光の影響により光強度が変化しやすく、安定したしきい値の設定が困難である。また、特に外乱光が強い場合には照度検知器(例えばCCDカメラ)が飽和して検出不能となる。
(2)光源(例えば発光ダイオード)の波長域が広いため、色収差等により照度検知器(CCDカメラ)の分解能が低下する。そのため、貫通損傷(孔,亀裂等)が小さい場合(例えば5mm以下)に、汚れ、へこみ、錆等との識別が困難となる。また、これを回避しようとすると、多数のCCDカメラ等を必要とし、設備コストが大幅に増大する。
(3)照度検知器(CCDカメラ)に反射光が連続的に入射するため、撮像中にコンテナが移動すると画像が流れて分解能が大幅に低下する。そのため、コンテナを停止させるか十分に低速にする必要がある。
(4)連続光源であるため消費電力が大きい。
【0007】本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、太陽光等の外乱光の影響が少なく、孔,亀裂等の貫通損傷と汚れ、へこみ、錆等とを確実に識別でき、移動中のコンテナを停止させることなく検出ができ、かつ小さい損傷も精度よく検出でき、更に消費電力が少ない損傷検出装置及び方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、短いパルス光(11)を発するパルス光源(12)と、該パルス光を伝送して被検査面(13)を周辺よりも強い照度で照射する光伝送装置(14)と、パルス光源と同期して被検査面を撮像するCCDカメラ(16)と、撮像された画像内の暗部の照度を所定のしきい値と比較しこれより低い場合に損傷検知信号を発する損傷検出装置(18)とを備えた、ことを特徴とする損傷検出装置が提供される。
【0009】本発明の構成によれば、損傷検出装置(18)により、撮像された画像内の暗部の照度を所定のしきい値と比較しこれより低い場合に損傷検知信号を発するので、孔,亀裂等の貫通損傷と汚れ、へこみ、錆等とを確実に識別でき、かつ撮像範囲が広い場合でも短時間に損傷を検出できる。また、パルス光源(12)で短いパルス光(11)を発し、CCDカメラ(16)でパルス光源と同期して被検査面を撮像するので、被検査面(13)が移動する場合でもその移動を停止させることなく静止画像を撮像することができ、小さい損傷の検出精度を高めることができる。更に、強いパルス光源を用いて被検査面を周辺よりも強い照度で照射するので、太陽光等の外乱光の影響を低減することができる。
【0010】本発明の好ましい実施形態によれば、CCDカメラ(16)は、検出する最小暗部による光学的ブラックの1/2以下のCCDセル幅を有し、前記所定のしきい値は、タール部又は錆部の最低照度よりも低く設定する。撮像レンズによる最小暗部の画像上の寸法に撮像レンズの収差を加味して光学的ブラックを設定し、更にその1/2以下にCCDセル幅を設定することにより、CCDセルと光学的ブラックが相対的にオフセットした場合でも、光学的ブラック内に少なくとも1つのCCDセルが位置することができる。従って、しきい値を十分に低く設定することにより、反射光のない貫通損傷と、反射光の少ない汚れ、へこみ、錆等とを確実に識別することができる。
【0011】また、前記パルス光源(12)はパルスレーザ光源であり、前記CCDカメラ(14)は高速電子シャッターを備える。パルスレーザ光源と高速電子シャッターとの組合せにより、狭帯域(数nm程度)の光学フィルターが使用でき、外乱光の影響を大幅に低減できる。また、パルスレーザ光は単波長の光源であるので、CCDカメラ(16)の撮像レンズにおける色収差がなくなり、高分解能の撮像画像を得ることができる。また、パルスレーザ光源の発光時間は、1億分の1秒以下の極めて短時間なので、高速な移動物体でも静止画像を取得できる。
【0012】前記パルス光源(12)は波長532nmのNd:YAGレーザ装置であり、前記光伝送装置(14)は、パルス光を伝送する光ファイバーを備える、ことが好ましい。波長532nmのパルス光を用いることにより、光ファイバーを用いて少ない転送損失で複数箇所へのパルス光の転送が容易かつ安価にできる。
【0013】また、前記パルス光源(12)は波長355nmのNd:YAGレーザ装置であり、前記光伝送装置(14)は、パルス光を伝送する光学ミラー系を備えるものでもよい。波長355nmのパルス光を用いることにより、光学ミラー系でパルス光を伝送して、アイセーフ性を高めることができる。
【0014】更に、前記パルス光源(12)はフラッシュランプであり、前記光伝送装置(14)は、パルス光を伝送する光学ミラー系を備えてもよい。フラッシュランプの発光時間も、1万分の1秒以下の短時間なので、高速な移動物体でも静止画像を取得できる。また、フラッシュランプの照射角度が広いので、簡単な光学ミラー系で広い範囲に照射でき、システムを非常に安価にできる。
