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【発明の名称】 角速度センサ
【発明者】 【氏名】出尾 晋一

【氏名】松浦 司

【要約】 【課題】オフセット信号を低減することができ、且つ製造コストを低くすることができる角速度センサ及び角速度センサの作製方法を得る。

【解決手段】第1の方向に並んで設けられ、各々固定部4から第1の方向に振動可能に支持された2つの第1振動体1a,1bと、伸縮方向を第1の方向に一致させて2つの第1振動体1a,1bを連結する振動バネ2と、固定部および連結された第1振動体1a,1bは同一平面上にあり、該平面に直交する第2の方向に振動可能に2つの第1振動体1a,1bのそれぞれに支持された第2振動体7と、第1の方向に直交する第2の方向に振動可能に2つの第1振動体1a,1bのそれぞれに支持された第2振動体7と、2つの第1振動体1a,1bを第1の方向に互いに逆位相となるように振動させる振動発生手段9と、第2振動体7の第2の方向の振動を検出する振動検出手段13とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の方向に並んで設けられ、各々固定部から第1の方向に振動可能に支持された2つの第1振動体と、伸縮方向を第1の方向に一致させて上記2つの第1振動体を連結する振動バネと、上記固定部および連結された上記第1振動体は同一平面上にあり、該平面に直交する第2の方向に振動可能に上記2つの第1振動体のそれぞれに支持された第2振動体と、上記2つの第1振動体を第1の方向に互いに逆位相となるように振動させる振動発生手段と、上記第2振動体の第2の方向の振動を検出する振動検出手段とを備えたことを特徴とする角速度センサ。
【請求項2】 上記振動発生手段は、上記第1振動体に第1の方向と直交する方向に延設された導体配線と、上記導体配線に交流電流を流す交流電源と、上記第1振動体に第1の方向かつ上記導体配線方向に直交する方向に磁場を印可する磁場印可手段とからなることを特徴とする請求項1記載の角速度センサ。
【請求項3】 上記振動検出手段は、上記第2振動体に対して、第2の方向に所定の距離離して対向して設けられた導体電極と、上記第2振動体と上記導体電極との間の静電容量変化を測定する静電容量変化測定手段とからなることを特徴とする請求項1または2記載の角速度センサ。
【請求項4】 上記第1振動体は、上記固定部から懸吊バネで懸吊され、上記第1振動体は、枠部と、該枠部の中空内部にて上記第2振動体を支持する支持部とを有し、上記固定部、上記第1振動体、上記第2振動体、上記振動バネ、上記懸吊バネ、上記枠部、上記支持部は、単一の材料からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の角速度センサ。
【請求項5】 上記単一の材料は、シリコンであることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか記載の角速度センサ。
【請求項6】 上記固定部は、概略枠状をなし、上記第1振動体及び上記第2振動体は、該枠の中空内部に配設され、該固定部の枠と概略同形の外径寸法の概略板状をなし一側の主面に凹部が形成された絶縁性の第1保持部材をさらに有し、該第1保持部材は、該凹部を上記第1振動体側に向けて外周縁を上記固定部の枠に接合され、上記導体電極は、上記凹部に配設されていることを特徴とする請求項3記載の角速度センサ。
【請求項7】 上記固定部の上記第1保持部材と反対側の面に、該固定部の枠と概略同形の外径寸法の概略板状をなし一側の主面に凹部が形成された第2保持部材がさらに配設され、該第2保持部材は、該凹部を上記第1振動体側に向けて外周縁を上記固定部の枠に接合されていることを特徴とする請求項6記載の角速度センサ。
【請求項8】 上記第1保持部材及び上記第2保持部材は、上記第1振動体及び上記第2振動体が収納された上記固定部の枠内の中空内部を密閉していることを特徴とする請求項7記載の角速度センサ。
【請求項9】 上記第1保持部材あるいは上記第2保持部材には、貫通穴が設けられていることを特徴とする請求項7記載の角速度センサ。
【請求項10】 上記第1保持部材には、上記導体電極に通じる貫通穴が形成され、該貫通穴は、該導体電極と外部との電気的導通を取るための導電材料で塞がれていることを特徴とする請求項10記載の角速度センサ。
