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【発明の名称】 ナビゲーション装置
【発明者】 【氏名】島原 大介

【要約】 【課題】各種の案内画像が対応する地図上の位置を容易に把握することができるナビゲーション装置を提供すること。

【解決手段】交差点案内画像描画部46は、自車が次に通過する交差点と、この交差点に隣接する交差点であって自車が進行可能な交差点を抽出し、これらの交差点に対応する案内画像を作成する。補助画像描画部48は、作成されたこれらの案内画像のそれぞれを、対応する交差点に関連付ける影や引出線からなる補助画像を作成する。地図描画部20は、運転者の視点位置から見た地図画像を作成する。画像合成部26によって、この地図画像上に案内画像と補助画像が重ねて画像合成が行われ、合成後の画像がディスプレイ装置9の画面に表示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定の視点位置から車両の進行方向前方を見た地図画像を作成する地図画像作成手段と、前記地図画像に含まれる所定の交差点に関する情報が含まれる案内画像を作成する案内画像作成手段と、前記案内画像が前記地図画像に含まれるいずれの前記交差点に関するものであるかを示す補助画像を作成する補助画像作成手段と、前記地図画像作成手段によって作成された前記地図画像上に、前記案内画像作成手段によって作成された前記案内画像と、前記補助画像作成手段により作成された前記補助画像とを合成して表示する画像表示手段と、を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】 請求項1において、前記案内画像作成手段は、前記案内画像の表示面積および表示色の少なくとも一方を、対応する前記交差点と自車位置との間の距離に応じて可変に設定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】 請求項1または2において、前記案内画像作成手段は、誘導経路が設定されている場合には、前記誘導経路に沿った前記交差点に対応する前記案内画像を作成することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記地図画像作成手段によって作成される前記地図画像には空に対応する領域が含まれており、前記画像表示手段は、前記地図画像の空に対応した前記領域に前記案内画像を重ねて表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自車位置周辺の地図画像に重ねて交差点情報等を表示するナビゲーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車載用のナビゲーション装置は、車両の現在位置を検出し、その近傍の地図データをCD、DVD等のデータ蓄積媒体から読み出して画面上に表示する。また、画面中央には自車位置を示す車両位置マークが表示されており、この車両位置マークを中心に車両の進行にしたがって近傍の地図データがスクロールされ、常時自車位置周辺の地図情報がわかるようになっている。また、車両が進行している経路上に交差点がある場合には、信号機や標識(一方通行等)、あるいは路線番号、車線情報、交差点名等といった交差点案内画像が地図画像上に重ねて表示される。
【0003】また、最近では、自車位置上空の所定位置を視点位置として車両の進行方向の地図画像を鳥瞰図として表示する手法が汎用されている。このように、鳥瞰図として表示を行った場合には、地図画像を平面的(二次元的)に表示する場合に比べて、運転者が実際に見る風景に近い画像が表示されることとなるので、自車の進行方向を確認しやすくなるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したように自車位置周辺の地図画像を鳥瞰図として表示した場合には、表示画像を見た際に遠近感がつかみにくいという欠点があった。特に、表示された地図画像中に複数の交差点が含まれるような場合に、各々の交差点に関する情報(信号や交通規制の有無、車線情報等)を示す案内画像が同時に表示されると、どの案内画像がどの交差点に関するものなのかという両者の対応関係が把握しにくくなるという問題があった。
【0005】本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、各種の案内画像が対応する地図上の位置を容易に把握することができるナビゲーション装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するために、本発明のナビゲーション装置は、地図画像作成手段によって所定の視点位置から車両の進行方向前方を見た地図画像を作成する場合に、案内画像作成手段によって所定の交差点に関する情報が含まれる案内画像を作成するとともに、補助画像作成手段によって案内画像と交差点との対応関係を示す補助画像を作成し、これらの画像を画像表示手段によって地図画像上に合成して表示している。案内画像と交差点との対応関係が補助画像によって明確になるため、車両の運転者等の利用者は、案内画像に対応する地図画像上の位置を容易に把握することができる。
