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【発明の名称】 圧電振動角速度センサー及びその振動子の製造方法
【発明者】 【氏名】頼住 美根生

【氏名】川村 俊行

【要約】 【課題】構造及び製造工程を簡単にし、製造コストを下げ、加工精度を高くして特性の安定した圧電振動角速度センサー及びその振動子の製造方法を提供すること。

【解決手段】圧電振動角速度センサーの振動子30は四角柱状の圧電体35でなり、その第1の側面33には、第1分割電極33aと第2分割電極33bが形成され、第2の側面34には、第3分割電極34aと第4分割電極34bが形成されており、この圧電体35は振動の節点で支持され、励振駆動用電極(第1分割電極)33aに交流電圧を印加して、軸方向に関しての両端を自由端として共振振動させ、回転角速度が加わるとコリオリ力の発生で生じる電圧差を2つの検出用電極(第1分割電極33aと第2分割電極33b)から検出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 共振振動している振動子に回転角速度が加わると発生するコリオリ力を検出することにより前記角速度を検出する圧電振動角速度センサーにおいて、前記振動子は、分極処理が施され、四角柱状の圧電体であり、その側面には、平行に対向した側面に形成された電極の対が、少なくとも2対以上形成されており、前記圧電体は振動の節点で支持され、前記電極のうちの励振駆動用電極に交流電圧を印加して、軸方向に関しての両端を自由端として共振振動させ、前記回転角速度が加わると前記コリオリ力の発生で生じる電圧差を前記電極のうちの2つの検出用電極から検出するようにしたことを特徴とする圧電振動角速度センサー。
【請求項2】 前記四角柱の第1の側面には、軸方向に沿って2分割された、第1分割電極と第2分割電極とが形成されており、これと対称に、前記第1の側面と対向する第2の側面にも軸方向に沿って2分割された、第3分割電極と第4分割電極が形成され、前記第3及び前記第4分割電極から前記第1及び前記第2分割電極の方向に分極され、前記第1分割電極を前記励振駆動用兼前記検出用電極、前記第2分割電極を前記検出用電極として、前記コリオリ力の発生で生じる電圧差を前記第1分割電極と前記第2分割電極とから検出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動角速度センサー。
【請求項3】 前記四角柱の第1の側面には、軸方向に沿って2分割された第1分割電極と第2分割電極とが形成されており、前記第1の側面と対向する第2の側面には第3の電極が形成され、前記第1及び第2の側面と垂直な第3の側面及びこの第3の側面と対向する第4の側面には、それぞれ第4、第5の電極が形成されており、前記第1分割電極と前記第2分割電極とからそれぞれ前記第4の電極と前記第5の電極の方向に分極され、前記第1分割電極と前記第2分割電極を前記励振駆動用兼前記検出用電極として、前記コリオリ力の発生で生じる電圧差を前記第1分割電極と前記第2分割電極とから検出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動角速度センサー。
【請求項4】 前記四角柱の第1の側面には第1の電極が形成され、前記第1の側面と対向する第2の側面には第2の電極が形成され、前記第1及び第2の側面と垂直な第3の側面及びこの第3の側面と対向する第4の側面には、それぞれ第3、第4の電極が形成されており、前記第1の電極と前記第2の電極とからそれぞれ前記第3の電極又は前記第4の電極の方向に分極され、前記第1の電極と前記第2の電極を前記励振駆動用兼前記検出用電極として、前記コリオリ力の発生で生じる電圧差を前記第1の電極と前記第2の電極とから検出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動角速度センサー。
【請求項5】 前記四角柱の第1の側面には、軸方向に沿って2分割された、第1分割電極と第2分割電極とが形成されており、これと対称に、前記第1の側面と対向する第2の側面にも、軸方向に沿って2分割された第3分割電極と第4分割電極とが形成されており、前記第1及び第2の側面と垂直で前記第1分割電極及び前記第3分割電極側の第3の側面には第5の電極が形成され、この第3の側面と対向する第4の側面には、第6の電極が形成されており、前記第1分割電極から前記第5の電極の方向と、前記第2分割電極から前記第6の電極の方向と、前記第3分割電極から前記第5の電極の方向と、前記第4分割電極から前記第6の電極の方向に分極され、前記第1分割電極と前記第2分割電極を前記励振駆動用電極として、前記第3分割電極と前記第4分割電極を前記検出用電極として、前記コリオリ力の発生で生じる電圧差を前記第3分割電極と前記第4分割電極とから検出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動角速度センサー。
【請求項6】 前記四角柱の第1の側面には、軸方向に沿って2分割された、第1分割電極と第2分割電極とが形成されており、前記第1の側面と対向する第2の側面には第3の電極が形成され、前記第1及び第2の側面と垂直な第3の側面及びこの第3の側面と対向する第4の側面には、それぞれ第4、第5の電極が形成されており、前記第1及び前記第2分割電極から前記第3の電極の方向に分極され、前記第1分割電極と前記第2分割電極を前記自励振駆動用兼前記検出用電極として、前記コリオリ力の発生で生じる電圧差を前記第1分割電極と前記第2分割電極とから検出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動角速度センサー。
