| 【発明の名称】 |
写真測量用カメラおよびこの写真測量用カメラを用いた写真測量方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】上園 忍
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| 【要約】 |
【課題】最適なディストーション補正を行って、高精度の測量図を得る。
【解決手段】カメラ100は被写体を撮像するCCD21を備える。CCD21により得られた測量画像は、デジタル信号である画像データとして記録制御回路72に出力する。システムコントロール回路50は、撮像時の絞り値に対応したディストーション補正値をROM40から読み出して、記録制御回路72に出力する。記録制御回路72は画像データと共にメモリカード30に格納する。画像処理装置は、メモリカード30から画像データおよびディストーション補正値を読み出して、測量図を作成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の絞り値と各絞り値におけるディストーションを補正するためのディストーション補正値との関係を記録したディストーション補正値記憶手段と、1フレーム分の測量画像を得るごとに、設定された絞り値に対応したディストーション補正値を前記ディストーション補正値記憶手段から読み出す読出手段と、前記測量画像とともに、前記読出手段により読み出したディストーション補正値を所定の記録媒体に記録する記録手段とを備えたことを特徴とする写真測量用カメラ。 【請求項2】 前記ディストーション補正値記憶手段が、写真測量用カメラに内蔵されたROMであることを特徴とする請求項1記載の写真測量用カメラ。 【請求項3】 前記所定の記録媒体がメモリカードであることを特徴とする請求項1記載の写真測量用カメラ。 【請求項4】 前記所定の記録媒体が銀塩フィルムであることを特徴とする請求項1記載の写真測量用カメラ。 【請求項5】 請求項1に記載の写真測量用カメラを用いて、前記測量画像、前記絞り値および前記ディストーション補正値を得る第1ステップと、前記第1ステップにより得られた測量画像、前記絞り値および前記ディストーション補正値を画像処理装置に読み込む第2ステップと、前記画像処理装置において、前記測量画像の再生時に、前記ディストーション補正値に基づいて前記測量画像を補正する第3ステップとを備えたことを特徴とする写真測量方法。 【請求項6】 前記画像処理装置が、モニタおよび入力装置を備えたパーソナルコンピュータであることを特徴とする写真測量方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は写真測量における測量画像のディストーション補正に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、写真測量では高精度の測量図を得るために、カメラ撮影により得られた測量画像に対して、カメラ固有のレンズの歪曲収差を補正するためのディストーション補正処理が施される。このディストーション補正処理は、例えば測量画像上の任意の像点の2次元座標を公知のKararaの式により変換して、補正座標を算出する。このKararaの式には、カメラの絞り値により値が異なるパラメータ(以下、ディストーション補正値と記載する)が含まれており、このディストーション補正値は、写真測量に先立つキャリブレーションにより予め求められている。 【0003】従来では、測量画像のデジタル画素データとともに代表的な絞り値に対応したディストーション補正値を記録し、パーソナルコンピュータ等による測量図作成時に、代表的なディストーション補正値による補正を行っていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述したようにディストーション補正値はカメラの絞り値ごとに変化するため、従来の写真測量方法では、設定された絞り値が代表的な絞り値と異なる場合には最適なディストーション補正が行えず、高精度な測量図が得られないという問題があった。 【0005】本発明はこのような従来の問題点を解消すべく創案されたもので、最適なディストーション補正を行うことにより、高精度の測量図を生成することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明に係る写真測量用カメラは、複数の絞り値と各絞り値におけるディストーションを補正するためのディストーション補正値との関係を記録したディストーション補正値記憶手段と、1フレーム分の測量画像を得るごとに、設定された絞り値に対応したディストーション補正値をディストーション補正値記憶手段から読み出す読出手段と、測量画像とともに、読出手段により読み出したディストーション補正値を所定の記録媒体に記録する記録手段とを備えたことを特徴としている。