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【発明の名称】 経路設定装置及びナビゲーション装置
【発明者】 【氏名】石嵜 貴士

【氏名】近江 眞宜

【要約】 【課題】特定種別の道路上に出発地などが設定されている状態で特定道路回避モードにて経路設定する場合に、ユーザの意図に沿った経路設定を実現する。

【解決手段】従来技術では有料道路及び取付道の評価値が一律に10倍され、A→G→D→E→Fによる経路の評価値合計は110、B→G→Fによる経路の評価値合計は235となる。評価値合計が小さい方、つまり、目的地2とは反対側へ向かう経路が目的地経路として設定されてしまう。これに対して本案では、有料道路上のリンクA,Bについては経路評価値を10倍せず、例えば1.0倍とする。したがって、リンクA→G→D→E→Fによる経路の経路評価値の合計は5+2+5+20+15=47となり、リンクB→G→Fによる経路の経路評価値の合計は20+2+15=37となる。したがって、合計評価値の小さなリンクBを通る経路が目的地経路として設定されることとなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ノード間を接続するリンクのリンク情報とリンク間の接続情報とに基づき、ダイクストラ法あるいはそれに準ずる探索手法を用いて各ノードに至る経路評価値を算出し、出発地から目的地に至るまでの総評価値が小さくなるリンクの接続によって目的地経路を設定する機能を有する経路設定装置において、特定種別の道路をなるべく利用しないで前記目的地経路を設定する特定道路回避モードを有しており、その特定道路回避モードの場合、基本的には前記特定種別の道路の経路評価値を通常よりも大きく設定するが、例外的に、出発地あるいは目的地あるいは通過点の何れかが前記特定種別の道路上に存在する場合には、所定条件に該当する特定道路の経路評価値を相対的に小さく設定することを特徴とする経路設定装置。
【請求項2】請求項1記載の経路設定装置において、前記特定種別の道路へそれ以外の道路から進入するための取付道が存在する場合には、その取付道についても前記特定種別の道路と同じ扱いをすることを特徴とする経路設定装置。
【請求項3】請求項1又は2記載の経路設定装置において、前記特定道路回避モードで出発地あるいは目的地あるいは通過点の何れかが前記特定種別の道路上に存在する場合には、前記所定条件に該当する特定道路の経路評価値を通常と同じ値に設定することを特徴とする経路設定装置。
【請求項4】請求項1〜3のいずれか記載の経路設定装置において、前記所定条件に該当する特定道路の経路評価値を相対的に小さく設定する場合には、その対象となるリンクを前記所定条件に基づいて予め抽出しておき、実際の経路計算時には、その抽出されたリンクについて、通常よりも大きく設定すべき経路評価値を相対的に小さく設定することを特徴とする経路設定装置。
【請求項5】ノード間を接続するリンクのリンク情報とリンク間の接続情報とに基づき、ダイクストラ法あるいはそれに準ずる探索手法を用いて各ノードに至る経路評価値を算出し、出発地から目的地に至るまでの総評価値が小さくなるリンクの接続によって目的地経路を設定する機能を有する経路設定装置において、特定種別の道路をなるべく利用しないで前記目的地経路を設定する特定道路回避モードを有しており、出発地あるいは目的地あるいは通過点の何れかが前記特定種別の道路上に存在する場合には、前記特定道路以外の道路であって、前記出発地あるいは目的地あるいは通過点の何れの最寄りの道路に属するノードを仮の計算開始点又は計算終了点として第1の経路を設定すると共に、本来の計算開始点から仮の計算開始点まで、又は仮の計算終了点から本来の計算終了点までは、前記仮の計算開始点又は計算終了点を取得したときの経路を基にして第2の経路を作成し、前記第1の経路と第2の経路を結合することによって、前記目的地経路を設定することを特徴とする経路設定装置。
【請求項6】請求項1〜5のいずれか記載の経路設定装置において、前記特定種別の道路は、有料道路であることを特徴とする経路設定装置。
【請求項7】請求項1〜6のいずれか記載の経路設定装置と、その経路設定装置によって設定された経路に対する走行案内を行う案内手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、目的地までの経路を設定する経路設定装置、及びその設定された経路に対する走行案内を行うナビゲーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の走行に伴ってGPS等により現在位置を検出し、その現在位置をディスプレイ上に道路地図と共に表示したり、現在地から目的地までの適切な経路を設定して走行案内するナビゲーションシステムが知られ、より円滑なドライブに寄与している。そして、この経路設定に際しては、一般にダイクストラ法あるいはそれに準じた手法が用いられる。具体的には、CD−ROMやDVDといった静的情報源に記録されている地図データを用いて、ノード間のリンクに対するリンク情報を用いて現在地から各ノードに至るまでの経路計算コスト(経路に対する評価値)を算出し、目的地までの全てのコスト計算が終了した段階で、総コストが最小となるリンクを接続して目的地までの経路を設定している。
【0003】そして、この経路設定に際しては複数のモードを切替設定できるようにされている。その複数のモードとは、「走行時間が最小となる経路を設定する」時間優先モードや、「走行距離が最小となる経路を設定する」距離優先モードや、「有料道路をなるべく使用しない経路を設定する」一般道優先モードなどである。
【0004】時間優先モードの場合には、道路の評価値を、道路種別毎の予想平均車速を基にして計算した道路通過に要する時間とし、出発地から目的地までに通過する評価値合計が最小となる道路の組合せを選択することによって、「走行時間が最小となる経路」を設定することとなる。
【0005】また、距離優先モードの場合には、道路の評価値を道路長とし、時間優先モードの場合と同様に評価合計が最小となる道路を組合せを選択することによって、「走行距離が最小となる経路」を設定することとなる。また、一般道優先モードの場合には、例えば時間優先モードの評価値を基準とし、有料道路の評価値を通常の場合よりも大きく(例えば10倍)するように調整することによって、有料道路を走行した場合の評価値合計を相対的に増加させる。これによって、「有料道路をなるべく利用しない経路」を設定する。なお、基準となる評価値については、距離優先モードの場合の評価値や、あるいはさらに別の基準に基づいた評価値を用いても構わない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように複数のモードから所望のものを選択して経路設定できるため、時間を優先したい場合、距離を優先したい場合、一般道を優先したい場合などのユーザの要求にあった経路設定ができるようになっている。
