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【発明の名称】 トラック積載雪量計測方法
【発明者】 【氏名】穴山 正信

【氏名】内田 辰英

【要約】 【課題】トラックの荷台に積載されている雪の量を迅速かつ正確に計測することができる計測方法を提供することである。

【解決手段】トラックの側方と後方からビデオカメラによりトラックを撮影し、撮影された画像から雪の画像である側方雪量画像および後方雪量画像を抽出し、雪量画像を数値積分することによってピクセル雪量を求め、これを基にしてトラックの荷台に積載されている雪の量を計算する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トラックに積載された雪量を計測する方法であって、トラックの側方に配置された側方ビデオカメラとトラックの略後方に配置された後方ビデオカメラによってトラックを撮影する段階と、側方ビデオカメラによって撮影された側方画像から、トラックのアオリの下端部から上方に存在する雪の側方画像である側方雪量画像を抽出する段階と、側方画像から得られるピクセル長で、対応する箇所の実長を除することによって、側方スケールファクタを求める段階と、後方ビデオカメラによって撮影された後方画像から、トラックのアオリの下端部から上方に存在する雪の後方画像である後方雪量画像を抽出する段階と、後方画像から得られるピクセル長で、対応する箇所の実長を除することによって、後方スケールファクタを求める段階と、側方雪量画像の最高点を後方雪量画像の最高点に合わせるようにピクセル長を調整する段階と、側方雪量画像の各断面位置に対応した後方雪量画像を求め、トラックの荷台後端部から荷台前端部に向かって或いは荷台前端部から荷台後端部に向かって雪量画像を数値積分することによって、トラックのアオリの下端部から上方に存在する雪のピクセル雪量を計算する段階と、前記ピクセル雪量に側方スケールファクタおよび後方スケールファクタを乗ずることによって、トラックのアオリの下端部から上方に存在する第1の雪量を計算する段階と、トラックの荷台の実長から、トラックのアオリの下端部から下方に存在する第2の雪量を計算する段階と、第1の雪量に第2の雪量を加えることによって、トラックに積載された雪量を求める段階とを備えていることを特徴とする方法。
【請求項2】 後方雪量画像の下端幅を、トラックの荷台の実幅となるように補正する段階を備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般に、トラック積載雪量計測方法に関する。より詳細には、本発明は、トラックの荷台に積載されている雪の量を迅速かつ正確に計測することができるトラック積載雪量計測方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】積雪地域では、冬期に、道路に降り積もった雪をダンプ・トラック(本明細書では、単に「トラック」という)に載せて雪捨場まで運搬し廃棄する排雪作業が実施される。このような排雪作業の際に、運搬業者に支払う運搬費用の算定基準とするため、トラックの荷台に積載された雪の量を計測する必要がある。従来は、荷台に積載された雪を計算し易いように人手により整形した後、目視により雪量を計測する方法が用いられている。しかしながら、このような方法では、各トラック毎に雪を整形しなければならないため、計測作業にかなりの時間と労力を要するという課題を有している。
【0003】一方、雪を積んだトラックの重量を測定し、それを基にして雪量を計測する方法も考えられる。しかしながら、雪の含水率が一定ではないため、このような方法によって雪量を正確に計測することは極めて困難である。
【0004】したがって、本発明は、トラックの荷台に積載されている雪の量を迅速かつ正確に計測することができる計測方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に記載のトラック積載雪量計測方法は、トラックの側方に配置された側方ビデオカメラとトラックの略後方に配置された後方ビデオカメラによってトラックを撮影する段階と、側方ビデオカメラによって撮影された側方画像から、トラックのアオリの下端部から上方に存在する雪の側方画像である側方雪量画像を抽出する段階と、側方画像から得られるピクセル長で、対応する箇所の実長を除することによって側方スケールファクタを求める段階と、後方ビデオカメラによって撮影された後方画像から、トラックのアオリの下端部から上方に存在する雪の後方画像である後方雪量画像を抽出する段階と、後方画像から得られるピクセル長で対応する箇所の実長を除することによって、後方スケールファクタを求める段階と、側方雪量画像の最高点を後方雪量画像の最高点に合わせるようにピクセル長を調整する段階と、側方雪量画像の各断面位置に対応した後方雪量画像を求め、トラックの荷台後端部から荷台前端部に向かって或いは荷台前端部から後端部に向かって雪量画像を数値積分することによって、トラックのアオリの下端部から上方に存在する雪のピクセル雪量を計算する段階と、前記ピクセル雪量に側方スケールファクタおよび後方スケールファクタを乗ずることによって、トラックのアオリの下端部から上方に存在する第1の雪量を計算する段階と、トラックの荷台の実長から、トラックのアオリの下端部から下方に存在する第2の雪量を計算する段階と、第1の雪量に第2の雪量を加えることによってトラックに積載された雪量を求める段階とを備えていることを特徴とするものである。
