| 【発明の名称】 |
走査光学系の光スポット径測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】清水 研一
|
| 【要約】 |
【課題】走査光学系の測定において測定時間の短縮、自動化、及び精度の向上を図った光スポット径測定装置を提供する。
【解決手段】走査光学系1の回転多面鏡4により走査可能なレーザー光束を光スポットとして受光する測定用の光センサ6と、該光センサの受光面6aを被走査面に所望の測定ポイントへ変位させる光センサ変位手段7,12と、上記回転多面鏡の2以上の角部を挟持可能なクランプ状部材16により該回転多面鏡4をステッピングモータ9と回動自在に接続して成る光スポット位置変位手段と、上記光センサ6の受光信号に基づいて上記光センサ変位手段及び上記光スポット位置変位手段を制御するとともに光スポット径等を算出する制御手段11と、を有する構成である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 正角柱形状の回転多面鏡を回転自在に支持する走査光学系により走査可能なレーザ光束を被走査面上に光スポットとして集光させ、上記被走査面上の所望の主走査位置における光スポット径を測定する装置であって、上記光スポットを受光する測定用の光センサと、該光センサの受光面を被走査面に等価な測定面の近傍へ変位させる光センサ変位手段と、上記回転多面鏡の正角柱形状の角部を挟持することによって該回転多面鏡を駆動源と回動自在に接続し上記光スポット位置を被走査面上の任意の位置に変位させ停止させる光スポット位置変位手段と、上記光センサの受光情報信号に基づいて上記光センサ変位手段及び上記光スポット位置変位手段を制御するとともに光スポット径等を算出する制御手段と、を有することを特徴とする走査光学系の光スポット径測定装置。 【請求項2】 上記光スポット位置変位手段は、上記回転多面鏡の少なくとも一以上の角部を挟持するクランプ状部材により上記回転多面鏡を駆動源へ接続して構成されることを特徴とする請求項1記載の走査光学系の光スポット径測定装置。 【請求項3】 上記クランプ状部材は、板バネ状の弾性を有しその板状の端部をほぼ直角に折り曲げた挟持部を上記回転多面鏡の角部に当接するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の走査光学系の光スポット径測定装置。 【請求項4】 上記クランプ状部材は、その面数を偶数とした回転多面鏡の角部のうち、少なくとも対角線上のいずれか2頂点に対向する挟持部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の走査光学系の光スポット径測定装置。 【請求項5】 上記クランプ状部材は、その面数を奇数とした回転多面鏡の角部のうち、少なくともいずれか3頂点に対向する挟持部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の走査光学系の光スポット径測定装置。 【請求項6】 上記クランプ状部材は、上記回転多面鏡上面の凹部又は凸部と嵌合可能なガイド部を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の走査光学系の光スポット径測定装置。 【請求項7】 上記クランプ状部材は、その挟持部に上記回転多面鏡の角部に接触する高摩擦材を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の走査光学系の光スポット径測定装置。 【請求項8】 上記クランプ状部材は、その挟持部にゴム材を有することを特徴とする請求項7記載の走査光学系の光スポット径測定装置。 【請求項9】 上記クランプ状部材は、その挟持部にエメリを有することを特徴とする請求項7記載の走査光学系の光スポット径測定装置。 【請求項10】 上記クランプ状部材は、その挟持部に上記回転多面鏡の角部に係合する溝形状を有することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の走査光学系の光スポット径測定装置。 【請求項11】 上記光スポット位置変位手段の駆動源は、上記回転多面鏡と同軸上に対向配置されるもので、上記走査光学系の外部に支持される位置調整可能なステッピングモータであることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の走査光学系の光スポット径測定装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、回転多面鏡によりレーザ走査を行う走査光学系からの光束を被走査面上に光スポットとして集光させ、上記被走査面上の所望の主走査位置における光スポット径等を測定する装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】レーザ光束を被走査面上に光スポットとして集光させ、被走査面を走査する走査光学系は、レーザプリンタやデジタル複写機といった各種の画像形成装置に関して広く知られている。