【0007】しかしながら、例えば有料道路上に出発地や通過点あるいは目的地が設定されており、有料道路を走行しなくてはならない場合、一般道優先モードにて経路設定を行うと、道路状況によっては、非常に遠回りの経路が発生することがある。これは、上述したように、有料道路の評価値が10倍されてしまうため、有料道路の走行距離に関しては、わずかな差であっても大きな評価値の差を発生させてしまうためである。例えば、わずか300mの有料道路の走行を回避するために一般道路を3000m近く走行するような経路を設定してしまう可能性がある。また、単に遠回りするだけでなく、ユーザが考えている方向とは異なる方向への経路が設定されてしまうと違和感を感じてしまう。例えば、サービスエリアを出発地とした場合、目的地と同じ方向に存在するインターチェンジまで10Km、目的地とは反対方向に存在するインターチェンジまで5Kmだとすると、その差の5Kmの10倍、すなわち一般道路を50Km未満余分に走行するのであればそちらの経路が設定されてしまうこととなる。この場合には、約50Kmも余分に走行してしまうことに加えて、目的地とは反対側のインターチェンジへ向かうような経路となって、ユーザの意図に沿わないこととなる。このような具体例に限定されることなく、その他、種々の状況でユーザの意図に沿わないことは生じ得る。
【0008】ここで、一般道優先モードとは、「有料道路をなるべく利用しない経路」を設定するモードではあるが、有料道路を絶対に利用しないということをユーザが要求しているものではない。そのため、上述した具体例のように、わずか300mの有料道路の走行を回避するために一般道路を3000m近く走行するような遠回りの経路が設定されたり、サービスエリアから出発する場合のように、いずれにしても有料道路を走行しなくてはならないのに、目的地とは反対側へ向かう経路であり、且つ一般道路を50Kmも余分に走行しなくてはならない経路が設定されてしまうことは、ユーザの意図に沿った経路設定とは言えない。
【0009】なお、一般道優先モードでは、「有料道路をなるべく利用しない経路」を設定することを目的としたが、これは、「特定種別の道路をなるべく利用しない経路を設定する」モードの一例と考えられる。つまり、なるべく利用したくない道路について、それを極力避けた経路を設定するようなモード、いうなれば「特定道路回避モード」であれば、同様の問題が発生する。
【0010】そこで本発明は、特定種別の道路上に出発地や通過点あるいは目的地が設定されている状態で特定道路回避モードにて経路設定する場合に、ユーザの意図に沿わない経路が設定されてしまうことを防止することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的を達成するためになされた本発明の経路設定装置は、ノード間を接続するリンクのリンク情報とリンク間の接続情報とに基づき、ダイクストラ法あるいはそれに準ずる探索手法を用いて各ノードに至る経路評価値を算出し、出発地から目的地に至るまでの総評価値が小さくなるリンクの接続によって目的地経路を設定する機能を有することを前提とする。そして、特定種別の道路をなるべく利用しないで目的地経路を設定する特定道路回避モードを有しており、その特定道路回避モードの場合に次のような経路評価値の設定を行う。すなわち、基本的には特定種別の道路の経路評価値を通常よりも大きく設定するが、例外的に、出発地あるいは目的地あるいは通過点の何れかが特定種別の道路上に存在する場合には、所定条件に該当する特定道路の経路評価値を相対的に小さく設定するのである。
【0012】なお、「所定条件に該当する特定道路」とは、特定種別の道路上に存在する出発地、目的地、通過点から最寄りの(次の)特定道路出口まで間に存在する特定道路を意味する。また、「特定種別の道路」としては、例えば請求項6に示すように有料道路が代表的なものとして挙げられるが、それ以外でも、例えば有料道路の内の高速道路、主に欧米に見られるフリーウェイ、あるいはフェリーを使って移動する経路などが挙げられる。もちろん、これらの具体例に限らず、その特定種別の道路を回避したい何らかの理由が挙げられるものであれば、どのようなものでも該当する。例えば有料道路の場合には金銭的な理由が挙げられるであろうし、高速道路であれば高速走行を希望しないという理由が挙げられる。また、フリーウェイの場合には無料であるため金銭的な理由は該当しないが、例えば車線数が多いため、そのような道路状況での走行を希望しないという理由が挙げられる。また、フェリーを経路する場合には、金銭的な理由や船酔いし易いためなど極力利用したくない、というような理由などが考えられる。
【0013】これらの理由より、特定種別の道路についてはなるべく回避したいというユーザの要求に応えるため、特定道路回避モードは存在する。したがって、上述したように、基本的には特定種別の道路の経路評価値を通常よりも大きく設定することによって、その特定種別の道路が経路内に含まれにくくしている。但し、出発地あるいは目的地あるいは通過点の何れかが特定種別の道路上に存在する場合には、走行距離の長短は別として、いずれにしても特定種別の道路を走行しなくてはならない。したがって、このような特殊な状況の場合には、所定条件に該当する特定道路の経路評価値を相対的に小さく設定するのである。なお、所定条件に該当する特定道路とは上述の如くである。
【0014】例えば基本的には経路評価値を通常よりも10倍大きくするのであれば、この特殊状況にあっては10倍未満の係数を掛ける。なお、請求項2に示すように、経路評価値を通常と同じ値に設定することが好ましいと考えられる。つまり、特別扱いせずに、経路中に含まれ難くも含まれ易くもしないということである。もちろん、これ以外の値であっても10倍未満の係数を掛ければ、相当の効果は発揮される。
【0015】このようにすることで、特定種別の道路上に出発地あるいは目的地あるいは通過点の何れかが設定されている状態で特定道路回避モードにて経路設定する場合に、ユーザの意図に沿わない経路が設定されてしまうことを防止できる。以上は、概念的に本発明の作用効果について説明したが、より適切に理解可能なように、具体例をいくつか挙げて説明する。
【0016】[具体例1]図2に示した番号(1〜6)及び記号(A〜G)について説明する。「1」は現在地、「2」は目的地であり、「3」は有料道路、「4」は一般道路である。また、「5」は本発明を適用したことによって設定される理想の一般道優先ルートであり、「6」は従来技術での一般道優先ルートである。
