| 【発明の名称】 |
放射温度計冷却装置、放射温度計の冷却方法、放射温度計用背光遮蔽板及び放射温度計用背光遮光板の冷却方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】山内 賢志
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| 【要約】 |
【課題】水漏れ事故のない放射温度計冷却装置、放射温度計用背光遮蔽板を提供する。
【解決手段】放射温度計冷却装置1は、外箱と内箱を有する中空状の2重構造となっており、その内箱の内部に放射温度計2が収納されている。外箱と内箱の間に形成される中空部には、冷却ガス入り口3から冷却媒体である気体が吹き込まれており、この気体は外箱と内箱の冷却を行った後、冷却ガス出口4から排出される。これにより内箱は所定以下の温度に保たれ、その中に収納される放射温度計2も、所定以下の温度に保たれる。この放射温度計取り付け装置は炉壁5に取り付けられ、炉内の鋼板6の温度を測定する。放射温度計冷却装置1の破損により冷却媒体が漏れても、水冷の場合と異なり、製品や設備に悪影響を与えることが無い。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 放射温度計を冷却する冷却装置であって、内部に放射温度計を収容する2重構造の冷却箱と、当該冷却箱の中空部に冷却用気体を導入する気体導入口と、当該冷却箱の中空部から気体を排出する気体排出口とを有してなることを特徴とする放射温度計冷却装置。 【請求項2】 放射温度計を冷却する冷却装置であって、内部に放射温度計を収容する冷却箱と、冷却箱の外壁と内部に収容された放射温度計の間の空間に冷却用気体を導入する気体導入口と、前記空間から気体を排出する気体排出口とを有してなることを特徴とする放射温度計冷却装置。 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の放射温度計冷却装置を使用して炉内温度計測用放射温度計を冷却する方法であって、冷却用気体としてN2ガス、H2ガス等の酸化防止作用、又は還元作用のある気体を用いることを特徴とする放射温度計の冷却方法。 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載の放射温度計冷却装置を使用して炉内温度計測用放射温度計を冷却する方法であって、冷却用気体として炉内雰囲気ガスと同等のガスを用いることを特徴とする放射温度計の冷却方法。 【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載の放射温度計の冷却方法であって、冷却ガスを炉内に排出することを特徴とする放射温度計の冷却方法。 【請求項6】 背光雑音下で物体の温度を放射温度計により測定する場合に、背光を遮蔽するために用いられる放射温度計用背光遮蔽板であって、遮蔽板が気体で冷却されることを特徴とする放射温度計用背光遮蔽板。 【請求項7】 請求項6に記載の放射温度計用背光遮蔽板を冷却する方法であって、冷却用気体としてN2ガス、H2ガス等の酸化防止作用、又は還元作用のある気体を用いることを特徴とする放射温度計の冷却方法。 【請求項8】 請求項6に記載の放射温度計用背光遮蔽板を冷却する方法であって、冷却用気体として炉内雰囲気ガスと同等のガスを用いることを特徴とする放射温度計用背光遮光板の冷却方法。 【請求項9】 請求項7又は請求項8に記載の放射温度計用背光遮光板の冷却方法であって、冷却ガスを炉内に排出することを特徴とする放射温度計用背光遮光板の冷却方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高温物体の温度を測定する放射温度計用の冷却装置、及びその使用方法、並びに放射温度計に入る背光雑音を遮蔽する背光遮光板、及びその使用方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】放射温度計測法は、非接触で物体の温度を測定する方法として有用なため、多くの分野で使われている。しかし、加熱炉内やその周辺など高温雰囲気下で測定を行う場合、精密電子機器である放射温度計をこの高温雰囲気から守るための手段が必要である。例えば、鉄鋼製造ラインのうち、連続焼鈍設備では、材料を700〜900℃近くまで加熱するために、炉内温度は800〜900℃程度となる。 