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【発明の名称】 地図表示装置及び地図表示方法
【発明者】 【氏名】古泉 功

【要約】 【課題】現在の進行方向にある地域、施設などを容易に知ることが可能な地図表示装置及び地図表示方法を提供する。

【解決手段】地図表示手段は、記憶手段中に記憶された地図データを使用して、所定の地図表示範囲内の地図を表示する。次に、決定手段により1つの地点が決定されると、検索手段は、決定された地点に関連する名称データを抽出し、抽出された名称が表示された地図上に重ねて表示される。従って、表示された地図上のある地点が決定されると、その地点に関連する名称が重ねて表示される。よって、ユーザはその地名に関連する施設名、地名などを容易に知ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 道路データ及び名称データを含む地図データを記憶する記憶手段と、前記地図データを利用して、所定の地図表示範囲内の地図を表示する地図表示手段と、前記地図表示範囲内の1つの地点を決定する決定手段と、前記地図データを参照して、前記決定された地点に関連する名称データを抽出する検索手段と、前記抽出された名称データを、前記地図表示手段が表示する地図上に重ねて表示する名称表示手段と、を備える地図表示装置。
【請求項2】 前記名称表示手段が表示した名称データ中の名称をユーザが指定するための名称指定手段を備え、前記地図表示手段は、前記ユーザが前記名称指定手段により名称を指定した時に、指定された名称の周辺の地図を表示する請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項3】 前記地図表示装置の現在位置を継続的に検出する現在位置検出手段を備え、前記地図表示手段は前記現在位置を前記地図に重ねて表示すると共に、自動的に前記地図上に表示された前記現在位置を更新する請求項1又は2に記載の地図表示装置。
【請求項4】 前記地図表示範囲は前記地図表示装置の現在位置に基づいて定められる請求項3に記載の地図表示装置。
【請求項5】 前記決定手段は、前記現在位置が前記地図表示範囲の所定の周辺部分に入った時の前記現在位置を前記地点として決定する請求項3又は4に記載の地図表示装置。
【請求項6】 前記検索手段は、前記現在位置及び前記現在位置の進行方向に従って決定される所定の検索範囲内に含まれる前記名称データを抽出する請求項3乃至5のいずれかに記載の地図表示装置。
【請求項7】 前記決定手段は、前記地図表示範囲内の任意の地点及び進行方向をユーザが指定するための地点指定手段を有する請求項1又は2に記載の地図表示装置。
【請求項8】 前記検索手段は、前記地点指定手段によりユーザが指定した地点及び進行方向に従って決定される所定の検索範囲内に含まれる前記名称データを抽出する請求項7に記載の地図表示装置。
【請求項9】 前記地図データは、地図上の地点を示すノードデータと、地図上の道路を示すリンクデータと、前記ノードデータ及び前記リンクデータに関連付けられた施設名称及び地域名称を示す名称データと、を含む請求項1乃至8のいずれかに記載の地図表示装置。
【請求項10】 道路データ及び名称データを含む地図データを記憶した記憶手段を利用して所定の地図表示範囲内の地図を表示し、前記地図表示範囲内の1つの地点を決定し、前記地図データを参照して前記決定された地点に関連する名称データを検索により抽出し、前記抽出された名称データを前記表示された地図上に重ねて表示するようにした地図表示方法。
【請求項11】 前記表示された名称データ中の名称をユーザによって指定し、前記指定した名称の周辺の地図を表示する請求項1に記載の地図表示方法。
【請求項12】 現在位置を断続的に検出し、前記現在位置を前記表示された地図に重ねて表示すると共に、自動的に前記地図上に表示された前記現在位置を更新する請求項10又は11に記載の地図表示方法。
【請求項13】 前記地図表示範囲は前記現在位置に基づいて定められる請求項12に記載の地図表示方法。
【請求項14】 前記地点の決定は、前記現在位置が前記地図表示範囲の所定の周辺部分に入った時の前記現在位置を前記地点として決定する請求項12又は13に記載の地図表示方法。
【請求項15】 前記検索は、前記現在位置及び前記現在位置の進行方向に従って決定される所定の範囲内に含まれる前記名称データを抽出する請求項12乃至14のいずれかに記載の地図表示方法。
【請求項16】 前記地点の決定は、前記地図表示範囲内の任意の地点及び進行方向をユーザが指定する請求項10又は11に記載の地図表示方法。
【請求項17】 前記検索は、前記ユーザが指定した地点及び進行方向に従って決定される所定の検索範囲内に含まれる前記名称データを抽出する請求項16に記載の地図表示方法。