【0017】また、A〜Gはリンクを示しており、A,B,Cは有料道路3上のリンクであるため、道路種別は「有料道路」である。また、D,E,Fは一般道路4上のリンクであるため、道路種別は「一般道路」である。Gは有料道路3の取付道である。
【0018】各リンクの経路評価値はリンク長さ(道路長)とし、従来技術での一般道優先モードの場合には、有料道路の経路評価値が一律に10倍されるため、リンクA〜Cは、それぞれリンク長が5,20,15であるため、それぞれ10倍されて経路評価値が50,200,150となる。なお、取付道Gはここでは有料道路の一部と解釈しており、リンク長2に対して10倍した20が経路評価値となる。一般道4に属するリンクD〜Fは、それぞれリンク長が5,20,15であるため、経路評価値もそのまま5,20,15となる。
【0019】図2に示す状況は、現在地1が有料道路3へ向かう取付道Gへ進入したところであり、また、取付道は一方通行であるため、一般道路4上に存在する目的地2へ向かうためには、有料道路3上のリンクAあるいはBのいずれかを走行する必要がある。
【0020】ここで、従来技術での一般道優先モードの場合には、各リンクの経路評価値が上述した通りになり、リンクAを通る経路、すなわちA→G→D→E→Fによる経路の経路評価値の合計が110となる。一方、リンクBを通る経路、すなわちB→G→Fによる経路の経路評価値の合計が235となる。したがって、目的地2とは反対側へ向かう経路の方が評価値が小さいため、それが目的地経路として設定されてしまう。
【0021】この状況からも判るように、いずれにしても有料道路3を走行しなくてはならないにもかかわらず、目的地2とは反対側へ向かう経路が設定されてユーザの意図に沿わないことに加え、遠回りの経路となっている。なお、図2に示す具体例では極端に遠回りにはなってしないように見えるが、上述した評価値を比べると、B→G→Fによる経路の合計評価値が235であるため、現在、合計評価値が110であるA→G→D→E→Fによる経路は、さらに125未満のリンク長の一般道路を走行してもまだ経路評価値が(B→G→Fによる経路よりも)小さい。したがって、距離的にも非常に遠回りの経路が設定される可能性がある。
【0022】これに対して、本発明を適用すると、本具体例では有料道路の一部とみなしている取付道上に現在地があるため、この場合には有料道路上のリンクA,Bについては経路評価値を10倍せず、例えば1.0倍とする。また、同じく有料道路上のリンクCについては、所定条件に該当しないため、経路評価値は原則通り10倍するものとする。したがって、リンクAを通る経路、すなわちA→G→D→E→Fによる経路の経路評価値の合計は5+2+5+20+15=47となり、リンクBを通る経路、すなわちB→G→Fによる経路の経路評価値の合計は20+2+15=37となる。したがって、合計評価値の小さなリンクBを通る経路が目的地経路として設定されることとなる。
【0023】[具体例2]図3は、サービスエリアSAから一般道優先モードにて経路設定した場合の例であり、番号(1〜6)の意味は上述した図2の具体例1と同じである。一方、記号(A〜I)はリンクを示しており、A〜Dは有料道路3上のリンク、E〜Iは一般道路4上のリンクである。
【0024】具体例1と同様に有料道路3の場合には通常の経路評価値であるリンク長さが10倍されるため、リンクA〜Dは、それぞれリンク長が5,10,15,10であるため、それぞれ10倍されて経路評価値が50,100,150,100となる。一般道4に属するリンクE〜Iは、それぞれリンク長が5,20,15,5,5であるため、経路評価値もそのまま5,20,15,5,5となる。
【0025】図3に示す状況は、サービスエリアSAに現在地1があるため、有料道路3上のリンクAあるいはBのいずれかを走行してインターチェンジICから一般道4へ降りる必要がある。ここで、従来技術での一般道優先モードの場合には、各リンクの経路評価値が上述した通りになり、リンクBを通る経路、すなわちA→B→E→F→Gによる経路の経路評価値の合計が190となる。一方、リンクCを通る経路、すなわちA→C→H→Gによる経路の経路評価値の合計が215となる。したがって、目的地2とは反対側に存在するインターチェンジICへ向かう経路の方が評価値が小さいため、それが目的地経路として設定されてしまう。目的地2とは反対側に存在するインターチェンジICへ向かわなくてはならないのでは、ユーザは非常に違和感を持ってしまう。
【0026】これに対して、本発明を適用すると、有料道路上のリンクA,B,Cについては経路評価値を10倍せず、例えば1.0倍とする。また、同じく有料道路上のリンクDについては、所定条件に該当しないため、経路評価値は原則通り10倍するものとする。したがって、リンクBを通る経路、すなわちA→B→E→F→Gによる経路の経路評価値の合計は5+10+5+25+10=55となり、リンクCを通る経路、すなわちA→C→H→Gによる経路の経路評価値の合計は5+15+5+10=35となる。したがって、合計評価値の小さなリンクCを通る経路、すなわち目的地に近い方のインターチェンジへ向かう経路が目的地経路として設定されることとなる。
【0027】[具体例3]図4は、一般道路上から取付道を経由して有料道路本線へ進む場合に一般道優先モードにて経路設定した場合の例である、「1」は現在地、「2」は目的地であり、「3」は本発明を適用したことによって設定される理想の一般道優先ルートであり、「4」は従来技術での一般道優先ルートである。
【0028】また、A〜Cはリンクを示しており、a,b,dはノードを示す。A,Bは取付道であり、経路評価値に関しては有料道路と同じ扱いをする。また、Cは一般道路上のリンクである。リンクAを通って目的地2へ進む経路、すなわちaからリンクAを経由してbへ到達する経路の場合には、取付道(リンクA)を1Km走行することとなり、一方、リンクBを通って目的地2へ進む経路、すなわちa→d→C→dと進んでリンクBを経由してbへ到達する経路の場合には、取付道(リンクB)を500m走行することとなる。この場合、取付道を走行する距離差は500mであり、経路評価値が10倍されるため、5Km未満であれば、遠回りしてもa→d→C→d→B→bの経路の方がa→A→bの経路よりも経路評価値の合計が小さくなり、そちらが目的地経路として設定されてしまう。しかし、現在地1からすれば取付道であるリンクAの方が手前にあり、当然そちらを走行する経路が設定されるものだと考えているにもかかわらず、より遠い方の取付道を走行する経路が設定されてしまうため、ユーザは非常に違和感を持ってしまう。
【0029】これに対して、本発明を適用すると、取付道であるリンクA,B共に経路評価値が10倍されず、実際に走行距離が短い方が選択されることとなる。したがって、手前にあるリンクAを通る経路が目的地経路として設定されることとなる。上述した具体例は、ほんの一例であり、これ以外にも本発明の効果が発揮される状況は多数存在する。