【0003】その中の材料を測定する放射温度計は、炉内又は炉周辺に設置されるため、高温雰囲気にさらされる。精密電子機器である放射温度計は、使用上限温度が高くても50℃程度である場合が多いので、このような高温雰囲気下で使用するためには、従来は水冷式の保護ケース(以下水冷ジャケットと呼ぶ)に収納して用いていた。この水冷ジャケットは、2重構造をしており、内部に放射温度計を収納し、中空部に冷却水を流すことにより、放射温度計の冷却を行うものである。 【0004】その代表的な従来例を図6に示す。放射温度計冷却装置(冷却ジャケット)1は、外箱と内箱を有する中空状の2重構造となっており、その内箱の内部に放射温度計2が収納されている。外箱と内箱のあいだに形成される中空部には、冷却水入り口3’から冷却媒体である水が導入されており、この冷却水は外箱と内箱の冷却を行った後、冷却水出口4’から排出される。これにより内箱は所定以下の温度に保たれ、その中に収納される放射温度計2も、所定以下の温度に保たれる。この放射温度計取り付け装置は炉壁5に取り付けられ、炉内の鋼板6の温度を測定する。 【0005】一方、放射温度計を、加熱炉内等、被測定物以外に高温の物体がある場所で使用する場合、被測定物以外の高温の物体からの放射光の影響(背光雑音と呼ぶ)の影響を受け、精度の良い温度測定は困難である。この対策として、背光雑音を遮蔽するために水冷式の背光遮蔽板を用いることが有効であった。 【0006】図7に、放射温度計に従来の背光遮蔽板を取り付けた図を示す。背光遮蔽板8’は中空状になっており、その中が冷却水で満たされるようになっていて、放射温度計冷却装置(冷却ジャケット)1の先端に接続されている。放射温度計冷却装置1は、外箱と内箱を有する中空状の2重構造となっており、その内箱の内部に放射温度計2が収納されている。 【0007】外箱と内箱の間に形成される中空部には、冷却水入り口3’から冷却媒体である水が吹き込まれており、この冷却水は外箱と内箱の冷却を行った後、背光遮蔽板8’中に流入して背光遮光板を冷却する。そして、再び放射温度計冷却装置1に戻り、冷却水出口4’から排出される。 【0008】なお、9’はパージ管であり、図示しないが2重管構造となっており、中央部は空洞で鋼板6からの放射光が通過して放射温度計2に到達するようになっている。そして、2重管に挟まれた中空部を冷却水が通過し、放射温度計冷却装置1と背光遮蔽板8の間を往復するようになっている。 【0009】なお、以上のような構造とする以外に、放射温度計の冷却と背光遮蔽版の冷却を別々の冷却水系統で行なう場合がある。このようにすると、それぞれの取り付け構造が簡単になり、かつ施工も容易になるという利点がある。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】放射温度計は防水構造ではないため、水冷ジャケットの構造は、冷却水が水冷ジャケット内部に漏れないようなものとする必要がある。また、外部に冷却水が漏れることも、製品品質に影響を及ぼしたり、設備破損の原因となったりすることがあるため許されない。しかし、従来の水冷ジャケットにおいては、構造が複雑になることと、加熱、冷却による熱ひずみ等の影響や、据付の応力、自重による応力等の影響からか、水漏れ事故が生じやすかった。 【0011】また、温度計は冷却されたジャケットの内部に置かれることにより、間接的に冷やされるため、温度計本体の冷却効率は良くなかった。よって、放射温度計が、高温物体から受ける輻射熱や温度計本体から発生する熱により、高温となり故障する場合も少なからず生じていた。 【0012】また、背光遮光板は水漏れがしやすい構造となっており、水漏れが発生したときには、製品品質に影響を及ぼしたり、設備破損の原因となったりすることがあった。 【0013】本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、水漏れ事故のない放射温度計冷却装置、放射温度計用背光遮蔽板及びこれらの使用方法を提供することを課題とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するための第1の手段は、放射温度計を冷却する冷却装置であって、内部に放射温度計を収容する2重構造の冷却箱と、当該冷却箱の中空部に冷却用気体を導入する気体導入口と、当該冷却箱の中空部から気体を排出する気体排出口とを有してなることを特徴とする放射温度計冷却装置(請求項1)である。 