【請求項11】 上記固定部の枠内の中空内部は、真空とされていることを特徴とする請求項8または10記載の角速度センサ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコリオリ力により角速度を検出する角速度センサに関し、特にオフセット信号を低減することができ、且つ製造コストを低くすることができる角速度センサ及び角速度センサの作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10は例えば特開平6−288774号公報に示された従来の角速度センサを示す斜視図である。図10で示された角速度センサは、単一材料で構成される片持ち振動梁構造の角速度センサである。
【0003】図10の角速度センサにおいては、外部圧電素子85により、振動子81を第1の方向(X軸方向)に振動させ、この状態で第1の方向(X軸方向)と直交する第3の方向(Y軸方向)軸周りに入力角速度が加わると振動子81がコリオリ力により第2の方向(Z軸方向)に振動する。このコリオリ力による振動を、振動子81と検出電極83a、83b間の容量変化を検知することにより測定し、角速度を検出する。
【0004】図11は例えば特開平4−233468号公報に示された従来の他の角速度センサを示す斜視図である。また、図12は図11のXII-XII線に沿う矢視断面図である。図11及び図12で示された角速度センサは、多層材料で構成された角速度センサである。
【0005】図11の角速度センサにおいては、振動体91の表面に第1の方向(X軸方向)に振動しやすい舌片92を懸架ウェブ93を介して振動体91表面に平行に配置する。振動体91を第2の方向(Z軸方向)に振動させ、この状態で第3の方向(Y軸方向)軸回りに角速度が加わると、舌片92がコリオリ力により第1の方向(X軸方向)に振動する。舌片92の振動を舌片92と振動体91の表面に形成された電極94間の容量変化で読みとり、角速度を検出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図10で示された角速度センサは第1の方向(X軸方向)に振動させ、コリオリ力によって励起される第2の方向(Z軸方向)の振動を読みとる原理であるから、一つの振動子81が少なくとも2方向に振動しやすい構造にする必要がある。そのため振動子81が第1の方向(X軸方向)に振動するとき、振動方向がわずかに第2の方向(Z軸方向)にずれることがある。第1の方向(X軸方向)に振動するとき、第2の方向(Z軸方向)にも振動しやすい。
【0007】すなわち角速度が加わっていない状態でも第2の方向(Z軸方向)に振動しやすくオフセット信号がでやすい。さらに外部加速度によるノイズ振動とコリオリ力による振動が同一振動モードのため外部加速度によるノイズ振動を除去できないといった問題が存在した。
【0008】また図11,図12示された角速度センサは前記の課題を克服する目的の構造だが、図12で示す断面図からわかるようにセンサ部が舌片92の層、中空98の層、振動体91の層からなる多層構造である。そのため角速度センサを作製するにはそれぞれの層を加工するプロセスが必要となり、プロセス数の増大、それに伴う製造コスト高の課題を有していた。
【0009】この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、オフセット信号を低減することができ、且つ製造コストを低くすることができる角速度センサ及び角速度センサの作製方法を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る角速度センサは、第1の方向に並んで設けられ、各々固定部から第1の方向に振動可能に支持された2つの第1振動体と、伸縮方向を第1の方向に一致させて2つの第1振動体を連結する振動バネと、固定部および連結された第1振動体は同一平面上にあり、該平面に直交する第2の方向に振動可能に2つの第1振動体のそれぞれに支持された第2振動体と、2つの第1振動体を第1の方向に互いに逆位相となるように振動させる振動発生手段と、第2振動体の第2の方向の振動を検出する振動検出手段とを備えている。