【請求項18】 前記地図データは、地図上の地点を示すノードデータと、地図上の道路を示すリンクデータと、前記ノードデータ及び前記リンクデータに関連付けられた施設名称及び地域名称を示す名称データと、を含む請求項10乃至17のいずれかに記載の地図表示方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、利用者の現在位置を含む地図情報を利用者に提供する地図表示装置及び地図表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、利用者の現在位置及びその周辺の地図情報をリアルタイムで提供する装置として、例えば車両ナビゲーション装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、通常車両ナビゲーション装置は、自車の現在位置の周辺の地図情報を表示するものであり、進行方向にどのような地域、施設などがあるのかを知るためには、ナビゲーション装置を操作してその方向の地図情報を表示させなければならない。即ち、自分の進行方向に存在する地域、施設などを容易に知ることはできない。
【0004】本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、現在の進行方向にある地域、施設などを容易に知ることが可能な地図表示装置及び地図表示方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、地図表示装置において、道路データ及び名称データを含む地図データを記憶する記憶手段と、前記地図データを利用して、所定の地図表示範囲内の地図を表示する地図表示手段と、前記地図表示範囲内の1つの地点を決定する決定手段と、前記地図データを参照して、前記決定された地点に関連する名称データを抽出する検索手段と、前記抽出された名称データを、前記地図表示手段が表示する地図上に重ねて表示する名称表示手段と、を備えるように構成する。
【0006】上記のように構成した地図表示手段によれば、地図表示手段は、記憶手段中に記憶された地図データを使用して、所定の地図表示範囲内の地図を表示する。次に、決定手段により1つの地点が決定されると、検索手段は、決定された地点に関連する名称データを抽出し、名称表示手段は抽出された名称を、表示された地図上に重ねて表示する。従って、表示された地図上のある地点が決定されると、その地点に関連する名称が重ねて表示されることになる。よって、ユーザはその地名に関連する施設名、地名などを容易に知ることができる。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の地図表示装置において、前記名称表示手段が表示した名称データ中の名称をユーザが指定するための名称指定手段を備え、前記地図表示手段は、前記ユーザが前記名称指定手段により名称を指定した時に、指定された名称の周辺の地図を表示する。これにより、ユーザは、指定した名称の周辺の地図を迅速かつ容易に見ることができる。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の地図表示装置において、前記地図表示装置の現在位置を継続的に検出する現在位置検出手段を備え、前記地図表示手段は前記現在位置を前記地図に重ねて表示すると共に、自動的に前記地図上に表示された前記現在位置を更新する。また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の地図表示装置において、前記地図表示範囲は前記地図表示装置の現在位置に基づいて定められる。よって、ユーザは表示地図上で常に現在位置を把握することができる。
【0009】請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の地図表示装置において、前記決定手段は、前記現在位置が前記地図表示範囲の所定の周辺部分に入った時の前記現在位置を前記地点として決定する。従って、現在位置が表示中の地図の周辺に近づいた時にその地点に関連する施設や地域などの名称を知ることができる。
【0010】請求項6に記載の発明は、請求項3乃至5のいずれかに記載の地図表示装置において、前記検索手段は、前記現在位置及び前記現在位置の進行方向に従って決定される所定の検索範囲内に含まれる前記名称データを抽出する。従って、現在の進行方向にある施設や地域名称を容易に知ることができ、自己の進行方向を確認することができる。
