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【発明の名称】 情報処理装置及び情報処理システム
【発明者】 【氏名】榊原 正義

【要約】 【課題】従来、サービス拠点の検索をする際には高さ方向の移動が考慮されていないという問題点があったが、本発明では、高さ方向の移動を考慮できる情報処理装置及び情報処理システムを提供する。

【解決手段】端末装置1が位置情報出力部18により得た自己の3次元位置をサービスの検索要求とともにネットワーク4を介して情報処理装置2に出力し、情報処理装置2が当該検索の指示を受信して、記憶しているサービス拠点の3次元位置との相対距離を高さ方向により大きい重みを付けつつ演算し、相対距離の短い順でサービス拠点を提示する情報処理装置及び情報処理システムである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 サービスを提供するサービス拠点の3次元位置を管理する位置管理手段と、サービス要求元の3次元位置と前記サービス拠点との相対距離を、少なくとも1つの座標方向に対して重み付けしつつ演算する演算手段と、演算された相対距離に基づいて、所定処理を実行する手段と、を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】 サービスを提供するサービス拠点の3次元位置を管理する位置管理手段と、サービス要求元の3次元位置と前記サービス拠点との相対距離を、少なくとも1つの座標方向に対して重み付けしつつ演算する演算手段と、演算された相対距離に基づいて、前記サービス拠点を検索する検索手段と、を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】 請求項2に記載の情報処理装置において、前記位置管理手段は、さらに各サービス拠点が提供するサービスの種別を管理し、前記検索手段は、さらに検索の対象としてのサービスの種別の入力を受けて、当該種別と演算された相対位置とに基づいて、前記サービス拠点を検索することを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の情報処理装置において、各座標の方向に対しての重みの組を複数管理する手段と、前記複数の重みの組から1つの組を選択的に出力する手段と、を具備し、前記演算手段は、選択的に出力された重みを用いて前記相対距離を演算することを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の情報処理装置において、前記重みは、高さを表す座標方向への重みが水平方向の重みに対して大きくなるように設定されていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の情報処理装置において、サービス要求元の3次元位置は、GPSにより取得することを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】 請求項1から5のいずれかに記載の情報処理装置において、さらに、サービス要求元の3次元位置を、フロアの情報とフロア内の区画の情報とに基づいて識別する手段を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】 サービスを提供するサービス拠点の3次元位置を管理する位置管理手段と、サービス要求元の3次元位置と、前記サービス拠点の3次元位置とに基づいて、前記サービス拠点を検索する検索手段と、を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】 サービスを提供するサービス拠点に配置され、指示により当該サービス拠点の3次元位置を報知する位置サーバと、前記位置サーバに対して3次元位置を報知する指示を送信する手段と、前記位置サーバの3次元位置を受信し、サービス要求元の3次元位置との相対距離を少なくとも1つの座標方向に対して重みづけして演算する演算手段と、前記相対距離に基づいて、サービス拠点を検索する検索手段と、を含むことを特徴とする情報処理システム。
【請求項10】 複数の画像処理装置と、画像処理を要求する要求元と、を含み、前記複数の画像処理装置の各々の3次元位置を管理する手段と、前記要求元の3次元位置を管理する手段と、前記画像処理装置の各々の3次元位置と、前記要求元の3次元位置とに基づいて、前記画像処理装置の少なくとも1つを検索する手段と、を含むことを特徴とする情報処理システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のサービス拠点から近接したサービス拠点を検索する情報処理装置に係り、特に高度を考慮した検索に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建造物が高層になり、例えばオフィスで利用されるネットワークプリンタが各フロアごとに多数配備されることが多くなっている。また、デパートでは、フロアごとに店舗の配置が異なることが多く、何らかのサービスの場所(例えばトイレの場所)等がわかりずらいこともある。
