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【発明の名称】 インターチェンジ検索装置および検索方法
【発明者】 【氏名】中司 孝之

【氏名】佐々木 敏明

【要約】 【課題】高速道路上での緊急事態発生時に、上下車線を識別した最寄りのインターチェンジ検索を行う。

【解決手段】車載装置21から複数の過去の軌跡情報を含む位置情報が位置情報入力手段101に入力される。道路種別識別手段102は、前記位置情報をもとに地図DB13から該当する道路データを特定し、高速道路か否かの識別を行う。上下線識別手段103は、前記位置情報をもとに、地図DB13から該当する道路データを特定し、複数の位置情報の連続性から上下線の進行方向の識別を行う。インターチェンジ検索手段104は、緊急事態が発生した現在位置から、前記特定された進行方向とは逆向きに経路探索を行い、最も近いインターチェンジを特定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両から送信された緊急通報信号中の位置情報から前記車両が高速道路上に存在するか否かを検知する道路種別識別手段と、前記位置情報から前記車両の高速道路上での上り/下りの進行方向を識別する上下線識別手段とを備えたことを特徴とするインターチェンジ検索装置。
【請求項2】 前記上下線識別手段は前記位置情報の軌跡から前記進行方向を識別することを特徴とする請求項1記載のインターチェンジ検索装置。
【請求項3】 前記識別された進行方向の後方の最寄りのインターチェンジを検索するインターチェンジ検索手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載のインターチェンジ検索装置。
【請求項4】 前記車両からの火災通報の有無を検知する火災通報検知手段と、前記火災通報があった場合は前記上下線識別手段を使用せずに最寄りのインターチェンジを検索し、前記火災通報がなかった場合は前記上下線識別手段で識別された進行方向の後方の最寄りのインターチェンジを検索するインターチェンジ検索手段とを備えたことを特徴とする請求項1または2記載のインターチェンジ検索装置。
【請求項5】 前記検索された最寄りのインターチェンジから前記車両位置までの経路情報を取得する経路情報取得手段を備えたことを特徴とする請求項3または4記載のインターチェンジ検索装置。
【請求項6】 車両から送信された緊急通報信号中の位置情報から前記車両が高速道路上に存在するか否かを検知する手順と、前記位置情報から前記車両の高速道路上の上り/下りの進行方向を識別する手順とを備えたことを特徴とするインターチェンジ検索方法。
【請求項7】 前記識別された進行方向の後方の最寄りのインターチェンジを検索する手順を備えたことを特徴とする請求項6記載のインターチェンジ検索方法。
【請求項8】 前記車両からの火災通報の有無を検知する手順と、前記火災通報があった場合は前記上り/下りの進行方向を識別する手順を実行せずに最寄りのインターチェンジを検索し、前記前記火災通報がなかった場合は前記手順により識別された進行方向の後方の最寄りのインターチェンジを検索する手順とを備えたことを特徴とする請求項6記載のインターチェンジ検索方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交通事故などの緊急事態発生時に、車両の現在位置などを緊急サービスセンターに自動的に通報する緊急通報システムに関し、特に高速道路上の上り/下りの進行方向を識別し、最寄りのインターチェンジを検索する装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両緊急通報システムは、車両の衝突などの事故発生時に、車両に搭載した車両緊急情報通報装置から無線回線を介して、自動で緊急サービスセンターへ車両緊急情報を通報するシステムである。車両緊急通報装置は、カーナビゲーション装置やエアバッグ展開装置などを備えており、エアバッグの展開などにより事故の発生を検知すると、自動的に車両の位置データおよび事故状況データをセンターに送信する。データ送信が終了すると、切替スイッチを受話器側に切り替えて、車両の乗員とセンターの要員の間で音声通話ができるようにする。
【0003】このシステムにより、救急車やパトカーなどの緊急車両が事故発生現場へ到着するまでの時間を短縮し、怪我人をより迅速に救出、救済することができる。また、急病人発生などの緊急事態でも、車両緊急情報通報装置の緊急ボタンを押下することにより、無線回線を介して車両緊急情報が緊急サービスセンターに通報され、緊急サービスセンターのサービス要員との会話を行うことができる。
【0004】このような車両緊急通報システムにおいて、救急車やパトカーなどの緊急車両を事故発生現場へ速やかに誘導するためには、事故発生現場の位置を正確に把握するとともに、道路状況なども考慮し、短時間で事故発生現場へ到達するための経路案内を行うことが必要である。
【0005】そして、従来、カーナビゲーション装置などにおける目的地に対する経路案内や経路誘導に関しては、特開昭62−82319号公報には、進入禁止や右折禁止を考慮した二地点間の経路案内装置、特開平4−232812号公報には、一般道路と高速道路の経路の選択を自動化した経路探索方法、特開平5−196473号公報には、交通情報を考慮した経路誘導が、それぞれ開示されている。また、特開昭62−88100号公報、特開昭62−88099号公報、特開昭62−74199号公報などには、高速道路への入出力の経路案内、経路誘導を混乱なく行わせる経路案内装置、もしくは経路誘導装置などが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、従来のカーナビゲーション装置などにおける経路案内、あるいは経路誘導では、目的地までの経路を検索し、誘導する機能を有している。しかし、従来の経路案内、あるいは経路誘導は二地点間に対する誘導であるため、高速道路上の上下車線などの識別機能を備えていない。