【0011】請求項7に記載の発明は、請求項1又は2に記載の地図表示装置において、前記決定手段は、前記地図表示範囲内の任意の地点及び進行方向をユーザが指定するための地点指定手段を有する。よって、ユーザが指定した地点に関連する名称を容易に表示することができる。
【0012】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の地図表示装置において、前記検索手段は、前記地点指定手段によりユーザが指定した地点及び進行方向進行方向に従って決定される所定の検索範囲内に含まれる前記名称データを抽出する。よって、ユーザは特定の地点から特定の方向に進んだ際に遭遇する施設や地域の名称を容易に知ることができる。
【0013】請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の地図表示装置において、前記地図データは、地図上の地点を示すノードデータと、地図上の道路を示すリンクデータと、前記ノードデータ及び前記リンクデータに関連付けられた施設名称及び地域名称を示す名称データと、を含む。これにより、地図上の地点や地域に関連する施設や地域の名称を容易に検索、抽出することが可能となる。
【0014】請求項10に記載の発明は、地図表示方法において、道路データ及び名称データを含む地図データを記憶した記憶手段を利用して所定の地図表示範囲内の地図を表示し、前記地図表示範囲内の1つの地点を決定し、前記地図データを参照して前記決定された地点に関連する名称データを検索により抽出し、前記抽出された名称データを前記表示された地図上に重ねて表示するようにした。
【0015】上記のように構成した地図表示方法によれば、記憶手段中に記憶された地図データを使用して、所定の地図表示範囲内の地図が表示される。次に、1つの地点が決定されると、決定された地点に関連する名称データが抽出され、抽出された名称が表示された地図上に重ねて表示される。従って、表示された地図上のある地点が決定されると、その地点に関連する名称が重ねて表示されることになる。よって、ユーザはその地名に関連する施設名、地名などを容易に知ることができる。
【0016】請求項11に記載の発明は、請求項1に記載の地図表示方法において、前記表示された名称データ中の名称をユーザによって指定し、前記指定した名称の周辺の地図を表示する。これにより、ユーザは、指定した名称の周辺の地図を迅速かつ容易に見ることができる。
【0017】請求項12に記載の発明は、請求項10又は11に記載の地図表示方法において、現在位置を断続的に検出し、前記現在位置を前記表示された地図に重ねて表示すると共に、自動的に前記地図上に表示された前記現在位置を更新する。また、請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の地図表示方法において、前記地図表示範囲は前記現在位置に基づいて定められる。よって、ユーザは表示地図上で常に現在位置を把握することができる。
【0018】請求項14に記載の発明は、請求項12又は13に記載の地図表示方法において、前記地点の決定は、前記現在位置が前記地図表示範囲の所定の周辺部分に入った時の前記現在位置を前記地点として決定する。従って、現在位置が表示中の地図の周辺に近づいた時にその地点に関連する施設や地域などの名称を知ることができる。
【0019】請求項15に記載の発明は、請求項12乃至14のいずれかに記載の地図表示方法において、前記検索は、前記現在位置及び前記現在位置の進行方向に従って決定される所定の範囲内に含まれる前記名称データを抽出する。従って、現在の進行方向にある施設や地域名称を容易に知ることができ、自己の進行方向を確認することができる。
【0020】請求項16に記載の発明は、請求項10又は11に記載の地図表示方法において、前記地点の決定は、前記地図表示範囲内の任意の地点及び進行方向をユーザが指定する。よって、ユーザが指定した地点に関連する名称を容易に表示することができる。
【0021】請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の地図表示方法において、前記検索は、前記ユーザが指定した地点及び進行方向に従って決定される所定の検索範囲内に含まれる前記名称データを抽出する。よって、ユーザは特定の地点から特定の方向に進んだ際に遭遇する施設や地域の名称を容易に知ることができる。
【0022】請求項18に記載の発明は、請求項10乃至17のいずれかに記載の地図表示方法において、前記地図データは、地図上の地点を示すノードデータと、地図上の道路を示すリンクデータと、前記ノードデータ及び前記リンクデータに関連付けられた施設名称及び地域名称を示す名称データと、を含む。これにより、地図上の地点や地域に関連する施設や地域の名称を容易に検索、抽出することが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0024】図1に、本発明の第1実施形態にかかる地図情報提供システムの構成を示す。第1実施形態のシステムは、ユーザが移動端末装置を所持して移動している間に地図情報を提供するシステムに関する。
