| 【発明の名称】 |
測距演算装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 秀典
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| 【要約】 |
【課題】対のレンズの結像面上に対のラインセンサからなるイメージセンサ21,22を設けた受光手段20Aから、露光データS20を露光周期毎にラインセンサ1対に対応する距離検出部70のメモリ71に送って各ラインセンサ視野内を測距する装置で、1ラインセンサ毎の画素数を増し例えば1024個としても、メモリ71の対応画素データ収容数は256個と演算回路規模は増さずに測距の精度,速度を高める。
【解決手段】先ずラインセンサ全視野角領域の測距のためデータ加工部100が露光データS20の4画素分を平均等で各1画素分データに変換し1ラインセンサ毎256個のデータにして距離検出部に送ることで、測距対象抽出部90Aが全視野角内の対象物が在る一部視野角の位置を求めて位置情報S90Fを加工部100に送り、次に加工部100が露光データS20から一部視野角位置の1ラインセンサ毎256個のデータを選択し距離検出部へ送る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】光軸が互いに平行で同一平面上に結像する対のレンズの結像面上に、一列又は複数列のラインセンサを持つ対の受光手段が、それぞれのレンズに対応し、対となるラインセンサの列同士がそれぞれ同一直線上にあるように配置され、対の受光手段が対のラインセンサの各1ライン分の画素データ列を、対となる画素相互の視野方向が一致するように同期してラインセンサの一端側から他端側に向けて順次出力し、さらにこの出力を対のラインセンサの配列順に全列行うことを露光周期毎に繰り返し、ラインセンサの1ライン分の画素数より少なく、この1ラインに対応する全視野角領域内の測距対象物が存在し得る一部視野角領域を少なくとも検出できる所定の第1の画素数の画素データを収容する対の画素データ記憶手段と、この対の画素データ記憶手段に収容された画素データを用いて、この画素データ記憶手段の画素データに対応する全視野の各方向毎の測距を行う距離検出手段とを持つ第1及び1又は複数個の第2の測距分担手段と、対の受光手段の各ラインセンサに対応する全視野角領域の測距を行うために、対の受光手段より出力される画素データから、画素データの選択,変換等の処理により、ラインセンサ1ライン当たりの画素データ数が前記第1の画素数に等しい対のラインセンサ全列分の画素データ(以下、転送単位画面データという)のこの1単位分又は複数単位分をそれぞれ一括又は分割生成し、この各転送単位画面データを露光周期毎に1単位分ずつ第1の測距分担手段に与える第1のデータ加工手段と、第1の測距分担手段がこの第1のデータ加工手段から1又は複数露光周期にわたり与えられた各転送単位画面データについて行った各対のラインセンサに対応する画素データごとの測距の情報から各ラインセンサの全視野角領域内の、前記1又は複数個の第2の測距分担手段にそれぞれ対応する一部視野角領域の位置を検出する一部視野角領域抽出手段と、この一部視野角領域抽出手段の位置検出情報に基づき、対の受光手段より1露光周期分として出力される全画素データから、それぞれ前記の検出された第2の測距分担手段別の一部視野角領域の位置にある前記転送単位画面データを選択し、1露光周期にそれぞれ対応する第2の測距分担手段に与える第2のデータ加工手段と、第2の各測距分担手段がそれぞれ第2のデータ加工手段より与えられた転送単位画面データについて行った各対のラインセンサに対応する画像データごとの測距の情報から、各一部視野角領域内の測距対象物の距離を検出する手段とを備えたことを特徴とする測距演算装置。 【請求項2】請求項1に記載の測距演算装置において、前記第1のデータ加工手段が、対の受光手段の全画素に対応する画素データを、対の受光手段より露光周期順にそれぞれ出力される各全画素データ又は1露光周期に出力されて一時記憶手段に記憶された全画素データから、露光周期毎に前記転送単位画面データの1単位分ずつを画素配列の順に分割選択することを繰り返すことにより複数単位分の転送単位画面データとして生成し、この生成した各転送単位画面データを露光周期毎に順次第1の測距分担手段に与えるようにしたことを特徴とする測距演算装置。 【請求項3】請求項1に記載の測距演算装置において、前記第1のデータ加工手段が、対の受光手段から1露光周期分として出力される全画素データに対し、画素配列の順に所定の複数画素分毎の平均又は間引き選択を行うことにより、この各複数画素分の画素データをそれぞれ1画素分ずつの画素データに変換して前記転送単位画面データの1単位分を生成し、この生成した転送単位画面データを1露光周期に第1の測距分担手段に与えるようにしたことを特徴とする測距演算装置。 【請求項4】請求項1に記載の測距演算装置において、対の受光手段から1露光周期分として出力される全画素データに対し、画素配列の順に所定の複数画素分毎の平均又は間引き選択を行うことにより、この各複数画素分の画素データをそれぞれ1画素分ずつの画素データに変換し、ラインセンサ1ライン当たりの画素数が、その全画素数より少なく前記第1の画素数より多い第2の画素数であるようにした画素データを1次変換画素データと呼ぶとき、前記第1のデータ加工手段が、対の受光手段の全1次変換画素データに対応する画素データを、対の受光手段より露光周期順にそれぞれ出力される各全画素データから得られる各全1次変換画素データ、又は対の受光手段より1露光周期分として出力された全画素データから前記のように変換されて一時記憶手段に記憶された全1次変換画素データから、露光周期毎に前記転送単位画面データの1単位分の1次変換画素データずつを、画素配列の順に分割選択することを繰り返すことにより複数単位分の転送単位画面データとして生成し、この生成した各転送単位画面データを露光周期毎に順次第1の測距分担手段に与えるようにしたことを特徴とする測距演算装置。 【請求項5】請求項1ないし4のいずれかに記載の測距演算装置において、前記第1の測距分担手段が第2の測距分担手段の機能を兼ねるようにしたことを特徴とする測距演算装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は自動車の衝突防止等のために少なくとも1対のイメージセンサによる光強度データ対から、イメージセンサの視界内に存在する先行自動車等である対象物の距離を検出するに適する測距演算装置であって、特にイメージセンサの光センサ(画素)の密度を高めながらも、集積回路内の測距演算回路の規模や動作周波数を増大せずに、測距精度の向上と測距時間の高速化との両立を計った測距演算装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から自動焦点カメラでは1対のイメージセンサにより被写体である対象を捉えて、その1対の映像が持つ光学的ないわゆる視差から対象までの距離を正確に検出する技術が知られており、カメラの場合にはそのファインダの正面に捕らえた対象の距離を検出するのが通例であるが、さらに正面から所定の角度方向にある対象についても距離を検出する技術が特開平3−1413ll号公報に本件出願人により開示されている。以下、図13を参照しながらその概要を説明する。 