| 【発明の名称】 |
外力検知センサ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小中 義宏
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| 【要約】 |
【課題】1つの振動素子で角速度および加速度の検知を可能にする。
【解決手段】角速度、加速度に起因して振動素子8が検出方向に振動すると、その検出振動によって、角速度の大きさに応じた角速度成分と加速度の大きさに応じた加速度成分とから成る角速度・加速度混在信号が差動増幅部24から出力する。上記角速度成分と加速度成分は互いに位相が90°ずれた交流成分である。同期検波部27は上記角速度成分の位相と同相の角速度用参照信号を利用して上記角速度・加速度混在信号を同期検波し、角速度・加速度混在信号から加速度成分を除去し、角速度成分のみに応じた角速度信号を出力する。同期検波部30は上記加速度成分の位相と同相の加速度用参照信号を利用して角速度・加速度混在信号を同期検波し、角速度・加速度混在信号から角速度成分を除去し、加速度成分のみに応じた加速度信号を出力する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 角速度と加速度を共通に検知するセンサ部と;このセンサ部により検知された角速度の大きさに応じた角速度成分と加速度の大きさに応じた加速度成分とから成る角速度・加速度混在信号を出力する角速度・加速度混在信号出力部と;上記角速度・加速度混在信号から上記角速度成分と加速度成分をそれぞれ分離して取り出し角速度信号、加速度信号として出力する信号分離部と;が設けられていることを特徴とする外力検知センサ装置。 【請求項2】 角速度・加速度混在信号の角速度成分と加速度成分は互いに90°位相がずれている交流成分であり、信号分離部は角速度信号取り出し部と加速度信号取り出し部を有し、上記角速度信号取り出し部は、上記角速度成分と同相あるいは180°位相が異なる角速度用参照信号を利用して上記角速度・加速度混在信号を同期検波して上記加速度成分を除去し角速度成分に応じた角速度信号を出力する構成と成し、上記加速度信号取り出し部は、上記加速度信号と同相あるいは180°位相が異なる加速度用参照信号を利用して上記角速度・加速度混在信号を同期検波して上記角速度成分を除去し加速度成分に応じた加速度信号を出力する構成と成していることを特徴とする請求項1記載の外力検知センサ装置。 【請求項3】 センサ部は角速度と加速度を共通に検出する方向に振動が自在な振動素子を有し、角速度・加速度信号出力部は、角速度に起因した上記検出方向の振動素子の振動に基づいた角速度成分と、加速度に起因した検出方向の振動素子の振動に基づいた加速度成分とから成る角速度・加速度混在信号を出力する構成と成していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の外力検知センサ装置。 【請求項4】 センサ部は、角速度と加速度を共通に検出する方向と、該検出方向に対して直交する駆動方向とに振動が自在な振動素子を有し、上記駆動方向の振動素子の振動に応じた駆動検出信号を出力する駆動振動検出部を備え、角速度・加速度信号出力部は、角速度に起因した上記検出方向の振動素子の振動に基づいた角速度成分と、加速度に起因した検出方向の振動素子の振動に基づいた加速度成分とから成る角速度・加速度混在信号を出力する構成と成し、角速度用参照信号は上記駆動検出信号と90°位相がずれた信号と成し、加速度用参照信号は上記駆動検出信号と同相あるいは180°位相がずれた信号と成していることを特徴とした請求項2記載の外力検知センサ装置。 【請求項5】 角速度信号と加速度信号のうちの一方側の取り出し信号に対してノイズ成分となる他方側の信号を信号分離部から検出して減衰する減衰部と;上記取り出し信号から上記減衰部の減衰動作によって得られた信号を差し引いて上記取り出し信号に含まれているノイズ成分を取り除くノイズ除去部と;が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4記載の外力検知センサ装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は角速度や加速度の検知が可能な外力検知センサ装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図3にはジャイロを構成するセンサ部の構造例が上面図により示されている。