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【発明の名称】 サーミスタ温度センサ
【発明者】 【氏名】井上 孝

【氏名】迫田 洋子

【要約】 【課題】広い温度範囲にわたり出力電圧の直線性に優れ、高精度な温度検知を可能とするサーミスタ温度センサを提供することを目的とする。

【解決手段】絶縁基板11上で入、出力電極51,53間に直列に第1の薄膜固定抵抗31を接続すると共に、入、出力電極51,53とグランド電極52間に第1の薄膜サーミスタ12を接続し、また絶縁基板11上で第1の薄膜固定抵抗31と第1の薄膜サーミスタ12間とグランド電極52間に第2の薄膜固定抵抗32に第2の薄膜サーミスタ13を直接に接続し各接続は導電パターン41により行っている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一対の入、出力電極と、この入、出力電極間に直列に接続した第1の抵抗体と、前記入、出力電極間に並列に接続した第1の薄膜サーミスタと、前記第1の抵抗体と前記第1の薄膜サーミスタ間に並列に接続した第2の抵抗体と、この第2の抵抗体に直列に接続した第2の薄膜サーミスタと、前記第1及び第2の薄膜サーミスタに接続したグランド電極を備え、少なくとも前記第1及び第2の薄膜サーミスタを同一絶縁基板上に形成したサーミスタ温度センサ。
【請求項2】 第(n+1)(ただしn=2以上の整数)の抵抗体とこの第(n+1)の抵抗体に直列に接続した第(n+1)の薄膜サーミスタとを第1の抵抗体とグランド電極間で第nの抵抗体及び第nの薄膜サーミスタと並列に接続したものであり、かつ前記第n及び第(n+1)の薄膜サーミスタを同一絶縁基板上に形成した請求項1に記載のサーミスタ温度センサ。
【請求項3】 第1〜第nの抵抗体も絶縁基板上に形成した請求項1に記載のサーミスタ温度センサ。
【請求項4】 第nの薄膜サーミスタの抵抗値は、第(n−1)の薄膜サーミスタの抵抗値の1.5倍以上の抵抗値を有する請求項1に記載のサーミスタ温度センサ。
【請求項5】 第1〜第nの薄膜サーミスタの内少なくとも一つは、サーミスタ層の表面に一対の櫛型電極を形成したものであり、この櫛型電極に電気的に接続するように少なくとも一つの抵抗値調整用電極を形成すると共に、前記櫛型電極と前記抵抗値調整用電極間と、前記抵抗値調整用電極を複数設けた場合は前記抵抗値調整用電極間も絶縁するために設けたスリットとを備え、前記抵抗値調整用電極は除去することにより前記薄膜サーミスタの抵抗値を所定の割合だけ変化させるようにした請求項1に記載のサーミスタ温度センサ。
【請求項6】 複数の抵抗値調整用電極を形成する場合、薄膜サーミスタの抵抗値を2m%[m:0〜(前記抵抗値調整用電極数−1)の正の整数]ずつ変化させるようにした請求項5に記載のサーミスタ温度センサ。
【請求項7】 少なくとも第1〜第nの薄膜サーミスタの表面を絶縁保護膜で被覆した請求項1に記載のサーミスタ温度センサ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は情報機器、通信機器、家電機器、住設機器、自動車機器等に用いられるサーミスタ温度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報機器、通信機器、家電機器、住設機器、自動車機器等においてサーミスタ温度センサにより温度特性を有する電子部品の温度特性、あるいは電子部品周辺の温度検知を行いその温度特性を補償する要望が大きくなっている。
【0003】サーミスタ温度センサによる温度検知を行うための回路としては、図2に示すような回路が広い温度範囲にわたりサーミスタ温度センサの出力電圧の直線性に優れていると知られている。
【0004】即ち抵抗体31,32にサーミスタ12,13を直列に接続したものを並列に接続したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図2に示す回路構成を実現するために、例えばサーミスタを個別に電子部品あるいは電子機器に取り付けるとそれぞれのサーミスタに温度差が生じ易く、温度検知に誤差が生じるという問題点を有する。