【0030】ところで、上述の具体例からも判るように、特定種別の道路(例えば有料道路)には、一般道から進入するための取付道が存在することが多い。したがって、請求項3に示すように、その取付道についても特定種別の道路と同じ扱いをすることが考えられる。上述例では有料道路と同様に経路評価値を10倍していた。これは、取付道が一方通行であり、一般道か有料道路のいずれに近いかを考えると有料道路と同等に扱っても構わないと考えられることによる。但し、一般的に取付道の長さは短いため、あえて経路評価値を特定種別の道路と同様に扱わなくても問題が発生する事態は少ないと考えられる。例えば、図2に示した具体例1では、取付道であるリンクGについては経路評価値を10倍せずにそのままの値を用いたとしても、結果は全く変わらない。
【0031】また、経路計算に際しては、その計算時に初めて、通常よりも大きく設定すべき経路評価値を相対的に小さく設定する対象となるリンクを見つけるようにしてもよいが、請求項4に示すように、所定条件に基づいて予め抽出しておいてもよい。そして、実際の経路計算時には、その抽出されたリンクについて、通常よりも大きく設定すべき経路評価値を相対的に小さく設定するのである。このようにすれば、処理の高速化が図れる。
【0032】以上説明した経路設定装置の場合には、特定道路回避モードにて経路設定する場合であっても、特定種別の道路上に出発地あるいは目的地あるいは通過点の何れかが設定されている場合には、所定の特定種別の道路についての経路評価値を、通常よりも低下させることで問題を解決したが、別の手法によっても問題解決は可能である。
【0033】例えば、請求項5に示すように、特定種別道路以外の道路を評価値の計算基準として通常の経路設定を行い、不足する部分については補完することで対応してもよい。つまり、特定道路以外の道路であって、出発地あるいは目的地あるいは通過点の何れかの最寄りの道路に属するノードを仮の計算開始点又は計算終了点として第1の経路を設定する。本来の計算開始点から仮の計算開始点まで、又は仮の計算終了点から本来の計算終了点までは、仮の計算開始点又は計算終了点を取得したときの経路を基にして第2の経路を作成する。そして、第1の経路と第2の経路を結合することによって、目的地経路を設定するのである。
【0034】このようにすれば、第1の経路の設定に際しては特定種別の道路が含まれないので、上述した具体例1〜3のような問題は生じない。また、請求項7に示すように、上述した経路設定装置と、その経路設定装置によって設定された経路に対する走行案内を行う案内手段とを備えたナビゲーション装置として実現することもできる。
【0035】なお、上述した経路設定に関する処理をコンピュータシステムにて実現する機能は、例えば、コンピュータシステム側で起動するプログラムとして備えることができる。このようなプログラムの場合、例えば、フロッピーディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いることができる。この他、ROMやバックアップRAMをコンピュータ読み取り可能な記録媒体として前記プログラムを記録しておき、このROMあるいはバックアップRAMをコンピュータシステムに組み込んで用いても良い。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0037】[第1実施例]図1は、車載用のナビゲーション装置1として適用した場合の概略構成図である。本実施例のナビゲーション装置1は、車両の現在位置を検出する位置検出器12と、当該装置へ各種指令を入力するための操作スイッチ群20と、その操作スイッチ群20と同様の各種指令を入力可能な図示しないリモートコントロール端末(以下、リモコンと称す。)からの信号を入力するためのリモコンセンサ21と、地図データ入力器22と、地図表示画面やTV画面等の各種表示を行うための表示装置26と、スピーカ28と、上述した位置検出器12、操作スイッチ群20、地図データ入力器22及び図示しないリモコンからの入力に応じて各種処理を実行し、表示装置26やスピーカ28を制御するナビ制御回路30とを備えている。
【0038】位置検出器12は、GPS(Global Positioning System) 用の人工衛星からの送信電波をGPSアンテナを介して受信し、車両の位置,方位,速度等を検出するGPS受信機12aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ12bと、車速センサや車輪センサ等からなり車両の走行距離を検出するための車速センサ12cとを備えている。そして、これら各センサ等12a〜12cは、各々が性質の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては、上述したセンサ等12a〜12cの中の一部のみを用いて構成してもよく、また、地磁気に基づいて絶対方位を検出する地磁気センサや左右操舵輪の回転差などから得られる車両のステアリング角を累積して方向を求めるセンサ等を用いてもよい。
【0039】また、操作スイッチ群20としては、表示装置26と一体に構成され表示画面上に設定されるタッチスイッチ及び表示装置26の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等が用いられる。タッチスイッチは、表示装置26の画面上に縦横無尽に配置された赤外線センサより構成されており、例えば指やタッチペンなどでその赤外線を遮断すると、その遮断した位置が2次元座標値(X,Y)として検出される。これによって、表示画面を直接タッチすることで、所定の指示を入力できるようにされている。
【0040】なお、これら操作スイッチ群20は車載用ナビゲーション装置20を操作するための各種スイッチであるが、具体的には、表示装置26に表示させる表示内容を切り替えるためのスイッチや、利用者が目的地までのルート(経路)を設定するためのスイッチなどを含む。また、ルート設定に際しては、時間優先モード、距離優先モード、一般道優先モードの3種類のモードを切替設定できるようにされている。
【0041】一方、地図データ入力器22は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む各種データを記憶媒体から入力するための装置である。記憶媒体としては、そのデータ量からCD−ROMやDVDを用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他の媒体を用いても良い。