【0011】また、振動発生手段は、第1振動体に第1の方向と直交する方向に延設された導体配線と、導体配線に交流電流を流す交流電源と、第1振動体に第1の方向かつ導体配線方向に直交する方向に磁場を印可する磁場印可手段とからなる。
【0012】また、振動検出手段は、第2振動体に対して、第2の方向に所定の距離離して対向して設けられた導体電極と、第2振動体と導体電極との間の静電容量変化を測定する静電容量変化測定手段とからなる。
【0013】また、第1振動体は、固定部から懸吊バネで懸吊され、第1振動体は、枠部と、該枠部の中空内部にて第2振動体を支持する支持部とを有し、固定部、第1振動体、第2振動体、振動バネ、懸吊バネ、枠部、支持部は、単一の材料からなる。
【0014】また、単一の材料は、シリコンである。
【0015】また、固定部は、概略枠状をなし、第1振動体及び第2振動体は、該枠の中空内部に配設され、該固定部の枠と概略同形の外径寸法の概略板状をなし一側の主面に凹部が形成された絶縁性の第1保持部材をさらに有し、該第1保持部材は、該凹部を第1振動体側に向けて外周縁を固定部の枠に接合され、導体電極は、凹部に配設されている。
【0016】また、固定部の第1保持部材と反対側の面に、該固定部の枠と概略同形の外径寸法の概略板状をなし一側の主面に凹部が形成された第2保持部材がさらに配設され、該第2保持部材は、該凹部を第1振動体側に向けて外周縁を固定部の枠に接合されている。
【0017】また、第1保持部材及び第2保持部材は、第1振動体及び第2振動体が収納された固定部の枠内の中空内部を密閉している。
【0018】また、第1保持部材あるいは第2保持部材には、貫通穴が設けられている。
【0019】また、第1保持部材には、導体電極に通じる貫通穴が形成され、該貫通穴は、該導体電極と外部との電気的導通を取るための導電材料で塞がれている。
【0020】また、固定部の枠内の中空内部は、真空とされている。
【0021】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の角速度センサを示す斜視図である。また、図2は図1のII-II線に沿う矢視断面図である。図1において、センサ部材8は、概略枠状の固定部としての固定端4、第1振動体1a、1b、振動バネ2、懸吊バネ3からなり、更に第1振動体1a、1bは、枠部5と支持部6と第2振動体7から構成され、支持部6により第2振動体7が枠部5に連結されている。
【0022】枠部5と第2振動体7との連結方法は、図1で示されるように第2振動体7を支持部6で片持ちで支持している。この支持方法は、場合により図3で示されるように、第2振動体7を両持ちで支持しても良い。固定端4と第1振動体1a、1bとが懸吊バネ3で連結され、振動バネ2で2つの第1振動体1a、1bは連結されている。支持部6の第2の方向(Z軸方向)の厚みは懸吊バネ3及び振動バネ2に比べ十分薄く、また懸吊バネ3及び振動バネ2は第2の方向(Z軸方向)に厚く、第1の方向(X軸方向)に十分薄い構造を有するため、第1振動体1a、1bは第1の方向(X軸方向)のみに振動可能であり、第2振動体7は第2の方向(Z軸方向)のみに振動可能である。
【0023】枠部5上に第3の方向(Y軸方向)方向に延びる導体配線9が形成され、導体配線9はさらに懸吊バネ3を通り、固定端4上に形成された導体パッド10a、10bと接続されている。導体配線9に図示しない交流電源から交流電流を流し、第2の方向(Z軸方向)に磁界を印加する事で、第1振動体1a、1bにローレンツ力による振動が発生する。交流電流の周波数を調節することで、第1振動体1a、1b同士が逆位相で振動可能となる。導体配線9の配線の経路においては、第1振動体1a、1bに設けられ、第3の方向(Y軸方向)と平行であれば任意とされて良いが、配線経路が最短であると配線抵抗を少なくすることができる。導体配線9、導体パッド10a、10b、及び図示しない交流電源は、2つの第1振動体1a、1bを第1の方向(X軸方向)に互いに逆位相となるように振動させる振動発生手段を構成している。
【0024】また、図4に示すように2つの第1振動体1a、1bに、それぞれ導体配線9a、9bが形成されても良い。2つの配線9a、9bそれぞれに、同周波数で位相が180度異なる交流電流を流すことで、強制的に2つの第1振動体1a、1b同士を逆位相で振動させることが可能である。