【0025】図示のように、本システムにおいては、サーバ21及びプロバイダ26がインターネット25を介して接続されている。プロバイダ26には、複数のユーザ端末27並びに携帯電話局28が電話回線30を介して接続されている。さらに、携帯電話局28は、ユーザが所持し、使用する移動端末29と無線により通信可能である。
【0026】サーバ21は、地図データベース23及びサーバ端末24を含む。地図データベース23には、後述する各種のテーブルの形態で地図データが記憶されている。また、サーバ端末24は、ユーザ端末27や移動端末29からの要求に応じて、地図データベース23にアクセスして必要な地図データを取得し、インターネット25を介して要求元の端末へ送信する機能を有する。さらに、サーバ端末24は、移動端末29における「至る表示処理」を行うがその詳細については後述する。
【0027】次に、地図データベース23内に記憶される地図データについて、図2乃至図4を参照して説明する。本実施形態においては、地図データベース23は、ベクトルデータと呼ばれる形態で地図データを記憶している。図2に、ある地域のベクトル地図データによって示される地図情報の例を示し、図3及び4にこのベクトル地図データを構成するベクトルデータの例を示す。
【0028】地図のベクトルデータは、図3及び図4に示すノードテーブル、リンクテーブル、施設名称テーブル、地域名称テーブルにより構成される。ベクトルデータにおいては、地図上のある地点はノードとして、ある道路はリンクとして特定される。
【0029】ノードテーブルは、図3(A)に示すように、複数の地点をノードとして記憶する。1つのノードにはその地理的座標(緯度及び経度)が対応付けられて記憶される。リンクテーブルは、図3(B)に示すように、複数の道路をリンクとして記憶する。各リンクにはリンク番号が付され、リンク番号に対応してその道路の起点及び終点のノード番号が記憶される。さらに各リンク番号に対して、その道路の属性情報が記憶される。属性情報は、例えばその道路の長さ、車線数、一方通行であるか否かなどの情報を含む。
【0030】施設名称テーブルは、地図上に表示すべきランドマーク、建物などに関する情報を記憶している。具体的には、各店舗、ランドマークなどについて、ジャンルの分類情報、緯度及び経度、住所、電話番号などの情報を記憶している。また、地域名称テーブルは、地図上に表示すべき道路、地域などの名称を、関連するノード及びリンクと関連付けて記憶している。
【0031】図2の例では、図中上下方向に走る道路(リンク)20と左右方向に走る道路(リンク)22とが存在する。道路20及び22は、それぞれリンクテーブル中にリンク番号20及び22で記憶されている。リンクテーブルにおいて、リンク20の起点はノード10、終点はノード11であり、リンク22の起点はノード12、終点はノード13である。また、図2の各ノード1乃至6は、交差点又は店舗などの目標物、施設を示し、これらに関する名称が図4(A)に示す施設名称テーブルに記憶されている。また、図2に含まれるノード及びリンクに関連して、図4(B)に示す地域名称が用意されている。
【0032】次に、移動端末29の構成について図5を参照して説明する。図5に示すように、移動端末29は、送受信機106、システムコントローラ103、RAM102、ROM101、ナビゲーションユニット93、音声入力ユニット99、操作スイッチ98、グラフィックドライバ94及びオーディオドライバ96がバス100接続された形態で構成される。
【0033】送受信機106はアンテナを備え、そのアンテナを介して携帯電話局28などとの間で電波を送受信する。また、送受信機106は、受信した電波を復調して復調信号をシステムバス100上に送出すると共に、システムバス100を介して供給された各種要求信号を変調し、これを無線送信する。
【0034】ナビゲーションユニット93は、主としてGPS(Global Positioning System)により構成され、測位用人工衛星から送られる電波を利用して、移動端末29の絶対位置(緯度及び経度)を算出する。従って、ユーザが移動端末29を所持して移動すると、ナビゲーションユニット93はユーザの現在位置を継続的に測定し、現在位置データを更新する。
【0035】グラフィックドライバ94は、サーバ21からインターネット25、携帯電話局28などを介して受信した地図データを画像データに変換してディスプレイ95上に供給する。これにより、ディスプレイ95の画面上には移動端末を所持するユーザの現在位置及びその周辺の地図情報が表示される。
