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【発明の名称】 バイオチップ読み取り装置
【発明者】 【氏名】田名網 健雄

【氏名】市原 昭

【要約】 【課題】S/Nが向上しコストダウンが可能なバイオチップ読み出し装置を実現する。

【解決手段】バイオチップ読み取り装置において、光源と、光源の出力光を平行光にするレンズと、出力光の内特定波長を透過させ励起光として出力する励起フィルタと、励起光により試料で生じる蛍光を検出する光検出素子と、試料が配置されたバイオチップで生じた蛍光を光検出素子に集光する対物レンズとを備え、励起光をバイオチップの基板に対して臨界角以上で入射する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】バイオチップ読み取り装置において、光源と、前記光源の出力光を平行光にするレンズと、前記出力光の内特定波長を透過させ励起光として出力する励起フィルタと、前記励起光により試料で生じる蛍光を検出する光検出素子と、前記試料が配置されたバイオチップで生じた前記蛍光を前記光検出素子に集光する対物レンズとを備え、前記励起光を前記バイオチップの基板に対して臨界角以上で入射することを特徴とするバイオチップ読み取り装置。
【請求項2】前記光検出素子が、前記バイオチップの試料が配置された側からの蛍光を検出することを特徴とする請求項1記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項3】前記光検出素子が、前記バイオチップの試料が配置された側とは反対側からの蛍光を検出することを特徴とする請求項1記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項4】前記励起光を前記バイオチップの試料が配置された側とは反対側から入射させることを特徴とする請求項1記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項5】前記励起光を前記バイオチップの試料が配置された側から入射させることを特徴とする請求項1記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項6】バイオチップ読み取り装置において、光源と、前記光源の出力光を平行光にするレンズと、前記出力光の内特定波長を透過させ励起光として出力する励起フィルタと、前記励起光により試料で生じる蛍光を検出する光検出素子と、前記試料が配置されたバイオチップで生じた前記蛍光を前記光検出素子に集光する対物レンズとを備え、前記バイオチップ表面に透明電極を形成したことを特徴とするバイオチップ読み取り装置。
【請求項7】前記透明電極が、インジウム・スズ酸化膜であることを特徴とする請求項6記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項8】前記光源がレーザ光源であることを特徴とする請求項1及び請求項6記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項9】前記レーザ光源のレーザ光が前記試料上に集光され静止若しくは走査されることを特徴とする請求項8記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項10】前記光源が白色光源であることを特徴とする請求項1及び請求項6記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項11】前記バイオチップの前記試料が配置された以外の部分にマスクを形成したことを特徴とする請求項1及び請求項6記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項12】前記バイオチップに金属薄膜を形成し前記励起光により前記金属薄膜表面に表面プラズモンを発生させ、この表面プラズモンにより前記蛍光を発生させることを特徴とする請求項1記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項13】前記金属薄膜を前記バイオチップに電圧を印加するための電極として用いたことを特徴とする請求項12記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項14】前記試料が、DNAであることを特徴とする請求項1記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