【0025】センサ部材8に一側には、絶縁性の第1保持部材11が配設されている。第1保持部材11は、センサ部材8と外径寸法が同じ板状をなし、固定端4の周縁部と第1保持部材11の周縁部とが接合され合体されている。第1保持部材11には、センサ部材8側に凹部12が形成され、凹部12底面の第2振動体7と対向する位置に、導電性材料の導体電極13が配設されている。導体電極13の形状はどのような形状でも良いが、導体電極13と対面する第2振動体7の面形状と同一にすることが望ましい。
【0026】上述の振動発生手段により、第1振動体1a、1bが第1の方向(X軸方向)に振動している状態で、第3の方向(Y軸方向)軸周りに角速度が印加されると第2の方向(Z軸方向)にコリオリ力が発生し、このコリオリ力によって励起される第2振動体7の振動を導体電極13と第2振動体7間の静電容量変化で読みとり、角速度を検出する。導体電極13及びこれに連結された図示しない静電容量変化測定手段は、第2振動体7の第2の方向(Z軸方向)の振動を検出する振動検出手段を構成している。
【0027】尚、第2振動体7の振動の検出する振動検出手段は、他にも、レーザードップラー振動計や圧電素子を用いることでも可能である。
【0028】次に図1及び図2で示した角速度センサの作製方法について図5を用いて説明する。図5のaは、例えば厚さ約400μmのシリコンからなる矩形平板状の基板17の断面図である。基板17の表側には導体配線9が形成されている。導体配線9は、例えばアルミニウムなどで良い。この基板17の導体配線9の反対側を例えばドライエッチング法により異方性エッチングをおこない図5のbに示すように深さ約200μmの溝を掘り込む。ここで支持部6にあたる箇所は若干浅めの溝に形成する。深さの異なる溝を形成するには、エッチングの際のマスク材料を2層構造にし、エッチングを2回に分けて行うことで可能となる。ドライエッチングではSF6ガスを主体としたエッチングガスを用い、異方性が高く、かつ溝の側壁面が平滑になるようにする。
【0029】次に図5のcに示すようにエッチングを行った面に凹部12と導体電極13が形成された例えばガラス製の第1保持部材11を接合する。凹部12は、例えばフッ酸水溶液によるエッチングで形成できる。導体電極13は導電性の材料、例えば、クロムや白金などを蒸着法やスパッタ法で成膜することで形成できる。接合は例えば陽極接合法を用いる事で精度良い接合が可能である。
【0030】次に図5のdに示すように基板の表側から例えばドライエッチング法により裏側と同様の形状をエッチングする。所定領域を貫通させ、また支持部6を所定の厚みに調節する。厚みの調節はエッチング時間の調整により達成できる。この工程でもSF6ガスを主体としたエッチングガスを用い、異方性が高く、かつ溝の側壁面が平滑になるようにする。
【0031】このようにドライエッチング法を用いることで、本実施の形態の角速度センサについては、センサ部材8を1枚のシリコンウェハから作製することができ、ドライエッチングの加工精度から、1mm角以上1cm角以下の大きさのセンサが達成できる。またドライエッチング法を用いるため、シリコンウェハの結晶方位によらず溝の垂直性、壁面の平滑性に優れたバネ、振動体を容易に形成することができる。またセンサ部材を1枚のシリコン基板から作製するため製造コストを削減し、特性を均一化することが可能である。
【0032】尚、この実施の形態1にかかる角速度センサではドライエッチングの反応ガスとしてSF6を主体に用いているが、これに限定されることはなく、塩素系、フッ素カーボン系、塩化カーボン系、アルゴン等のガス及びそれらの混合ガスを用いた場合にも同様のエッチングが可能である。
【0033】実施の形態2.図6はこの発明の角速度センサの他の例を示す斜視図である。本実施の形態においては、図6において、第1振動体1a上の導体配線9aと反対の端に、第3の方向(Y軸方向)に沿って導体配線9bが形成され、懸吊バネ3を通り、固定端4上のパッド10a、10bに接続されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0034】もう一方の導体配線9bに交流電流を与え、第2の方向(Z軸方向)に磁界を印加させローレンツ力で第1振動体1aを第1の方向(X軸方向)に振動させると導体配線9aに連結したパッド10a、10b間に誘電作用による電圧が発生する。発生する電圧は第1振動体1aの速度に比例するので、固定端4上のパッド10a、10b間の電圧を測定することにより第1振動体の振動が検出可能である。