【0015】本手段においては、従来使用されたいた放射温度計冷却装置と同様の2重構造からなっているが、異なるのはその中空部に送り込まれる冷却媒体が水でなく気体であるように設計されていることである。よって、冷却に水を用いていないので、外壁や内壁の破損により冷却媒体が漏れ出しても、放射温度計を破損したり、製品品質に影響を与えたり、その他の設備の破損につながることがない。 【0016】前記課題を解決するための第2の手段は、放射温度計を冷却する冷却装置であって、内部に放射温度計を収容する冷却箱と、冷却箱の外壁と内部に収容された放射温度計の間の空間に気体を導入する気体導入口と、前記空間から気体を排出する気体排出口とを有してなることを特徴とする放射温度計冷却装置(請求項2)である。 【0017】本手段は前記第1の手段と異なり、2重構造となっておらず、冷却箱の中に収納された放射温度計と、冷却装置外壁の間に気体を流通させて放射温度計を冷却するようにしている。よって、冷却媒体である気体が直接放射温度計に接触するので、放射温度計の冷却効率を上げることができる。本手段が従来のエアパージ手段と異なるのは、従来のエアパージ手段は、主に、雰囲気、ほこり等により放射温度計の光学系が汚れないようにすることが目的であり、放射温度計を冷却する能力を備えていない。温度計を収納する箱の中に気体を導入することはあっても、内部を保圧して塵芥等の侵入を防ぐのが目的であり、放射温度計を冷却するだけの空気の流れを作り出すものではない。 【0018】前記課題を解決するための第3の手段は、前記第1の手段又は第2の手段を使用して炉内温度計測用放射温度計を冷却する方法であって、冷却用気体としてN2ガス、H2ガス等の酸化防止作用、又は還元作用のある気体を用いることを特徴とする放射温度計の冷却方法(請求項3)である。 【0019】この方法は、炉内製品の酸化を防ぐための雰囲気ガスが炉内に導入されている方式の炉において使用される放射温度計を冷却する場合に有効な方法である。冷却用気体として酸化防止作用、又は還元作用のある気体を用いることにより、放射温度計冷却装置が破損して冷却用気体が炉内に漏れ出しても、製品を酸化させて品質上の問題を起こすことがない。 【0020】前記課題を解決するための第4の手段は、前記第1の手段又は第2の手段を使用して炉内温度計測用放射温度計を冷却する方法であって、冷却用気体として炉内雰囲気ガスと同等のガスを用いることを特徴とする放射温度計の冷却方法(請求項4)である。 【0021】本手段も、前記第3の手段と同様、炉内雰囲気ガスが炉内に導入されている場合に有効な手段である。すなわち、放射温度計冷却装置が破損して冷却用気体が炉内に漏れ出しても、炉内雰囲気ガスと同じ気体が炉内に漏れるだけであるので、製品や設備に影響を及ぼすことが全くない。 【0022】前記課題を解決するための第5の手段は、前記第3の手段又は第4の手段であって、冷却ガスを炉内に排出することを特徴とするものである。 【0023】本手段においては、冷却に使用したガスを外部に排出することなく、積極的に炉内に排出している。前記第4の手段の場合はもちろん、前記第3の手段の場合でも、冷却に使用したガスは雰囲気ガスの一部として使用しても実質上何の影響もない。よって、冷却に使用したガスの有効利用が図れる。さらに、冷却に使用したガスは熱交換により高温となっているので、このガスを炉内に排出することにより、ガス顕熱の有効利用を図ることができる。 【0024】前記課題を解決するための第6の手段は、背光雑音下で物体の温度を放射温度計により測定する場合に、背光を遮蔽するために用いられる放射温度計用背光遮蔽であって、遮蔽板が気体で冷却されることを特徴とする放射温度計用背光遮蔽板(請求項6)である。 【0025】本手段においても、前記第1の手段、第2の手段と同様、冷却媒体として水を使用せず気体を使用しているので、背光遮蔽板が破損することがあっても、製品品質に影響を与えたり、その他の設備の破損につながることがない。 【0026】なお、背光遮光板は背光の影響を除去するために、黒体塗装を施して反射光を抑えるようにしている。そのため背光遮光板自身の放射も誤差の原因となることから、従来においては水冷により低温に保つことが常識化していた。 【0027】しかしながら、発明者等が検討をしたところ、測定波長が1.6μmの温度計を用いて放射率0.3、温度500℃の鋼板を測定する場合には、背光遮光板の表面温度が300℃以下に保たれれば、図8に示すように、測定誤差は無視できる程度になることが分かったので、背光遮光板の表面温度が300℃以下となるような冷却を行えばよい。 