項15】前記試料が、RNAであることを特徴とする請求項1記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項16】前記試料が、蛋白であることを特徴とする請求項1記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項17】前記試料が、糖鎖であることを特徴とする請求項1記載のバイオチップ読み取り装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DNAチップやプロテインチップ等のバイオチップの読み出し装置に関し、特にS/Nが向上しコストダウンが可能なバイオチップ読み出し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】バイオチップは、例えば、DNAチップは数千から数万種類の既知のDNAの断片を基板上にアレイ状に配置したものである。このようなDNAチップに未知のDNAの断片を流した場合に同じ種類のDNA同士で結合する性質を利用して結合が生じた既知のDNAをバイオチップ読み出し装置を用いて調べることにより、未知のDNAの配列等を特定するものである。
【0003】図7はこのようなバイオチップにおけるハイブリダイゼーションの一例を示す説明図である。図7中“SB01”に示す基板上には図5中”DN01”、”DN02”、”DN03”、”DN04”、”DN05”及び”DN06”に示す6種類のDNAの断片がアレイ状に配置されDNAチップを構成している。
【0004】一方、図7中”UN01”は未知のDNAの断片であり、このDNAの断片は図7中”LM01”に示すように蛍光標識が予め付加されている。このような未知のDNAの断片を前述のDNAチップにハイブリダイズさせることにより、配列が相補的なDNA同士が結合する。
【0005】例えば、図7中”CB01”に示すように図7中”UN01”の未知のDNAの断片は図7中”DN01”に示す既知のDNAの断片と結合する。
【0006】バイオチップ読み出し装置を用いてこのようにハイブリダイズされたDNAチップに励起光を照射し、前記蛍光標識で発生する蛍光を検出することにより、既知のDNAの内でどのDNAと結合したかを識別することができる。
【0007】例えば、図7中”SI01”に示すようなDNAチップを走査した結果のイメージにおいて、図7中”CB01”が生じた部分のみが蛍光を生じるので図7中”LD01”に示す部分のみから蛍光が検出されることになる。
【0008】但し、未知のDNAの断片をハイブリダイズさせる液体中の混在物やその後の工程等に起因してDNAチップ上にゴミが付着する。特に当該ゴミが有機系のゴミである場合には励起光によりセルよりも強い蛍光発光を生じてしまうため、この蛍光発光がノイズとなってS/Nが悪化してしまうと言った問題点があった。
【0009】図8はこのような問題点を解決した従来のバイオチップ読み出し装置の一例を示す構成ブロック図である。図8において1はレーザ光源等の励起光を出力する光源、2は及び8はレンズ、3はダイクロイックミラー、4はピンホール板、5は対物レンズ、6は複数個のセルがアレイ状に配置されたバイオチップであるDNAチップ、7はフィルタ、9は光電子増倍管(Photomultiplier Tube)等の光検出素子である。
【0010】また、図8中”CL01”、”CL02”及び”CL03”は試料である同一種類のDNAの断片が複数個配置されている前述のセルである。
【0011】光源1の出力光は励起光としてレンズ2で集光されダイクロイックミラー3で反射され、ピンホール板4上に形成されたピンホールを通過する。ピンホールを通過した励起光は対物レンズ5を介してDNAチップ6上のセルに集光される。例えば、図8中”CL02”に示すセルに対して励起光が照射される。
【0012】そして、励起光によりセルで生じた蛍光は対物レンズ5を介して再びピンホール板4上に形成されたピンホールを通過し、ダイクロイックミラー3を透過し、ダイクロイックミラー3を透過した蛍光はフィルタ7を透過してレンズ8により光検出素子9に集光される。
【0013】また、DNAチップ6は図示しない駆動手段により走査される。例えば、DNAチップ6上の他のセルである図8中”CL01”及び”CL03”に示すセルに対して励起光が照射するように図8中”MV01”に示す方向に走査される。
