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【発明の名称】 地図表示装置
【発明者】 【氏名】田中 毅

【氏名】押谷 康之

【要約】 【課題】現在地マークの方位を可変可能にし、また、地図縮尺に対応して現在地マークの大きさを可変可能にし、また、現在地マークを3次元表示可能にし、しかも、現在地マークのデータ量を少なくする。

【解決手段】本発明の地図表示装置は、表示画面に地図を表示する機能と、表示画面に地図上の現在地を示す現在地マークを地図と共に表示する機能とを備えて成るものにおいて、現在地マークの形状を表わすマーク形状データを、地図データのデータ形式とほぼ同じデータ形式で構成したところに特徴を有するものである。この構成によれば、地図の表示制御とほぼ同様にして、現在地マークの回転、拡大縮小、3次元表示(視点変換)制御を実行することができ、更に、現在地マークのデータ量が少なくなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 表示画面に地図を表示する機能と、前記表示画面に現在地マークを前記地図と共に表示する機能とを備えて成る地図表示装置において、前記現在地マークの形状を表わすマーク形状データは、地図データのデータ形式とほぼ同じデータ形式で構成されていることを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】 前記マーク形状データは、基準点と、この基準点の周囲に配置される点であって前記基準点に対する位置が前記基準点を原点とする座標系で表わされた少なくとも1個以上の周囲点と、これらの点の間を結ぶ線分等とから構成されていることを特徴とする請求項1記載の地図表示装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示画面に地図と現在地を示す現在地マークとを表示する機能を備えた地図表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばカーナビゲーションシステムにおいては、ディスプレイの表示画面に、地図を表示すると共に、自車の位置を示すマーク、即ち、現在地を示す現在地マーク(現在地カーソルと呼ぶこともある)を上記地図上に表示するようにしている。この現在地マークの一例として、例えば、図4において、符号Aで示すような意匠(形状)のマークがある。そして、この現在地マークの形状を表わすマーク形状データは、従来構成においては、例えば(32ドット×32ドット)のビットマップデータで構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したカーナビゲーションシステムにおいて、自車の進行方向が変化した場合には、現在地マークの示す方向を自車の進行方向に合わせて変化させるように表示する場合がある。この場合、進行方向が異なる複数の現在地マーク(例えば進行方向が45度ずつずれた1回転分の8個の現在地マーク)を予め作成して記憶しておき、自車の進行方向に最も近い進行方向の現在地マークを選択して表示するように構成されている。
【0004】しかし、上記構成の場合、実際の自車の進行方向と、選択した現在地マークの進行方向がずれてしまうことが多いので、図7に示すように、現在地マークが道路と合わなくなるとい不具合があった。この場合、進行方向が少しずつずれた、例えば1度または0.5度ずつずれた1回転(360度)分の多数の現在地マークを記憶しておけば、上記不具合を解消できるが、現在地マークのデータ量が非常に多くなってしまうという問題点が発生する。
【0005】また、カーナビゲーションシステムでは、表示画面に表示する地図の縮尺を変えることが可能である。この場合、地図の縮尺の変化に対応させて現在地マークの大きさを変化させることが好ましい。このため、従来構成においては、地図の縮尺に対応させて大きさが異なる複数の現在地マークを予め作成して記憶しておき、表示画面に表示している地図の縮尺に対応する最適な大きさの現在地マークを選択して表示するように構成されている。しかし、上記構成の場合も、現在地マークのデータ量が多くなってしまうという問題点が発生する。
【0006】これに対して、現在地マークのデータとしては、所定の縮尺の地図に対応する大きさのものを1つだけ用意しておき、表示画面に表示する地図の縮尺が変わるときには、上記1つの現在地マークのデータを、地図の縮尺に対応させて拡大したり、縮小したりしたものを表示する構成が考えられる。この構成によれば、現在地マークのデータ量を少なくすることができる。しかし、この構成の場合、現在地マークを拡大したり、縮小したりするときに、現在地マークの意匠(形状)が悪くなることがった。例えば、現在地マークを拡大するときは、画素が荒くなり、縮小するときは、現在地マークの意匠がつぶれることもある。このような場合、現在地マークが変形することにより、現在地マークによって指示される方位(即ち、自車の方位)がよくわからなくなることもあった。