【0006】そこで本発明は、使用するサーミスタに温度差が生じるのを防止し、広い温度範囲にわたり出力電圧の直線性に優れ、高精度に温度検知を行うことのできるサーミスタ温度センサを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために本発明のサーミスタ温度センサは、一対の入、出力電極と、この入、出力電極間に直列に接続した第1の抵抗体と、前記入、出力電極間に並列に接続した第1の薄膜サーミスタと、前記第1の抵抗体と前記第1の薄膜サーミスタ間に並列に接続した第2の抵抗体と、この第2の抵抗体に直列に接続した第2の薄膜サーミスタとを備え、少なくとも前記第1及び第2の薄膜サーミスタを同一絶縁基板上に形成したものであり、サーミスタ間に温度差が生じにくく、出力電圧の直線性に優れ、高精度に温度検知を行うことができるのである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、一対の入、出力電極と、この入、出力電極間に直列に接続した第1の抵抗体と、前記入、出力電極間に並列に接続した第1の薄膜サーミスタと、前記第1の抵抗体と前記第1の薄膜サーミスタ間に並列に接続した第2の抵抗体と、この第2の抵抗体に直列に接続した第2の薄膜サーミスタと、前記第1及び第2の薄膜サーミスタに接続したグランド電極とを備え、少なくとも前記第1及び第2の薄膜サーミスタを同一絶縁基板上に形成したサーミスタ温度センサであり、第1及び第2の薄膜サーミスタ間に温度差が生じることを防ぎ、高精度に温度検知が可能なものである。
【0009】請求項2に記載の発明は、第(n+1)(ただしn=2以上の整数)の抵抗体とこの第(n+1)の抵抗体に直列に接続した第(n+1)の薄膜サーミスタとを第1の抵抗体とグランド電極間で第nの抵抗体及び第nの薄膜サーミスタと並列に接続したものであり、かつ前記第n及び第(n+1)の薄膜サーミスタを同一絶縁基板上に形成した請求項1に記載のサーミスタ温度センサであり、さらに広い温度範囲にわたり出力電圧の直線性を有するものである。
【0010】請求項3に記載の発明は、第1〜第nの抵抗体も絶縁基板上に形成した請求項1に記載のサーミスタ温度センサであり、小型化を図ることができるものである。
【0011】請求項4に記載の発明は、第nの薄膜サーミスタの抵抗値は、第(n−1)の薄膜サーミスタの抵抗値の1.5倍以上の抵抗値を有する請求項1に記載のサーミスタ温度センサであり、さらに広い温度範囲にわたり出力電圧の直線性を向上させることが可能となる。
【0012】請求項5に記載の発明は、第1〜第nの薄膜サーミスタの内少なくとも一つは、サーミスタ層の表面に一対の櫛型電極を形成したものであり、この櫛型電極に電気的に接続するように少なくとも一つの抵抗値調整用電極を形成すると共に、前記櫛型電極と前記抵抗値調整用電極間と、前記抵抗値調整用電極を複数設けた場合は前記抵抗値調整用電極間を絶縁するために設けたスリットとを備え、前記抵抗値調整用電極は、除去することにより前記薄膜サーミスタの抵抗値を所定の割合だけ変化させるようにした請求項1に記載のサーミスタ温度センサであり、薄膜サーミスタの抵抗値を所望の値に調整可能なため、さらに温度検知精度を向上させることができるものである。
【0013】請求項6に記載の発明は、複数の抵抗値調整用電極を形成する場合、薄膜サーミスタの抵抗値を2m%[m:0〜(前記抵抗値調整用電極数−1)の正の整数]ずつ変化させるようにした請求項5に記載のサーミスタ温度センサであり、薄膜サーミスタの抵抗値を高精度に調整することができるので、温度検知精度がさらに向上するものである。
【0014】請求項7に記載の発明は、少なくとも第1〜第nの薄膜サーミスタの表面を絶縁保護膜で被覆した請求項1に記載のサーミスタ温度センサであり、外部の湿気等から保護し、経時変化を抑制することができ、長期にわたり安定した温度検知精度を保持することができるものである。
【0015】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形態1におけるサーミスタ温度センサの上面図である。
【0017】図1において11は絶縁基板、12は第1の薄膜サーミスタ、13は第2の薄膜サーミスタであり共に絶縁基板11上に形成したサーミスタ層21の表面に一対の櫛型電極22,23を形成したものである。また、31は第1の薄膜固定抵抗、32は第2の薄膜固定抵抗、41は導電パターン、51は入力電極、52はグランド電極、53は出力電極である。