【請求項7】 前記四角柱の第1の側面には、軸方向に沿って2分割された、第1分割電極と第2分割電極とが形成されており、これと対称に、前記第1の側面と対向する第2の側面にも、軸方向に沿って2分割された、第3分割電極と第4分割電極とが形成され、前記第1及び第2の側面と垂直で前記第1分割電極及び前記第3分割電極側の第3の側面には第5の電極が形成され、この第3の側面と対向する第4の側面には、第6の電極が形成されており、前記第1及び前記第2分割電極から前記第3及び前記第4分割電極の方向に分極され、前記第1分割電極と前記第2分割電極を前記励振駆動用兼検出用電極として、前記第3分割電極と前記第4分割電極を前記検出用電極として、前記コリオリ力の発生で生じる電圧差を前記第3分割電極と前記第4分割電極とから検出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動角速度センサー。
【請求項8】 前記四角柱の第1の側面には第1の電極が形成され、前記第1の側面と対向する第2の側面には第2の電極が形成され、前記第1及び第2の側面と垂直な第3の側面及びこの第3の側面と対向する第4の側面には、それぞれ第3、第4の電極が形成されており、前記第1の電極から前記第2の電極の方向に分極され、前記第3の電極と前記第4の電極を前記励振駆動用兼前記検出用電極として、前記コリオリ力の発生で生じる電圧差を前記第3の電極と前記第4の電極とから検出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動角速度センサー。
【請求項9】 共振振動している振動子に回転角速度が加わると発生するコリオリ力を検出することにより前記角速度を検出する圧電振動角速度センサーの振動子の製造方法において、平板状の圧電体の厚さ方向の両面全面に、メッキ又は印刷により電極を形成し、前記厚さ方向に分極処理し、この平板を多数の四角柱片に切断することにより、電極形成面を有する四角柱形状の圧電体でなる振動子を得るようにしたことを特徴とする圧電振動角速度センサーの振動子の製造方法。
【請求項10】 前記四角柱片の前記電極が形成された両面又はどちらか一方の面に軸方向に延びる溝を形成し前記電極を2分割したことを特徴とする請求項9に記載の圧電振動角速度センサーの振動子の製造方法。
【請求項11】 前記四角柱片への切断と前記溝の形成を、同一の砥石を用いて連続的に行うようにしたことを特徴とする請求項10に記載の圧電振動角速度センサーの振動子の製造方法。
【請求項12】 前記平板から切断された四角柱片の前記電極が形成された両面と垂直な2つの面にもメッキ又は印刷により電極を形成したことを特徴とする請求項9乃至請求項11の何れかに記載の圧電振動角速度センサーの振動子の製造方法。
【請求項13】 共振振動している振動子に回転角速度が加わると発生するコリオリ力を検出することにより前記角速度を検出する圧電振動角速度センサーの振動子の製造方法において、平板状の圧電体の厚さ方向の両面全面にそれぞれ、メッキ又は印刷により第1の電極と第2の電極を形成し、この平板を多数の四角柱片に切断し、この四角柱片の前記第1及び第2の電極が形成された両面と垂直な2つの面それぞれにメッキ又は印刷により第3の電極と第4の電極を形成した後、分極処理を行い、各側面に電極が形成された四角柱形状の圧電体でなる振動子を得るようにしたことを特徴とする圧電振動角速度センサーの振動子の製造方法。
【請求項14】 前記分極の方向は、前記第1及び前記第2の電極から、前記第3の電極又は前記第4の電極への方向であることを特徴とする請求項13に記載の圧電振動角速度センサーの振動子の製造方法。
【請求項15】 前記四角柱片の前記第1の電極が形成された面に、軸方向に延びる溝を形成し前記第1の電極を、前記第3の電極側の第1分割電極と、前記第4の電極側の第2分割電極とに2分割して、前記第1分割電極から前記第3の電極の方向に分極させ、前記第2分割電極から前記第4の電極の方向に分極させたことを特徴とする請求項13に記載の圧電振動角速度センサーの振動子の製造方法。
【請求項16】 前記四角柱片の前記第1の電極が形成された面に軸方向に延びる溝を形成し、前記第1の電極を、前記第3の電極側の第1分割電極と、前記第4の電極側の第2分割電極とに2分割し、これと対称に、前記第2の電極が形成された面にも軸方向に延びる溝を形成し、前記第2の電極を、前記第3の電極側の第3分割電極と、前記第4の電極側の第4分割電極とに2分割し、前記第1分割電極から前記第3の電極の方向に分極させ、前記第2分割電極から前記第4の電極の方向に分極させ、前記第3分割電極から前記第3の電極の方向に分極させ、前記第4分割電極から前記第4の電極の方向に分極させたことを特徴とする請求項13に記載の圧電振動角速度センサーの振動子の製造方法。
【請求項17】 前記四角柱片への切断と前記溝の形成を、同一の砥石を用いて連続的に行うようにしたことを特徴とする請求項15又は請求項16に記載の圧電振動角速度センサーの振動子の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばカメラ一体型ビデオテープレコーダに搭載され、手振れを検出する圧電振動角速度センサー及びその振動子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、角速度センサーは、航空機のように慣性座標系の角速度を検出し進行方向を割り出す用途に用いられてきたが、最近では、自動車のナビゲーションの補助機能として、また、カメラ一体型ビデオテープレコーダの手振れ防止機能にも応用され、その需要は急速に拡大している。
【0003】第1従来例としての圧電振動角速度センサーの振動子1を図32に示す。振動子1は、三角柱状のニッケル合金2の各側面に、両面に電極が形成された圧電体4a、4b、4cが接着されてなる。図には、圧電体4aしか見えないが、圧電体4bはニッケル合金2の底面に、圧電体4cは残りのもう一面に取り付けられている。振動子1は、例えばカメラ一体型ビデオテープレコーダの筐体内に固定された2つの支持部材3、3に、側辺2aの2点(符号5で示される)で溶接され、吊り下げられるようにして支持されている。