【0007】一方、高速道路などでは、インターチェンジからしか一般道路との間で出入りできない。このような道路を走行中に車両故障や急病人が発生すると、進行方向後方の最寄りのインターチェンジから緊急車両を誘導する必要がある。
【0008】例えば、図5に示すように、車両がxxインターチェンジからyyインターチェンジの方向へ走行中に、yyインターチェンジの手前で事故を起こしたような場合、事故発生現場に最も近い位置に存在する緊急車両は緊急車両Aであるため、緊急車両Aを事故発生現場へ急行させることになる。
【0009】しかしながら、この場合、緊急車両Aはyyインターチェンジから高速道路に進入し、事故車両と反対側の車線に到着することになるため、効率の良い救援作業ができないおそれがある。この事例では、xxインターチェンジの近くに存在する緊急車両Bを事故現場へ急行させるか、または緊急車両Aをxxインターチェンジから高速道路へ進入するように誘導することが必要である。
【0010】本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、高速道路上において、事故や急病等の緊急事態が発生した時に、高速道路上の上下車線を識別したインターチェンジ検索を行うことにより、緊急車両が緊急事態発生現場へ進入可能な最寄りのインターチエンジを特定し、救急救援機関に対して、緊急事態発生現場への的確な誘導の支援を可能にしたインターチェンジ検索装置およびインターチェンジ検索方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のインターチェンジ検索装置および検索方法は、車両から送信された緊急通報信号中の位置情報から前記車両が高速道路上に存在するか否かを検知し、前記位置情報から前記車両の高速道路上での上り/下りの進行方向を識別する。この構成により、高速道路を走行中の車両から、事故や急病等の緊急事態発生時に緊急通報を受けた際、上下線を考慮した最寄りのインターチェンジを検索することが可能となるため、救急救援機関に対して、緊急事態発生現場への的確な誘導の支援を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0013】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施の形態のインターチェンジ検索装置では、高速道路上において、事故や急病等の緊急事態が発生した時に、高速道路上の上下車線を識別したインターチェンジ検索を行うことにより、緊急車両が緊急事態発生現場へ進入可能な最寄りのインターチエンジを特定する。
【0014】図1は、本発明の第1の実施の形態のインターチェンジ検索装置の構成を示すブロック図である。このインターチェンジ検索装置は、緊急通報システムのセンター装置の一部とて実現される。以下、インターチェンジをICと記載する。
【0015】センター装置1は、車両2に搭載されている車載装置21と、電話回線3を介して通話およびデータ受信を行うことができる。
【0016】車載装置21は、GPSや車速センサなどから車両2の位置情報を生成し、携帯電話機などにより、無線で電話回線3に接続し、位置情報をセンター装置1へ送信することができる。また、携帯電話機により、センター装置1の電話機(図示せず)と通話を行うことができる。センター装置1は、中央処理装置11と、それぞれ中央処理装置11に接続された出力装置12および地図データベース(以下、データベースをDBと記載する)13を備えている。
【0017】中央処理装置11は、位置情報入力手段101と、位置情報入力手段101の出力が入力される道路種別識別手段102と、道路種別識別手段102の出力が入力される上下線識別手段103と、上下線識別手段103の出力が入力されるIC検索手段104と、IC検索手段104の出力が入力される経路情報取得手段105と、IC検索手段104の出力および経路情報取得手段105の出力が入力される出力手段106とを備えている。
【0018】位置情報入力手段101は、車載装置21からの複数の過去の軌跡情報も含む位置情報を取得する。道路種別識別手段102は、位置情報入力手段101で取得された位置情報と地図DB13から−般道路、または高速道路などの道路種別を特定する。上下線識別手段103は、位置情報入力手段101で取得した複数の過去の軌跡情報を含む位置情報と地図DB13から、車両1が高速道路の上下線のどちらに存在するかの判断を行う。IC検索手段104は、位置情報入力手段101で取得された位置情報と上下線識別手段103の出力とを用いて、事故発生現場から車両の進行方向と逆向きに経路探索を実施し、最寄りのICを検索する。経路情報取得手段105は、ナビゲーションシステムの経路探索手法を利用して、IC検索手段104で得られた進入方向に対する最寄りのICから、緊急事態発生現場までの距離、時間、渋滞、事故情報などを取得する。出力手段106は、IC検索手段104と経路情報取得手段105の結果を出力装置12の画面上に表示するように処理する。出力装置12は、CRT、LCDなどで構成され、文字および図形などを表示する。
【0019】地図DB13は、道路、鉄道、河川等の線データ、およびコンビニエンスストア、ガソリンスタンドなどの点データを含む図形データや、地名、施設名称などの文字データなどから構成されている。また、道路データには、国道、県道、高速道路等の道路種別が設定されている。
【0020】次に、図2を用いてセンター装置の動作について説明する。