これによって、画像再生時に最適なディストーション補正を実行でき高精度の測量図が得られる。 【0007】写真測量用カメラにおいて、ディストーション補正値記憶手段は、具体的には写真測量用カメラに内蔵されたROMであってもよい。 【0008】写真測量用カメラにおいて、測量画像およびディストーション補正値が記録される記録媒体はメモリカードであってもよく、この場合撮像素子により撮像が行われ、測量画像およびディストーション補正値はデジタルデータとして記録される。また記録媒体は銀塩フィルムであってもよく、この場合銀塩フィルムを露光することにより被写体像を記録し、ディストーション補正値は被写体像と共にフィルムに記録される。 【0009】また本発明に係る写真測量方法は、複数の絞り値と各絞り値におけるディストーションを補正するためのディストーション補正値との関係を記録したディストーション補正値記憶手段と、1フレーム分の測量画像を得るごとに、設定された絞り値に対応したディストーション補正値をディストーション補正値記憶手段から読み出す読出手段と、測量画像とともに、読出手段により読み出したディストーション補正値を記録する記憶手段とを備えた写真測量用カメラを用いて測量画像、絞り値およびディストーション補正値を得る第1ステップと、第1ステップにより得られた測量画像、絞り値およびディストーション補正値を画像処理装置に読み込む第2ステップと、画像処理装置において、測量画像の再生時にディストーション補正値に基づいて測量画像を補正する第3ステップとを備えたことを特徴としている。これによって、最適なディストーション補正を実行でき高精度の測量図が得られる。 【0010】写真測量方法において用いられる画像処理装置は、具体的にはモニタ装置およびマウスやキーボードの入力装置を備えたパーソナルコンピュータであってもよい。 【0011】 【発明の実施の形態】次に本発明に係る写真測量用カメラ、およびこの写真測量用カメラを用いた写真測量方法の実施形態を図面に基づいて説明する。 【0012】図1は本発明の実施形態である写真測量用カメラの主要構成を示すブロック図である。カメラ100は全般の動作を制御するシステムコントロール回路50を備え、このシステムコントロール回路50は、中央演算処理ユニット(CPU)、種々のルーチンを実行するためのプログラム、またはデータ等を一時的に格納する書込み/読出し自在なメモリ(RAM)等を備えたマイクロコンピュータである。 【0013】システムコントロール回路50にはレリーズスイッチ74およびメインスイッチ76が接続され、レリーズスイッチ74のオンにより撮影動作が開始される。またメインスイッチ76のオン/オフによりカメラ100の電源が投入され、あるいは切断される。またシステムコントロール回路50には、カメラ100の種々の設定状態を表示するための表示装置36が接続され、この表示装置36はLCDにより構成される。 【0014】カメラ100は撮影光学系12を備え、この撮影光学系12には複数のレンズ群および絞り12aが組み込まれる。絞り12aの開度はアイリス駆動回路51により調節され、アイリス駆動回路51は露出制御回路54により制御される。絞り12aは4種の絞り値(F3. 5、F5.6、F8、F11 )に基づいてその開度が設定可能であり、絞り値は設定ダイヤル78により適宜手動設定される。また、カメラ100はオートフォーカス機能を有し、設定ダイヤル78によりオートフォーカスが選択されると、測光センサ56の出力に基づいてシステムコントロール回路50により絞り値が自動的に設定される。手動または自動で設定された絞り値は、システムコントロール回路50内のRAMに一時的に格納される。なお、絞り値の数は4に限定されない。 【0015】カメラ100の内部には、光電変換素子として機能するCCD(Charge Coupled Device )から成るCCDエリアイメージセンサ21(以下、CCDと省略する)が設けられる。CCD21は、例えば水平方向に1280個、垂直方向に1000個に格子状に配列された画素を備える。 【0016】撮影光学系12とエリアセンサ21との間にはクイックリターンミラー15が設けられ、クイックリターンミラー15の上方にはファインダ光学系17のピント板17aが設けられる。