【0035】図6では左側のみの第1振動体1aに導体配線が形成されているが、同様に右側の第1振動体1bに導体配線を形成しても同様の作用が得られる。また、第1振動体1a、1bの振動を検出し検出結果を上記駆動力にフィードバックさせてやることで第1振動体の振動を一定の状態に保つことができる。第1振動体の振動が安定すると、コリオリ力によって発生する第2振動体7の振動も安定するといった利点がある。
【0036】実施の形態3.図7はこの発明の角速度センサの他の例を示す断面図である。本実施の形態は、角速度センサを封止構造としたものである。センサ部材8は、実施の形態1で示したものと同様である。図7において、凹部12bが形成された第2保持部材14aを第1保持部材11aが配されている面と反対側に配している。なお第2保持部材14aは第1保持部材11aと同様にガラスで良い。第2保持部材14aとセンサ部材8の接合は例えば低融点ガラスにより接合可能である。この構造を用いることでセンサ部材8に外部からの異物の混入を防ぐことができる。
【0037】実施の形態4.図8はこの発明の角速度センサの他の例を示す断面図である。本実施の形態は、第2保持部材14bに貫通穴15aをもうけたものである。本実施の形態においては、貫通穴15aを介して、導体電極13や、センサ部材の導体パッド10と、例えばワイヤボンド等で結線が容易にできる。
【0038】実施の形態5.図9はこの発明の角速度センサの他の例を示す断面図である。本実施の形態は、第1保持部材11cの導体電極13が形成された箇所に貫通穴15bをもうけ、導電材料である例えば、半田16などで導体電極13と外部との導通をとり且つ貫通穴を密閉する構造である。密閉時にセンサ部材内を真空にすることでセンサ部材内を真空に保つことができ、振動が空気の粘性に阻害されないため振動特性が向上する。
【0039】尚、本発明は、例示された実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良及び設計上の変更が可能であるのは言うまでもない。
【0040】
【発明の効果】この発明に係る角速度センサは、第1の方向に並んで設けられ、各々固定部から第1の方向に振動可能に支持された2つの第1振動体と、伸縮方向を第1の方向に一致させて2つの第1振動体を連結する振動バネと、固定部および連結された第1振動体は同一平面上にあり、該平面に直交する第2の方向に振動可能に2つの第1振動体のそれぞれに支持された第2振動体と、2つの第1振動体を第1の方向に互いに逆位相となるように振動させる振動発生手段と、第2振動体の第2の方向の振動を検出する振動検出手段とを備えている。第1振動体、第2振動体それぞれは一方向のみに振動し、その振動方向は互いに垂直である。第1振動体の振動が、第2振動体の振動を励起しない構造であるから、オフセット信号の低減ができる。また外部加速度によるノイズ振動は2つの第1振動体に対し同位相で作用し、2つの第1振動体を互いに逆位相に振動させることで、外部加速度によるノイズ振動は2つの第2振動体に対し同位相で作用するが、コリオリ力による振動は逆位相で作用するので、2つの第2振動体の変位差をとることでコリオリ力による振動のみを抽出することができる。すなわち、第1振動体、第2振動体それぞれは一方向のみに振動し、その振動方向は互いに垂直である。すなわち第1振動体の振動が、第2振動体の振動を励起しない構造であるから、オフセット信号の低減ができる。また外部加速度によるノイズ振動は2つの第1振動体に対し同位相で作用し、2つの第1振動体を互いに逆位相に振動させることで、外部加速度によるノイズ振動は2つの第2振動体に対し同位相で作用するが、コリオリ力による振動は逆位相で作用するので、2つの第2振動体の変位差をとることでコリオリ力による振動のみを抽出することができる。
【0041】また、振動発生手段は、第1振動体に第1の方向と直交する方向に延設された導体配線と、導体配線に交流電流を流す交流電源と、第1振動体に第1の方向かつ導体配線方向に直交する方向に磁場を印可する磁場印可手段とからなる。そのため、導体配線に交流電流を流すことで発生するローレンツ力によって第1振動体の振動を励起させることができる。