【0015】また、本発明によれば、短いパルス光(11)を発光させ、該パルス光を伝送して移動する被検査面(13)を周辺よりも強い照度で照射し、パルス光と同期して被検査面をCCDカメラ(16)で撮像し、被検出面を撮像した画像内の暗部の照度を所定のしきい値と比較しこれより低い場合に損傷検知信号を発する、ことを特徴とする損傷検出方法が提供される。
【0016】この方法により、撮像された画像内の暗部の照度を所定のしきい値と比較しこれより低い場合に損傷検知信号を発するので、孔,亀裂等の貫通損傷と汚れ、へこみ、錆等とを確実に識別でき、かつ撮像範囲が広い場合でも短時間に損傷を検出できる。また、短いパルス光(11)を発光させ、パルス光源と同期して被検査面をCCDカメラ(16)で撮像するので、被検査面(13)が移動する場合でもその移動を停止させることなく静止画像を撮像することができ、小さい損傷の検出精度を高めることができる。更に、強いパルス光源を用いて被検査面を周辺よりも強い照度で照射するので、太陽光等の外乱光の影響を低減することができる。
【0017】更に、本発明によれば、移動する被検出面(13)を検出する位置検出センサ(20)を備え、被検出面を検出して短いパルス光(11)を繰り返し発光させ、該パルス光を伝送して被検査面(13)を周辺よりも強い照度で繰り返し照射し、前記パルス光と同期して被検査面を複数のCCDカメラ(16)で繰り返し撮像し、被検出面の全面を撮像した複数の画像内の暗部の照度を所定のしきい値と比較しこれより低い場合に損傷検知信号を発する、ことを特徴とする損傷検出方法が提供される。
【0018】この方法により、位置検出センサ(20)で移動する被検出面(13)を検出して検出装置の始動・停止を自動制御できる。また、パルス光(11)を繰り返し発光させ、パルス光と同期して被検査面を複数のCCDカメラ(16)で繰り返し撮像するので、移動中の被検出面(コンテナ等)を停止させることなく、被検出面の全面を短時間で撮像することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0020】図1は、本発明の損傷検出装置の第1実施形態を示す全体構成図である。この例において、本発明の損傷検出装置10は、パルス光源12、光伝送装置14、CCDカメラ16及び損傷検出装置18からなる。
【0021】図2は、図1の装置のシステム構成図である。パルス光源12は、パルスレーザ光源であり、1億分の1秒以下の極めて短いパルス光11を発する。また、この例では、レーザ発振器、すなわちレーザ装置として、Nd:YAGレーザ装置を用い波長532nmの2倍波のパルス光を発光する。なお、同様にNd:YAGレーザ装置を用い波長355nmの3倍波のパルス光を発光させて用いてもよい。
【0022】光伝送装置14は、この例では、メイン光ファイバー14a、コンデンサーレンズ14b、分岐バンドルファイバー14c、ベアカップリングコネクタ14d、分配光ファイバー14e、コリメータ14f等からなり、パルス光源12で発振したパルス光11を複数の分配光ファイバーに分岐して伝送し、被検査面13(ターゲット)を周辺よりも強い照度で照射するようになっている。
【0023】図3は、図1の装置の照射光学系配置図である。この図において、(A)はコンテナターミナルゲートにおける背面、(B)は側面であり、被検査面13はコンテナトップ(上面外装)である。コンテナは高さが約2.88mのものと約2.58mのものとがある。光伝送装置14によるレーザ光照射位置は、被検査面13の1つの検査領域13a(例えば0.4m×3.0m)に対して2つ設けられ、検査領域13aを二重に照射するようになっている。この構成により、検査領域13aを照射したレーザ光の地上約1.8mにおける光強度を、アイセーフ性を満たす最大許容露出量MPE(例えば532nmの場合に約0.18μJ/cm2)以下になるように設定すると、検査領域13a(測定面)の光強度は、最大約1μJ/cm2となる。この強度は、強い太陽光に含まれる波長532nmの光強度に比べて10倍以上に相当する。従って、532nmのレーザ光を用いた場合でも、被検査面13を周辺よりも強い照度で照射することができる。
【0024】波長355nmのレーザ光を用いる場合には、アイセーフ性を満たす最大許容露出量MPEは波長532nmの場合よりもはるかに大きい(例えば約4150μJ/cm2)。従ってこの場合には、容易にアイセーフ性を満たすことができるので、必要により自由に、より強いパルス光を被検査面13に照射することができる。なお、波長355nmのレーザ光は、光ファイバー内での損失が大きいので、この場合には、光伝送装置14としてパルス光を伝送する光学ミラー系を用いるのがよい。
【0025】図4は、本発明の損傷検出装置の第2実施形態を示す全体構成図である。この図において、パルス光源12はフラッシュランプである。またフラッシュランプの照射角度は広いので、光伝送装置として簡単な光学ミラー系を用いることにより、広い範囲に照射できる。