【0042】ところで、この道路データのフォーマットには、リンク情報とノード情報、及びリンク間接続情報がある。リンク情報としては、リンクを特定するための固有の番号である「リンクID」や、例えば高速道路、有料道路、一般道あるいは取付道などを識別するための「リンククラス」や、リンクの「始端座標」および「終端座標」や、リンクの長さを示す「リンク長」などのリンク自体に関する情報がある。一方、ノード情報としては、リンクを結ぶノード固有の番号である「ノードID」や、交差点での右左折禁止や、信号機有無などの情報がある。また、リンク間接続情報には、例えば一方通行などの理由で通行が可か不可かを示すデータなどが設定されている。なお、同じリンクであっても、例えば一方通行の場合には、あるリンクからは通行可であるが別のリンクからは通行不可ということとなる。したがって、あくまでリンク間の接続態様によって通行可や通行不可が決定される。
【0043】表示装置26は、本実施例ではカラー表示装置であり、その画面には、位置検出器12にて検出した車両の現在地を示すマークと、地図データ入力器22より入力された道路データと、更に地図上に表示する案内経路、名称、目印等の付加データとを重ねて表示することができる。また、案内用の報知や注意喚起用の報知のための表示もできる。
【0044】スピーカ28は、ナビ制御回路30で処理された各種案内などのための音声情報を利用者に報知する。次に、ナビ制御回路30は、CPU,ROM,RAMからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、位置検出器12からの各検出信号に基づいた車両の現在位置、及び地図データ入力器22を介して読み込んだ現在位置付近の地図等を表示画面上に表示する処理や、地図データ入力器22に格納された施設索引データに基づき、操作スイッチ群20やリモコンの操作に従って目的地となる施設を選択する目的地選択処理、現在位置から目的地までの最適な経路を自動的に選択し、この選択された経路に従って案内を行う経路案内処理等のいわゆるナビゲーション処理を実行する。このような自動的に最適な経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。そして、表示装置26上の道路地図に重ねて誘導経路を表示して、ドライバーに適切なルートを案内する。
【0045】経路計算に際しては、ダイクストラ法等の手法が採用される。なお、このダイクストラ法を用いた経路計算は、ノード間のリンクに対するリンク情報及び通行規制を含むリンク間の接続情報とを用いて現在地から各ノードに至るまでの経路コスト(経路に対する評価値)を計算し、目的地までの全てのコスト計算が終了した段階で、経路コストが最小となるリンクを接続して推奨経路を設定する周知の手法である。このダイクストラ法における各リンクでの経路コスト計算は、例えば次式を用いて行われる。
【0046】経路コスト=リンク長×道路幅員係数×道路種別係数 …式1ここで、道路幅員係数とは、道路幅に応じて設定される係数であり、道路種別係数とは有料道路等の道路種別に応じて設定される係数である。上式を用いて計算された経路コストを加算していくことにより、目的地に至る経路上での経路コストが求められる。そして、目的地までの全てのコスト計算が終了した段階で、経路コストが最小となるリンクを接続して目的地までの推奨経路を設定するのである。
【0047】ところで、上述したように、本実施例のナビゲーション装置1においては、経路設定に際して、3つのモード、すなわち時間優先モード、距離優先モード、一般道優先モードの切替設定ができるようにされている。これら3つのモードについて順番に説明する。
【0048】■時間優先モード…このモードは、「走行時間が最小となる経路を設定する」モードであり、経路コストを、道路種別毎の予想平均車速を基にして計算した道路通過に要する時間とし、出発地から目的地までに通過する経路コストの合計が最小となる道路の組合せを選択することによって、「走行時間が最小となる経路」を設定することとなる。
【0049】■距離優先モード…このモードは、「走行距離が最小となる経路を設定する」モードであり、経路コストをリンク長とし、時間優先モードの場合と同様に経路コストの合計が最小となる道路を組合せを選択することによって、「走行距離が最小となる経路」を設定することとなる。
【0050】■一般道優先モード…このモードは、「有料道路をなるべく使用しない経路を設定する」モードであり、言い換えれば「有料道路回避モード」である。そしてこのモードでは、有料道路の経路コストに関して、例えば時間優先モードの経路コストを基準として所定のモード係数Kを掛ける。このモード係数Kは例えば10とする。このような調整を行うことによって、有料道路を走行した場合の経路コストの合計を相対的に増加させる。これによって、「有料道路をなるべく利用しない経路」を設定する。なお、基準となる経路コストについては、距離優先モードの場合の経路コストや、あるいはさらに別の基準に基づいた評価値を用いても構わない。
【0051】しかしながら、この一般道優先モードの場合に、どのような状況においても一律に有料道路の経路コストを10倍してしまうと、図2〜図4を参照して上述した具体例1〜3のような不都合が生じてしまう。そこで、本実施例では、所定の状況(例えば出発地あるいは目的地あるいは通過点の何れかが有料道路上に存在する場合など)では、通常よりも大きく設定すべき経路コストを、相対的に小さく設定することで、ユーザの意図に沿ったより適切な目的地経路を設定できるようにした。
【0052】その点を含め、図5,6のフローチャートを参照して、ナビ制御回路30が実行する目的地経路の設定処理について説明する。図5の最初のステップS110では、地図データの読み込み処理を行う(S110)。なお、本処理を実行するにあたっては、目的地が設定されていることを前提としており、設定された目的地がいずれかのリンク上にある場合には、そのリンクを最終リンクとし、リンク上にない場合は目的地に最も近いリンクを最終リンクとする。そして、S110での地図データの読み込みに際しては、設定された目的地及び車両の現在地を含む所定領域の地図データを、地図データ入力器22を介してCD−ROMなどの記憶媒体から読み込む。この読み込まれた地図データを基に、以下の目的地経路の設定処理が行われる。
【0053】まず、車両の現在地(出発地)を基に、開始リンクの両端ノードに対するコスト計算を行う(S120)。この場合、車両の現在地に最も近いリンク(開始リンク)上の位置を設定し、そのリンクに対するコスト計算を上記式1(経路コスト=リンク長×道路幅員係数×道路種別係数×渋滞度)を用いて行い、そのリンクの両端のノードとの位置関係から比例配分によって初期コストを計算する。
【0054】次に、未確定なノードの内、コスト最小値を有するノードを特定する(S130)。そして、その特定されたノードに接続された接続リンクを、道路データ中のリンク間接続情報を用いて特定し、その特定された接続リンク毎に、S140〜S170の処理を実行する。
