| 【発明の名称】 |
圧電ジャイロ |
| 【発明者】 |
【氏名】北西 真一路
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、感度が高く、且つノイズの少ない圧電ジャイロを提供する。
【解決手段】本発明は、円筒状固定脚体部2と、該円筒脚体部2の一方の開口周縁部に固定され、且つ表面に駆動及び検出電極が形成されて横揺れ振動を発生する円板状の圧電基板10と、前記円板状の圧電基板10の両主面に、その重心が圧電基板10の中心点をとおる上下方向の一直線上に、且つ該中心点に対して対称となるように各々配置して成る錘部材3、4を有する圧電ジャイロである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 円筒状の固定脚体部と、該固定脚体部の一方の開口周縁部に固定され、且つ表面に駆動及び検出電極が形成されるとともに、横揺れ定常振動を行う円板状の圧電基板と、前記円板状の圧電基板の両主面に貼着された上下錘部材とから成り、前記上下錘部材の重心が、該圧電基板の中心点であることを特徴とする圧電ジャイロ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、基本振動が角速度の変化に伴うコリオリ力を、圧電基板の歪による電荷で検出して、角速度を測定する圧電ジャイロに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、例えば加速度センサ、角速度センサなどに使用される圧電ジャイロは、図4に示す構造が知られている。 【0003】この圧電ジャイロは、円板状の圧電セラミックス板(圧電基板)110と、この圧電基板110を補強する起歪体111と、起歪体111に固定された圧電基板110を固定する固定脚体部112とから構成さられている。 【0004】歪み検知部材である円状圧電基板110の表裏両面に互いに対向しあうように、複数対の電極113、114、115、116が形成されている。 【0005】この起歪体111の周縁部には、円筒状固定脚体部112が固着されている。 【0006】また起歪体111の裏面中央部には、錘部材117が固定されている。 【0007】そして、圧電基板110には、一対の振動駆動側電極(駆動電極)113、114と、一対の振動検出側電極(検出電極)115、116とが配置されている。尚、図4では断面図であるが、円板状の圧電基板110を平面的に4分割して第1象限〜第4象限とすると、例えば、第1象限及び第3象限に駆動電極が、第2象限及び第4象限に検出電極がそれぞれ配置されている。 【0008】そして、駆動電極113、114に所定振動信号を印加している状態で、水平方向の加速度に加速度が作用すると、それによる慣性力が錘部材117に作用し、圧電基板板110にS字状の歪みを発生させる。圧電基板板110の表面の引張又は圧縮状態と、圧電基板110の分極方向によって、基板の厚み所定厚み方向に電荷が発生する。そして、その電荷を、例えば検出電極115、116により電位として検出するものである。 【0009】即ち、圧電基板110が表面側の検出電極115部分が引張側となり、電荷が生じて、例えば「−」となり、その裏面側の検出電極116が「+」となる。また、この圧電基板110の180°反対側の電極部や位相が180°ずれると、圧縮部分となって電極115が「+」、電極116が「−」となる。 【0010】そして、この電極115、116を差動アンプに接続する。これより、例えばX軸方向の歪みによる電位が、その加速度に比例して得られ、差動アンプから増幅率Aで出力された結果に基づいて、加速度や変位量が求められる。また、X軸方向と同じ平面内で直交するY軸方向の加速度も、同様に検出される。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の圧電ジャイロでは、以下の2つの要因により検出感度の低下してしまうという問題点があった。 【0012】錘部材117が圧電基板110の下面に配置された起歪体111下部に接合されている。この錘部材117による振り子運動による圧電基板110の歪みが比較的小さいものであった。 【0013】また、圧電基板110の下面にガラスなどの起歪体111が被着されているため、逆に起歪体111が圧電基板110の振動及び歪みの妨げとなっていた。 【0014】本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は感度が高く、且つノイズの少ない圧電ジャイロを提供することにある。 【0015】 【課題を解決するための手段】本発明は、 円筒状の固定脚体部と、該固定脚体部の一方の開口周縁部に固定され、且つ表面に駆動及び検出電極が形成されるとともに、横揺れ定常振動を行う円板状の圧電基板と、前記円板状の圧電基板の両主面に貼着された上下錘部材とから成り、前記上下錘部材の重心が、該圧電基板の中心点であることを特徴とする圧電ジャイロである。 