【0036】オーディオドライバ96は、移動端末29の各種機能の実行中に発せられる警告やメッセージなどの音声データをアナログ音声信号に変換し、スピーカ97から出力させる。
【0037】操作スイッチ98は、ユーザのスイッチ操作に応じた各種操作命令信号をシステムバス100上に送出する。
【0038】音声入力装置99は、マイクロフォン105及び音声認識回路104から構成されている。マイクロフォン105は、ユーザが発声した音声を電気信号に変換して得た音声信号を音声認識回路104へ供給する。音声認識回路104は、入力された音声信号が、予め用意された所定の操作命令の信号波形と一致する場合には、その操作命令に対応する操作命令信号をシステムバス100上に送出する。また、音声認識回路104は、入力された音声信号が所定の操作命令の信号波形と一致しない場合には、その音声信号の発声に応じたカナ表記コードに変換し、これをカナ表記コードKCとしてシステムバス100上に送出する。
【0039】システムコントローラ103は、ROM101内に予め記憶された種々のプログラムに基づいて、移動端末29が実行する各種処理の制御を行う。上記移動端末29の処理には、サーバ21から受信した地図情報上にユーザの現在位置を重ねて表示する「地図表示処理」や、ユーザの進行方向に存在する施設や地域名称を表示する「至る表示処理」が含まれる。なお、システムコントローラ103は、制御実行中にRAM102をワークエリアとして使用する。
【0040】次に、移動端末29が実行する地図表示処理について説明する。地図表示処理とは、移動端末29が、その現在位置に基づいて、インターネット25を介してサーバ21から地図データを受け取り、その地図データをディスプレイ95上に表示する処理である。
【0041】まず、ユーザが操作スイッチ98又は音声入力ユニット99を利用して地図表示処理の開始を指示すると、システムコントローラ103はナビゲーションユニット93から現在位置データを取得する(ステップS2)。この現在位置データは、移動端末29の現在位置の緯度及び経度の座標データとすることができる。次に、システムコントローラ103は、取得した現在位置データを携帯電話局28、インターネット25を介してサーバ21へ送信する(ステップS4)。
【0042】サーバ21は、受け取った現在位置データに基づいて、地図データベース23にアクセスして表示地図データを抽出する。詳細には、サーバ端末24は、移動端末29から受け取った現在位置データの座標を中心として南北に所定距離である表示エリアを決定する。次に、サーバ端末24は、その表示エリア内に属する地点(ノード)、道路(リンク)、地域及び施設名称を地図データベース23の各テーブルを参照して取得し、これらをインターネット25及び携帯電話局28を介して移動端末29へ送信する(ステップS6)。
【0043】なお、地図表示データは、その表示エリアの周囲を規定するためのデータを含む。例えば、表示エリアが現在位置を中心として南北に所定距離を有する四角形により規定される場合には、地図表示データはその表示エリアを規定する四角形の4隅の地点の座標(緯度及び経度)データを含む。また、別の例として、表示エリアが現在位置を中心とする所定半径の円により規定される場合には、地図表示データは、その円の中心となる現在位置の座標及びその所定半径値のデータを含むことになる。従って、サーバ端末24は、そのような表示エリアを規定するデータを利用して地図データベース23内の地点、道路、施設、地域名称などのデータを抽出し、表示地図データとして送信する。なお、表示エリアを規定する方法は、上記の四角形や円以外の種々の方法を使用することができる。
【0044】移動端末29のシステムコントローラ103は、表示地図データを受け取り、これをディスプレイ95の画面上に表示する(ステップS8)。この場合の地図データの表示例を図8(A)に示す。図示の例では、現在位置マーク40(黒点で示す)を中心とする4角形の範囲内が表示エリアとして規定され、その表示エリア内の地図が示されている。また、表示された地図中には、そのエリア内に属する施設や地域名称も表示されている。
【0045】次に、システムコントローラ103は、至る表示処理を行う(ステップS10)。「至る表示処理」とは、ユーザの進行方向にあって、現在の地図に表示されていない場所にどのような施設や地域名称が存在するかを表示する処理であるが、これは後に詳細に説明する。
【0046】次に、システムコントローラ103は、ユーザが地図表示処理の終了を指示したか否かを判別する(ステップS12)。地図表示の終了指示の入力があった場合、処理は終了する。一方、終了指示の入力が無い場合、システムコントローラ103はナビゲーションユニット93にアクセスして現在位置データの更新を行う(ステップS14)。