【0007】また、上述した案内画像作成手段によって、案内画像の表示面積および表示色の少なくとも一方を、対応する交差点と自車位置との間の距離に応じて可変に設定することが望ましい。自車位置に近い交差点に対応した案内画像の重要度が高くなるため、この案内画像の面積や表示色を変えて目立たせることにより、これを見た利用者は、重要度の高い交差点に関する案内情報を確実に把握することができる。
【0008】また、地図画像上に誘導経路が設定されている場合に、上述した案内画像作成手段によって、誘導経路に沿った交差点に対応する案内画像を作成することが望ましい。誘導経路が設定されている場合には、これに沿って走行することを想定しているため、この誘導経路に沿った交差点に対応する案内画像を優先的に表示することにより、表示画面内に含まれる不要な案内画像の表示を省いて、良好な視認性を確保することができる。
【0009】また、上述した地図画像作成手段によって作成される地図画像に空に対応する領域を含ませるとともに、画像表示手段によって、この空に対応する領域に各交差点に対応する案内画像を重ねて表示することが望ましい。一般に、地図画像として重要なのは道路や隣接する施設等の情報であるため、空に対応する領域に案内情報を重ねて表示することにより、本来重要である道路等の情報が視覚的に遮られることを防止することができるとともに、表示画面上の無駄な領域を有効利用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した一実施形態のナビゲーション装置について図面を参照しながら説明する。
【0011】(1)ナビゲーション装置の全体構成図1は、本発明を適用した一実施形態の車載用ナビゲーション装置の全体構成を示す図である。図1に示すナビゲーション装置は、全体を制御するナビゲーションコントローラ1と、地図表示や経路探索等に必要な各種の地図データを記録したDVD2と、このDVD2に記録された地図データを読み出すディスク読取装置3と、利用者が各種の指示を入力する操作部としてのリモートコントロール(リモコン)ユニット4と、自車位置と自車方位の検出を行うGPS受信機5および自律航法センサ6と、地図画像やこれに重ねて交差点に関する情報等を表示するディスプレイ装置9とを備えている。
【0012】上述したディスク読取装置3は、1枚あるいは複数枚のDVD2が装填可能であり、ナビゲーションコントローラ1の制御によっていずれかのDVD2から地図データの読み出しを行う。なお、装填されるディスクは必ずしもDVDでなくてもよく、CDでもよい。また、DVDとCDの双方を選択的に装填可能としてもよい。
【0013】リモコンユニット4は、経路探索指示を与えるための探索キー、経路誘導モードの設定に用いる経路誘導モードキー、目的地入力キー、左右上下のカーソルキー、地図の縮小/拡大キー、表示画面上のカーソル位置にある項目の確定を行う設定キー等の各種操作キーを備えており、キーの操作状態に応じた赤外線信号をナビゲーションコントローラ1に向けて送信する。
【0014】GPS受信機5は、複数のGPS衛星から送られてくる電波を受信して、3次元測位処理あるいは2次元測位処理を行って車両の絶対位置および方位を計算し(車両方位は現時点における自車位置と1サンプリング時間ΔT前の自車位置とに基づいて計算する)、これらを測位時刻とともに出力する。また、自律航法センサ6は、車両回転角度を相対方位として検出する振動ジャイロ等の角度センサと、所定走行距離毎に1個のパルスを出力する距離センサとを備えており、車両の相対位置および方位を検出する。
【0015】ディスプレイ装置9は、ナビゲーションコントローラ1から出力される画像データに基づいて、自車周辺の地図情報を出発地マーク、目的地マーク等とともに表示したり、この地図上に誘導経路を表示する。