【0003】同図において、1対のレンズ11と12は、いわゆる基線長bを隔てて配置されており、基線長bの中点から見て角度θの方向にある被写体としての対象1までの距離dを検出するものとする。 【0004】21と22は、例えばそれぞれ画素である複数個のホトダイオードなどの光センサがライン状に配列され、各光センサの受光量(光強度データ,映像データ,画素データ,センサデータともいう)が各光センサに付設されたCCD素子によってシフトレジスタ状に読出されるように構成された、いわゆるCCDリニアセンサアレイからなる1対のイメージセンサである。 【0005】イメージセンサ21と22は対応するレンズ11と12から焦点距離fだけ離れた位置に置かれており、それらの上に対象1の映像I1とI2がレンズ11と12により互いに異なる光路L1とL2を介してそれぞれ結像される。 【0006】いま、対象1が無限遠点にあるものとすると、映像I1とI2はレンズ11と12の光軸から角度θだけ傾いた位置P1とP2に結像されるが、対象1が有限の距離dにある時は、映像I1とI2はこれらの基準位置P1とP2からそれぞれσ1とσ2だけずれた位置に結像される。σ=σ1+σ2とおくと、三角測距法の原理から対象1の距離dは角度θに無関係に次式で表される。 【0007】 【数1】 d=bf/σ (1) ここで基線長bと焦点距離fは定数なので、角度θに対応する位置P1とP2からの映像I1とI2のずれの和σを検出すれば距離dが求まる。なお、実際には距離dのかわりにσをその指標として利用する。なお、対象1の方向を示す角度θをとる原点を図13のように基線長bの中点とすればσ1=σ2になる。 【0008】イメージセンサ21と22の下側には、それらの各光センサの受光量を表す、例えば8ビット構成のデータの集合である映像データD1とD2が模式的に示されている。 【0009】角度θの方向にある対象1の距離指標σを求めるには、これらの映像データD1とD2から対象1を捉えるに適する視野に対応する視野部分Dp1とDp2を下側に示すようにそれぞれ抽出し、さらにこれらの視野部分Dp1とDp2から、それぞれ部分群d1とd2を、普通は光強度データの1個分ずつ交互にずらせながら抽出して組み合わせCk(k=0〜km)を順次作って行き、各組み合わせCkごとに両部分群d1とd2間の相関を検定する。 【0010】このように映像I1とI2を表す光強度データを含んだ部分群d1とd2を互いにずらせながら、両者が最大相関を示す組み合わせ番号kを求めると、この番号kと、視野部分Dp1とDp2の角度θに対応する基準位置P1とP2に対する抽出位置とから、求める距雉指標σをごく簡単な加減算によって算出することができる。 【0011】自動焦点カメラの場合には、このようにして得られる距離指標σに応じて撮像レンズの位置を調整することにより、ファインダの正面から特定の角度θの方向にある対象1に焦点合わせすることができる。 【0012】しかし上述のような従来技術では、角度θを指定してその方向にある対象1の距離を検出することはできるが、例えば自勤車の衝突防止のため不特定の方向に存在する先行自動車等の対象1を見付けることはできず、ましてその角度方向や距離を検出することができない。 【0013】衝突防止の場合は、運転者に検出対象を特定する負担を掛けることなく未知の対象を検出できることが必要である。また、イメージセンサ21や22が持つ視界内には遠近の位置にある背景や道路や複数台の自動車が混在するのが普通であるから、先行自動車等である対象1をそれらとできるだけ明確に識別しながら見付け、且つそれまでの距離を混在物に惑わされることなく正確に検出できることが必要である。さらに、衝突を確実に防止するには対象1を可能な限り短時間内に検出できることが望ましい。 【0014】本出願人の先願になる特開平9−73539号には、この課題を解決するための技術が開示されている。以下、図面を用いてその概要を説明する。図14は検出対象を捉えるべき視野の設定要領を示すイメージセンサ手段20と先行自動車1の関係を示す模式図である。図の左側に示す自動車3の先頭部分に円内に拡大して示すレンズ11と12を備える光学手段10と、イメージセンサ21と22を備えるイメージセンサ手段20とが小形のモジュールの形で搭載されており、はぼ垂直方向に配置されたイメージセンサ21と22の対はそのほぼ垂直な視界内に正面前方にある先行自動車である検出対象1を捉える。 【0015】図15は諸手段の構成例をイメージセンサ手段20上に映像を結像させる光学手段と共に示す模式図である。図15の上部に示す光学手段10とイメージセンサ手段20は実際には図14のように垂直に置かれるが、図示の都合から水平な姿勢で示されている。 【0016】各イメージセンサ手段20内のイメージセンサ21や22は光学手段10の対応するレンズ11,12を介して受光し、その各光センサから順次取り出されるアナログの光検出信号は増幅器23により増幅され、かつA/D変換器24によってディジタルのデータに変換されてメモリ25に一時記憶され、さらに後述の距離検出手段70内に1対の映像データDlとD2として読み込まれる。 【0017】イメージセンサ21や22が持つ垂直な視野内の対象を捉えるために複数個設定される視野の一つが光学手段10の方に視野角φで示されており、その方向は図14に示すように水平方向に対して角度(方向角)θをなすものとする。 【0018】距離検出手段70は複数の視野方向に対する距離検出速度を高めるためにハードウェアないしは電子回路で構成するのが良く、図15の例では上述の映像データDlやD2を記憶するメモリ71と、並行動作する複数個の単位距離検出回路72等を集積化し、例えばいわゆるゲートアレイである集積回路をこれに用いる。 【0019】各単位距離検出回路72は図13を参照して説明したような要領で各視野方向について距離を検出するもので、各映像データDlやD2からそれぞれ視野部分DPlやDP2を抽出して対とし、それから部分群dl,d2をそれぞれ逐次抽出していきながら部分群対毎に相関を検定した上で、最高相関を示した部分群dl,d2の視野部分DPl,DP2からの抽出位置のずれから各視野方向に対する距離を普通はその指標σの形で計算する。 【0020】なお、この方法の特長を活かすには複数個の視野でイメージセンサ21や22の垂直視野内の所望の範囲を漏れなく覆うよう、即ち隣合う視野が少なくとも重なり合うようにするのが良く、実際には各視野の角度を比較的狭めに設定して視野の数を多くとり、視野間の重なり合いも大きく設定するのが良い。例えば、イメージセンサの数百個の光センサ中20〜30個分の広さをもつ視野を光センサ1個分ずつずらして多数個設定するのが望ましい。 【0021】各単位距離検出回路72は距離指標σの計算に際してメモリ71内の映像データDlとD2から、関わる視野に相当する視野部分DPlとDP2または部分群dlとd2を切り取ってデータ毎に順次ないしは纏めて読み込むが、図ではかかるメモリ71と単位距離検出回路72の関連が両者を紀ぶ細線で簡略に示されている。 【0022】対象検出手段80は距離検出手段70の検出結果、図示の例ではその単位距離検出回路72により計算された複数の距離指標σから対象1を検出するもので、図示のように小形のプロセッサ90にソフトウェアとしてあらかじめ装荷しておき、そのメモリ91に距離検出手段70から複数の距離指標σを読み込んで一旦記憶した上でこれに与えるようにするのがよい。 