【0007】また、カーナビゲーションシステムでは、表示画面に地図を表示する場合、2次元表示と3次元表示(鳥瞰図のような地図を表示する3D表示)とを切り替えることが可能な構成がある。この構成において、地図を3次元表示する場合であっても、現在地マークについては、2次元表示のときの現在地マーク(2次元の意匠のマーク)と同じものを表示していた。
【0008】しかし、地図を3次元表示しているときに、現在地マークだけが2次元表示であると、見栄えが良くないので、現在地マークも3次元で表示して欲しいという要望がある。これに対して、現在地マークの形状を3次元にし、3次元表示用のデータを作成して記憶しておけば、地図を3次元表示したときに、現在地マークも3次元で表示できる。しかし、3次元表示した場合も、自車の進行方向が変化するため、現在地マークの3次元表示用のデータについても、進行方向が少しずつずれた多数の現在地マークを記憶しておく必要があり、現在地マークのデータ量が非常に多くなってしまう。
【0009】更に、地図を3次元表示する構成の場合、視点の位置を高くしたり、低くしたりする操作(即ち、俯角を可変させる操作)が可能な構成もある。このような構成の場合、俯角の大きさに対応して現在地マークの3次元形状を変えなければならず、従って、現在地マークのデータ量が非常に多くなってしまうという問題点があった。
【0010】そこで、本発明の目的は、現在地マークの進行方向を容易に可変させることができ、また、地図の縮尺に対応して現在地マークの見栄えを損わずその大きさを可変させることができ、また、現在地マークを3次元表示することができ、しかも、現在地マークのデータ量を少なくすることができる地図表示装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明においては、現在地マークの形状を表わすマーク形状データを、地図データのデータ形式とほぼ同じデータ形式で構成した。このため、地図を回転させて表示するときに用いる地図データの回転変換処理とほぼ同じ処理によって、現在地マークを容易に回転させて表示することができる。即ち、現在地マークの進行方向を容易に可変させることができる。また、表示画面に表示する地図の縮尺を変えるときに用いる地図データの縮尺変換処理とほぼ同じ処理によって、現在地マークの大きさも容易に可変させて表示することができる。また、地図を3次元表示するときに用いる地図データの視点変換処理(3次元表示処理)とほぼ同じ処理によって、現在地マークを視点変換処理(3次元表示処理)することができ、現在地マークを3次元表示したり、3次元表示で回転させたり、3次元表示で視点を高低させたりすることが容易にできる。そして、上記構成の場合、現在地マークのマーク形状データとしては、1つの現在地マーク用のデータを記憶するだけで良いので、データ量を大幅に少なくすることができる。
【0012】請求項2の発明によれば、マーク形状データを、基準点と、この基準点の周囲に配置される点であって前記基準点に対する位置が前記基準点を原点とする座標系で表わされた少なくとも1個以上の周囲点と、これらの点の間を結ぶ線分等とから構成したので、地図データのデータ形式とほぼ同じデータ形式のマーク形状データを容易に実現できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明をカーナビゲーションシステムに適用した一実施例について、図面を参照しながら説明する。まず、図1はカーナビゲーションシステムの電気的構成を概略的に示すブロック図である。この図1において、位置検出部1は、GPS(Global Positioning System )センサ、ジャイロセンサ、車速センサなどから構成され、車両(自車)の現在位置情報を算出する部分である。この位置検出部1は、各センサが性質の異なる誤差を有しているため、各々補間しながら使用するように構成されているが、現在位置が算出できれば、これらのセンサを全部備える必要はなく、どれか一つ以上を備えていれば良い。
【0014】地図データ格納部2は、位置検出の精度向上のための所謂マップマッチング用データ、地図データ及び目的データを含む各種データを入力するための装置であり、DVDプレーヤやCDプレーヤ、或いはハードディスク装置などから構成されている。また、スイッチ情報入力部3は、例えば表示部(ディスプレイ装置)5の左右や上下に取り付けられたスイッチ類である。