【0003】そこで従来から移動体通信技術を利用して、サービスの位置とユーザの現在位置とに基づいて、最も近いサービスの位置を検索する情報処理装置が開発されている。例えば、特開平9−128683号公報、「通信システム及び固定端末装置」では、移動端末装置が携帯電話を利用して、サービスの位置を管理するホストコンピュータにアクセスし、自らの位置を報知して近接するサービスの位置としての固定端末装置を特定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来の情報処理装置では、高さ方向の移動は一般に水平方向の移動に比べて移動距離が長くなるということが配慮されておらず、例えば同じフロア内で同等のサービスが受けられるにも関わらず、フロアを隔ててすぐ頭上に探しているサービスがあると、現実には階段が遠いためにそこまでの移動距離が長くても、当該頭上にあるサービスが最も近いと検索されてしまうという問題点があった。
【0005】そこで、デパート等で、フロアごとに微弱電波によるラジオ放送を行い、フロアごとの案内を行うシステムが、特開平9−182135号公報、「情報伝達システム及び端末装置」に開示されている。
【0006】しかし、この情報伝達システムでは、フロアごとに異なる放送が行われるため、例えば他のフロアでは得られる情報が得られない。また、ラジオ放送による一方向通信であることから、ユーザが主体的に所定のサービスを検索することができない。
【0007】本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、ユーザが主体的にサービスを検索することができ、高さ方向に移動する際の移動距離を考慮してサービスの場所(サービス拠点)を検索する情報処理装置及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記従来例の問題点を解決するための請求項1記載の発明は、情報処理装置において、サービスを提供するサービス拠点の3次元位置を管理する位置管理手段と、サービス要求元の3次元位置と前記サービス拠点との相対距離を、少なくとも1つの座標方向に対して重み付けしつつ演算する演算手段と、演算された相対距離に基づいて、所定処理を実行する手段と、を含むことを特徴としており、これにより高さ方向の距離を考慮した処理を行うことができる。
【0009】上記従来例の問題点を解決するための請求項2記載の発明は、情報処理装置において、サービスを提供するサービス拠点の3次元位置を管理する位置管理手段と、サービス要求元の3次元位置と前記サービス拠点との相対距離を、少なくとも1つの座標方向に対して重み付けしつつ演算する演算手段と、演算された相対距離に基づいて、前記サービス拠点を検索する検索手段と、を含むことを特徴としており、これにより高さ方向の距離を考慮した検索を行うことができる。
【0010】上記従来例の問題点を解決するための請求項3記載の発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、前記位置管理手段は、さらに各サービス拠点が提供するサービスの種別を管理し、前記検索手段は、さらに検索の対象としてのサービスの種別の入力を受けて、当該種別と演算された相対位置とに基づいて、前記サービス拠点を検索することを特徴としており、ユーザが主体的に目的のサービスを検索することができ、その検索の際に高さ方向の距離を考慮させることができる。
【0011】上記従来例の問題点を解決するための請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の情報処理装置において、各座標の方向に対しての重みの組を複数管理する手段と、前記複数の重みの組から1つの組を選択的に出力する手段と、を具備し、前記演算手段は、選択的に出力された重みを用いて前記相対距離を演算することを特徴としており、より適切な重みづけを選択して、高さ方向の距離を考慮した検索の精度を高めることができる。
【0012】上記従来例の問題点を解決するための請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の情報処理装置において、前記重みは、高さを表す座標方向への重みが水平方向の重みに対して大きくなるように設定されていることを特徴としている。
【0013】これにより水平方向の距離よりも高さ方向の距離をより大きく重みづけして、現実の移動の状況に合わせた検索とすることができ、高さ方向の距離を考慮した検索の精度を高めることができる。
