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【発明の名称】 慣性センサの感度調整方法
【発明者】 【氏名】高島 正樹

【要約】 【課題】慣性センサ100の感度調整方法では、角速度センサ230及び加速度センサ450の感度調整を高効率化することを目的とする。

【解決手段】角速度センサ450及び加速度センサ230を一体化した慣性センサ100を用意し、慣性センサ100をターンテーブル300上に固定しターンテーブル300を角速度ωで回転させた状態で、角速度センサ450から検出信号に応じて調整信号を角速度センサ450に付与してその感度調整を行い、加速度センサ230からの検出信号に応じて調整信号を加速度センサ230に付与してその感度調整を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 角速度を検出して検出信号を出力する角速度センサ(450)と、加速度を検出して検出信号を出力する加速度センサ(230)とを一体化した慣性センサ(100)を用意し、前記慣性センサを回転体(300)に配設してこの回転体を所定の角速度で回転させた状態で、前記角速度センサからの検出信号に応じて調整信号を前記角速度センサに付与してその感度調整を行い、前記加速度センサからの検出信号に応じて調整信号を前記加速度センサに付与してその感度調整を行うことを特徴とする慣性センサの感度調整方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、慣性センサの感度調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車において、その走行時における横滑りを検出し安全化制御を行う為に、加速度センサと、角速度センサとが個別に採用されたものがある。
【0003】ここで、加速度センサの感度調整にあたっては、加速度センサが地球の重力加速度(1G)を検出している状態で成され、角速度センサの感度調整にあたっては、角速度センサが一定の角速度で回転するテーブル上に固定され該角速度を検出している状態で成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、自動車においては、その高機能化が進み、加速度センサ及び角速度センサの双方を搭載するスペースが不足し、加速度センサ及び角速度センサを一体化することが望まれている。
【0005】しかして、一体化した加速度センサ及び角速度センサにおいては、上述と同様に、加速度及び角速度の双方の感度調整を、それぞれ、個別に、行うことは非効率的である。
【0006】そこで、本発明は、角速度センサ及び加速度センサを一体化した慣性センサの感度調整方法において、角速度センサ及び加速度センサの双方の感度調整を高効率化することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、加速度センサが一定の角速度で円運動したとき、その加速度が回転運動の角速度及び半径によって決まることに着目して、成されたものである。
【0008】すなわち、請求項1に記載の発明では、角速度を検出して検出信号を出力する角速度センサ(450)と、加速度を検出して検出信号を出力する加速度センサ(230)とを一体化した慣性センサ(100)を用意する。
【0009】そして、慣性センサを回転体(300)に配設してこの回転体を所定の角速度で回転させた状態で、角速度センサからの検出信号に応じて調整信号を角速度センサに付与してその感度調整を行い、加速度センサからの検出信号に応じて調整信号を加速度センサに付与してその感度調整を行うことを特徴とする。
【0010】これにより、慣性センサが回転体に配設された状態で、角速度センサ及び加速度センサの双方の感度調整が成されるので、双方の感度調整の効率を高くすることができる。
【0011】因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
【0013】図1、図2に本発明に係る自動車用慣性センサ100を示す。図1は慣性センサ100の平面図で、図2は慣性センサ100の正面図である。慣性センサ100は、図1に示すように、ハウジング10、加速度センサエレメント20a、20b、センサ回路30、角速度センサエレメント40及びセンサ回路50を備えている。
【0014】ここで、加速度センサエレメント20a、20b及びセンサ回路30によって加速度センサ230を構成し、角速度センサエレメント40及びセンサ回路50によって角速度センサ450を構成している。
【0015】加速度センサエレメント20a、20bは、ハウジング10内に収納され、センサ回路30上に搭載されている。加速度センサエレメント20a、20bは、ダイヤフラム式のものであって、自動車の加速度に応じた信号を出力する。
【0016】センサ回路30は、ハウジング10内に収納され、加速度センサエレメント20a、20bからの信号を信号処理し加速度検出信号を出力する。加速度検出信号の特性は、後述する調整装置が加速度検出信号に応じてセンサ回路30に加速度調整信号を出力することで調整される。
【0017】ここで、加速度調整信号は、図3に示すように、加速度センサエレメント20a、20bに加速度αが印加されたとき、センサ回路30から加速度検出信号としての所望の電圧Vaを出力させるものである。センサ回路30は、加速度調整信号に基づいて、加速度検出信号の特性として、例えば、図3中のY1、Y2に示す特性からY3に示す所望の特性に代える。
