| 【発明の名称】 |
ロケータ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】石上 忠富
【氏名】上田 文夫
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| 【要約】 |
【課題】ジャイロの出力する信号の変化率によりオフセットを算出する範囲を設定し、車両のヨーレイトが発生していないときのジャイロの出力する信号を使用してオフセットを求めていたので、常時ジャイロから出力される信号を複雑に処理することになり、処理時間が長くなってしまうことや、一定の旋回角速度で走行しているときに誤検出するなどの課題があった。
【解決手段】前回の車両停止中に求めたオフセット量と今回の車両停止中に求めたオフセット量の差が前回の車両停止後からの経過時間により決るドリフトの範囲内にあることを条件に、前回の車両停止中に求めたオフセット量を今回の車両停止中に求めたオフセット量に更新するオフセット検出手段を備えたものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両のヨーレイトを検出するジャイロと、車両の速度に応じたパルス信号を出力する速度センサと、その速度センサが出力したパルス信号を基に上記車両の走行距離を求める走行距離検出手段と、上記速度センサが出力するパルス信号の周期とパルス信号の有無を基に上記車両が走行状態にあるかあるいは停止状態にあるかを識別する走行状態識別手段と、その走行状態識別手段により上記車両が停止状態にあると識別されたときに上記ジャイロの出力信号のオフセット量を検出するオフセット検出手段と、上記走行状態識別手段により上記車両が走行状態にあると識別されたときには上記ジャイロの出力信号を基に上記オフセット量を考慮して上記車両の旋回角を求め、さらにその旋回角を初期方位に累積加算して上記車両の進行方向を求める進行方位検出手段とを有するロケータ装置において、上記オフセット検出手段は、前回の車両停止中に求めたオフセット量と今回の車両停止中に求めたオフセット量の差が前回の車両停止後からの経過時間により決るドリフトの範囲内にあることを条件に前回の車両停止中に求めたオフセット量を今回の車両停止中に求めたオフセット量に更新することを特徴とするロケータ装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、車両の進行方位と現在位置とを検出するロケータ装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図4は、特開平3―92713号公報に示された従来のロケータ装置の構成を示すブロック図である。図4において、1は車両の走行距離に応じたパルス信号を発生する速度センサ、3は車両のヨーレイトに応じた信号を出力するジャイロであり、速度センサ1とジャイロ3で生成された信号は信号処理部6に入力される。信号処理部6は、走行距離検出手段6aとオフセット検出手段6cと進行方位検出手段6dと位置推定手段6fを備えている。7は地図などを表示する表示手段である。 【0003】次に動作について説明する。従来のロケータ装置では、車両の走行状態をジャイロ3の出力する信号を基に判断し、車両の走行状態を「停止中」であると判断したときに、オフセット検出手段6cがジャイロ3から出力される信号を平均してオフセット量を検出する。 【0004】一方、車両が「走行中」のときには進行方位検出手段6dがジャイロ3から出力される信号から前記検出したオフセット量を減算して旋回角を求め、さらに初期方位に旋回角を累積加算して車両の進行方位を検出する。 【0005】また、走行距離検出手段6aは、速度センサ1から出力されるパルス信号により車両の走行距離を検出する。位置推定手段6fは、車両の進行方位と走行距離を基に平面地図上の車両の現在位置を検出し推定し、表示手段7により所定の地図と共に前記検出した現在位置を表示する。 【0006】このように従来のロケータ装置は、ジャイロ3のオフセットを求める範囲を速度センサ1の出力するパルス信号により設定するのではなく、ジャイロ3の出力する信号を基に設定するものである。 【0007】図5は、オフセットを求める範囲を示した説明図である。これによれば、ジャイロ3から出力される信号の変化率を求め、この変化率が所定値以上であれば「走行中」と判定する一方、所定値以下であれば「停止中」と判定する。そして、「停止中」と判定した時間にオフセットを検出する。 