【0014】ここで、図8に示す従来例の動作を説明する。図8において励起光はピンホール板4上に形成されたピンホールと通過し、この励起光によりセルで生じた蛍光もまた同一のピンホールを通過するためこの光学系は共焦点光学系となり、光軸方向の分解能が向上するので、もし、セルにゴミが付着してる場合であってもセルからの蛍光のみを分離して検出することができる。
【0015】この結果、光学系を共焦点光学系にすることにより、セルに付着したゴミの影響を低減することが可能になり、S/Nが向上することになる。
【0016】また、従来のバイオチップ読み出し装置では、例えば、「特表平09−504910号公報」等に示されるように、DNAチップに電極を形成して電圧を印加することにより、未知のDNAの断片のDNAチップへのハイブリダイゼーションを加速する方法も考えられている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図8に示すような従来例では光学系として共焦点光学系を用いるために装置が高価になると共に光学系が複雑になってしまうといった問題点があった。
【0018】また、DNAチップに電極を形成して電圧を印加する方法では、形成された電極による反射光が背景光となってしまいS/Nが悪化してしまうと言った問題点があった。従って本発明が解決しようとする課題は、S/Nが向上しコストダウンが可能なバイオチップ読み出し装置を実現することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、バイオチップ読み取り装置において、光源と、前記光源の出力光を平行光にするレンズと、前記出力光の内特定波長を透過させ励起光として出力する励起フィルタと、前記励起光により試料で生じる蛍光を検出する光検出素子と、前記試料が配置されたバイオチップで生じた前記蛍光を前記光検出素子に集光する対物レンズとを備え、前記励起光を前記バイオチップの基板に対して臨界角以上で入射することにより、試料にエバネッセント光が照射されて、S/Nが向上し、単純な光学系でよいのでコストダウンが可能になる。
【0020】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明であるバイオチップ読み出し装置において、前記光検出素子が、前記バイオチップの試料が配置された側からの蛍光を検出することにより、試料にエバネッセント光が照射されて、S/Nが向上し、単純な光学系でよいのでコストダウンが可能になる。
【0021】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明であるバイオチップ読み出し装置において、前記光検出素子が、前記バイオチップの試料が配置された側とは反対側からの蛍光を検出することにより、NA(開口数)が向上して更にS/Nが向上する。
【0022】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明であるバイオチップ読み出し装置において、前記励起光を前記バイオチップの試料が配置された側とは反対側から入射させることにより、試料にエバネッセント光が照射されて、S/Nが向上し、単純な光学系でよいのでコストダウンが可能になる。
【0023】請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明であるバイオチップ読み出し装置において、前記励起光を前記バイオチップの試料が配置された側から入射させることにより、試料にエバネッセント光が照射されて、S/Nが向上し、単純な光学系でよいのでコストダウンが可能になる。
【0024】請求項6記載の発明は、バイオチップ読み取り装置において、光源と、前記光源の出力光を平行光にするレンズと、前記出力光の内特定波長を透過させ励起光として出力する励起フィルタと、前記励起光により試料で生じる蛍光を検出する光検出素子と、前記試料が配置されたバイオチップで生じた前記蛍光を前記光検出素子に集光する対物レンズとを備え、前記バイオチップ表面に透明電極を形成したことにより、形成された電極による反射光が背景光となることを防止することができ、S/Nが向上することになる。
【0025】請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明であるバイオチップ読み出し装置において、前記透明電極が、インジウム・スズ酸化膜であることにより、形成された電極による反射光が背景光となることを防止することができ、S/Nが向上することになる。
【0026】請求項8記載の発明は、請求項1及び請求項6記載の発明であるバイオチップ読み出し装置において、前記光源がレーザ光源であることにより、試料にエバネッセント光が照射されて、S/Nが向上し、単純な光学系でよいのでコストダウンが可能になる。