【0016】(2)地図データの詳細内容次に、DVD2に記録された地図データの詳細について説明する。DVD2に記録された地図データは、所定の経度および緯度で区切られた矩形形状の図葉を単位としており、各図葉の地図データは、図葉番号を指定することにより特定され、読み出すことが可能となる。図2は、各図葉毎の地図データの内容を示す図である。図2に示すように、各図葉毎の地図データには、■地図表示に必要な各種のデータからなる描画ユニットと、■マップマッチングや経路探索、経路誘導等の各種の処理に必要なデータからなる道路ユニットと、■交差点等の詳細データからなる交差点ユニットが含まれている。また、上述した描画ユニットには、建物あるいは河川等を表示するために必要な背景レイヤのデータと、市町村名や道路名等を表示するために必要な文字レイヤのデータが含まれている。また、上述した背景レイヤには、交差点周辺にある建物等を立体表示するために必要な建物の高さデータが含まれている。この建物等の高さデータは、メートル等の単位で表してもよく、建物の階数で表してもよい。建物の階数で表す場合であれば、例えば1階分=3メートル、といった換算式を用意しておき、実際の計算では、階数に対応して建物の高さを求めればよい。
【0017】図3は、描画ユニットの文字レイヤに含まれる道路名称テーブルの詳細な内容を示す図である。図3に示すように、道路名称テーブルには着目している図葉に含まれる各道路に対応した道路名称レコードが含まれており、各道路名称レコードには、a.路線番号、b.この道路の内容(高速道路、都市高速道路、国道等)を示す道路種別コード、c.国道や県道等の路線番号に対応した路線コード、d.路線名称読み仮名文字列、e.路線名称文字列、等が含まれる。
【0018】また、図2に示した道路ユニットにおいて、道路のある交差点と隣接する他の交差点とを結ぶ線をリンクといい、2本以上のリンクを結ぶ交差点をノードという。図4は、道路ユニットに含まれる各種のテーブルの詳細な内容を示す図である。図4に示すように、道路ユニットには、道路ユニットであることを識別するためのユニットヘッダと、全ノードの詳細データを納めた接続ノードテーブルと、接続ノードテーブルの格納位置を示すノードテーブルと、隣接する2つのノードによって特定されるリンクの詳細データを納めたリンクテーブルとが含まれている。
【0019】図5は、道路ユニットに含まれる各種のテーブルの詳細な内容を示す図である。ノードテーブルは、図5(A)に示すように、着目している図葉に含まれる全ノードに対応したノードレコード#0、#1、…を格納している。各ノードレコードは、その並び順に#0から順にノード番号が与えられており、各ノードに対応する接続ノードテーブルの格納位置を示す。
【0020】また、接続ノードテーブルは、図5(B)に示すように、存在するノードのそれぞれ毎に、a.正規化経度・緯度、b.このノードが交差点ノードであるか否かを示す交差点ノードフラグ、他の図葉との境界にあるノードであるか否かを示す隣接ノードフラグ、このノードにおいてリンクが分岐しているか否か、分岐しているとしたら分岐の形状がT字路あるいはY字路に該当するか否かを示す分岐路情報などからなる「ノードの属性フラグ」、c.このノードをリンクの一方端とするリンクがある場合に各リンクの他方端を構成するノードの数を示す「接続しているノードの数」、d.このノードに接続されているリンクに右折禁止やUターン禁止等の交通規制が存在する場合にはその「交通規制の数」、e.このノードが一方端となっている各リンクのリンク番号を示すリンク本数分の接続ノードレコード、f.上述した交通規制が存在する場合にはその数に対応した交通規制の具体的な内容を示す交通規制レコード、g.このノードが他の図葉との境界にあるノードである場合には、隣接する図葉の対応するノードの接続ノードテーブルの位置を示す「隣接ノードレコード」、h.このノードが交差点ノードである場合には、交差点ユニットにおける対応する交差点レコードの格納位置およびサイズ、等が含まれる。
【0021】また、リンクテーブルは、図5(C)に示すように、着目している図葉に含まれる全てのリンクに対応したリンク番号順に複数のリンクレコードを含んでいる。これらの各リンクレコードは、a.主に探索経路表示用に各リンクに付されたコードであるリンクID、b.リンクの両端に位置する2つのノードを特定するノード番号1およびノード番号2、c.リンクの距離、d.このリンクを走行する場合のコスト、e.このリンクに付随した道路の属性情報(一方通行の有無等)を含む各種の道路属性フラグ、f.このリンクに対応した実際の道路が高速道路であるか一般道であるかといった道路の種類や、道路の幅が何メートルあるかといった道路の幅員を示す道路種別フラグ、g.このリンクに対応した道路に付された路線番号、等が含まれる。
【0022】図6は、交差点ユニットの詳細な内容を示す図である。図6に示すように、交差点ユニットは、各交差点毎に、交差点そのものに関するデータが含まれる交差点レコードと、交差点から延びた道路の行先等に関するデータが含まれる交差点方面情報レコードと、交差点を構成する道路の各車線に関するデータが含まれる交差点車線情報レコード等を格納している。