【0018】なお入、出力電極51,53間に直列に第1の薄膜固定抵抗31を接続すると共に、入、出力電極51,53とグランド電極52間に第1の薄膜サーミスタ12を接続している。また第1の薄膜固定抵抗31と第1の薄膜サーミスタ12間とグランド電極52間に第2の薄膜固定抵抗32に第2の薄膜サーミスタ13を直列に接続したものを接続している。さらに各接続は導電パターン41により行っている。
【0019】図2は本実施の形態1のサーミスタ温度センサの等価回路図である。
【0020】このサーミスタ温度センサは以下の方法により得られる。
【0021】まず、アルミナあるいは窒化アルミからなる絶縁基板11の全面にMn,Co,Ni,Fe,Alの内少なくとも二種類からなる複合酸化物をターゲットに高周波スパッタリングにより形成した後、反応性イオンエッチング、ウエットエッチング等のフォトリソグラフィープロセスを用い絶縁基板11上の所定の位置に第1の薄膜サーミスタ12及び第2の薄膜サーミスタ13のサーミスタ層21を形成する。なおスパッタリングは、絶縁基板11とサーミスタ層21の密着性を向上させるために、絶縁基板11を200〜400℃に加熱して行う。またスパッタリングガスにはArにO2を流量比で約5%程度導入し、ガス圧0.2〜5.0Paの範囲で行う。なお、サーミスタ層21の厚みは0.2〜3.0μmの範囲である。
【0022】次に、絶縁基板11上に形成したサーミスタ層21が所望の結晶構造となるような温度(600〜1000℃)で熱処理を行い、サーミスタ層21の結晶化を行う。その後、絶縁基板11の上面全体に、スパッタリングでPtあるいはAu等からなる約0.1μmの厚みの薄膜を形成する。このスパッタリングは、絶縁基板11の温度100〜300℃、スパッタリングガスとしてArを用い、ガス圧は0.2〜5.0Paの範囲で行う。次いで、反応性イオンエッチング、ウエットエッチング、リフトオフ等のフォトリソグラフィープロセスを用い、サーミスタ層21上にそれぞれ一対の櫛型電極22,23を形成すると共に、入力電極51、グランド電極52、出力電極53及び導電パターン41を形成する。
【0023】最後に、絶縁基板11上にNi−Crを主成分とする合金あるいはRuO2等からなる抵抗体薄膜を蒸着あるいはスパッタリングにより形成した後、反応性イオンエッチング、ウエットエッチング等のフォトリソグラフィープロセスを用い絶縁基板11上の所定の位置に第1の薄膜固定抵抗31及び第2の薄膜固定抵抗33を形成し、本実施の形態1のサーミスタ温度センサを得る。
【0024】本実施の形態1のサーミスタ温度センサは、熱伝導性に優れた一枚の絶縁基板11上に第1及び第2の薄膜サーミスタ12,13を形成することで第1及び第2の薄膜サーミスタ12,13間に温度差が生じること無く、第1及び第2の薄膜サーミスタ12,13で出力電圧の直線性を補正を行うことにより、広い温度範囲(例えば−20〜80℃:100℃以上)にわたり出力電圧の直線性に優れ、高精度な温度検知を可能にするものである。
【0025】(実施の形態2)図3は本発明の実施の形態2のサーミスタ温度センサに用いる第1の薄膜サーミスタ12の上面図、図4は図3のA−B断面図である。なお、第1の薄膜サーミスタ12及び第2の薄膜サーミスタ13は基本的には同様の構成で形成されるので本実施の形態2においては第1の薄膜サーミスタ12について説明する。また第1の薄膜サーミスタ12及び第2の薄膜サーミスタ13を除く部分は実施の形態1に示すサーミスタ温度センサと同様の構成とし、説明を省略する。
【0026】図3において、21は絶縁基板11上に形成したサーミスタ層、22,23は櫛型電極、231,232,233,234は抵抗値調整用電極、241,242,243,244は絶縁スリット、25はトリミング溝である。
【0027】以下にこの第1の薄膜サーミスタ12(第2の薄膜サーミスタ13も同様の構成で同時に形成する)の形成方法を説明する。
【0028】まず、絶縁基板11上の所定の位置に実施の形態1と同様にフォトリソグラフィープロセスを用いてサーミスタ層21を形成するとともに絶縁スリット241,242,243,244を形成する。
【0029】次に、絶縁基板11上に形成したサーミスタ層21が所望の結晶構造となるような温度(600〜1000℃)で熱処理を行い、サーミスタ層21の結晶化を行った後、絶縁基板11の上面全体に実施の形態1と同様にスパッタリングにてPtあるいはAu等からなる約0.1μmの厚みの薄膜を形成する。