【0023】この対象検出手段80に各視野の方向についての距離検出手段70による検出距離が所期値、例えば図14に示すように角度θの視野方向に対する路面上の距離Dより近い距離を連続して示す場合に限り、かかる視野方向の範囲に検出対象1が実際に存在するものと判定させる。 【0024】また、上記距離検出においては、映像データDlとD2から抽出した部分群dlとd2の対間の相関値を対応データの差の絶対値の和の形で計算するようにし、かつ単位距離検出回路72に計算させる各相関値をその隣の単位回路による相関値に対する相関値の差分だけの加減算により求めるようにするのが非常に有利である。以下に図16を参照して説明する。 【0025】図16(a)は映像データDlとD2から各視野に相当する視野部分DPlとDP2の対を抽出し、且つそれらから相関値を計算すべき部分群dlとd2の対を抽出する様子を示すものである。図の各2個の視野部分DPlとDP2は隣合う2個の視野に対するもので、例えば光センサ1個ずつ互いにずれている。各2個の部分群dlとd2中のハッチング部分に関する相関値の計算が共通な点に着目して計算を簡単化する。 【0026】図16(b)はかかる簡易化計算のための回路例の要部を示すもので、図の上部に示す映像データDlとD2には、それらから上述の各2個の部分群dlとd2が抽出される位置が示されている。図の右下部に単位距離検出回路72の要部が2個分示されおり、その左側に共通計算回路73が示されている。共通計算部分を読み取って対応するデータの差の絶対値の和Σを計算するもので、右側の小円を付した入力は各入力データの補数の加算によって差をとることを意味している。 【0027】単位距離検出回路72の図示の部分は加算回路から構成されており、入力の一方に小円が付された加算回路72aと72bは上と同様にデータの補数の加算により差をとる実際には減算用であり、入力に小円がない加算回路72Cはそのまま加算用であることを意味するものとする。 【0028】また、図16(b)中の2個の単位距離検出回路72の内の左側は同図(a)の上側の部分群の対について,右側は下側の剖分群の対についてそれぞれ相関値を計算するためのものである。 【0029】左側の単位距離検出回路72の加算回路72aは上側の部分群対の内の左側の非共通部分である光センサ1個分のデータを入力して差の絶対値をとり、加算回路72Cはこれを共通計算回路73の計算結果に加算して上側の部分群の対に関する相関値を作る。 【0030】この左側の単位距離検出回路72により計算された相関値と、その加算回路72aによる減算結果は右側の単位距離検出回路72の加算回路72bに与えられて両者の差が作られる。 【0031】右側の単位距離検出回路72内の加算回路72aは下側の部分群の対の右側の非共通部分である光センサ1個分のデータを入力して差の絶対値をとり、加算回路72Cはこの結果を加算回路72bの減算結果に対して加算することにより下側の部分群の対に関する相関値を作る。 【0032】以上から容易にわかるように、右側の単位距離検出回路72と同じ回路をさらに繰り返して設けることにより、順次に方向がずらされる視野方向に対する図16(a)の視野部分DPlとDP2の対から抽出する同じk番目の組み合わせCkの部分群の対に関する相関値を計算できる。 【0033】部分群対のその他の組み合わせについてももちろん同様である。このように、図16の態様によれば各単位距離検出回路72の相関値の計算部分を加算回路の簡単な組み合わせで構成できる。 【0034】 【発明が解決しようとする課題】上述の先願技術を使用することで全視野方向の距離計算をする場合にも計算負荷を大幅に軽減し、高速な測距が可能になる。ところで、特に高速道路において走行車などの測距を行う場合、数十メートルから百数十メートル先に走行する自動車を正確に検出し、同時に自車との相対速度を測定するため高速に測距を繰り返さなければならない。この場合、計算負荷を軽くするために、測距する視野を狭くすることは、他車線からの車の急な進入や自車の車線変更などの場合に必要な車を検出することが難しくなるため、困難である。 【0035】測距の精度や速度を高めるには、図15のような構成の回路を大規模化し、イメージセンサの画素数を増加して映像の分解能を高める一方、動作周波数を高め測距演算を高速化することが考えられる。 【0036】しかしながら、回路のこのままの大規模化はコストアップにつながり、動作周波数の上昇は信頼性に悪影響を与える可能性があることなどからあまり望ましくない。 【0037】そこで本発明は、イメージセンサの画素密度(従って画素数)を増加しながらも、距離検出手段の回路規模をイメージセンサに比して相対的に小規模とし、且つ回路の動作周波数の増大を抑えることで、コス卜や信頼性上の問題なく、しかも測距精度の向上と測距速度の高速化との両立を計ることができる測距演算装置を提供することを課題とする。 【0038】 【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するために、請求項1の測距演算装置は、光軸が互いに平行で同一平面上に結像する対のレンズ(11,12)の結像面上に、一列又は複数列のラインセンサ(21a〜21n,または22a〜22n)を持つ対の受光手段(20A)が、それぞれのレンズに対応し、対となるラインセンサの列同士がそれぞれ同一直線上にあるように配置され、対の受光手段が対のラインセンサの各1ライン分の画素データ列を、対となる画素相互の視野方向が一致するように同期してラインセンサの一端側から他端側に向けて(A/D変換器24,1画素分メモリ25等を介し)順次出力し、さらにこの出力を(ラインセンサセレクタ26を介し)対のラインセンサの配列順に全列行うことを露光周期(T)毎に繰り返し、ラインセンサの1ライン分の画素数(例えば1024個)より少なく、この1ラインに対応する全視野角領域内の測距対象物が存在し得る一部視野角領域を少なくとも検出できる所定の第1の画素数(例えば256個)の画素データ(センサデータD1,D2)を収容する対の画素データ記憶手段(センサデータメモリ71)と、この対の画素データ記憶手段に収容された画素データを用いて、この画素データ記憶手段の画素データに対応する全視野の各方向毎の測距を行う距離検出手段(距離検出回路72S)とを持つ第1及び1又は複数個の第2の測距分担手段(全視野角分担の距離検出部70V及び一部視野角分担の距離検出部70A(70A1,70A2等))と、対の受光手段の各ラインセンサに対応する全視野角領域の測距を行うために、対の受光手段より出力される画素データから、画素データの選択,変換等の処理により、ラインセンサ1ライン当たりの画素データ数が前記第1の画素数に等しい対のラインセンサ全列分の画素データ(以下、転送単位画面データという)のこの1単位分又は複数単位分(例えば2つ又は4つ分)をそれぞれ一括又は分割生成し、この各転送単位画面データを露光周期毎に1単位分ずつ第1の測距分担手段に与える第1のデータ加工手段(データ加工部100)と、第1の測距分担手段がこの第1のデータ加工手段から1又は複数露光周期にわたり与えられた各転送単位画面データについて行った各対のラインセンサに対応する画素データごとの測距の情報から各ラインセンサの全視野角領域内の、前記1又は複数個の第2の測距分担手段にそれぞれ対応する一部視野角領域の位置を検出する一部視野角領域抽出手段(測距対象抽出部90A)と、この一部視野角領域抽出手段の位置検出情報(測距対象位置情報S90F)に基づき、対の受光手段より1露光周期分として出力される全画素データから、それぞれ前記の検出された第2の測距分担手段別の一部視野角領域の位置にある前記転送単位画面データを選択し、1露光周期にそれぞれ対応する第2の測距分担手段に与える第2のデータ加工手段(データ加工部100)と、第2の各測距分担手段がそれぞれ第2のデータ加工手段より与えられた転送単位画面データについて行った各対のラインセンサに対応する画像データごとの測距の情報から、各一部視野角領域内の測距対象物の距離を検出する手段(測距対象抽出部90A)とを備えたものとする。 