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【発明の名称】 面取り寸法測定装置及びこの装置を用いた面取り寸法測定方法
【発明者】 【氏名】政野 郁夫
【課題】被測定体を移動させることなく面取り寸法を測定することができる面取り寸法測定装置を提供する。

【解決手段】二辺が直角に交わった角部を略45度の角度で面取り加工した被測定体の面取り寸法を測定する面取り寸法測定装置において、被測定体の直角に交わった二辺に接する接触面及び被測定体の面取り面に平行な面を備えた当て金と、この当て金に取り付けられ被測定体の面取り面に垂直に測定子を圧接して深さを測定する深さ測定装置を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 二辺が直角に交わった角部を略45度の角度で面取り加工した被測定体の面取り寸法を測定する面取り寸法測定装置において、上記被測定体の直角に交わった二辺に接する接触面を備えた当て金と、この当て金に取り付けられ上記被測定体の上記面取り面に垂直に測定子を圧接して深さを測定する深さ測定装置を備えたことを特徴とする面取り寸法測定装置。
【請求項2】 当て金は、被測定体の面取り面の中央あるいは両端部のうちの少なくとも2点に対応する位置に測定子を挿入する穴を備えたことを特徴とする請求項1記載の面取り寸法測定装置。
【請求項3】 当て金の二辺に接する接触面のうち一方の辺に接する接触面は曲面を有することを特徴とする請求項1記載の面取り寸法測定装置。
【請求項4】 深さ測定装置は、深さの実測定値をsin45度で除した値を表示する表示部を備えたことを特徴とする請求項1記載の面取り寸法測定装置。
【請求項5】 二辺が直角に交わった角部を略45度の角度で面取り加工した被測定体の面取り寸法を測定する方法であって、上記被測定体の直角に交わった二辺に接する接触面を備えた当て金を上記被測定体に接触させる段階と、この当て金に取り付けられ上記被測定体の上記面取り面に垂直に測定子を圧接して深さを測定する段階と、上記深さをsin45度で除する段階とを備えたことを特徴とする面取り寸法測定方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、二辺が直角に交わった角部を略45度の角度で面取り加工した被測定体の面取りの寸法を測定する面取り寸法測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8は、例えば特開平6−249602号公報に示された従来の面取り寸法測定装置を示す構成図である。図8において、101は被測定体で面取り面102を有している。また103は表面が平滑な定盤、104は定盤103上を摺動する接触子、105は接触子104の一端側に設けられた接触面、107は接触子104の接触面105と対向する背面106に圧接するリニアメータである。108は定盤103に垂直な基準板である。
【0003】次に面取り寸法測定装置を使用する場合の測定方法について説明する。測定に先立って、基準となる基準点を定盤103の上に定める。具体的には直角な二辺からなる角部を有する図示しない基準器の二辺を定盤103と基準板108にそれぞれ当接し、接触子104の接触面105の先端を基準器の直角の角部に当て、接触子104の背面106を圧接するリニアメータ107の目盛りを読み基準点とする。基準点が決まれば、表面が平滑な定盤103上に、被測定体101の直角に交わった二辺のうち一辺を接触し、他辺を定盤103に対して垂直な基準板108に当て裁置させる。次に被測定体101の面取り面102に接触子104の接触面105が接触するように、定盤103上の接触子104を摺動する。そして面取り面102と接触面105が接触した際の、接触子104の背面106を圧接するリニアメータ107の目盛りを読み、接触子104が基準点から摺動した距離を面取りの寸法としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の面取り寸法測定装置においては、面取り寸法の測定のために被測定体101を定盤103上に設置する必要があった。
