| 【発明の名称】 |
経路案内装置及び媒体 |
| 【発明者】 |
【氏名】浅井 五朗
【氏名】五十嵐 総紀
【氏名】村田 賢一
【氏名】橋本 孝博
【氏名】柿原 正樹
|
| 【要約】 |
【課題】ナビゲーションにおいて、道路の代替経路として公共交通機関を利用した経路を提示する。
【解決手段】現在地100から目的地102に至る経路を探索するとともに、現在地100及び目的地102が公共交通機関利用可能ゾーンか否かを確認し、公共交通機関利用可能ゾーンである場合に鉄道R102を用いた経路を探索する。鉄道R102を用いた経路のコストと道路経路のコストを比較し、鉄道R102を用いた経路のコストが所定値以上小さい場合には鉄道R102を用いた経路を提示する。経路のコストは所要時間や乗車料金などを考慮して算出する。また、目的地近傍の駐車場に空きがなければ、鉄道R102を用いた経路を提示する。道路経路の規制情報を取得した場合に、鉄道R102を用いた経路を提示してもよい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両経路及び公共交通機関経路を対象として目的地に至る経路を探索し案内する経路案内装置であって、前記公共交通機関経路を用いた場合の予想コスト及び前記車両経路のみを用いた場合の予想コストを演算する演算手段と、前記公共交通機関経路を用いた場合の予想コストが前記車両経路のみを用いた場合の予想コストよりも所定値以上小さい場合に、前記公共交通機関経路を用いた経路を案内する制御手段と、を有することを特徴とする経路案内装置。 【請求項2】 請求項1記載の装置において、前記演算手段は、前記車両経路として静的経路と動的経路を用いた場合の予想到着時間を演算し、前記制御手段は、前記動的経路の予想到着時間が前記静的経路の予想到着時間よりも所定時間以上遅い場合に、前記公共交通機関経路を用いた経路を案内することを特徴とする経路案内装置。 【請求項3】 請求項1、2のいずれかに記載の装置において、さらに、公共交通機関利用可能ゾーンを予め記憶する記憶手段と、を有し、前記制御手段は、現在地が前記公共交通機関利用可能ゾーンである場合に前記公共交通機関経路を用いた経路を案内することを特徴とする経路案内装置。 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の装置において、前記制御手段は、前記目的地が前記公共交通機関利用可能ゾーンである場合に前記公共交通機関経路を用いた経路を案内することを特徴とする経路案内装置。 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の装置において、さらに、前記目的地近傍の駐車場の空き情報を取得する取得手段と、を有し、前記制御手段は、前記目的地近傍の駐車場に空きがない場合に前記公共交通機関経路を用いた経路を案内することを特徴とする経路案内装置。 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の装置において、さらに、前記車両経路の規制情報を取得する取得手段と、を有し、前記制御手段は、前記車両経路に規制が存在する場合に前記公共交通機関経路を用いた経路を案内することを特徴とする経路案内装置。 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の装置において、前記制御手段は、前記公共交通機関が複数存在する場合に前記公共交通機関経路を用いた経路を案内することを特徴とする経路案内装置。 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の装置において、さらに、前記公共交通機関への乗り換え用駐車場の空き情報を取得する乗り換え情報取得手段と、を有し、前記制御手段は、前記乗り換え用駐車場の空き情報に基づいて前記公共交通機関経路を用いた経路を案内することを特徴とする経路案内装置。 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の装置において、前記制御手段は、前記公共交通機関への乗り換え用駐車場の閉鎖時刻情報に基づいて前記目的地からの前記公共交通機関を用いた復路を案内することを特徴とする経路案内装置。 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の装置において、さらに、前記制御手段に接続され、前記制御手段から供給された経路案内情報を保持する携帯端末装置と、を有することを特徴とする経路案内装置。 