【0027】請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明であるバイオチップ読み出し装置において、前記レーザ光源のレーザ光が前記試料上に集光され静止若しくは走査されることにより、スペックルノイズの発生を防止できる。
【0028】請求項10記載の発明は、請求項1及び請求項6記載の発明であるバイオチップ読み出し装置において、前記光源が白色光源であることにより、試料にエバネッセント光が照射されて、S/Nが向上し、単純な光学系でよいのでコストダウンが可能になる。
【0029】請求項11記載の発明は、請求項1及び請求項6記載の発明であるバイオチップ読み出し装置において、前記バイオチップの前記試料が配置された以外の部分にマスクを形成したことにより、エバネッセンス光がゴミを照射することを防止できるのでさらにS/Nが向上することになる。
【0030】請求項12記載の発明は、請求項1記載の発明であるバイオチップ読み出し装置において、前記バイオチップに金属薄膜を形成し前記励起光により前記金属薄膜表面に表面プラズモンを発生させ、この表面プラズモンにより前記蛍光を発生させることにより、試料に表面プラズモンが照射されて、S/Nが向上し、単純な光学系でよいのでコストダウンが可能になる。
【0031】請求項13記載の発明は、請求項12記載の発明であるバイオチップ読み出し装置において、前記金属薄膜を前記バイオチップに電圧を印加するための電極として用いたことにより、DNAはマイナスに帯電しているため、この電極にプラスの電圧を印加することにより、ハイブリダイゼーションを加速することができる。
【0032】請求項14記載の発明は、請求項1記載の発明であるバイオチップ読み出し装置において、前記試料が、DNAであることにより、ハイブリダイゼーションにより相補的な配列を有する既知のDNAと蛍光標識が付加された未知のDNAが結合して未知のDNAの配列を特定することができる。
【0033】請求項15記載の発明は、請求項1記載の発明であるバイオチップ読み出し装置において、前記試料が、RNAであることにより、ハイブリダイゼーションにより相補的な配列を有する既知のRNAと蛍光標識が付加された未知のRNAが結合して未知のRNAの配列を特定することができる。
【0034】請求項16記載の発明は、請求項1記載の発明であるバイオチップ読み出し装置において、前記試料が、蛋白であることにより、抗原抗体反応により既知の蛋白と蛍光標識が付加された未知の蛋白が結合して未知の蛋白の配列を特定することができる。
【0035】請求項17記載の発明は、請求項1記載の発明であるバイオチップ読み出し装置において、前記試料が、糖鎖であることにより、抗原抗体反応により既知の糖鎖の蛋白と蛍光標識が付加された未知の糖鎖が結合して未知の糖鎖の配列を特定することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明に係るバイオチップ読み出し装置の一実施例を示す構成ブロック図である。図1において10はレーザ光源等の光源、11はレンズ、12は励起フィルタ、13は複数個のセルがアレイ状に配置されたバイオチップであるDNAチップ、14は対物レンズ、15はフィルタ、16はCCD等の光検出素子である。
【0037】また、図1中”CL11”、”CL12”及び”CL13”は試料である同一種類のDNAの断片が複数個配置されている前述のセルである。
【0038】光源10の出力光はレンズ11で平行光され励起フィルタ12で特定波長のみが透過し励起光としてDNAチップ13のセルが配置された側とは反対側から斜めに入射される。具体的には、DNAチップ13への入射角が臨界角を超えるように斜めに入射させる。
【0039】そして、励起光によりセルで生じた蛍光は対物レンズ14によりフィルタ15を介して光検出素子16に集光される。
【0040】ここで、図1に示す実施例の動作を説明する。一般に、高屈折率媒質であるDNAチップ13の基板から低屈折率媒質である空気に対して臨界角以上で光が入射すると媒質の境界面で入射光は全反射する。
【0041】但し、入射光エネルギーの一部は低屈折率媒質側を通って反射光になる。このように低屈折率媒質側に一時的に漏れた光をエバネッセント光と呼び、エバネッセント光が存在する場所をエバネッセント場と呼ぶ。