【0008】図6は、オフセットを算出する範囲を設定する方法を示す説明図である。これによれば、速度センサ1から出力されるパルス信号が検出されなければ走行状態を「停止中」と判定する一方、パルス信号が検出されたときには「走行中」と判定した上で、「停止中」になってから一定時間txが経過してから次に「走行中」と判定されるまでの時間をオフセットを検出する範囲とするものである。なお、車両の発進直前の一定時間tyにジャイロ3から出力される信号は、車両のヨーレイトを検出していると考えられるので、オフセットの検出には使えないとしている。従って、オフセットを求める範囲は、停止開始後の一定時間txと発進直前の一定時間tyを除いた残りの「停止中」の範囲の時間tzである。 【0009】次に、車両の発進直前のジャイロ3が出力する信号の処理方法については、例えば特公平4−64006号公報に示された従来のロケータ装置がある。 【0010】これによれば、速度センサ1からパルス信号が入力されないときには走行状態を「停止中」と判定する一方、パルス信号が入力されたときには「走行中」と判定した上で、「走行中」のときに進行方位検出手段6dはジャイロ3が出力する信号から旋回角を求め、初期方位に累積加算して車両の進行方位を得るものであるが、車両が発進するとき、すなわち「停止中」から「走行中」に移行するときには、速度センサ1がパルス信号を出力する以前から車両のヨーレイトが発生していると考えられるため、発進直前の所定期間中に記憶していたジャイロ3の出力する信号からオフセットを差し引いたものを積算して発進誤差方位を求め、これを車両の進行方位に加算する。 【0011】また、ロケータ装置の電源投入後、走行状態を「停止中」と判定することなく車両が走行した場合の信号処理については、例えば特開平4−109117号公報のロケータ装置に開示されている。 【0012】この従来のロケータ装置によれば、走行状態を「停止中」と判定することなく車両が走行した場合には、補助データ記憶手段に記憶しているオフセットデータを使用する。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】従来のロケータ装置は以上のように構成されているので、ジャイロ3の出力する信号の変化率によりオフセットを算出する範囲を設定し、車両のヨーレイトが発生していないときのジャイロ3の出力する信号を使用してオフセットを求めていたので、常時ジャイロ3から出力される信号を複雑に処理することになり、処理時間が長くなってしまうことや、一定の旋回角速度で走行しているときに誤検出するなどの課題があった。 【0014】この発明は上記のような課題を解消するためになされたもので、前回使用したオフセットデータと今回検出したオフセットデータとの差を所定の範囲内に制限してオフセットデータを更新することで、最適なオフセットデータを使用して正確な進行方位を検出できるロケータ装置を得ることを目的とする。 【0015】 【課題を解決するための手段】この発明に係るロケータ装置は、前回の車両停止中に求めたオフセット量と今回の車両停止中に求めたオフセット量の差が前回の車両停止後からの経過時間により決るドリフトの範囲内にあることを条件に、前回の車両停止中に求めたオフセット量を今回の車両停止中に求めたオフセット量に更新するオフセット検出手段を備えたものである。 【0016】 【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の一形態を説明する。図1において、1は車両の速度に応じたパルス信号を出力する速度センサ、2は車両の進行方向に応じた絶対方位の信号を出力する地磁気センサ、3は車両のヨーレイトに応じた信号を出力するジャイロである。6は信号処理部、6aは速度センサ1から出力されるパルス信号を基に車両の走行距離を検出する走行距離検出手段、6bは車両の走行状態を判定する走行状態検出手段(走行状態識別手段)、6cはジャイロ3の出力する信号のオフセット量を検出するオフセット検出手段、6dは車両の進行方位を検出する進行方位検出手段である。6fは車両の平面地図上の位置を推定する位置推定手段、7は地図等を表示する表示手段である。 【0017】次に動作について説明する。図2は、この実施例の動作を説明するための説明図であり、T1はパルス信号が信号処理部6に入力された時刻を示し、それ以後ΔtA(sec)経過するまではパルス信号の入力はなく、ΔtA経過した時刻T2ではNA個のパルスからなるパルス信号が検出され、また、時刻T2以降ΔtB(sec)経過するまではパルス信号の入力はなく、ΔtB経過した時刻T3のときにはNB個のパルスからなるパルス信号が検出されたことを示している。