【請求項11】 目的地に至る経路を探索するプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記プログラムはコンピュータに対して、少なくとも、前記目的地に至る車両経路を探索させ、前記車両経路のコストを算出させ、前記目的地に至る公共交通機関経路を探索させ、前記公共交通機関経路のコストを算出させ、前記車両経路のコストと公共交通機関のコストとを比較させ、前記公共交通機関経路のコストが前記車両経路のコストよりも所定値以上小さい場合に、前記公共交通機関経路を提示させることを特徴とする媒体。 【請求項12】 請求項11記載の媒体において、前記プログラムは前記コンピュータに対して、前記目的地に至る車両経路として静的経路と動的経路を探索させ、前記動的経路の予想到着時間と静的経路の予想到着時間とを比較させ、前記動的経路の予想到着時間が前記静的経路の予想到着時間よりも所定時間以上遅い場合に、前記公共交通機関経路を提示させることを特徴とする媒体。 【請求項13】 請求項11、12のいずれかに記載の媒体において、前記プログラムは前記コンピュータに対して、車両の現在地及び前記目的地が前記公共交通機関利用可能ゾーンか否かを判定させ、前記現在地及び前記目的地が前記公共交通機関利用可能ゾーンである場合に、前記公共交通機関経路を提示させることを特徴とする媒体。 【請求項14】 請求項11〜13のいずれかに記載の媒体において、前記プログラムは前記コンピュータに対して、前記目的地近傍の駐車場の空きの有無を判定させ、前記目的地値近傍の駐車場に空きがない場合に、前記公共交通機関経路を提示させることを特徴とする媒体。 【請求項15】 請求項11〜14のいずれかに記載の媒体において、前記プログラムは前記コンピュータに対して、前記車両経路の規制の有無を判定させ、前記車両経路に規制が存在する場合に、前記公共交通機関経路を提示させることを特徴とする媒体。 【請求項16】 請求項11〜15のいずれかに記載の媒体において、前記プログラムは前記コンピュータに対して、前記公共交通機関が複数存在するか否かを判定させ、前記公共交通機関が複数存在する場合に、前記公共交通機関経路を提示させることを特徴とする媒体。 【請求項17】 請求項11〜16のいずれかに記載の媒体において、前記プログラムは前記コンピュータに対して、前記公共交通機関への乗り換え用駐車場の空きの有無を判定させ、前記乗り換え用駐車場の空きの有無に応じて前記公共交通機関経路を提示させることを特徴とする媒体。 【請求項18】 請求項11〜17のいずれかに記載の媒体において、前記プログラムは前記コンピュータに対して、前記公共交通機関の乗り換え用駐車場の閉鎖時刻情報を取得させ、前記乗り換え用駐車場の閉鎖時刻情報に基づいて前記目的地からの前記公共交通機関を用いた復路の経路を提示させることを特徴とする媒体。 【請求項19】 請求項8、10のいずれかに記載の装置において、さらに、前記乗り換え用駐車場の空き情報に基づく経路案内モードと空き情報を無視する経路案内モードとを選択する選択手段と、を備え、前記乗り換え用駐車場の空き情報を無視する経路案内モードでは、前記乗り換え用駐車場の空き情報によらずに前記公共交通機関経路を用いた経路を案内することを特徴とする経路案内装置。 【請求項20】 請求項17記載の媒体において、前記プログラムはコンピュータに対して、さらに、乗り換え用駐車場情報の考慮モードと無視モードのいずれであるかを判定させ、前記乗り換え用駐車場の考慮モードである場合には前記乗り換え用駐車場の空きの有無に応じて前記公共交通機関経路を提示させ、前記乗り換え用駐車場の無視モードである場合には前記乗り換え用駐車場の空きの有無によらず前記公共交通機関経路を提示させることを特徴とする媒体。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は経路案内装置、特に車両経路のみならず公共交通機関経路を用いた経路探索に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、地図データを備えて目的地に至る経路を探索し、ユーザに提示するナビゲーション装置が知られている。このようなナビゲーション装置においては、目的地に短時間で到達できる経路をユーザに提示することが重要な技術課題である。 【0003】特開平7−55484号公報では、目的地を設定した後にユーザが目的地への到着目標時間を入力し、装置側で渋滞情報等を考慮して目的地への到着予想時間を算出して両者を比較し、到着予想時間が到着目標時間を超える場合に鉄道等の代替交通についての情報を提供する技術が記載されている。具体的には、「このままでは、到着時間に間に合いません。」等とユーザに報知して鉄道や目的施設の電話番号等を表示し、ユーザが鉄道を選択した場合には現在地から現在地周辺の駅まで、及び目的地周辺の駅から目的地までの所要時間を計算し、交通機関名、乗車駅、降車駅、乗換駅等の情報を提供している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来技術では到着予想時間が到着目標時間を超える場合に代替交通、すなわち公共交通機関を用いる経路を探索しており、真に公共交通機関を用いることの有効性が必ずしも担保されていない問題があった。