【0016】 【作用】本発明によれば、圧電基板に錘部材及び筒状固定脚体部とが直接接合されており、ガラス基板などが介在されていない。従って、圧電基板と錘部材とによる理想的な定常振動を発生させることができる。 【0017】また、上下の錘部材の両者の重心が、圧電基板の平面方向及び厚み方向の中心点(即ち、横揺れ振動の節となる部分) になるように貼着されている。従って、圧電基板の定常的な振幅及び発生応力を飛躍的に向上させることかできる。そして、角速度によるコリオリ力による圧電基板の横揺れによる歪みが助長されることになる。 【0018】結局、これにより角速度や変位による圧電基板の歪みが大きくなり、感度が大きく向上する。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明の圧電ジャイロを図面に基づいて詳説する。 【0020】図1は、本発明の圧電ジャイロの外観斜視図であり、図2はその断面構造図であり、図3は圧電基板の表面側電極の構造を示す1/4部分の平面図である。 【0021】圧電ジャイロは、圧電基体1、円筒状固定脚体部2、上下の2つの錘部材3、4とから構成されている。 【0022】圧電基体1は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、PT(チタン酸鉛、BT(チタン酸バリウム)等の円状の圧電セラミック材料、圧電性単結晶基板からなる圧電基板10と各電極11〜14とから構成されている。尚、圧電基板10にセラミック材料を用いる場合には、基板10に横揺れの定常振動が発生するように分極処理を施されている。また、圧電基板1つの表面に放射状に、例えば4つの電極11〜14が形成されている。 【0023】2つの電極11、13は駆動側電極として動作し、例えば、基板の中心点上をとおるX軸上に配置されている。2つの電極12、14は、検出側電極として動作し、例えば、基板の中心点をとおるY軸上に配置されている。 【0024】また、各電極11〜14は、グランド電位と極性が反転する一対の電極指が噛み合って構成されている。例えば、図3に示すように電極11は、複数の互いに噛み合う電極指11a、11bとから構成され、例えば、電極指11bはグランド電位であり、電極指11aは外部駆動回路によって、その極性が「正」、「負」となる。 【0025】また、最外周部分には、外部駆動回路とボンディングワイヤやリード線を介して接続する電極パッド11c、11dが形成されている。尚、最内周には、上部錘部材4が接合される領域15である。尚、他の駆動電極13についても、検出電極12、14についても、グランド電位と極性が反転する一対の電極指が噛み合って構成されている。尚、検出電極は、外部の検出回路に接続され、検出電極から現れる定常の横揺れ振動にコリオリ力が加わり、発生する圧電基板1の歪を電荷として検出するものである。これらの電極11〜14は、銀や金などを材料とし、厚膜技法によって、また、薄膜技法(導体膜の被着、エッチング)によって形成される。 【0026】円筒状固定脚体部2は、例えばステンレス、42アロイ(鉄−ニッケル合金)などの金属部材からなり、圧電基体1の裏面の外周部に接合される。具体的には、円筒状固定脚体部2の一方開口の周囲と、圧電基体1の外周とがエポキシ樹脂などを介して接着されている。尚、円筒状固定脚体部2の円筒高さ寸法は、下部錘部材3の長い寸法となっている。 【0027】また、下部錘部材3は、圧電基板10の裏面側の中心点に接着により接合されている。下部錘部材3の形状は、概略円柱状であり、その上端面がエポキシ樹脂接着材や半田などを介して圧電基板10に貼着されている。下部錘部材3は、例えばステンレスや42アロイ(鉄−ニッケル合金)などからなる。その寸法は、例えば直径2mm程度、長さ3.5mmとなっている。 【0028】圧電基板10との接合において、特に半田を用いて接合する場合には、圧電基板10側の接合部分及び下部錘部材3の上端面には、半田接合可能な領域15を形成しておく必要がある。 【0029】上部錘部材4は、圧電基板10の表面側の中心点に接着により接合されている。上部錘部材4の形状は概略円柱状であり、その上端面がエポキシ樹脂接着材や半田などを介して圧電基板10に貼着されている。上部錘部材4は、例えばステンレスや42アロイ(鉄−ニッケル合金)などからなる。その寸法は、例えば直径2mm程度、長さ3.5mmとなっている。圧電基板10との接合において、下部錘部材3と同様である。 【0030】ここで、重要なことは、圧電基板10を介して、上下に接合される錘部材3、4の重心が、圧電基板10の中心点をとおる上下方向の直線が一致している。