| 【発明の名称】 |
磁気式エンコーダを備えた測量機 |
| 【発明者】 |
【氏名】白井 雅実
【氏名】見城 克彦
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| 【要約】 |
【課題】ヒステリシス現象および外部磁気の影響を極力少なくした磁気式エンコーダを搭載した測量機を提供する。
【解決手段】回転磁気ドラム53の外周面に等分割されたピッチで磁化された多極磁気層53aと、該多極着磁層53aに対向配置された、複数の磁気抵抗素子を備えた磁気センサ54とを備えた磁気式エンコーダが搭載されたトータルステーションにおいて、磁気センサ54に、多極着磁層53aの1ピッチλ相当の位相角離して配置された一対の磁気抵抗素子を8組備え、該各一対の磁気抵抗素子を、他の一対の磁気抵抗素子に対してλ/2相当離反させて配置した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 測量機の回転自在に軸支された、外周面に等分割されたピッチで磁化された多極着磁層を有する磁気ドラムと、該磁気ドラムの多極着磁層から発生する磁界を検出する磁気センサとを備え、該磁気ドラムの回転による磁気変化を該磁気センサによって検出して磁気ドラムの回転角を測定する磁気式エンコーダであって、前記磁気センサまたは前記磁気センサ内の一対の磁気抵抗素子が奇数ピッチの位相角離されて配置されたこと、を特徴とする磁気式エンコーダを備えた測量機。 【請求項2】 請求項1記載の磁気式エンコーダを備えた測量機において、前記磁気センサは、近接して配置された2個の磁気センサからなる磁気式エンコーダを備えた測量機。 【請求項3】 請求項1記載の磁気式エンコーダを備えた測量機において、前記磁気センサは、磁気ドラムの軸心を挟んでほぼ180゜対向位置に配置される磁気式エンコーダを備えた測量機。 【請求項4】 請求項1記載の磁気式エンコーダを備えた測量機において、前記磁気センサには、一対の磁気抵抗素子が4対、互いに1/2ピッチ相当の位相角離して配置されている磁気式エンコーダを備えた測量機。 【請求項5】 請求項1記載の磁気式エンコーダを備えた測量機において、前記磁気センサには、一対の磁気抵抗素子が4対、互いに1/2ピッチ相当の位相角離して配置された第1の相の磁気抵抗素子と、さらに一対の磁気抵抗素子が4対、1/2ピッチ相当の位相角離して配置された第2の相の磁気抵抗素子とを備え、前記第2の相の磁気抵抗素子が第1の相の磁気抵抗素子に対して6+(3/4)ピッチ相当の位相角離して配置されている磁気式エンコーダを備えた測量機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の技術分野】本発明は、トータルステーション、セオドライトなどの測量機に適したエンコーダおよび磁気式エンコーダを搭載した測量機に関する。 【0002】 【従来技術およびその問題点】従来のトータルステーション、セオドライトなどの測量機の中には、測角手段として、インクリメンタル方式のエンコーダを搭載したものがある。従来は、エンコーダとして、安定性、精度などの点から光学式とエンコーダが多用されていた。 【0003】光学式エンコーダと同様の角度測定手段として、磁気式エンコーダがある。磁気式エンコーダは、通常、回転磁気ドラムと磁気センサを備え、回転磁気ドラムの外周面には、分割数N(Nは正の整数)にて等ピッチで着磁された多極着磁層が形成され、この多極着磁層に対向させて磁気センサが配置されている。磁気センサは、例えば多極着磁層のピッチよりも小さい、例えば1/4または3/8ピッチ離れたA、B相二組の1/2ピッチで配置された4個の磁気抵抗素子を備え、磁気ドラムの回転に従って変化する磁気抵抗素子の抵抗値を検知して、0クロス点およびA、B相による内挿計算(tan-1(A/B))により角度値を検知する構成である。 【0004】このような磁気抵抗素子を使用した磁気式エンコーダにおいて、磁気抵抗素子の磁気抵抗変化曲線は、磁界零の点を中心にほぼ対象形状を呈することが理想である。しかし、現実には、磁界零の付近において、いわゆるヒステリシス現象を生じてしまい、磁気抵抗変化曲線が磁界零の点を中心に非対称形状を呈してしまう。これは、磁気ドラムの多極着磁層による磁壁の形成される位置が多極着磁層の磁界の向きによって異なるためである。このように磁気抵抗変化曲線が非対称形状を呈すると、回転磁気ドラムを微少角度回転させたときに大きな誤差を生じてしまう。 【0005】また、磁気式エンコーダは、外部磁気の影響を受けると、磁気抵抗素子の抵抗値が変動してしまい、測定値に誤差を発生してしまう。