この図3に示すジャイロ1のセンサ部2は基板3を有し、この基板3の上面には、支持固定部4と、櫛歯形状の駆動用固定電極部5(5a,5b,5c,5d,5e,5f,5g,5h)および検出用固定電極部6(6a,6b,6c,6d,6e,6f)がそれぞれ固定配設されており、上記支持固定部4には支持部7(7a,7b)を介して振動素子8が接続されている。 【0003】上記振動素子8は基板3と間隔を介して配置され、図3に示すX方向とY方向の2方向に振動が可能なものであり、駆動梁9(9a,9b,9c,9d)と、外枠10と、櫛歯形状の駆動用可動電極部11(11a,11b,11c,11d,11e,11f,11g,11h)と、支持部12(12a,12b)と、検出梁13(13a,13b,13c,13d)と、内枠14と、櫛歯形状の検出用可動電極部15(15a,15b,15c,15d,15e,15f)とを有して構成されている。 【0004】すなわち、上記駆動梁9a,9bの各一端側は共通に上記支持部7aに接続され、また、駆動梁9c,9dの各一端側は共通に上記支持梁7bに接続されており、上記駆動梁9a,9b,9c,9dの各他端側は共通に外枠10に接続されている。 【0005】この外枠10には櫛歯形状の上記各駆動用可動電極部11がそれぞれ対応する上記櫛歯形状の駆動用固定電極部5と互いに間隔を介して噛み合うように設けられている。上記互いに対向し合う駆動用固定電極部5a,5b,5c,5dと駆動用可動電極部11a,11b,11c,11dの組は第1の駆動部を構成し、上記駆動用固定電極部5e,5f,5g,5hと駆動用可動電極部11e,11f,11g,11hの組は第2の駆動部を構成している。 【0006】また、上記外枠10には該外枠10の内側に向かって支持部12a,12bがそれぞれ伸張形成され、上記支持部12aの先端側からはさらに検出梁13a,13bが、また、支持部12bからは検出梁13c,13dがそれぞれ伸張形成されている。 【0007】上記各検出梁13a,13b,13c,13dの伸長先端側には内枠14が共通に接続され、この内枠14には櫛歯形状の上記各検出用可動電極部15がそれぞれ対応する上記櫛歯形状の検出用固定電極部6と互いに間隔を介して噛み合うように設けられている。上記互いに対向する検出用固定電極部6a,6b,6cと検出用可動電極部15a,15b,15cの組が第1の検出部を構成し、検出用固定電極部6d,6e,6fと検出用可動電極部15d,15e,15fの組が第2の検出部を構成している。 【0008】また、図示されていないが上記各駆動用固定電極部5に外部から電力を供給するための導体パターン、および、検出用固定電極部6と導通接続する導通パターンが形成されている。 【0009】図3に示すセンサ部2は上記のように構成されている。このセンサ部2では、上記互いに対向している駆動用固定電極部5と駆動用可動電極部11間に交流の駆動電圧(駆動信号)が印加されると、その駆動電圧に基づいた静電力の大きさの変化によって、保持部7a,7bを支点にして振動素子8全体が上記各駆動梁9の弾性を利用して図3に示すX方向に駆動振動する。 【0010】このように振動素子8がX方向に駆動している状態で、Z方向(図3では紙面に垂直な方向)を中心軸にして回転すると、上記振動素子8の駆動方向(X方向)と回転の中心軸方向(Z方向)に共に直交する方向、つまり、Y方向にコリオリ力が発生する。このY方向のコリオリ力によって、上記振動素子8の内枠14が支持部12a,12bを支点とし上記各検出梁13の弾性を利用して上記外枠10に対し相対的にY方向に検出振動する。 【0011】このY方向の検出振動に基づいた上記検出用固定電極部6と検出用可動電極部15間の静電容量の変化を検出することによって、Z軸回りの角速度の大きさを検出することができる。 【0012】なお、上記のようなセンサ部2は、通常、空気のダンピング等の悪影響を避けるために、例えばガラス部材によって形成された収容空間内に収容され減圧された状態で封止される。この場合、センサ部2の上記駆動用固定電極部5や検出用固定電極部6は例えば上記ガラス部材に設けられたスルーホールを介して外部と導通接続することが可能な構成と成している。 【0013】図6には上記センサ部2に接続する信号処理回路の一例が上記センサ部2の主要部分と共に示されている。この信号処理回路20は、第1検出用のC−V変換部21と、第2検出用のC−V変換部22と、加算増幅部23と、差動増幅部24と、AGC(Auto Gain Control)部25と、位相反転部26と、同期検波部27とを有して構成されている。なお、図6の図示では、信号処理回路の構成を分かり易く説明するために、前記センサ部2の駆動用固定電極部5と検出用固定電極部6と振動素子8が簡略して示されている。 