【0015】メモリ部4は、ROM及びRAM(何れも図示せず)を含んで構成されたものであり、ナビゲーションのプログラムやプログラムのワークメモリや地図データ格納部2から取得した地図データなどを一時格納する部分である。このメモリ部4内に、現在地を示す現在地マーク(現在地カーソルと呼ぶこともある)の形状(意匠)を表わすマーク形状データが記憶されている。このマーク形状データは、地図データのデータ形式とほぼ同じデータ形式(例えばポリゴンデータ)で構成されている。上記マーク形状データの具体的構成、並びに、マーク形状データに基づいて現在地マークを表示部5の表示画面に表示する制御については、後述する。
【0016】表示部5は、ナビゲーションとして地図や目的地選択画面などを表示するためのもので、その表示画面には、位置検出部1から入力された車両の現在地マークと、地図データ格納部2からの地図データに基づいて作成された道路地図及び地形と、道路地図上に表示する誘導経路や設定地点の目印などの付加データとを重ねて表示するようになっている。また、音声出力部6は、案内のための音声や画面操作の説明音声を出力する。
【0017】制御部(表示制御手段)7は、スイッチ情報入力部3に対する操作に応じて、現在位置から目的地までの最適な経路を自動的に選択して誘導経路を形成して表示する経路案内機能を実行したり、マップマッチング処理、案内音声の算出、地図の描画などを行うようになっている。このように自動的に最適な経路を設定する手法は、ダイクストラ法が知られている。
【0018】この制御部7は、実際にはマイクロコンピュータにより構成されるものであるが、機能的には、地図データ取得部8、マップマッチング部9、経路計算部10、経路案内部11、描画部12、画面制御管理部13から構成されている。
【0019】上記マップマッチング部9は、位置検出部1で検出した現在位置情報と地図データ格納部2から読み込んだ地図データの道路形状データなどを使って、車両の現在位置(現在地)がどの道路上に存在するかを特定する。また、使用者は、スイッチ情報入力部3を使って所望の地図を表示させる操作などを行い、目的地をセットする。経路計算部10では、マップマッチング部9で算出された現在位置の情報や、利用者が指定した出発地と上記目的地までの経路を計算する。
【0020】経路案内部11では、上記経路計算の結果と地図データ内に格納されている道路の形状データや、交差点の位置情報や踏み切りの位置情報などから案内に必要なポイントを算出したり、どのような案内(右に曲がるのか左に曲がるのかなど)が必要なのかを算出する。
【0021】描画部12は、現在位置に対応した地図や高速道路の略図、また、交差点付近では交差点付近の拡大図などを画面制御管理部13の指示に従い描画して、表示部5の表示画像を記憶するためのフレームメモリ(例えばVRAM)に記憶させる。ここで、描画部12において、地図を三次元表示する際に実行されるデータ変換処理について簡単に説明する。
【0022】まず、描画部12は、位置検出部1からの現在位置情報とスイッチ情報入力部3からの視点高度情報に基づいて、表示基準点(現在位置)からの視線方向を設定して、地図データの表示対象範囲を決定すると共に、三次元表示に必要な座標変換パラメータを算出する動作を行う。続いて、描画部12は、決定した表示対象範囲を含む所定範囲の地図データを地図データ格納部2から読み込む動作を行う(既表示画面の地図データと重複する部分は改めて読み込む必要はなく、新たに必要な地図データのみを読み込む)。
【0023】次いで、描画部12は、上記のように得た地図データを上記座標変換パラメータにより三次元画像のデータに変換し、その変換後の地図データを表示部5に表示する構成となっている(図10、図12及び図13参照)。そして、上述したデータ変換処理が、いわゆる視点変換処理(視点変換制御)である。尚、地図データ格納部2に格納された地図データには、山、川等の地形や建物等の位置及び三次元形状を特定可能な情報が記憶されている。
【0024】地図データ取得部8は、上記各処理部で必要となる地図データを地図データ格納部2より取得し、各処理部に提供する。また、上述した各処理は、メモリ部4のROMに記憶されたプログラムに基づいて、RAMとのデータ転送を行いながら実行される。
【0025】そして、制御部7においては、経路案内部11で算出された情報に基づき、車両が進行し案内すべき位置に到達すると描画部12に所望の画像を描画したり、音声出力部6から所定の音声を出力させて、使用者を目的地へ誘導する。
【0026】次に、上記構成の作用、特には、表示部5の表示画面に表示されている地図の上に現在地マークを重ねて表示するときの表示制御について、図2ないし図13も参照して説明する。
【0027】まず、図4に示すように、地図を2次元表示(いわゆる2D地図表示)している場合において、自車の進行方向(方位)が変化したときに、現在地マークAを自車方位に合うように回転させて表示するときの制御について説明する。尚、図4の表示画面では、自車方位は「北」であり、現在地マークAの指示する方位も「北」に設定されている。