そのため、磁気式エンコーダを測量機に搭載したときは、外部磁気の影響を受けないようにしなければならない。 【0006】 【発明の目的】本発明は、このような測量機における従来技術の問題に鑑みてなされたもので、ヒステリシス現象および外部磁気の影響を極力少なくした、磁気式エンコーダを搭載した測量機を提供することを目的とする。 【0007】 【発明の概要】この目的を達成する本発明は、測量機の回転自在に軸支された、外周面に等分割されたピッチで磁化された多極着磁層を有する磁気ドラムと、該磁気ドラムの多極着磁層に対向配置された磁気センサとを備え、該磁気ドラムの回転による磁気変化を該磁気センサによって検出して磁気ドラムの回転角を測定する磁気式エンコーダであって、前記磁気センサは、前記多極着磁層の1ピッチ相当の位相角離して配置された一対の磁気抵抗素子を複数備え、該各一対の磁気抵抗素は、少なくとも他の一対の磁気抵抗素子に対して1/2ピッチまたは3/2ピッチ相当の位相角離して配置されていること、を特徴とする。この構成は、一対の磁気抵抗素子がヒステリシスおよび外部磁気を補償する配置構造になるので、ヒステリシスによる誤差が除去され、外部磁界の影響も受けず、高精度の角度測定が可能になる。磁気センサには、一対の磁気抵抗素子が4対、互いに1/2ピッチ相当の位相角離して配置されるのが望ましい。この構成によれば、1/4ピッチで磁気ドラムの回転角の検出が可能になる。さらに、1/2ピッチ相当の位相角離して配置され4対の磁気抵抗素子を第1の相の磁気抵抗素子と、さらに1/2ピッチ相当の位相角離して配置され4対の磁気抵抗素子を第2の相の磁気抵抗素子として、第1、第2の相の磁気抵抗素子を6+(3/4)ピッチ相当の位相角離して配置することが望ましい。この構成によれば、第1の相、第2の相の磁気抵抗素子によって検出した検出値によって内挿演算を実行して、1/4ピッチよりも小さい角度を検出できる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明を説明する。図1は、本発明のエンコーダを適用したトータルステーションを、エンコーダの要部が見えるように一部を切断して示した背面図、図2は同トータルステーションを、エンコーダの要部が見えるように一部を切断して示した側面図である。 【0009】このトータルステーション11は、周知の通り、三脚等に装着するための底板13、この13に3本の整準ねじ15で支持された整準台17、この整準台17に、鉛直軸19を介して回転自在に軸支され、一対の支柱を有するU字形状の架台(シャーシ)21、この架台21の2本の支柱間に水平軸23を介して回動自在に軸支された視準望遠鏡25を備えている。なお、水平軸23は、視準望遠鏡25の左右に固定され、2本の支柱に対して回動自在に支持されているが、図1には左側の水平軸23を示した。 【0010】垂直軸19は、整準台17に固定された垂直軸受け27に回動自在に支持されている。そして架台21の支柱を連結する基部が、垂直軸19の上端部に固定されている。水平軸23は、架台21の一対の支柱部に固定された水平軸受け29に回動自在に軸支されている。このように視準望遠鏡25は、水平軸23、水平軸受け29を介して、架台21に、互いに直交するする垂直軸19および水平軸23を軸として回動自在に支持されている。 【0011】さらに、垂直軸19には、整準台17に対する垂直軸19(架台21、視準望遠鏡25)の回転角(水平角)を測定する水平分度として磁気式エンコーダ41が装着され、水平軸23には、架台21に対する水平軸23(視準望遠鏡25)の回転角(高度角)を測定する垂直分度として磁気式エンコーダ51が装着されている。これらの磁気式エンコーダ41、51はそれぞれ、軸19、23に固定された磁気ドラム43、53と、磁気ドラム43、53の外周面に形成された多極着磁層に所定間隔で近接対向し、かつ軸19、23に対して約180゜対向位置に配置された2個の磁気センサ44、45、磁気センサ54、55を備えている。 【0012】また、詳細は図示しないが、磁気センサ44、45、磁気センサ54、55の出力を検知して磁気式エンコーダ41、51の回転角、つまり水平角、高度角を求める演算手段を含む電子回路61(図4参照)が架台21の基部に搭載されている。そして、トータルステーション11を操作、制御するためのキーボードおよびキーボードによって入力されたデータ、測距結果などを表示する表示器を備えた操作パネル31、32が、架台21の前後面に設けられている(図2参照)。 