【0014】上記第1検出用のC−V変換部21は前記センサ部2の第1の検出部を構成する検出用固定電極部6(6a,6b,6c)と検出用可動電極部15(15a,15b,15c)間の総静電容量を電圧に変換して信号出力する構成を有している。また、上記第2検出用のC−V変換部22は前記第2の検出部を構成する検出用固定電極部6(6d,6e,6f)と検出用可動電極部15(15d,15e,15f)間の総静電容量を電圧に変換して信号出力する構成を有している。 【0015】上記第1検出用のC−V変換部21から出力される信号は、振動素子8がX方向の駆動振動のみである場合には、例えば、図4の(a)の鎖線A1に示すような波形を持つ信号A1となる。この駆動振動に起因した信号A1は振動素子8を駆動振動させるための駆動用固定電極部5と駆動用可動電極部11間に印加される駆動信号と位相が90°ずれている。 【0016】また、角速度に起因して振動素子8の内枠14が上記X方向だけでなくY方向にも振動している場合には、第1検出用のC−V変換部21の出力信号は、上記駆動振動に起因した信号成分A1と、図4の(a)の実線B1に示す波形を持つ角速度に起因した信号成分B1とが重なって成る信号となる。上記信号成分B1は角速度の大きさに応じた振幅の大きさを持ち、その位相は上記信号成分A1の位相と90°ずれている。 【0017】さらに、角速度だけでなくY方向の加速度にも起因して上記内枠14が振動する場合がある。この場合には、上記第1検出用のC−V変換部21の出力信号は、上記駆動振動に基づいた信号成分A1と、上記角速度に起因した信号成分B1と、図4の(a)の点線C1に示す波形を持つ加速度に起因した信号成分C1とが重なって成る信号となる。上記信号成分C1は加速度の大きさに応じた振幅の大きさを持ち、その位相は上記信号成分A1と同相である。 【0018】また、同様に、上記第2検出用のC−V変換部22から出力される信号は、振動素子8が駆動振動のみである場合には、図4の(b)の鎖線A2に示す波形を持つ信号A2となり、その信号A2は上記第1検出用のC−V変換部21から出力される信号A1と振幅の大きさおよび位相が等しい信号である。 【0019】さらに、振動素子8の内枠14が駆動振動および角速度に起因して振動している場合には、第2検出用のC−V変換部22の出力信号は、上記駆動振動に起因した信号成分A2と、図4の(b)の実線B2に示すような波形を持つ角速度に起因した信号成分B2とが重なって成る信号となる。上記信号成分B2は角速度の大きさに応じた振幅の大きさを持ち、換言すれば、前記第1検出用のC−V変換部21の出力信号における信号成分B1の振幅の大きさとほぼ等しい振幅の大きさを持ち、その信号成分B2の位相は上記信号成分A2と90°位相がずれ、また、上記第1検出用のC−V変換部21の出力信号における信号成分B1とは180°位相がずれている。 【0020】さらに、振動素子8の内枠14が駆動振動および角速度および加速度に起因して振動している場合には、上記第2検出用のC−V変換部22の出力信号は、上記駆動振動に基づいた信号成分A2と、上記角速度に起因した信号成分B2と、図4の(b)の点線C2に示す波形を持つ加速度に起因した信号成分C2とが重なって成る信号となる。上記信号成分C2は加速度の大きさに応じた振幅の大きさを持ち、換言すれば、上記第1検出用のC−V変換部21の出力信号における信号成分C1の振幅の大きさとほぼ等しい振幅の大きさを持ち、その信号成分C2の位相は上記信号成分A2および信号成分C1と180°位相がずれている。 【0021】上記のように、第1検出用のC−V変換部21および第2検出用のC−V変換部22はそれぞれ振動素子8の振動の状態に応じた信号を加算増幅部23および差動増幅部24に出力する。 【0022】加算増幅部23は上記第1検出用のC−V変換部21の出力信号と、第2検出用のC−V変換部22の出力信号とを加算・増幅する。この加算増幅部23の信号の加算によって、上記角速度に起因した第1検出用のC−V変換部21の出力信号における信号成分B1と、第2検出用のC−V変換部22の出力信号における信号成分B2とは相殺されて除去され、また、同様に、加速度に起因した前記信号成分C1と信号成分C2とも相殺されて除去される。これにより、加算増幅部23は、上記信号成分A1と信号成分A2とが加算された駆動振動による信号成分のみに応じた信号を駆動検出信号(モニタ信号)としてAGC部25および同期検波部27に出力する。すなわち、この加算増幅部23は、駆動方向(X方向)の振動素子8の振動に応じた駆動検出信号を出力する駆動振動検出部として機能するものである。 