近来、走査光学系による走査の「高密度化やマルチビーム化」が意図され、光スポット径の計測には、より高精度・自動化が要求されるようになってきている。 【0003】光スポットは被走査面上で移動して被走査面を走査するが、被走査面上における光スポットの理想的な移動方向を主走査方向とよび、被走査面上で主走査方向に直交する方向を副走査方向と呼ぶことは周知の通りである。ここで言う「被走査面」は仮想的な平面であり、実体的には光導電性の感光体の感光面である。光スポットの移動軌跡を「主走査ライン」と呼ぶ。光スポット径は走査光学系を構成するレンズの特性などにより、主走査ラインの全てにわたって一定とはなり得ない。従って主走査ラインを何点かに分割し、各々の点での光スポット径を測定することが一般に行われている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、光スポット径の測定はビームを静止させた状態で行われる。したがって、回転多面鏡を用いてビームを走査する走査光学系の場合、光スポットを被走査面上の所望の主走査位置に正確に集光させるためには、回転多面鏡を正確な位置に停止させる必要がある。 【0005】しかしながら、通常、回転多面鏡はモータと直結しており、数万rpmで高速回転するような構成になっており、正確な位置に停止させる機能は備わっていない。従来はビーム位置を確認しながら手作業により回転多面鏡を回転させ、目的の位置に停止させていたため、測定に時間がかかると共に、回転多面鏡の停止位置精度のばらつきも大きかった。そこで、本発明は、上記課題を解決するために考えられたもので、測定時間の短縮、測定の自動化、及び測定精度を向上させた走査光学系の光スポット径測定装置を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明の走査光学系の光スポット径測定装置は、正角柱形状の回転多面鏡を回転自在に支持する走査光学系により走査可能なレーザ光束を被走査面上に光スポットとして集光させ、上記被走査面上の所望の主走査位置における光スポット径を測定する装置であって、上記光スポットを受光する測定用の光センサと、該光センサの受光面を被走査面に等価な測定面の近傍へ変位させる光センサ変位手段と、上記回転多面鏡の正角柱形状の角部を挟持することによって該回転多面鏡を駆動源と回動自在に接続し上記光スポット位置を被走査面上の任意の位置に変位させ停止させる光スポット位置変位手段と、上記光センサの受光情報信号に基づいて上記光センサ変位手段及び上記光スポット位置変位手段を制御するとともに光スポット径等を算出する制御手段と、を有することを特徴としている。 【0007】上記光スポット位置変位手段は、上記回転多面鏡の少なくとも一以上の角部を挟持するクランプ状部材により上記回転多面鏡を駆動源へ接続して構成されるとすることができる。 【0008】上記クランプ状部材は、板バネ状の弾性を有しその板状の端部をほぼ直角に折り曲げた挟持部を上記回転多面鏡の角部に当接する構成とすることができる。 【0009】上記クランプ状部材は、その面数を偶数とした回転多面鏡の角部のうち、少なくとも対角線上のいずれか2頂点に対向する挟持部を有する構成、または、その面数を奇数とした回転多面鏡の角部のうち、少なくともいずれか3頂点に対向する挟持部を有する構成とすることでき、それぞれの場合に、上記回転多面鏡上面の凹部又は凸部と嵌合可能なガイド部を有する構成とすることもできる。 【0010】上記クランプ状部材は、その挟持部に上記回転多面鏡の角部に接触する高摩擦材を有する構成とするとよく、この場合、上記クランプ状部材は、その高摩擦材としてゴム材又はエメリを有する構成とすることができる。また、上記クランプ状部材は、その挟持部に上記回転多面鏡の角部に係合する溝形状を有する構成としてもよい。 【0011】上記光スポット位置変位手段の駆動源は、上記回転多面鏡と同軸上に対向配置されるもので、上記走査光学系の外部に支持される位置調整可能なステッピングモータである構成にすることができる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。図1は、本実施例の光スポット径測定装置の測定部の概略を示す平面図である。図2は、図1の光スポット径測定装置の側面図である。被測定ユニットである走査光学系ユニット1には、半導体レーザ2、コリメートレンズ及びシリンドリカルレンズ3、回転多面鏡4、及びfθレンズ5などが設置されている。 【0013】上記走査光学系ユニット1内にあって、その周方向に等間隔の鏡面が成形されたいわゆる正角柱形状の回転多面鏡4は、走査光学系ユニット1上に回転自在に支持されている。この回転多面鏡4に対して半導体レーザ2から放出したレーザービームは、コリメートレンズ及びシリンドリカルレンズ3によって回転多面鏡4の鏡面に集光される。