なお、上記従来技術においても、車でドライブした場合の所要時間と公共交通機関での所要時間の比を所定値と比較し、所定値以下であれば公共交通機関についての案内を行わないようにする旨の記載があるが、単に所要時間だけの比較ではいずれが適当かを判別することは困難である。鉄道を利用する場合、乗車料金等が別途必要となるからである。 【0005】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みなされたものであり、その目的は、真に公共交通機関を利用する場合の有効性が確実な場合にのみ公共交通機関を用いた経路を提示することで、ユーザの使い勝手及びナビゲーションシステムの信頼性を向上させることができる装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、車両経路及び公共交通機関経路を対象として目的地に至る経路を探索し案内する経路案内装置であって、前記公共交通機関経路を用いた場合の予想コスト及び前記車両経路のみを用いた場合の予想コストを演算する演算手段と、前記公共交通機関経路を用いた場合の予想コストが前記車両経路のみを用いた場合の予想コストよりも所定値以上小さい場合に、前記公共交通機関経路を用いた経路を案内する制御手段とを有することを特徴とする。 【0007】前記演算手段は、前記車両経路として静的経路と動的経路を用いた場合の予想到着時間を演算し、前記制御手段は、前記動的経路の予想到着時間が前記静的経路の予想到着時間よりも所定時間以上遅い場合に、前記公共交通機関経路を用いた経路を案内することを特徴とする。 【0008】また、本発明はさらに、公共交通機関利用可能ゾーンを予め記憶する記憶手段とを有し、前記制御手段は、現在地が前記公共交通機関利用可能ゾーンである場合に前記公共交通機関経路を用いた経路を案内することを特徴とする。 【0009】前記制御手段は、前記目的地が前記公共交通機関利用可能ゾーンである場合に前記公共交通機関経路を用いた経路を案内することを特徴とする。 【0010】また、本発明はさらに、前記目的地近傍の駐車場の空き情報を取得する取得手段とを有し、前記制御手段は、前記目的地近傍の駐車場に空きがない場合に前記公共交通機関経路を用いた経路を案内することを特徴とする。 【0011】また、本発明はさらに、前記車両経路の規制情報を取得する取得手段とを有し、前記制御手段は、前記車両経路に規制が存在する場合に前記公共交通機関経路を用いた経路を案内することを特徴とする。 【0012】また、前記制御手段は、前記公共交通機関が複数存在する場合に前記公共交通機関経路を用いた経路を案内することを特徴とする。 【0013】また、本発明はさらに、記公共交通機関への乗り換え用駐車場の空き情報を取得する乗り換え情報取得手段とを有し、前記制御手段は、前記乗り換え用駐車場の空き情報に基づいて前記公共交通機関経路を用いた経路を案内することを特徴とする。なお、前記乗り換え用駐車場の空き情報に基づく経路案内モードと空き情報を無視する経路案内モードとを選択する選択手段と、を備え、前記乗り換え用駐車場の空き情報を無視する経路案内モードでは、前記乗り換え用駐車場の空き情報によらずに前記公共交通機関経路を用いた経路を案内することも好適である。 【0014】また、前記制御手段は、前記公共交通機関への乗り換え用駐車場の閉鎖時刻情報に基づいて前記目的地からの前記公共交通機関を用いた復路を案内することを特徴とする。 【0015】また、本発明はさらに、前記制御手段に接続され、前記制御手段から供給された経路案内情報を保持する携帯端末装置とを有することを特徴とする。 【0016】また、本発明は、目的地に至る経路を探索するプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。前記プログラムはコンピュータに対して、少なくとも、前記目的地に至る車両経路を探索させ、前記車両経路のコストを算出させ、前記目的地に至る公共交通機関経路を探索させ、前記公共交通機関経路のコストを算出させ、前記車両経路のコストと公共交通機関のコストとを比較させ、前記公共交通機関経路のコストが前記車両経路のコストよりも所定値以上小さい場合に、前記公共交通機関経路を提示させることを特徴とする。 【0017】また、前記プログラムは前記コンピュータに対して、前記目的地に至る車両経路として静的経路と動的経路を探索させ、前記動的経路の予想到着時間と静的経路の予想到着時間とを比較させ、前記動的経路の予想到着時間が前記静的経路の予想到着時間よりも所定時間以上遅い場合に、前記公共交通機関経路を提示させることを特徴とする。 