【0013】なお、図1、2において、符号33はトータルステーション11の持ち運びに利用するためのハンドグリップ、符号34は、磁気式エンコーダ41、不図示のバッテリ等を保護するために架台21に装着されたカバー、符号35、36は視準望遠鏡25の接眼レンズ、対物レンズである。 【0014】さらに図3、図4および図5を参照して、本実施の形態の磁気式エンコーダの構成について説明する。磁気式エンコーダ41、51の基本構成は同一なので、一方の磁気式エンコーダ51について説明する。図3は、図1、2に示した磁気式エンコーダ51の拡大正面図、図4は図1における磁気式エンコーダ51およびその周辺構造を拡大して示す断面図、図5は第1の磁気センサ54と多極着磁層53aとの関係を説明するための、第1の磁気センサ54周辺の拡大図である。第1、第2の磁気センサ54、55はそれぞれ、アングル56、57に固定され、第1の磁気センサ54はアングル56を介して架台21に固定され、第2の磁気センサ55はアングル57を介して架台21に固定されている。第1の磁気センサ54と第2の磁気センサ55は、磁気ドラム53の中心を挟んで180゜対向位置に配置されている。第1の磁気センサ54および第2の磁気センサ55は同一の構成なので、以下第1の磁気センサ54の構成について説明する。 【0015】磁気ドラム53の外周面には、分割数N(Nは正の整数)にて等ピッチλで着磁された多極着磁層53aが形成されている。多極着磁層53aの磁極ピッチ(極の境界の間隔)をλとする。一方、この多極着磁層53aに所定間隔で対向する第1の磁気センサ54が配置されている。第1の磁気センサ54は、平面基板54aと、多極磁気層53aと対向する平面基板54aのセンサ面には、16個の磁気抵抗素子4a11、4a12、4a21、4a22、4a31、4a32、4a41、4a42、4b11、4b12、4b21、4b22、4b31、4b32、4b41、4b42が形成されている。本実施例では、1λ相当の位相角離れた一対の磁気抵抗素子が、1/2λ相当の位相角間隔で4対設けられ、さらにこの4対の磁気抵抗素子が、(6+1/4)λ相当の位相角間隔で二組設けられている。一対の磁気抵抗素子には多極磁気層53aの異磁極が作用するので、一対の磁気抵抗素子は相互に、異磁極の磁極の強さによる抵抗変化の相違を補償する。したがって、このように補償関係にある一対の磁気抵抗素子の抵抗値を検知すれば、ヒステリシスや外部磁気の影響を受けない抵抗値を得ることができる。 【0016】そこで本発明の実施例では、一方の4対の磁気抵抗素子4a11、4a12、4a21、4a22、4a31、4a32、4a41、4a42をA相(第1の相)、他方の4対の磁気抵抗素子4b11、4b12、4b21、4b22、4b31、4b32、4b41、4b42をB相(第2の相)とすると、A相、B相の磁気抵抗素子4a11〜4a42、4b11〜4b42はそれぞれ、図5に示すようにブリッジ結線されている。 【0017】電子回路61は、ブリッジ結線された磁気抵抗素子間に定電圧+Vを印加し、A相の端子e0、e1、およびB相の端子e0′、e1′に現れる検出信号電圧に基づいて磁界の変化、つまり磁気ドラム53の回転角を検知する。つまり、この実施例の磁気式エンコーダ51は、磁気ドラム53が回転すると、多極着磁層53aが発生する磁界3の変化に応じて変動する磁気抵抗素子4a11〜4a42、4b11〜4b42の抵抗値の変化によって端子e0、e1、e0′、e1′端子に現れる検出信号電圧を電子回路61で検知して、磁気ドラム53の回転角をλ/4ピッチで検知するインクリメンタル方式の磁気式エンコーダである。また、λ/4よりも小さい角度は、いわゆる内挿演算によって求められる。 【0018】この実施例によれば、A相の磁気抵抗素子の抵抗値a11、a12、a21、a22、a31、a32、a41、a42は、磁気ドラム53の回転による磁界の変化によって、下記式のように変化する。 a11=R0+Rsin(Nω)a12=R0+Rsin(Nω+2π)=R0+Rsin(Nω) a21=R0+Rsin(Nω+3π)=R0−Rsin(Nω) a22=R0+Rsin(Nω+5π)=R0−Rsin(Nω) a31=R0+Rsin(Nω+6π)=R0+Rsin(Nω) a32=R0+Rsin(Nω+8π)=R0+Rsin(Nω) a41=R0+Rsin(Nω+9π)=R0−Rsin(Nω) a42=R0+Rsin(Nω+11π)=R0−Rsin(Nω) ただし、ωは磁気ドラム53の回転角、R0は無磁界のときの抵抗値、Rは抵抗比(係数)である。 