【0023】各交差点レコードは、図7に示すように、存在する交差点のそれぞれに対応して、a.この交差点に信号が立っているか否かを示す信号フラグなどからなる「交差点情報フラグ」、b.この交差点が何差路であるかを示す「交差点の差路数」、c.交差点名称を表示する場合の表示座標、d.表示する交差点名称文字列、e.この交差点を構成する各リンクのリンクIDとこのリンクに対応する交差点方面情報レコードの格納位置(交差点の差路数分)、等が含まれる。
【0024】(3)ナビゲーションコントローラの詳細構成および動作次に、図1に示したナビゲーションコントローラ1の詳細構成について説明する。ナビゲーションコントローラ1は、ディスプレイ装置9に所定の地図画像や交差点に関する案内画像や案内画像と交差点との位置関係を示す補助画像等を表示するためのデータバッファ16、地図読出制御部18、地図描画部20、VRAM22、画像合成部26、交差点案内画像描画部46、補助画像描画部48と、自車位置の計算やマップマッチング処理、経路探索処理、経路誘導処理を行うとともにその結果を表示するための車両位置計算部30、経路探索処理部36、誘導経路描画部42と、利用者に対する各種の操作画面を表示したりリモコンユニット4からの操作指示を各部に伝えるためのリモコン制御部60、カーソル位置計算部62、操作画面発生部64とを備えている。
【0025】データバッファ16は、ディスク読取装置3によってDVD2から読み出された地図データを一時的に格納するためのものである。地図読出制御部18は、車両位置計算部30によって自車位置が算出されると、この自車位置を含む所定範囲の地図データの読み出し要求をディスク読取装置3に送り、地図表示に必要な地図データをDVD2から読み出してデータバッファ16に格納する。
【0026】地図描画部20は、データバッファ16に格納された地図データに基づいて、自車位置周辺を立体表示するための地図画像データを作成する。本実施形態における地図画像データは、自車の運転席に搭乗した利用者が所定の運転姿勢を取り前方を見た場合に対応して設定された視点位置に基づいて作成される。このため、地図描画部20によって作成されてディスプレイ装置9によって表示される地図画像は、自車の運転席から見た風景が擬似的に表現されたものとなる。具体的な表示例については後述する。
【0027】ここで、上述した地図描画部20において、立体表示を行うための地図画像データを作成する具体的な方法の一例を簡単に説明する。まず、背景レイヤに含まれる建物や道路等の平面形状を表す平面地図データを自車進行方向に対応して回転座標変換する。次に、変換後の平面地図データに対して、自車進行方向を視線方向とし、自車位置(運転席)に設定した視点位置に基づいて所定の投影変換処理を行って鳥瞰図(これを「鳥瞰図A」とする)を作成する。また、背景レイヤに含まれる高さデータに基づいて、平面地図データを高さ方向に平行移動した後に、視点位置に基づいた所定の投影変換処理を行って鳥瞰図(これを「鳥瞰図B」とする)を作成する。上述した鳥瞰図Aは建物等の下部の平面形状に対応し、鳥瞰図Bは建物等の上部の平面形状に対応しているので、鳥瞰図Aと鳥瞰図Bで対応する頂点を結べば建物等の立体表示画像が得られる。このようにして得られた立体画像データを視点位置から遠いものから順にVRAM22に上書きすれば、立体表示した地図画像データが得られる。
【0028】地図描画部20によって作成された地図画像データは、VRAM22に格納されて、画像合成部26によって読み出される。画像合成部26は、VRAM22から読み出した地図画像データや、交差点案内画像描画部46、補助画像描画部48、操作画面発生部64のそれぞれから出力される画像データを重ねて画像合成を行う。画像合成部26によって合成された画像は、ディスプレイ装置9の画面上に表示される。
【0029】車両位置計算部30は、GPS受信機5および自律航法センサ6の各検出データに基づいて自車位置を計算するとともに、計算した自車位置が地図データの道路上にない場合には、自車位置を修正するマップマッチング処理を行う。経路探索処理部36は、あらかじめ設定された目的地と出発地との間を所定の条件下で結ぶ走行経路を探索する。例えば、距離最短、時間最短等の各種の条件下で、コストが最小となる誘導経路が設定される。経路探索の代表的な手法としてはダイクストラ法や横型探索法が知られている。誘導経路描画部42は、経路探索処理部36によって設定された誘導経路を地図画像上に重ねて描画する。
【0030】交差点案内画像描画部46は、データバッファ16に格納された地図データに基づいて、自車がこれから通過しようとしている交差点や自車位置から所定距離内にある交差点等に関する情報を表示するための案内画像データを作成する。本実施形態においては、案内画像として信号機、一方通行の標識、進入禁止の標識、車線情報、路線番号、交差点名称を考慮するものとする。