【0030】次いで、実施の形態1と同様にフォトリソグラフィープロセスを用い櫛型電極22,23を形成するとともに抵抗値調整用電極231,232,233,234を形成し、第1の薄膜サーミスタ12を得る。なおこの時に入力電極51、グランド電極52、出力電極53及び導電パターン41も形成する。
【0031】その後実施の形態1と同様の方法にて絶縁基板11上に第1の薄膜固定抵抗31及び第2の薄膜固定抵抗33を形成し、本実施の形態2のサーミスタ温度センサを得る。
【0032】なお抵抗値調整用電極231,232,233,234は、それぞれ除去したときに、第1の薄膜サーミスタ12の抵抗値変化率が2m-1%(m:1〜抵抗値調整用電極231,232,333,234の数)ずつ、変化するように、つまり本実施の形態2においては、4本の抵抗値調整用電極231,232,333,234を除去すると、それぞれ第1の薄膜サーミスタ12の抵抗値が初期値と比較して1%、2%、4%、8%変化するように形成するのである。
【0033】また、櫛型電極23と抵抗値調整用電極231、抵抗値調整用電極231と232、232と233、233と234の間に形成された絶縁スリット241,242,243,244は、櫛型電極23と抵抗値調整用電極231、抵抗値調整用電極231と232、232と233、233と234間の電気的絶縁を確保するものである。これらのことは第1の薄膜サーミスタ12と同様の構成である第2の薄膜サーミスタ13についても言える。
【0034】以上のように形成された本実施の形態2のサーミスタ温度センサにおいて、第1の薄膜サーミスタ12及び第2の薄膜サーミスタ13の抵抗値を測定し目標抵抗値とのずれの割合に応じて除去する抵抗値調整用電極231,232,233,234を選択する。ここで例えば抵抗値調整用電極232を選択した場合について説明する。図3及び図4に示すように抵抗値調整用電極232の一部を下層のサーミスタ層21を含めてレーザ等で除去し、トリミング溝25で隣接する絶縁スリット242,243間をつなぐと共に、櫛型電極23と抵抗値調整用電極232とを絶縁する。
【0035】このように目標抵抗値とのずれの割合に応じて除去する抵抗値調整用電極231,232,233,234を少なくとも一つ以上選択し、隣接する絶縁スリット241,242,243,244間をトリミング溝25でつなぐように、かつ櫛型電極23と絶縁するようにサーミスタ層21を含めて除去する。従って初期値と比較すると1〜15%まで1%刻みで高精度に抵抗値調整を行うことが可能となるため、高い抵抗値精度を有する薄膜サーミスタとなる。従ってサーミスタ温度センサの出力電圧の直線性をさらに高めることができ、結果として温度検知精度を向上させることができる。
【0036】なお、本実施の形態2においては、抵抗値調整用電極231,232,233,234を4本形成しているが、その数は何本形成してもかまわない。従って抵抗値調整用電極の数をm(mは1以上の整数)本とし選択的に除去したときに薄膜サーミスタの抵抗値変化率が初期値と比較して薄膜サーミスタ12の抵抗値を20%=1%〜2m-1%まで1%刻みでデジタル的に調整することが可能となるのである。
【0037】また、本実施の形態2においては、第1の薄膜サーミスタ12の抵抗値を1%刻みで調整できるように抵抗値調整用電極231,232,233,234を形成したが、これは第1の薄膜サーミスタ12の求められる抵抗値との公差が±1%の場合に対応するためである。従って、例えば求められる抵抗値との公差が±3%の時は薄膜サーミスタの抵抗値が3%刻みあるいはそれ以下の割合で変化するように抵抗値調整用電極を形成すればよい。
【0038】さらに絶縁スリットを設けるときは、各抵抗値調整用電極間及び抵抗値調整用電極と櫛型電極間との絶縁状態が確実に確保できるようにする必要がある。なぜならば、これらの電気的絶縁が確保できていないと、各電極間の相互作用により、デジタル的に抵抗値調整を行うことが難しくなるからである。
【0039】さらにまた、薄膜サーミスタの抵抗値は抵抗値調整用電極を除去すると増加することとなる。そのため薄膜サーミスタの抵抗値が最初から目標抵抗値となるように櫛型電極及び抵抗値調整用電極を形成すると、薄膜サーミスタの初期抵抗値が高い場合抵抗値の調整が不可能となる。従って薄膜サーミスタの抵抗値が目標抵抗値よりも低目に櫛型電極及び抵抗値調整用電極を形成することにより、抵抗値調整が不可能なものが発生するのを防ぐことができる。