回転多面鏡4に集光されたレーザービームは、その鏡面で反射してfθレンズ5を通過し、被測定面である像面に相当する位置に配置された光センサ6の受光部6aを照射する。光センサ6としてはスリットスキャニング方式、又はエリアCCD方式を使用することができる。 【0014】上記走査光学系ユニット1から被測定面に結像する光スポット径を測定する本実施例の装置は、光センサ6、この光センサ6の移動ステージ7,8,12、上記回転多面鏡4に接続される駆動源としてのステッピングモータ9、及該ステッピングモータ9及び上記移動ステージ7,8,12等を制御するためのコンローラ10及びパソコン11からなる制御手段により構成されている。 【0015】光センサ6は、Xステージ7により、レーザービームの主走査領域(図中のX方向領域)を移動でき、任意の像高に変位可能である。同様にこの光センサ6は、Yステージ8により図中のY方向を移動でき、これによって測定平面として仮想する被走査面に設定可能である。 【0016】また、図2に示すように、光センサ6はZステージ12により、被走査面における副走査方向Z(主走査方向Xと垂直な方向)に移動できる。そして、このZステージ12に上記のXステージ7、Yステージ8を加えた3種類の移動ステージによって測定時に必要とされるポジションに変位することができる。また、この光センサ6は、コントローラ10を介してパソコン11に接続されている。また、その光センサ6に対してはこのパソコン11等からなる制御手段により、ステッピングモータ9を介して回転多面鏡4を駆動制御することで被測定面上に集光する光スポットの位置を変位させることができる。 【0017】実際の測定では、主走査ライン全域から複数の測定ポイントが適宜に選択され、これら測定ポイントを「所望の主走査位置」として測定が行われる。この所望の主走査位置にて回転多面鏡4が反射するレーザービームを光センサ6の受光部6aのほぼ中心に光スポットとして結像させる。このために光センサ6の受光情報信号に基づき、上記Xステージ7、Yステージ8、及びZステージ12を駆動制御し、また、ステッピングモータ9によって回転多面鏡4を回転、停止制御することで、その受光位置が正確に調整可能である。そして、その光センサ6からの出力は、コントローラ10を経てパソコン11に取り込まれる。パソコン11は、光センサ6からの出力に基づきその演算機能によって光スポット径及び光スポットの中心位置などを算出可能である。 【0018】図2に示されるように、上記構成の走査光学系ユニット1は専用台13上に固定し、その回転多面鏡4の上方に、走査光学系ユニット1とは別の独立なステッピングモータ9が配置され、ステッピングモータ9は回転多面鏡4に接続している。このステッピングモータ9はアーム14の先端部に取り付けられており、そのスタンド19にてこのアーム14の突量及び高さが調整可能である。こうして、走査光学系ユニット1の外部からアーム14によって位置決めされたステッピングモータ9の駆動軸9aが、回転多面鏡4の回転軸線とほぼ同軸上にありこれが回転多面鏡4と対向するように位置している。 【0019】図3から図5は、上記回転多面鏡4とクランプ状部材16の結合部の斜視図である。以下、結合部の構成について幾つかの実施例を説明する。図3は、クランプ状部材16の第1実施例を示している。上記ステッピングモータ9と、回転多面鏡4とは、カップリング15及びクランプ状部材16によって遊びなく接続されている。このクランプ状部材16は、板ばね等で構成することができ、図3で例示したクランプ状部材16では、一枚の板状体の両端をほぼ垂直に下方へ折り曲げて形成した挟持部16aと、その中央位置にカップリング15へ接続可能な軸部16bとを設けている。図3中の矢印で示すように、2つの挟持部16aは軸部16bを中心にして板バネ状の弾性を有するものであり、各々の挟持部16aの内側面が回転多面鏡4の側面ミラー間の角部4aに圧接するように当接するため、ステッピングモータ9の駆動を伝動可能な状態で回転多面鏡4を挟持している。 【0020】また、この第1実施例の回転多面鏡4は6面の構成であるから、軸中心を挟むように対向し合うある2つの頂点(角部4a)をクランプ状部材16により挟むことができるので容易に遊びなく結合することができる。この状態でステッピングモータ9を駆動することにより、回転多面鏡4に駆動が伝わり光スポット位置が変位し、ステッピングモータ9の分解能と同じ分解能で回転多面鏡4を駆動でき、所望の主走査位置に光スポットを設定することが可能となる。このように回転多面鏡4の面数が偶数であれば、その正角柱形状には必ずある1対以上の2頂点が存在するため、6面の場合に限らず上記と同様の構成で結合が可能である。 【0021】また、このクランプ状部材16は、剛性の高い板状体であるがその上下方向へ(挟持部16aではほぼ左右方向へ)の弾性を持つような肉厚であり、その水平方向、すなわち回転方向には極めて剛性が高いため回転方向にバックラッシュ等の原因となる撓みは生じない。