【0031】補助画像描画部48は、上述した交差点案内画像描画部46によって作成される各案内画像が、地図画像中のどの位置に対応するものであるかを示す補助画像を作成する。具体的には、本実施形態では、信号および標識に対しては所定の影を付加し、車線情報、路線番号、交差点名をまとめた交差点情報に対しては所定の引出線を付加する。上述した影および引出線が補助画像に対応しており、具体的な表示例については後述する。
【0032】上述した地図描画部20が地図画像作成手段に、交差点案内画像描画部46が案内画像作成手段に、補助画像描画部48が補助画像作成手段に、画像合成部26およびディスプレイ装置9が画像表示手段にそれぞれ対応している。
【0033】ナビゲーション装置の全体およびナビゲーションコントローラ1は上述した構成を有しており、次に自車位置周辺の地図画像表示と並行して行われる交差点の案内画像表示および補助画像表示の動作手順について説明する。ここでは、説明を簡略化するために経路誘導を行っていない場合について説明する。
【0034】図8は、交差点の案内画像および補助画像を表示する際のナビゲーション装置の動作手順を示す流れ図である。交差点案内画像描画部46は、車両位置計算部30によって計算された自車の現在位置および進行方向とデータバッファ16に格納された地図データに基づいて、自車が次に通過する交差点(以後、これを「通過予定交差点」と称する)を特定する(ステップ100)。次に、交差点案内画像描画部46は、通過予定交差点に隣接する交差点(以後、これを「隣接交差点」と称する)の中で、自車が進行可能な隣接交差点を特定する(ステップ101)。具体的には、通過予定交差点ノードをN0とし、ステップ101の処理において抽出された隣接交差点に対応する交差点ノードがN1、N2、N3、N4であったとすると、ノードN0と各ノードN1、N2、N3、N4を結ぶリンクに対応する道路属性フラグ(図5(C)参照)を調べることにより、自車が通行可能である交差点を特定することができる。
【0035】次に、交差点案内画像描画部46は、新たに自車位置から所定距離以内に入った交差点があるか否かを判定する(ステップ102)。例えば、上述した所定距離が自車位置から300mと設定されていたとすると、交差点案内画像描画部46は、車両位置計算部30によって求められた自車位置とデータバッファ16に格納された地図データに基づいて自車位置から各交差点までの距離を求め、この距離が300m以内に入った交差点があるか否かを判定する。自車位置から所定距離以内に入った交差点があった場合には、交差点案内画像描画部46は、この交差点に対応する交差点情報をデータバッファ16に格納された地図データから読み出して、読み出したデータに基づいて案内画像データを作成する(ステップ103)。
【0036】上述したように本実施形態では、交差点情報として、信号機、一方通行の標識、進入禁止の標識、車線情報、路線番号、交差点名称を考慮している。案内画像を作成する際に必要な情報のうちで、信号機の有無や交差点名称については上述した図7に示した交差点レコードから情報が得られ、車線情報、路線番号、一方通行の各々については、上述した図5(C)に示したリンクレコードから情報が得られる。また、進入禁止については、上述したリンクレコードから一方通行に関する情報を取得し、一方通行の方向を調べることにより判断できる。すなわち、あるノードAに接続している複数のリンクの中でノードAに向かって進入する方向にのみ通行可能であるリンクBがある場合には、ノードAからリンクBに向かう方向は進入禁止であると判断できる。この場合には、ノードAに対応する交差点画像とリンクBに対応する道路画像との合流地点付近に進入禁止を表す案内画像を表示すればよい。
【0037】案内画像データが作成されると、補助画像描画部48は、各案内画像データに対応した補助画像データを作成する(ステップ104)。補助画像の具体的な表示例については後述する。自車位置から所定距離以内に入った各交差点に対応した案内画像データおよび補助画像データが作成されると、地図描画部20は、自車位置に設定された視点位置から見たときに、案内画像および補助画像を遮る位置にある建物等の地図画像があるか否かを判定する(ステップ105)。案内画像および補助画像を遮る建物等がある場合には、地図描画部20は、これらの建物等を透過処理した地図画像データを作成する(ステップ106)。具体的には、地図描画部20は、自らが作成した地図画像データと交差点案内画像描画部46によって作成された案内画像データおよび補助画像描画部48によって作成された補助画像データの座標を調べることで視点位置から見た各々の画像の位置関係を求め、この結果から建物等を透過処理させる必要があるか否かを判断し、透過させる必要がある建物について、枠線を描画して側面に対応する塗りつぶしを行わないようにした地図画像データを作成する。また、案内画像および補助画像を遮る建物等がない場合には、ステップ105の判定処理において否定判断がなされ、この場合には上述した透過処理は行われない。