【0039】また、請求項2の測距演算装置は、請求項1に記載の測距演算装置において、前記第1のデータ加工手段が(100(112)となって)、対の受光手段の全画素に対応する画素データを、対の受光手段より露光周期順にそれぞれ出力される各全画素データ又は1露光周期に出力されて一時記憶手段(メモリ101)に記憶された全画素データから、露光周期毎に前記転送単位画面データの1単位分ずつを画素配列の順に分割選択することを繰り返すことにより複数単位分(例えば4つ)の転送単位画面データとして生成し、この生成した各転送単位画面データを露光周期毎に順次第1の測距分担手段に与えるようにする。 【0040】また請求項3の測距演算装置は、請求項1に記載の測距演算装置において、前記第1のデータ加工手段が(100(122)となって)、対の受光手段から1露光周期分として出力される全画素データに対し、画素配列の順に所定の複数(例えば4つの)画素分毎の平均又は間引き選択を行うことにより、この各複数画素分の画素データをそれぞれ1画素分ずつの画素データに変換して前記転送単位画面データの1単位分を生成し、この生成した転送単位画面データを1露光周期に第1の測距分担手段に与えるようにする。 【0041】また請求項4の測距演算装置は、請求項1に記載の測距演算装置において、対の受光手段から1露光周期分として出力される全画素データに対し、画素配列の順に所定の複数(例えば2つの)画素分毎の平均又は間引き選択を行うことにより、この各複数画素分の画素データをそれぞれ1画素分ずつの画素データに変換し、ラインセンサ1ライン当たりの画素数が、その全画素数より少なく前記第1の画素数より多い第2の画素数(例えば512個)であるようにした画素データを1次変換画素データと呼ぶとき、前記第1のデータ加工手段が(100(132)となって)、対の受光手段の全1次変換画素データに対応する画素データを、対の受光手段より露光周期順にそれぞれ出力される各全画素データから得られる各全1次変換画素データ、又は対の受光手段より1露光周期分として出力された全画素データから前記のように変換されて一時記憶手段(メモリ101)に記憶された全1次変換画素データから、露光周期毎に前記転送単位画面データの1単位分の1次変換画素データずつを、画素配列の順に分割選択することを繰り返すことにより複数単位分(例えば2つ)の転送単位画面データとして生成し、この生成した各転送単位画面データを露光周期毎に順次第1の測距分担手段に与えるようにする。 【0042】また請求項5の測距演算装置は、請求項1ないし4のいずれかに記載の測距演算装置において、前記第1の測距分担手段が(距離検出部70となって)第2の測距分担手段の機能を兼ねるようにする。 【0043】即ち本発明では、イメージセンサについては、1ライン(1本)ずつのイメージセンサ(ラインセンサ)の画素数を増加し画素配列の密度を高めて画像検出の分解能を高める。一方、距離検出手段は、測距のために露光周期毎に取り込む1ラインセンサ当たりの画素データ(センサデータ)の数を、1ラインセンサ分の画素数より少なくし、露光周期毎一度に全視野角の領域(つまり、図15にてイメージセンサ21又は22の全体で見渡すことができる視野角φの領域)を測距するには足りないが、測距対象物が存在すると推定される一部の視野角領域のみを測距するには充分な数とすることで、距離検出手段の回路の規模をイメージセンサに比べ小さくし、計算負荷、装置コスト、動作周波数等の増大を抑える。 【0044】そして、先ず全視野角領域の測距情報から測距対象が存在し得る一部視野角領域の位置(方向)を検出したのち、次にこの一部視野角領域内のみの測距を行うという一連の動作を繰り返すが、全視野角領域内の測距については、測距点が多く計算負荷が大きくなり高速の測距が困難になることを防ぐため、次に述べるように時間的分解能または空間的分解能(なお、空間的分解能は距離の遠近の間隔にも対応するので距離の測定精度(距離の分解能)にも対応する)を低くした測距を行う。 【0045】他方、一部視野角領域内の測距については、露光周期毎に(つまり最高の測定速度で)空間的にも時間的にも最高の精度(分解能)の測距を行うことで、高い測距の精度,速度の両立を計る。 【0046】このような全視野角領域と一部視野角領域の異なる方式の測距演算を高速で行うために、イメージセンサと距離検出手段との間にセンサデータを加工する手段100を追加し、このデータ加工手段がイメージセンサからのセンサデータに対して、全視野角領域測距用と一部視野角領域測距用とで異なる加工を行い、加工された異なる加工のセンサデータを周期的に切替えて出力したり、並列に出力して距離検出手段に与えるようにする。 【0047】なお、これらのセンサデータの加工は、センサデータの選択とか、非常に単純な平均や間引きとなるため、センサデータ加工手段100を単純な小規模の電子回路で実現することができる。 【0048】ところで、全視野角領域内について分解能を下げた測距を行うといっても測距対象や測距の用途により、下げてもよい分解能に対する許容条件が異なるので、本発明では測距の態様を次のように3つの場合に分ける。 【0049】(1)全視野角領域内の測距対象の検出に複数露光周期掛かっても空間的に高密度(高分解能)の測距を行う必要がある場合(つまり時間的分解能より空間的分解能が必要な場合) 、(2)全視野角領域内の測距対象の検出に精度が粗くなっても1露光周期で測距を終える必要がある場合(つまり各露光周期毎(高速)に全視野角領域内の測距を繰り返さなければならないような、空間的分解能より時間的分解能が必要な場合)、(3)上記(1),(2)の中間の場合で、全視野角領域内の測距対象の検出に程々の精度と速度が必要な場合( つまり程々に空間的分解能も時間的分解能も必要な場合)。 【0050】図3,4は上記(1),(2)の概念の説明図である。この両図において、Vwはイメージセンサ21,22が複数列からなる場合における、各列のイメージセンサから捉える全視野角領域の全て(全列分)としての視界、Voは各列のイメージセンサから捉える全視野角領域内の測距対象物が存在すると推定される一部視野角領域の全て(全列分)からなる注目領域で、この2つの領域Vw,Vo内の各点Pmは視界Vwや注目領域Vo中に測距される各点としての測距点である。そして、注目領域Voにおける測距点Pmはイメージセンサの画素1点ずつに対応する最高の密度であり、この注目領域Vo内の各点Pmの測距は露光周期毎に行われるものとする。 【0051】図3は上記(1)の場合の測距の概念を示し、視界Vwと注目領域Voでの測距点Pmの密度は同様に高密度である。この場合、視界Vw領域の各点Pmの測距は複数の露光周期を掛けて行われる。 【0052】他方、図4は上記(2)の場合の測距の概念を示し、視界Vwの領域の測距点Pmの密度は注目領域Voでの測距点Pmの密度に比べ粗である。