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【発明の名称】 自走車用環境試験室
【発明者】 【氏名】鈴木 輝明

【要約】 【課題】自走車用環境試験室の地下ピットを、断熱構造を複雑にする必要がなく、したがって工期を短縮でき、低コストで施工できるようにする。

【解決手段】空気調和機2よりの調温空気が送り込まれる試験室1の床部に設けた地下ピット7の開口上部がカバー10で塞がれ、このカバーに自走車の駆動輪によって回転させられるシャーシーダイナモメータ用のローラ11が設けられた地下ピット7内に、同ピット内の温度調節をするサブ空気調和機17を設け、地下ピット内はサブ空気調和機により0℃以下の温度あるいは上限以上の温度にならないよう保持されるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】空気調和機よりの調温空気が送り込まれる試験室の床部に設けた地下ピットの開口上部がカバーで塞がれ、このカバーに自走車の駆動輪によって回転させられるシャーシーダイナモメータ用のローラが設けられたピット内に、同ピット内の温度調節をするサブ空気調和機を設けてなる自走車用環境試験室。
【請求項2】請求項1に記載の地下ピット内がサブ空気調和機により0℃以下の温度及び上限以上の温度にならないように保持される自走車用環境試験室。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酷暑から極寒状態の環境状態を人工的に再現して、自動車の各種テストを行うための環境試験室に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】自動車等の自走車の環境試験室は酷暑から極寒の温度状態下で走行テストなどの各種の試験を行う。
【0003】試験室内には自動車の走行テスト用のシャーシーダイナモメータ及びそのローラがあり、自動車の駆動輪でローラを回転させることにより各種の走行テストを行う。
【0004】ローラは試験室内の基礎スラブに設けた凹部よりなる地下ピットに設けられ、地下ピットにはダイナモメータ及び各種の計器が設けられている。
【0005】試験室内で自動車の耐寒テストを氷点下の温度で長時間行なうと、地下ピットの冷熱が徐々にピット回りの地盤に伝達されることにより地盤中の水分が凍結、膨張し、これにより床スラブは押し上げられて破壊するいわゆる凍上現象が発生する。
【0006】この凍上現象の発生を防止するために、従来は地下ピット全体を断熱構造のものとしている。例えば図3のようにまず基礎スラブ31でピット用凹部を造成し、その凹部に断熱・防水層32を形成して断熱・防水層の床面、壁面にコンクリートを打設して床・壁スラブ33を形成し、さらには基礎スラブ31の周囲に送気パイプ34を配設した断熱構造としている。
【0007】また、図4のように、前記送気パイプ34を設ける代わりに基礎スラブ31を二重構造として空気層40を設けた断熱構造としたものもある。なお、図3、4中において、符号35は地下ピット、36は地下ピットのカバー、37は試験室、38はシャーシーダイナモメータ用のローラ、39は割栗石を示す。
【0008】このようなオール断熱構造の地下ピット35では施工期間が長くなり、人件費等の工賃が嵩み、建設コストが高くなる。
【0009】また、基礎スラブ31と床・壁スラブ33との二重スラブとなっていて、両スラブは断熱材32が介在して分離されているので、シャーシーダイナモメータ用のローラ38の回転により振動が発生し易く、これを防止するには基礎スラブの構成に多量のコンクリートを要することになり、これまた材料コストが高くなるという課題がある。
【0010】本発明は自動車用環境試験室の地下ピットを、断熱構造を複雑にする必要がなく、したがって工期を短縮でき、低コストで施工できるようにした。
【0011】
【本発明の手段】本発明に係る自走車用の環境試験室は、空気調和機よりの調温空気が送り込まれる試験室の床部に設けた地下ピットの開口上部がカバーで塞がれ、このカバーに自走車の駆動輪によって回転させられるシャーシーダイナモメータ用のローラが設けられた地下ピット内に、同ピット内の温度調節をするサブ空気調和機を設けた構成のものとしてあり、地下ピット内はサブ空気調和機により0℃以下の温度あるいは上限以上の温度にならないよう保持されるようにしてある。
【0012】
【本発明の実施例】図1において符号1は試験室を示し、空気調和機2からの所要温度の空気が送気ダクト3(及び分岐送気ダクト3a)から送り込まれ、試験室内の空気は送風機4の駆動により還気ダクト5から空気調和機2に吸入され、調温されて再び試験室1に送り込まれる。なお、図中の符号Mは送風機用のモータを示す。
【0013】試験室1の床部にはコンクリートによって基礎スラブ6と地下ピット7用の凹部が形成されている。
【0014】また、基礎スラブ6の下床部6a上には断熱材8を設け、その上にコンクリートによる室内側床スラブ9を形成してあり、前記地下ピットの上部開口部には鉄製のカバー10を設けてある。
【0015】地下ピット7には、カバー10の孔から外周の一部が露出するローラ11が設けられ、このローラはシャーシーダイナモ用のローラで、自動車12の駆動輪13によって回転させられることによりシャーシーダイナモメータが作動させられる。
【0016】また、地下ピット7には自動車の駆動輪13とローラ11との接触部エリアに空気を吹き付ける噴出装置を設けてあり、この噴出装置は空気噴出管14と送風機15とで構成されていて、前記地下ピットのカバー10にあけた空気孔10aと送風機15の空気吸込口とを吸入ダクト16で接続し、試験室1内の空気を噴出する構成としてある。
【0017】しかして本発明においては前記地下ピット7内にサブ空気調和機17を設けて、地下ピット内を氷温以下の温度や上限以上の温度にならないよう然るべき適温に設定できるようにしてある。
【0018】なお、図中の符号18は地下ピット回りの地盤19に敷設した空気管であり、試験室下の地盤の凍結を防止するためのものであり、空気管の代わりに基礎スラブを二重構造にして空気層を設ける場合もある。また、図中の符号20は割栗石である。
【0019】
【作用、効果】本発明においては地下ピットにサブ空気調和機を設けてあるので、試験室内を極寒状態の低温に設定しても、地下ピット内をサブ空気調和機により氷点以下の温度にならないように設定できる。
【0020】また、試験室内の温度を高温(例えば40℃以上)に設定している場合には、サブ空調機で地下ピット内を冷却することもできる。
【0021】したがって、試験室内が氷点下の温度でも地下ピット回りの地盤が凍結することはなく、凍上弊害の発生を防止できる。
【0022】また、地下ピット内にはダイナモメータやその他の計測器あるいは電子部品や電装品等の機器を設けてあり、これらは例えば10℃以下の低温や40℃以上の高温になると作動に支障を来すことがあるが、本発明においてはサブ空気調和機で地下ピット内を適温(例えば10〜40℃)に保持できるので、機器の作動を支障なく行なえる。
【0023】さらに断熱工事は、試験室内の冷気が地下ピット内に侵入しないよう、室内の床スラブと基礎スラブの下床部との間にだけ断熱工事を施工すればよく、従来の場合よりはるかに容易にでき、工期を短縮できるとともに施工コストを低減できる利点がある。
【出願人】 【識別番号】390026974
【氏名又は名称】株式会社東洋製作所
【出願日】 平成12年5月16日(2000.5.16)
【代理人】 【識別番号】100065086
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 清美
【公開番号】 特開2001−324419(P2001−324419A)
【公開日】 平成13年11月22日(2001.11.22)
【出願番号】 特願2000−142614(P2000−142614)