【0004】以上のように構成される振動子1は、後述で詳しく説明するが図33に示される回路に接続され、y方向に支持点5、5を節として共振振動させる。このとき、カメラ一体型ビデオテープレコーダの手振れに起因する回転力24が振動子の中心Cのまわりに生じると、共振しているy方向と直角なx方向にコリオリ力が生じる。コリオリ力は、振動子1の質量をm、y方向の振動の速度ベクトルをv、回転力24の角速度ベクトルをωとすると、2m[v×ω]で表される。このコリオリ力を検出することにより回転力24を検出して、カメラ一体型ビデオテープレコーダの光学系を含む撮像ユニットを水平及び垂直方向に駆動するアクチュエータを制御して、画振れの少ない撮像画像を得るようにしている。
【0005】次に、図33を参照して、振動子1が接続される回路について説明する。
【0006】図33は従来実施されていた図32に示す三角柱状ニッケル合金振動子を用いた角速度センサーの処理回路である。この処理回路は、三角柱状振動子2の下面圧電素子4bの電極面に入力端が接続された増幅器18と、この増幅器18の出力端に接続された移相器19と、三角柱状振動子2の駆動・検出兼用圧電素子4a,4cとこれらの電極面4a,4cに接続された差動増幅器20と、この差動増幅器20の出力端に接続された同期検波器22と、この同期検波器22の出力端に接続されたローパスフィルター23とから成り、移相器19の出力端は分割抵抗R及び同期検波器22に接続されている。
【0007】以上のように構成された圧電振動角速度センサーの作動原理を説明する。増幅器18への直流電源の投入によりこの増幅器18を作動状態にし、移相器19を通して駆動・検出兼用圧電素子4a,4cに略25kHzの駆動電圧を印加すると、振動子1は図32に示す支持点5を節とし、振動子1の両端を自由端としてy方向に自身の安定した機械的共振周波数で自励振動する。移相器19は増幅器18の出力を位相調整しているが、この位相調整で振動子1は自励振動することができる。今、振動子1に回転24が加わっていない場合、圧電素子4a,4cの歪みは全く同じように起こるので両圧電素子4a,4cからの出力は振幅、位相ともに同一であり、従って差動増幅器20の出力は0である。
【0008】振動子2が以上のようにy方向に機械的振動をしている状態で回転24が加わった場合、回転中心軸Cとy軸に直角(x方向)にコリオリ力が発生し、励振によるy方向の力とコリオリ力によるx方向の力の合成力が振動子2を歪ませる。この歪みはx方向に生じるので圧電素子4a,4cの電極面には互いに逆符号の電圧、すなわち逆位相の電圧が生じる。以下、このコリオリ力による生じる信号をコリオリ信号と呼ぶことにする。
【0009】前記合成力により圧電素子4a,4cからはそれぞれの励振信号とコリオリ信号とが重畳された形の交流信号として検出される。この検出信号はそれぞれ差動増幅器20に反転入力と非反転入力されて、差動後の出力には同位相である励振信号が互いに打ち消され、逆位相のコリオリ信号だけが検出される。検出されたコリオリ信号は同期検波器22に入力され、移相器19の出力で同期検波される。同期検波により得られた信号は励振信号の高周波成分が混じっているのでローパスフィルター23で高周波成分を除去し、回転角速度ωに比例した振幅を有する信号が得られる。
【0010】次に、図34に、第2の従来例としての圧電振動角速度センサーの振動子6を、図35に振動子6が接続された回路図を示す。この振動子6は、円柱状の圧電セラミックス7に、その周面に6個の電極9、10、11、12、13、14が、例えばスクリーン印刷により形成されている。なお、図35では電極9は、回路の接続関係をわかりやすくするために軸方向に延びているように図示したが、実際は図34に示されるように、円柱状の圧電セラミックス7の周方向に沿って形成されている。電極11、12、14はつながっており、電気接続線15を介して接地されている。電極9、10、13はそれぞれ電気的に独立しており、それぞれ電気接続線17、25、16を介して、後述する回路の各構成要素と接続している。
【0011】この振動子6は、ゴムでなる2つの支持部材8、8によって支持されており、この支持点を節として、上記第1従来例と同様に、y方向に共振振動され、このとき、回転力24が振動子の中心Cのまわりに生じると、共振しているy方向と直角なx方向にコリオリ力が生じる。そして、このコリオリ力を検出することにより回転力24を検出する。
【0012】図35は従来実施されていた図34に示す円柱状圧電振動子7を用いた角速度センサー6の処理回路である。この処理回路は、円柱状圧電振動子7の駆動用電極9に出力端が接続された増幅器18と、円柱状圧電振動子7の検出用電極10,13に接続された差動増幅器20および加算器21と、差動増幅器20の出力端に接続された同期検波器22と、この同期検波器22の出力端に接続されたローパスフィルター23と、加算器21の出力端と増幅器18の入力端との間に接続された移相器19とから成り、また電極11,12,14はアースされている。なお、図35において、図33に示した回路における構成要素と対応するものについては同じ符号を付するものとする。
【0013】以上のように構成された圧電振動角速度センサーの作動原理を説明する。増幅器18への直流電源の投入によりこの増幅器18は作動状態になり、電極10,13の出力は加算器21で加算され、移相器19で位相を調整して増幅器18に加えられる。この増幅出力が電極9に入力されて振動子7は図34に示す支持点部材8の位置を節とし、振動子7の両端を自由端としてy方向に略25kHzでに自励振動する。振動子6に回転24が加わらない場合、図33の場合と同様に検出用電極10、13には振幅、位相ともに同一の信号が得られて差動増幅器20の出力は0である。