【0028】前記課題を解決するための第7の手段は、前記第6の手段を冷却する方法であって、冷却用気体としてN2ガス、H2ガス等の酸化防止作用、又は還元作用のある気体を用いることを特徴とする放射温度計の冷却方法(請求項7)である。 【0029】本手段も、前記第3の手段と同様、炉内製品の酸化を防ぐための雰囲気ガスが炉内に導入されている方式の炉において使用される放射温度計を冷却する場合に有効な方法である。冷却用気体として酸化防止作用、又は還元作用のある気体を用いることにより、背光遮光板が破損して冷却用気体が炉内に漏れ出しても、製品を酸化させて品質上の問題を起こすことがない。 【0030】前記課題を解決するための第8の手段は、前記第6の手段を冷却する方法であって、冷却用気体として炉内雰囲気ガスと同等のガスを用いることを特徴とするもの(請求項8)である。 【0031】本手段も、前記第4の手段と同様、炉内雰囲気ガスが炉内に導入されている場合に有効な手段である。すなわち、背光遮光板が破損して冷却用気体が炉内に漏れ出しても、炉内雰囲気ガスと同じ気体が炉内に漏れるだけであるので、製品や設備に影響を及ぼすことが全くない。 【0032】前記課題を解決するための第9の手段は、前記第7の手段又は第8の手段であって、冷却ガスを炉内に排出することを特徴とするもの(請求項9)である。 【0033】本手段においても、前記第5の手段と同様、冷却に使用したガスを外部に排出することなく、積極的に炉内に排出している。前記第8の手段の場合はもちろん、前記第7の手段の場合でも、冷却に使用したガスは雰囲気ガスの一部として使用しても実質上何の影響もない。よって、冷却使用したガスの有効利用が図れる。さらに、冷却に使用したガスは熱交換により高温となっているので、このガスを炉内に排出することにより、ガス顕熱の有効利用を図ることができる。 【0034】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例を図を用いて説明する。図1は、図1において、1は放射温度計冷却装置、2は放射温度計、3は冷却ガス入り口、4は冷却ガス出口、5は炉壁、6は鋼板である。 【0035】放射温度計冷却装置(冷却ジャケット)1は、外箱と内箱を有する中空状の2重構造となっており、その内箱の内部に放射温度計2が収納されている。外箱と内箱の間に形成される中空部には、冷却ガス入り口3から冷却媒体である気体が吹き込まれており、この気体は外箱と内箱の冷却を行った後、冷却ガス出口4から排出される。これにより内箱は所定以下の温度に保たれ、その中に収納される放射温度計2も、所定以下の温度に保たれる。この放射温度計取り付け装置は炉壁5に取り付けられ、炉内の鋼板6の温度を測定する。 【0036】この放射温度計冷却装置の能力を算定するために、従来の水冷方式の放射温度計冷却装置との比較を行う。例として、冷却配管を32A(内径35.7mm、断面積0.0010m2)とし、従来の水冷却とN2冷却を比較する。 【0037】(水冷の冷却能力)通常の工業用水を冷却に用いる場合、管内の流速は1.5〜2.0m/s、流量で約5.4〜7.2m3/h、比熱は1.0であるので、水温が10℃上昇と仮定すると、抜熱能力で540〜720kcal/hである。 【0038】(N2を用いた場合の冷却能力)圧力400〜1600mmAq(低圧N2)を冷却媒体として用いる場合、管内の流速は10〜20m/s、流量で約36〜72m3/h、比熱は0.249であるので、N2温度が10℃上昇すると仮定すると、抜熱能力で700〜1800kcal/hである。 【0039】このように、N2の比熱は水の1/4であるが、流量は6〜10倍流せるので、同じ形状の冷却ジャケットを使用した場合に、N2冷却の方が水冷よりも冷却能力が高く、N2冷却を使用することによって、水冷の場合よりも冷却装置が大型化することがないことが分かる。 【0040】本発明の実施の形態においては、冷却媒体として空気を用いるのが一般的であるが、空気を用いた場合でも、比熱はN2と大差がないため、効果は同等である。しかしながら、特にマッフル炉のように、測定対象物の酸化防止のために雰囲気ガス(N2とH2の混合気体が使用されることが多い)が炉内に導入されている場合には、冷却媒体として、N2ガスのような酸化防止作用を有するガス、H2ガスのように還元作用を有するガス、さらには雰囲気ガスと同じガスを用いることが好ましい。 