【0018】また、前記プログラムは前記コンピュータに対して、車両の現在地及び前記目的地が前記公共交通機関利用可能ゾーンか否かを判定させ、前記現在地及び前記目的地が前記公共交通機関利用可能ゾーンである場合に、前記公共交通機関経路を提示させることを特徴とする。 【0019】また、前記プログラムは前記コンピュータに対して、前記目的地近傍の駐車場の空きの有無を判定させ、前記目的地値近傍の駐車場に空きがない場合に、前記公共交通機関経路を提示させることを特徴とする。 【0020】また、前記プログラムは前記コンピュータに対して、前記車両経路の規制の有無を判定させ、前記車両経路に規制が存在する場合に、前記公共交通機関経路を提示させることを特徴とする。 【0021】また、前記プログラムは前記コンピュータに対して、前記公共交通機関が複数存在するか否かを判定させ、前記公共交通機関が複数存在する場合に、前記公共交通機関経路を提示させることを特徴とする。 【0022】また、前記プログラムは前記コンピュータに対して、前記公共交通機関への乗り換え用駐車場の空きの有無を判定させ、前記乗り換え用駐車場の空きの有無に応じて前記公共交通機関経路を提示させることを特徴とする。なお、乗り換え用駐車場情報の考慮モードと無視モードのいずれであるかを判定させ、前記乗り換え用駐車場の考慮モードである場合には前記乗り換え用駐車場の空きの有無に応じて前記公共交通機関経路を提示させ、前記乗り換え用駐車場の無視モードである場合には前記乗り換え用駐車場の空きの有無によらず前記公共交通機関経路を提示させることも好適である。 【0023】また、前記プログラムは前記コンピュータに対して、前記公共交通機関の乗り換え用駐車場の閉鎖時刻情報を取得させ、前記乗り換え用駐車場の閉鎖時刻情報に基づいて前記目的地からの前記公共交通機関を用いた復路の経路を提示させることを特徴とする。 【0024】本発明においては、車両経路と公共交通機関経路をコストで比較し、公共交通機関経路のコストが所定値以上小さい場合に、公共交通機関経路を提示することで、真にメリットのある場合に公共交通機関経路をユーザに提供することができる。ここで、車両経路とは、車両のみを用いて目的地に到達できる経路をいい、道路の経路である。また、公共交通機関経路とは、公共交通機関を少なくとも経路の一部に含む経路である。コストとは、現在地から目的地に至る時間的及び料金的負担であり、時間が増大する程、あるいは料金が増大する程コストは増大する。コストを考慮することで、車両経路と公共交通機関経路のトータルな比較が可能となる。 【0025】車両経路としては2種類存在し得る。1つは、現在の交通状況を考慮せず、地図データ上の接続関係(距離や道路の種別)に基づいて得られる静的経路であり、他は地図データ上の接続関係に加え時々刻々変化する交通情報を考慮して得られる動的経路である。動的経路に基づいて得られる目的地までの予想到着時間が静的経路の予想到着時間よりも所定時間以上遅い場合には、道路が渋滞等していて円滑に走行できないことを意味するので、この場合に公共交通機関経路を提示することで、ユーザを目的地に円滑に案内することができる。 【0026】公共交通機関を利用する際には、現在地と目的地のいずれかにおいて、さらには現在地と目的地の両方において地理的に公共交通機関を利用し得る必要がある。そこで、現在地、目的地が公共交通機関利用可能ゾーンか否かを判定することで、効率的に目的地に至る最適経路を探索できる。公共交通機関利用可能ゾーンは予め記憶手段に記憶させておくことで、ある地点が当該ゾーンに該当するか否かを迅速に判定することができる。 【0027】車両経路と公共交通機関経路のコストを比較した結果、車両経路の方がコスト的に有利であった場合でも、目的地近傍の駐車場に空きがない場合には、車両経路を採用することはできない。そこで、このような場合には公共交通機関経路を提示することで、ユーザを確実に目的地に案内することができる。 【0028】また、車両経路に何らかの規制、例えば事故による通行止めが生じた場合にも、車両経路の方がコスト的に有利であっても車両経路を提示できないので、公共交通機関経路を提示してユーザを確実に目的地に案内する。 【0029】公共交通機関経路を利用する場合、目的地に至る公共交通機関が単一である場合には目的地への到着確実度が複数経路の場合に比べて低い。そこで、目的地に至る公共交通機関が複数存在する場合に公共交通機関経路を提示することで、一層確実にユーザを目的地に案内できる。 【0030】公共交通機関経路を利用する場合、車両から公共交通機関への乗り換えが必要となるため、乗り換え地点での駐車場が必要となる(フェリーを除く)。そこで、乗り換え用駐車場の空き状態を考慮して公共交通機関経路を提示することで、確実に乗り換えを行うことができる。具体的には、乗り換え用駐車場が確保できる(つまり空きがある)地点を乗り換え地点として公共交通機関経路を探索する等である。 【0031】公共交通機関経路を利用する場合、復路において乗り換え地点に戻って再び車両に搭乗する必要がある。