クイックリターンミラー15はミラー駆動回路52によって回動させられ、ミラー駆動回路52の動作は露出制御回路54によって制御される。露出制御回路54は測光センサ56の出力信号に基づいて、システムコントロール回路50の制御下で動作する。 【0017】クイックリターンミラー15は、通常、図中実線で示すダウン位置に有り、撮影光学系12を通過した光をファインダ光学系17に導く。撮影動作時、クイックリターンミラー15はミラー駆動回路52により上方にはね上げられ、図中破線で示すアップ位置に定められる。これにより、撮影光学系12を通過した光がCCD21の受光面に導かれ、そこで結像される。 【0018】CCD21は電子シャッタ機能を有し、露光時間である電荷蓄積時間は測光センサ56からの出力信号に基づいて調節させられる。所定の露光時間の間、CCD21は被写体の光学像を画素毎の電気信号に変換する。所定の露光時間が経過すると、エリアセンサ駆動回路58によりCCD21から電気信号が順次読み出されて1フレーム分のアナログ画素信号として出力されるとともに、クイックリターンミラー15はダウン位置に戻される。 【0019】CCD21から読み出された1フレーム分のアナログ画素信号は、アンプ60により増幅された後、A/D変換器62によってデジタル画素信号に変換され、画像処理回路64に入力される。画像処理回路64では、デジタル画素信号に適当な画像処理、例えばシェーディング補正、ガンマ補正処理やホワイトバランス処理等が施され、1フレーム分のメモリ容量を持つメモリ66に一端格納される。1フレーム分のデジタル画素信号を画像データと呼ぶ。 【0020】画像データはエンコーダ68へ出力され、同期信号を付加する等の処理が施されて一連のビデオカラー信号に変換され、液晶タイプのモニタ装置70に送信されてそこで被写体像が再現される。これにより、操作者はモニタ装置70において、撮影した被写体像を静止画としてモニタし得る。 【0021】一方、画像データは記録制御回路72にも出力され、ここで所定のフォーマットに従ってメモリカード30の所定の記録領域に書き込まれて格納される。記録制御回路72は、システムコントロール回路50の制御下において、メモリカード30に対するデータの書込みおよび読出しを行う。 【0022】図2は、システムコントロール回路50に接続される読出し専用メモリ40(以下、ROMと記載する) 内に格納されるデータを示す図である。カメラ100の4つの絞り値(F3. 5、F5.6、F8、F11 )に対するディストーション補正値は、測量前に行われるキャリブレーションによって予め求められ、ROM40内の所定領域に格納される。 【0023】詳述すると、絞り値F3. 5に対応してディストーション補正値D21、D41、D61、P11およびP21の数値列がROM40内の所定領域に順に格納されており、同様に絞り値F5.6に対応するディストーション補正値D22、D42、D62、P12およびP22、絞り値F8に対応するディストーション補正値D23、D43、D63、P13およびP23、絞り値F11 に対応するディストーション補正値D24、D44、D64、P14およびP24が所定領域にそれぞれ順に格納される。 【0024】さらに、ROM40にはCCD21の水平方向の画素ピッチPx(以下、CCDピッチと記載する)および垂直方向の画素ピッチPyと、CCD21の撮像面の中心に対する撮影光学系12による結像中心のずれ量、即ち画像中心のシフト量(Xc,Yc)とが格納されている。 【0025】図1を再び参照すると、絞り値が所定の値、例えばF5.6に設定されたときには、システムコントロール回路50により、設定された絞り値F5.6に対応したディストーション補正値D22、D42、D62、P12およびP22がCCDピッチ(Px,Py)およびシフト量(Xc,Yc)と共にROM40から読み出され、記録制御回路72へ出力される。そして、読み出されたデータF5.6、D22、D42、D62、P12、P22、Px、Py、XcおよびYcは画像データとともにメモリカード30へ書き込まれる。 【0026】図3はメモリカード30の記憶領域のフォーマットを示す概念図である。1フレーム分の測量画像に関する画像データおよびディストーション補正値等の付加データを併せて測量画像データPDとし、図3に示すように区分された各記憶領域には複数の測量画像データPD(図3ではn−2番目〜n+1番目の測量画像データPDn-2 〜PDn+2 が示されている)が順次格納される。