【0040】(実施の形態3)図5は本発明の実施の形態3におけるサーミスタ温度センサの上面図である。
【0041】このサーミスタ温度センサは、実施の形態1あるいは実施の形態2で示したサーミスタ温度センサの表面を絶縁保護膜61で被覆したものであり、この絶縁保護膜61の下層の構成は、実施の形態1あるいは実施の形態2に示すサーミスタ温度センサと同じであるので、同要素については同番号を付して説明を省略する。
【0042】本実施の形態3のサーミスタ温度センサは以下の方法により得られる。
【0043】まず、実施の形態1あるいは2に示すサーミスタ温度センサを形成する。
【0044】次に、図5に示すように入力電極51、グランド電極52、出力電極53が露出するように絶縁基板11の表面をガラスあるいはポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等を印刷し、熱処理を行うことにより絶縁保護膜61を形成する。
【0045】以上のように形成された本実施の形態3のサーミスタ温度センサは、第1及び第2の薄膜サーミスタ12,13、第1及び第2の薄膜固定抵抗31,21を外部からの熱や湿気等から保護し、第1及び第2の薄膜サーミスタ12,13、第1及び第2の薄膜固定抵抗31,32の抵抗値の経時変化を抑制することができ、長期にわたり安定した温度検知精度を保持することが可能なものである。
【0046】以下本発明のポイントについて記載する。
【0047】(1)図6に示すように本発明のサーミスタ温度センサは−40℃〜125℃の間において従来のようにサーミスタを個別に接続した場合と比較すると出力電圧の直線性に優れ高精度な温度検知ができる。
【0048】(2)実施の形態1〜3においては薄膜サーミスタと薄膜固定抵抗をそれぞれ2個用いたが、薄膜サーミスタ及び薄膜固定抵抗はそれぞれ3個以上かつ同数用いることにより、さらに広い温度範囲にわたり、サーミスタ温度センサの出力電圧の直線性を得ることが可能となる。この場合、薄膜サーミスタは全て同一絶縁基板上に形成することが望ましい。
【0049】また、第(n+1)(ただしn=2以上の整数)の薄膜抵抗体とこの第(n+1)の薄膜抵抗体に直列に接続した第(n+1)の薄膜サーミスタとを第1の薄膜抵抗体31とグランド電極52との間で第nの薄膜抵抗体及び第nの薄膜サーミスタと並列に接続する。
【0050】(3)実施の形態1〜3に示したように薄膜サーミスタだけでなく薄膜固定抵抗も同一絶縁基板に形成することにより、サーミスタ温度センサの小型化を図ることができる。
【0051】(4)第2の薄膜サーミスタ13の抵抗値を第1の薄膜サーミスタ12の抵抗値の1.5倍以上、好ましくは5〜20倍とすることにより、さらに広い温度範囲にわたり出力電圧の直線性を向上させることが可能となる。
【0052】即ちn個の薄膜サーミスタを形成する場合は、第nの薄膜サーミスタの抵抗値を第(n−1)の薄膜サーミスタの抵抗値の1.5倍以上とする。
【0053】(5)同一絶縁基板上に薄膜サーミスタ及び薄膜固定抵抗を複数形成する場合、薄膜サーミスタを隣接させて形成し、できるだけ非測定物に近接するように配置して、温度測定精度に誤差が生じないようにすることが望ましい。
【0054】(6)実施の形態1〜3において第1及び第2の薄膜サーミスタ12,13の電極は櫛型電極22,23としたが、電極形状はこれに限るものでなく所望の抵抗値となるように自由に設定することが可能である。またサーミスタ層21の組成、厚みも同様に自由に設定することが可能である。
【0055】
【発明の効果】以上本発明によると、広い温度範囲(100℃以上)にわたり出力電圧の直線性に優れ、高精度な温度検知が可能なサーミスタ温度センサを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成12年1月11日(2000.1.11)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2001−194247(P2001−194247A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−2165(P2000−2165)