【0014】尚、サービス要求元の3次元位置は、GPSにより取得することが、容易に高度を含む情報を取得できるため、好適である。
【0015】また、サービス要求元の3次元位置を、フロアの情報とフロア内の区画の情報とに基づいて識別する手段を有することとすれば、GPSを用いることなく簡易な構成で高度を含む情報を取得できるため、好適である。
【0016】上記従来例の問題点を解決するための請求項8記載の発明は、情報処理装置において、サービスを提供するサービス拠点の3次元位置を管理する位置管理手段と、サービス要求元の3次元位置と前記サービス拠点の3次元位置とに基づいて、前記サービス拠点を検索する検索手段と、を含むことを特徴としており、高さ方向の距離を考慮してサービス拠点を検索できる。
【0017】上記従来例の問題点を解決するための請求項9記載の発明は、情報処理システムにおいて、サービスを提供するサービス拠点に配置され、指示により当該サービス拠点の3次元位置を報知する位置サーバと、前記位置サーバに対して3次元位置を報知する指示を送信する手段と、前記位置サーバの3次元位置を受信し、サービス要求元の3次元位置との相対距離を少なくとも1つの座標方向に対して重みづけして演算する演算手段と、前記相対距離に基づいて、サービス拠点を検索する検索手段と、を含むことを特徴としており、高さ方向の距離を考慮してサービス拠点を検索できる。
【0018】上記従来例の問題点を解決するための請求項10記載の発明は、情報処理システムにおいて、複数の画像処理装置と、画像処理を要求する要求元と、を含み、前記複数の画像処理装置の各々の3次元位置を管理する手段と、前記要求元の3次元位置を管理する手段と、前記画像処理装置の各々の3次元位置と、前記要求元の3次元位置とに基づいて、前記画像処理装置の少なくとも1つを検索する手段と、を含むことを特徴としており、高さ方向の距離を考慮してサービス拠点を検索できる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0020】本発明の第1の実施の形態に係る情報処理システムは、図1に示すように、端末装置1と、情報処理装置2と、複数の画像処理装置3a,3b,…3nとから基本的に構成され、相互にネットワーク4で接続されている。また、端末装置1は、図1に示すようにCPU11と、ROM12と、RAM13と、ハードディスク14と、表示部15と、入力部16と、ネットワークインタフェース(I/F)17と、位置情報出力部18とから主に構成されており、これらの各部は相互にバスで接続されている。情報処理装置2は、図2に示すように、ネットワークI/F21と、距離算出部22と、距離比較部23と、記憶部24と、制御部25とから基本的に構成されている。
【0021】この本発明の第1の実施の形態に係る情報処理システムは、例えばネットワークに接続された多数のコンピュータのいずれかを使い分けるユーザや、外出先の建物でコンピュータをネットワークに接続して利用しようとするユーザによって用いられる。
【0022】以下、各部を具体的に説明する。端末装置1のCPU11は、ROM12やハードディスク14に格納されている処理プログラムを実行し、各部の制御を行う。このCPU11の動作については後述する。ROM12は、CPU11が実行するプログラムを格納している。RAM13は、CPU11のワークメモリとして動作し、また、ネットワークI/F17によりネットワーク4を介して送受される情報を一時的に格納するバッファメモリとしても動作する。ハードディスク14は、CPU11によって処理されるプログラムと、各種のパラメータとを格納している。表示部15は、ディスプレイ等であり、CPU11の指示により情報の表示出力を行う。入力部16は、マウス、キーボード等であり、ユーザの操作により入力された情報をCPU11に伝達する。ネットワークI/F17は、ネットワーク4に接続され、ネットワーク4を介して情報を送受する。位置情報出力部18は、例えばGPS(Global Positioning System)であり、GPS衛星から受信した信号に基づいて自己の3次元位置を緯度、経度、高度の座標で出力する。
【0023】情報処理装置2のネットワークI/F21は、ネットワーク4に接続され、ネットワーク4を介して情報を送受する。距離算出部22は、制御部25から入力される指示により2つの3次元位置の相対距離を演算する。距離比較部23は、距離算出部22で演算された複数の相対距離を比較し、順序に並べ替える。記憶部24には、サービス拠点としての各画像処理装置3の3次元位置が格納されている。またこの記憶部24には、相対距離の演算で用いられる、各座標ごとの重みの情報の組が格納されている。さらに、この記憶部24は、距離算出部22が算出した複数の画像処理装置3の各々と端末装置1との間の相対距離を格納する。制御部25は、これらの各部を制御する。尚、距離算出部22における相対距離の具体的演算方法については後述する。
