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【発明の名称】 航空写真撮影計画シミュレーション方法
【発明者】 【氏名】嶋本 孝平

【氏名】橋本 哲男

【氏名】宮田 憲介

【要約】 【課題】

【解決手段】撮影対象領域をカバーする航空写真を撮るための撮影計画をシミュレーションする航空写真撮影計画シミュレーション方法において、前記撮影対象領域を少なくとも含む地形を表す3次元メッシュデータを用意し、撮影縮尺、焦点距離、フィルムサイズ等の撮影条件を表すパラメータと共に、コンピュータに入力し、投影不可領域しきい値を設定し、前記撮影対象領域に対する撮影コースを設定し、該撮影コースにそっての撮影ラップ率を設定し、コース撮影開始位置を設定し、コース内撮影位置を設定し、コース内の撮影位置での投影不可領域の数値を算出し、該算出された投影不可領域の数値と前記投影不可領域しきい値とを比較することにより撮影計画の良否を判定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 撮影対象領域をカバーする航空写真を撮るための撮影計画をシミュレーションする航空写真撮影計画シミュレーション方法において、前記撮影対象領域を少なくとも含む地形を表す3次元メッシュデータを用意し、撮影縮尺、焦点距離、フィルムサイズ等の撮影条件を表すパラメータと共に、コンピュータに入力し、投影不可領域しきい値を設定し、前記撮影対象領域に対する撮影コースを設定し、該撮影コースにそっての撮影ラップ率を設定し、コース撮影開始位置を設定し、コース内撮影位置を設定し、コース内の撮影位置での投影不可領域の数値を算出し、該算出された投影不可領域の数値と前記投影不可領域しきい値とを比較することにより撮影計画の良否を判定することを特徴とする航空写真撮影計画シミュレーション方法。
【請求項2】 前記投影不可領域は、前記メッシュデータで表現される地形の各面の向きと、対象となる面と写真の投影中心を結ぶベクトルとの位置関係によって判定される請求項1記載の航空写真撮影計画シミュレーション方法。
【請求項3】 前記撮影計画の良否判定において、不良と判定された場合において、コース起点を再設定することにより、再度判定を行なう請求項1または2記載の航空写真撮影計画シミュレーション方法。
【請求項4】 前記撮影計画の良否判定において、不良と判定された場合において、前記撮影ラップ率を再設定することにより、再度判定を行なう請求項1または2または3記載の航空写真撮影計画シミュレーション方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、航空写真測量に関するものであり、特に、航空写真測量に伴う航空写真撮影計画シミュレーション方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】航空写真測量のために航空写真を実際に撮影する前に、対象領域に亘ってすべての部分が撮影されるようにするには、どのような飛行コースでどのような撮影位置および撮影間隔で写真をとっていけばよいのかについて、予め撮影計画を立てるのが普通である。従来、このような撮影計画は、地図上で撮影対象範囲を包括することのみを目的として行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このように地図上で撮影対象範囲を包括できればよいとした撮影計画では、例えば、対象範囲内に山岳地域等の急峻な地形が含まれているような場合には、部分的に写真に投影されない領域(投影不可領域)が多数発生する可能性がでてきてしまう。もし、撮影計画に基づいて実際に航空機を飛ばして何十枚もの航空写真をとっても、投影不可領域が多数あったのでは、その対象領域の正確な写真測量は不可能となってしまい、その実際の航空写真撮影に要した費用は全くの無駄となってしまう。1回の飛行による航空写真撮影に要する費用は相当のものであるので、このようなことは避けなければならないことである。
【0004】本発明の目的は、前述したような従来の問題点を解消しうるような航空写真撮影計画シミュレーション方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、撮影対象領域をカバーする航空写真を撮るための撮影計画をシミュレーションする航空写真撮影計画シミュレーション方法において、前記撮影対象領域を少なくとも含む地形を表す3次元メッシュデータを用意し、撮影縮尺、焦点距離、フィルムサイズ等の撮影条件を表すパラメータと共に、コンピュータに入力し、投影不可領域しきい値を設定し、前記撮影対象領域に対する撮影コースを設定し、該撮影コースにそっての撮影ラップ率を設定し、コース撮影開始位置を設定し、コース内撮影位置を設定し、コース内の撮影位置での投影不可領域の数値を算出し、該算出された投影不可領域の数値と前記投影不可領域しきい値とを比較することにより撮影計画の良否を判定することを特徴とする。