【0023】AGC部25は、上記振動素子8が共振周波数でもって振動する際に得られる前記駆動信号の出力が常に一定となるように駆動信号を出力する。この駆動信号は、前記第1の駆動部を構成する駆動用固定電極部5(5a,5b,5c,5d)と駆動用可動電極部11(11a,11b,11c,11d)の組と、第2の駆動部を構成する駆動用固定電極部5(5e,5f,5g,5h)と駆動用可動電極部11(11e,11f,11g,11h)の組のうちの一方の駆動部(図6に示す例では上記第1の駆動部)にはそのまま加えられ、他方の駆動部には上記駆動信号を位相反転部26により位相反転させた駆動信号が加えられる。この駆動信号の印加によって、前記の如く振動素子8は駆動振動する。 【0024】前記差動増幅部24は上記第1検出用のC−V変換部21から出力された信号と第2検出用のC−V変換部22から出力された信号との差を取る。この差動増幅部24の信号の差動によって、上記第1検出用のC−V変換部21の出力信号における駆動振動による信号成分A1と、第2検出用のC−V変換部22の出力信号における駆動振動による信号成分A2とは相殺される。これにより、差動増幅部24は、前記角速度による前記信号成分B1と信号成分B2が加算されて成る図5の実線B3に示すような信号成分B3と、前記加速度による信号成分C1と信号成分C2が加算されて成る図5の点線C3に示すような信号成分C3とに基づいた角速度・加速度混在信号を同期検波部27に出力する。 【0025】すなわち、差動増幅部24は、角速度の大きさに応じた角速度成分B3と、加速度の大きさに応じた加速度成分C3とが混在した角速度・加速度混在信号を出力する角速度・加速度混在信号出力部として機能するものである。 【0026】同期検波部27は位相シフタ(図示せず)を内蔵し、この位相シフタによって上記加算増幅部23から出力された駆動検出信号の位相を90°ずらして角速度用参照信号を作り出し、この角速度用参照信号を利用して上記差動増幅部24から出力された角速度・加速度混在信号を同期検波する。 【0027】つまり、角速度用参照信号は上記角速度・加速度混在信号の角速度成分B3の位相と同相あるいは180°位相がずれた信号であり、同期検波部27は、上記角速度用参照信号の位相が0°〜180°の区間D1と、180°〜360°の区間D2とで角速度・加速度混在信号の積分を行う(同期検波する)。この同期検波によって、上記角速度・加速度混在信号の加速度成分C3は除去されることから、同期検波部27は、角速度成分B3に応じた信号を角速度信号として出力する。この角速度信号によって角速度の大きさを検出することができる。 【0028】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のような図3に示すセンサ部2および図6に示す信号処理回路20を有して成るジャイロ1では、角速度しか検出することができない。このため、角速度と加速度を共に検知することが可能なセンサ装置を形成しようとした場合には、上記ジャイロ1の他に、加速度検知用の振動素子を備えた加速度センサを用意し、それらジャイロ1と加速度センサを組み合わせて上記角速度と加速度を検知することができるセンサ装置を構成することとなる。 【0029】このようなセンサ装置では、角速度検出用の振動素子と加速度検出用の振動素子との2個の振動素子を設けなければならないために、センサ装置が大型化してしまうという問題があった。 【0030】また、上記ジャイロ1では、同期検波部27において角速度・加速度混在信号を同期検波する際に、前記角速度・加速度混在信号の角速度成分B3に対して角速度用参照信号の位相がずれている検波角ずれが生じている場合があり、この場合には、図5に示す正規の区間D1,D2からずれた区間D1’,D2’でもって角速度・加速度混在信号が同期検波されてしまう。 【0031】この場合には、上記検波角ずれに起因して角速度・加速度混在信号の中の加速度成分C3を完全に除去することができずに残ってしまい、同期検波部27から出力される角速度信号に上記加速度成分C3に基づいた加速度ノイズ成分が乗ってしまうこととなる。この加速度ノイズ成分に起因して正確な角速度の大きさを得ることができないという問題が生じる。 【0032】この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、角速度と加速度を共に検出することができる小型の外力検知センサ装置を提供することであり、第2の目的は、角速度あるいは加速度の検出精度の向上を図ることができる外力検知センサ装置を提供することにある。 