【0024】複数の画像処理装置3a,3b,…3nは、いずれもネットワークに接続されており、それぞれ特有の機能(サービスの種別)を持つ。例えば、第1の画像処理装置3aは、カラーのプリントができ、第2の画像処理装置3bは、白黒のプリントができ、第3の画像処理装置3cは、白黒のプリント及びFAXができるというようになっている。
【0025】ここで、具体的に情報処理装置2の記憶部24に格納されている、各画像処理装置3の3次元位置の情報について図3を参照しつつ説明する。各画像処理装置3の3次元位置の情報は図3に示すように、装置の識別子(ID)ごとに、そのサービスの種別としての画像処理装置3(プリンタ)の機能と、経度、緯度、高度の各情報を対応づけたものである。尚、この経度、緯度、高度の情報は、例えば当該プリンタによって印刷された結果がソータのような装置によって振り分けられ、別所に出力される場合には、当該印刷物を受け取ることができる場所としておくことが好ましい。すなわち、サービス自体が行われる場所とそのサービスを受けるための窓口が異なる場合には、窓口側の3次元位置を登録することが好ましい。また、画像処理装置3の機能は、ネットワーク上で、各画像処理装置3の機能を管理するディレクトリサービスから取得しても構わない。この場合には図3に示す機能の種別は不要になり、CPU11は、図3に示した情報の代わりに当該ディレクトリサービスにアクセスして画像処理装置3の機能の情報を取得することになる。
【0026】ここで、端末装置1のCPU11の処理について説明する。端末装置1のCPU11は、入力部16を介してユーザから要求するサービスの種別の入力を受けて処理を開始し、位置情報出力部18から端末装置1の現在位置の緯度、経度、高度の情報を取得する。そして、CPU11は、これらの情報を組として図4に示すような要求データを生成してネットワークI/F17に出力し、それによりこの要求データを情報処理装置2に送信する。そして、CPU11は、情報処理装置2から画像処理装置3の検索の結果を受信するまで待機し、受信した検索の結果を表示部15に出力する。そして、端末装置1の表示部15に検索を要求したサービス拠点の候補が近い順に表示され、ユーザは、当該候補を参照して、適切なサービス拠点に向かうことができる。
【0027】次に、情報処理装置2の制御部25の動作について説明する。この制御部25は、端末装置1からネットワークI/F21がネットワーク4を介して受信した要求データを参照し、要求データに示された端末装置1の現在位置の緯度、経度、高度からなる3次元位置情報と、要求されているサービスの種別とを抽出する。そして、制御部25は、記憶部24からサービス拠点としての各画像処理装置3の3次元位置の情報を読み出して、各プリンタの機能を参照し、要求されているサービスの種別に合致する画像処理装置3を選択し、当該選択された画像処理装置3の情報を記憶部24に選択情報として格納する。そして、制御部25は、抽出した端末装置1の現在位置を表す3次元位置の情報を距離算出部22に出力して端末装置1と、選択された画像処理装置3の各々との相対距離を算出させる。さらにこの制御部25は、距離算出部22で算出された端末装置1と各画像処理装置3との相対距離の情報を距離比較部23に出力して、相対距離の短い順に並べ替えさせ、当該並べ替えられた順序で対応する画像処理装置3の情報をネットワークI/F21に出力して、ネットワーク4を介して端末装置1に送信する。
【0028】ここで本実施の形態の情報処理装置2の距離算出部22における相対距離の具体的な演算方法について説明する。尚、以下の説明で、距離算出部22は水平方向の距離に対する重みwと、高さ方向に対する重みwとを用いて相対距離を算出する場合を例として説明する。距離算出部22は、図5に示すように、制御部25からの指示に応じて、入力された端末装置1の3次元位置を変数uに格納する(S1)とともに、記憶部24から重みの組W、Wを読み出す(S2)。また、記憶部24から選択された画像処理装置3から順次一つの画像処理装置3の3次元位置を取り出して変数sに格納する(S3)。そして、uの緯度uと、経度uloと、sの緯度slaと、経度sloとから、その差dla=sla−ula及び、dlo=slo−uloを算出し(S4)、これらを高度u、sと同じ単位(例えばメートル)に換算し、さらに、一般的な三平方の定理を用いた次の[数1]により水平方向の相対距離dを算出する(S5)。
【0029】
【数1】

また、uの高度uと、sの高度sとからその差dを算出して(S6)、処理S2で読み出した重みの組W、Wを用いて、三平方の定理を応用した次の[数2]で相対距離dを算出する(S7)。
【0030】
【数2】