【0014】振動子6がy方向に励振している状態で回転24が加わった場合、図33の場合と同様に、コリオリ力がx方向に働き振動子7が歪むので検出用電極10、13には互いに逆位相のコリオリ信号が発生する。そして検出用電極10、13からの励振信号とコリオリ信号が重畳された信号が差動増幅器20と加算器21に入力される。加算器21では互いに逆位相のコリオリ信号は打ち消され、同位相の励振信号だけが出力されて移相器19に加えられる。移相器19は位相を調整し、その出力は増幅器18に加えられて電極9に加えられる。また一方で差動増幅器20のコリオリ信号出力は同期検波器22に入力され、加算器21の出力で同期検波される。同期検波によって得られた信号はローパスフィルター23により回転角速度ωに比例した信号を得る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記第1従来例の三角柱状の振動子1は、現在最も検出感度が高く主流となっている。しかし、三角柱のニッケル合金2への圧電体4a、4b、4cの接着や支持点5、5での溶接など、その構造や製造工程が複雑なため量産効果を上げることが難しい。これは、更に小型化するに従ってその傾向が顕著に現れる。
【0016】また、第2従来例の円柱状の圧電体7そのものを振動子としたものは、圧電体の接着に伴う問題はない。しかし、円柱形状への加工精度の確保が困難であること、また、電極を一本一本曲面に印刷するために、やはり量産効果は期待できない構造となっている。更に、小型化するに従って、円柱加工の精度や曲面への電極の印刷精度の確保が困難になる。
【0017】以上のように、従来は、構造が複雑で組立精度の管理が難しく、よって共振周波数の調整も難しく、角速度検出特性にバラツキが出る等の問題があった。特に、小型化すると更に厳しい精度を要求され、より低コスト化、より小型化することが困難であった。
【0018】本発明は上述の問題に鑑みてなされ、構造及び製造工程を簡単にし、製造コストを下げ、加工精度を高くして特性の安定した圧電振動角速度センサー及びその振動子の製造方法を提供することを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するにあたり、本発明では、圧電振動角速度センサーの振動子は四角柱状の圧電体であり、その側面には、平行に対向した側面に形成された電極の対が少なくとも2対以上形成されており、この圧電体は振動の節点で支持され、励振駆動用電極に交流電圧を印加して、軸方向に関しての両端を自由端として共振振動させ、回転角速度が加わるとコリオリ力の発生で生じる電圧差を2つの検出用電極から検出するようにしている。
【0020】又は、平板状の圧電体の厚さ方向の両面全面に、メッキ又は印刷により電極を形成し、この厚さ方向に分極処理し、この平板を多数の四角柱片に切断することにより、電極形成面を有する四角柱形状の圧電体でなる圧電振動角速度センサーの振動子を得るようにしている。
【0021】又は、平板状の圧電体の厚さ方向の両面全面にそれぞれ、メッキ又は印刷により第1の電極と第2の電極を形成し、この平板を多数の四角柱片に切断し、この四角柱片の第1及び第2の電極が形成された両面と垂直な2つの面それぞれにメッキ又は印刷により第3の電極と第4の電極を形成した後、分極処理を行い、各側面に電極が形成された四角柱形状の圧電体でなる圧電振動角速度センサーの振動子を得るようにしている。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】図1は、本発明の第1の実施の形態による、圧電振動角速度センサーの振動子30である。振動子30は、四角柱形状の圧電体35の上下面に、電極がメッキにより形成されてなる。図2に、振動子30の拡大断面図を示すが、第1の側面としての上面33には、軸方向に沿って延びる溝31により2分割された、第1分割電極33aと第2分割電極33bがメッキにより形成されている。第2の側面としての下面34には、溝31と対称な位置に軸方向に沿って延びる溝32が形成され、第3分割電極34aと第4分割電極34bがメッキにより形成されている。矢印Pは分極の方向を示す。
【0024】次に、この振動子30の製造方法について、図3を参照して説明する。図3Aに示すものは、例えばPZT(PbZrTiO3 )系の圧電セラミックスでなる厚さ1mmの薄板36である。この上下両面それぞれの全面に、下地にニッケルメッキを、この上に金をメッキする。そして、この後この上下のメッキ形成面に直流の高電圧を印加して、板36を厚さ方向に分極させる。次に、図3Bに示すように、薄板36をカッティングライン37に沿って切断し、幅1mm、長さ12mmの多数の四角柱片35を切り出し、振動子30を得る。このとき、カッティングライン39に沿って、上下両面に、図1及び図2の振動子30の電極分割溝31、32となる溝を、四角柱片への切出しと同じ砥石を用いた砥石加工により、切出しと連続して行う。切り出される四角柱片35の寸法は、この四角柱片35を振動子として共振させるときの共振周波数の設定に合わせて決められる。
【0025】次に、図4を参照して振動子の支持について説明する。切り出された振動子30は、図4Aに示されるように、4個の支持フレーム40の8カ所の支持部40aと、メッキ形成面(第1〜第4分割電極)とが半田付けにより接合される。支持フレーム40の材質は、例えばリン青銅、ステンレス等であり、厚さは100μm程度である。そして、図4Bに示されるように、上下に対向する支持フレーム40間に支持ブロック41を挟ませて固定させる。支持ブロック41は、非磁性のブロック体で、ある程度の剛性のある材料が用いられている。例えば、セラミックス(CaTiO3 )や樹脂系材料など。支持ブロック41は、カメラ一体型VTRの筐体に固定されており、振動子30は宙吊りの状態で、支持フレーム40の支持部40と固定されており支持される。振動子30は図5に示す回路と接続されるが、支持フレーム40の支持部40を電極として回路と接続される。また、支持部40は、この回路により共振させられる振動子30の振動の節点(ノード点)となり、振動子30は軸方向の両端を自由端として共振させられる。
【0026】次に、図5を参照して、振動子30の接続される回路について説明する。
【0027】図5は図1に示す圧電振動子30を用いた角速度センサーの処理回路である。この処理回路は、圧電振動子30の駆動・検出兼用電極33aに接続された移相器19と、この移相器19の出力端に接続された増幅器18と、駆動・検出兼用電極33aの出力端は減算器25を介して、検出用電極33bの出力端はそのまま接続された差動増幅器20と、この差動増幅器20の出力端に接続された同期検波器22と、この同期検波器22の出力端に接続されたローパスフィルター23とから成り、増幅器18の出力は移相器19を介して駆動・検出兼用電極33aに加えられ、振動子の電極34aはアースされている。