【0005】また従来装置では接触子104を摺動し接触面105の先端が被測定体と当接した位置を測定するに過ぎないものであるため、面取り角度が45度でなく異なる角度で面取りされていたとしても、面取り角度が45度であるか否か検出することができなかった。このため従来装置では、面取り角度が45度でなされているとの前提で面取り寸法を測定することになり、誤った寸法を面取り寸法として測定する恐れがあった。
【0006】また、穴の周囲の面取りのような二辺のうちの一辺が曲面である場合の面取り寸法が測定できないという課題があった。
【0007】この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであって、被測定体を移動させることなく面取り寸法を測定することができる面取り寸法測定装置を提供するものである。
【0008】またこの発明は、面取り角度が45度でなされているか否かを検出することができる面取り寸法測定装置を提供するものである。
【0009】またこの発明は、二辺のうちの一辺が曲面である場合においても面取り寸法の測定ができる面取り寸法測定装置を提供するものである。
【0010】またこの発明は、計算することなく面取り寸法を容易に知ることができる面取り寸法測定装置を提供するものである。
【0011】またこの発明は、被測定体を移動させることなく面取り寸法を測定することができる面取り寸法測定方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係る面取り寸法測定装置は、二辺が直角に交わった角部を略45度の角度で面取り加工した被測定体の面取り寸法を測定する面取り寸法測定装置において、被測定体の直角に交わった二辺に接する接触面を備えた当て金と、この当て金に取り付けられ被測定体の面取り面に垂直に測定子を圧接して深さを測定する深さ測定装置を備えたものである。
【0013】また、この発明に係る面取り寸法測定装置は、被測定体の面取り面の中央あるいは両端部のうちの少なくとも2点に対応する位置に測定子を挿入する穴を有する当て金を備えたものである。
【0014】また、この発明に係る面取り寸法測定装置は、当て金の二辺に接する接触面のうち一方の辺に接する接触面は曲面を有するものである。
【0015】また、この発明に係る面取り寸法測定装置は、深さの実測定値をsin45度で除した値を表示する表示部を備えた深さ測定装置を備えたものである。
【0016】また、この発明に係る面取り寸法測定方法は、二辺が直角に交わった角部を略45度の角度で面取り加工した被測定体の面取り寸法を測定する方法であって、被測定体の直角に交わった二辺に接する接触面を備えた当て金を被測定体に接触させる段階と、この当て金に取り付けられ被測定体の面取り面に垂直に測定子を圧接して深さを測定する段階と、深さをsin45度で除する段階とを備えたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、この発明の実施の形態1の構成を示す構成図である。図において、1は直角に交わった二辺の角部が45度の角度で面取りされた被測定体、2は被測定体1の面取り面、3は被測定体1の直角に交わった二辺に接する接触面3a、3b及び被測定体1の面取り面2に平行な面3cを備えた当て金である。4は面取り面2の深さを測定し表示部4aに測定値を表示する深さ測定装置としての深さ測定ゲージで、当て金3に設けられた図示しない穴に挿入された測定子5を備えている。なお、測定子5は、面取り面2に垂直に押し当てられるように配置されている。
【0018】上記のように構成された面取り寸法測定装置の測定方法について説明する。図2は実施の形態1の基準点の設定を説明する説明図である。図2において、6は二辺が直角に交わった角部7を有する基準器である。まず、測定に先立って、深さ測定ゲージ4に基準器6を設置し、測定子5を角部7に押し当て、0点リセットを行う。次に深さ測定ゲージ4に被測定体1を設置し、測定子5を面取り面2に押し当てて、深さ測定ゲージ4の数値を読み取り、sin45度で除して面取り寸法を算出する。
【0019】この発明によれば被測定体1を移動することなく、例えば加工機械に取り付けたままで面取り寸法を測定することが可能である。
【0020】また実施の形態1では深さ測定装置として深さ測定ゲージを用いたが、当て金と深さ測定装置とが固定されるように取り付け部を構成することにより、深さ測定装置として例えばマイクロメータ等を用いることができる。