【0042】図2は図1中”CL12”に示すセルの部分を拡大表示した説明図であり、図2中”θ”を臨界角以上とし、図2中”t”に示すエバネッセント場の厚さは入射光の波長程度となるので、例えば、励起フィルタ12により励起光の波長を”500nm”とすれば、エバネッセント場の厚さ”t”は”500nm”程度になる。
【0043】言い換えれば、境界面からエバネッセント場の中では励起光が一時的に透過しているのでDNAチップ13の基板上に形成されたチップに対して励起光が照射されることになる。
【0044】また、例えば、前述のエバネッセント場の厚さ”500nm”はDNA鎖よりも十分厚く図2中”DS11”や”DS12”に示すゴミ(数10μm)よりも十分薄くなるので、ゴミの影響を低減することができS/Nが向上する。
【0045】この結果、励起光をDNAチップ13のセルが配置された側とは反対側から入射角が臨界角を超えるように斜めに入射させることにより、セルにエバネッセント光が照射されて、S/Nが向上し、単純な光学系でよいのでコストダウンが可能になる。
【0046】なお、図2中”TE11”はITO(インジウム・スズ酸化膜)等の透明電極であり、DNAチップの電極としてこのような透明電極を用いることにより、形成された電極による反射光が背景光となることを防止することができ、S/Nが向上することになる。
【0047】また、図1等の説明に際してはバイオチップとしてDNAチップを例示しているが、勿論DNAチップに限定されるものではなく、RNA,蛋白、糖鎖等を透明な基板上にアレイ状に配置したものであっても構わない。
【0048】この場合、RNAはDNAと同じくハイブリダイゼーションにより、蛋白及び糖鎖等は抗原抗体反応により相補的な配列を有する既知の試料と蛍光標識が付加された未知の試料が結合することになる。
【0049】また、励起光の光源10としてはレーザ光源を例示したがレーザ光源であっても、白色光源、例えば、ハロゲンランプ、水銀ランプ、キセノンランプ等の非レーザ光源であっても構わない。
【0050】また、図1に示す実施例では光検出素子16をDNAチップ13のうちセルが配置された側に設けているが、セルが配置された側と反対側に設けても構わない。
【0051】図3はこのような本発明に係るバイオチップ読み出し装置の他の実施例を示す構成ブロック図である。図3において10〜13、”CL11”、”CL12”及び”CL13”は図1と同一符号を付してあり、14aは対物レンズ、15aはフィルタ、16aは光検出素子である。
【0052】光源10の出力光はレンズ11で平行光され励起フィルタ12で特定波長のみが透過し励起光としてDNAチップ13のセルが配置された側とは反対側から斜めに入射される。具体的には、DNAチップ13への入射角が臨界角を超えるように斜めに入射させる。
【0053】そして、励起光によりセルで生じた蛍光は対物レンズ14aによりフィルタ15aを介して光検出素子16aに集光される。
【0054】この場合、DNAチップ13の基板の材質を、例えば、ガラスとすればその屈折率は”1.5”であるので液浸と同等の効果が生じてNA(開口数)が向上して更にS/Nが向上する。
【0055】また、図1に示す実施例では励起光をDNAチップ13のうちセルが配置された側と反対側から入射しているが、セルが配置された側から入射しても構わない。
【0056】図4は本発明に係るバイオチップ読み出し装置の他の実施例を示す構成ブロック図である。図4において13,14a〜16a、”CL11”、”CL12”及び”CL13”は図3と同一符号を付してあり、10aは光源、11aはレンズ、12aは励起フィルタである。
【0057】光源10aの出力光はレンズ11aで平行光され励起フィルタ12aで特定波長のみが透過し励起光としてDNAチップ13のセルが配置された側から斜めに入射される。具体的には、DNAチップ13への入射角が臨界角を超えるように斜めに入射させる。
【0058】そして、励起光によりセルで生じた蛍光は対物レンズ14aによりフィルタ15aを介して光検出素子16aに集光される。
【0059】この場合、DNAチップ13の基板に入射した励起光は図4中”RL11”に示すように基板内で全反射を繰り返して図4中”EL11”に示すチップ部分で生じるエバネッセンス光により蛍光が生じる。
【0060】また、図1及び図3に示す実施例においてDNAチップ13のうちセル以外の部分にマスクを形成してもかまわない。図5は図1中”CL12”に示すセルの部分を拡大表示した説明図であり、13,”CL12”,”DS11”及び”DS12”は図2と同一符号を付してある。