このようにして駆動源と結合されたクランプ状部材16が回転多面鏡4を挟持し連結する構成によれば、容易に回転多面鏡4を保持できるとともに、回転多面鏡4の位置を正確に制御可能である。 【0022】図4は、クランプ状部材16の第2実施例を示している。第2実施例の回転多面鏡4は5面の構成であり、偶数面の場合と異なり対向する頂点が存在しない。このため、適当な3頂点をクランプ状部材16により挟んで遊びなく結合している。このように、回転多面鏡4の面数が奇数であれば、3頂点を選ぶことで確実な結合が可能である。ただし、このように面数が奇数でも下記のような方式によって2頂点のみを挟持する構成をとることもできる。 【0023】図5は、クランプ状部材16の第3実施例を示している。この第3実施例の回転多面鏡4も5面の構成であり、上記のように3頂点での結合方法が実施可能であるが、しかし、5面以下の面数では、回転多面鏡4のいずれの側面に対しても必ず挟持部16aのいずれかの一部が被さってしまう。このためレーザービームが鏡面の端部で反射した場合にけられが発生する恐れがある。また、単純に2頂点だけをクランプしたのでは、回転多面鏡4とクランプ状部材16の芯が少しでもずれていた場合に遊びなく結合することは困難である。 【0024】そこで、一般的に回転多面鏡4はその中心部に穴又は突起形状が存在することが多いので、これを芯ずれ防止の凸部又は凹部として利用することができる。例えば、図5の第3実施例では回転多面鏡4の回転軸部に穴4bがある。この穴4bに嵌合可能なカイド部としての軸部材16cをクランプ状部材16に設けている。そして、このクランプ状部材16の軸部材16cを回転多面鏡4の穴4bに挿入し、ここを支点にして2つの挟持部16aにより角部4aの2頂点を挟持させている。このような回転多面鏡4の穴4b等を利用すれば、挟持する箇所を減らすことができ、また遊びなく結合できる。もちろん、穴4bがなくそこから軸形状が突出している構成の回転多面鏡の場合は、これに嵌合可能な穴をクランプ状部材16の中心に形成しこのクランプ状部材16の穴に対して回転多面鏡の軸形状を挿入する構成をとるとよい。 【0025】また、上記回転多面鏡4は、一般にアルミなどの金属からなるもので、その頂点が鋭角であることから上記板ばね状のクランプ状部材16などで直接的に挟むだけでは、その滑面な挟持部16aにより滑りが発生する恐れがある。したがって、各挟持部16aには滑り止めを設けることが望ましい。 【0026】図6は、挟持部16aに高摩擦材としてゴムを有するクランプ状部材16の斜視図である。各々の挟持部16aの内側面にはゴム板17などを接着等により固定し、回転多面鏡4の頂点に対しての滑りを防止している。 【0027】図7は、挟持部16aに高摩擦材としてエメリ18を有するクランプ状部材16の斜視図である。高摩擦材としては、ゴムのほかにエメリ18(Emery)、すなわち研磨剤等からなるヤスリ状のものを使用できる。特に、上記ゴムなど変形しやすい弾性部材を用いる場合は、その撓みによってステッピングモータ9の回転が正確に伝わらず、逆転時にはバックラッシュが発生する恐れもある。そこで、変形しにくいエメリなどの高摩擦材を配することで滑りと共にバックラッシュを防止することができる。 【0028】図8は、挟持部16aに溝16dを形成したクランプ状部材16の斜視図である。挟持部16aに上記エメリなどの高摩擦材を用いれば、滑りがなく且つバックラッシュも防止可能であるが、この場合、操作ミスにより回転多面鏡4の反射面を傷つけてしまう恐れがある。 【0029】そこで、この例では挟持部16aに直に溝16dを成形している。剛体である挟持部16aの内側各々に、回転多面鏡4の角部4aに対して係合可能な溝16dを形成し、ここで回転多面鏡4の頂点を押さえるようにすることで滑りとバックラッシュを防止するとともに回転多面鏡4の反射面を傷つける不具合もなくなる。 【0030】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の光スポット径測定装置によれば、回転多面鏡側には何の加工もせずにその駆動源と遊びなく結合することができるとともに、特に手作業等によって回転多面鏡の位置を決める従来の装置と比べて、測定時間が短縮され、測定の自動化が可能となり、また測定精度が向上する。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006747 【氏名又は名称】株式会社リコー
|
| 【出願日】 |
平成11年6月28日(1999.6.28) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2001−13004(P2001−13004A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月19日(2001.1.19) |
| 【出願番号】 |
特願平11−181084 |
|