【0038】上述した処理によって作成された案内画像データと補助画像データは、地図描画部20によって作成された地図画像データとともに画像合成部26によって合成され、この合成画像データに基づく画像がディスプレイ装置9によって表示される(ステップ107)。画像表示が行われると、ステップ102に戻り、新たに自車位置から所定距離以内に入った交差点があるか否かの判定以降の動作が繰り返される。
【0039】ところで、上述したステップ102の処理において、自車位置から所定距離以内に入った交差点が2つ以上ある場合には、本実施形態の交差点案内画像描画部46は、各交差点の重要度に対応してその表示面積に差が付けられた案内画像データを作成している。具体的には、本実施形態では、自車位置から各交差点までの距離に対応して各交差点の重要度を決定し、重要度の高い交差点に対応した案内画像ほどその表示面積を大きくしている。このように、各交差点の重要度に対応して案内画像の表示面積に差を付けることにより、各案内画像の重要度を視覚的に容易に把握することができるようになる。また、本実施形態の地図描画部20は、地図画像データを作成する際に、車両位置計算部30により求められた自車位置に基づき、自車位置から所定距離内にある建物等は立体表示を行わないようにした地図画像データを作成している。したがって、本実施形態のナビゲーション装置によれば、利用者が実際に運転席から見ている風景に近く、しかも自車がこれから通行しようとしている交差点の様子が分かりやすい地図画像を表示することができる。これらの地図画像の具体的な表示例については後述する。
【0040】また、上述したステップ102の処理において、自車位置から所定距離以内に入った交差点がないと判断された(ステップ102において否定判断がなされた)場合には、交差点案内画像描画部46は、車両位置計算部30により求められた自車位置に基づき、自車が通過予定交差点を通過したか否かを判定する(ステップ108)。自車が通過予定交差点をまだ通過していない場合にはステップ102の判定処理に戻り、自車位置から所定距離以内に入った交差点があるか否かの判定以降の処理が繰り返される。
【0041】また、自車が通過予定交差点を通過した場合には、ステップ108の判定処理において肯定判断がなされ、交差点案内画像描画部46および補助画像描画部48は、地図画像描画部20に対して、進行方向から外れる交差点に対応する案内画像および補助画像を消去する旨の指示を行う(ステップ109)。具体的には、上述したステップ101の処理において特定された隣接交差点の中で、自車が通過予定交差点を通過後に走行している道路(現在走行している道路)以外の道路に含まれる交差点を調べることにより、進行方向から外れる交差点が抽出できるので、交差点案内画像描画部46は、これら交差点に対応した案内画像が含まれない他の交差点に対応した案内画像データのみを作成し、地図描画部20および補助画像描画部48に向けて出力する。補助画像描画部48は、交差点案内画像描画部46から出力された案内画像データに対応して補助画像データを作成しているので、結果的に、進行方向から外れた交差点の案内画像に対応する補助画像が消去された補助画像データが作成されることとなる。したがって、案内画像データおよび補助画像データと地図描画部20によって作成された地図画像データとを合成し、この合成画像データに基づいて表示を行うことことにより、進行方向から外れる交差点に対応する案内画像および補助画像が消去された地図画像が表示される。地図画像の表示が終わると、ステップ100に戻り、次に通過する予定の交差点を特定する動作以降の処理が繰り返される。
【0042】図9は、本実施形態のナビゲーション装置において表示される交差点案内画像の一例を示す図である。図9では、自車位置(運転席)を視点位置に設定して作成された地図画像上に案内画像と補助画像が表示されている様子が説明されている。図9において、案内画像110、112、114、116、118は交差点100に対応した案内画像であり、案内画像110は信号機を、案内画像112は進入禁止の標識を、案内画像114は路線番号および交差点名を、案内画像116は車線情報を、案内画像118は一方通行の標識をそれぞれ表している。また、案内画像210、212、214は交差点200に対応した案内画像であり、案内画像210は信号機を、案内画像212は路線番号および交差点名を、案内画像214は車線情報をそれぞれ表している。また、図9において、交差点100が上述した通過予定交差点に対応し、交差点200が最近接交差点に対応しており、交差点100に対応した各案内画像が交差点200に対応した各案内画像よりも大きく表示されている。このように、各交差点の重要度に対応して案内画像の表示面積に差を付けることにより、各案内画像の重要度を視覚的に容易に把握することができるようになる。また、図9に示すB1は、上述した自車位置から所定距離内にある建物の例を示しており、立体表示を行うための地図画像データが作成されず、建物の底面を表す地図画像データのみが表示されている。このように、自車位置から所定距離内にある建物等を立体表示の対象としないことにより、交差点100の様子が分かりやすい地図画像となることが分かる。