【0033】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、角速度と加速度を共通に検知するセンサ部と;このセンサ部により検知された角速度の大きさに応じた角速度成分と加速度の大きさに応じた加速度成分とから成る角速度・加速度混在信号を出力する角速度・加速度混在信号出力部と;上記角速度・加速度混在信号から上記角速度成分と加速度成分をそれぞれ分離して取り出し角速度信号、加速度信号として出力する信号分離部と;が設けられている構成をもって前記課題を解決する手段としている。 【0034】第2の発明は、上記第1の発明の構成を備え、角速度・加速度混在信号の角速度成分と加速度成分は互いに90°位相がずれている交流成分であり、信号分離部は角速度信号取り出し部と加速度信号取り出し部を有し、上記角速度信号取り出し部は、上記角速度成分と同相あるいは180°位相が異なる角速度用参照信号を利用して上記角速度・加速度混在信号を同期検波して上記加速度成分を除去し角速度成分に応じた角速度信号を出力する構成と成し、上記加速度信号取り出し部は、上記加速度信号と同相あるいは180°位相が異なる加速度用参照信号を利用して上記角速度・加速度混在信号を同期検波して上記角速度成分を除去し加速度成分に応じた加速度信号を出力する構成と成していることを特徴として構成されている。 【0035】第3の発明は、上記第1又は第2の発明の構成を備え、センサ部は角速度と加速度を共通に検出する方向に振動が自在な振動素子を有し、角速度・加速度信号出力部は、角速度に起因した上記検出方向の振動素子の振動に基づいた角速度成分と、加速度に起因した検出方向の振動素子の振動に基づいた加速度成分とから成る角速度・加速度混在信号を出力する構成と成していることを特徴として構成されている。 【0036】第4の発明は、上記第2の発明の構成を備え、センサ部は、角速度と加速度を共通に検出する方向と、該検出方向に対して直交する駆動方向とに振動が自在な振動素子を有し、上記駆動方向の振動素子の振動に応じた駆動検出信号を出力する駆動振動検出部を備え、角速度・加速度信号出力部は、角速度に起因した上記検出方向の振動素子の振動に基づいた角速度成分と、加速度に起因した検出方向の振動素子の振動に基づいた加速度成分とから成る角速度・加速度混在信号を出力する構成と成し、角速度用参照信号は上記駆動検出信号と90°位相がずれた信号と成し、加速度用参照信号は上記駆動検出信号と同相あるいは180°位相がずれた信号と成していることを特徴として構成されている。 【0037】第5の発明は、上記第1又は第2又は第3又は第4の発明の構成を備え、角速度信号と加速度信号のうちの一方側の取り出し信号に対してノイズ成分となる他方側の信号を信号分離部から検出して減衰する減衰部と;上記取り出し信号から上記減衰部の減衰動作によって得られた信号を差し引いて上記取り出し信号に含まれているノイズ成分を取り除くノイズ除去部と;が設けられていることを特徴として構成されている。 【0038】上記構成の発明において、信号分離部は、角速度・加速度混在信号出力部から出力された角速度・加速度混在信号を取り込み、この角速度・加速度混在信号から角速度成分と加速度成分をそれぞれ分離して角速度信号、加速度信号として取り出す。 【0039】この信号分離部を有することによって、角速度と加速度を共通に検知するセンサ部を1つ設けるだけで、角速度の大きさに応じた角速度信号と加速度の大きさに応じた加速度信号とをそれぞれ別々に得ることができることとなるので、上記1つのセンサ部を備えただけで、角速度と加速度を両方共に検出することが可能となる。これにより、角速度検出用のセンサ部と加速度検出用のセンサ部という如く別個独立した2つのセンサ部を設けなくて済むので、角速度と加速度を共に検出することができる外力検知センサ装置の大幅な小型化を促進させることができる。 【0040】また、上記のように、角速度・加速度混在信号から角速度成分と加速度成分をそれぞれ分離して取り出すことができるので、例えば、検波角ずれに起因して角速度信号に加速度成分に起因した加速度ノイズ成分が乗ってしまっても、上記検出した加速度信号を利用することで上記加速度ノイズ成分を角速度信号から除去することができる。同様に、加速度信号から検波角ずれに起因した角速度成分によるノイズ成分を除去することができる。このことから、角速度や加速度の大きさを精度良く検出することができ、外力検知センサ装置の検出精度を向上させることが可能となる。 【0041】 【発明の実施の形態】以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。 