そこで、乗り換え用駐車場の閉鎖時刻情報に基づいて復路を探索し提示することで、確実に車両に戻ることができる。 【0032】公共交通機関経路を利用する場合、車両から降車することになるので、目的地に至る経路情報を携帯端末に保持することで、携帯端末を通してユーザに経路案内することができる。 【0033】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。 【0034】図1には、本実施形態の構成ブロック図が示されている。位置検出装置10はGPS(あるいはDGPS)や車速センサ、方位センサで構成され、車両の現在位置を検出してナビゲーションECU18に供給する。 【0035】通信装置12は光送受信器や電波送受信器で構成され、外部の情報センタからの交通情報、駐車場情報等を取得し、ナビゲーションECU18に供給する。交通情報には、事故情報や渋滞の有無、道路の通過時間情報などが含まれ、駐車場情報には特定の駐車場の空き情報が含まれる。 【0036】入力装置14は操作ボタンやタッチスイッチで構成され、ユーザが目的地を入力する。入力された目的地はナビゲーションECU18に供給される。 【0037】地図データ記憶装置16はCD−ROMやDVD、ハードディスクなどで構成され、地図データを格納してナビゲーションECU18からの要求に応じて地図データを供給する。また、地図データ記憶装置16には、予め公共交通機関を利用することができるゾーン、すなわち公共交通機関利用可能ゾーンが格納されており、ある地点と格納されたゾーンとを比較することで、その地点が公共交通機関を利用することができる地点か否かを判断することができる。公共交通機関利用可能ゾーンは地域や公共交通機関の有無により決定することができ、例えば山岳エリアは公共交通機関利用可能ゾーンとして設定されず、東京都や神奈川県その他の都心近郊は公共交通機関利用可能ゾーンとして設定され、あるいはJR各線や私鉄各線の駅、フェリー乗降地、エアポート等から所定距離内に存在するエリアは公共交通機関利用可能ゾーンに設定される。公共交通機関利用可能ゾーンは緯度経度の範囲として規定することができ、あるいは地域の名称として規定することもできる。 【0038】ナビゲーションECU18はマイクロコンピュータで構成され、位置検出装置10で検出された現在位置及び地図データ記憶装置16から読み出した現在位置周辺の表示用地図データをディスプレイ20に表示するとともに、地図データ記憶装置16に記憶されている探索用地図データや公共交通機関利用可能ゾーンデータに基づいて入力装置14から供給された目的地に至る経路を探索し、得られた経路をディスプレイ20に表示し、あるいはスピーカ22から音声で出力して経路案内する。なお、経路探索に際しては、ナビゲーションECU18は通信装置12から供給された交通情報、さらには駐車情報を考慮して探索する。経路探索は、公知のダイクストラ法などを用いることができ、道路データをリンクとノードの接続データとみなし、現在地から目的地に至る可能な経路のうち最も総リンクコストの小さい経路を最適経路として選択する。リンクコストはリンクの距離や種別で予め決定され、さらに通信装置12から供給された交通情報をリンクコストに付加して探索する。交通情報が得られていない段階では、地図データ記憶装置16に予め記憶されたリンクデータ(リンクコストを含む)を用いて経路探索を行うが(これを静的経路探索と称する)、交通情報が得られた場合には、交通情報をリンクコストに反映させて経路を再探索する(これを動的経路探索と称する)。動的経路探索は、いわば実際の道路状況に合致した経路探索であり、現在の道路状況下において最適の経路を探索するものである。動的経路探索は、最新の交通情報に基づいて行う必要があるので、ナビゲーションECU18で経路探索を行うのではなく、通信装置12を介して目的地を外部の情報センタなどに送信し、情報センタでその目的地に至る経路を動的探索し、ナビゲーションECU18は探索して得られた経路データを情報センタから受信するように構成してもよい。また、ナビゲーションECU18は道路上の経路のみならず、探索用地図データに含まれている公共交通機関データを用いて公共交通機関を利用した経路も探索する。公共交通機関としては、鉄道、航空機、船舶(フェリーを含む)等があるが、本実施形態では一例として鉄道について説明する。 【0039】携帯端末24は、ナビゲーションECU18に接続され、ナビゲーションECU18から供給された経路データ(静的経路データあるいは動的経路データ)を保持し、ナビゲーションECU18と切り離されてユーザが携帯した場合に、ユーザの操作に応じて経路データをユーザに提示する。携帯端末は24は、少なくともプロセッサ、メモリ、ディスプレイ及び入力装置を有しており、さらに携帯電話としての機能を有していてもよい。