【0021】実施の形態2.図3乃至図5は実施の形態2の構成を示す構成図で、図3は面取り面の中央を測定している状態を示す説明図、図4は面取り面の一方の端部を測定している状態を示す説明図、図5は面取り面の他方の端部を測定している状態を示す説明図である。図において8は深さ測定ゲージ4の測定子5が挿入される穴が3ヶ所設けられた当て金で、面取り面2の中央に対応する穴8a、端部に対応する穴8b、8cを備えている。
【0022】実施の形態2においては、図3乃至図5に示すように面取り面2の中央及び両端部の深さをそれぞれ測定する。ここで面取り面2が正確に45度に面取りされていれば、中央及び両端部の深さの測定値は同一となるはずである。従って、実施の形態2によれば、中央及び両端部の深さをそれぞれ測定することにより、面取り角度が45度であるか否かを検出することができる。
【0023】なお実施の形態2では中央及び両端部の3点の深さを測定したが、中央及び両端部のうち少なくとも2点を測定することにより、面取り角度が45度であるか否かを検出することができる。
【0024】実施の形態3.実施の形態3は直角に交わった二辺のうちの一辺が曲面になっている被測定体の面取り寸法を測定するもので、この実施の形態では穴の面取り寸法を測定する例を示している。図6は実施の形態3の面取り寸法測定装置の構成を示す正面図、図7は実施の形態3の面取り寸法測定装置の構成を示す底面図である。図において9は図示上面が平坦でかつ穴10を有し、穴10の周囲を45度の角度で面取りされた被測定体、9aは被測定体9に設けられた穴10の内壁、11は一方の接触面11aが曲面で構成された当て金で、接触面11aの曲面は内壁9aの曲面に沿った形状を有している。
【0025】この実施の形態3によれば、直角に交わった二辺のうちの一辺が曲面で構成されていたとしても面取り寸法を測定することができる。
【0026】また、実施の形態3において接触面11aの曲面が異なる当て金を複数用意しておけば、様々な曲率の穴の面取り寸法を測定することができる。
【0027】実施の形態4.上記実施の形態1乃至3では深さ測定ゲージの表示部の表示値は実測値であったが、実測値をsin45度で除した値を表示するようにしておけば計算により面取り寸法を求めなくても、直接、面取り寸法を読み取ることができる。
【0028】
【発明の効果】この発明に係る面取り寸法測定装置によれば、被測定体の直角に交わった二辺に接する接触面を備えた当て金と、この当て金に取り付けられ被測定体の面取り面に垂直に測定子を圧接して深さを測定する深さ測定装置を備えたので、被測定体を移動させることなく面取り寸法を測定することができる。
【0029】また、この発明に係る面取り寸法測定装置によれば、被測定体の面取り面の中央あるいは両端部のうちの少なくとも2点に対応する位置に測定子を挿入する穴を有する当て金を備えたので、面取り角度が45度でなされているか否かを検出することができる。
【0030】また、この発明に係る面取り寸法測定装置によれば、当て金の二辺に接する接触面のうち一方の辺に接する接触面は曲面を有するので、二辺のうちの一辺が曲面である場合においても面取り寸法の測定ができる。
【0031】また、この発明に係る面取り寸法測定装置によれば、深さの実測定値をsin45度で除した値を表示する表示部を備えたので、面取り寸法を計算することなく容易に知ることができる。
【0032】また、この発明に係る面取り寸法測定方法によれば、被測定体の直角に交わった二辺に接する接触面を備えた当て金を被測定体に接触させる段階と、この当て金に取り付けられ被測定体の面取り面に垂直に測定子を圧接して深さを測定する段階と、深さをsin45度で除する段階とを備えたので、被測定体を移動させることなく面取り寸法を測定することができる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成12年1月21日(2000.1.21)
【代理人】 【識別番号】100102439
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 金雄 (外1名)
【公開番号】 特開2001−201304(P2001−201304A)
【公開日】 平成13年7月27日(2001.7.27)
【出願番号】 特願2000−12779(P2000−12779)