各記憶領域はヘッダ領域Hと画像データ格納領域IMDとを有し、画像データ格納領域IMDの後には予備のスペース領域SPが設けられる。 【0027】画像データ格納領域IMDには画像データ即ち1フレーム分のデジタル画素データ列が格納される。ヘッダ領域Hはさらに5つの格納領域H1、H2、H3、H4およびH5を有し、それぞれには画像名や撮影日(H1)、絞り値(H2)、ディストーション補正値(H3)、CCDピッチ(H4)、画像中心のシフト量(H5)が格納される。画像名はカメラ100においてマニュアルで入力される。また絞り値はシステムコントロール回路50のRAMから読み出され、ディストーション補正値、CCDピッチおよびシフト量はROM40から読み出される。 【0028】図4は、システムコントロール回路50において実行される記録処理ルーチンを示すフローチャートである。この記録処理ルーチンは、画像処理回路64により1フレーム分の画像データの生成が終了した後に実行される。 【0029】まず、ステップS101において、手動あるいは自動で設定された絞り値がRAMから読み出され、さらにステップS102において読み出された絞り値に対応したディストーション補正値と、CCDピッチおよびシフト量とがROM40から読み出される。そして、ROM40から読み出されたデータは、画像名や撮影日等のデータと共に記録制御回路72へ出力される。そして、ステップS103において記録制御回路72へ出力されている画像データとともに、ヘッダ(H)のデータがメモリカード30に書き込まれて、この記録処理ルーチンは終了する。 【0030】なお、絞り値とディストーション補正値の対応関係を格納するディストーション補正値記憶手段としてはROMのみならず、強誘電性メモリ、ICカード等種々の記憶手段を採用し得ることはいうまでもない。 【0031】次に図5〜図8を参照して、カメラ100を用いた写真測量方法を説明する。図5は撮影時のカメラ100と被写体である4個の物点q1 、q2 、q3 、q4との位置関係を3次元的に示す模式図である。 【0032】カメラ100は、初期位置、例えば電源が投入された基準カメラ位置M0 から第1カメラ位置M1 へ、さらに第2カメラ位置M2 へ移動し、第1および第2カメラ位置M1 、M2 においてそれぞれ測量画像の撮影が行われ、各カメラ位置に対応して2つの測量画像データが、図3に示すフォーマットに基づいてメモリカード30に格納される。なお、図中、基準カメラ位置M0 および第2カメラ位置M2 におけるカメラ100は破線で示される。 【0033】ここで、基準カメラ位置M0 、第1および第2カメラ位置M1 、M2 のそれぞれは撮影光学系12の後側主点位置で示され、各カメラ位置M0 、M1 およびM2 におけるカメラ100のレンズ光軸の方向は、それぞれ図中一点鎖線L0 、L1 およびL2 で示される。なお、第1および第2カメラ位置M1 、M2 においてカメラ100の焦点距離は一致する。 【0034】図6は画像処理装置の構成を示すブロック図である。カメラ100により得られた第1および第2カメラ位置M1 、M2 における測量画像は、撮影後にメモリカード30を介して画像処理装置200に読み込まれる。そして、2フレーム分の測量画像はここで再生されてモニタ210に表示されるとともに、これら測量画像に基づいて測量図が作成されてモニタ210に表示される。 【0035】画像処理装置200は汎用のパーソナルコンピュータであり、CPU(中央演算処理ユニット)202を備えている。CPU202には入出力制御部204が接続され、入出力制御部204には、入力装置であるキーボード206およびマウス208、測量画像や測量図を表示するモニタ210、測量図等を印刷するためのプリンタ212、およびメモリカード30の内容を読取るカードリーダ214がそれぞれ接続される。入出力制御部204は、CPU202の制御下において、これらキーボード206、マウス208、モニタ210、プリンタ212、カードリーダ214の動作を制御する。 【0036】CPU202にはメモリ216が接続され、メモリ216はCPU202の演算処理におけるキャッシュメモリとして使用される。またメモリ216には、メモリカード30から読み込まれた測量画像データ(画像データおよびディストーション補正値など)や、モニタ210に表示すべき内容が保持される。なお、本実施形態において処理される測量画像は2枚であるが、画像処理装置200は3枚以上の画像を処理し得る。 