すなわち、この処理はある点からの水平距離と、水平面での角度と、高さとを座標とした円筒座標系において、角度を無視して水平距離及び高さにそれぞれの座標方向の重みW、Wを付けつつ相対距離を演算したことに対応する。
【0031】そして、距離算出部22は、記憶部24に選択された画像処理装置3のすべてについて、端末装置1までの距離を算出が完了したか否かを調べ(S8)、完了しているならば(Yesならば)処理を終了し、完了していなければ(Noならば)、次の画像処理装置3について、処理S3からの処理を繰り返す。
【0032】このように距離算出部22が三平方の定理を応用した計算により各画像処理装置3と端末装置1との距離を演算しているので、簡便な計算で相対距離を演算できる。
【0033】尚、処理S5における単位の換算は、緯度及び経度に基づいた公知の方法で行うことができるが、日本付近であれば、緯度の1秒の差を30メートル、緯度の1秒の差を25メートルとして換算すれば、さらに演算を簡便にするから好ましい。
【0034】次に、本発明の第2の実施の形態に係る情報処理システムについて図面を参照しつつ説明する。第2の実施の形態に係る情報処理システムは、端末装置が各フロアを区画で区分した区画情報に基づいて3次元位置を報知し、情報処理装置にて概略の相対距離を演算する。すなわち、本第2の実施の形態に係る情報処理システムでは、各サービス拠点を含む建物の、フロアとフロアごとの区画を例えば図6に示すように、仮想的に定めておく。図6では、1〜m階までの各フロアを、横方向に1〜nまでと、縦方向にA〜Zまでの記号で分割し、各区画としている。尚、以下の説明で、図6の斜線で示した区画は、「フロアm階、区画B3」のように表すこととする。
【0035】具体的に本発明の第2の実施の形態に係る情報処理システムは、図1に示した第1の実施の形態に係る画像処理システムと同様の構成をとるが、端末装置1の位置情報出力部18と、情報処理装置2の距離算出部22の動作が主として異なるので、以下、これらの各部を中心に説明する。
【0036】端末装置1の位置情報出力部18には、端末装置1の現在位置としての区画の情報がユーザにより予め設定されていてもよいし、公知のRFID(Radio Frequency Identifier)によって端末装置1がどの区画にいるかを検知して設定してもよい。また、情報処理装置2の記憶部24には、各画像処理装置3の3次元位置を表す情報として、図3の代わりに図7に示すような情報が格納されている。すなわち、本実施形態では、緯度、経度の代わりに区画の情報が格納され、高度の情報の代わりにフロア(階)の情報が格納されている。尚、図3の場合と同様に、画像処理装置3の機能は、ネットワーク上で各画像処理装置3の機能を管理するディレクトリサービスから取得しても構わない。この場合には図7に示した各画像処理装置3の機能の情報は不要である。
【0037】さらに、情報処理装置2の距離算出部22は、端末装置1の現在位置としての区画の情報と各サービス拠点としての画像処理装置3の位置を表す区画の情報とから、区画が横方向及び縦方向にそれぞれどれだけ離れているかを表す値を算出する。例えば、「フロア2階、J9」の区画と「フロア3階、B3」の区画とであれば、横方向(dla)には9−3=6区画だけ離れており、縦方向(dlo)にはJとBとの間の8区画だけ離れているから、三平方の定理により[数3]を用いて、水平方向の距離d=10と演算する。そして、距離算出部22は、記憶部24から重み(ここではW1、W=40としている)を読み出して、フロアの差d=3−2=1とし、第1の実施形態におけるのと同様に、それぞれを重みづけつつ三平方の定理を応用した[数4]により相対距離dを演算する。
【0038】
【数3】

【数4】

すなわち、本実施の形態の情報処理システムでは、まずユーザが「白黒の画像をプリントできる」サービスを検索する要求を行うと、端末装置1のCPU11が、当該要求を表す情報と、位置情報出力部18から入力された、現在位置を表す区画の情報とを対応づけて、ネットワーク4を介して情報処理装置2に図8に示す要求データとして送信する。すると情報処理装置2の制御部25が既に説明した第1の実施の形態におけるのと同様にして、当該「白黒画像をプリントできる」との検索の条件に合致した画像処理装置3を記憶部24に格納されているものから選択し、受信した端末装置1の現在位置を表す区画の情報とともに距離算出部22に出力する。そして、距離算出部22が上記の方法で選択された画像処理装置3の各々の設置場所である区画の情報と端末装置1の区画の情報とからそれぞれの相対距離を演算し、さらに距離比較部23で演算された相対距離が小さい順に並べ替えて、その並べ替えた順序で、各相対距離に対応する画像処理装置3の情報を検索の結果としてネットワーク4を介して端末装置1に送信し、端末装置1が当該検索の結果を表示部15に表示出力する。そして、端末装置1の表示部15に検索を要求したサービス拠点の候補が近い順に表示され、ユーザは、当該候補を参照して、適切なサービス拠点に向かうことができる。