【0026】図5は、受光強度と損傷部の大きさの関係図である。この図に示すように、損傷部(欠陥部AB)を撮像レンズでCCD上に結像した場合、理想像はA’B’であり、欠陥部からの反射光(散乱光)がない場合に理想上はA’B’に相当する部分が光学的ブラックとなる。しかし、実際には、撮像レンズの光学収差の影響を受けるため、この光学的ブラックの幅は、光学収差の幅の分だけ狭くなる。
【0027】図6は、光学的ブラックとCCDセル幅との関係図である。この図において、(A)はCCDセル幅と光学的ブラックがほぼ一致する場合、(B)はCCDセル幅が光学的ブラックの約2/3の場合、(C)は本発明の例であり、CCDセル幅が光学的ブラックの約1/2の場合である。
【0028】この図から明らかなように、(A)(B)の場合には、CCDセル幅と光学的ブラックの位置が相対的にオフセットした場合に、本来光学的ブラックが存在するにもかかわらず、すべてのCCDセルで出力が発生し、光学的ブラックを検出できない場合がある。これに対して、本発明では、CCDカメラ16が、検出する最小暗部による光学的ブラックの1/2以下のCCDセル幅を有するので、撮像レンズによる最小暗部の画像上の寸法に撮像レンズの収差を加味して光学的ブラックを設定し、更にその1/2以下にCCDセル幅を設定することにより、CCDセルと光学的ブラックが相対的にオフセットした場合でも、光学的ブラック内に少なくとも1つのCCDセルが位置することができる。従って、しきい値を、タール部又は錆部の最低照度よりも十分に低く設定することにより、反射光のない貫通損傷と、反射光の少ない汚れ、へこみ、錆等とを確実に識別することができる。
【0029】図7は、撮像レンズの性能比較図である。この図において、横軸は光学絞り値、縦軸は光学中心分解能である。また、図中の太い曲線は両凸レンズの球面収差の計算例であり、細い実線は回析限界の計算例である。更に、図中の各折線は、市販されている一眼レフカメラ用の2種の高性能レンズA,Bの実測した分解能であり、図中A1,B1は光源が蛍光灯の場合、A2,B2は光源が532nmの単色光の場合である。また、C1は光源が蛍光灯の場合の別のレンズである。この図から、蛍光灯の場合には、最良の分解能が約30μm前後であるのに対して、532nmの単色光の場合には、約15μm前後であることがわかる。
【0030】図2に示すように、CCDカメラ16は、図7に例示した高性能の撮像レンズを有し、パルス光源と同期して被検査面を撮像するようになっている。CCDカメラ16には、例えば画像サイズ8.4×6.4mm、有効画素数H768×V493のSONY製のXC−77RR、或いは画像サイズ8.7×6.9mm、有効画素数H1300×V1030のPROTEC製のCV−M1、等を用いることができる。
【0031】損傷検出装置18は、図2の例では、CCDカメラ16からのビデオ映像を記録するビデオデッキ18a、CCDカメラ16からの信号波形をモニターするデジタルオシロスコープ18b、ビデオデッキ18aの画像を解析するコンピュータ18c、欠陥部を表示するモニター18d等からなり、撮像された画像内の暗部の照度を所定のしきい値と比較しこれより低い場合に損傷検知信号(画像表示及び/又はアラーム信号)を発するようになっている。
【0032】上述した本発明の装置を用い、本発明の方法では、短いパルス光11を発光させ、パルス光11を伝送して移動する被検査面13を周辺よりも強い照度で照射し、パルス光11と同期して被検査面13をCCDカメラ16で撮像し、被検出面13を撮像した画像内の暗部の照度を所定のしきい値と比較しこれより低い場合に損傷検知信号を発する。また、特に、コンテナトップのような広い面積を被検査面13とする場合には、図1に示すように、移動する被検出面13を検出する位置検出センサ20を備え、被検出面13を検出して短いパルス光11を繰り返し発光させ、パルス光11を伝送して被検査面13を周辺よりも強い照度で繰り返し照射し、パルス光11と同期して被検査面を複数のCCDカメラ16で繰り返し撮像し、被検出面13の全面を撮像した複数の画像内の暗部の照度を所定のしきい値と比較しこれより低い場合に損傷検知信号を発する。
【0033】表1は、CCDカメラ16にSONY製のXC−77RR、撮像レンズに図7のA(Nikkor24mmF2)を用いた場合の、要求精度と計測幅、必要台数、及び制限速度との関係を示している。
【0034】
【表1】

【0035】この表から、例えば、図1において、1台のカメラで約450mmの計測幅を撮像し、コンテナの幅をカバーするように7台のカメラを用いることにより、約20km/hで走行するコンテナを停止させることなく、要求精度2mmの損傷を検出できることがわかる。