【0037】図7は、第1および第2カメラ位置M1 、M2 と、各カメラ位置M1 、M2 に対応した第1および第2スクリーンS1 、S2 と、被写体(物点q1 、q2 、q3 、q4 )との関係を幾何学的に示す模式図である。 【0038】ここでは北をZ方向、鉛直方向をY方向とする右手系の3次元直交座標系が絶対座標系(X,Y,Z)として設定され、この絶対座標系における被写体(物点q1 、q2 、q3 、q4 )の3次元座標が算出され、これら算出された3次元座標に基づいて測量図が描かれる。物点qのパラメータをi(i=1〜4)とすると、絶対座標系(X,Y,Z)における物点qi の3次元座標(以下、絶対座標と記載する)はqi (xi ,yi ,zi )で表される。 【0039】第1および第2スクリーンS1 およびS2 は、歪曲収差のないレンズによって被写体像が投影される理想上の結像面であり、第1および第2光軸L1 およびL2 は第1および第2スクリーンS1 およびS2 に対して垂直に、かつ結像中心C1 およびC2 を通過する。この第1および第2スクリーンS1 およびS2 上に投影される被写体像は、実際の被写体と相似関係にある。 【0040】カメラ100には後側主点位置を原点、撮像面の水平方向をx軸、垂直方向をy軸、レンズ光軸方向をz軸とする右手系の3次元直交座標系が設定され(以下、カメラ座標系と記載する)、このカメラ座標系はカメラ100の移動に伴って移動する。基準カメラ位置M0 のカメラ座標は、基準カメラ位置M0 を原点、基準光軸L0 に沿った座標軸をz0 軸とする基準カメラ座標系(x0 ,y0 ,z0)として示される。同様に、第1および第2カメラ位置M1 、M2 についてもそれぞれ第1カメラ座標系(x' ,y' ,z' )および第2カメラ座標系(x'',y'',z'')が設定される。 【0041】絶対座標系(X,Y,Z)と、基準座標系(x0 ,y0 ,z0 )または第1カメラ座標系(x' ,y' ,z' )または第2カメラ座標(x'',y'',z'')との関係は、原点移動量即ち原点Oに対する基準カメラ位置M0 、第1および第2カメラ位置カメラ位置M1 、M2 の3次元の平行移動量と、3軸周りの回転角即ちZ軸に対する基準光軸L0 、第1および第2カメラ位置光軸L1 、L2 の回転移動量で表すことができる。 【0042】絶対座標系(X,Y,Z)において、原点から基準カメラ位置M0 の平行移動量は(Δx0 ,Δy0 ,Δz0 )、第1カメラ位置M1 の平行移動量は(Δx1,Δy1 ,Δz1 )、第2カメラ位置M2 の平行移動量は(Δx2 ,Δy2 ,Δz2 )で表され、またZ軸に対する基準光軸L0 の回転移動量は(Δα0 ,Δβ0 ,Δγ0 )、第1光軸L1 の回転移動量は(Δα1 ,Δβ1 ,Δγ1 )、第2光軸L2 の回転移動量は(Δα2 ,Δβ2 ,Δγ2 )で表される。 【0043】言い換えると、基準座標系(x0 ,y0 ,z0 )の原点である基準カメラ位置M0 は絶対座標系(X,Y,Z)の原点に対して(Δx0 ,Δy0 ,Δz0 )だけ平行移動し、x0 、y0 およびz0 軸は、それぞれx、yおよびz軸に関して角度Δα0 、Δβ0 およびΔγ0 だけ回転している。第1カメラ座標系(x' ,y' ,z' )および第2カメラ座標(x'',y'',z'')についても同様である。 【0044】これら平行移動量および回転移動量の値は、カメラ100内にGPS(全地球測位システム)用受信センサやジャイロセンサ等を設けて測定してもよいし、また測量画像内に寸法形状が既知の構造物を移しこんで、実際の寸法形状と測量画像上の寸法形状との相似関係に基づいて算出してもよい。絶対座標系(X,Y,Z)における被写体(物点qi )の3次元座標の算出を行う前に、平行移動量および回転移動量は既知のパラメータとされる。なお、平行移動量および回転移動量の算出については公知であり、ここでは詳述しない。 【0045】第1カメラ座標系(x' ,y' ,z' )における物点qi (i=1〜4)の3次元座標、即ちカメラ座標をcxi1(cxi1,cyi1,czi1)、第2カメラ座標(x'',y'',z'')における物点qi のカメラ座標をcxi2(cxi2,cyi2,czi2)と定義し、カメラ座標系のパラメータをj(j=1,2)とすると、第jカメラ座標系における物点qi のカメラ座標はcxij(cxij,cyij,czij)と表すことができる。 【0046】このカメラ座標cxij(cxij,cyij,czij)と、上述した絶対座標qi(xi ,yi ,zi )との関係は(1)式により示される。(1)式における(Δxj ,Δyj ,Δzj )および(Δαj ,Δβj ,Δγj )は、第jカメラ座標(j=1,2)の絶対座標系に対する平行移動量および回転移動量である。 【0047】 【数1】