すなわち、ΔtA,ΔtBはパルス信号の入力周期である。 【0018】そして、時刻T3の直前の時刻T1,T2で検出したパルス信号の周期ΔtA,ΔtBを基に車両が停止を開始するのに要する時間Δts(以下、停止開始到達時間という)は、下記の式(1),式(2)から算出することが出来る。 【0019】 γ=NA/ΔtA×ΔtB/NB ・・・(1) 【0020】 Δts=ΔtB×(1/γ+1/γ2 +1/γ3 …) ・・・(2) 【0021】信号処理部6は、車両の進行方位と現在位置を一定の時間間隔の処理タイミング毎に検出する。まず、走行状態検出手段6bは、車両が「走行中」であるか「停止中」であるかを夫々の処理タイミングにおいて検出する。すなわち、電源投入後において速度センサ1の出力するパルス信号が検出されたときには「走行中」と判定する。すなわち、処理タイミングT1,T2においては「走行中」と判定する。 【0022】さらに「走行中」と判定したときには、速度センサ1から出力されるパルス信号を検出するその後の処理タイミングT3において、直前の処理タイミングT1,T2で検出したパルス信号の周期を基に停止開始到達時間Δtsを前記式(1),式(2)を基に算出し、算出した停止開始到達時間Δtsが経過するまでの間に速度センサ1からパルス信号が出力されないときに「停止中」であると判定する。 【0023】また「停止中」と判定された状態で速度センサ1から出力されるパルス信号を検出したときには、「停止中」から「走行中」へ判定を切り替える。「停止中」であると判定されるとオフセット検出手段6cは、ジャイロ3から出力される信号を平均してオフセットを求める。一方、「走行中」であると判定したときには、進行方位検出手段6dは、地磁気センサ2の出力する絶対方位の信号から地磁気方位を求めると共に、地磁気方位乱れを判定する。 【0024】また、ジャイロ3の出力する信号からオフセットを減算して車両の旋回角を求め、これを地磁気方位乱れの小さいときの地磁気方位に累積加算してジャイロ方位を得る。さらに、地磁気方位の乱れに応じた合成比率により、ジャイロ方位と地磁気方位を合成して車両の進行方位を検出する。 【0025】また、電源投入直後に車両が動き始めることにより「停止中」と判定されないままに走行状態に移行したときは、オフセットを求めることが出来ていないため、このようなときにはオフセット検出手段6cは、地磁気方位そのものを車両の進行方位として使用する。続いて、走行距離検出手段6aは、処理タイミング毎に速度センサ1から出力されたパルス信号をカウントし、この計数値に基づき処理タイミング毎の瞬時走行距離を算出し、所定距離毎に繰り返し加算して走行距離を求める。 【0026】最後に、位置推定手段6fは車両の進行方位と走行距離を合せて、X―Y方向の現在位置を求める。なお、検出した現在位置は、表示手段7に所定の地図と共に表示される。 【0027】以上説明したように、車両の「停止中」の状態を状況に応じて正確に判定することができる。なお、上記の式(1)と式(2)により停止開始到達時間を求めるものとしたが、速度センサ1の出力するパルス信号の周期とパルス信号の有無から求めるものであれば別の計算式であってもよい。 【0028】車両が「走行中」と判定されたときに速度センサの出力するパルス信号の周期とパルス信号の有無とを基に演算して求められた停止開始到達時間Δtsが経過するまでに、速度センサ1から出力されるパルス信号が検出されなかったときに、「走行中」から「停止中」に走行状態の判定を切り替えるものであったが、パルス信号が所定時間以上連続して検出されなかったときに走行状態を「停止中」に切り替えるようにしても同様の効果が期待できる。 【0029】車両が「走行中」と判定されたときに速度センサの出力するパルス信号の周期とパルス信号の有無とを基に演算して求められた停止開始到達時間Δtsが経過するまでに、速度センサ1から出力されるパルス信号が検出されなかったときに、「走行中」から「停止中」に走行状態の判定を切り替えるものであったが、速度センサ1の出力するパルス信号の周期を基に、パルス信号の有無にかかわらず車両の瞬時車速を求め、さらに所定時間中の瞬時車速を平均して平均車速を求め、平均車速が所定車速以下になったときに走行状態を「走行中」から「停止中」に切り替えるようにしても同様の効果が期待できる。 