【0042】第1の実施形態例の外力検知センサ装置は、前記図3に示すようなセンサ部に、この第1の実施形態例において特徴的な図1に示す信号処理回路が接続して成るものであり、1つの振動素子を設けるだけで、図3に示すZ軸回りの回転の角速度と、Y方向の加速度とを共に検知することができるセンサ装置である。なお、この第1の実施形態例の説明において、図3に示すセンサ部の説明は前述したので省略し、また、図1に示す信号処理回路に関しては、前記図6に示す信号処理回路と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。 【0043】本発明者は、角速度・加速度混在信号出力部である差動増幅部24から出力される角速度・加速度混在信号の角速度成分B3と加速度成分C3との位相が互いに90°ずれていることに着目し、上記角速度・加速度混在信号の角速度成分B3と加速度成分C3をそれぞれ分離して取り出す本実施形態例に特有な次に示すような信号処理回路を考え出した。 【0044】すなわち、この第1の実施形態例において特徴的な信号処理回路は、図1に示すように、第1検出用のC−V変換部21と、第2検出用のC−V変換部22と、駆動振動検出部である加算増幅部23と、角速度・加速度混在信号出力部である差動増幅部24と、AGC部25と、位相反転部26と、同期検波部27と、同期検波部30とを有して構成されている。 【0045】この第1の実施形態例では、同期検波部27によって角速度信号取り出し部が構成され、同期検波部30によって加速度信号取り出し部が構成されている。 【0046】つまり、同期検波部27は前述したように前記角速度成分B3と同相あるいは180°位相がずれた角速度用参照信号に基づいて上記角速度・加速度混在信号を同期検波することによって、角速度・加速度混在信号の加速度成分C3を除去し、角速度成分B3に応じた信号を角速度信号として出力する。 【0047】同期検波部30は加算増幅部23から出力された駆動検出信号を加速度用参照信号として取り込むと共に、差動増幅部24から出力された角速度・加速度混在信号を取り込み、上記加速度用参照信号を利用して角速度・加速度混在信号を同期検波する。上記駆動検出信号は上記角速度・加速度混在信号の加速度成分C3と同相あるいは180°位相がずれていることから、加速度用参照信号の位相が0°〜180°の区間d1と180°〜360°の区間d2でもって角速度・加速度混在信号を同期検波することにより、角速度・加速度混在信号の角速度成分B3が除去され、上記加速度成分C3のみを取り出すことができる。これにより、同期検波部30は、上記加速度成分C3に応じた信号を加速度信号として出力する。 【0048】このように、上記同期検波部27と同期検波部30によって、角速度・加速度混在信号の角速度成分と加速度成分を分離して取り出し角速度信号、加速度信号を出力する信号分離部が構成されている。 【0049】この第1の実施形態例によれば、角速度・加速度混在信号から角速度成分B3と加速度成分C3をそれぞれ分離して取り出し角速度信号、加速度信号として出力する信号分離部を設けたので、角速度と加速度を共通に検知する振動素子8を1個設けるだけで、角速度の大きさに応じた角速度信号と加速度の大きさに応じた加速度信号とをそれぞれ独立した状態で得ることができる。 【0050】このことから、この第1の実施形態例に特有な信号処理回路を設けることによって、1個の振動素子を設けるだけで角速度と加速度を両方共に検出することができるという今までにない画期的な外力検知センサ装置を提供することができる。 【0051】また、ジャイロ1と加速度センサとを組み合わせて角速度および加速度を検知するセンサ装置を構成する場合に比べて、この第1の実施形態例では、上記のように振動素子を1個設けるだけでよいので、外力検知センサ装置の小型化が容易である。さらに、1つの振動素子と、図1に示すような簡単な回路構成の信号処理回路を設けるだけでよいので、部品点数が大幅に減少し、これにより、部品コストの削減を図ることができることから、外力検知センサ装置を安価で提供することが可能である。 【0052】以下に、第2の実施形態例を説明する。 【0053】この第2の実施形態例において特徴的なことは、角速度あるいは加速度の検出精度をより一層向上させることができる構成を備えていることである。それ以外の構成は前記第1の実施形態例と同様であり、この第2の実施形態例の説明では、上記第1の実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。 【0054】前記したように、同期検波部27や同期検波部30において角速度・加速度混在信号を同期検波する際に検波角ずれが生じる場合がある。