【0041】いずれの場合でも、水冷の場合と異なり、水漏れによる製品品質異常、設備異常を防止することができるが、冷却媒体として、N2ガスのような酸化防止作用を有するガス、H2ガスのように還元作用を有するガスを用いれば、冷却ジャケットの破損により冷却ガスが炉内に流入した場合でも、製品品質に影響を及ぼすことがない。特に、雰囲気ガスと同じガスを冷却媒体として使用する場合には、冷却ガスが炉内に漏れた場合でもその製品への影響は全くない。 【0042】図2は、本発明の実施の形態の第2の例である放射温度計冷却装置を、マッフル炉である焼鈍炉において鋼板の温度を測定する放射温度計に利用した場合の概要を示す図である。以下の図において、発明の実施の形態の欄における前出の図に示された構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略することがある。 【0043】図2において、放射温度計冷却装置(冷却ジャケット)1は、外箱と内箱を有する中空状の2重構造となっており、その内箱の内部に放射温度計2が収納されている。外箱と内箱の間に形成される中空部には、冷却ガス入り口3から冷却媒体である気体が吹き込まれており、この気体は外箱と内箱の冷却を行った後、冷却ガス出口4から排出される。これにより内箱は所定以下の温度に保たれ、その中に収納される放射温度計2も、所定以下の温度に保たれる。この放射温度計取り付け装置は炉壁5に取り付けられ、炉内の鋼板6の温度を測定する。 【0044】この基本的な構成は図1に示した実施の形態と同じであるが、冷却ガス出口4が炉内に向けられていることである(パージ管と併用しており、パージ管の内部に排出ガスを流す)。これにより、冷却に使用されたガスは炉内に吹き込まれ、雰囲気ガスの一部となる。この場合には、冷却媒体として使用されるガスは、炉内に吹き込まれたときに製品や設備に悪影響を与えないN2ガスやH2ガス等を用いることが好ましい。特に、雰囲気ガスと同じガスを用いることが最も好ましい。このようにすれば、冷却ジャケット内で熱交換により加熱されたガスを炉内に吹き込むことができ、冷却ガスの顕熱を有効に利用することができる。 【0045】図3は、本発明の実施の形態の第3の例である放射温度計冷却装置を、マッフル炉である焼鈍炉において鋼板の温度を測定する放射温度計に利用した場合の概要を示す図である。図3において7はフィンである。この実施の形態は図2に示した実施の形態と似ているが、放射温度計冷却装置(冷却ジャケット)1が2重構造となっておらず、単なる箱状体から構成されており、その中に放射温度計2が収納されている点が異なっている。冷却媒体が気体であるので、水冷の場合と異なり、放射温度計2に冷却媒体が接触しても問題が発生せず、従って冷却ジャケットを2重構造にする必要な全くない。 【0046】このようにすれば、冷却ガスが直接放射温度計2に接触するので、冷却効率を高めることができる他、放射温度計冷却装置1の構成そのものを簡単なものとすることができる。この場合、放射温度計冷却装置1の外箱の内側にフィン7等を設け、図中に矢印で示すように、冷却ガスが放射温度計2の周りを旋回しながら流れるようにすると、冷却効果を増大させることができる。 【0047】図4は、放射温度計用背光遮光板を放射温度計の先端に取り付けて、マッフル炉である焼鈍炉で鋼板の温度を測定する場合の、本発明の第1の実施の形態である放射温度計用背光遮光板の冷却方法を示す図である。図4において、8は放射温度計用背光遮光板である。 【0048】冷却ガス入り口3から導入された冷却ガスは、放射温度計冷却装置1の中で放射温度計2を冷却した後、放射温度計用背光遮光板7内に入り、空洞になっている放射温度計用背光遮光板7内から放射温度計用背光遮光板7を冷却し、その後で再び放射温度計冷却装置1に戻ってから冷却ガス出口4から排出される。この場合、冷却媒体に気体を使用しても、水冷の場合と同様の冷却効果が得られることは、図1の説明において行った説明により明らかである。 【0049】なお、この場合、冷却ガス出口4はパージ管をかねており、図示していないが内筒と外筒を有する2重構造となっており、内筒内の中心部は空洞となっていて、鋼板6からの放射光がそこを通って放射温度計2に達する。外筒と内筒に囲まれる中空部を冷却ガスが流れ、放射温度計用背光遮光板7に達する。なお、内筒内のパージには別の気体を用いることもできるし、放射温度計冷却装置1を通過した冷却ガスの一部を流すようにしてもよい。 【0050】また、放射温度計2を冷却する気体と、放射温度計用背光遮光板7を冷却する気体を別々に流すような流通経路としてもよい。