【0055】まず、その接続リンクへ進入可能かどうかを判断する(S140)。そして、接続リンクへ進入可能であれば(S140:YES)、接続リンクのコスト計算を行う(S150)。このS150でのコスト計算処理の詳細については、図6を参照して後述することとし、図5の説明を続ける。
【0056】S150でのコスト計算が終了すると、S160にて、次ノードのコストが今回計算したコストよりも大きいか否かを判断する。つまり、接続リンクのノードに対して今回計算した経路コストの方が、それまでのコストよりも小さいか否かを判断する。そして、次ノードのコストが今回計算したコストよりも大きければ(S160:YES)、次ノードのコストを更新し(S170)、S180へ移行する。なお、次ノードのコストが今回計算したコスト以下の場合には(S160:NO)、S170の処理を実行せずにS180へ移行する。
【0057】S180では、全ての接続リンクについてのS140〜S170の処理が終了したか否かを判断し、終了していなければ(S180:NO)、S140へ戻って、次の接続リンクについての処理を実行する。一方、全ての接続リンクについての処理が終了していれば(S180:YES)、S190へ移行し、コスト最小値を有するノードを確定する。
【0058】次に、終了リンクにあるノードの確定まで行われたか否かを判断し(S200)、まだ確定していない場合には(S200:NO)、S130へ戻る。上述した説明からも判るように、未確定なノードの内、コスト最小値を有するノードを順に特定し、そのノードのあるリンクのコスト計算を行うと共に、そのリンクの終端ノードに接続された接続リンクのノードのコスト更新処理を行う。そして、終了リンクのコストが確定すると(S200:YES)、経路作成がなされる(S210)。
【0059】このS210での経路作成は、コスト最小値の経路を目的地から出発地(現在地)に向かって順に辿り、それを逆にして出発地(現在地)から目的地への経路(目的地経路)を、リンク列として特定する。なお、このリンク列によって特定される目的地経路は、例えば表示装置26上に表示されている地図上において例えば色を変えるなどして強調表示される。
【0060】ここまでは、経路設定に係る全体的な処理説明であったので、続いて、図6を参照して、S150でのコスト計算処理の詳細について説明する。図6の最初のステップS151では、現在の設定モードが一般道優先モードか否かを判断する。一般道優先モードでない、つまり、時間優先モード又は距離優先モードの場合には(S151:NO)、そのモード通りのコスト計算を実行し(S155)、本ルーチンを終了する。一方、一般道優先モードの場合には(S151:YES)、該リンクが有料道路であるか否かを、道路データ中のリンク種別を用いて判断する。
【0061】ここで、有料道路でない場合には(S152:NO)、S155へ移行し、そのモード通りのコスト計算を実行する。一般道優先モードにあっても、有料道路でないリンクに対しては他のモードと同様のコスト計算を実行する。そして、有料道路である場合には(S152:YES)、S153へ移行し、該リンクが計算開始点から次のインターチェンジ(以下「IC」と略記)までの間か否かを判断し、次のICまでの間であれば(S153:YES)、S156へ移行して、一般道優先モードにおいて通常行うよりも倍率を低下させたコスト計算を行う。つまり、有料道路の経路コストは、例えば時間優先モードの場合の経路コストに所定のモード係数Kを掛け、そのモード係数を10とすることを基本とするが、S156では、そのモード係数Kを10よりも小さくするのである。低下させたモード係数としては、ここは1とする。
【0062】一方、次のICまでの間でなければ(S153:NO)、S154へ移行し、該リンクが計算終了点から次のICまでの間か否かを判断する。ここで、次のICまでの間でなければ(S154:NO)、S155へ移行してモード通りのコスト計算を行うが、次のICまでの間であれば(S154:YES)、S156へ移行して、倍率を低下させたコスト計算を行う。
【0063】結局、図6において注目すべき処理は、接続リンクが有料道路である場合(S152:YES)、そのリンクが計算開始点から次ICまでの間であるか(S153:YES)、または、計算終了点から次ICまでの間である場合に(S154:YES)、倍率を低下させたコスト計算を行う(S156)ことである。したがって、まず、計算開始点及び計算終了点について説明した後、S153,S154における判断の詳細について説明することとする。
【0064】[計算開始点及び計算終了点について]経路設定に際して、通過点が設定されている場合には、経路計算は、通過点毎に区切って計算する。この区切り毎の現在地側の点を計算開始点、目的地側の点を計算終了点とする。例えば、出発地→経路A→通過点→経路B→目的地の計算を行う場合、経路Aの計算における計算開始点は出発地であり、計算終了点は通過点となる。また、経路Bの計算における計算開始点は通過点であり、計算終了点は目的地となる。
【0065】[S153の処理に関して]S153では、リンクが計算開始点から次ICまでの間か否かを判断しているが、ここでは、以下の条件を満たす全てのパスを計算し、このパス内に該リンクが含まれる場合に、YESと判断する。
【0066】条件1−1:通行規則に従う。
条件1−2:一般道路を除く。
条件1−3:有料道路本線とそれ以外の道路(取付道路を含む)が接続する交差点(有料道路出口)では、「有料本線」→「有料本線」という進行はしてはならない。
【0067】条件1−4:パス内に「有料本線」が含まれる場合、「有料取付道路」→「有料本線」へ進行してはならない。
これら各条件の意味について、図7を参照して説明する。図7に示す記号(A〜S)は、C,D,E,F,G,H,N,Oが有料本線を示し、A,B,J,K,L,Mが有料取付道路を示している。また、Iがサービスエリア(SA)またはパーキングエリア(PA)用の道路を示しており、P,Q,R,Sが一般道路を示している。そして、この図7に示す位置に現在地が存在する場合には、各リンクに関して次のような判断がなされることとなる。
【0068】■リンクCは、現在地から一方通行を逆走しなくてはそこに到達できないので、上記条件1−1によって除外される。
■リンクGは、条件1−3によって除外される。これは、有料道路本線であるリンクF,Gと、取付道路であるリンクJが接続する交差点では、有料本線Fから有料本線Gへは進行してはならないからである。
【0069】■リンクH,Nは、条件1−4によって除外される。これは、パス内に有料本線であるリンクD,Fが含まれるため、有料取付道路であるリンクKから有料本線であるリンクH,Nへは進行してはならないからである。なお、リンクDは有料本線であり、有料取付道路であるリンクBからの進行先となるが、リンクDに至るまでのパス内に有料本線を含まないため、進行してもよく、除外されない。