【0028】以上のように構成された圧電振動角速度センサーの作動原理を説明する。増幅器18への直流電源の投入によりこの増幅器18は作動状態になり、増幅出力が移相器19を通して駆動・検出兼用電極33aに入力され、振動子30を図4Aに示す支持部40aを節とし、振動子30の両端を自由端としてy方向に自身の略25kHzの機械的共振周波数で自励振動させる。電極33aには印加電圧分と励振により生じる電圧分が足されて出力される。従って振動子30に回転24が加わっていない場合は差動増幅器20の出力に電圧差が出ないようにするために、減算器25は電極33aへの印加電圧分を差し引いている。振動子30の右側下面電極34bは回路構成上は必要ないが電極33bに対して振動バランスを確保するためである。
【0029】振動子30に回転力24が加わると振動子30はx方向にコリオリ力が働き、励振によるy方向の力との合成力が振動子30を歪ませ、電極33a,33bには互いに逆位相のコリオリ信号電圧が生じる。これを差動増幅器20に入力して励振信号を打ち消し、コリオリ信号を検出する。検出されたコリオリ信号は同期検波器22で同期検波され、ローパスフィルター23により回転角速度ωに比例した信号を出力する。
【0030】次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。上記第1の実施の形態と同じ部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0031】図6は、本第2の実施の形態による、圧電振動角速度センサーの振動子60である。振動子60は、四角柱形状の圧電体66の各面に、電極がメッキ又は印刷により形成されてなる。図7に、振動子60の拡大断面図を示すが、第1の側面としての上面61には、軸方向に沿って延びる溝65により2分割された、第1分割電極61aと第2分割電極61bがメッキにより形成されている。第2の側面としての下面62には第3の電極62aがメッキにより形成されている。第3の側面63には、例えばスクリーン印刷により第4の電極63aが形成されている。同様に、第4の側面64にも印刷により第5の電極64aが形成されている。矢印Pは分極の方向を示す。
【0032】次に、この振動子60の製造方法について、図8を参照して説明する。第1実施例と同様に、先ず、圧電セラミックスでなる厚さ1mmの薄板36の上下両面それぞれの全面に、下地にニッケルメッキを、この上に金をメッキする。次に、図8Bに示すように、薄板36をカッティングライン37に沿って切断し、幅1mm、長さ12mmの多数の四角柱片66を切り出し、振動子60を得る。このとき、カッティングライン39に沿って、上面に、振動子60の電極分割溝65となる溝を、四角柱片への切出しと同じ砥石を用いた砥石加工により、切出しと連続して行う。切り出される四角柱片66の寸法は、この四角柱片66を振動子として共振させるときの共振周波数の設定に合わせて決められる。切り出された後、四角柱片66の両側面に、図7で示されるように、印刷により第4の電極63aと第5の電極64aを形成して、第1分割電極61aと第4の電極63aとの間及び第2分割電極61bと第5の電極64aとの間に直流の高電圧を印加して、矢印Pの方向に分極させる。
【0033】次に、図9を参照して振動子の支持について説明する。第1実施の形態と同様、切り出された振動子60は、図9Aに示されるように、4個の支持フレーム40の8カ所の支持部40aと、メッキ形成面(第1、第2分割電極61a、61bと第3の電極62a)とが半田付けにより接合される。そして、図9Bに示されるように、上下に対向する支持フレーム40間に支持ブロック41を挟ませて固定させる。支持ブロック41は、カメラ一体型VTRの筐体に固定されており、振動子60は宙吊りの状態で、支持フレーム40の支持部40と固定され支持される。振動子60の組立後、振動子60の縦横方向の振動の共振周波数を調整し、縦方向の共振周波数を横方向の共振周波数に対して約60Hz高めにシフトさせて設定した。振動子60は図10に示す回路と接続されるが、支持フレーム40の支持部40を電極として回路と接続される。側面に形成された第4の電極63aと第5の電極64aは、リード線で回路と接続される。また、支持部40は、この回路により共振させられる振動子60の振動の節点(ノード点)となり、振動子60は軸方向の両端を自由端として共振させられる。
【0034】次に、図10を参照して、振動子60の接続される回路について説明する。
【0035】図10は図6に示す圧電振動子60を用いた角速度センサーの処理回路である。なお、図10において、図5に示した回路における構成要素と対応するものについては同じ符号を付するものとする。
【0036】図10の処理回路は、圧電振動子60の駆動・検出兼用電極61a,61bに接続された加算器21と、この加算器21の出力端に接続された増幅器18と、この増幅器18の出力端に接続された移相器19と、駆動・検出兼用電極61a,61bに接続された差動増幅器20と、この差動増幅器20の出力端に接続された同期検波器22と、この同期検波器22の出力端に接続されたローパスフィルター23とから成り、加算器21の出力は同期検波器22に入力され、振動子60の両側面電極63a,64aはアースされている。なお、下面電極62aは振動子60の振動バランスを確保するためのものである。