【0043】また、図9において補助画像130、132、134が交差点100に関する案内画像に対応しており、補助画像230、232が交差点200に関する案内画像に対応している。交差点100に着目して説明を行うと、補助画像130は案内画像110(信号機)に対応しており、補助画像132は案内画像112(一方通行の標識)に対応している。これらの補助画像130、132は、地図画像により表された仮想的な3次元空間上において、案内画像110、112のそれぞれに対して真下に当たる道路上に配置されており、これらの案内画像に対して上部から光が照射された時にできる影を擬似的に表している。このような補助画像130、132を作成することにより、案内画像110、112の各々が交差点100に対応して作成された案内画像であることが視覚的に容易に認識できるようになる。また、補助画像134は、案内画像114(路線番号および交差点名)および案内画像116(車線情報)に対応しており、地図画像により表された仮想的な3次元空間上において、交差点100内の所定位置から案内画像114、116に対して延びる円筒状の引出線を表している。このような補助画像134を作成することにより、案内画像114、116の各々が交差点100に対応して作成された案内画像であることが視覚的に容易に認識できるようになる。
【0044】同様に、図9において交差点200に着目して説明を行うと、補助画像230は案内画像210(信号機)に対応して作成された擬似的な影を表しており、補助画像232は案内画像212(路線番号および交差点名称)および案内画像214(車線情報)に対応して作成された円筒状の引出線を表している。これらの補助画像230、232を作成することにより、案内画像210、212、214の各々が交差点200に対応して作成された案内画像であることが視覚的に容易に認識できるようになる。
【0045】また、図9においては、案内画像118(一方通行)を遮る位置にある建物B2が、建物側面に対応する塗りつぶしを解除されて枠線だけが残るように透過処理が施されている。図9では、建物B2が透過処理された様子を分かりやすくするため、建物B2に対応する枠線が点線により表されているが、実際には、例えば、グレー等の色の直線で表現してもよいし、他の建物の枠線よりも細い線で表現してもよい。また、建物側面を半透明化して、その背後にある案内画像118が透けて見えるようにしてもよい。このような透過処理を行うことにより、視点位置から見て建物B2に隠れるはずである案内画像118が、擬似的に建物B2を透過して見えるようになる。なお、上述した例では、補助画像が遮られない場合について説明したが、補助画像も遮られるような場合には、上述した案内画像の場合と同様な処理を行って透過処理を施せばよい。
【0046】このように、本実施形態のナビゲーション装置は、自車がこれから通過する予定の交差点とこの交差点に近接する各交差点に関する案内画像を表示する際に、各案内画像に対応して所定の補助画像を作成して表示を行っているため、運転者等は、各案内画像と地図画像上の各交差点との対応関係を容易に把握することができる。特に、本実施形態では、各案内画像に所定の優先度を設定し、この優先度に対応して案内画像の表示面積に差を付けているので、各案内画像の重要度が視覚的に容易に認識できる。また、視点位置から見て案内画像を遮る位置関係にある建物等の地図画像を透過処理することによっても、案内画像と地図画像との位置関係を容易に把握することができる。また、自車位置から所定距離内にある建物等の地図画像を表示しないようにしているので、自車がこれから通過しようとしている交差点の様子が分かりやすいという利点も有する。
【0047】なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、地図画像を作成する際の視点位置は自車位置(運転席)に設定されていたが、視点位置はこれに限定されるものではなく、例えば、自車位置上空に視点位置を設定するようにしてもよい。また、上述した実施形態では、自車がこれから通過する予定の交差点(通過予定交差点)に関する案内画像以外に、自車が通行可能であり通過予定交差点から最も近い距離にある交差点を各進行道路毎に1つだけ抽出していたが、抽出される交差点は1つに限定されるものではなく、2つ以上の交差点を抽出して案内画像を作成するようにしてもよい。この場合には、抽出された各交差点に対して、通過予定交差点からの距離に応じて優先順位を付けて、各交差点に関する案内表示画像の表示面積に差を付けるようにすればよい。
