| 【発明の名称】 |
コンクリート構造物の存在応力の計測方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】難波 治之
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| 【要約】 |
【課題】破壊を最小限とすることができ、なおかつ、精度の高い計測が可能なコンクリート構造物の存在応力の計測方法を提供する。
【解決手段】コンクリート構造物1のうち、応力計測対象位置の一定領域をコア2として採取し、コア2における採取前後の歪み変化を検出し、歪み変化に基づいて存在応力を評価する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コンクリート構造物に実際に生じている応力を計測するための方法であって、前記コンクリート構造物のうち、応力計測対象位置の一定領域をコアとして採取し、該コアにおける採取前後の歪み変化を検出し、該歪み変化に基づいて前記応力を評価することを特徴とするコンクリート構造物の存在応力の計測方法。 【請求項2】 請求項1記載のコンクリート構造物の存在応力の計測方法であって、採取した前記コアがクラックを有する場合には、前記コアに圧縮荷重を作用させて前記クラックを閉じさせるとともに、そのときの歪みを用いて前記歪み変化を検出することを特徴とするコンクリート構造物の存在応力の計測方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート構造物において、実際に受けている荷重により生じている応力を計測するための方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】この種の方法としては、表面波等を用いて非破壊により推定する方法や、コンクリート構造物に一部スリットを設けることにより、存在応力を部分的に解放して計測を行う破壊を伴う方法が知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の非破壊による計測方法は、その精度に限界があった。一方、破壊を伴う計測方法は、評価値に対する信頼性は高いが、構造物に損傷を与えるという欠点があった。 【0004】また、このような破壊を伴う計測方法を用いたとしても、均質な鋼材とは異なり、骨材が混ざり、しかもクラックを発生しやすいコンクリートでは、精度の高い計測が困難であった。また、このような計測方法は、破壊を伴う場合のデメリットから、必ずしも実用的でないことがあった。 【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、破壊を最小限とすることができ、なおかつ、精度の高い計測が可能なコンクリート構造物の存在応力の計測方法を提供することを課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明においては以下の手段を採用した。すなわち、請求項1記載の発明は、コンクリート構造物に実際に生じている応力を計測するための方法であって、前記コンクリート構造物のうち、応力計測対象位置の一定領域をコアとして採取し、該コアにおける採取前後の歪み変化を検出し、該歪み変化に基づいて前記応力を評価することを特徴としている。 【0007】この場合、コア抜きした後検出される歪みの変化がすなわち解放歪みとなり、その正負を逆転したものが、もとの構造物における存在応力に対応する歪みとなる。 【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載のコンクリート構造物の存在応力の計測方法であって、採取した前記コアがクラックを有する場合には、前記コアに圧縮荷重を作用させて前記クラックを閉じさせるとともに、そのときの歪みを用いて前記歪み変化を検出することを特徴としている。 【0009】これにより、クラックが存在しない場合の正味の応力を評価することができる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、既存のコンクリート構造物からコア抜きして圧縮試験用供試体を採取する機会を利用して、コア抜き前とコア抜き後のコアの歪み変化を計測し、その結果から当該部のコンクリートの存在応力を評価する方法に関するものである。 【0011】これには、まず、図1に示すように、存在応力の評価対象のコンクリート構造物1のうち、コア2の採取対象位置Lの表面に歪み計測ゲージ3を貼付する。ここで、コア2の採取対象位置Lとしては、コンクリート構造物1において応力を計測したい箇所(応力計測対象位置)が選択される。 【0012】また、歪み計測ゲージ3には、例えば、ストレインゲージ、パイゲージ、光弾性材料、磁歪材、ピエゾ材などが用いられる。またこの場合、図1中に示すように、歪み計測ゲージ3をコア2の直径に近い領域をカバーするように貼付する。 【0013】次に、コア2をコンクリート構造物1から採取する。そして、コア2採取後に、歪み計測ゲージ3を用いて、コア2における採取前後の歪み変化を計測する。ここで得られた歪み変化は、コア2の解放歪みであり、その正負を逆転することによって、コア2の採取対象位置Lにおける存在応力に対応した歪みを得ることができる。 