【0070】■リンクP〜Sは、一般道路であるため、条件1−2によって除外される。このような条件判断によって、有料道路、有料取付道路及びそれに準ずるSA/PA用道路に該当するリンクの内、上述の条件にて除外されたリンクC,G,H,Nが図6のS155にて定倍、つまり10倍されてコスト計算される。そして、それ以外のリンクA,B,D,E,F,I,J,K,L,Mは図6のS156にて倍率低下させたコスト計算がなされる。
【0071】[S154の処理に関して]S154では、リンクが計算終了点から次ICまでの間か否かを判断しているが、ここでは、以下の条件を満たす全てのパスを計算し、このパス内に該リンクが含まれる場合に、YESと判断する。
【0072】条件2−1:通行規則に従う。
条件2−2:一般道路を除く。
条件2−3:有料道路本線とそれ以外の道路(取付道路を含む)が接続する交差点(有料道路出口)では、「有料本線」→「有料本線」という進行はしてはならない。
【0073】条件2−4:「有料本線」→「有料取付道路」へ進行してはならない。
これら各条件の意味について、図8を参照して説明する。なお、図8には、(a),(b)2つの道路状況を示しており、それぞれに目的地が存在する。図8(a),(b)に示す記号(A〜U)は、D,E,F,G,K,L,Mが有料本線を示し、A,B,C,P,Q,R,Sが有料取付道路を示している。また、VがSAまたはPA用の道路を示しており、I,J,T,Uが一般道路を示している。
【0074】そして、この図8(a),(b)に示す位置に目的地が存在する場合には、各リンクに関して次のような判断がなされることとなる。
■リンクA,L,Mは、条件2−1によって除外される。つまり、リンクA→Cへの通行規制によってリンクAが除外され、リンクL→Qへの通行規制によってリンクLが除外される。また、リンクMは一方通行であるため、これによってリンクMが除外される。
【0075】■リンクDは、条件2−3によって除外される。これは、有料道路本線であるリンクD,Eと、取付道路であるリンクCが接続する交差点では、有料本線Dから有料本線Eへは進行してはならないからである。
■リンクHは、一方通行であるため、条件2−1によって除外される。
【0076】■リンクI,J,T,Uは、一般道路であるため条件2−2によって除外される。
■リンクKは、条件2−4によって除外される。有料本線であるリンクKから有料取付道路であるリンクPへは進行してはならないからである。
【0077】このような条件判断によって、図8(a)に示す場合には、有料道路などに該当するリンクの内、上述の条件にて除外されたリンクA,D,Hが図6のS155にて定倍、つまり10倍されてコスト計算される。そして、それ以外のリンクB,C,E,F,G,Vは図6のS156にて倍率低下させたコスト計算がなされる。
【0078】一方、図8(b)に示す場合には、有料道路などに該当するリンクの内、上述の条件にて除外されたリンクK,L,Mが図6のS155にて定倍、つまり10倍されてコスト計算される。そして、それ以外のリンクP,Q,R,Sは図6のS156にて倍率低下させたコスト計算がなされる。
【0079】[S153,S154の相違に関して]上述したように、S153とS154での判断条件は、条件1−4と条件2−4の内容が異なるだけである。異なる理由は以下の通りである。例えばS154においてもS153と全く同じ条件を用いたと仮定すると、一般道路上に現在地があり、有料道路入口を目的地とした場合、一般道優先モードにて経路計算を行うと、定倍を行わない範囲は図9に太線で示したようになる。一般的に、有料道路に対して定倍しない状態では、有料道路の経路コストの方が一般道路の経路コストよりも小さいため、図9に示す状況では、手前のICで有料道路に入り、目的地の設定された出口で有料道路から降りる経路が最も経路コストの合計値が小さくなり、目的地経路として設定されてしまう。このように設定されてしまうことが必ずユーザの意図に沿わないのかどうかに関しては、意見が分かれるところである。
【0080】但し、本実施例では、このような状況が生じないように考慮し、計算終了点が取付道路上に設定された場合、定倍を行わない範囲は、その設定されたIC内部のみとなるようにするため、条件2−4を条件1−4と異ならせたのである。したがって、この点を特に問題視しないのであれば、S153,S154共に同じ条件にて判定してもよい。
【0081】以上説明したように、本実施例のナビゲーション装置1は、ダイクストラ法あるいはそれに準ずる探索手法を用いて行う目的地経路の設定に際して、一般道優先モードの場合には、基本的に有料道路などの経路コストを10倍するのであるが、所定の状況(例えば出発地あるいは目的地あるいは通過点の何れかが有料道路上に存在する場合など)では、通常よりも大きく設定すべき経路コストを、相対的に小さく設定した。これによって、図2〜図4を参照して上述した具体例1〜3のような不都合が生じてしまうことを防止し、ユーザの意図に沿った経路設定が実現されることとなる。
【0082】なお、本実施例では、一般道優先モードとして、なるべく有料道路を通らない経路を設定する場合を例にとって説明したが、より、一般化して、特定種別の道路をなるべく通らないようにする「特定道路回避モード」であれば、同じように実現可能である。この場合の特定種別の道路は、例えば有料道路の内の高速道路に限定してもよいし、主に欧米に見られるフリーウェイであってもよい。さらには、フェリーを使って移動する経路なども挙げられる。もちろん、これらの具体例に限らず、その特定種別の道路を回避したい何らかの理由が挙げられるものであれば、どのようなものでも該当する。
【0083】[第1実施例の別態様]第1実施例におけるポイントは、図6のS153〜S156に示したように、計算開始(終了)点から次のICまでの経路コストを通常よりも低下させる点にある。したがって、図6におけるS153,S154に相当する処理を、実際のコスト計算の前処理として実行しておき、条件を満たすリンクを検出して、実際の計算時には判定結果を参照するのみとすれば、処理高速化が図れる。
【0084】その場合には、図10,11のフローチャートに示すような処理を実行すればよい。図10,11について説明する。図10の最初のステップS310は図5のS110と同じ地図データ読み込み処理であり、続くS320は、図5では存在しない処理であり、コスト操作フラグの設定を行う。このコスト操作フラグ設定処理を図11を参照して説明する。