【0048】また、第1スクリーンS1 はx'-y' 平面に対して平行かつ焦点距離fだけ離れた平面に一致しており、第1スクリーンS1 には結像中心C1 を原点とする2次元座標系が第1スクリーン座標系(X' ,Y' )として設定される。第1スクリーン座標系のX' 軸およびY' 軸は、第1カメラ座標系のx' 軸およびy' 軸にそれぞれ平行である。第1スクリーンS1 には、物点q1 〜q4 から第1カメラ位置M1 に向う直線上に、対応する像点Q11〜Q41がそれぞれ投影される。第1スクリーン座標系(X' ,Y' )におけるこれら像点Q11〜Q41の2次元座標はQ11(X11,Y11)、Q21(X21,Y21)、Q31(X31,Y31)およびQ41(X41,Y41)で表される。 【0049】第2スクリーンS2 についても同様、第2スクリーン座標系(X'',Y'')が設定され、物点q1 〜q4 はそれぞれ第2スクリーン座標系(X'',Y'')上の像点Q12(X12,Y12)、Q22(X22,Y22)、Q32(X32,Y32)およびQ42(X42,Y42)に投影される。 【0050】従って、第jスクリーン座標における物点qi の2次元座標(以下、スクリーン座標と記載する)は、Qij(Xij,Yij)で表すことができる。ここで、物点qi の絶対座標(xi ,yi ,zi )と像点Qijのスクリーン座標(Xij,Yij)との関係は(2)式により表される。(2)式のfは焦点距離であり、双方のスクリーンS1 、S2 において同値である。 【0051】 【数2】
【0052】従って(1)および(2)式により、像点Qijのスクリーン座標(Xij,Yij)を物点qi の絶対座標(xi ,yi ,zi )に変換することができる。なお、スクリーン座標Qij(Xij,Yij)はレンズの歪曲収差を無視した値である。 【0053】ここで、像点Qijについて、スクリーン座標(Xij,Yij)と、レンズの歪曲収差を考慮したディストーション補正座標(DXij,DYij)との関係は(3)式のKararaの補正式により定義される。 【0054】 【数3】
【0055】(3)式においては、パラメータD2 、D4 、D6 、P1 およびP2 はディストーション補正値であり、ヘッダH3(図3)に格納されたディストーション補正値、例えば絞り値がF5.6であればD22、D42、D62、P12およびP22がそれぞれ代入される。また、XC およびYC は計算上の結像中心Cj とCCD21の実際の撮像中心、即ち測量画像の中心とのずれ量であり、ヘッダH5(図3)に格納されたシフト量(XC ,YC )が代入される。 【0056】従って、像点Qijのディストーション補正座標(DXij,DYij)が、実際の測量画像から読取られた像点Qijの2次元座標に最も近い値とみなすことができる。以上のことを鑑みて、測量画像から読取られた像点Qijの2次元座標を(AXij,AYij)とし、ディストーション補正座標(DXij,DYij)との差Φが最も小さくなるような物点qi の絶対座標(xi ,yi ,zi )が算出される。具体的には、差Φは(4)式により定義され、逐次近似解法によりこの(4)式を収束条件とする絶対座標(xi ,yi ,zi )の収束解が算出される。なお、(4)式のPxおよびPyには、ヘッダH4(図3)に格納されていたCCDピッチ(Px,Py)がそれぞれ代入される。 【0057】 【数4】
【0058】このように、本実施形態のカメラ100は、測量画像をメモリカード30に格納する際にディストーション補正処理に必要なパラメータ(ディストーション補正値)を一緒に格納する機能を有しており、これにより画像処理装置200においてはメモリカード30から測量画像を読み込む時、自動的にディストーション補正値が得られ、操作者が意識することなく、ディストーション補正処理を自動的に行える。従って、画像処理装置200における操作性も向上し、処理時間の短縮が可能になるだけでなく、高精度の測量図が容易に得られる。 【0059】図8には、画像処理装置200のモニタ210(図5)の画面が概念的に示される。画像処理装置200のCPU202内には上述の座標演算およびディストーション補正処理を行うためのプログラムが格納されている。モニタ210の画面上には、測量画像表示領域IMA、測量図表示領域DRA、および種々の設定を指示するためのメニュー領域MMが設定される。 