【0030】図3は、この実施例の作用を説明するための作用説明図であり、T1はパルス信号が信号処理部6に入力された時刻を示し、それ以後ΔtA(sec)経過するまではパルス信号の入力はなく、ΔtA経過した時刻T2ではNA個のパルスからなるパルス信号が検出され、また、時刻T2以降ΔtB(sec)経過してもパルス信号が検出されなかったことを示している。すなわち、ΔtA,ΔtBはパルス信号の入力周期である。 【0031】たとえば、kをパルス距離変換計数(cm/パルス)とすれば、パルス信号が検出された時刻T2における平均車速V2(km/h)は式(3)により求まり、またパルス信号が検出されなかった時刻T3における平均車速V3(km/h)は式(4)により求まる。 【0032】 V2=k×NA/ΔtA×3600/100000 ・・・(3) 【0033】 V3=k×NA/(ΔtA+ΔtB)×3600/100000 ・・・(4) 【0034】なお、以上の説明においては、式(3)と式(4)により平均車速を求めるものとしたが、処理タイミング毎に速度センサ1の出力するパルス信号の周期とパルス信号の有無から求めるものであれば別の計算式であってもよい。 【0035】さらにまた、所定時間中の瞬時車速を平均して平均車速を求め、平均車速が所定車速以下になったときに走行状態を「走行中」から「停止中」に切り替えるものとして説明したが、瞬時車速が所定値以下になったときに走行状態を「走行中」から「停止中」に切り替えるように構成してもよい。 【0036】「停止中」と判定されたときにオフセット検出手段6cは、ジャイロ3から出力される信号を平均してオフセットを求めるものとして説明したが、前回と今回の「停止中」と判定されたときに夫々求めたジャイロ3の出力する信号の平均値の差を、前回の停止後からの経過時間により決るドリフトの範囲内で制限し、前回求めたオフセットデータを今回求めたオフセットにより更新するようにしてしてもよく、このように構成したときには、ジャイロ3の出力する信号に何らかの原因で異常なレベルの信号が含まれているときでもその影響を軽減でき、同様の効果が期待できる。 【0037】 【発明の効果】以上のように、この発明によれば、前回使用したオフセットデータと今回検出したオフセットデータとの差が所定の範囲内にあることを条件にしてオフセットデータを更新するようにしたので、ジャイロの出力する信号に何らかの原因で異常なレベルの信号が含まれているときは異常なオフセットデータの使用を防止することができ、最適なオフセットデータを使用して正確な進行方位を検出できる効果がある。 【0038】なお、従来、オフセットを更新するものとして、例えば、特開昭64−26161号公報に記載されたものがあるが、これは、停止開始直後と発車直前の所定時間を除く停止中において、所定値以上の変動が確認された時のジャイロ出力信号を、ジャイロのオフセット値を求めるための平均化処理の対象としない。従って、ジャイロ出力信号に等速回転による等速度成分が含まれている場合は、車両停止中のジャイロ出力信号が一定するため、回転による角速度成分が含まれたジャイロ出力信号をジャイロのオフセット値として誤検出する。 【0039】これに対し、この発明によれば、前記の構成であるから、、ジャイロ出力信号に等速回転による等速度成分が含まれている場合は、経過時間により決まるドリフトの範囲外となり、ジャイロのオフセット値を更新しないので、最適なオフセット値を使用して正確な進行方位を検出できるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006013 【氏名又は名称】三菱電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成5年1月14日(1993.1.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066474 【弁理士】 【氏名又は名称】田澤 博昭 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−124584(P2001−124584A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月11日(2001.5.11) |
| 【出願番号】 |
特願2000−273595(P2000−273595) |
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