【0028】ここで、現在地マークAの形状(意匠)を表わす形状データについて、図3に従って説明する。
【0029】本実施例の場合、現在地マークAの形状は、3次元形状(立体形状)であり、例えば、図3(a)及び(b)に示すように、三角錐A1と、この三角錐A1を囲むように配置され且つ1つの円上に等間隔に配置された8個の点A2とから構成されている。尚、図3(a)は現在地マークAの上面図であり、図3(b)は現在地マークAのうちの三角錐A1だけの側面図である。
【0030】そして、現在地マークAの形状を表わす形状データは、地図データのデータ形式とほぼ同じデータ形式で構成されている。具体的には、上記マーク形状データは、例えばマークの中心の点である基準点Pと、この基準点Pの周囲に配置される点であって前記基準点Pに対する位置が前記基準点Pを原点(0、0、0)とする座標系(XYZ座標系)で表わされた少なくとも1個以上の周囲点Q(X、Y、Z)と、これらの点の間を結ぶ線分Sや面H等のデータから構成されている。尚、8個の点A2も基準点Pを原点(0、0、0)とする座標系(XYZ座標系)で表わされている。このような構成のデータをポリゴンデータと呼ぶ。即ち、本実施例のマーク形状データは、ポリゴンデータのデータ形式でメモリ部4に記憶されている。
【0031】また、本実施例の場合、マーク形状データの大きさ、即ち、周囲点Qの位置や線分の長さ等は、例えば1枚の市街図が(4000ドット×4000ドット)のデータで定義されているとき、その1枚の市街図上に重ねて表示するときのドット数で定義されている。具体的には、基準点Pと1つの周囲点Qとの間の距離が例えば150ドットとなるように設定する。他の周囲点Qや線分S等についても同様にして設定すれば良い。
【0032】尚、現在地マークAにおける基準点Pの位置は、上記中心点に限られるものではなく、他の点、即ち、上記中心点以外の適当な点に設定しても良い。また、現在地マークAの形状は、上記図3の意匠に限られるものではなく、所望の意匠(デザイン)にすれば良く、図5に示す2次元表示の地図上に表示する場合には、三角錐A1を囲む8個の点A2を、1つの円に変えた形状データとしていると共に、三角錐A1の図2中下辺部分を内方へ凹ませた立体形状の形状データとしている。
【0033】図2のフローチャートは、制御部7の制御内容のうちの現在地マークAを自車の方位に合うように回転させて表示するときの制御に関係した部分が示されている。
【0034】以下、これについて関連した作用と共に説明する。
【0035】まず、ステップS1では、自車方位(自車の進行方向)が変化したかどうかを監視している、即ち、自車方位(自車の進行方向)が変化したか否かを判断している。ここで、自車方位が変化した場合には、ステップS2へ進み、地図方位及び自車方位に基づいて現在地マーク(現在地カーソル)の表示方位、即ち、回転角度を算出する。そして、ステップS3へ移行し、メモリ部4から現在地マークの形状データを読み込む。
【0036】続いて、ステップS4へ移行し、読み込んだ現在地マークの形状データを、上記現在地マークの表示方位となるように回転変換する。このとき、地図上における現在地マークを表示させる位置に、現在地マークの基準点P(中心点)を配置させるようにする。このようなデータの回転変換を、描画座標への変換と称する。このデータ変換は、マーク形状データが地図データのデータ形式とほぼ同じデータ形式(ポリゴンデータ)で構成されているため、地図を回転させて表示するときに用いる地図データの回転変換処理とほぼ同じ変換処理によって、現在地マークを容易に回転させて表示することができる。
【0037】そして、ステップS5へ進み、上記回転変換した現在地マークのデータをVRAM(フレームメモリ)へ書き込むことにより、表示画面に現在地マーク(現在地カーソル)を地図の上に重ねて表示する。これにより、図5に示すように、自車の進行方向(方位)が変化したときに、現在地マークAの方位が自車方位に合うように回転された状態で表示され、道路の方位に現在地マークAの方位(指示する方位)が合うようになる。
【0038】尚、ここで、上述した本実施例と比較するために、現在地マークAの形状データをビットマップのデータで持つ従来構成について、図6及び図7を参照して説明する。上記従来構成では、図6に示すように、本実施例のステップS3及びステップS4に相当する処理がステップS103及びステップS104に代わる。また、上記従来構成では、現在地マークAの形状(意匠)データとして、例えば45度ずつ回転させた1回転分の8個の現在地マークAのデータを、ビットマップデータでメモリ部4に記憶している。