【0006】本願請求項2に記載のトラック積載雪量計測方法は、前記請求項1の方法において、後方雪量画像の下端幅を、トラックの荷台の実幅となるように補正する段階を備えていることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】次に図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態に係るトラック積載雪量計測方法について説明する。図1は、本発明の計測方法を実施する計測施設の一例を示した概略平面図である。計測施設は、計測時にトラックが停車する停車スペースと、停車スペースの傍に配置されたIDカード(識別カード)ゲートと、停車スペースに停車しているトラックを側方から撮影する側方ビデオカメラと、停車スペースに停車しているトラックを略後方から撮影する後方ビデオカメラとを備えている。なお、ビデオカメラには、通常のビデオカメラの他、赤外線ビデオカメラも含まれる。
【0008】IDカードゲートには、計測しようとするトラックを識別するデータが磁気的に記録されたIDカードを挿入するためのスロット(図示せず)が設けられており、停車スペースにトラックを停車させた運転手がIDカードをスロットに挿入することにより、当該トラックの識別番号が認識されるようになっている。なお、IDカードゲート自体は、公知の技術であるので、詳細な説明は省略する。
【0009】計測施設の一角には、計測室が設けられており、計測室内には、コンピュータやモニタ(図示せず)が配置されている。そして、IDカードゲート、側方ビデオカメラ、および後方ビデオカメラは、ケーブル(図示せず)を介して、コンピュータやモニタにそれぞれ接続されている。
【0010】コンピュータの記憶装置(例えば、ハードディスク)には、トラックの識別番号に対応して、荷台幅(内側寸法)W、荷台深さ(内側寸法)HW、荷台長さ(内側寸法)L、左アオリ高さHL、右オアリ高さHR、荷台前壁部高さHQ、荷台前壁部幅BL、荷台前壁部厚さBS、荷台全長LF、運転室全長LB等のトラックの寸法に関するデータが格納されている。そして、IDカードをスロットに挿入すると、当該トラックの識別番号が認識され、その識別番号に対応する上述の種々のデータがコンピュータのメモリに読み込まれるようになっている。
【0011】なお、計測施設の壁面は、後述する理由のため、黒色に塗られている。
【0012】図2は、側方ビデオカメラによって撮影されたトラックの側方画像を示した概略図である。トラックの側方画像から、以下のようにして側方雪量画像を抽出する。ここで「側方雪量画像」とは、アオリの下端部から上方に存在する雪の側方画像(図2において、右上上がりのハッチングで図示)を意味している。
【0013】まず、背景色検索により、トラックの最前端部と最後端部を検出する。より詳細に説明すると、上述のように、トラックの側方壁面が黒色に塗られているため、コンピュータ上で側方画像から黒色部分を取り除くことにより、トラックの最前端部と最後端部を検出する。
【0014】次いで、上述のように、コンピュータの記憶装置に格納されているトラックのデータベースから当該トラックのデータ(荷台全長LF、運転室全長LB、荷台幅Wなど)をコンピュータのメモリに読み込む。画像解析では、実長を得ることはできず、ピクセル長しか得ることができないため、画像解析により得られたピクセル長(荷台全長ピクセル長lb、運転室全長ピクセル長lf)を用いて、側方スケールファクタS1=LB/lb又はLF/lfを計算する。以後、側方スケールファクタS1を用いることにより、ピクセル長から実長を計算することができる。
【0015】次いで、側方画像上において荷台前壁頂部の位置を検出し、記憶装置に格納されている荷台前壁部の実高さHQを側方スケールファクタS1で除する(すなわち、HQ/S1)ことにより、荷台前壁部のピクセル高さhqを得ることができる。これにより、側方画像上においてアオリの下端部の位置を確定することができる。
【0016】次いで、側方画像上において、アオリの下端部から下方部分を削除し、荷台前端部から前方部分を削除し、荷台後端部から後方部分を削除し、荷台前壁部のアオリの上端部から上方部分を削除する。これにより、図2においてハッチングで示される(アオリ等で隠されている部分については破線のハッチングで示される)ような側方雪量画像が得られる。