【0047】次に、システムコントローラ103は、更新された現在位置が現在の表示エリア内に属しているか否かを判定する(ステップS16)。前述のように、現在の表示エリアは、その4隅の位置座標などにより規定され、システムコントローラ103はその時点の表示エリアを認識している。よって、システムコントローラ103は、更新された現在位置座標を現在の表示エリアのデータに照らし合わせることによりこの判定を行う。
【0048】更新後の現在位置が現在の表示エリア内に含まれる場合には、システムコントローラ103は表示画面上で現在位置マーク40を移動させて現在位置の更新を行う(ステップS18)。一方、更新後の現在位置が表示エリア外である場合、処理はステップS4へ戻り、システムコントローラ103は新たな現在位置データをサーバ21へ送信して新たな表示地図データを取得する。こうして、ユーザが移動するにつれて、表示画面上で現在位置の更新が行われる。また、移動したユーザが現在の表示エリア外へ進んだ場合には、自動的に新たな地図データがサーバ21から取得され、表示される。よって、ユーザは継続的に現在位置周辺の地図情報を知ることができる。
【0049】なお、1つのオプションとして、ユーザの現在位置が現在の表示エリア外へ出た場合に、自動的にではなく、ユーザの指示を待ってサーバ1へアクセスし、新たな地図を取得するように構成することも可能である。これは、ROM101内に記憶される処理プログラムを変更することにより実現される。ユーザの所持する移動端末29からサーバ21へのアクセスはプロバイダへの接続などの通信処理を伴うため、所定の費用を要する。よって、上述のように、現在位置が現在の表示エリア外へ出たことを知らせ、ユーザの指示を待って新たな地図を取得するように構成することもできる。
【0050】次に、至る表示処理について説明する。至る表示処理とは、ユーザの現在位置が移動して移動端末29のディスプレイ画面上の現在の表示エリアの端に近づいたときに、その方向に存在する施設や地域の名称のリストを表示する処理を言う。また、ユーザがそのリストから関心のある施設や地域を選択したときには、その周辺の地図を自動的に表示する処理を含む。以下、図7乃至図10を参照して説明する。
【0051】至る表示処理では、先ず、ユーザの現在位置が「至る表示エリア」に入ったか否かを判定する(ステップS20)。ここで、「至る表示エリア」は、例えば、現在の表示エリアの周辺部分とすることができる。即ち、図10(A)に示すように、現在の表示エリアの周辺部分(周囲から緯度Xd、経度Ydの領域。斜線で示す。)とすることができる。前述のように、システムコントローラ103は、現在の表示エリアの4隅の位置座標を認識しているので、ナビゲーションユニットが提供する現在位置座標が至る表示エリアに入ったか否かを計算により判断することができる。
【0052】現在位置が至る表示エリア内であると判断された場合、次に、システムコントローラはユーザの進行方向を決定する(ステップS22)。これは、図6に示す地図表示処理にて定期的に更新される現在位置データの変化の履歴をRAM102に記憶しておき、それを参照することにより実行する。
【0053】次に、システムコントローラ103は、現在位置及び進行方向に基づいて、ユーザの進行方向の領域に所定の形状及び大きさの検索範囲を決定し、サーバ21へ送信する(ステップS24)。この検索範囲は、現在位置から所定の緯度及び経度の範囲として決定することができる。例えば、現在位置の緯度がXa、経度がYaである場合に、緯度(Xa+α)〜(Xa+β)、経度(Ya+α)〜(Ya+β)(α>β)の範囲を検索範囲とすることができる。
【0054】次に、サーバ21は、受信した検索範囲の情報に基づいて、地図データベース23を参照し、その範囲内に存在する施設、地域名称など(以下、「至る表示情報」と呼ぶ。)を抽出する。そして、抽出した至る表示情報を移動端末29へ送信する(ステップS26)。
【0055】移動端末29のシステムコントローラ103は、サーバ21から受信した至る表示情報をディスプレイ画面上に表示することにより、至る表示を行う(ステップS28)。この至る表示の表示画面例を図8(B)に示す。図8(B)において、ユーザの現在位置マーク40マークは表示地図中の下端付近まで進んでおり、ユーザが表示エリア内の下端まで進んだことを示している。そして、表示地図のユーザの現在位置マーク40付近に至る表示30が重ねて表示されている。この至る表示により、ユーザは、今自分が進んでいる方向にある主要な施設や地域名称を知ることができる。従って、目的地が現在進んでいる方向にあるか否かを容易に確認することができる。なお、至る表示30はユーザの現在位置マーク40の近傍以外の画面上のいずれの位置に表示することも可能である。