【0060】測量画像表示領域IMAには、メモリカード30から読み込まれた2枚の測量画像IM1およびIM2が並列に表示される。これら測量画像IM1およびIM2は、メモリカード30の画像データ格納領域IMDに格納された画像データに基づいて再現されており、この時点でディストーション補正処理は施されていない。 【0061】操作者がマウス208を用いて、双方の測量画像IM1およびIM2に共通する像点Q11およびQ12を指定すると、像点Q11およびQ12に対応する物点q1 に関して、上述の演算、即ち(1)〜(4)式に基づいて絶対座標q1 (x1 ,y1 ,z1 )の算出およびディストーション補正がCPU202により行なわれる。そして、測量図表示領域DRAには、鉛直上方から見た水平面上の物点q1 の位置が点表示される。続いて像点Q21およびQ22を指定すると、測量図表示領域DRAに物点q2 が点表示され、両方の物点q1 およびq2 を結ぶ直線L1が自動的に生成される。 【0062】同様に、像点Q31およびQ32の指定により物点q3 が、像点Q41およびQ42の指定により物点q4 が測量図表示領域DRAに表示される。このような処理を繰り返すことにより、道路の外形を示す複数の直線Lからなる水平面図が測量図として得られる。この測量図に表示される物点qi (i=1〜4)の座標値はディストーション補正処理が施された値、即ちレンズの歪曲収差を考慮した値であり、実測値に極めて近似した値である。 【0063】ここで、測量画像IM1およびIM2には、同位置に載置され寸法形状が既知であるターゲットTが写し込まれており、このターゲットTの角部の点が上述した絶対座標系(X,Y,Z)の原点Oに定められ、測量図表示領域DRAに点表示される。また、測量画像IM1およびIM2がメモリカード30から読み込まれると、ターゲットTの寸法形状に基づいて、第jカメラ座標(j=1,2)の絶対座標系に対する平行移動量(Δxj ,Δyj ,Δzj )および回転移動量(Δαj ,Δβj ,Δγj )がCPU202において算出され、像点Qij(i=1〜4;j=1,2)の指定以前にその値が定められている。 【0064】なお、本実施形態では、カメラ100は撮像素子により測量画像のデジタルデータを得る電子スチルカメラであるが、銀塩フィルムを露光することにより測量画像を得る銀塩スチルカメラであってもよい。この場合、銀塩フィルムには被写体像と共にディストーション補正値等のヘッダ情報(図3のヘッダH)が露光により記録され、現像後フィルムスキャナ等により読取って測量画像およびディストーション補正値のデジタルデータを得、デジタルデータが画像処理装置200に入力される。画像処理装置200における処理は同じであるが、(4)式の代わりにCCDピッチを考慮しない(5)式が用いられる。 【0065】 【数5】
【0066】また、本実施形態においては、モニタ210の画面において指定された物点qに対してのみディストーション補正処理を行っているが、測量画像表示領域IMAに表示させる前に、各測量画像IM1およびIM2の全画素に対してディストーション補正処理を施して、補正後の測量画像を測量画像表示領域IMAに表示させてもよい。 【0067】 【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、最適なディストーション補正を実現でき、これによって高精度の測量図を容易に生成し得る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000527 【氏名又は名称】旭光学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月15日(1999.11.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090169 【弁理士】 【氏名又は名称】松浦 孝
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| 【公開番号】 |
特開2001−141453(P2001−141453A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月25日(2001.5.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−323659 |
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