【0018】このことにより、加速度センサ230の感度(加速度に対する加速度検出信号の電圧レベルの傾き及びオフセット電圧)が加速度調整信号に応じて調整される。
【0019】また、角速度センサエレメント40は、図1に示すように、ハウジング10内に収納され、自動車の検出角速度に応じて信号を出力する。なお、角速度センサエレメント40は、音叉式センサであって、その拡大平面図は、図4に示すようになっている。
【0020】センサ回路50は、ハウジング10内に収納され、角速度センサエレメント40からの信号を信号処理して角速度検出信号を出力する。角速度検出信号の特性は、調整装置が角速度検出信号に応じてセンサ回路50に角速度調整信号を出力することで調整される。
【0021】ここで、角速度調整信号は、図5に示すように、角速度センサエレメント40が角速度ωで回転しているとき、センサ回路50から角速度検出信号としての所望の電圧Vbを出力させるものである。センサ回路50は、角速度調整信号に基づいて、角速度検出信号の特性として、例えば、図5中のZ1、Z2に示す特性からZ3に示す所望の特性に代える。
【0022】このことにより、角速度センサ450の感度(角速度に対する角速度検出信号の電圧レベルの傾き及びオフセット電圧)が角速度調整信号に応じて調整される。なお、センサ回路50は、センサ回路30と独立している。
【0023】次に、慣性センサ100の感度調整方法の説明に先だって加速度センサ230及び角速度センサ450の感度調整の為の調整装置につき図6、図7を参照して説明する。
【0024】調整装置は、図6に示すように、ターンテーブル300を有し、このターンテーブル300は、駆動装置によって角速度ωで回転駆動される。
【0025】ここで、図7に示すように、ターンテーブル300上においてその回転中心から半径rの部位に慣性センサ100を配置した状態で、ターンテーブル300が角速度ωで回転すると、角速度センサエレメント40は、角速度ωに応じて信号を出力し、加速度センサエレメント20a、20bは、加速度α(=r×ω2)に応じて信号を出力する。
【0026】また、調整装置は、上述の如くターンテーブル300上に慣性センサ100を配置した状態で、センサ回路30からの加速度検出信号に応じてセンサ回路30に加速度調整信号を付与し加速度センサ230の感度を調整し、同時に、センサ回路50から角速度検出信号に応じてセンサ回路50に角速度調整信号を付与し角速度センサ230の感度を調整する。
【0027】以下、慣性センサ100の感度調整方法につき図8を参照して説明する。図8は、慣性センサ100の正面図である。
【0028】先ず、加速度センサエレメント20a、20b及び角速度センサエレメント40をハウジング10内に組み付けた状態の慣性センサ100を用意する。
【0029】次に、慣性センサ100をターンテーブル300上のうちその回転中心から半径rの部位に固定し、図8に示すように、調整装置からセンサ回路30、50にそれぞれ加速度調整信号及び角速度調整信号を付与する為のコンタクトプローブ60を慣性センサ100に接続する。
【0030】そして、センサ回路30、50からそれぞれ出力される加速度検出信号及び角速度検出信号を上記調整装置に付与する為に、慣性センサ100のコネクタ70に調整装置からのコネクタを接続する。
【0031】次に、駆動装置の電源スイッチをオンすると、ターンテーブル300は、駆動装置によって駆動されて、角速度ωで回転する。
【0032】ここで、角速度センサエレメント40は角速度ωに応じて信号を出力し、この出力された信号を信号処理して、センサ回路50が角速度検出信号を調整装置に出力する。これにより、調整装置は、角速度センサ450の感度を調整する。
【0033】同時に、加速度センサエレメント20a、20bは、加速度αに応じて信号を出力し、この出力された信号を信号処理して、センサ回路30が加速度検出信号を調整装置に出力する。これにより、調整装置は、加速度センサ230の感度を調整する。
【0034】以上により、慣性センサ100がターンテーブル300上に固定された状態で、角速度センサ450及び加速度センサ230の双方の感度調整が成されるので、双方の感度調整が同時に行うことが可能になる。従って、慣性センサ100の感度調整の効率を高くすることができるので、慣性センサ100の生産性を向上することができる。
【0035】また、図9に示すように、ターンテーブル300上の同一円周上に複数の慣性センサ100(図9では、4個の場合を示す)を固定すれば、各々の慣性センサ100の角速度センサ450及び加速度センサ230の感度調整を、同時に行うことができる。
【0036】因みに、複数の慣性センサ100を、各々、ターンテーブル300上の同一円周上ではなく、異なる半径の円周上に固定した場合でも、加速度αの値(ねらい値)を該半径に対応するように変えれば、加速度センサ230の感度調整は可能である。
【0037】なお、この場合でも、角速度センサ450において、上記実施形態と同様に、感度調整は可能である。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成11年6月23日(1999.6.23)
【代理人】 【識別番号】100100022
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 洋二 (外2名)
【公開番号】 特開2001−4379(P2001−4379A)
【公開日】 平成13年1月12日(2001.1.12)
【出願番号】 特願平11−176922