【0056】次に、システムコントローラ103は、ユーザが、至る表示中の関心のある施設、地域名称など(以下、「項目」と呼ぶ。)を選択したか否かを判別する(ステップS30)。至る表示は、ユーザが至る表示中の各項目を選択することができるように表示される。至る表示中の項目の選択は、例えば移動端末29の操作スイッチ98を操作し又は音声入力装置99を使用することにより行うことができる。図9(A)は、図8(B)の至る表示中にユーザが項目「有楽町」を選択したときの表示画像を示しており、至る表示30内の「有楽町」の左側にチェックマークが示されている。
【0057】至る表示中の項目が選択されない場合には、至る表示処理は終了する。一方、ある項目が選択された場合、システムコントローラ103はその項目を特定する情報をサーバ21へ送信する(ステップS32)。サーバ1は、地図データベース23中の各テーブルにアクセスして、その項目を検索する。そして、その項目の周辺の地図情報を移動端末29へ送信する(ステップS34)。
【0058】移動端末29は、受信した地図情報をディスプレイ画面上に表示する(ステップS36)。この場合の表示画面例を図9(B)に示す。この例では、図9(A)に示すように至る表示30中の項目「有楽町」をユーザが選択した結果、有楽町周辺の地図情報がディスプレイに表示されている。
【0059】その後、システムコントローラ103は、ディスプレイ95の表示を、図8(B)に示すような通常の地図表示に戻す(ステップS36)。この場合、1つの方法として、システムコントローラ103は、ステップ34の周辺地図表示を所定時間行った後に自動的に通常の地図表示に戻ることができる。また、別の方法としては、ユーザの入力が無い限りは周辺地図表示を継続し、ユーザの入力に応答して通常の地図表示に戻ることもできる。
【0060】次に、システムコントローラ103は、ユーザが至る表示30中の別の項目を選択したか否かを判断する(ステップS38)。別の項目を選択した場合、処理はステップS32へ戻る。一方、別の項目を選択しなかった場合、至る表示処理を終了する。
【0061】以上のように、至る表示処理により、ユーザの現在位置が現在の表示エリアの端部に近づくと、ユーザが現在進んでいる方向に存在する施設、地域名称などが自動的に表示される。従って、ユーザは自分が進んでいる方向が正しいか否かを容易に判断することができる。また、ユーザが表示された施設、地域名称などの項目から関心のある項目を選択すると、その周辺の地図が自動的に表示される。従って、ユーザは、自分の目的地など、関心のある地点の周辺地図を容易に見ることができる。
【0062】なお、上記の説明で検索範囲の決定は移動端末9のシステムコントローラ103が行うこととしているが、これをサーバ側が行うこととしてもよい。その場合、システムコントローラ103は現在位置と進行方向のデータをサーバ21へ送信し、サーバ21がそれらのデータに基づいて検索範囲を決定するとともに検索を行い、抽出された地図情報を移動端末29へ送信すればよい。
【0063】また、以上説明した第1実施形態では、ユーザの現在位置が所定の至る表示エリア内に入ったときに至る表示を行うように構成している。その代わりに、又は、それに加えて、ユーザが移動端末29の操作スイッチ又は音声入力装置を利用して任意の地点並びに進行方向を指定したときに、その指定された位置から指定された方向への至る表示を行うように構成することもできる。
【0064】次に、本発明の至る表示を車載用ナビゲーション装置に適用した第2実施形態について説明する。車載用ナビゲーション装置における実施形態の構成は、基本的に図5に示す移動端末の構成と同様である。但し、図1のサーバ21内の地図データベース23に記憶されている地図情報は、ROMの形で図5のナビゲーションユニット93内に含められる。車載用ナビゲーションシステムは携帯電話局やインターネットを介してサーバと通信する必要は無いので、図1に示す構成や図5における送受信機106は不要となる。車載用ナビゲーション装置は、図5に示す各構成要素(送受信機106を除く)を有する自立型システムとなる。よって、全ての処理の制御はシステムコントローラ103が、ROM101内に記憶されたプログラムに基づいて実行する。