【0021】ステップS1において、車載装置21から複数の過去の軌跡情報を含む位置情報が位置情報入力手段101に入力される。
【0022】ステップS2において、道路種別識別手段102は、複数の過去の軌跡情報を含む位置情報をもとに地図DB13から該当する道路データを特定し、道路データに付属している道路種別から高速道路か否かの識別を行う。高速道路でないと識別した場合(ステップS2でNO)、処理を終了する。
【0023】高速道路であると識別した場合は(ステップS2でYES)、ステップS3において、上下線識別手段103は、複数の過去の軌跡情報を含む位置情報をもとに、地図DB13から該当する道路データを特定し、複数の位置情報の連続性から上下線の進行方向の識別を行う。
【0024】ステップS4において、IC検索手段104は、ナビゲーションシステムの経路探索手法を利用して、緊急事態が発生した現在位置から、ステップS3で特定された進行方向とは逆向きに経路探索を行い、最も近いICを特定する。
【0025】ステップS5において、経路情報取得手段105は、ナビゲーションシステムの経路探索手法を利用して、ステップS4で特定された最寄りのICから、緊急事態発生現場までを経路探索し、距離、時間、渋滞、事故情報などの交通情報を取得する。
【0026】ステップS6では、ステップS4、およびステップS5で得られた検索結果と経路情報を出力装置12の画面上に表示出力する。
【0027】このように、本発明の第1の実施の形態のIC検索装置によれば、高速道路上での緊急事態発生時に、高速道路の上下方向の車線を識別し、緊急車両が緊急事態発生現場へ進入可能な最寄りのインターチエンジを特定するので、救急救援機関に対して、緊急事態発生現場への的確な誘導の支援を行うことができる。
【0028】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施の形態のIC検索装置では、火災通報の有無を判定し、火災通報があったときには、高速道路の上下線を識別することなく最寄りのICを検索することで、消防車両を火災発生現場へ迅速に誘導することを可能にした。
【0029】図3は、本発明の第2の実施の形態のIC検索装置の構成を示すブロック図である。この図において、図1の構成要素と同一または対応するものには、図1で使用した符号と同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0030】このIC検索装置は、図1のIC検索装置に火災通報入力手段107と、火災通報検知手段108を付加したものである。火災通報入力手段107は、センター装置1の電話機(図示せず)に対して、車両1の事故発生現場で火災が発生したことの通報があったときに、センター装置のオペレータにより入力操作が行われる。火災通報検知手段108は、火災通報入力手段107に入力があったか否かを検知する。以上の手段以外の構成要素は第1の実施の形態と同様である。
【0031】次に、図4を用いてセンター装置の動作について説明する。
【0032】ステップS11において、車載装置21から複数の過去の軌跡情報を含む位置情報が位置情報入力手段101に入力される。また、ステップS12において、火災通報入力手段107の状態が読み込まれる。
【0033】ステップS13において、道路種別識別手段102は、複数の過去の軌跡情報を含む位置情報をもとに地図DB13から該当する道路データを特定し、道路データに付属している道路種別から高速道路か否かの識別を行う。高速道路でないと識別した場合(ステップS13でNO)は、処理を終了し、高速道路であると識別した場合(ステップS13でYES)は、ステップS14へ移行する。
【0034】ステップS14では、火災通報検知手段108は、火災通報入力手段107に火災通報があったか否かを判定する。火災通報がなかったと判定した場合(ステップS14でNO)は、ステップS15へ移行し、火災通報があったと判定した場合(ステップS14でYES)は、ステップS16へ移行する。
【0035】ステップS15へ移行した後の処理は、第1の実施の形態におけるステップS3以降の処理と同一である。
【0036】一方、ステップS14からステップS16へ移行した場合には、ステップS16において、IC検索手段104は、ナビゲーションシステムの経路探索手法を利用して、緊急事態が発生した現在位置に最も近いICを特定し、ステップS17へ移行する。
【0037】ステップS17へ移行した後の処理は、第1の実施の形態におけるステップS5以降の処理と同一である。
【0038】このように、本発明の第2の実施の形態によれば、火災通報の有無を判定し、火災通報があったときには、高速道路の上下車線を識別することなく最寄りのICを検索し、火災通報がなかったときには、高速道路の上下車線を識別した後に最寄りのICを検索するので、救急救援機関に対して、緊急事態発生現場への的確な誘導の支援を行い、また火災発生現場へのより迅速に誘導することが可能となる。
【0039】
【発明の効果】以上で説明したように本発明によれば、高速道路上での緊急事態発生時に、緊急車両が急行可能な最寄りのICを特定し、救急救援機関に対して、緊急事態発生現場への的確な誘導の支援を行うことにより、人命救助や事故現場の復旧作業などを早期に実施し得ることを可能にしたIC検索装置および検索方法を提供することができるという効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成11年10月25日(1999.10.25)
【代理人】 【識別番号】100099254
【弁理士】
【氏名又は名称】役 昌明 (外3名)
【公開番号】 特開2001−124573(P2001−124573A)
【公開日】 平成13年5月11日(2001.5.11)
【出願番号】 特願平11−302977