【0037】以上のように構成された圧電振動角速度センサーの作動原理を説明する。図5の場合と同様に、増幅器18への直流電源の投入によりこの増幅器18は作動状態に入り、増幅出力が移相器19を通して駆動・検出兼用電極61a,61bに入力され、振動子60をy方向に自身の略25kHzの機械的共振周波数で自励振動させる。振動子60に回転24が加わらないうちは差動増幅器20の出力は0である。回転24が加わった場合、コリオリ力による電極61a,61bからの信号が差動増幅器20で検出され、一方、加算器21では互いに逆位相のコリオリ信号は打ち消されて同位相の励振信号だけが出力される。差動増幅器20の出力は同期検波器22により加算器21の出力で同期検波され、ローパスフィルター23により回転角速度ωに比例した信号が得られる。
【0038】次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。上記実施の形態と同じ部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0039】図11は、本第3の実施の形態による、圧電振動角速度センサーの振動子70である。振動子70は、四角柱形状の圧電体75の各面に、電極がメッキ又は印刷により形成されてなる。図12に、振動子70の拡大断面図を示すが、第1の側面としての上面71には、第1の電極71aがメッキにより形成されている。第2の側面としての下面72には第2の電極72aがメッキにより形成されている。第3の側面73には、例えばスクリーン印刷により第3の電極73aが形成されている。同様に、第4の側面74にも印刷により第4の電極74aが形成されている。矢印Pは分極の方向を示す。
【0040】次に、この振動子70の製造方法について、図13を参照して説明する。上記実施の形態と同様に、先ず、圧電セラミックスでなる厚さ1mmの薄板36の上下両面それぞれの全面に、下地にニッケルメッキを、この上に金をメッキする。次に、薄板36をカッティングライン37に沿って切断し、幅1mm、長さ12mmの多数の四角柱片75を切り出し、振動子70を得る。切り出される四角柱片75の寸法は、この四角柱片75を振動子として共振させるときの共振周波数の設定に合わせて決められる。切り出された後、四角柱片75の両側面に、図12で示されるように、印刷により第3の電極73aと第4の電極74aを形成して、第1の電極71aと第3の電極73aとの間及び第2の電極72aと第3の電極73aとの間に直流の高電圧を印加して、矢印Pの方向に分極させる。
【0041】次に、図14を参照して振動子の支持について説明する。上記実施の形態と同様、切り出された振動子60は、図14Aに示されるように、4個の支持フレーム40の8カ所の支持部40aと、メッキ形成面(第1、第2の電極71a、71b)とが半田付けにより接合される。そして、図14Bに示されるように、上下に対向する支持フレーム40間に支持ブロック41を挟ませて固定させる。支持ブロック41は、カメラ一体型VTRの筐体に固定されており、振動子70は宙吊りの状態で、支持フレーム40の支持部40と固定され支持される。振動子70の組立後、振動子70の縦横方向の振動の共振周波数を調整し、縦方向の共振周波数を横方向の共振周波数に対して約60Hz高めにシフトさせて設定した。振動子70は図15に示す回路と接続されるが、支持フレーム40の支持部40を電極として回路と接続される。側面に形成された第3の電極73aと第4の電極74aは、リード線で回路と接続される。また、支持部40は、この回路により共振させられる振動子70の振動の節点(ノード点)となり、振動子70は軸方向の両端を自由端として共振させられる。
【0042】次に、図15を参照して、振動子70の接続される回路について説明する。
【0043】図15は図11に示す圧電振動子70を用いた角速度センサーの処理回路である。この回路は、駆動・検出兼用電極71a,72aが圧電振動子70の上下全面に設けたこと、側面電極74aはアースしないことを除けば図10と同じであるので、回路構成の説明を省略する。なお、図15において、図10に示した回路における構成要素と対応するものについては同じ符号を付するものとする。
【0044】図15の作動原理は、振動子70をx方向に自励振動させ、コリオリ力によるy方向の振動で生じる電極71a,72aの電圧差を検出するが、その信号処理は図10の場合と同様である。側面電極74aは回路構成上は必要ないが、側面電極4に対して振動バランスを確保するためである。
【0045】次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。上記実施の形態と同じ部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0046】図16は、本第4の実施の形態による、圧電振動角速度センサーの振動子80である。振動子80は、四角柱形状の圧電体87の各面に、電極がメッキ又は印刷により形成されてなる。図17に、振動子80の拡大断面図を示すが、第1の側面としての上面81には、軸方向に沿って延びる溝85により2分割された、第1分割電極81aと第2分割電極81bがメッキにより形成されている。第2の側面としての下面82には、溝85と対称な位置に形成された軸方向に沿って延びる溝86により2分割された、第3分割電極82aと第4分割電極82bがメッキにより形成されている。第3の側面83には、例えばスクリーン印刷により第5の電極83aが形成されている。同様に、第4の側面84にも印刷により第6の電極84aが形成されている。矢印Pは分極の方向を示す。
【0047】次に、この振動子80の製造方法について説明するが、図3に示される第1の実施の形態と同様な方法で、薄板36から四角柱片87を切り出し、振動子80を得る。切り出された後、四角柱片87の両側面に、図17で示されるように、印刷により第5の電極83aと第6の電極84aを形成して、第1分割電極81aと第5の電極83aとの間、第2分割電極81bと第6の電極84aとの間、第3分割電極82aと第5の電極83aとの間、第4分割電極82bと第6の電極84aとの間に直流の高電圧を印加して、矢印Pの方向に分極させる。