【0065】また、通常、車載用ナビゲーション装置では、ディスプレイ上に表示される地図は、常に現在位置を中心として表示される。先に述べた第1実施例の場合は、地図データがサーバ側にあるため、地図表示がいわゆる「ページめくり形式」になる。すなわち、所定の表示エリアの地図データを逐次サーバからダウンロードして表示し、ユーザが次の表示エリアに入るまでは同一の地図を表示し続け、次の表示エリアに入ったときに初めてサーバにアクセスして次の表示エリアの地図を取得して表示するのである。これに対し、車載用ナビゲーション装置の場合は、地図情報はROM内に記憶されているので、現在地が常に中心に表示されるように頻繁に地図情報を更新している。よって、第1実施形態のように、至る表示を行う条件として現在位置が表示エリアの端部に入るということは起こり得ない。
【0066】従って、車載用ナビゲーション装置の場合には、図10(B)に示すように、地図上に特定のエリアを予め決定しておき、地図データと共にROM内に記憶しておく。そして、車両の現在位置がいずれかのエリアに入ったときに至る表示を行うこととする。例えば、図10(B)の例では、銀座付近の地域に「銀座エリア」、「有楽町エリア」、「新橋エリア」などの複数のエリアが予め設定されている。これら各エリアはその4隅の地点情報(緯度及び経度)により規定される。そして、車両の現在位置がいずれかのエリアに入ったときに、そのエリアから、その時点の進行方向に向かう所定範囲について施設及び地域名称の検索を行い、至る表示情報を作成する。
【0067】この場合、例えば、図10(B)の例では、車両の現在位置32が銀座エリアに入ったときに至る表示の条件が満たされる。車両の進行方向はナビゲーションユニットが把握しているので、システムコントローラは銀座エリアからその進行方向における所定の検索範囲について施設及び地域名称を検索し、至る表示情報を作成して画面上に重畳して表示する。至る表示中のある項目が選択された場合にその周辺地図情報を表示することは第1実施形態の場合と同様である。
【0068】このようにすれば、車載用ナビゲーション装置においても至る表示を行うことができ、走行中に自分の進行方向が正しいか否かを確認することができる。また、至る表示中のある特定の項目を選択すれば、その周辺地図を容易に見ることができる。
【0069】さらに、別の実施形態として、本発明をパソコンなどの端末装置上で地図情報を検索、表示するシステムに適用することもできる。具体的には、例えばスタンドアローン型の端末上で動作する地図検索ソフトウェアに適用することもできるし、インターネットなどを利用してネットワーク上で提供される地図検索サービスに適用することもできる。
【0070】地図検索ソフトウェアの場合には、図2乃至4を参照して説明した地図データがCD−ROMなどの形態で用意され、これにアクセスして必要なデータを取得する。一方、ネットワーク上で提供される地図検索サービスの場合は、図1に示すようにサーバ21に地図情報が記憶され、ユーザ端末27からこれにアクセスするという形態を採ることができる。
【0071】いずれの場合も、先に説明した移動端末や車両ナビゲーション装置への適用とは異なるのはユーザの現在位置が移動しないことである。よって、上記の実施形態ではGPSなどにより測定していた現在位置の代わりに、ユーザが任意の地理的位置を指定、入力し、その位置を現在位置として地図表示を行うことになる。また、さらに、至る表示を行う場合は、例えばユーザがある地理的位置と方向を指定し、それらに基づいて検索範囲を決定し、地図データを参照して至る表示情報を取得し、表示することができる。
【0072】なお、上記の説明では、至る表示により表示される情報を施設、地域名称などの情報としているが、それに加えて又はその代わりに、例えばリンクテーブル(図3(B)参照)内の属性情報などを至る表示情報とすることもできる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、ユーザの現在位置が現在の表示エリアの端部に近づくと、ユーザが現在進んでいる方向に存在する施設、地域名称などが自動的に表示される。従って、ユーザは自分が進んでいる方向が正しいか否かを容易に判断することができる。また、ユーザが表示された施設、地域名称などの項目から関心のある項目を選択すると、その周辺の地図が自動的に表示される。従って、ユーザは、自分の目的地など、関心のある地点の周辺地図を容易に見ることができる。
【出願人】 【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
【識別番号】595105515
【氏名又は名称】インクリメント・ピー株式会社
【出願日】 平成11年10月29日(1999.10.29)
【代理人】 【識別番号】100083839
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 泰男
【公開番号】 特開2001−124568(P2001−124568A)
【公開日】 平成13年5月11日(2001.5.11)
【出願番号】 特願平11−308352