ナビゲーションECU18との接続は有線あるいは無線のいずれでもよい。 【0040】図2には、本実施形態におけるナビゲーションECU18の処理フローチャートが示されている。まず、目的地が入力されると、ナビゲーションECU18は目的地に至る車両経路R1を探索する(S101)。車両経路R1とは、車両のみで到達できる経路、言い換えれば道路のみを用いて目的地に到達できる経路であり、通信装置12で交通情報等を得ていない場合には静的経路を探索し、交通情報等を得ていれば動的経路を探索する。 【0041】経路R1を探索した後、位置検出装置10で検出した車両の現在位置が公共交通機関の利用可能ゾーンか否かを判定する(S102)。この判定は、現在地と地図データ記憶装置16に記憶された公共交通機関利用可能ゾーンデータとを照合することで行われ、例えば現在地が都市近郊でゾーン内であると判定された場合には、次に入力された目的地が公共交通機関の利用可能ゾーンか否かを判定する(S103)。なお、この判定も、目的地と公共交通機関利用可能ゾーンとを照合することで行うことができるが、目的地の最寄り駅を検索し、この最寄り駅から所定距離以内(例えば1km以内)か否か、あるいは最寄り駅から徒歩15分以内か否かをその都度計算して判定してもよい。 【0042】現在地及び目的地がともに公共交通機関の利用可能ゾーンである場合には、公共交通機関としての鉄道を利用する選択枝もあり得ることになるので、ナビゲーションECU18は公共交通機関を利用した経路R2を探索する(S104)。公共交通機関を利用した経路R2の探索は、例えば次のようにして行うことができる。すなわち、まず、現在地の最寄り駅及び目的地の最寄り駅を検索し、現在地から最寄り駅までの経路をダイクストラ法などで探索する。列車の時刻表データが記憶装置16に格納されている場合(格納されていない場合には通信装置12を介して情報センタから取得することもできる)には、車両の最寄り駅への予想到着時間と列車の最寄り駅の発車時間とを照合し、列車に乗車できるか否かを確認することが好適である。さらに、最寄り駅の駐車場情報を通信装置12を介して取得し、最寄り駅の駐車場に空きがあるか否かを確認し、空きがある場合にこの最寄り駅を用いることを決定することも好適である。最寄り駅での列車の乗り継ぎが不都合ないし不可能であり、あるいは最寄り駅の駐車場が満車状態で駐車できない場合には、現在地から次の最寄り駅までの経路を探索し、同様に列車との乗り継ぎや駐車場の空きについて確認する。列車への乗り継ぎ駅を決定した後、目的地の最寄り駅から目的地までの経路を探索し、これらの経路を接続して経路R2とする。 【0043】なお、このようにして経路R2を探索する際に、最寄り駅の駐車場についての空き情報を無視して経路R2を探索することも可能である。例えば、目的地に到達しようとするユーザが、他人の運転する車に同乗している場合、つまりユーザが他人に送迎してもらうような場合、最寄り駅で駐車させる必要は必ずしもない。そこで、このような場合には、最寄り駅の駐車場に空きがあるか否かによらず、最寄り駅で公共交通機関を利用する経路を探索することが好適である。具体的には、図1の構成において、駐車場の空き情報を考慮するか無視するかを選択する選択スイッチを設け、このスイッチが「考慮モード」に設定された場合にはECU18は上述したように最寄り駅の駐車場に空きがあるか否かを確認して経路R2を探索し、スイッチが「無視モード」に設定されている場合にはECU18は駐車場の空き情報を無視し(あるいは駐車場情報の取得自体を行わない)、最寄り駅を利用する経路R2を探索する。選択スイッチがユーザが操作可能な位置に設けることが好適であり、一例として「送迎モード」なるスイッチを設けることができる。送迎モードスイッチがONされた場合には「無視モード」となり、駐車場の空き情報が無視され、送迎モードスイッチがOFFされた場合には「考慮モード」となり、駐車場の空き情報が考慮されて経路R2の探索が実行される。 【0044】送迎以外にも、例えば緊急事態が発生し、駐車場の有無よりも目的地までの到着時間が優先され得るような場合には、無視モードを選択することができる。 【0045】経路R1及びR2を探索した後、ナビゲーションECU18は経路R2のコストと経路R1のコストを比較し、経路R2のコストの方がR1のコストより所定値以上小さいか否かを判定する(S105)。経路のコストとは、時間や料金を含む概念であり、例えば経路コスト=時間コスト+料金コストで計算することができる。時間コスト及び料金コストは、そのまま時間(h)と料金(円)を用いることができ、短時間で到達できるほど、あるいは少ない領域で到達できるほどその経路コストは小さくなる。もちろん、経路コストとして、重み付けを用いて経路コスト=α・時間コスト+β・料金コストとし、αとβと適宜設定することも好適である。