そして両錘部材3、4の重心が圧電基板10を中心点から同一距離に位置している。即ち、両錘部材3、4を一体的に考慮した時の重心が、圧電基板10の平面方向及び厚み方向の中心点となるように配置されている。 【0031】以上のように圧電基板10の中心点部分に、上下に錘部材3、4が接合されているので、仮に、圧電基体1に定常的な横揺れ振動を発生させるべく、駆動電極11、13に電圧を供給する。これより、圧電基体1を横揺れ振動する。 【0032】この状態で、駆動電極11、13を通るX軸方向に対して角速度の変化が発生すると、基板10の上下面に設けられた錘部材3、4にねじれるような力が働く。このねじれるように働く力は、定常横揺れ振動に角速度によるコリオリ力が作用して発生するものであり、これより、圧電基板10に歪を発生させる。そして、駆動電極11、13に対して直交する方向に配置された検出電極12、14で逆起電力が生じ、この電荷を外部検出回路により位相検波することにより、角速度に対する信号が検出できる。 【0033】上述のように、圧電基板10の上下両主面に、下部錘部材3及び上部錘部材4を接合しており、両錘部材3、4ともにこの接合端を固定端として、下部錘部材3の下端面及び上部錘部材4の上端面が楕円周または円周上を周回する運動(回転振り子振動)を行う。即ち、圧電基板10全体が大きく横揺れ振動を起こすことができ、角速度に対する圧電基板10の歪を助長させることができる。これにより、非常に感度の高い振動が可能となる。 【0034】尚、圧電基板10上に形成した電極形成領域(電極11〜14の被着領域)の直径が6〜18mmでは、圧電基板10の厚みは300〜600μmが好ましい。また、電極指11a〜14aと11b〜14bのピッチは、10〜100μmの範囲が実用的である。 【0035】本発明者は、図2に示す本発明の圧電ジャイロと、図4に示した従来の圧電ジャイロ(本発明の圧電ジャイロで上部錘部材4を排除した)とにおいて、定常振動時の圧電基板10、110の横揺れ振動成分及び縦揺れ振動成分の振幅、発生応力を調べた。尚、角速度が与えられた時の振幅、発生応力は、定常振動時に比例して発生するものである。 【0036】例えば、従来の構造での横揺れ振動成分の振幅は1.24μmであり、その発生応力は3.92MPaであった。これに対して、同一条件の本発明の構造では、横揺れ振動の振幅は2.01μmであり、発生応力は6.25MPaとなる。 【0037】また、従来の構造での縦揺れ振動成分の振幅は、0.58μmであり、発生応力が1.41MPaであった。これに対して、同一条件下の本発明の構造では、縦揺れ振動の振幅は0.99μmであり、発生応力は3.38MPaとなる。即ち、横揺れ振動成分及び縦揺れ振動成分において、夫々の発生応力が1.5倍〜2.3倍となる。従って、上述したように、角速度によりコリオリ力が作用し、圧電基板10の歪も、応力に比例することから、角速度の検出感動が飛躍的に向上する。 【0038】以上のように、本発明において、圧電基板10の平面方向及び厚み方向の中心点を考慮して、各々の錘部材3、4の重心をその圧電基板10の中心点になるように配置してバランスを整合している。従って、角速度による錘部材3 、4 の振動を極大化させて、錘部材3 、4 の周囲の応力を非常に大きくすることができる。これにより、角速度の検出感度が向上する。 【0039】また、錘部材3 、4 の重心を、基板10平面方向及び厚み方向の中心点に位置させている。従って、従来のように、基板110の一方主面のみの錘部材117の接合することにより、基板110及び錘部材117を含めた重心が基板の厚みの中心点よりも下側に移動(変位)することが一切ないため、その変位に伴うノイズは一切ない。 【0040】 【発明の効果】以上のように、本発明の圧電ジャイロでは、簡単な構造で、上下の錘部材のバランスよく配置することにより、圧電基板の定常波振動及び角速度の変化による圧電基板の歪を助長し、検出信号を高感度に検出することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006633 【氏名又は名称】京セラ株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月29日(1999.10.29) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−124562(P2001−124562A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月11日(2001.5.11) |
| 【出願番号】 |
特願平11−308371 |
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