【0085】コスト操作フラグをクリアした後(S321)、特定道路回避モードかどうかを判断する(S322)。なお、ここでは、上述した一般道優先モードの上位概念として「特定道路回避モード」という語を用いることとする。特定道路回避モードでなければ(S322:NO)、そのまま本処理ルーチンを終了して、図10のS330へ移行する。一方、特定道路回避モードの場合には(S322:YES)、計算開始点から条件1−1〜1−4のいずれにも違反することなく到達できるリンクを抽出し(S323)、抽出したリンクに対応するコスト操作フラグを設定(フラグ=ON)する(S324)。そして、続くS325では、条件2−1〜2−4のいずれにも違反することなく計算終了点に到達できるリンクを抽出し、S326にて、その抽出したリンクに対応するコスト操作フラグを設定する。
【0086】以上のようなコスト操作フラグ設定処理を実行した後、図10のS330へ移行する。図10のS330〜S350は図5のS120〜S140と同じであるので説明は省略する。S350にて肯定判断、つまり接続リンクへ進入可能であると判断された場合には、S360にてコスト操作フラグの設定の有無を判断する。そして、コスト設定フラグが設定されていない(フラグ=OFF)の場合には、S370へ移行して、モード通りのコスト計算を行う。一方、コスト設定フラグが設定されている(フラグ=ON)場合には、S380へ移行して、通常よりも倍率を低下させたコスト計算を行う。これらS370,S380の処理は、図6のS155,S156の処理と同じである。
【0087】その後のS390〜S440の処理についても、図5のS160〜S210と同じであるので、説明は省略する。
[第2実施例]上述したように、第1実施例においては、計算開始(終了)点から次のICまでの経路コストを通常よりも低下させることで、問題を解決したが、本第2実施例では、特定道路以外の道路(特定道路を回避する道路という意味で回避道路と称す。)をコスト計算のための計算開始(終了)点とすることで対応する。
【0088】その内容を概略説明すると、まず、上述の条件1−1〜1−4を満たす全てのパスを探索し、そのパスの端点を計算開始点とする。同様に、条件2−1〜2−4を満たす全てのパスを探索し、そのパスの端点を計算終了点とする。これは、言い方を変えれば、計算開始(終了)点が特定道路上である場合に、隣接するICの出口を検出し、その検出した点を仮の計算開始(終了)点とすることになる。そして、この計算開始(終了)点から計算を行うことによって、計算開始(終了)点の最寄りのIC間の経路を取得することができる。この経路計算においては、計算開始(終了)点が特定道路以外の道路となるため、図2〜図4を参照して説明したような問題は生じない。
【0089】なお、本来の計算開始点から仮の計算開始点(開始点の最寄りIC)まで、及び仮の計算終了点(終了点の最寄りIC)から本来の計算終了点までは、仮の計算開始(終了)点を取得したときのパスを基にしてリンク列を作成し、結合することによって補完する。
【0090】この第2実施例の場合には、図12,13のフローチャートに示すような処理を実行すればよい。図12,13について説明する。図12の最初のステップS510は図5のS110と同じ地図データ読み込み処理であり、続くS520では、回避道路の端点の取得を行う。この回避道路端点取得処理を図13を参照して説明する。
【0091】まず、特定道路回避モードか否かを判断し(S521)、特定道路回避モードでなければ(S521:NO)、計算開始(終了)点の両端のノードを回避道路端点として(S522)、本処理ルーチンを終了し、図12のS530へ移行する。一方、特定道路回避モードの場合には(S521:YES)、計算開始点から条件1−1〜1−4のいずれにも違反することなく到達できるリンクを抽出し(S523)、その抽出したリンクの端点を開始点側回避道路端点とする(S524)。そして、続くS525では、条件2−1〜2−4のいずれにも違反することなく計算終了点に到達できるリンクを抽出し、S526にて、その抽出したリンクの端点を終了点側回避道路端点とする。
【0092】以上のような回避道路端点取得処理を実行した後、図12のS530へ移行する。図12のS530では、開始点側回避道路端点のノードの初期コストを設定する。続くS540〜S600は図5のS130〜S190と同じであるので説明は省略する。S600にてコスト最小値を有するノードが確定された後は、S610にて、終了側回避道路端点ノードのコストが確定しているか否かを判断する。確定していない場合には(S610:NO)、S540へ戻り、確定した場合には(S610:YES)、S620へ移行して経路を作成する。
【0093】上述したように、この作成される経路は特定道路以外の道路にて構成されるものであるため、それ以外の経路をS630,S640にて補完する。すなわち、S630では、計算開始点〜回避道路端点間の補完を行い、S640では、回避道路端点〜計算終了点間の補完を行う。
【0094】[その他]
(1)上記実施例では、経路設定に際して、時間優先モード、距離優先モード、一般道優先モードの切替設定ができることを前提とした。但し、本発明の実現のためには少なくとも一般道優先モードが存在すればよいので、そのモードしか有さないような構成であっても、実現は可能である。
【0095】(2)上記実施例では、有料道路の取付道についても有料道路と同様の扱いをし、一般道優先モードにおいては基本的には経路コストを10倍した。これは、取付道が一方通行であり、一般道か有料道路のいずれに近いかを考えると有料道路と同等に扱っても構わないと考えられることによる。但し、一般的に取付道の長さは短いため、あえて経路コストを有料道路と同様に扱わなくても問題が発生する事態は少ないと考えられる。したがって、一般道優先モードにおいて、取付道は経路コストを10倍する対象から外してもよい。
【0096】(3)上記実施例では、静的情報源からの情報のみを用いて経路設定を行ったが、例えば外部の情報センタなどの動的情報源からの情報も加味して経路設定を行ってもよい。例えば、図1に示した構成に加えて、外部情報源である情報センタと通信するための通信装置や、図示しないラジオアンテナを介してFM放送信号を受信したり、道路近傍に配置されたVICSサービス用の固定局から電波ビーコン信号及び光ビーコン信号を受信するための外部情報入出力装置を備える。このようにすれば、例えば渋滞情報などをリアルタイムで取得することができ、経路設定に際して道路の渋滞度を加味することができる。その場合には、経路コストを算出する式を、例えば、リンク長×道路幅員係数×道路種別係数×渋滞度とする。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成11年10月13日(1999.10.13)
【代理人】 【識別番号】100082500
【弁理士】
【氏名又は名称】足立 勉
【公開番号】 特開2001−108469(P2001−108469A)
【公開日】 平成13年4月20日(2001.4.20)
【出願番号】 特願平11−291244