【0006】本発明の一つの実施の形態によれば、前記投影不可領域は、前記メッシュデータで表現される地形の各面の向きと、対象となる面と写真の投影中心を結ぶベクトルとの位置関係によって判定される。
【0007】本発明の別の実施の形態によれば、前記撮影計画の良否判定において、不良と判定された場合において、コース起点を再設定することにより、再度判定を行なう。
【0008】本発明のさらに別の実施の形態によれば、前記撮影計画の良否判定において、不良と判定された場合において、前記撮影ラップ率を再設定することにより、再度判定を行なう。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、添付図面に基づいて、本発明の実施の態様および実施例について、本発明をより詳細に説明する。
【0010】図1は、本発明の航空写真撮影計画シミュレーション方法を実施するプログラムの全体の流れを例示するフローチャートである。図1に示すように、このプログラムでは、良好な撮影計画を決定するために、主として次のような流れで実行される。すなわち、諸パラメータを入力するステップと、ラップ率を設定するステップ、コース撮影開始位置を設定するステップ、コース内での撮影位置を決定するステップ、投影不可領域を算出するステップ、撮影位置を再計算するステップ、およびラップ率を再設定するステップを通して最適撮影計画が決定される。
【0011】先ず、図1にステップ1で示すパラメータ入力のプロセスについて説明する。この実施例の撮影計画支援プログラムでは以下のパラメータを使用する。
(1)地形に関するパラメータ 地形(3次元メッシュデータ):dem[x][y] 高さデータを羅列した正方化メッシュデータ (例えば、既存の国土地理院50mメッシュ標 高データ等)
地形データ左下座標値 :lb={x,y}[m]
新国家座標系における地形データの位置を示 す。ただし、東西方向をX軸、南北方向をY 軸とする。
メッシュデータ間隔 :mpp[m/pixel]
メッシュデータ1ピクセル当りの実寸距離(2)撮影条件に関するパラメータ 撮影縮尺 :scale[1/scale]
焦点距離 :f[mm]
フィルムサイズ :width[mm]
通常の航空写真の場合width=230mm(3)計画対象範囲に関するパラメータ 範囲座標値 :area[8]={x,y,x,y,x,y,x,y}[m] 新国家座標系における計画対象範囲の位置を 示す。ただし、東西方向をX軸、南北方向を Y軸とする。
(4)しきい値に関するパラメータ 不可領域しきい値 :brd[個] コース毎に算出される不可領域の大きさ(面 の個数)のしきい値。
このしきい値を越えた場合、そのコースの撮 影計画は不良とされ、撮影位置を変えた新た な計画を算出する。
この値はユーザの任意入力とする。理想的に は、0(不可領域なし)である。
【0012】ステップ1において、これらの諸パラメータを予めコンピュータに入力しておく。
【0013】次に、ステップ2において、ラップ率の初期値を設定するのであるが、このプログラムでは、ラップ率(いわゆるサイドラップ率)の初期値として、通常の計測用写真のラップ率である60%を設定する。後述するように、不可領域しきい値の条件を満たすコース開始位置を見つけられない場合、ステップ12に示すように、ラップ率を10%ずつ増加させ、再計算を行なう。検索対象のラップ率は、60、70、80、90%であるが、不可領域しきい値の条件を満たすコース開始位置を検出した時点でプログラムを終了する。
【0014】次に、ステップ3において、コース撮影開始位置を設定するのであるが、これは、計画対象範囲、撮影縮尺、焦点距離、フィルムサイズよりコース毎の撮影開始位置を算出する。
【0015】次いで、ステップ4において、コース内撮影位置を決定するのであるが、これは、コース撮影開始位置、ラップ率が決定した時点で、撮影高度、焦点距離を参照して暫定撮影位置を決定することにより行われる。ここで決定された撮影位置での投影不可領域を後述するようにして計算するのである。
【0016】ここで、前述のコース撮影開始位置およびコース内撮影位置の決定について、特に、図2および図3を参照して、より具体的に説明しておく。撮影位置を決定するには、撮影高度、撮影基線長(撮影間隔)、コース間隔、コース位置、コース内撮影位置を決定する必要がある。
【0017】先ず、撮影高度Hの決定は、撮影縮尺scale、焦点距離fにより次の式により算出することにより行われる。
【0018】H=f×scale/1000次に、撮影基線長Bxの決定は、撮影高度H、焦点距離f、ラップ率wrap、フィルムサイズwidthにより次の式により算出することにより行なわれる。
Bx=width×(H/f)×(1−wrap/100)
次に、コース間隔Byの決定は、撮影高度H、焦点距離f、コースラップ率wrapc、フィルムサイズwidthにより次の式により算出することにより行われる。通常、コースラップ率は、30%である。
By=width×(H/f)×(1−wrapc/100)
次に、コース位置の決定は、計画対象範囲の中心となるコースを決定し、By間隔でコース位置を上下に設定していく。次の式に示すように、コースY座標±W/2を越えるまでコースを所定の数だけ設定する。図2は、この様子をよく示している。