【0048】次に、図18を参照して振動子の支持について説明するが、上記実施の形態と同様であるため、重複する記載は省略し簡単に説明する。切り出された振動子80は、4個の支持フレーム40の8カ所の支持部40aと半田付けにより接合される。そして、上下に対向する支持フレーム40間に支持ブロック41を挟ませて固定させ、振動子80は宙吊りの状態で支持される。その他、回路との接続や共振の節点、共振周波数の調整についても上記実施の形態と同様なことが言える。
【0049】次に、図19を参照して、振動子80の接続される回路について説明する。
【0050】図19は図16に示す圧電振動子80を用いた角速度センサーの処理回路である。なお、図19において、図10に示した回路における構成要素と対応するものについては同じ符号を付するものとする。
【0051】図19の処理回路は、圧電振動子80の駆動用電極81a,81bに接続された加算器21と、この加算器21の出力端に接続された増幅器18と、この増幅器18の出力端に接続された移相器19と、圧電振動子80の検出用電極82a,82bに接続された差動増幅器20と、この差動増幅器20の出力端に接続された同期検波器22と、この同期検波器22の出力端に接続されたローパスフィルター23とから成り、加算器21の出力は同期検波器22に入力され、振動子80の両側面電極83a,84aはアースされている。なお、図19において、図10に示した回路における構成要素と対応するものについては同じ符号を付するものとする。
【0052】以上のように構成された圧電振動角速度センサーの作動原理は、駆動用電極81a,81bに25kHzの駆動電圧を印加してy方向に自励振動させ、コリオリ力によるx方向の振動で生じる検出用電極82a,82bのコリオリ信号を差動増幅器20で検出し、加算器21の出力である励振信号で同期検波器22により同期検波してローパスフィルター23により回転角速度ωに比例した信号が得られる。
【0053】図20は、本第5の実施の形態による、圧電振動角速度センサーの振動子90である。振動子90は、四角柱形状の圧電体96の各面に、電極がメッキ又は印刷により形成されてなる。図21に、振動子90の拡大断面図を示すが、第1の側面としての上面91には、軸方向に沿って延びる溝95により2分割された、第1分割電極91aと第2分割電極91bがメッキにより形成されている。第2の側面としての下面92には第3の電極92aがメッキにより形成されている。第3の側面93には、例えばスクリーン印刷により第4の電極93aが形成されている。同様に、第4の側面94にも印刷により第5の電極94aが形成されている。矢印Pは分極の方向を示す。
【0054】次に、この振動子90の製造方法について説明するが、図8に示される第2の実施の形態と同様な方法で、上下面にメッキされ、厚さ方向に分極処理された薄板36から四角柱片96を切り出し、振動子90を得る。切り出された後、四角柱片96の両側面に、図21で示されるように、印刷により第4の電極93aと第5の電極94aを形成する。
【0055】次に、図22に振動子90の支持を示すが、上記実施の形態と同様であるため簡単に説明すると、切り出された振動子90は、4個の支持フレーム40の8カ所の支持部40aと半田付けにより接合される。そして、上下に対向する支持フレーム40間に支持ブロック41を挟ませて固定させ、振動子90は宙吊りの状態で支持される。その他、回路との接続や共振の節点、共振周波数の調整についても上記実施の形態と同様なことが言える。
【0056】図23は図20に示す圧電振動子90を用いた角速度センサーの処理回路であり、回路構成、作用は図10と同じで、対応する構成要素には同じ符号を付してある。
【0057】次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。上記実施の形態と同じ部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0058】図24は、本第6の実施の形態による、圧電振動角速度センサーの振動子100である。振動子100は、四角柱形状の圧電体107の各面に、電極がメッキ又は印刷により形成されてなる。図25に、振動子100の拡大断面図を示すが、第1の側面としての上面101には、軸方向に沿って延びる溝105により2分割された、第1分割電極101aと第2分割電極101bがメッキにより形成されている。第2の側面としての下面102には、溝105と対称な位置に形成された軸方向に沿って延びる溝106により2分割された、第3分割電極102aと第4分割電極102bがメッキにより形成されている。第3の側面103には、例えばスクリーン印刷により第5の電極103aが形成されている。同様に、第4の側面104にも印刷により第6の電極104aが形成されている。矢印Pは分極の方向を示す。
【0059】次に、この振動子100の製造方法について説明するが、図3に示される第1の実施の形態と同様な方法で、上下面にメッキされ、厚さ方向に分極処理された薄板36から四角柱片107を切り出し、振動子100を得る。切り出された後、四角柱片107の両側面に、図25で示されるように、印刷により第5の電極103aと第6の電極104aを形成する。
【0060】次に、図26に振動子100の支持を示すが、上記実施の形態と同様であるため簡単に説明すると、切り出された振動子100は、4個の支持フレーム40の8カ所の支持部40aと半田付けにより接合される。そして、上下に対向する支持フレーム40間に支持ブロック41を挟ませて固定させ、振動子100は宙吊りの状態で支持される。その他、回路との接続や共振の節点、共振周波数の調整についても上記実施の形態と同様なことが言える。
【0061】次に、図27を参照して、振動子100の接続される回路について説明する。
【0062】図24に示す圧電振動子を用いた角速度センサーの回路を示す図27は加算器21の入力端と差動増幅器20の入力端とを接続していることを除けば、図19と同じである。すなわち図27において、左側の上下電極2aと3aを接続し、右側の上下電極2bと3bを接続している。