このようにすると、放射温度計冷却装置1と放射温度計用背光遮光板7の冷却媒体の通路を結合する必要がないので、両者の構造が簡単になると共に、施工も簡単にすることができる。 【0051】このような構成においては、放射温度計用背光遮光板7が破損して冷却ガスが炉内に漏れても、水冷の場合と異なり、製品の品質や設備に悪影響を与えない。このことは、特に冷却ガスとしてN2ガスのような酸化防止作用を有するガス、H2ガスのように酸化作用を有するガスを用いた場合に確実なものとなる。また、冷却ガスとして炉内雰囲気ガスと同じ種類のガスを用いれば全く影響が無くなる。 【0052】図5は、放射温度計用背光遮光板を放射温度計の先端に取り付けて、マッフル炉である焼鈍炉で鋼板の温度を測定する場合の、本発明の第2の実施の形態である放射温度計用背光遮光板の冷却方法を示す図である。本手段においては、図4に示した実施の形態と異なり、放射温度計用背光遮光板7に流入した冷却ガスは放射温度計冷却装置1側に戻らず、炉内に排出される。よって、前記図2の説明で示したような利点が得られると共に、放射温度計用背光遮光板7中における冷却ガスの流れが単純となり、放射温度計用背光遮光板7の冷却効率を高めることができる。 【0053】この場合においても、冷却ガス出口4はパージ管をかねており、図示していないが内筒と外筒を有する2重構造となっており、内筒内の中心部は空洞となっていて、鋼板6からの放射光がそこを通って放射温度計2に達する。外筒と内筒に囲まれる中空部を冷却ガスが流れ、放射温度計用背光遮光板7に達する。なお、内筒内のパージには別の気体を用いることもできるし、放射温度計冷却装置1を通過した冷却ガスの一部を流すようにしてもよい。また、放射温度計2を冷却する気体と放射温度計用背光遮光板7を冷却する気体を別々の流通経路で流すようにしてもよいことは、図4において説明したとおりである。 【0054】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求項1に係る発明においては、冷却に水を用いていないので、外壁や内壁の破損により冷却媒体が漏れ出しても、放射温度計を破損したり、製品品質に影響を与えたり、その他の設備の破損につながることがない。請求項2に係る発明においては、これに加えて、冷却媒体である気体が直接放射温度計に接触するので、放射温度計の冷却効率を上げることができる。 【0055】請求項3に係る発明においては、放射温度計冷却装置が破損して冷却用気体が炉内に漏れ出しても、製品を酸化させて品質上の問題を起こすことをさらに確実に防止することができる。請求項4に係る発明においては、放射温度計冷却装置が破損して冷却用気体が炉内に漏れ出しても、製品や設備に影響を及ぼすことが全くない。 【0056】請求項5に係る発明においては、冷却に使用したガスの有効利用とガス顕熱の有効利用を図ることができる。請求項6に係る発明においては、背光遮蔽板が破損して冷却用気体が炉内に漏れ出しても、製品品質に影響を与えたり、その他の設備の破損につながることがない。 【0057】請求項7に係る発明においては、背光遮蔽板が破損して冷却用気体が炉内に漏れ出しても、製品を酸化させて品質上の問題を起こすことをさらに確実に防止することができる。請求項8に係る発明においては、背光遮蔽板が破損して冷却用気体が炉内に漏れ出しても、製品や設備に影響を及ぼすことが全くない。請求項9に係る発明においては、冷却に使用したガスの有効利用とガス顕熱の有効利用を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004123 【氏名又は名称】日本鋼管株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月4日(2000.1.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094846 【弁理士】 【氏名又は名称】細江 利昭
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| 【公開番号】 |
特開2001−194239(P2001−194239A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−28(P2000−28) |
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