同期検波部27において検波角ずれが生じた場合には、該同期検波部27から出力される角速度信号には加速度成分C3に起因した加速度ノイズ成分が乗ってしまう。また、同期検波部30において検波角ずれが生じた場合には、該同期検波部30から出力される加速度信号には角速度成分B3に起因した角速度ノイズ成分が乗ってしまう。このように、角速度信号、加速度信号に検波角ずれに起因したノイズ成分が乗ってしまうと、外力検知センサ装置の角速度、加速度の検出精度が低下してしまうという問題が生じる。 【0055】上記同期検波部27、同期検波部30に検波角ずれが生じるか否かは信号処理回路の回路定数等によって予め分かることから、この第2の実施形態例では、上記同期検波部27に検波角ずれが生じる場合には、前記第1の実施形態例の構成に加えて、図2の実線に示すような減衰部である減衰器33と、ノイズ除去部である差動増幅部34とが設けられる。また、上記同期検波部30に検波角ずれが生じる場合には、前記第1の実施形態例の構成に加えて、図2の点線に示すような減衰部である減衰器35と、ノイズ除去部である差動増幅部36とが設けられる。 【0056】上記角速度信号に含まれる検波角ずれに起因した加速度ノイズ成分の大きさと、同期検波部30から出力される加速度信号の大きさとの比は信号処理回路の回路定数等によって予め求まる。上記減衰器33の減衰率はその加速度信号の大きさに対する上記加速度ノイズ成分の大きさの比に予め設定されており、減衰器33は、同期検波部30から出力された加速度信号を取り込み、この加速度信号を上記設定の減衰率でもって減衰して上記差動増幅部34に出力する。つまり、減衰器33は、角速度信号に含まれている検波角ずれに起因した加速度ノイズ成分の大きさを持つ信号を差動増幅部34に出力する。 【0057】差動増幅部34は、上記同期検波部27から出力される角速度信号を取り出し信号として取り込み、この取り出し信号と上記減衰器33の出力信号との差を取り、上記角速度信号から上記検波角ずれに起因した加速度ノイズ成分を除去して出力する。 【0058】また、同様に、加速度信号に含まれている検波角ずれに起因した角速度ノイズ成分の大きさと、同期検波部27から出力される角速度信号の大きさとの比は信号処理回路の回路定数等によって予め求まり、減衰器35の減衰率は、上記同期検波部27から出力される加速度信号の大きさに対する上記角速度ノイズ成分の大きさの比に予め設定されている。減衰器35は上記同期検波部27から出力された角速度信号を上記設定の減衰率でもって減衰して差動増幅部36に出力する。この減衰器35の出力信号は、加速度信号に含まれている検波角ずれに起因した角速度ノイズ成分の大きさを持つ信号である。 【0059】差動増幅部36は前記同期検波部30から出力される加速度信号を取り出し信号として取り込み、この取り出し信号と上記減衰器35の出力信号との差を取り、上記加速度信号から上記検波角ずれに起因した角速度ノイズ成分を除去する。 【0060】この第2の実施形態例によれば、同期検波部27から出力される角速度信号に検波角ずれに起因した加速度ノイズ成分が乗っている場合や、同期検波部30の出力信号である加速度信号に検波角ずれに起因した角速度ノイズ成分が乗っている場合には、それら角速度信号、加速度信号から検波角ずれに起因したノイズ成分を除去する構成を備えたので、検波角ずれの悪影響が取り除かれた角速度信号、加速度信号を得ることができ、角速度、加速度の検出精度の悪化を防止することができる。このことから、この第2の実施形態例では、前記第1の実施形態例に述べたような効果を奏することができる上に、角速度と加速度の検出精度の信頼性を向上させることができるという優れた効果を得ることが可能である。 【0061】なお、この発明は上記各実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、上記各実施形態例では、センサ部2は図3に示す形態であったが、上記センサ部2は角速度と加速度を共通に検知することができる形態であればよく、センサ部2は図3に示す形態に限定されるものではなく、適宜の形態を採り得るものである。 【0062】また、上記各実施形態例では、同期検波に用いる角速度用参照信号、加速度用参照信号は加算増幅部23から出力される駆動検出信号に基づいた信号であったが、例えば、上記角速度用参照信号、加速度用参照信号はAGC部25から出力される駆動信号を利用した信号であってもよい。