【0063】以上のように構成された圧電振動角速度センサーの作動原理は、駆動用電極101a,101bに25kHzの駆動電圧を印加してy方向に自励振動させ、コリオリ力によるx方向の振動で生じる検出用電極102a,102bのコリオリ信号を差動増幅器20で検出し、加算器21の出力である励振信号で同期検波器22により同期検波してローパスフィルター23により回転角速度ωに比例した信号が得られる。
【0064】次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。上記実施の形態と同じ部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0065】図28は、本第7の実施の形態による、圧電振動角速度センサーの振動子110である。振動子110は、四角柱形状の圧電体115の各面に電極がメッキ又は印刷により形成されてなる。図29に、振動子110の拡大断面図を示すが、第1の側面としての上面111には、第1の電極111bがメッキにより形成されている。第2の側面としての下面112には第2の電極112aがメッキにより形成されている。第3の側面113には、例えばスクリーン印刷により第3の電極113aが形成されている。同様に、第4の側面114にも印刷により第4の電極114aが形成されている。矢印Pは分極の方向を示す。
【0066】次に、この振動子110の製造方法について説明するが、図13に示される第3の実施の形態と同様な方法で、上下面にメッキされ、厚さ方向に分極処理された薄板36から四角柱片115を切り出し、振動子110を得る。切り出された後、四角柱片115の両側面に、図29で示されるように、印刷により第3の電極113aと第4の電極114aを形成する。
【0067】次に、図30に振動子110の支持を示すが、上記実施の形態と同様であるため簡単に説明すると、切り出された振動子110は、4個の支持フレーム40の8カ所の支持部40aと半田付けにより接合される。そして、上下に対向する支持フレーム40間に支持ブロック41を挟ませて固定させ、振動子110は宙吊りの状態で支持される。その他、回路との接続や共振の節点、共振周波数の調整についても上記実施の形態と同様なことが言える。
【0068】次に、図31を参照して、振動子110の接続される回路について説明する。
【0069】図31は図28に示す圧電振動子110を用いた角速度センサーの処理回路であり、振動子110の駆動・検出兼用の側面電極113a,114aに差動増幅器20が接続されており、下面電極112aはアースされており、上面電極111aは振動バランスを確保するためのものである。それ以外の回路構成は図6と同様である。作動原理は、電極113a,114aに駆動電圧が印加されると振動子110はy方向に振動し、回転24によりx方向にコリオリ力が働くので電極113a,114bで信号を検出する。この信号処理も図10の場合と同様である。
【0070】以上述べたように、上記各実施の形態による振動子は、接着や溶接等の作業精度の管理が難しい工程を必要としない工程により製造される簡単な構造であり、製造コストを下げることができる。且つ高精度の組立(製造)が容易になり、小型化による組立精度低下の問題点を克服できる。すなわち、一体的な圧電体を単純な四角柱構造とし、しかも平板から砥石加工で切り出すという簡単な加工で得られ、電極の形成も平面にされるので容易に精度良くでき、検出特性に優れた高精度の振動子の製造ができる。また、平板状の圧電体の上下面にひとまとまりに電極をメッキで形成した後、四角柱状の振動子への切出し加工と同時に溝を設けて電極を分割しているので、独立した電極の形成が容易にできる。また、圧電セラミックスで振動子を構成するので、振動子の構成材料にNiを含む高価な磁性体を使用する第1従来例に比べ、製品価格の削減、モータなどからの磁界による検出感度の狂いがないという効果も奏する。また、分極処理は、振動子を切り出す前に、平板両面にメッキにより電極を形成させた後、厚さ方向に行う方が一回で行え、切り出した後それぞれの振動子に側面電極を印刷した後、それぞれについて分極処理をするよりも手間がかからず簡単に行える。また、分極の方向の違いにより、圧電体の伸縮の方向にわずかな違いが生じるが、振動子としての作動上では本質的な差はない。
【0071】以上、本発明の各実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0072】以上の各実施の形態では、振動子を自励振動させ共振させたが、他励振動でもよい。この場合、完全に共振周波数で振動させることは難しく、共振周波数に近い値での振動となる。
【0073】また、以上の各実施の形態では、回転角速度は振動子の中心Cのまわりに生ずるとして説明したが、2つの検出用電極から等距離にある中心Cを通る直線上の点のまわりに回転角速度が発生すれば検出できる。
【0074】また、以上の各実施の形態では、平板状の圧電体の上下面にはメッキにより電極を形成し、振動子を切り出した後のその側面には印刷により電極を形成したが、両者ともメッキあるいは印刷により形成してもよい。また、上下面には印刷で、側面にはメッキで形成してもよい。
【0075】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の請求項1による圧電振動角速度センサーによれば、その振動子の構造を単純化し、製造コストを下げ、加工精度も高くすることができ、特性の安定化を確保しつつ振動子の小型化を図ることができる。
【0076】また、本発明の請求項9又は請求項13の圧電振動角速度センサーの振動子の製造方法によれば、振動子を簡単な工程で製造でき、製造コストを低くでき、また加工精度も高くすることができるので、特性のバラツキのない振動子を製造でき、小型化も可能となる。
【出願人】 【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【出願日】 平成11年7月7日(1999.7.7)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−21359(P2001−21359A)
【公開日】 平成13年1月26日(2001.1.26)
【出願番号】 特願平11−192929