この場合、視界Vw領域の各点Pmの測距は露光周期毎に行われるが、この各点はイメージセンサの複数画素分に相当し、この複数画素毎に1個の画素のデータを間引き又は平均化によって求め、測距に用いる。以下では上記(1),(2),(3)の各場合を、それぞれ発明の実施の形態の1,2,3として説明する。 【0053】 【発明の実施の形態】(実施の形態1)先ず、全視野角領域内の測距において、時間的分解能より空間的分解能が必要な場合の実施の形態を説明する。本形態では視界Vwから測距対象物が存在し得る注目領域Voを検出する処理(換言すれば、全視野角領域内から一部全視野角領域を検出する処理)に複数露光周期(本例では4露光周期)を掛け、全てのイメージセンサの画素データ(センサデータ)を使用し1画素の間隔で測距する。 【0054】しかし、一部視野角領域内の測距には、その一部分のセンサデータしか使用しないことで、測距に用いるセンサデータ数を減らして測距時間を速め、1露光周期毎に測距を行って測距対象の時間的変化を捉えやすくする。この測距方式は全視野角領域内の測距にも精度が必要で、かつ測距対象の高速な測距が必要な場合に有効である。 【0055】以下では全視野角領域内の測距と一部視野角領域内の測距を1つの距離検出手段で行う場合(実施例1−1)と2つの距離検出手段がそれぞれを分担する場合(実施例1−2)に分けて説明する。 【0056】(実施例1−1)図1のデータ加工部100を100(111)としたものが、本実施例1−1における測距演算装置の構成を示すブロック図である。この図1の図15に対する相違点、又は補足すべき点を述べると、21と22はそれぞれ並設された複数の個別のイメージセンサ21a〜21nと22a〜22nからなるイメージセンサで、以下ではこの1ライン(1本)ずつの個別のイメージセンサをラインセンサとも呼んで区別する。なお、ラインセンサ上の光センサ(画素)の配列をセンサラインともいう。ここで、ラインセンサ21aと22a、・・・、21nと22nはそれぞれ対になっている。 【0057】また、26は、対のラインセンサを同時に1対ずつ順次選択し、露光周期ごとに全てのラインセンサ21a〜21n及び22a〜22nを選択することを繰り返すラインセンサセレクタである。 【0058】なお、各ラインセンサは本例では1024個の画素(光センサ)からなるものとし、各画素の受光量(画素データ,センサデータ,映像データ,光強度データ)は、対のラインセンサ上の対となる当該画素同士の視野の方向が一致するように、ラインセンサの一端から他端(本例では右端から左端)へ向かいクロックに同期して順次転送され、セレクタ26,増幅器23を経てA/D変換器24に入る。 【0059】そしてA/D変換器24により1画素分ずつ8ビットのデジタルデータに変換され、1画素分のメモリ25を経て露光センサデータS20として次段のデータ加工部100に送られる。 【0060】従って、イメージセンサ21,22内の全てのセンサデータは露光周期ごとにデータ加工部100に送られることになる。なお、図1では21〜26の各手段を一括して受光手段20Aと呼ぶ。 【0061】データ加工部100(111、後述の121,131も同様)は、イメージセンサ側から入力した露光センサデータS20に対して、全視野角領域測距モード,一部視野角領域測距モードのモード別に、後述のように当該データ加工部100の種類(111〜131)に応じた加工を施し、加工済センサデータS100として距離検出部70に送る。 【0062】距離検出部70は、図15に示された距離検出手段70と基本的には同構成であるが、本実施例1−1(なお、後述の実施例2−1,3−1でも同様)では、最低一部視野角領域内を測距するに必要な、この例では対のラインセンサに対応する256バイトずつの対のセンサデータ(画素データ,映像データ)D1,D2をそれぞれ格納するセンサデータメモリ71と、1画素の間隔で図16に示す視野部分DP1,DP2の設定ができる(従って1画素間隔で視野方向毎の測距ができる)ように多数の並行動作する単位距離検出回路72からなる距離検出回路72Sとを備えるものとする。 【0063】そして距離検出部70は、本実施例1−1(後述の実施例2−1,3−1も同様)では、データ加工部100から送出される全視野角領域分又は一部視野角領域分の加工済センサデータS100(S100V又はS100A)に応じ、それぞれ当該センサデータS100を用いた測距演算により全視野角領域内又は一部視野角領域内の視野方向毎の距離を検出し、それぞれ距離データS70(S70V又はS70A)として出力する。 【0064】90Aはプロセッサからなる測距対象抽出部で、全視野角領域測距モードでは距離検出部70から1又は複数(本実施例1−1では4つ、なお後述の実施例2−1では1つ、実施例3−1では2つ)の露光周期にわたり出力される、全視野角領域分の距離データS70Vから詳しく見たい部分、つまり実際に測距すペき対象(例えば自車の走行する道路の前方にある車のうち最も至近距離にある車)が存在すると推定される一部視野角領域の位置(方向)を検出し、測距対象位置情報S90Fとしてデータ加工部100へ知らせる。 【0065】また、本実施例1−1(なお、後述の実施例2−1,3−1も同様)では測距対象抽出部90Aはデータ加工部100に対しこの他、全視野角領域測距モードと一部視野角領域測距モードの切替え指令も送るものとする。 【0066】また測距対象抽出部90Aは、一部視野角領域測距モードでは距離検出部70から1露光周期毎に出力される一部視野角領域分の距離データS70Aから測距対象の距離を検出し測距対象距離データS90として(例えば運転者もしくは自動車の制御部へ)出力する。 【0067】図5は本実施例において、図1の各手段間を流れるデータとその切換わり状況の概略を示す。図7は本実施例1−1におけるデータ加工部100(111)の構成と、その入出力センサデータである露光センサデータS20と加工済センサデータS100の流れの例を示す。データ加工部100は測距対象抽出部90Aよりの指示に従って、全視野角領域測距モードと一部視野角領域測距モードとで出力する加工済センサデータS100をそれぞれS100VとS100Aに切り換える。 【0068】なお、図7(なお、図8〜図12も同様)において、広幅矢印で示されるデータ加工部100の入出力センサデータの、矢印内に記された#1〜#12の番号は、説明の便宜上、そのセンサデータがイメージセンサ21または22の露光によって取得されたのち、データ加工部100に入力するときの露光周期の番号を意味するものとし、また、矢印の長さの尺度Tは1露光周期分に相当するものとする。 【0069】本例ではイメージセンサ21又は22は、各ラインセンサ1ライン当たり1024画素で構成されており、1画素分のデータはデジタル値1バイトで表現される。ここで、イメージセンサ21,22のラインセンサの対数をm対とすると、イメージセンサ21,22からはそれぞれT/1024×m秒ごとに対の各1画素分の1バイトデータが出力され、よってT/m秒毎にラインセンサの1対のセンサデータが送信され、イメージセンサ21又は22の全センサデータとしてのラインセンサm対分の送信はT秒で終了し、T秒毎に新しく露光した全センサデータ(m対)がS20としてデータ加工部100へ送信されることになる。 