【0039】このような本実施の形態の情報処理システムによれば、相対距離の演算がより容易になり、またGPSも必要としないので、簡易な構成で実現できる。
【0040】さらに、上記の第1、第2の実施の形態の情報処理装置2では、記憶部24に格納されている重みの情報は水平方向の距離に対する重みと高さの方向に対する重みの2通りであるが、フロア間の移動(高さ方向の移動)では、階段のある場所までいき、階段を上り下りしたりする等移動距離が一般に長くなることを考慮して高さ方向の重みを水平方向の重みに比べて大きいものとしておくのが好ましい。
【0041】また、ここでの重みは、状況によって設定を変えることが好ましい。例えば階段が多い建物や壁の多い建物など、水平方向の移動と高さ方向の移動とで、移動距離に大きい差のない場合には高さ方向の重みを水平方向の重みに近づけてもよい。さらにこの場合には、予め記憶部24に複数の重みの組を設定しておき、ユーザの指示に応じて重みの組を選択し、選択された重みを演算に用いることが、操作を容易にする上で好ましい。
【0042】尚、第1、第2の実施の形態における情報処理装置2は、三平方の定理を応用した数式により簡易に相対距離の情報を得ていたが、ネットワーク4を介して受信した端末装置1の現在位置と、各画像処理装置3の設置位置とから端末装置1から画像処理装置3までの移動経路を公知の方法で探索し、当該経路の移動距離を相対距離として扱っても構わない。この場合に、当該探索された経路上に階段やエスカレータ、エレベータ等高さ方向に移動する部分がある場合には、その経路の部分に重みをつけて距離が大きいものとすることで、高さ方向の移動が水平方向の移動に比べて時間がかかることを反映させることができる。
【0043】さらに、第1、第2の実施の形態における端末装置1は、ネットワーク4に直接接続されており、ユーザがこのようなネットワーク4に接続された端末装置1のいずれかを利用する場合を想定していたが、端末装置1が携帯できる場合には、図9に示すように、ネットワークI/F17の代わりにPHS部19を設け、電話回線に接続された基地局6のいずれかと通信を行うこととしてもよい。この場合には、例えば端末装置1が電話回線との間で送受する情報をゲートウエイ装置7によってネットワーク4に中継することで、端末装置1と情報処理装置2との間の情報の伝達を行うこととすればよい。
【0044】さらに、ここで基地局6は、自己のカバーする範囲内にある端末装置1と通信を行い、さらに基地局6は、図示しない制御局によって制御され、端末装置1が複数の基地局6のカバー範囲間を移動するときには、公知のハンドオフ制御を行うので、これを利用して端末装置1が現在どの基地局6との間で通信をしているかによって端末装置1の現在位置を検出しても構わない。
【0045】さらに、第1、第2の実施の形態では、情報処理装置2の記憶部24には、ネットワーク4に接続された画像処理装置3の情報をサービス拠点の位置を表す情報として格納している場合について説明したが、他のサービス拠点、例えば公衆電話やトイレ等であっても構わない。この場合には、図3、図7に示したサービスの種別をそれぞれ「公衆電話」や「トイレ」等としておく。
【0046】
【発明の効果】本発明の情報処理システムによれば、サービス拠点とサービス要求元との3次元位置に基づく相対距離を少なくとも1つの座標方向に対して重みづけしつつ演算し、当該相対距離に基づいて所定処理を実行する手段を含んでいるので、水平方向だけでなく、高さ方向に移動する際の移動距離を考慮して所定処理、例えばサービス拠点の検索を行うことができる。
【0047】また、本発明の情報処理システムによれば、適切な重みづけを選択でき、また高さ方向への重みが水平方向の重みに対して大きくなるように設定されているので、高さ方向へ移動する際の移動距離を考慮した検索の精度を高めることができる。
【0048】また、本発明の情報処理システムによれば、サービス要求元の3次元位置をフロアの情報とフロア内の区画の情報とに基づいて識別する手段を有するので、簡易な構成で高度を含む情報を取得し、処理を簡便にできる。
【出願人】 【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
【出願日】 平成11年9月9日(1999.9.9)
【代理人】 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
【公開番号】 特開2001−82977(P2001−82977A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願平11−255996