yn+W/2>ybym+W/2>yaここで、W=H×(width/f):地上における撮影範囲次に、コース内撮影位置の決定は、図3によく示すように、最も左の写真の投影中心を計画範囲の左端X座標とし、投影中心のX座標が計画範囲の右端X座標を越えるまで撮影基線長(投影間隔)Bxで設定していくことにより行われる。
【0019】次に、前述したようにして設定したコース内のすべての写真について、図1のステップ5において、投影不可領域を算出する。すなわち、コース毎にすべての暫定撮影位置での投影不可領域を計算し、コース毎の投影不可領域の合計値を計算する。このような投影不可領域算出の具体的な方法例について、図4を参照して説明する。
【0020】図4は、メッシュデータで表現される地形の各面の向きと、対象となる面と写真の投影中心を結ぶベクトルとの位置関係を例示する図である。このような位置関係により、対象面がフィルム面に投影されるか否かを判定することができる。その判定のための計算式は、次のようである。
三角メッシュp1−p2−p3の法線ベクトル
【0021】投影中心と三角メッシュp1−p2−p3の重心を結ぶベクトル
【0022】三角メッシュp1−p2−p3が投影されるための条件
【0023】ここで、投影中心O:(x0,y0,z0)であり、三角メッシュ成分p1:(x1,y1,z1)、p2:(x2,y2,z2)、p3:(x3,y3,z3)であり、三角メッシュ重心g:(xg,yg,zg)であり、三角メッシュ法線ベクトルn=(nx,ny,nz)である。
【0024】図1のフローチャートに戻って、ステップ6において、ステップ5で求められたコース毎の投影不可領域の合計値が不可領域しきい値を越えたか否かの判定を行ない、投影不可領域の合計値が不可領域しきい値を越えた場合には、その計画(コースの撮影位置)は不良とされ、ステップ8からステップ12を通してコース内の撮影位置および投影不可領域を再計算、再度判定を行なう。
【0025】この再計算、再度判定について説明する前に、図5を参照して、撮影位置と投影不可領域との関係について説明しておく。同一ラップ率でも撮影位置を変更することにより、撮影不可領域を減少させることが可能な場合があり、図5は、そのような状態を例示している。すなわち、撮影位置Aでは領域Rはフィルムに投影されない影の部分となるが、撮影位置Bでは領域Rは投影されうることがわかる。撮影位置Aと撮影位置Bの距離は、地形の傾斜、撮影高度等の条件によって変化するが、状況によってはわずかな位置変更のみで投影不可領域を回避することも可能である。
【0026】再度の計画判定は、先ず、ステップ8においてコース起点再設定で始めるとよい。前述のステップ6において不良とされた場合には、コース起点再設定のステップ8において、コース開始位置を変更し、再度、ステップ4およびステップ5を通してステップ6にてコース内の撮影位置および投影不可領域を再計算、再度判定を行なう。このようなコース起点再設定方法について、図6を参照して説明する。
【0027】図6に示されるように、同一ラップ率でも撮影位置を変更することにより、撮影不可領域を減少させることが可能な場合がある。このため、このプロセスを実行する。コース起点初期値から左にコースを延長し、基線長分を10分割、それぞれの位置をコース起点としてコース内の撮影位置を再計算する。
【0028】このようにして基線長分を10分割したそれぞれの位置での再計算、再度判定を繰り返した結果、起点限度(ステップ9参照)、すなわち、基線長分だけ種々コース起点位置を変えても、良好な撮影計画を得られなかった場合には、ステップ11にて、コース起点初期値に戻し、ステップ12においてラップ率の再設定を行なう。例えば、ラップ率を10%増加させ、70%として、ステップ4、ステップ5、ステップ6にて再計算、再度判定を行なう。
【0029】検索対象のラップ率は、60、70、80、90%であるが、不可領域しきい値の条件を満たすコース撮影開始位置を検出した時点でプログラムを終了する(ステップ7参照)。一方、ステップ9においてコース起点再設定の起点限度を超え、しかもステップ10でラップ率90%であることが検出された場合には、投影不可領域回避不可として異常終了させる(ステップ13参照)。
【0030】
【発明の効果】予め投影不可領域の数を所望の範囲内とした撮影計画を立てることができるので、1回の撮影飛行により航空写真測量のための有効な航空写真を撮ることができ、安価で正確な航空写真測量が可能となる。
【出願人】 【識別番号】591074161
【氏名又は名称】アジア航測株式会社
【出願日】 平成11年11月17日(1999.11.17)
【代理人】 【識別番号】100059959
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 稔 (外9名)
【公開番号】 特開2001−141452(P2001−141452A)
【公開日】 平成13年5月25日(2001.5.25)
【出願番号】 特願平11−326905