α=0とした場合には料金のみを考慮したコスト比較となり、β=0とした場合には時間のみを考慮したコスト比較となる。道路の経路R1と鉄道の経路R2とを比較する場合には、乗車料金が影響することになるので、βは0以外とするのが好適である。αとβはナビゲーションECU18が固定値としてもよいが、ユーザが入力装置14を用いて調整可能に構成することも好適である。この場合、例えばディスプレイ20に「時間を優先しますか」、「費用を優先しますか」などのメッセージを表示し、ユーザが時間優先を選択した場合にはα>βとし、ユーザが費用を優先した場合にはα<βとすることができる。また、所定値に関してもユーザが調整できるように構成してもよい。所定値を0とし、経路R2のコストと経路R1のコストを大小比較してもよい。 【0046】両経路のコストを比較した結果、経路R2のコストが所定値以上経路R1のコストよりも小さい場合には、経路R2を選択する価値があると判定できるので、案内経路として経路R2をディスプレイ20やスピーカ22を用いてユーザに提示する(S106)。 【0047】一方、R2のコストがR1のコストよりも所定値以上小さくない場合には、経路R2を提示する意義がないので、基本的には経路R1を提示する。但し、目的地近傍の駐車場に空きが存在しない場合には、経路R1を採用することはできないので、経路R1を提示するに際して目的地の駐車場に空きがあるか否かを判定する(S107)。この判定は、通信装置12から情報センタに対して目的地の駐車場に関する情報を問い合わせ、情報センタから返信された駐車場情報に基づいて行うことができる。そして、目的地の駐車場に空きが存在する場合には経路R1を提示し(S108)、駐車場に空きが存在しない場合には経路R1を採用することはできないので経路R2を提示する(S106)。 【0048】なお、目的地の駐車場に空きが存在したため経路R1を提示した後に、他の車両が当該駐車場に駐車したため満車状態となってしまうことも考えられるため、S108で経路R1を提示した場合でも、定期的に目的地の駐車場に空きが存在するか否かを判定することが好適である。そして、ある時間では駐車場に空きが存在したが、次の時間に駐車場が満車状態となった場合、その時点で経路R2(現在地を起点として新たに探索した経路R2)を提示すればよい。 【0049】また、経路R1を提示した後に、通信装置12で経路R1上の規制情報、例えば事故による通行止めの情報を得た場合には、その時点で経路R2(現在地を起点として新たに探索した経路R2)を提示することも好適である。 【0050】また、経路R2を提示するに際しては、目的地近傍まで到達できる公共交通機関の複数の経路が存在する場合にのみR2を提示することも好適である。車両経路の場合には、ある道路に何らかの異常が生じても、多くの場合他の道路を迂回することで目的地に到達することができるが、目的地近傍に至る路線が単一の場合にはその路線に異常が生じると目的地に到達することが困難となる。そこで、目的地に至る複数の路線が存在する場合に経路R2を提示することで、異常状態に対しても対応できる、より確実性のある経路を提示することが可能となる。 【0051】さらに、経路R2を提示する場合には、目的地から車両までの復路も鉄道を利用することになるので、復路の提示も行うことが好適である。具体的には、鉄道への乗り換え駅で駐車場に車両を駐車させて乗り換えるため、当該駐車場の閉鎖時刻までに戻ってくる必要があり、そのために目的地の最寄り駅で乗車すべき時間等を提示する。目的地の最寄り駅で乗車すべき時間は、通信装置12を介して取得した鉄道の時刻表を参照することで決定することができる。 【0052】以上述べた処理を、図3を用いてより具体的に説明する。図において、車両の現在地(O)100から目的地(D)102に至る経路を探索する。現在地100近傍には鉄道R102のA駅104が存在し、目的地102近傍には鉄道R102のC駅108及び鉄道R104のD駅109が存在するとする。鉄道R102とR104はB駅106で分岐し、B駅106で乗り換えることでC駅の他D駅にも行くことができる。C駅108には駐車場110が存在し、D駅109には駐車場112が存在し、A駅には駐車場113が存在する。このような場合に、まず現在地100から目的地102に至る道路経路を探索する。そして、現在地100近傍には鉄道R102及び最寄り駅のA駅104が存在し、かつ、目的地102近傍にも最寄り駅のC駅108が存在するため、鉄道R102を用いた経路を探索する。なお、鉄道R102を探索する際に、目的地近傍にC駅108の他にD駅109も存在するため、鉄道R102を用いた経路の確実性が担保される。また、鉄道R2を用いた経路探索では、A駅104の駐車場113の空きの有無や乗車の待ち時間等を考慮し、A駅104あるいはB駅106のいずれで列車に乗り換えるかを決定する。そして、道路経路のコストと鉄道R102を用いた経路のコストを算出し、両コストを比較する。