【0019】ここで、端子e0と端子e1の出力を差動増幅すると、A相の出力Aoutは、Aout=α×4×R×V/R0×sin(Nω) となる(ただし、αは増幅率)。 【0020】B相の磁気抵抗素子は、A相の磁気抵抗素子に対して(3/4)×πずらして配置してあるため、B相の出力Boutは、Bout=α×4×R×V/R0×cos(Nω) となる。 【0021】このA相の出力AoutおよびB相の出力Boutのゼロクロス点を検出すれば、磁気ドラム53の回転角をN/4単位で検出できる。つまり、分割数Nの4倍まで検出ピッチを小さく(分解能を高く)することが可能になり、検出精度も高めることができる。測量機においては、N/4よりも小さい角度検出が求められることがある。そこで、本発明の実施例では、A、B相に基づいた下記の内挿計算によってさらに検出可能な分割数を増やし、分解能を高めている。 tan-1(Aout/Bout) 【0022】以上の通り本発明の実施の形態によれば、測量機に搭載された、磁気抵抗素子を使用した磁気式エンコーダにおいて、磁気抵抗素子を、ヒステリシスおよび外部磁気を補償する配置構造としたので、ヒステリシスによって発生する誤差を除去すとともに、外部磁界の影響がある場所でも高精度の角度検出が可能になる。 【0023】また、図4では、例えば直列接続される2対の磁気抵抗素子4a11、4a12、4a21、4a22をそれぞれ、λ、λ/2、λの位相角相当離して配置したが、図6に示すように、λ/2の等位相角相当離して磁気抵抗素子4a11、4a21、4a12、4a22の順に配置し、図5に示した結線と同様に結線してもよい。この場合、一対の磁気抵抗素子としての間隔はλ/2の位相角相当であるが、磁気抵抗素子4a11と磁気抵抗素子4a12、磁気抵抗素子4a21と磁気抵抗素子4a22の間隔はそれぞれλの位相角相当になり、磁気抵抗素子4a11、4a12と磁気抵抗素子4a21、4a22の間隔はλ/2の位相角相当になるので、図4に示した実施の形態と同様の効果が得られる。 【0024】本実施例では、磁気センサ内において一対の1ピッチ磁気抵抗素子の組合せにより構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、磁気センサ54、55に替えて、本発明のように組み合わされていない磁気抵抗素子を備えた2個の磁気センサを使用する場合、これら2個の磁気センサを、磁気ドラムの軸心を挟んでほぼ180゜対向位置において奇数ピッチ離れた同位相状態に取り付けて、2個の磁気センサの検出信号または内挿計算した角度値を平均することによっても、図4に示した実施の形態と同様の効果が得られる。 【0025】また、磁気センサ54、55の近傍に同一の磁気センサをさらに1個、奇数ピッチ離した同位相状態に配置して、各磁気センサからの信号または内挿計算した角度値を平均することによっても同様の効果が得られる。 【0026】以上、本発明をトータルステーションに適用した実施例について説明したが、本発明は、レベル、トランシットなど他の測量機に適用できることはいうまでもない。 【0027】 【発明の効果】以上の説明から明らかな通り本発明は、測量機に搭載した磁気式エンコーダの磁気抵抗素子をヒステリシスおよび外部磁気を補償する配置構造としたので、ヒステリシスによる誤差が除去されて高精度の角度測定が可能になり、しかも外部磁界の影響を受けないので、外部磁界がある場所においても高精度の角度測定を維持することが可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000527 【氏名又は名称】旭光学工業株式会社 【識別番号】000116998 【氏名又は名称】旭精密株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月22日(1999.10.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083286 【弁理士】 【氏名又は名称】三浦 邦夫
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| 【公開番号】 |
特開2001−124554(P2001−124554A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月11日(2001.5.11) |
| 【出願番号】 |
特願平11−301117 |
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