【0070】距離検出部70内の計算機能部分である距離検出回路72SはT/m秒ごとに、256画素分の対のセンサデータを用いた距離計算処理能力しかなく、対のセンサデータメモリ71の容量も各々256バイトであり、距離検出部70はデータ加工部100からはT/m秒間にlラインセンサ当たり256画素分の対の加工済センサデータS100しか受け取らないものとする。 【0071】図7では、全視野角領域測距モードでは、測距対象抽出部90Aの指令により、データ加工部111は、露光周期#1にイメージセンサ21,22から到来したラインセンサ1ライン当たり1024バイト分のm対の露光センサデータS20を一旦メモリ101に格納し、このメモリ101から露光周期#1〜#4の間、T秒毎に画素配列のアドレス順に、ラインセンサ1ライン当たり256バイトずつのm対のセンサデータを取り出し、加工済センサデータS100Vとして送出することを4露光周期繰り返し、計4T秒かけて全視野角分のセンサデータS100Vを距離検出部70に送信する。よって露光周期#2〜#4の間、イメージセンサ21,22からデータ加工部111に到来する露光センサデータS20は無視されることになる。 【0072】距離検出部70は、データ加工部111から送信されるラインセンサ1ライン当たり256バイト分の対のセンサデータS100Vを受信するつど、その256バイト分の視野角内の測距を行い、測距データを全視野角分の距離データS70Vとして測距対象抽出部90Aに送る。 【0073】これにより、測距対象抽出部90Aは計4T秒の間に受け取る全視野角分距離データS70Vから測距対象物が存在すると推定される一部の視野角の位置(方向)を検出し、露光周期#4中にその位置を測距対象位置情報S90Fとしてデータ加工部111の通信部105に伝える。 【0074】いま、測距対象抽出部90Aが、距離検出部70から入力した全視野角分距離データS70Vから、仮に或るラインセンサの1ライン1024個の画素中の256番目の画素を中心に対象物が写っていることを検出したとすると、この中心画素の番号を測距対象位置情報S90Fとしてデータ加工部100に送信する。 【0075】これによりデータ加工部111は一部視野角領域測距モードの動作に移り、続く露光周期#5〜#8の間は露光周期T秒毎に、イメージセンサから入力した露光センサデータS20内の測距対象位置情報S90Fによって指定された位置にあるラインセンサ1ライン当たり256バイトの対のセンサデータのm対分(前記の例では当該のラインセンサについては画素256番目を中心に256バイト分、具体的には128番目から383番目までの画素のデータ)を取り出し一部視野角分センサデータS100Aとして距離検出部70へ送信することを繰り返す。 【0076】このように露光周期#5〜#8の間の一部視野角分データS100Aの4回の送信が行われると、再び露光周期#9から次回の全視野角領域測距モードの動作に移行する。 【0077】データ加工部111は、その構成手段として図7に示すように、全視野角領域分の1露光周期分の露光センサデータS20(本例ではラインセンサ1ライン当たり1024バイトのm対分)を距離検出部70へ送信する間、記憶するためのメモリ101と、露光周期T/m毎の距離検出部70への送信データ(本例では256バイトの1対分ずつ)の領域指定のためにそのメモリ101のアドレスを制御するための制御部103と、一部視野角領域測距モードの場合に、イメージセンサからT/m秒毎に到来する、ラインセンサ1ライン当たり1024バイトの1対分ずつの露光センサデータS20内の測距対象物の存在し得る一部視野角領域の位置のセンサデータ(前記の例では当該ラインセンサについては128番画素〜383番画素のデータ)だけを選択して出力するための選択器102と、メモリ101からの出力と選択器102からの出力を測距モード毎に切替えるための切替え器104と、測距対象抽出部90Aから一部視野角領域としてどの視野方向を見るかの指示としての測距対象位置情報S90F等を受け取るための通信部105等によって構成される。 【0078】(実施例1−2)図2のデータ加工部100を100(112)としたものが、本実施例1−2における測距演算装置の構成を示すブロック図である。図2においては距離検出部を70Vと70Aの2つ並列に設け、図1の距離検出部70の全視野角領域の測距の機能を70Vに、一部視野角領域の測距の機能を70Aにそれぞれ分担させるようにし、測距演算の高速化を計ったものである。 【0079】なお、この実施例1−2でも(なお、実施例2−2,3−2でも同様)、距離検出部70Vと70Aの構成を実施例1−1で述べた距離検出部70の構成と同じとする。 【0080】図6は本実施例1−2において図2の各手段間を流れるデータの概略を示す。但し図6では一部視野角領域内の測距を分担する距離検出部70Aを複数設け、測距対象物が存在し得る一部視野角領域が複数ある場合にも、それぞれの一部視野角領域内の測距を距離検出部70A1,70A2・・・によって分担できるようした例を示す。 【0081】図6では図5のように距離検出部の測距モードを全視野角領域と一部視野角領域に切り換える必要がないので、流れるデータにも測距モード別の切替えは生じない。 【0082】図8は本実施例1−2におけるデータ加工部112の構成とその入出力センサデータS20,S100の流れの例を示す。本例ではデータ加工部112は、距離検出部70Vに対しては、露光周期#1にメモリ101へ取り込んだイメージセンサからのラインセンサ1ライン当たり1024バイトのm対の露光センサデータS20を、露光周期#1〜#4までの間、画素配列順に1露光周期毎にラインセンサ1ライン当たり256バイトのm対ずつのセンサデータに分割し、計4露光周期(4T秒)かけて、全視野角分の加工済センサデータS100Vとして送り、露光周期#5〜#8に再び、つまり4露光周期ごとに同様な動作を繰り返す。 【0083】また、距離検出部70Vは256バイトの1対の加工済センサデータS100Vを受信するつど、直ちにその受信データについての測距を行い、その測距結果を全視野角分の距離データS70Vとして測距対象抽出部90Aに送る。 【0084】測距対象抽出部90Aは4露光周期分の全ての全視野角分距離データS70Vから直ちに測距対象物の存在位置を検出し、4露光周期毎の露光周期#4,#8,・・・中にデータ加工部112へ測距対象位置情報S90Fを送信する。 【0085】従って、データ加工部112は、距離検出部70Aに対しては、露光周期#1〜#4の間は、露光周期毎に入力するラインセンサ1ライン当たり1024バイトのm対の露光センサデータS20の内、図外の露光周期#0においてデータ加工部112へ送信された測距対象位置情報S90Fによって指定された位置にある、ラインセンサ1ライン当たり256バイトのm対のセンサデータをそれぞれ当該の1露光周期#1,#2,・・・#4毎に一部視野角分の加工済センサデータS100Aとして送信する。 【0086】同様に露光周期#5〜#8の間は、露光周期#4においてデータ加工部112へ送信された測距対象位置情報S90Fによって指定された位置にある、一部視野角分の加工済センサデータS100Aを各露光周期#5,#6,・・・#8毎に送信するというように、4露光周期毎に、新たな測距対象位置情報S90Fによって指定される位置の加工済センサデータS100Aの送信に切り換えることを繰り返す。 【0087】このようにして、実施例1−1では組となる全視野角領域の測距及び一部視野角領域の測距が8露光周期ごとに繰り返されたのに対し、実施例1−2では4露光周期ごとに繰り返され、時間的分解能が2倍になっている。