鉄道R2を用いた経路のコスト算出に際しては、A駅104での乗車待ち時間、A駅からC駅までの乗車料金、C駅から目的地までの徒歩あるいは他の交通機関による時間が考慮される。そして、鉄道R102を用いたコストの方が道路経路のコストよりも所定値以上小さい場合には、鉄道R102を用いた経路を提示し、そうでなければ目的地近傍の駐車場の状態を確認する。そして、駐車場に空きがあれば道路経路を提示し、駐車場110に空きがなければ鉄道R102を用いた経路を提示する。 【0053】道路経路を提示して、車両が位置101まで進行した時点で目的地近傍の駐車場が空から満車状態に変化した場合には、B駅106を最寄り駅とする鉄道R102を探索して提示する。 【0054】鉄道R102を用いた経路を提示した場合、ユーザはA駅104あるいはB駅106で乗り換えるため、乗り換え時には携帯端末24を携行する。携帯端末24にはナビゲーションECU18からの経路データが保持されているため、ユーザは携帯端末24を操作することで、乗車時間や降車駅、降車駅から目的地までの経路等を知ることができる。 【0055】また、A駅104で鉄道に乗り換える場合、駐車場113の閉鎖時刻を取得し、この閉鎖時刻までに駐車場113に戻るためにC駅108、さらには目的地102を出発する時間を算出して、携帯端末24に保持しておく。例えば、駐車場113の閉鎖時刻が午後10時であり、C駅とA駅間の所要時間が1時間、C駅と目的地102間の所要時間が徒歩で10分の場合、遅くとも8時50分までに目的地を出発する旨の情報を提示する。これにより、ユーザは帰りの時間について徒に心配する必要がなくなる。 【0056】以上、本発明の実施形態について説明したが、本実施形態においては経路R2が利用可能であれば経路R2を探索して経路R1と経路R2のコストを比較しているが、静的経路RS1と動的経路RD1の予想到着時間を比較し、動的経路RD1の方が時間を要する場合にのみ経路R2を探索することも好適である。経路RS1に比べて経路RD1の方が時間を要するということは、目的地に至る道路が混雑していることを意味するから、R2を探索するメリットが生じることになる。 【0057】図4には、この場合の処理フローチャートが示されている。まず、ナビゲーションECU18は、交通情報を考慮せず、地図データ記憶装置16に記憶されている経路探索用地図データを用いて静的経路RS1を探索する(S201)。次に、通信装置12で交通情報を得た時点で交通情報を考慮した動的経路RD1を探査する(S202)。動的経路RD1は、情報センタ側で探索して車両に返信してもよい。そして、静的経路RS1と動的経路RD1の予想到着時間を比較し、動的経路RD1の予想到着時間が静的経路RS1の予想到着時間よりも所定時間以上遅いか否かを判定する(S203)。所定時間以上遅い場合には、道路経路に渋滞が発生しているおそれがあるから、経路R2の探索を行うべく図2のS102以降の処理に移行する。一方、所定時間以上遅くない場合には、交通が比較的円滑に流れていることを意味するから、経路R2の探索は行わず、RD1を提示する(S204)。このように、公共交通機関を用いた経路探索を行うか否かの判断基準として、静的経路と動的経路の所要時間を用いることも好適である。 【0058】なお、本実施形態における図2あるいは図4に示されたフローチャートは、制御プログラムをナビゲーションECU18が適宜実行することで実現することができる。制御プログラムはCD−ROMやDVD、ハードディスク、半導体メモリなど、電磁気的、光学的、あるいは化学的に情報を保持できる任意の媒体に記録することができる。かかる制御プログラムを物理的な電気信号の形態で伝達する場合、電気信号は制御プログラムを記録した物理的実体としての媒体として機能するため、媒体に含まれることを付言しておく。 【0059】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、真に公共交通機関を利用する場合の有効性が確実な場合にのみ公共交通機関を用いた経路を提示することで、ユーザの使い勝手及びナビゲーションシステムの信頼性を向上させることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年7月21日(2000.7.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075258 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−124569(P2001−124569A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月11日(2001.5.11) |
| 【出願番号】 |
特願2000−220245(P2000−220245) |
|