【0048】また、上述した実施形態では、経路誘導を行わずに自車位置周辺の地図画像を表示している場合について説明したが、経路誘導を行う場合においても本発明を適用することができる。図10は、経路誘導を行った場合における表示例を示す図である。図10に示すように、経路誘導を行う場合であれば、上述した実施形態において示した方法によって作成された表示画面に対して、さらに誘導経路画像300を誘導経路に対応した道路上に貼り付け、交差点内に自車の進行方向を示す矢印画像310を貼り付け、案内画像116、214(車線案内)に示された車線情報において誘導経路に応じた車線(案内画像116では中央の直進車線、案内画像212では右側の右折車線)を目立ちやすい色で塗りつぶす等の処理を行うようにすればよい。
【0049】また、経路誘導を行う場合には、自車が通行する予定の交差点があらかじめ決められているので、上述した図8のステップ101〜103において行われる最近接交差点の抽出処理を行う代わりに、通過する予定の交差点に対応する交差点情報を通過予定順に取得して、交差点案内画像を作成するようにしてもよい。この場合には、自車が通過する予定がなく案内画像表示の必要がない交差点については表示を行わないので、表示が煩雑になるのを防ぎ視覚的にすっきりとした表示を行うことができるとともに、案内画像を表示する交差点を抽出する処理を簡略化することができる。
【0050】また、上述した実施形態では、各交差点の優先度に対応して案内画像の表示面積に差を付けるようにしていたが、案内画像に付加する色に差を付け、重要な案内画像を視覚的に認識できるようにしてもよい。
【0051】また、上述した案内画像を表示する際に、各案内画像が対応する交差点付近の道路(地図画像上に表現された道路)から徐々に浮き出してくるようにして表示を行ってもよい。図11は、案内画像が徐々に浮き出してくるような表示の一例を示す図であり、進入禁止の標識が道路から徐々に浮き出してくる様子が示されている。図11(A)〜(D)に示したように、地図画像上の道路において、一方通行の標識は、道路の下から徐々に浮き出してその姿を表すようにして表示され、最終的に本来の表示位置に表示される。このように、案内画像の表示に動きを持たせることにより、その案内画像(図11では進入禁止の標識)がどの交差点に対応するものであるかをさらに認識しやすくなる。
【0052】また、上述した地図描画部20によって作成される地図画像に空に対応する領域が含まれている場合に、この空に対応する領域に各交差点に対応する案内画像が重ねて表示されることが望ましい。図12は、空に対応する領域に各交差点に対応する案内画像が重ねて表示される場合の一例を示す図であり、案内画像110、114、116、210、212、214の各々が空に対応する領域に重ねて表示されている。一般に、自車位置(運転席)に設定された視点位置に基づいて作成される地図画像では、利用者が実際に見る風景に近い画像を作成しようとすると地図画像中において空に対応する領域の占める割合が多くなるが、地図情報として考えた場合には、この空に対応する領域は利用者に対して何ら情報を与えないため無駄な領域となる。また、図12に示すように、道路に隣接する建物等について立体表示を行わないような場合においては、この空に対応する領域が特に多くなる。したがって、図12に示すように、案内画像の一部(または全部)を空に対応する領域に重ねて表示することにより、本来重要である道路等の情報が視覚的に遮られることを防止することができるとともに、表示画面上の無駄な領域を有効に利用することができる。
【0053】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、所定の交差点に関する情報が含まれる案内画像を作成するとともに、この案内画像と交差点との対応関係を示す補助画像を作成し、これらの画像を地図画像上に合成して表示しており、案内画像と交差点との対応関係が補助画像によって明確になるため、車両の運転者等の利用者は、案内画像に対応する地図画像上の位置を容易に把握することができる。
【出願人】 【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
【出願日】 平成11年9月14日(1999.9.14)
【代理人】 【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
【公開番号】 特開2001−82969(P2001−82969A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願平11−260538