【0017】なお、側方雪量画像の精度を向上させるため、荷台前端部および荷台後端部において側方雪量画像の修正を行うのが好ましい。すなわち、荷台前端部では、荷台前壁部が存在するために側方画像から実際の雪の形状を得ることができない。そこで、側方画像において荷台前端部とアオリの上端部の延長線とが交差する箇所10と、荷台前壁部とアオリの上端部とが交差する箇所12とを結んだ水平線を、荷台前端部における雪の形状と仮定する。また、荷台後端部でも、アオリが存在するために側方画像から実際の雪の形状を得ることができない。そこで、側方画像においてアオリの上端部と雪の外郭線とが交差する箇所14と、荷台後端部の上端箇所16とを結んだ直線を、荷台後端部における雪の形状と仮定する。これらの仮定は、本発明者による種々の実験の結果、実際の雪の形状に略近似していることが分かっている。
【0018】図3は、後方ビデオカメラによって撮影されたトラックの後方画像を示した概略図である。後方雪量画像は、トラックの後方画像から、アオリの下端部より上方の部分を抽出することによって確定する。ここで「後方雪量画像」とは、荷台の上端部から上方に存在する雪の後方画像(図3において、右上上がりのハッチングで図示)を意味している。なお、後方画像が側方画像と比較して簡単であるので、側方雪量画像の場合のように背景色検索を行わずに、後方画像から後方雪量画像を直接得ることができる。
【0019】次いで、コンピュータのメモリに読み込まれている荷台幅Wおよび画像解析により得られた荷台幅ピクセル長wから、後方スケールファクタS2=W/wを計算する。
【0020】次に、上述のようにして得られた側方雪量画像と後方雪量画像から、積載雪量を計算する。まず、側方雪量画像と後方雪量画像のスケール調整を行う。すなわち、側方雪量画像の最高点を後方雪量画像の最高点に合わせるようにピクセル長を調整する。これにより、側方雪量画像と後方雪量画像のスケールが合致することになる。
【0021】次いで、トラックの荷台後端部から荷台前端部に向かって、或いは荷台前端部から荷台後端部に向かって、雪量画像を数値積分することによってピクセル雪量vを求める。ここで「ピクセル雪量」とは、ピクセル長を基にして計算した雪量を意味している。
【0022】なお、後方雪量画像では、側方雪量画像の最高点Pmax (断面位置max )に対応した雪量画像しか得られないため、本計測方法では、側方雪量画像の任意断面位置iに対応した後方雪量画像を以下のようにして求める。図4(a)に示した図形は、断面位置max における後方雪量画像(高さhmax )を示しており、図4(b)に示した図形は、断面位置iにおける後方雪量画像(高さhi )を示している。ピクセル操作で図4(b)に示した図形を直接求めるのは困難であるので、側方雪量画像の最高点Pmax に対応した後方雪量画像において、頂点から高さhi の位置に水平線を引き、当該水平線より下方に位置する図形(図4(c)の破線部)を削除する。このようにして得られた図形は、最下部の幅が相違している(図4(b)ではw、図4(c)ではwi )である点を除いて、図4(b)の図形と略類似した図形である。次いで、図4(c)の図形において、最下部の両側に(w−wi )×0.5を均等にそれぞれピクセル追加して得られた図形を、側方雪量画像の任意断面位置iに対応した後方雪量画像とする。本発明者による種々の実験によれば、上述のようにして得られた後方雪量画像が実際の形状に略合致していることが分かっている。
【0023】以上より、アオリの下端部より上方の雪量V1は、次式で求められる。
V1=v×S1×S2一方、アオリの下端部より下方の雪量(即ち、荷台に収容されている雪量)V2は、記憶装置に格納されているデータを用いて、次式で求められる。
V2=L×W×HWしたがって、トラック積載雪量Vは、次式で求められる。
V=V1+V2【0024】本発明は、以上の発明の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0025】たとえば、後方ビデオカメラの設置スペース等の関係上、トラックの真後ろの撮影位置を確保できないことがある。この場合には、図5に示されるように、後方ビデオカメラによって撮影された後方雪量画像は、撮影角θの誤差を含むこととなる。ここで撮影角θは、トラックの中心線と後方ビデオカメラの中心線とのなす角度である。
【0026】このような場合には、後方雪量画像の幅w′が、記憶装置に格納されている荷台幅Wとなるように後方雪量画像を補正することにより、撮影角θによる誤差を解消することができる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、トラックの荷台に積載された雪を側方および後方からビデオカメラで撮影し、これらの撮影画像を用いて、積載雪量を迅速かつ正確に計測することが可能である。
【出願人】 【識別番号】599153806
【氏名又は名称】札幌建設運送事業協同組合
【識別番号】599153817
【氏名又は名称】株式会社情報システムコンサルタント
【出願日】 平成11年10月29日(1999.10.29)
【代理人】 【識別番号】100104330
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 誠二
【公開番号】 特開2001−124611(P2001−124611A)
【公開日】 平成13年5月11日(2001.5.11)
【出願番号】 特願平11−309356