なお、図8におけるデータ加工部112の構成については、図7から切替器104をは省いた構成となる。 【0088】(実施の形態2)次に、全視野角領域内の測距において、空間的分解能より時間的分解能が必要な場合の実施の形態を説明する。本形態では視界Vwから測距対象物が存在し得る注目領域Voを検出する処理(換言すれば、全視野角領域内から一部全視野角領域を検出する処理)を1露光周期に(つまり最高速で)行う。 【0089】このため、全視野角領域内の測距には露光周期毎に出力されるイメージセンサのラインごとのセンサデータ列から一定の個数間引いたセンサデータ、もしくは一定の個数ずつ平均したセンサデータを使用することで、測距に用いるセンサデータ数を減らして計算負荷を軽減する。但し一部視野角領域内の測距には間引いていないセンサデータを使用する。 【0090】以下では全視野角領域内の測距と一部視野角領域内の測距を1つの距離検出手段で行う場合(実施例2−1)と2つの距離検出手段がそれぞれを分担する場合(実施例2−2)に分けて説明する。 【0091】(実施例2−1)図1のデータ加工部100を100(121)としたものが、本実施例2−1における測距演算装置の構成を示すブロック図である。図5は本実施例においても同様に当てはまる。 【0092】図9は本実施例2−1におけるデータ加工部121の構成とその入出力センサデータS20,S100の流れの例を示す。本例ではデータ加工部121は全視野角領域内の測距の場合、露光周期毎に出力されるイメージセンサ21,22からのラインセンサの1ライン毎1024バイトのm対の露光センサデータS20の各列のセンサデータの各1ライン上において、順に並ぶ4画素分のデータ4バイトずつを、それぞれ平均し1バイトずつのセンサデータに変換する。 【0093】(なお、4画素分のデータ4バイトずつを1バイトずつに変換する方法としては、この他、単に元の1画素間隔の画素データ列を間引いて4画素間隔の画素データのみを取出す方法も考えられる。)結果として全視野角領域の測距に用いる画素データはラインセンサ1ライン毎256バイトになるので、データ加工部121はT/m秒毎にラインセンサ1ライン毎256バイトの1対ずつ、1露光周期に全m対分を、図9の黒く塗り込まれた広幅矢印のような平均全視野角分センサデータS100Vmとして距離検出部70に送信する。 【0094】本例では露光周期#1にデータ加工部121に入力された露光センサデータS20が上記のように直ちに加工されて、露光周期#1内に平均全視野角分センサデータS100Vmとして距離検出部70に送られ、距離検出部70は、このセンサデータS100Vmを用いた測距結果から、この露光周期#1内に測距対象位置情報S90Fをデータ加工部100へ送る。 【0095】これによりデータ加工部121は、イメージセンサから入力する続く3つの露光周期#2,#3,#4にそれぞれ到来するラインセンサ1ライン毎1024バイトのm対の露光センサデータS20内の、露光周期#1内に測距対象位置情報S90Fにより指定された位置にあるラインセンサ1ライン毎256バイトのm対の一部視野角分センサデータS100Aを距離検出部70へ送る。 【0096】データ加工部121は、以後の露光周期#5〜#8の露光センサデータS20にも、それぞれ露光周期#1〜#4の露光センサデータS20と同様な処理を繰り返す。 【0097】この場合のデータ加工部121の構成としては、図7のメモリ101が、全視野角領域内の測距の場合に前記平均全視野角分センサデータS100Vmを作るための、図外の加算器と1バイト分もしくは4バイト分のレジスタとによって実現できる平均回路106に置き換わった構成となる。 【0098】(実施例2−2)図2のデータ加工部100を100(122)としたものが、本実施例2−2における測距演算装置の構成を示すブロック図である。図6は本実施例においても同様に当てはまる。 【0099】図10は本実施例2−2におけるデータ加工部122の構成とその入出力センサデータS20,S100の流れの例を示す。本例ではデータ加工部122は、全視野角領域分担の距離検出部70Vに対しては、露光周期#1,#2,#3,・・・の各露光センサデータS20を実施例2−1の露光周期#1,#5,・・・の各露光センサデータS20と同様に加工してラインセンサ1ライン毎256バイトのm対の平均全視野角分センサデータS100Vmとして送り、距離検出部70Vはこの送信されたセンサデータS100Vmを用いた測距結果により、各当該の露光周期#1,#2,#3,・・・内に測距対象位置情報S90Fをデータ加工部100に送る。 【0100】これにより、データ加工部122は、各露光周期#2,#3,#4,・・・毎のラインセンサ1ライン毎1024バイトのm対の入力センサデータS20内の、それぞれ1つ前の露光周期#1,#2,#3内に測距対象位置情報S90Fで指定された位置にあるラインセンサ1ライン毎256バイトのm対を、一部視野角分センサデータS100Aとして距離検出部70Aに送る。この場合のデータ加工部122の構成としては、図8のメモリ101が、図9と同様な平均回路106に置き換わった構成となる。 【0101】(実施の形態3)次に、全視野角領域内の測距において、ある程度の時間的分解能も空間的分解能も必要な場合の実施の形態を説明する。本形態では、例えば視界Vwから測距対象物が存在し得る注目領域Voを検出する処理(換言すれば、全視野角領域内から一部全視野角領域を検出する処理)の露光周期の数を実施の形態1と2の中間で(本例では2露光周期毎に)、また画素の間引き又は平均化する間隔も実施の形態1と2の中間で(本例では2画素間隔で)行う。但し一部視野角領域内の測距には間引いていないセンサデータを使用する。 【0102】以下でも全視野角領域の測距と一部視野角領域の測距を1つの距離検出手段で行う場合(実施例3−1)と2つの距離検出手段がそれぞれを分担する場合(実施例3−2)に分けて説明する。 【0103】(実施例3−1)図1のデータ加工部100を100(131)としたものが、本実施例3−1における測距演算装置の構成を示すブロック図である。図5は本実施例においても同様に当てはまる。 【0104】図11は本実施例3−1におけるデータ加工部131の構成とその入出力センサデータS20,S100の流れの例を示す。本例ではデータ加工部131は全視野角領域内の測距の場合、露光周期毎にイメージセンサ21,22から出力されるラインセンサ1ライン毎1024バイトのm対の露光センサデータS20内の、センサデータ1ライン毎の列上において、順に並ぶ2画素分のデータ2バイトずつをそれぞれ平均し1バイトずつのセンサデータに変換する。 【0105】(なお、2画素分のデータ2バイトずつを1バイトずつに変換する方法としては、この他、単に元の1画素間隔の画素データ列を間引いて2画素間隔の画素データのみを取出す方法も考えられる。) 結果として全視野角領域内の測距に用いる画素データはラインセンサ1ライン毎512バイトのm対になるので、データ加工部131はこのラインセンサ1ライン毎512バイトのm対分のデータを、1露光周期に1ライン毎256バイトのm対分ずつ、2露光周期かけて平均全視野角分センサデータS100Vmとして距離検出部70に送信する。 