【0061】図5中”MS11”及び”MS12”はDNAチップ13の基板上に形成されたマスクであり、このようなマスクを設けることによりエバネッセンス光が図5中”DS11”及び”DS12”に示すようにゴミを照射することを防止できるのでさらにS/Nが向上することになる。
【0062】また、光源がレーザ光源の場合には出力光であるレーザ光を集光しないとスペックルノイズが発生するので、DNAチップを焦点とするレーザ光をDNAチップ上に集光すれば良い。この集光したビームを静止させたままでもレーザのスポット径の広さは測定できるが、さらに、集光ビームを走査するとより広い面積の測定が可能になる。また、レーザビームは複数本であっても構わない。
【0063】また、図1等に示す実施例ではエバネッセンス光を用いてセルを照射しているが、基板の表面に金属薄膜を形成することによって生じる共鳴プラズモンを用いても構わない。
【0064】図6は本発明に係るバイオチップ読み出し装置のセルの部分を拡大表示した説明図である。図6において13,”CL12”、”DS11”及び”DS12”は図5と同一符号を付してあり、図6中”ML11”は金属薄膜である。
【0065】共鳴プラズモンとはDNAチップ13の基板を介して図6中”ML11”に示す金属薄膜に励起光が入射されると図6中”SP11”に示すような金属薄膜の表面に励起光の波長と同程度の厚さに表面プラズモンと呼ばれる電子の疎密波、言い換えれば、電磁波(光)が発生する。そして、チップではこの疎密波により蛍光発光が生じる。
【0066】さらに、この金属薄膜をバイオチップに電圧を印加するための電極として用いても構わない。この場合には、DNAはマイナスに帯電しているため、この電極にプラスの電圧を印加することにより、ハイブリダイゼーションを加速することができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次のような効果がある。請求項1,2,4,5,8及び請求項10の発明によれば、励起光をDNAチップに対して入射角が臨界角を超えるように斜めに入射させることにより、セルにエバネッセント光が照射されて、S/Nが向上し、単純な光学系でよいのでコストダウンが可能になる。
【0068】また、請求項3の発明によれば、光検出素子が、バイオチップの試料が配置された側とは反対側からの蛍光を検出することにより、NA(開口数)が向上して更にS/Nが向上する。
【0069】また、請求項6及び請求項7の発明によれば、バイオチップに透明電極を形成したことにより、形成された電極による反射光が背景光となることを防止することができ、S/Nが向上することになる。
【0070】また、請求項9の発明によれば、レーザ光源のレーザ光が試料上に集光され走査されることにより、スペックルノイズの発生を防止できる。
【0071】また、請求項11の発明によれば、バイオチップの試料が配置された以外の部分にマスクを形成したことにより、エバネッセンス光がゴミを照射することを防止できるのでさらにS/Nが向上することになる。
【0072】また、請求項12の発明によれば、バイオチップに金属薄膜を形成し励起光により金属薄膜表面に表面プラズモンを発生させ、この表面プラズモンにより蛍光を発生させることにより、試料に表面プラズモンが照射されて、S/Nが向上し、単純な光学系でよいのでコストダウンが可能になる。
【0073】また、請求項13の発明によれば、金属薄膜をバイオチップに電圧を印加するための電極として用いることにより、DNAはマイナスに帯電しているため、この電極にプラスの電圧を印加することにより、ハイブリダイゼーションを加速することができる。
【0074】また、請求項14及び請求項15の発明によれば、試料がDNA若しくはRNAであることにより、ハイブリダイゼーションにより相補的な配列を有する既知の試料と蛍光標識が付加された未知の試料が結合して未知の試料の配列を特定することができる。
【0075】また、請求項16及び請求項17の発明によれば、試料が蛋白若しくは糖鎖であることにより、抗原抗体反応により既知の試料と未知の試料が結合して未知の試料の種類を特定することができる。
【出願人】 【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
【出願日】 平成12年1月17日(2000.1.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−194310(P2001−194310A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−7725(P2000−7725)