【0014】さらに、コア2を用いてコンクリート圧縮試験を行い、これにより、コア2における応力−歪みの対応関係を調べ、その結果と、上述のようにして得られた歪み値とから、コア2の採取対象位置Lにおける存在応力を評価する。 【0015】なお、コア2の採取対象位置Lにおける存在応力が引張応力である場合には、採取対象位置Lにクラックが存在することが考えられ、コア2採取後においてもクラックが閉じず、適正な計測ができないことが予想される。このような場合においては、採取したコア2の外周面に対して、コア2の軸方向と直交する方向に圧縮荷重を作用させてクラックを閉じさせ、この場合の歪み変化に基づき、存在応力を評価するようにする。これにより、クラックが存在しない場合の正味の存在応力を評価することができる。 【0016】図2は、このような場合に作用させる圧縮荷重P(縦軸)と検出される歪みε(横軸)との関係を示すグラフである。圧縮荷重Pをコア2に作用させた場合、クラックが閉じる前には、コア2は塑性的に変形し、さらに、クラックが閉じた後には、コア2は弾性的に変形すると考えられ、したがって、クラックが閉じる前後で、圧縮荷重Pに対する歪みεの変化率(すなわち、図2のグラフの傾き)が変化することが予想される。そこで、ここでは、圧縮荷重Pに対する歪みεの変化率が減少した場合(図2中におけるA点)において、クラックが閉じたものと見なすこととする。 【0017】以上述べたコンクリート構造物1の存在応力の計測方法においては、コンクリート構造物1のうち、応力計測対象位置の一定領域をコア2として採取し、コア2における採取前後の歪み変化を検出するとともに、この歪み変化に基づいてコア2の採取対象位置Lにおける存在応力を評価するようにしたため、容易に元の構造物における存在応力を検出することができる。特にこの場合、コンクリート構造物1からコンクリート圧縮試験用供試体を採取する機会を利用して存在応力を計測することができるため、存在応力の評価のために構造物に新たな損傷を加えることが無く、最小限の破壊により、精度の高い存在応力の計測を実現することができる。 【0018】なお、この場合、コンクリート圧縮試験は、採取したコアの円柱軸方向に加力して試験を行うものであり、上述のような存在応力の評価は、それと直交方向の歪みを求めるものであるから、相互に干渉はなく、一つの試験体を二つの目的に共用することが可能である。 【0019】また、上述のコンクリート構造物1の存在応力の計測方法においては、採取したコア2がクラックを有すると考えられる場合に、コア2に圧縮荷重を作用させてクラックを閉じさせるとともに、その際の歪み変化を用いて存在応力を評価することとしたため、クラックが存在しない場合の正味の存在応力を評価することができ、特に、存在応力が引張応力であると考えられる場合に、精度の高い計測が可能となる。 【0020】なお、上記実施の形態において用いられる歪み計測ゲージ3としては、コア2のうち一定面積(あるいは長さ)をある程度広くカバーでき、その領域の平均的な歪みを評価できる形式のゲージを用いた方が、骨材などによる不均質性の影響を平均化することができ、よい結果が得られる。 【0021】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発明においては、コンクリート構造物のうち、応力計測対象位置の一定領域をコアとして採取し、このコアにおける採取前後の歪み変化を検出するとともに、この歪み変化に基づいて元の構造物の存在応力を評価するようにしたため、高精度かつ容易に存在応力の検出が可能となる。特にこの場合、コンクリート構造物からコンクリート圧縮試験用供試体を採取する機会を利用して存在応力を計測することができるため、存在応力の評価のために構造物に新たな損傷を加えることが無く、最小限の破壊により、存在応力の計測を実現することができる。 【0022】請求項2に係る発明においては、採取したコアがクラックを有する場合に、コアに圧縮荷重を作用させてクラックを閉じさせるとともに、その際の歪み変化を用いて存在応力を評価することとしたため、クラックが存在しない場合の正味の存在応力を評価することができ、特に、存在応力が引張応力であると考えられる場合に、精度の高い計測が可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002299 【氏名又は名称】清水建設株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年4月10日(2000.4.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−289717(P2001−289717A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月19日(2001.10.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−108562(P2000−108562) |
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