【0106】本例ではデータ加工部131は、イメージセンサから露光周期#1に到来したセンサデータS20を平均回路106を介して直ちに上記のように加工してメモリ101に格納し、この格納されたラインセンサ1ライン毎512バイトのm対のデータのうちの画素配列の順に並ぶ256バイトのm対分を露光周期#1に、残りの256バイトを露光周期#2に平均全視野角分センサデータS100Vmとして距離検出部70に送る。従ってイメージセンサから露光周期#2にデータ加工部100に入力されるべき露光センサデータS20は無視される。 【0107】距離検出部70はこの2露光周期かけて受信したセンサデータS100Vmを用いた測距結果から、露光周期#2内に測距対象位置情報S90Fをデータ加工部131へ送る。 【0108】これにより、データ加工部131は続く露光周期#3,#4に到来するラインセンサ1ライン毎1024バイトのm対の露光センサデータS20内における、露光周期#2内に測距対象位置情報S90Fで指定された位置にあるラインセンサ1ライン毎256バイトのm対の露光センサデータS20を一部視野角分センサデータS100Aとして距離検出部70Aに送る。 【0109】本実施例3−1におけるデータ加工部131の構成としては図7と図9の組み合わせとなり、図11は図9のデータ加工部111の平均回路106の次段にセンサデータを一部記憶するためのメモリ101を加えた構成となる。 【0110】(実施例3−2)図2のデータ加工部100を100(132)としたものが、本実施例3−2における測距演算装置の構成を示すブロック図である。図6は本実施例においても同様に当てはまる。 【0111】図12は本実施例3−2におけるデータ加工部132の構成とその入出力センサデータS20,S100の流れの例を示す。本例ではデータ加工部132は、全視野角領域分担の距離検出部70Vに対しては、露光周期#1に到来したラインセンサ1ライン毎1024バイトのm対の露光センサデータS20を、平均回路106を介し、実施例3−1の露光周期#1の入力センサデータS20で述べたようなラインセンサ1ライン毎512バイトのm対の平均全視野角分センサデータS100Vmに加工して、メモリ101に記憶したうえ、ラインセンサ1ライン毎256バイトのm対ずつ2つの露光周期#1,#2にわけて送信し、同様に露光周期#3に到来した露光センサデータS20を加工し、露光周期#3,#4にわけて送るという動作を2露光周期の間隔で繰り返す。 【0112】そこで、距離検出部70Vは2露光周期の間に受け取ったラインセンサ1ライン毎512バイトのm対分の平均全視野角分センサデータS100Vmについての、2露光周期分の測距結果に基づく測距対象位置情報S90Fを、それぞれ露光周期#2,#4,・・・中にデータ加工部132へ送信する。 【0113】これにより、データ加工部132は一部視野角領域分担の距離検出部70Aに対しては、露光周期#3,#4にイメージセンサから到来したラインセンサ1ライン毎1024バイトのm対の露光センサデータS20からは、露光周期#2中に距離検出部70Vから受信した測距対象位置情報S90Fによって指定された位置にあるラインセンサ1ライン毎256バイトのm対の一部視野角分センサデータS100Aを取り出して、それぞれ当該の露光周期#3,#4に送り、同様に露光周期#5,#6にイメージセンサから到来した露光センサデータS20からは、露光周期#4中に距離検出部70Vから受信した測距対象位置情報S90Fによって指定された位置にある一部視野角分センサデータS100Aを取り出し、それぞれ当該の露光周期#5,#6に送るという動作を2露光周期の間隔で繰り返す。 【0114】本実施例3−2におけるデータ加工部132の構成としては、図12では図10のデータ加工部122の平均回路106の次段にセンサデータを一部記憶するためのメモリ101を加えた構成となる。 【0115】なお、図8,10,12では距離検出部が2つの場合を示したが、距離検出部70Vが測距対象物が存在し得る一部視野角領域を、予め定めた複数個検出できるようにした場合にも、データ加工部112,122,132において、それぞれイメージセンサより到来した露光センサデータS20から一部視野角分センサデータS100Aを選択する選択器102を増やすことで、図6のように複数設けた一部視野角領域の測距を分担する距離検出部70A1,70A2・・・に、それぞれに対応する一部視野角分センサデータS100A1,S100A2・・・を送って測距を行わせること(つまり図3,4において注目領域Voを複数個設定すること)も可能である。 【0116】 【発明の効果】本発明によれば、対のレンズの結像面上に、一列又は複数列のラインセンサからなる対のイメージセンサを配置し、対のイメージセンサ上のセンサデータからイメージセンサの視界内の各視野方向の測距を行い、対象物の距離を検出する装置において、ラインセンサの画素密度(従って画素数)を増加して測距の分解能を高める一方、距離検出手段が測距のために露光周期毎に一度に取り込むラインセンサ1ラインあたりのセンサデータ数を、ラインセンサ1ライン分の画素数より少なく、露光周期毎一度に全視野角領域内を測距するには足りないが、測距対象物が存在し得る一部視野角領域内のみを測距するには充分な数とし、イメージセンサと距離検出手段との間にイメージセンサが露光周期毎に出力するセンサデータを加工する手段を設け、距離検出手段が、先ず、測距点が多い全視野角領域に対して計算負荷が少なくなるよう、センサデータの取込み時間を複数露光周期として長く(時間的分解能を低く)したり、1露光周期に取り込むセンサデータの数を全視野角領域分のセンサデータから間引き又は平均化により減らして(空間的分解能(従って距離分解能)を低くして)測距を行い、その測距情報から測距すべき対象が存在し得る一部視野角領域の位置を検出したのち、この一部視野角領域内のみを時間的にも空間的にも最高の分解能で測距する一連の動作を繰り返すようにしたので、次のような効果を得ることができる。 【0117】(1)測距演算装置の回路規模や回路の動作速度を極端に上げること無く、測距対象物を高速かつ高精度に測距することができる。 (2)センサデータを加工する手段を電子回路で実現する場合、従来の測距演算回路部分をほとんど変更することなく実現することができる。 【0118】(3)従来の単純な全視野角領域内のみを測距し、一部視野角領域を区別せぬ装置に対し、センサデータを加工する手段だけ付け加えるだけで本発明の測距演算装置を実現することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005234 【氏名又は名称】富士電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年6月22日(1999.6.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088339 【弁理士】 【氏名又は名称】篠部 正治
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| 【公開番号】 |
特開2001−4367(P2001−4367A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月12日(2001.1.12) |
| 【出願番号】 |
特願平11−175520 |
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