【0042】また、振動検出手段は、第2振動体に対して、第2の方向に所定の距離離して対向して設けられた導体電極と、第2振動体と導体電極との間の静電容量変化を測定する静電容量変化測定手段とからなる。そのため、第2振動体と電極との静電容量変化を検出することにより、第2振動体の振動数を検出することができる。
【0043】また、第1振動体は、固定部から懸吊バネで懸吊され、第1振動体は、枠部と、該枠部の中空内部にて第2振動体を支持する支持部とを有し、固定部、第1振動体、第2振動体、振動バネ、懸吊バネ、枠部、支持部は、単一の材料からなる。そのため、単一材料であるから機械的特性の均一化がはかれる。
【0044】また、単一の材料は、シリコンである。そのため、シリコンの微細加工技術を適用することができ、角速度センサの小型化が容易になる。
【0045】また、固定部は、概略枠状をなし、第1振動体及び第2振動体は、該枠の中空内部に配設され、該固定部の枠と概略同形の外径寸法の概略板状をなし一側の主面に凹部が形成された絶縁性の第1保持部材をさらに有し、該第1保持部材は、該凹部を第1振動体側に向けて外周縁を固定部の枠に接合され、導体電極は、凹部に配設されている。そのため、静電容量の変化で第2の振動体の変位を精度よく検出することが出来る。
【0046】また、固定部の第1保持部材と反対側の面に、該固定部の枠と概略同形の外径寸法の概略板状をなし一側の主面に凹部が形成された第2保持部材がさらに配設され、該第2保持部材は、該凹部を第1振動体側に向けて外周縁を固定部の枠に接合されている。そのため、構造が頑強となり、信頼性が向上する。
【0047】また、第1保持部材及び第2保持部材は、第1振動体及び第2振動体が収納された固定部の枠内の中空内部を密閉している。そのため、角速度センサの信頼性が向上する。
【0048】また、第1保持部材あるいは第2保持部材には、貫通穴が設けられている。そのため、貫通穴を介して、導体電極や、導体パッドと、例えばワイヤボンド等で結線が容易にでき、作業性が向上する。
【0049】また、第1保持部材には、導体電極に通じる貫通穴が形成され、該貫通穴は、該導体電極と外部との電気的導通を取るための導電材料で塞がれている。そのため、中空内部に異物が混入しにくくなると共に、結線が容易にでき、角速度センサの信頼性が向上し、作業性が向上する。
【0050】また、固定部の枠内の中空内部は、真空とされている。そのため、振動が空気の粘性に阻害されないため振動特性が向上する。
【0051】また、他の発明に係る角速度センサの作製方法は、概略板状の単一の材料から、所定の場所を削除することにより、固定部と、第1の方向に並んで設けられ、各々固定部から第1の方向に振動可能に支持され、中空内部を形成する枠部を有する2つの第1振動体と、2との第1振動体を固定部から各々懸吊する懸吊バネと、伸縮方向を第1の方向に一致させて2つの第1振動体を連結する振動バネと、第1振動体の枠部の中空内部に収納され、第1の方向に直交する第2の方向に振動可能に2つの第1振動体のそれぞれに支持された第2振動体と、第1振動体の枠部と第2振動体を連結する支持部とを有するセンサ部材を形成する工程と、センサ部材に、2つの第1振動体を第1の方向に互いに逆位相となるように振動させる振動発生手段を設ける工程と、センサ部材に、第2振動体の第2の方向の振動を検出する振動検出手段を設ける工程とを備えている。そのため、単一材料であるから機械的特性の均一化がはかれ、また、単一材料の加工であるから、製造工程の簡略化、それに伴いコストの低減ができる。
【0052】また、単一の材料は、シリコンである。シリコンの微細加工技術を適用することができ、角速度センサの小型化が容易になる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成11年7月8日(1999.7.8)
【代理人】 【識別番号】100057874
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照 (外6名)
【公開番号】 特開2001−21360(P2001−21360A)
【公開日】 平成13年1月26日(2001.1.26)
【出願番号】 特願平11−194081