この場合、上記駆動信号は、角速度・加速度混在信号の角速度成分B3と同相あるいは180°位相がずれている信号であり、加速度成分C3とは90°位相がずれている信号であることから、上記角速度用参照信号は駆動信号により構成され、加速度用参照信号は上記駆動信号の位相を90°ずらした信号により構成される。 【0063】さらに、上記各実施形態例では、角速度と加速度を両方共に検出することができる外力検知センサ装置の一例を示したが、例えば、本発明は、角速度のみを検知するジャイロや、加速度のみを検知する加速度センサである外力検知センサ装置にも適用することができる。例えば、ジャイロにおける前記図6に示した信号処理回路20に前記第2の実施形態例に示した減衰器33および差動増幅部34を組み込み、これら減衰器33と差動増幅部34によって前記検波角ずれに起因した加速度ノイズ成分が除去された角速度信号を出力する構成とする。このような構成を備えることによって、検波角ずれに起因した加速度ノイズ成分が除去された角速度信号を得ることができるので、角速度の検出精度に優れたジャイロを提供することができる。また、加速度センサに関しても同様に、加速度の検出精度が高い加速度センサを得ることができる。 【0064】 【発明の効果】この発明によれば、信号分離部を設け、該信号分離部によって、角速度成分と加速度成分とが混在して成る角速度・加速度混在信号から角速度成分と加速度成分をそれぞれ分離して取り出し角速度信号、加速度信号として出力する構成を備えているので、角速度と加速度を共通に検知するセンサ部を1個設けるだけで、角速度の大きさに応じた角速度信号と、加速度の大きさに応じた加速度信号とをそれぞれ分離した状態で得ることができる。これにより、1つのセンサ部を備えるだけで角速度と加速度を両方共に検出することが可能な外力検知センサ装置を提供することができる。 【0065】また、この発明の外力検知センサ装置は、角速度を検知するためのセンサ部と、加速度を検知するためのセンサ部とをそれぞれ別々に設ける必要が無く、上記の如くセンサ部を1個設けるだけでよいので、外力検知センサ装置の小型化を容易に図ることができる。さらに、部品点数の削減を図ることができるので、部品コストを低下させることができ、安価な外力検知センサ装置を提供することが可能となる。 【0066】同期検波によって、角速度・加速度混在信号から角速度成分と加速度成分を分離して取り出す構成を備えたものにあっては、簡単な回路構成で、角速度成分と加速度成分を容易に分離することができる。 【0067】センサ部が振動素子により構成されているものにあっては、角速度や加速度を高感度で検出することができる。また、振動素子は広い面を有するものであることから、従来のように角速度検知用の振動素子と加速度検知用の振動素子を共に設けて角速度および加速度を検知可能なセンサ装置を形成した場合には、そのセンサ装置はかなり大型なものとなってしまうが、この発明では、角速度と加速度を共通に検知する振動素子を1つ設けるだけでよいので、外力検知センサ装置の小型化が図れ、有効である。 【0068】同期検波に用いる角速度用参照信号、加速度用参照信号が振動素子の駆動方向の振動に応じた駆動検出信号に基づいた信号であるものにあっては、角速度・加速度混在信号の角速度成分、加速度成分の位相と、上記角速度用参照信号、加速度用参照信号の位相とがずれてしまう検波角ずれの発生を抑制することが容易である。 【0069】減衰部とノイズ除去部が設けられ、これら減衰部とノイズ除去部によって角速度信号と加速度信号のうちの一方側の取り出し信号に対してノイズ成分となる他方側の信号の成分を除去する構成を備えたものにあっては、角速度、加速度の検出精度をより一層向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006231 【氏名又は名称】株式会社村田製作所
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| 【出願日】 |
平成11年10月25日(1999.10.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093894 【弁理士】 【氏名又は名称】五十嵐 清
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| 【公開番号】 |
特開2001−124559(P2001−124559A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月11日(2001.5.11) |
| 【出願番号】 |
特願平11−302177 |
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