【0036】図8は、本発明の装置を用いて実際のコンテナトップを計測した計測結果である。この図において、横軸はコンテナトップの幅方向の位置、縦軸はCCDセルの出力である。また、(A)は4つの貫通孔(左から直径3.5mm、2.5mm、2.0mm、1.5mm)を線上に検出した場合、(B)はタール部および錆部を検出した場合である。図8の試験結果において、(A)の貫通孔では、直径3.5mmの場合に約31mVの光学ブラック値を示し、2.5mm、2.0mmでもそれぞれ約31mV、約63mVを示した。これに対して、タール部における最低出力は約94mVであった。従って、所定のしきい値として、タール部又は錆部の最低照度よりも十分低く設定する(例えば約70mV)ことにより、反射光のない貫通損傷と、反射光の少ない汚れ、へこみ、錆等とを確実に識別することができることがわかる。
【0037】上述したように、本発明の構成によれば、損傷検出装置18により、撮像された画像内の暗部の照度を所定のしきい値と比較しこれより低い場合に損傷検知信号を発するので、孔,亀裂等の貫通損傷と汚れ、へこみ、錆等とを確実に識別でき、かつ撮像範囲が広い場合でも短時間に損傷を検出できる。また、パルス光源12で短いパルス光11を発し、CCDカメラ16でパルス光源と同期して被検査面を撮像するので、被検査面13が移動する場合でもその移動を停止させることなく静止画像を撮像することができ、小さい損傷の検出精度を高めることができる。更に、強いパルス光源を用いて被検査面を周辺よりも強い照度で照射するので、太陽光等の外乱光の影響を低減することができる。
【0038】また、撮像レンズによる最小暗部の画像上の寸法に撮像レンズの収差を加味して光学的ブラックを設定し、更にその1/2以下にCCDセル幅を設定することにより、CCDセルと光学的ブラックが相対的にオフセットした場合でも、光学的ブラック内に少なくとも1つのCCDセルが位置することができる。従って、しきい値を十分に低く設定することにより、反射光のない貫通損傷と、反射光の少ない汚れ、へこみ、錆等とを確実に識別することができる。
【0039】更に、パルスレーザ光源と高速電子シャッターとの組合せにより、狭帯域(数nm程度)の光学フィルターが使用でき、外乱光の影響を大幅に低減できる。また、パルスレーザ光は単波長の光源であるので、CCDカメラ16の撮像レンズにおける色収差がなくなり、高分解能の撮像画像を得ることができる。また、パルスレーザ光源の発光時間は、1億分の1秒以下の極めて短時間なので、高速な移動物体でも静止画像を取得できる。
【0040】特にパルス光源12を波長532nmのNd:YAGレーザ装置とし、光伝送装置14に光ファイバーを用いることにより、少ない転送損失で複数箇所へのパルス光の転送が容易かつ安価にできる。
【0041】なお、本発明は上述した実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0042】
【発明の効果】上述したように本発明は、コンテナ外装の損傷の検査を、パルス光源(特に、パルスレーザ光源)とCCDカメラを組み合わせることにより、外乱光に強く、コンテナを静止させることなく、自動的に微細な損傷部の検出を可能にするものである。すなわち、能動的なパルス光源を用い、適切な台数と配置のCCDカメラにより、コンテナ照射面からの散乱光がない部分を損傷部と判断する。これにより、コンテナ損傷部の自動検知が可能となる。また、照明光としてパルス光源を用いているため、CCDカメラの電子シャッターとの組合せにより、太陽光などの外乱光に阻害されることなく、移動物体の鮮明な静止画が取得可能である。なお、パルス光源として単色光であるパルスレーザを用いると、カメラレンズ系における色収差が除外でき、さらに、微細な損傷の検知が可能となる。
【0043】従って、本発明により、人間の目視が不要となり、なおかつ、コンテナを静止させる時間が短縮でき、コンテナ物流の迅速化が図れ、コストダウンと高効率化が期待できる。すなわち、本発明の損傷検出装置及び方法は、太陽光等の外乱光の影響が少なく、孔,亀裂等の貫通損傷と汚れ、へこみ、錆等とを確実に識別でき、移動中のコンテナを停止させることなく検出ができ、かつ小さい損傷も精度よく検出でき、更に消費電力が少ない、等の優れた効果を有する。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【識別番号】599070684
【氏名又は名称】株式会社エヌワイケイ輸送技術研究所
【出願日】 平成12年1月14日(2000.1.14)
【代理人】 【識別番号】100097515
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 実 (外1名)
【公開番号】 特開2001−194318(P2001−194318A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−5368(P2000−5368)