【0039】そして、従来構成においては、ステップS2で現在地マークの表示方位、即ち、回転角度を算出した後、ステップS103へ移行し、上記算出した表示方位に最も近い表示方位の意匠の現在地マークを選択する。続いて、ステップS104へ進み、上記選択した現在地マークの形状データをメモリ部4から読み込むように構成されている。上述した以外の従来構成の構成は、本実施例と同じ構成となっている。
【0040】これにより、上記従来構成によれば、自車の進行方向(方位)が変化したときには、図7に示すように、現在地マークAが表示される。この場合、現在地マークAの方位が回転された状態で表示されるが、実際の自車方位に合っていないので、道路の方位に現在地マークAの方位(指示する方位)が合わない。従って、現在地マークAの見栄えが良くない。
【0041】尚、本実施例では、上述したように、2次元表示地図において、現在地マークAを回転変換させる制御を実行できると共に、3次元表示地図においても、現在地マークA(3次元表示の現在地マーク)を回転変換させる制御をほぼ同様にして実行できるように構成されている。
【0042】次に、地図を表示する条件を変更した場合、例えば、真上から見る2次元表示(図9参照)から、視点を上方位置において斜め下方に見る、即ち、見下ろす3次元表示(図10参照、この表示は、鳥瞰図のような表示形態であり、いわゆる3D地図表示と称される表示)へ変更する場合に、現在地マークAを上記条件変更に合うように表示するときの制御について、図8ないし図11を参照して説明する。
【0043】この場合、まず、図8のステップS11において、スイッチ情報入力部3からの信号に基づいて地図表示条件が変更されたかどうかを監視している、即ち、地図表示条件が変更されたか否かを判断している。ここで、地図表示条件が変更された場合は、ステップS12へ移行し、現在地マーク(現在地カーソル)の視点位置を、上記地図表示条件の変更に対応するように、真上の視点位置から斜めに見下ろす視点位置へ変更する。
【0044】続いて、ステップS13へ進み、メモリ部4から現在地マークの形状データを読み込む。そして、ステップS14へ移行し、読み込んだ現在地マークの形状データを、上記変更した視点位置から見た、即ち、斜めに見下ろした現在地マークの表示形態(3次元表示)となるように視点変換する。このとき、地図上における現在地マークを表示させるべき位置に、現在地マークの基準点P(中心点)を配置させるようにする。このようなデータの視点変換を、描画座標への変換と称する。このデータ変換は、マーク形状データが地図データのデータ形式とほぼ同じデータ形式(ポリゴンデータ)で構成されているため、地図を視点変換させて表示するときに用いる地図データの視点変換処理とほぼ同じ変換処理によって、現在地マークを容易に視点変換させて表示することができる。
【0045】そして、ステップS15へ進み、上記視点変換した現在地マークのデータをVRAM(フレームメモリ)へ書き込むことにより、表示画面に現在地マーク(現在地カーソル)を地図の上に重ねて表示する。これにより、図10に示すように、地図表示条件が変化したときに、現在地マークAの表示形態が地図表示条件の変化に合うように視点変換された状態で表示されることから、現在地マークAの見栄えが良くなる。
【0046】ここで、上述した本実施例と比較するために、現在地マークAの形状データをビットマップのデータで持つと共に、複数の視点位置に対応するような複数の意匠の現在地マークAのデータを持つ比較例の構成について、図11を参照して説明する。
【0047】上記比較例の構成では、図11に示すように、本実施例のステップS12、S13及びS14に相当する処理が,ステップS212及びステップS213に代わる。また、上記比較例の構成では、現在地マークAの形状(意匠)データとして、視点位置、即ち、俯角が例えば30度、45度、60度の場合に対応する3個の3次元表示意匠の現在地マークAのビットマップデータをメモリ部4に記憶しているとする。
【0048】上記比較例の構成においては、ステップS11で地図表示条件が変更されたと判断すると、ステップS212へ進み、変更された地図表示条件の視点位置に最も近い視点位置に対応する意匠の現在地マークを選択する。続いて、ステップS213へ進み、上記選択した現在地マークの形状データをメモリ部4から読み込むように構成されている。上述した以外の比較例の構成は、本実施例と同じ構成となっている。
【0049】これにより、上記比較例の構成によれば、地図表示条件が変化したときには、変化した地図表示条件の視点位置に最も近い視点位置に対応する意匠の現在地マークAが選択されて表示される。この場合、現在地マークAが3次元表示状態で表示されるが、実際の地図表示条件に合っていないので、現在地マークAの見栄えが良くない。特に、地図表示条件を連続的に変更するとき、即ち、俯角を連続的に変更するような場合には、現在地マークAの意匠(3次元表示状態)が、表示画面に実際に表示されている地図に合うことが少なくなる。このため、現在地マークAの見栄えがより一層悪くなる。
