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【発明の名称】 複合放物面集光(CPC)型放射計
【発明者】 【氏名】齋藤 武雄

【要約】 【課題】従来技術の黒球温度計(グローブサーモメーター)を使用すると、放射の指向性を計測できないという短所、屋外では風の影響を受けやすい上に、応答性が悪いという欠点がある。

【解決手段】3次元形状の複合放物面集光(CPC)型の反射鏡を有し、黒塗り銅球を集熱球に用いた放射フラックス計を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 3次元形状の複合放物面集光(Compound Parabolic Concentrator 以下CPC)型の反射鏡を有することを特徴とする放射計。
【請求項2】 CPC型放射計に用いる集熱球に、熱伝導率の高い銅球に黒色塗料を塗布したものを取り付け、その温度変化から放射流束を算出するという特徴を有する請求項1記載の放射冷却器。
【請求項3】 CPC型放射計用開口部カバー材料に、測定対象とする放射の波長領域での透過率が高い特性を持ったウィンドウを用い、さらにCPC内部を真空に近づけたもの、もしくはヘリウムなどの希ガス類を充満させたことを特徴とする請求項1記載の放射計。
【請求項4】 CPC型放射計に用いる反射面材質に、高い反射率をもち、放射率の小さいアルミニウム板、もしくはそれに相当する表面加工処理を施したものを用いるという特徴を有する請求項1記載の放射計。
【発明の詳細な説明】【発明の属する技術分野】この発明はCPC形状を利用した放射を測定する放射計に関する。
【従来の技術】周囲環境が及ぼす人体への熱放射の評価に際して、従来の放射環境測定装置として黒球温度計(グローブサーモメーター)が使用されている。黒球温度計の例を図4に示す。黒球温度計の標準径は直径約15cmの薄銅板製の中空球体で、表面は黒いつや消しに仕上げられ、内部の中心に棒状温度計がくるように挿入されている。黒球温度計を約20分間空中に置くと、周壁との放射熱量と銅版表面に触れる対流空気との伝達熱量が平衡して温度計の示度が安定する。このときの温度と気温、気流の速度から周囲環境から人体への平均放射温度を算出することができる。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の従来技術によれば、周囲からの熱放射の指向性が計測できないという短所、応答が遅い上に気流の卓越した屋外の測定では平均放射温度の精度が極めて悪いという欠点がある。そこで、この発明は、周囲環境からの熱放射の指向性を精度良く、しかも気流の影響なく計測することが可能な放射計を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するために、請求項1の発明は、3次元形状の複合放物面集光(以下CPC)型の反射鏡を有することを特徴とする放射計である。また、請求項2の発明は、CPC型放射計に用いる集熱球に、熱伝導率の高い銅球に黒色塗料を塗布したものを取り付け、その温度変化から放射流束を算出するという特徴を有する放射計である。請求項3の発明は、CPC型放射計用開口部カバー材料に、測定対象とする放射の波長領域での透過率が高い特性を持ったウィンドウを用いるという特徴を有する放射計である。請求項4の発明は、CPC型放射計に用いる反射面材質に、高い反射率をもち、放射率の小さいアルミニウム板、もしくはそれに相当する表面加工処理を施したものを用いるという特徴を有する放射計である。
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態を、図1、図2、および図3に示す。CPC型放射計は、反射板1、つや消し黒塗りの集熱球2からなり、集熱球2内部に熱電対3をつけ、全球方向に可動できる三脚上に設置している。なお、例では開口部カバーを設けていないが、気流の影響などによる対流熱損失を抑え、反射面にゴミ等が付着するのを防ぐため、開口部にカバー4を設け、さらに内部を真空にすることもある。CPC型の反射板1には高い反射率をもち、放射率の小さいアルミニウム板などを用いる。集熱球2として熱伝導率の高い銅製の球体を取り付け、球内部の温度を測るために銅―コンスタンタン熱電対を施し、セラミックの中空棒で支持している(図3参照)。なお、集熱球の表面は、つや消し黒色塗料を塗布したものを用いる。実施形態の効果 この実施形態によれば、放射計は、CPC形状特有の許容偏角よりも小さい入射角で入射する熱放射のみを集熱球に集束するため、放射計の向きを変化させることによって放射の指向性を測定することが可能となる。一方で、熱放射が銅球に集束されることにより、黒球温度計と比較して、弱い放射でも応答性が良くなるという利点があり、さらにCPC形状のため、もし開口部カバーがない場合でも気流の擾乱に大きく影響されないという利点がある。他の実施形態 図1の実施形態では、CPC開口部4にカバーを設けていないが、気流などによる対流熱損失を抑え、反射面にゴミ等が付着するのを防ぐため、CPC開口部4にカバーを設け、さらに内部を真空にすることもある。
【発明の効果】この発明による効果を図5に示す。図中の放射指向放射フラックスがCPC型放射計を向けた各方向の許容偏角内に入射する熱放射の量である。測定地点は、新宿歌舞伎町1丁目付近の繁華街で、日時は1999年8月25日の昼2時である。このようにCPC放射計の許容偏角と方向を制御することによって、放射の指向性を任意に測定することが可能となることがわかる。以上説明したように、この発明によれば、周囲環境からの熱放射の測定において、従来の黒球温度計では、測定できない放射の指向性を測定することが可能である。
【出願人】 【識別番号】000253352
【氏名又は名称】齋藤 武雄
【出願日】 平成12年1月11日(2000.1.11)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−194231(P2001−194231A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−2598(P2000−2598)