【0050】また、他の比較例として、現在地マークのビットマップデータを、変更された地図表示条件に合うように座標変換して、3次元地図上に表示するようにする構成が考えられる。しかし、この構成は、座標変換のための処理として新規なものが必要となり、処理がかなり面倒になる。また、上記比較例の構成において、視点位置を真横から見たように変更すると、現在地マークも真横から見たように視点変更する必要があるが、このように変更すると、元の現在地マークがビットマップデータ(2次元のデータ)であるから、図13に示すように、現在地マークの各部分が線分になってしまい、現在地マークとして認識することができなくなる。
【0051】これに対して、上記実施例によれば、現在地マークの形状を表わすマーク形状データを、地図データのデータ形式とほぼ同じデータ形式で構成した。このため、視点位置を真横から見たように変更するときも、現在地マークを真横から見たように視点変更することが容易に可能である。これにより、図12に示すような表示形態で現在地マークAを明確に表示することができる。この表示形態の現在地マークは、現在地マークとして良好に認識することができる。尚、図12に示す現在地マークAの形状は、三角錐A1と、この三角錐A1の周囲に円環状に配列された複数個の球A3とで構成されている。この場合、複数個の球A3の形状データは、各球A3の中心点を示すデータと、各球A3の半径(線分)を示すデータとから構成されている。
【0052】また、地図の表示条件として例えば地図の縮尺を変更する場合がある。この場合も、現在地マークの形状を表わすマーク形状データが、地図データのデータ形式とほぼ同じデータ形式で構成されているので、表示画面に表示する地図の縮尺を変えるときに用いる地図データの縮尺変換処理とほぼ同じ処理によって、現在地マークの大きさも容易に可変させて表示することができる。そして、この縮尺変換処理は、2次元表示地図及び3次元表示地図の両方について実行できるように構成されている。
【0053】このような構成の本実施例によれば、現在地マークの形状を表わすマーク形状データを、地図データのデータ形式とほぼ同じデータ形式で構成した。このため、地図を回転させて表示するときに用いる地図データの回転変換処理とほぼ同じ処理によって、現在地マークを容易に回転させて表示することができる。即ち、現在地マークの進行方向を容易に可変させることができる。また、上記実施例においては、表示画面に表示する地図の縮尺を変えるときに用いる地図データの縮尺変換処理とほぼ同じ処理によって、現在地マークの大きさも容易に可変させて表示することができる。
【0054】また、上記実施例では、地図を3次元表示するときに用いる地図データの視点変換処理(3次元表示処理)とほぼ同じ処理によって、現在地マークを視点変換処理(3次元表示処理)することができる。従って、現在地マークを3次元表示したり、3次元表示で回転させたり、3次元表示で視点を高低させたりすることが容易にできる。そして、上記実施例の場合、現在地マークのマーク形状データとしては、1つの現在地マーク用のデータを記憶するだけで良いので、従来構成に比べて、データ量を大幅に少なくすることができる。
【0055】尚、上記実施例では、現在地マークのマーク形状データをポリゴンデータ(基準点Pと、この基準点Pの周囲に配置される点であって前記基準点Pに対する位置が前記基準点Pを原点とする座標系で表わされた少なくとも1個以上の周囲点Qと、これらの点の間を結ぶ線分等とから構成されたデータ)で構成したが、これに限られるものではなく、他の地図データ用のデータ形式(例えばベクトルデータ形式)で構成しても良い。
【0056】また、現在地マークの形状、即ち、意匠は、上記実施例において示した各意匠に限られるものではなく、所望の意匠に適用することが可能である。更に、現在地マークのマーク形状データを、回転変換処理、視点変換処理、或いは、縮尺変換処理するときに、現在地マークの形状(即ち、意匠)を、その周囲の地図の表示形態により一層合うように適宜変形させて表示するように構成しても良い。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成11年10月6日(1999.10.6)
【代理人】 【識別番号】100071135
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 強
【公開番号】 特開2001−108472(P2001−108472A)
【公開日】 平成13年4月20日(2001.4.20)
【出願番号】 特願平11−285408